JP3443727B2 - 塗料用硬化性樹脂組成物 - Google Patents
塗料用硬化性樹脂組成物Info
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変性することは良く知られている。しかしながら一般に
シリコーンは塗料用樹脂との相溶性に乏しいので、所望
レベルの撥水性を発揮するのに十分な量のシリコーンを
配合するのは困難である。
酸)のようなアゾ系ラジカル開始剤をポリシロキサンへ
共有結合したマクロ開始剤が開発され、市場で入手可能
となった。特公平2−33053参照。このマクロ開始
剤を使用し、ビニル系単量体を重合することにより、シ
リコーンブロックおよびビニルポリマーブロックよりな
るブロック共重合体が得られる。この技術を塩化ビニル
の重合に適用して得られるシリコーン−塩化ビニルブロ
ック共重合体を添加し、ポリ塩化ビニル系樹脂の加工性
を改善する提案も既になされている。特開平7−181
39参照。
化ビニル、スチレン、メチルメタクリレートなど、反応
性官能基を持たない単量体のポリマーである場合、塗料
の撥水性成分として添加しても、塗膜の撥水性は時間の
経過につれて低下することがわかった。
ングアニオン重合法に従って合成できることは以前から
知られているが、よく知られているようにこの方法はス
チレンのような非プロトン性モノマーしか適用できず、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのような架
橋官能基を持ったブロック共重合体の合成には直接適用
することはできず、そのためモノマーの水酸基をあらか
じめ保護基で保護してから重合を行い、重合後脱保護す
る経済的な不利な手法を取らなければならない。
ック共重合体とフィルム形成樹脂を含む塗料用樹脂組成
物において、撥水性機能の持続性を図ることをである。
ルム形成性樹脂は、水酸基、エポキシ基、アルボキシル
基、アミノ基、活性メチレン基、またはアルコキシシリ
ル基のような架橋可能な官能基を持っている。そこで前
記ブロック共重合体のビニルポリマーブロックに架橋可
能な官能基を持たせることにより、外部硬化剤によって
メインのフィルム形成樹脂との間に架橋が行われ、添加
したブロック共重合体が塗膜中に一体化して留まること
ができるので、塗膜の撥水機能は時間的に低下すること
はない。
は、(a)両末端を2,2’−アゾビスニトリル基で連
結した複数のポリシロキサン鎖を含んでいるシリコーン
マクロ開始剤の存在下架橋可能な官能基を有する少なく
とも1種のアクリル単量体または該アクリル単量体と他
のエチレン性不飽和単量体との混合物の重合により得ら
れるシリコーン−アクリルブロック共重合体、(b)前
記(a)成分の架橋可能官能基と同じ硬化剤によって架
橋し得る官能基か、または(a)成分の官能基と相互に
反応し得る官能基を有するフィルム形成性樹脂、および
(c)少なくとも(b)成分と反応する硬化剤を含んで
いる。
て使用される。その添加量は、望まれる撥水性の程度に
応じ、(b)成分および(c)成分の合計固形分100
重量部あたり、固形分として0.1〜10重量部であり
得る。
る撥水性塗料を提供する。
は公知である。アゾ系開始剤それ自体は、2分子のニト
リルが2位の炭素間でアゾ基で結合した2,2’−アゾ
ビスニトリルおよびその誘導体である。撥水成分である
シリコーン、例えばポリジメチルシロキサンへ共有結合
するためには、カルボキシル基を持った2,2’−アゾ
ビスニトリルの誘導体、例えば4,4’−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)およびその同族体を使用する。マクロ
開始剤は、カルボキシル基を反応性誘導体化し、例えば
酸クロライドとし、両末端にアミノ基または水酸基を有
するポリシロキサン鎖へアミドまたはエステル結合によ
って連結して合成される。先に引用した特公平2−33
053、特開平7−18139等の公知文献にこのよう
なマクロ開始剤のつくり方が記載されており、またマク
ロ開始剤自体が本発明の対象ではないのでこれ以上の説
明は不要であろう。
草酸)をアミド結合によりポリジメチルシロキサン鎖へ
結合したマクロ開始剤は、VPSシリーズとして和光純
薬(株)から市販されている。
る単量体の少なくとも一つは、架橋可能な官能基を有す
るアクリル単量体である。
れており、以下のものを含むがこれらに限らない。
(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとε−カプロ
ラクトンの1:1付加物(プラクセルFM−1)、2−
ヒドロキシエチルアクリレートとε−カプロラクトンの
1:1付加物(プラクセルFA−1)、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレートとネオペンチルグリコール
の付加物など。
タ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アク
リレート、脂環式エポキシ基を有するメタクリル酸エス
テル(Cyclomer M−100,ダイセル化学工
業(株)製)など。
メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸およびその無水
物およびハーフエステルなど。
セトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシマ
ロニルオキシエチル(メタ)アクリレートなど。
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メ
タクリロイルオキシプロルジメトキシメチルシランな
ど。
ないエチレン性不飽和単量体を含んでもよい。そのよう
な単量体の例は以下のものを含むがこれらに限らない。
ルスチレンなどの芳香族単量体。
タ)クリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどの(メタ)アクリル酸エステル。
レートなどのフルオロアルキル(メタ)アクリレート。
ルアミド、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニルなど
のその他の単量体。
量体全量の95重量%以下、好ましくは80重量%以下
を占める量で使用することができる。
ルク重合法、または溶液重合法によって行うことができ
る。マクロ開始剤とビニル単量体の割合は、ブロック共
重合体の撥水性機能とメインのフィルム形成樹脂との相
溶性に関係し、両者の合計を100重量部とした場合、
一般に95:5〜5:95重量部の範囲内で撥水機能と
相溶性が両立可能である。
フラン、ジオキサンなどのエーテル類、石油エーテル、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンな
どの炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル
類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタ
ノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど
のケトン類、その他アセトニトリル、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを単独または
混合して使用することができる。
どの連鎖移動剤を使用して分子量を調節することができ
る。また、未反応ビニル単量体の残留が望ましくない場
合、反応の途中で開始剤、例えばアゾ系開始剤を添加
し、重合を完結してもよい。
2個のビニル重合体ブロックを含む混合物であり、その
数平均分子量は通常数万のオーダーである。
脂および硬化剤は塗料の分野では周知である。これらの
樹脂は、水酸基、エポキシ基、アミノ基、活性メチレン
基、アルコキシシリル基のような架橋可能な官能基を持
っている。樹脂のタイプはアクリル樹脂またはポリエス
テル樹脂(アルキドを含む)が好ましい。
料へ少割合を添加し、塗膜の撥水性を改善することを主
に意図しているので、以下述べるように(a)成分との
組合せに特別の配慮を必要とすることを除いて、(b)
成分は既知のものでよい。
より塗膜中で一体化されなければならない。これを達成
するのは二つの方法がある。第1の方法は、(a)成分
と(b)成分とが共通の(c)成分すなわち硬化剤によ
って架橋し得る官能基を持つように組合せることであ
る。例えば水酸基を持つ(a)成分および(b)成分は
メラミン樹脂またはポリイソシアネート架橋剤によって
硬化することができる。
(b)成分は、カルボキシル基またはアミノ基を有する
硬化剤によって硬化することができ、反対にはカルボキ
シル基を有する(a)成分および(b)成分はエポキシ
基を有する硬化剤によって硬化することができる。
よび(b)成分は水酸基を有する硬化剤またはメラミン
樹脂によって硬化することができる。
(b)成分は、α,β−不飽和カルボニル基を持つ化合
物、例えば脂肪族多価アルコールのポリ(メタ)アクリ
レートとのマイケル付加反応を利用して硬化することが
できる。
分が相互に反応し得る官能基をそれぞれ持つように組合
せること、換言すれば一方が他方の硬化剤として機能す
るするように組合せることである。相互に反応する官能
基の組合せの例は第1の方法に関して述べたように、エ
ポキシ基とカルボキシル基の組合せ、アルコキシシリル
基と水酸基の組合せを含む。第1の方法および第2の方
法とも複数の組合せを含んでもよい。
合計に対する配合割合は、両者の合計固形分を100重
量部とした場合、(a)成分は固形分として0.1〜1
0重量部の範囲にある。この範囲内で相溶性と望む撥水
機能が両立できる。
水性添加剤として使用することを意図しているので、こ
の点を除き本発明の塗料は慣用の硬化性塗料と同じでよ
い。有色塗料の場合、二酸化チタン、カーボンブラッ
ク、酸化鉄、シアニンブルー、シアニングレーなどの着
色顔料、炭酸カルシウム、クレー、硫酸バリウムなどの
体質顔料を添加することができる。塗料はその他の慣用
の添加剤、例えばたれ防止剤、レベリング剤、紫外線吸
収剤、抗酸化剤などを含むことができ、ウレタン硬化系
の場合はジブチルスズジラウレートなどのスズ触媒、メ
ラミン硬化系の場合はアミンでブロックしたドテシルベ
ンゼンスルホン酸などのスルホン酸系触媒を含むことが
できる。
求される用途、例えば自動車用トップコート、プレコー
トメタル用塗料などに特に適している。
ロック共重合剤を添加した組成物の実施例を示す。
のVPS−0501である。このものは以下の化学構造
を有する。
界面科学社製CA−Z)を用い、液滴を形成し、30秒
経過後に測定した。
間浸漬し、乾燥後水接触角を測定した。
(株)製、アイスーパーUVテスターSUV−W23を
用い、1サイクル照射24時間/50℃、100%RH
24時間の条件で3サイクル繰り返し、各サイクル終了
後上と同様に水接触角を測定した。
よび温度計を備えた300mlフラスコに酢酸ブチル9
0gを仕込み、窒素雰囲気下120℃に加温した。これ
へ酢酸ブチル60g中、アゾ基含有シリコーンマクロ開
始剤VPS−0501(和光純薬(株)製)20g、t
−ブチルメタクリレート50.4g、および2−ビドロ
キシエチルメタクリレート(HEMA)29.6gを溶
解した開始剤/モノマー混液を2時間を要して等速滴下
した。その後3時間120℃で加温を続け、ブロック共
重合体を得た。GPCを用いて得られた標準ポリスチレ
ン換算分子量は、Mn=17,400、Mw=60,6
00、Mw/Mn=3.48であった。樹脂固形分34
%
Aの代りにn−ブチルメタクリレート50.4g、HE
MA29.6gを用いた以外は製造例1と同じ方法でブ
ロック共重合体を得た。Mn=32,800、Mw=8
1,400、Mw/Mn=2.48、樹脂固形分35%
Aの代りにt−ブチルメタクリレート63.8gおよび
グリシジルメタクリレート16.2gを用いた以外は製
造例1と同じ方法でブロック共重合体を得た。Mn=1
6,000、Mw=16,000、Mw=61,60
0、Mw/Mn=3.85、樹脂固形分35%
1Lフラスコにトルエン204mlを加え、33℃に加
温後、n−ブチルリチウム(0.466N,5.80m
l)を加えた。その後スチレン25mlを含むトルエン
溶液106mlを加え、2時間反応させた。さらにヘキ
サメチルシクロトリシロキサン11.5gを含むエチル
ベンゼン溶液34.3mlを加えて50℃に加温した。
2.5時間反応後、テトラメチルエチレンジアミン5.
1mlとトリメチルクロロシラン4.2mlを加えた。
開封後反応液を多量のメタノールに注ぎ、生成物を沈澱
させた。ベンゼン/メタノールで再沈澱後、真空乾燥し
てシリコーン−スチレンブロック共重合体を得た。Mn
=15,700、Mw=18,700、Mw/Mn=
1.19、ポリジメチルシロキサン含量26wt%
EMAの代りにスチレン80.0gを用いた以外は製造
例1と同じ方法でシリコーン−スチレンブロック共重合
体を得た。Mn=32,800、Mw=176,00
0、Mw/Mn=5.37、樹脂固形分26%
よび水酸基の相互反応を硬化メカニズムとする硬化性ア
クリル樹脂組成物(日本ペイント(株)製マックフロー
O−280)の樹脂固形分100重量部あたり、それぞ
れ固形分として0.5重量部の製造例1ないし3のブロ
ック共重合体を添加し、これをブリキ板に乾燥膜厚30
〜40μmになるようスプレー塗布し、140℃×20
分で焼付けた。
に製造例4のブロック共重合体を用いた以外は、実施例
1と同じ方法で塗膜を作成した。実施例1〜3および比
較例1の塗板について塗膜の初期および温水浸漬試験後
の接触角を測定した。結果を表1に示す。
化するアクリルウレタン系樹脂組成物(日本ペイント
(株)製マイティーラックGII−295)の樹脂固形分
100重量部あたりそれぞれ固形分として0.5重量部
の製造例1および2のブロック共重合体を添加し、これ
をブリキ板に乾燥膜厚30〜40μmになるようにスプ
レー塗装し、70℃×20分で焼付けた。
製造例4のブロック共重合体を用いた以外は、実施例4
と同じ方法で塗膜を作成した。
外は実施例4と同じ方法で塗膜を作成した。実施例4〜
5および比較例2〜3の塗膜について塗膜の初期および
スーパーUV促進劣化試験後の水接触角を測定し、表2
に示す結果を得た。
イント(株)製フレキコート100HQ)の樹脂固形分
100重量部あたり、製造例1のブロック共重合体を固
形分として0.5重量部添加し、これをブリキ板に乾燥
膜厚80μmにバーコーターで塗布し、230℃×60
秒焼付けて塗膜を作成した。
製造例4のブロック共重合体を用いた以外は実施例6と
同じ方法で塗板を作成した。実施例6および比較例4の
塗膜について塗膜の初期および温水浸漬試験後の水接触
角を測定し、表3に示す結果を得た。
Claims (6)
- 【請求項1】(a)両末端を2,2’−アゾビスニトリ
ル基で連結した複数のポリシロキサン鎖を含んでいるシ
リコーンマクロ開始剤の存在下架橋可能な官能基を有す
る少なくとも1種のアクリル単量体または該アクリル単
量体と他のエチレン性不飽和単量体との混合物を重合し
て得られるシリコーン−アクリルブロック共重合体、 (b)前記(a)成分の架橋可能官能基と同じ硬化剤に
よって架橋し得る官能基か、または(a)成分の官能基
と相互に反応する官能基を持っているフィルム形成性樹
脂、および (c)少なくとも(b)成分と反応する硬化剤を含んで
いることを特徴とする塗料用硬化性樹脂組成物。 - 【請求項2】組成物中の前記(a)成分の割合が、
(b)成分および(c)成分の合計固形分100重量部
あたり固形分として0.1〜10重量部である請求項1
の組成物。 - 【請求項3】前記マクロ開始剤が、両末端にカルボキシ
ル基を有する2,2’−アゾビスニトリルをアミド結合
またはエステル結合によってポリシロキサンの両末端へ
結合した繰り返し単位を持っている請求項1または2の
組成物。 - 【請求項4】前記2,2’−アゾビスニトリルは4,
4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)であり、前記ポリ
シロキサンが両末端にγ−アミノプロピル基を有するジ
メチルポリシロキサンであり、両者はアミド結合してい
る請求項3の組成物。 - 【請求項5】前記アクリル単量体の架橋可能な官能基
は、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基、活性メチレ
ン基、またはアルコキシシリル基である請求項1ないし
4のいずれかの組成物。 - 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかの樹脂組成物
をビヒクル成分として含む撥水性塗料。
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Family Applications (1)
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