JP4283832B2 - 塗料組成物 - Google Patents
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Description
本発明の塗料組成物は、ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)と、ポリカプロラクトン成分(B)と、ポリシロキサン成分(C)とを必須成分とする。該ポリシロキサン成分(C)は、該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)の骨格に導入されている。
本発明におけるポリジメチルシロキサン系共重合体(A)は、ポリジメチルシロキサン部分と、ビニルモノマーの重合体鎖部分とを有する共重合体であり、ブロック共重合体であってもよいし、グラフト共重合体であってもよい。
のごとき高分子アゾ系ラジカル重合開始剤を使用してビニルモノマーと共重合させることにより、効率よくブロック共重合体を合成することができる。また、ペルオキシモノマーと不飽和基を有するポリジメチルシロキサンとを低温で共重合させて、過酸化物基を側鎖に導入したプレポリマーを合成し、該プレポリマーをビニルモノマーと共重合させる二段階の重合を行うこともできる。
のごときシリコーンオイルに、HS−CH2COOHや、
HS−CH2CH2COOH等を付加してSH基を有するシリコーン化合物とした後、該SH基の連鎖移動を利用して該シリコーン化合物とビニルモノマーとを共重合させることにより、ブロック共重合体を合成することができる。
のごときポリジメチルシロキサンのメタクリルエステル等とビニルモノマーとを共重合させることにより、容易にかつ収率良くグラフト共重合体を合成することができる。
また、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、アリルアルコール等のOH基を有するビニルモノマーを用いることもできるし、カージュラEとアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸等との反応物を用いることもできる。
なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
本発明におけるポリカプロラクトン成分(B)としては、例えば、
のごとき2官能カプロラクトンジオール類や、
のごとき3官能カプロラクトントリオール類、その他4官能カプロラクトンポリオール等を使用することができる。
該ポリカプロラクトン成分(B)をポリジメチルシロキサン系共重合体(A)の骨格に導入する場合には、ラクトン変成ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類を使用するのが好ましく、例えば、
の構造式で示されるラジカル重合性ポリカプロラクトンが挙げられる。
本発明におけるポリシロキサン成分(C)としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトキエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物や、有機溶媒中に無水ケイ酸の微粒子を安定に分散させたオルガノシリカゾル、または該オルガノシリカゾルにラジカル重合性を有する上記加水分解性シリル基を有するシラン化合物の部分加水分解物を付加させたもの等を使用することができる。なお、上記例示は本発明を限定するものではない。
該ポリシロキサン成分(C)は、得られる塗料組成物に耐熱性、耐汚染性等を付与し、塗膜の表面硬度を向上させるのに重要な役割を果たす。
上記溶液重合の反応温度は、50〜150 ℃であるのが好ましく、反応時間は、3〜12時間であるのが好ましい。
該ポリジメチルシロキサン部分の分子量は、1000〜30000 程度であるのが好ましく、効果的に塗膜表面に配向し、潤滑性を与える分子量としては、特に5000〜20000 程度であるのが好ましい。
該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をウレタン架橋するには、OH基を有する該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)に対して、メチレンビス−4−シクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体等のポリイソシアネート、あるいは上記ポリイソシアネートのブロック型イソシアネート等のウレタン架橋剤を使用することができる。
一方、該ポリジメチルシロキサン系共重合体(A)をメラミン架橋するには、アルコキシメチロールメラミン等のメラミン架橋剤を使用することができる。
かかる塗料組成物は、屋内・屋外における樹脂成型品;自動車のボディ;階段、床、家具等の木工製品;メッキ、蒸着、スパッタリング等の処理が施されたアルミホイール、ドアミラー等の製品;レンジフード、台所用キッチンパネル、ステンレスシンク、浴槽等の金属製品;窯業系壁材、玄関床等の無機建材等、特に耐擦傷性が要求される分野で用いられる塗料として好適である。
〔合成例1〕
ポリシロキサン成分Bの合成
攪拌機、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた500 ml容のフラスコに、エタノール106 重量部(以下、単に「部」という。)、メチルトリメトキシシラン270 部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシラン23部、脱イオン水100 部、1%塩酸1部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1 部を仕込み、ポリシロキサンを合成した。これをメチルイソブチルケトンにより50%に調整し、ポリシロキサン成分B(共重合用)とした。
ポリシロキサン成分Cの合成
合成例1と同様の設備を使用して、オルガノシリカゾル(分散媒:メチルイソブチルケトン,固形分:30%)100 部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシラン1.5 部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.01部及びギ酸0.01部を仕込み、80℃で3時間反応させ、ポリシロキサン成分C(共重合用)を得た。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Dの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及びメチルイソブチルケトン50部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル30部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、メタクリル酸1部及び片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製,ABN-E )1部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に3時間かけて滴下した。その後6時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Dを得た。得られたグラフト共重合体Dは、固形分50%、粘度W(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Eの合成
モノマー組成をメタクリル酸メチル20部、メタクリル酸ブチル26部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート23部、ポリシロキサン成分B10部、メタクリル酸1部及び片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部とした以外、合成例3と同様の方法でポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Eを合成した。得られたグラフト共重合体Eは、固形分50%、粘度U(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Fの合成
ポリシロキサン成分Bの代わりにポリシロキサン成分Cを使用する以外、合成例4と同様の方法でポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Fを合成した。得られたグラフト共重合体Fは、固形分50%、粘度T(ガードナーホルツ)であった。
ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Gの合成
合成例1と同様の設備を使用して、トルエン50部及びメチルイソブチルケトン50部を仕込み、80℃まで昇温した。別に、メタクリル酸メチル27部、ポリカプロラクトンメタクリルエステル(ダイセル化学工業製,プラクセルFM-5)35部、片末端メタクリル変性ポリジメチルシロキサン(信越化学工業株式会社製,X-22-174DX,分子量:5000)20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート17部、メタクリル酸1部及びアゾビス−2−メチルブチロニトリル(日本ヒドラジン工業株式会社製,ABN-E )1部を混合し、この混合モノマーを上記トルエン及びメチルイソブチルケトンの混合液に2時間かけて滴下した。その後6時間反応させて、ポリジメチルシロキサン系グラフト共重合体Gを得た。得られたグラフト共重合体Gは、固形分50%、粘度Y(ガードナーホルツ)であった。
合成例4で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体E85部及び4官能カプロラクトンポリオール(ダイセル化学工業株式会社製,プラクセル410D,分子量:1000,OH価:220 )15部を配合するとともに、架橋剤としてHMDIイソシアヌレート体(武田薬品工業株式会社製,タクネートD-170N,固形分:100 %,NCO%:20.7)36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例5で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体F85部及び実施例1と同様の4官能カプロラクトンポリオール15部を配合するとともに、架橋剤としてHMDIトリメチロールプロパンアダクト体(大日本インキ化学工業株式会社製,バーノックDN-950,固形分:75%,NCO%:12)62部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例3で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体D85部及びポリカプロラクトントリオール(ダイセル化学工業株式会社製,プラクセル308 ,分子量:850 ,OH価(KOHmg/g):195 )15部を配合するとともに、架橋剤として実施例1と同様のHMDIイソシアヌレート体36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例4で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体E100 部に、架橋剤として実施例2と同様のHMDIトリメチロールプロパンアダクト体62部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例5で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体F100 部に、架橋剤として実施例1と同様のHMDIイソシアヌレート体36部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を60℃で1時間乾燥させた後、室温下で1週間放置し、これを試験板とした。
合成例6で得られたポリジメチルシロキサン系ブロック共重合体G100 部に、架橋剤としてメトキシ化メチロールメラミン(三井サイテック株式会社製,サイメル303 ,固形分:100 %)20部を添加し、得られた塗料を磨き軟鋼板及びガラス板に乾燥時の膜厚が25〜30μmになるように塗装した。
得られた塗装板を150 ℃で30分乾燥させ、これを試験板とした。
架橋剤としてIPDIトリメチロールプロパンアダクト体ブロックイソシアネート(三菱化学株式会社製,マイテックBL-280,固形分:59.4%,NCO%:6.1 )122 部を使用する以外、比較例4と同様にして試験板を作製した。
実施例1、2及び比較例1〜5で得られた試験板について、密着性、耐水性、耐アルカリ性、耐酸性、耐溶剤性、耐衝撃性、耐屈曲性、耐擦傷性、耐汚染性、耐候性及び耐塩水性の評価を行った。なお、耐擦傷性のみガラス板の試験板を使用し、それ以外は磨き軟鋼板の試験板を使用した。
Claims (2)
- ポリシロキサン成分が骨格中に導入されたポリジメチルシロキサン系共重合体と、ポリカプロラクトン成分とを含有することを特徴とする塗料組成物。
- 請求項1に記載の塗料組成物と、ウレタン架橋剤及び/又はメラミン架橋剤とを含むことを特徴とする塗料組成物。
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