JP2796883B2 - 溶液型塗料 - Google Patents

溶液型塗料

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JP2796883B2 JP2221145A JP22114590A JP2796883B2 JP 2796883 B2 JP2796883 B2 JP 2796883B2 JP 2221145 A JP2221145 A JP 2221145A JP 22114590 A JP22114590 A JP 22114590A JP 2796883 B2 JP2796883 B2 JP 2796883B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F290/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups
    • C08F290/02Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups on to polymers modified by introduction of unsaturated end groups
    • C08F290/04Polymers provided for in subclasses C08C or C08F
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D4/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, based on organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond ; Coating compositions, based on monomers of macromolecular compounds of groups C09D183/00 - C09D183/16
    • C09D4/06Organic non-macromolecular compounds having at least one polymerisable carbon-to-carbon unsaturated bond in combination with a macromolecular compound other than an unsaturated polymer of groups C09D159/00 - C09D187/00

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車および家電製品等の塗装に好適な溶
液型塗料に関するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕 従来、自動車および家電製品等の塗装に用いられる架
橋硬化型塗料としては、耐候性および外観に優れる点で
アクリル系塗料が多く用いられている。
かゝるアクリル系塗料の主成分をなすアクリル樹脂と
しては、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよび
メタクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸アルキルと
共に、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸2−ヒドロキシプロピル等の官能基含有単量体をラジ
カル共重合して得られる樹脂が一般的であり、該樹脂の
有機溶剤溶液にメラミンまたは多価イソシアネート等の
架橋剤を加えて得られる塗料は、塗装後焼き付けること
により、3次元網目構造を有する強固な塗膜を形成す
る。
上記のように、通常アクリル系の架橋硬化型塗料は、
有機溶剤溶液として取り扱われているが、最近公害問題
および省資源の理由から有機溶剤の使用量を減少したい
との要望が高まっており、その対策として、塗装溶液の
固形分濃度を高めること、すなわち塗料のハイソリッド
化が検討されている。
塗料のハイソリッド化それ自体は容易であるが、固形
分濃度を高くしながらも、良好な塗工を維持するため
に、塗料溶液の粘度をある水準以下に保つ必要があり、
そのためハイソリッド化には種々な工夫が要求され、現
在主に塗料用樹脂の分子量を下げる方向での検討がなさ
れている。
しかしながら、アクリル樹脂の分子量を下げた場合、
分子中の官能基を持たないポリマー分子、すなわち硬化
時に3次元網目構造の形成に関与し得ないポリマー分子
の割合が増加し、その結果得られる塗膜の耐久性が低下
するという問題があった。
上記問題を解決するために、アクリル樹脂の原料であ
る単量体混合物中の官能基含有単量体の割合を増し、か
つその増加に合わせてメラミンまたは多価イソシアネー
ト等の架橋剤の使用量も増加させるという方法が検討さ
れているが、この方法によると、全体として架橋密度が
過度になり、塗膜の柔軟性が損なわれるという新たな問
題が生じ、満足な解決策が得られていないのが現状であ
る。
他方、ハイソリッド化は、上で述べた樹脂の分子量を
下げる方法とは別な方向からも検討されている。
すなわち、分岐状ポリマーは、同一分子量であっても
直鎖状ポリマーより溶液粘度が低い点に着目して、分岐
状ポリマーを塗料用樹脂として用いる検討がなされてお
り、たとえば、 化学式 (式中Rは脂肪族、脂環族または芳香族等の炭化水素残
基、またnは3〜6の整数)で表される多官能エポキシ
化合物と、片末端にカルボキシル基を有し、かつ分子量
が1,000〜100,000のアクリル系ポリマーとを、エポキシ
基とカルボキシルとの反応によって結合させて得られる
重合体を塗料用樹脂として用いるという提案(特公昭64
−11076号公報)がされている。
上記分岐状アクリルポリマーの有機溶剤溶液の粘度
は、同等の平均分子量を有する従来の直鎖状アクリルポ
リマーの溶液粘度と比較して、30〜50%程度低い。
しかしながら、上記分岐状アクリルポリマー1分子中
の分岐の個数は、前記化学式 のnによって限定され、ポリマー中に多数の分岐を導入
することは事実上不可能であるため、ハイソリッド化は
できるものゝ限界があり、より高度なハイソリッド化に
は適用が困難であった。
概念的には分岐状ポリマーの一種であるが、上記公報
記載の分岐状ポリマーとは基本的思想が全く異なる分岐
状ポリマーとして、ラジカル重合性基を有するマクロモ
ノマーと、アクリル酸エステルとをラジカル共重合させ
て得られる、一般にマクロモノマー法によるグラフトポ
リマーといわれるものが知られているが、かゝるグラフ
トポリマーを架橋硬化型塗料のハツソリッド化に応用す
るという検討は、今まで行なわれていなかった。
すなわち、特開平1−245067号公報には、マクロモノ
マー法によるアクリル系グラフトポリマーおよびポリイ
ソシアネート化合物からなる2液型アクリルウレタン塗
料に関する発明が、また特開昭63−101462号公報には、
同法によるグラフトポリマーからなる常温乾燥型塗料に
関する発明がそれぞれ提案されているが、それらの発明
においては、相異なる構成単位によって形成される幹ポ
リマー及び枝ポリマーに基づく特性を利用して、得られ
る塗膜の物性を向上させることを専ら目的とするに留ま
っている。
事実、上記公報に記載のグラフトポリマーからなる架
橋硬化型塗料は、高固形分濃度では溶液粘度がきわめて
高く、ハツソリッド化は達成できなかったのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、高固形分濃度でしかも低粘度な溶液を形成
し得る架橋硬化型のグラフトポリマーからなる溶液型塗
料を提供せんとするものであり、このグラフトポリマー
は、短い分子鎖長の幹ポリマーにきわめて多数の枝ポリ
マーが結合した架橋性官能基を有する分岐状ポリマーで
ある。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明は、ビニル重合体分子の片末端にラ
ジカル重合性基を有し、かつ重量平均分子量が1,000〜1
0,000であるマクロモノマーを、p−ビニルフェノール
以外の他のラジカル重合性単量体と共重合させたグラフ
トポリマーであって、全構成単位の合計量を基準とし
て、マクロモノマー単位の割合が68〜99.5重量%であ
り、さらに架橋性官能基を含有し、重量平均分子量が5,
000〜30,000であるグラフトポリマーを主成分とするこ
とを特徴とする溶液型塗料である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
〔マクロモノマー〕
本発明において用いるマクロモノマーは、前記のとお
りビニル重合体分子の片末端にラジカル重合性基を有す
る重量平均分子量が1,000〜10,000のマクロモノマーで
あり、上記ラジカル重合性基としては、(メタ)アクリ
ロイル基、スチリル基、アリル基、ビニルベンジル基、
ビニルエーテル基およびビニルケトン基等が挙げられ、
好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
マクロモノマーの重量平均分子量は、通常高分子の重
量平均分子量の測定に用いられる方法、例えばゲルパー
ミェーションクロマトグラフィー(以下GPCという)、
或いは低角度光散乱法等によって測定される値であり、
それが10,000を越えると、得られるグラフトポリマーの
溶液粘度が高くなりすぎ、塗工性の点で溶液型塗料とし
て不適当となる。
一方、重量平均分子量が1,000未満であると、グラフ
トポリマーの分岐効果による溶液粘度の低下が発現しな
い。より好ましい重量平均分子量は1,000〜5,000であ
る。
マクロモノマーの重合体部分、すなわちビニル重合体
の構成単位となる単量体としては、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ア
クリル酸パーフルオロアルキル、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)
アクリロニトリルおよびポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらは単独でま
たは2種以上併用して使用できる。
マクロモノマーの重合体部分は、後記する架橋性官能
基、例えばヒドロキシル基またはカルボキシル基を有し
ているものが好ましい。
マクロモノマーは、たとえば平成元年9月20日、アイ
ピーシー出版部発行、山下雄也編著「マクロモノマーの
化学と工業」第2章マクロモノマーの合成39〜77頁に記
載されている。
概略は、以下に示されるようにな種々の方法によって
合成することができる。
すなわち、ブチルリチウムなどのアニオン重合開始剤
を用い、スチレン等のアニオン重合性単量体を溶液重合
で一官能性リビングポリマーとし、所望の分子量に到達
した時点で、エチレンオキサイドなどによりエンドキャ
ッピングを行い、その後にこれをメタクリル酸クロライ
ド等と反応させ、片末端にメタクリロイル基などのラジ
カル重合性基を有するマクロモノマーを得る方法(特開
昭51−125186号公報);メチルメタクリレートをp−ビ
ニルベンジルマグネシウムクロライドを開始剤として、
低温下でアニオン重合させ、末端にp−ビニルベンジル
基を有するポリメチルメタクリレートマクロモノマーを
得る方法(Polym.J.,18,581,1986);および(メタ)ア
クリル酸エステル、スチレンまたはアクリロニトリル等
のラジカル重合性単量体を有機溶剤中で、チオグリコー
ル酸、メルカプトプロピオン酸などのカルボキシル基を
有するメルカプタン系連鎖移動剤の存在下に、ラジカル
重合させて得られる、分子の片末端にカルボキシル基を
有する重合体とグリシジル(メタ)アクリレートを反応
させ、片末端にメタクリロイル基を有するマクロモノマ
ーを得る方法(特公昭62−62801号公報)等の方法であ
る。
また、ビニル重合体骨格中にカルボキシル基を有する
マクロモノマーは、(メタ)アクリル酸t−ブチル単量
体単位等の第3級アルキルエステル基を有するマクロモ
ノマーを合成し、ついで酸触媒の存在下に加水分解さ
せ、t−ブチル基等をカルボキシル基とイソブチレンに
分解し、マクロモノマー側にカルボキシル基を形成させ
るという方法によって合成される。
〔グラフトポリマー〕
本発明におけるグラフトポリマーは、前記マクロモノ
マー単位および後記する他のラジカル重合性単量体単位
からなり、全構成単位の合計量を基準とするマクロモノ
マー単位の割合が68〜99.5重量%であり、分子中に架橋
性官能基を含有し、かつ重量平均分子量が5,000〜30,00
0であるグラフトポリマーである。
グラフトポリマーにおけるマクロモノマー単位の割合
が68重量%未満であると、高固形分濃度で溶液粘度が高
くなる傾向にあるため、ハイソリッド塗料として適当で
はない。
一方、マクロモノマー単位の割合が99.5重量%を超え
たグラフトポリマーは、高純度で合成することが困難で
あり、未重合のマクロモノマーが不純物として多量に含
まれるため、塗膜の耐久性が劣る。
本発明におけるグラフトポリマーの重量平均分子量
は、低角度光散乱法によって測定される値であり、該重
量平均分子量が5,000未満であると、得られる塗膜の耐
久性が劣り、30,000を超えると、塗料溶液の粘度が高く
なり塗工性に劣る。
架橋性官能基は、グラフトポリマーの幹ポリマーおよ
び/または枝ポリマーに存在することが必要であり、好
ましい架橋性官能基としては、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、アミノ基、グリシジル基および−CONH(CH2O
R)(式中Rは水素原子またはアルキル基)等が挙げら
れ、より好ましくは、ヒドロキシル基およびカルボキシ
ル基である。
グラフトポリマー中の上記官能基は、1種類であって
もまた2種類以上であってもよい。
グラフトポリマーにおける架橋性官能基の好ましい量
は、官能基の種類によって多少異なるが、当該官能基を
有する単量体単位の量によって表すと、グラフトポリマ
ーを構成する全単量体単位の合計量を基準にして0.5〜3
0重量%程度である。
マクロモノマーと共重合させる他のラジカル重合性単
量体としては、アルキル基の炭素数が1〜18である(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、酢酸ビニル、スチレ
ン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、
(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、(メタ)ア
クリル酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒ
ドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブト
キシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ
プロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
前記のとおり、本発明におけるグラフトポリマーは、
分子中に架橋性官能基を有していることが必要であるた
め、該官能基を含まないマクロモノマーを用いる場合に
は、共重合させる単量体として前記した単量体の内、例
えば(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、(メタ)ア
クリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グ
リシジル等の架橋性官能基を有する単量体を使用する必
要がある。
本発明におけるグラフトポリマーは、耐候性の点で、
(メタ)アクリル酸エステル系単量体で代表される(メ
タ)アクリロイル基を有する単量体(以下単にアクリル
系単量体という)単位を主体とすることが好ましく、具
体的には、全単量体単位の合計量を基準にしてマクロモ
ノマーに由来する枝ポリマーまたはその他のラジカル重
合性単量体により形成される幹ポリマー中に存在するア
クリル系単量体の合計量が、50重量%以上であることが
好ましい。
特に好ましいアクリル系単量体は、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシルである。
本発明の溶液型塗料を構成するグラフトポリマーは、
マクロモノマーおよび他のラジカル重合性単量体(以下
これらを重合性成分と称する)を、有機溶剤中でラジカ
ル共重合することにより得られる。
有機溶剤としては、トルエン、キシレン、メチルエチ
ルケトンおよびメチルイソブチルケトン等が好ましく、
溶液重合における上記重合性成分の濃度としては10〜80
重量%の範囲が好ましく、それに伴い、本発明の溶液型
塗料におけるグラフトポリマーの好ましい濃度は10〜80
重量%である。
また、重合温度は60〜100℃程度が適当である。
重合開始剤としては、2,2−アゾビスイソブチロニト
リル(以下AIBNという)等のアゾ系化合物またはベンゾ
イルパーオキサイド等の有機過酸化物が使用でき、その
使用量は、重合性成分の総モル数100モル当たり、1〜1
0モルが必要であり、さらに好ましくは、5〜10モルで
ある。
さらに、グラフトポリマーの分子量は、連鎖移動剤を
併用することにより効果的に調整することができる。
連鎖移動剤としては、ドデシルメルカプタン、ラウリ
ルメルカプタンおよびチオグリコール酸等を使用でき、
その好ましい使用量は、重合性成分の総モル数100モル
当たり、1〜40モルである。
本発明の溶液型塗料を構成するグラフトポリマーは、
たとえば以下に示す方法等によって架橋硬化される。
すなわち、架橋性官能基としてカルボキシル基を有す
るグラフトポリマーは、架橋剤としてヘキサメチロール
化メラミン、ヘキサブトキシメラミン、又はそれらの縮
合物等のアミノ樹脂を用い、温度120〜160℃で加熱硬化
するとよい。
ヒドロキシル基を有するグラフトポリマーは、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート等の多価イソシアネー
ト、及びそれらのアダクト体を架橋剤として併用し、常
温でまたは加熱下で硬化される。
グリシジル基を有するグラフトポリマーは、3級アミ
ン又は4級アンモニウム塩等の硬化促進剤の共存下に、
架橋剤として多価カルボン酸を使用し、温度80〜200℃
で加熱硬化でき、またトリエチレンテトラミン等の多価
アミンを架橋剤として常温または加熱下で硬化すること
もできる。
上記の各グラフトポリマーにおける架橋剤の使用割合
は、同様な架橋性官能基を有するポリマーの架橋剤の使
用割合に従って定めればよく、例えばヒドロキシル基を
有するグラフトポリマーの場合、多価イソシアネートの
使用量は、ヒドロキシル基の0.5〜1.5当量が適当であ
る。
また、N−メチロールアミド基を有するグラフトポリ
マーは、加熱によって自己架橋する。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例および比較例を示すことにより、本発明
をさらに具体的に説明する。
なお、各実施例で使用したマクロモノマーは、下記参
考例で合成されたマクロモノマーを用いた。
〔参考例〕
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素ガ
ス吹き込み口を備えたガラスフラスコにトルエン106.2
重量部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら、温度80〜
85℃で、メタクリル酸メチル(以下MMAという)80重量
部およびメタクリル酸2−メチルヒドロキシエチル(以
下HEMAという)20重量部、連鎖移動剤としてメルカプト
酢酸10.6重量部ならびに重合開始剤としてAIBN2重量部
からなる混合溶液を3時間かけて、連続的に滴下し重合
を行い、その後さらに2時間加温を持続して重合を完結
させ、片末端にカルボキシル基を有する重合体を得た。
上記重合体のトルエン溶液の一部を採取して、その中
にヘキサンを加えることにより、重合体を沈殿させ、分
離した。
得られた重合体を用いて、該重合体の酸価を測定した
結果は、0.82mg当量/gであった。
つぎに、重合体のトルエン溶液に、重合防止剤のハイ
ドロキノンモノメチルエーテル200ppmを添加し、4級ア
ンモニウム塩を触媒とし、前記酸価測定値の1.1倍当量
のグリシジルメタクリレートを前記重合体の末端カルボ
キシル基と反応させるべく、温度90℃に6時間維持し
た。酸価の減少から求めた反応率は、98.5%であった。
以上の操作によって、GPC法によるポリスチレン換算
の数平均分子量が1,340で、重量平均分子量が2,600であ
り、MMA/HEMA=80/20(重量%)の片末端メタクリロイ
ル型マクロモノマーを得た。
〔実施例1〕 上記マクロモノマー、スチレン及びMMAを重量比で70:
18:12の割合で用い、それら重合成分の総モル数を基準
にして、重合開始剤AIBNを8.4モル%添加し、前記重合
性成分の20重量%トルエン溶液として、温度60℃で8時
間重合させた。
得られた重合体溶液について、GPCにより未重合のマ
クロモノマーを測定した結果、仕込みのマクロモノマー
に対して10重量%のマクロモノマーが残存することが分
かった。
これより、生成したグラフトポリマーにおける組成
は、マクロモノマー単位、スチレン単位およびMMA単位
がそれぞれ68重量%、19重量%および13重量%と判明し
た。
上記グラフトポリマーの低角度光散乱法による重量平
均分子量(Mw)および溶液粘度(η)(グラフトポリマ
ーの40重量%アセトン溶液の、温度25℃下でのウベロー
デ粘度計による粘度。以下同じ)は、次のとおりであっ
た。
Mw:23,100 η :13.2(cps) 〔実施例2〕 マクロモノマー93重量%およびスチレン7重量%の割
合で使用し、それら重合成分の総モル数を基準にして、
AIBNを8.4モル%および連鎖移動剤としてラウリルメル
カプタン7.5モル%を添加し、20重量%トルエン溶液と
して実施例1と同様にして温度60℃で8時間重合させ
た。
GPCによる分析の結果、仕込みのマクロモノマーに対
する未重合のマクロモノマー量は、15重量%であり、こ
れより、生成したグラフトポリマーにおけるマクロモノ
マー単位の量は92重量%であり、またスチレン単位が8
重量%であると判明した。
グラフトポリマーのMwおよびηは次のとおりであっ
た。
Mw:19,100 η :11.4(cps) 〔比較例1〕 マクロモノマー45重量%、スチレン25重量%およびMM
A30重量%の割合で用いて、これら重合成分の総モル数
を基準にして、AIBNを8.4モル%を添加し、前記重合成
分の20重量%トルエン溶液として、温度60℃で8時間重
合させた。
GPCによる分析の結果、仕込みのマクロモノマーに対
する未重合のマクロモノマー量は10重量%であり、これ
より、生成したグラフトポリマーにおけるマクロモノマ
ー単位、スチレン単位およびMMA単位がそれぞれ42重量
%、26重量%および32重量%であった。
また、実施例と同様にして測定したグラフトポリマー
のMwおよびηは次のとおりであった。
Mw:14,000 η :11.6(cps) 〔比較例2〜3〕 MMA80重量%およびHEMA20重量%をトルエン−イソブ
タノールの混合溶剤に溶解し、溶液における単量体濃度
を20重量%とし、重合性成分の総モル数を基準にして、
AIBN8.4モル%およびラウリルメルカプタン4モル%
(比較例2)またはラウリルメルカプタン1モル%(比
較例3)を添加し、他の条件については前記各例と同様
にして重合を行なった。
得られた直鎖状ポリマーのMwおよびηは、それぞれ以
下のとおりであった。
〔比較例4〕 参考例1のマクロモノマーと、これに実施例1と同様
のスチレンおよびMMAを使用し、これらを重量比で45:2
5:30の割合で用い、それらの重合性成分の総モル数を基
準にして、重合開始剤AIBNを4.0モル%添加し、前記重
合性成分を20重量%の酢酸エチル溶液として温度60℃で
8時間重合させた。
得られた重合体溶液について、GPCで分析した結果、
仕込みのマクロモノマーに対する未重合のマクロモノマ
ー量は12重量%であり、これより生成したグラフトポリ
マーにおける各成分の割合は、マクロモノマー単位:ス
チレン単位:MMA単位=42:26:32であった。
このグラフトポリマーのMwおよびηは、次のとおりで
あった。
Mw:23000 η :29.5cps 上記グラフトポリマーの重量平均分子量は、実施例1
のグラフトポリマーの重量平均分子量(Mw:23100)と近
似している。
一般にポリマーの溶液粘度(η)は、当該ポリマーの
重量平均分子量に依存して定まるという法則があり、こ
の法則に従えばこの比較例4のグラフトポリマーのη
は、それと重量平均分子量がほゞ同一である実施例1の
グラフトポリマーのηとほゞ一致する筈である。
しかるに、上記のとおり、比較例4のグラフトポリマ
ーのηの方が、実施例1のグラフトポリマーのηよりも
著しく高い値を示している。
その理由は、実施例1のグラフトポリマーはマクロモ
ノマー単位の含有割合が著しく高いこと、すなわち分岐
度が著しく高いことにあると推察される。
なお、前記比較例1の場合は、実施例1に対してグラ
フトポリマーの重量平均分子量が低いにもかかわらず、
その溶液粘度は低い値を示しているが、仮に、比較例1
の前記重量平均分子量を実施例1に揃えたとすると、そ
の溶液粘度は実施例1のそれよりも当然高い値を示すも
のである。
〔発明の効果〕
本発明によれば、高濃度においても溶液粘度の低い溶
液型塗料を簡単に得ることができ、使用する有機溶剤を
少なくして塗料のハイソリッド化を容易に達成すること
ができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 正隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 東 貴四郎 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社名古屋総合研 究所内 (72)発明者 日比野 浩 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社名古屋総合研 究所内 (72)発明者 中西 和子 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東亞合成化学工業株式会社名古屋総合研 究所内 (56)参考文献 特開 平1−98654(JP,A) 特開 平1−268709(JP,A) 特開 昭63−154769(JP,A) 特開 昭63−286403(JP,A) 特開 平3−7712(JP,A) 特開 平3−111412(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビニル重合体分子の片端末にラジカル重合
    性基を有し、かつ重量平均分子量が1,000〜10,000であ
    るマクロモノマーを、p−ビニルフェノール以外の他の
    ラジカル重合性単量体と共重合させたグラフトポリマー
    であって、全構成単位の合計量を基準として、マクロモ
    ノマー単位の割合が68〜99.5重量%であり、さらに架橋
    性官能基を含有し、重量平均分子量が5,000〜30,000で
    あるグラフトポリマーを主成分とすることを特徴とする
    溶液型塗料。
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