JP2742438B2 - 溶剤型熱硬化性塗料用組成物 - Google Patents

溶剤型熱硬化性塗料用組成物

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JP2742438B2
JP2742438B2 JP3785189A JP3785189A JP2742438B2 JP 2742438 B2 JP2742438 B2 JP 2742438B2 JP 3785189 A JP3785189 A JP 3785189A JP 3785189 A JP3785189 A JP 3785189A JP 2742438 B2 JP2742438 B2 JP 2742438B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗料中に酸性反応触媒を含有し、かつ、そ
の効果が長期貯蔵中においても持続し、かつ塗色安定性
に優れた溶剤型熱硬化性塗料用組成物に関する。
(従来の技術及びその問題点) 従来より、熱硬化性塗料用樹脂の架橋剤としてアミノ
アルデヒド樹脂が最も一般的に使用されている。アミノ
アルデヒド樹脂は、基体樹脂中の水酸基と加熱されるこ
とにより反応し架橋する。また、アミノアルデヒド樹脂
によっては、自己架橋するものもある。この際、反応を
迅速にかつ、充分に架橋反応を完結させるために、比較
的、強酸性を示す化合物が、触媒として使用される。し
かしながら、この酸性触媒は、強酸であることから、樹
脂中の塩基性成分あるいは、塩基性顔料と反応し、これ
が原因で、塗料貯蔵中、塗料が増粘したり、貯蔵後、塗
色変化を起こしたり、最悪の場合には、触媒作用が失活
し、架橋不足になることが、しばしば問題となってい
る。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者等は、この強酸性の触媒を塗料中
に、安定に存在せしめて、塗料貯蔵中においても塗料に
変化なく、また貯蔵後の加熱硬化時においても、その触
媒作用を損なうことのない方法を鋭意研究した結果、N
−ビニルピロリドン系重合体を分子主鎖とするマクロモ
ノマーを必須単量体成分とする重合体を塗料中に含有さ
せることにより、長期間の塗料貯蔵においても塗色変化
がなく、また酸性触媒の効果が失われることなく持続す
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、酸性化合物を反応触媒として含有
する熱硬化性塗料に、N−ビニルピロリドン系重合体を
分子主鎖とし、該主鎖の片末端にラジカル重合性不飽和
基を有するマクロモノマー(以下、「マクロモノマー」
という。)を必須単量体成分として含有する重合体を添
加することを特徴とする溶剤型熱硬化性塗料用組成物に
関する。
本発明組成物において、酸性化合物を反応触媒として
含有する熱硬化性塗料としては、例えば水酸基含有樹脂
を基体樹脂、アミノアルデヒド樹脂を架橋剤とする樹脂
組成物に酸性化合物を添加した塗料用組成物(I)及び
アミド系樹脂に酸性化合物を添加した塗料用組成物(I
I)等を挙げることができる。
塗料用組成物(I)で使用する水酸基含有樹脂は、水
酸基価が20〜600、好ましくは30〜250であり、且つ数平
均分子量が350〜200,000、好ましくは2,000〜100,000を
有することができる。水酸基価が20未満では物性(耐衝
撃性)、耐候性等が劣り、他方、水酸基価が600より大
きくなると耐水性等が劣るものとなるので好ましくな
い。数平均分子量が、350より小さいと、物性、耐候性
等が劣り、他方、数平均分子量が200,000を上回ると、
塗料貯蔵安定性が劣るものとなるので好ましくない。
水酸基含有樹脂としては、例えばポリエステルポリオ
ール樹脂、アルキドポリオール樹脂、アクリルポリオー
ル樹脂、エポキシポリオール樹脂、エポキシエステルポ
リオール樹脂、ウレタンポリオール樹脂、シリコンポリ
オール樹脂等を挙げることができる。
(1)ポリエステルポリオール 多価アルコール(例えばエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、ペンタンジオール、ブチレングリコー
ル、1,5−ペンタンジオール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリ
トール等の1分子中に2〜6個の水酸基を有するアルコ
ール)と、多塩基酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、マレイン酸、テレフタル酸メチル、テト
ラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及
びこれらの無水物等の1分子中に2〜4個のカルボキシ
ル基を有する化合物)とをエステル化することによって
得られる。上記した以外にも安息香酸等の一塩基酸も使
用できるもの。
(2)アルキドポリオール樹脂 前記多価アルコール、多塩基酸及び油脂又は脂肪酸
(例えばヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、ダイズ
油、トウモロコシ油、綿実油、麻実油、米ヌカ油、ヤシ
油、オリーブ油、パーム油等の油脂及び脂肪酸;例えば
ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、イソス
テアリン酸等の合成脂肪酸)とをエステル化することに
よって得られるもの。
(3)アクリルポリオール樹脂 水酸基含有ビニル単量体(I)(例えばヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC2〜8
ヒドロキシアルキルエステル及び該C2〜8のヒドロキ
シアルキルエステルとε−カプロラクトン、γ−バレロ
ラクトン等のラクトン類との付加物等)の単独重合体も
しくは該水酸基含有ビニル単量体(I)とその他の重合
性不飽和単量体(II)との共重合体。
その他の重合性不飽和単量体(II)の具体例として
は、下記のものを挙げることができる。
(a)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル:例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタ
クリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリル等のアクリル
酸又はメタクリル酸のC1〜18アルキルエステル;グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート;アリ
ルアクリレート、アリルメタクリレート等のアクリル酸
又はメタクリル酸のC2〜8アルケニルエステル;アリ
ルオキシエチルアクリレート、アリルオキシメタクリレ
ート等のアクリル酸又はメタクリル酸のC3〜18アルケ
ニルオキシアルキルエステル。
(b)ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン。
(c)ポリオレフィン系化合物:例えば、ブタジエン、
イソプレン、クロロプレン。
(d)その他:アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、メチルイソプロペニルケ
トン;酢酸ビニル、ペオバモノマー(シェル化学製
品)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレートなど。
(4)エポキシポリオール樹脂 水酸基を有するエポキシ樹脂、例えばシェル化学社製
エピコート828、同左1001、同左1004、同左1007、同左1
009、チバ・ガイギー社製アラルダイト6071、同左609
7、同左6099等を挙げることができる。
(5)エポキシエステルポリオール樹脂 前記エポキシポリオール樹脂と、前記一塩基酸又は多
塩基酸と反応させて得られるもの。
(6)シリコンポリオール樹脂 前記ポリオール樹脂(例えばアクリルポリオール樹
脂、ポリエステルポリオール樹脂等)をシリコン樹脂
(例えば東レシリコン社製Z−6018、Z−6188等)で変
性させて得られるもの。
(7)ポリウレタンポリオール樹脂 前記ポリオール樹脂(例えばアクリルポリオール樹
脂、ポリエステルポリオール樹脂等)をポリイソシアネ
ート化合物(例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト等)で変性して得られるイソシアネート基を有さない
もの等。
前記水酸基含有樹脂の架橋剤であるアミノアルデヒド
樹脂としては、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベ
ンゾグアナミン、スピログアナミンまたはステログアナ
ミンの如きアミノ基含有化合物成分と、ホルムアルデヒ
ド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒドまたはグ
リオキザールの如きアルデヒド系化合物成分とを公知慣
用の方法により反応させて得られる縮合反応生成物、あ
るいはこうした各縮合物をアルコールで変性せしめて得
られるものなどがあるが、通常塗料用として使用されて
いるものであれば、いずれも使用できる。
そのうちでも好ましいものはC1〜C4なるアルコール類
で部分的に、あるいは完全にエーテル化せしめて得られ
るものが適当である。
当該アミノアルデヒド樹脂の具体例として、ヘキサメ
チルエーテル化メチロールメラミン、ヘキサブチルエー
テル化メチロールメラミン、メチルブチルエーテル化メ
チロールメラミン、メチルエーテル化メチロールメラミ
ン、ブチルエーテル化メチロールメラミンまたはiso−
ブチルエーテル化メチロールメラミン、あるいはこれら
の各種縮合物などが挙げられる。
前記水酸基含有樹脂とアミノアルデヒド樹脂は、水酸
基含有樹脂/アミノアルデヒド樹脂の重量比が、通常、
90/10〜30/70、好ましくは80/20〜50/50で配合される。
また、塗料用組成物(II)で使用する、アミド系樹脂
としては、具体的には例えば(メタ)アクリルアミド、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−エトキシ
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリ
ルアミド等の(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和単
量体の単独重合体もしくは該(メタ)アクリルアミド系
重合性不飽和単量体と、前記その他の重合性不飽和単量
体(II)との共重合体等を挙げることができる。
更に、前記塗料用組成物(I)及び(II)で使用する
酸性化合物は、例えば前記水酸基含有樹脂とアミノアル
デヒド樹脂との架橋、もしくはアミド系樹脂の自己架橋
の促進剤として使用される、従来から公知のプロトン酸
である。該酸性化合物の代表的な具体例としては、下記
のものを挙げることができる。
カルボン酸化合物 例えばギ酸、蓚酸、酢酸、乳酸等、 (亜)リン酸化合物 例えばメタリン酸、オルソリン酸、ピロリン酸、トリ
ポリリン酸、リン酸、トリメタリン酸、トリリン酸、テ
トラメタリン酸、亜リン酸、モノブチルリン酸、モノエ
チルヘキシルリン酸、モノラウリルリン酸等、 スルホン酸化合物 (i)アルキルスルホン酸 例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタン
スルホン酸等、 (ii)芳香族スルホン酸化合物 例えばベンゼンスルホン酸、ナフタリンスルホン酸
等、 (iii)アルキルアリールスルホン酸化合物 例えば一般式 各式中、Rは同一もしくは異なってC1〜18アルキル
基、アリール基、アラルキル基等を示す。(各式中の
「C1〜18のアルキル基」としては例えばメチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル、デシル、
ヘキサデシル、オクタデシル等、「アリール基」として
は、例えばフェニル、トルイル、キシリル等、「アラル
キル基」としては、例えばベンジル、フェネチル等) で表わされる化合物、例えばp−トルエンスルホン酸、
n−ブチルベンゼンスルホン酸、n−アミルベンゼンス
ルホン酸、n−オクチルベンゼンスルホン酸、n−ドデ
シルベンゼンスルホン酸、n−オクタデシルベンゼンス
ルホン酸、n−ジブチルベンゼンスルホン酸、イソプロ
ピルナフタリンスルホン酸、ドデシルナフタレンスルホ
ン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンジスルホン酸等、 その他 例えば硫酸、硝酸、塩酸等の鉱酸類。
更に、上記した酸性化合物をアンモニア又はアミン化
合物で中和した塩も使用できるが、塗色安定性の観点か
ら中和されていない酸性化合物を使用することが好まし
い。
上記した酸性化合物は、単独、もしくは2種以上、組
合せて使用することができる。中でも、スルホン酸化合
物がマクロモノマーを単量体成分として含有する重合体
と容易に錯体を形成し、加熱後該重合体と解離してこの
ものが優れた触媒能を示すので、このものを使用するこ
とが好ましい。
該酸性化合物の配合割合は、前記樹脂100重量部(固
形分)に対して0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜4重
量部である。
本発明組成物において、前記酸性化合物を反応触媒と
する熱硬化性塗料に添加する重合体は、N−ビニルピロ
リドン系重合体を分子主鎖とし、該主鎖の片末端にラジ
カル重合性不飽和基を有するマクロモノマーを必須単量
体成分とする重合体(以下、「重合体(A)」とい
う。)である。
上記ラジカル重合性不飽和基としては、例えば CH2=CH(CH3)−COO− CH2=CHCH2O− CH2=CHO− CH2=CH− 等を挙げることができる。
本発明組成物で使用するマクロモノマーの調製は、従
来公知の方法に従い、例えば、N−ビニルピロリドン系
単量体を、例えば、チオグリコール酸等のカルボキシル
基を有する連鎖移動剤及び、例えば、アゾビスイソブチ
ロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤の存在下
で重合反応させて得られる片末端にカルボキシル基を有
するプレポリマー、あるいは上記の単量体を、例えば、
アゾビスシアノ吉草酸等のカルボキシル基を有するアゾ
系重合開始剤及び第3級アミンの存在下で重合反応させ
て得られる片末端にカルボキシル基を有するプレポリマ
ーを該プレポリマーのカルボキシル基と反応しうる官能
基を有するラジカル重合性不飽和単量体と反応せしめる
ことによって行なうことができる。
上記のN−ビニルピロリドン系単量体としては、具体
的には例えばN−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル
−1−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−メチ
ル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
また官能基を有するラジカル重合性不飽和単量体とし
ては、例えば下記の単量体を挙げることができる。
(i)エポキシ基含有重合性不飽和単量体 例えば など。
(ii)クロル原子を有する重合性不飽和単量体 例えば CH2=CHCOOC2H4Cl など。
(iii)アミノ基含有重合性不飽和単量体 例えば など。
(iv)水酸基含有ビニル単量体 例えば前記水酸基含有ビニル単量体(I)と同様のも
の。
かくして得られるマクロモノマーの分子量は一般には
数平均分子量15,000以下、好ましくは500〜10,000以下
を有することが適当である。分子量が15,000より大きい
とこのもの自体もしくはその他の重合性不飽和単量体と
のラジカル重合性が劣り、重合体中に不飽和が残存する
ものとなるので好ましくない。
本発明組成物で使用する重合体(A)は、前記マクロ
モノマーを重合して得られるものもしくは該マクロモノ
マーとその他の重合性不飽和単量体とを共重合して得ら
れる共重合体を使用することができる。
その他の重合性不飽和単量体としては、例えば前記水
産基含有ビニル単量体(I)、前記重合性不飽和単量体
(II)、前記(メタ)アクリルアミド系重合性不飽和単
量体等を挙げることができる。更に、上記した以外にも
下記のものを使用することができる。
上記重合体(A)において、マクロモノマー成分の占
める割合は約3重量%以上、好ましくは約5〜95重量%
である。
本発明組成物で使用する重合体(A)は通常のアクリ
ル樹脂やビニル樹脂等の合成反応と同様の方法、条件で
得ることができる。この様な合成反応の一例としては、
各単量体成分を有機溶剤に溶解もしくは、分散せしめ、
ラジカル重合開始剤の存在下で60〜180℃程度の温度で
攪拌しながら加熱する方法を示すことができる。反応時
間は、通常1〜10時間程度とすればよい。また、有機溶
剤としては、前述したものと同様のアルコール系溶媒、
エーテル系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等を
使用できる。炭化水素系溶媒を用いる場合には、溶解性
の点から他の溶媒を併用することが好ましい。またラジ
カル開始剤としては、通常用いられているものをいずれ
も用いることができ、その一例として、過酸化ベンゾイ
ル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、等の過酸化物、アゾイソブチロニトリル、アゾビス
ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物等を示すことが
できる。
本発明組成物で使用する重合体(A)の分子量は、数
平均分子量600〜700,000、好ましくは1,000〜200,000を
有することが適当である。分子量が600より小さいと酸
性化合物との錯体形成能が劣るとともに塗膜性能にも悪
影響を及ぼし、他方、分子量が700,000より大きいと塗
料貯蔵安定性が劣るので好ましくない。
本発明組成物で使用する重合体(A)の配合割合は、
固形分換算で前記熱硬化性塗料の樹脂成分100重量部に
対して約0.5〜40重量部、好ましくは約1〜30重量部で
ある。配合割合が約0.5重量部より少ないと塗料貯蔵安
定性及び塗色安定性が劣り、他方、配合割合が約40重量
部より多いと塗膜の耐水性、耐湿性等が劣るので好まし
くない。
本発明組成物には、必要に応じて、無機顔料、有機顔
料等を配合できる。例えば無機顔料としては、(1)酸
化物系(亜鉛華、二酸化チタン、ベンガラ、酸化クロ
ム、コバルトブルー、鉄黒等);(2)水酸化物系(ア
ルミナホワイト、黄色酸化鉄等);(3)硫化物、セレ
ン化物系(硫化亜鉛、朱、カドミウムエロー、カドミウ
ムレッド等);(4)フェロシアン化物系(紺青等);
(5)クロム酸塩系(黄鉛、ジンククロメート、モリブ
デンレッド等);(6)硫酸塩系(沈降性硫酸バリウム
等);(7)炭酸塩系(沈降性炭酸カルシウム等);
(8)珪酸塩系(含水珪酸塩、クレー、群青等);
(9)燐酸塩系(マンガンバイオレット等);(10)炭
素系(カーボンブラック等);(11)金属粉系(アルミ
ニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末等)等が挙げられ、ま
た、有機顔料としては、(1)ニトロソ顔料系(ナフト
ールグリーンB等);(2)ニトロ顔料系(ナフトール
エローS等);(3)アゾ顔料系(リソールレッド、レ
ーキレッドC、ファストエロー、ナフトールレッド
等);(4)染付レーキ顔料系(アルカリブルーレー
キ、ローダミンレーキ等);(5)フタロシアニン顔料
系(フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー
等);(6)縮合多環顔料系(ペリレンレッド、キナク
リドンレッド、ジオキサジンバイオレット、イソインド
リノンエロー等)などを挙げることができる。
本発明組成物は、前記樹脂成分を有機溶剤に溶解もし
くは分散させて使用できる。
有機溶剤としては、従来のアクリル樹脂/メラミン樹
脂系塗料で使用される溶剤は全て使用可能であり、例え
ばトルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサ
ン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル
系溶剤、ブタノール、プロパノール等のアルコール系溶
剤等を挙げることができる。これらの溶剤は、単独また
は適宜混合して用いることができるが、アルコール系溶
剤を用いる場合には、樹脂の溶解性の点から他の溶剤と
併用することが好ましい。
本発明組成物の固形分は、塗装方法、使用目的によっ
て一様ではないが、一般に10〜70重量%程度とすればよ
い。
本発明組成物の塗装方法は特に制限はなく、例えばス
プレー塗装、ロール塗装、ハケ塗り等の一般的な塗装手
段によって塗装することができる。
本発明組成物の硬化条件は、例えば自動車用塗料とし
て適用する場合には120〜170℃程度で30〜40分間程度と
すればよい。
(作用) 本発明組成物において、重合体を構成するビニルピロ
リドン系重合体は高密度に存在するピロリドン環と強酸
性化合物との間で、効率よく錯体を形成し、強酸を顔料
や樹脂中の塩基性成分との反応からブロックし、安定化
させていると考えられる。貯蔵中には錯体を形成し、安
定化しているが、加熱時にはこの錯体結合は熱により切
断され、強酸性化合物の本来の触媒作用を発揮し、架橋
反応を促進させるものと思われる。
(実施例) 次に実施例により本発明を更に詳細に説明する。実施
例中、部及び%は重量部及び重量%を示す。
ポリエステル製造例 加熱装置・攪拌機還流装置・水分離器・精留塔・温度
計等を備えた通常のポリエステル樹脂製造装置を用い反
応槽にヘキサヒドロ無水フタル酸92.4部(0.6モル)、
無水フタル酸34.0部(0.23モル)、アジピン酸19.0部
(0.13モル)、ネオペンチルグリコール85.3部(0.82モ
ル)、トリメチロールプロパン24.1部(0.18モル)を仕
込み加熱する。原料が融解し、攪拌が可能となったら攪
拌を開始し、反応槽温度を230℃まで昇温させる。ただ
し160℃から230℃までは3時間かけて均一速度で昇温さ
せる。生成する縮合水は精留塔を通じて系外へ留去す
る。230℃に達したらそのまま温度を一定に保ち2時間
攪拌をつづけるその後、反応槽にキシロールを添加し溶
剤縮合法に切り替えて反応を続ける。酸価が7に達した
ら反応を終了して冷却する。冷却後キシロール117部を
加えて固形分含量65%のオイルフリーポリエステルワニ
スを製造した。このワニスの粘度はP(ガードナー粘
度、25℃)、樹脂酸価は7.1、水酸基価は69.0であっ
た。
アルキド樹脂の製造例 攪拌機、温度計、コンデンサー、水分離器等を備えた
通常のアルキド樹脂製造装置の反応容器に、無水フタル
酸122.8部(0.83モル)、エチレングリコール124部(0.
2モル)、ネオペンチルグリコール20.8部(0.1モル)、
トリメチロールプロパン93.8部(0.7モル)、ヤシ油脂
肪酸84部(0.4モル)を仕込み、さらに微量の発泡防止
剤を加え、加熱攪拌しつつ180℃で2時保った後、230℃
まで昇温させ、縮合反応を進める。230℃に達してから
1時間後にキシロール14部を加え、溶剤共沸法に切り替
え縮合反応を進める。酸価が7に到れば冷却し、キシロ
ール25部、n−ブタノール39部を加える。このようにし
て得られたワニスの固形分濃度は80%、ガードナー粘度
はZ、樹脂酸価は7、水酸基価は84.8であった。
アクリル樹脂の製造例 反応槽、攪拌機、モノマー滴下槽、加熱冷却装置など
を備えた通常のアクリル樹脂ワニス製造装置において、
反応槽にキシロール67部を仕込み112℃まで加熱する。
反応の終りまでこの温度(112℃)を保つ。
ついで、下記のモノマー混合物を4時間かけて均一速
度で反応槽に滴下する。
スチレン 15部 メチルメタクリレート 38部 n−ブチルアクリレート 30部 2−ヒドロキシエチルメタクリレート 15部 アクリル酸 2部 2,2′−アゾビスイソブチロニトリル 1.3部 モノマー混合物の滴下終了後1時間たってから、2,
2′−アゾビスイソブチロニトリル0.5部を10分間間隔で
その1/6量ずつを1時間かけて加える。ついで、1時間1
12℃に保って攪拌を続けた後反応を終了し、冷却する。
冷却後キシロール17部、n−ブタノール15部を加え固形
分50%のアクリル樹脂ワニスを得た。
アクリル樹脂ワニスの樹脂分の数平均分子量(GPCで
測定)は9,800、水酸基価は65であった。
N−ビニルピロリドン系マクロモノマー製造例 (a−1) 反応容器に、エタノール250部を仕込み、70℃まで昇
温した。次に4,4′−アゾビスイソブチロニトリル12.5
部を、N−ビニル−2−ピロリドン250部に溶解したモ
ノマー液と、エタノール80部にメルカプト酢酸17.5部を
溶解した液をそれぞれ別々に2時間かかって滴下し重合
を行なった。重合終了後20℃に冷却し、このものをジエ
チルエーテル10,000部に投入し凝集させたのち沈降さ
せ、得られた粉末を80℃−10時間、10mmHgで減圧乾燥し
た。粉末の酸価は26.1であった。
次に別の反応容器にエチルセロソルブ213部、上記の
粉末200部を加え、70℃まで昇温し、粉末を完全に溶解
した。いったん20℃まで冷却し、グリシジルメタクリレ
ート13.2部、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.2
部、ハイドロキノン0.3部を仕込み、120℃で5時間反応
させ、酸価0.5のN−ビニル−2−ピロリドンの49%マ
クロモノマー溶液(a−1)を得た。
(a−2) 反応容器に、エタノール200部を仕込み、70℃に昇温
した。N−ビニル−2−ピロリドン100部、エタノール1
00部、4,4′−アゾビス(4−シアノ)吉草酸20部を混
合溶解した液を2時間かけて滴下した。滴下終了後20℃
に冷却し、このものをジエチルエーテル10,000部に投入
し凝集させたのち沈降させ、得られた粉末を80℃−10時
間、10mmHgで減圧乾燥した。粉末の酸価は34.2であっ
た。
次に、別の反応容器にエチルセロソルブ104部、上記
粉末95部を仕込み70℃に昇温し、完全に溶解させ、20℃
に冷却し、グリシジルメタクリレート8.3部、テトラエ
チルアンモニウムブロマイド0.2部、ハイドロキノン0.2
部を仕込み115℃で5時間反応させ、酸価1.0のN−ビニ
ル−2−ピロリドンの50%マクロモノマー溶液(a−
2)を得た。
N−ビニルピロリドンマクロモノマーの重合体製造例 (b−1) n−ブチルセロソルブ350部を反応容器に入れ、加熱
して120℃にした。次に以下に示す割合の混合物及び22
%アゾビスジメチルバレロニトリル溶液(n−ブチルセ
ロソルブ)80部を別々に約2時間かけて滴下した。反応
は窒素注入下で行なった。
2−エチルヘキシルアクリレート 60部 n−ブチルメタクリレート 53部 前記マクロモノマー溶液(a−1) 252部 アクリル酸 11部 反応温度を120℃に保ち、反応容器をかきまぜなが
ら、上記の混合物を滴下した。滴下終了1時間後に22%
アゾビスイソブチロニトリル溶液11.4部を反応溶液に加
え、さらに2時間後、22%アゾビスイソブチロニトリル
溶液11.4部を反応溶液に加え、その後2時間120℃に保
ったまま反応を行なった。反応終了後未反応の単量体と
n−ブチロセロソルブを減圧蒸留し、加熱残分70.2%、
樹脂酸価35.0、ガードナー粘度(40%n−ブチロセロソ
ルブ溶液)Dの重合体(b−1)溶液を得た。
(b−2) 前記(b−1)において、(a−1)に代えて(a−
2)を同部使用した以外は前記(b−1)と同様の配合
で製造を行なって、加熱残分70.0%、樹脂酸価35.6、ガ
ードナー粘度(40%n−ブチルセロソルブ溶液)Cの重
合体(b−2)溶液を得た。
実施例1 前記65%ポリエステルワニス 126.4部 前記80%アルキド樹脂ワニス 15.4部 前記重合体(b−1)溶液 3.1部 60%ユーバン20SE (三井東圧社製、商標名、メラミン樹脂) 5.0部 ドデシルベンゼンスルホン酸 1.3部 N0700シアニンブルー (東洋インキ社製、商標名) 15.0部 キシロール 25.5部 上記の配合物を混合、分散し塗料を作成した。
実施例2 前記50%アクリル樹脂ワニス 138.1部 前記重合体(b−2)溶液 4.0部 60%ユーバン20SE 4.5部 パラトルエンスルホン酸 1.6部 タイペークCR−93 (石原産業社製、商標名) 90.0部 キシロール 26.7部 上記の配合物を混合、分散し塗料を作成した。
実施例3 前記65%ポリエステルワニス 123.1部 前記80%アルキド樹脂ワニス 6.7部 前記重合体(b−2)溶液 2.0部 60%ユーバン20SE 5.0部 モノブチルリン酸エステル 2.3部 トダカラーKNV (戸田工業社製、商標名) 75.0部 キシロール 20.0部 n−ブタノール 24.5部 上記配合物を混合、分散し塗料を作成した。
実施例1〜3の結果をまとめて表に示す。
比較例1 実施例1の重合体(b−1)溶液3.1部の代わりに80
%アルキド樹脂ワニス2.7部を使用した以外は実施例1
と同様の配合で塗料を作成した。
比較例2 実施例2の重合体(b−2)溶液4.0部の代わりに80
%アルキド樹脂ワニス3.5部を使用した以外は実施例2
と同様にして塗料を作成した。
比較例3 実施例3の重合体(b−2)溶液2.0部の代わりに、8
0%アルキド樹脂ワニス2.5部を使用した以外は実施例3
と同様にして塗料を作成した。
比較例1〜3の結果をまとめて表に示す。
(*1)貯蔵安定性 粘度はブルックフィールド型粘度計を使用して測定し
た。(回転数6rpm、20℃) (*2)塗膜性能 実施例及び比較例の塗料を、2ミルのドクターブレー
ドを用いて、脱脂軟鋼板に塗布し、140℃−30分間加熱
乾燥を行なって試験に供した。
塗色変化 JIS Z 8730(Lの表色系によ
る色差変化)に基づいて測定した。標準板は加熱乾燥前
の塗板を使用した。
硬化性 塗膜の表面をキシロールを含むガーゼで強く10
回こすった後塗膜のツヤびけを観察し、硬化性を評価し
た。
(発明の効果) 本発明に従うと、強酸性の触媒を塗料中に安定に存在
せしめて、塗料貯蔵中においても塗色変化がなく、ま
た、酸性触媒の効果も失われることがないので、強酸性
触媒を含有する溶剤型熱硬化性塗料用組成物の安定化の
ために極めて好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−144793(JP,A) 特開 昭59−33350(JP,A) 特開 平2−215876(JP,A) 特開 平3−28280(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸性化合物を反応触媒として含有する熱硬
    化性塗料に、N−ビニルピロリドン系重合体を分子主鎖
    とし、該主鎖の片末端にラジカル重合性不飽和基を有す
    るマクロモノマーを必須単量体成分として含有する重合
    体を添加することを特徴とする溶剤型熱硬化性塗料用組
    成物。
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