JP6207103B2 - ロール表面をコンディショニングする圧延装置および方法 - Google Patents

ロール表面をコンディショニングする圧延装置および方法 Download PDF

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Description

本発明は、少なくとも1つのロールを、好ましくは少なくとも2つのワークロールおよび少なくとも2つのバックアップロールを備えた圧延スタンドを有する圧延装置、具体的にはアルミニウムストリップの冷間圧延のための圧延装置に関する。本発明はさらに、好ましくはアルミニウム箔の製造のための、ロール表面を、具体的には4段冷間圧延機のロールをコンディショニングする方法に関する。
アルミニウムシートおよびアルミニウム箔の製造には通常、4段冷間圧延機が用いられる。圧延工程中は、高い研磨作用を有する恐れがある残渣フィルムがバックアップロールおよび/またはワークロール上に形成される。こうした残渣フィルムの結果、ロールの表面構造が非常に急速に摩耗し、そうなると、頻繁なロール交換が必要になる。さらに、残渣フィルムはパターンおよびストリークを呈する傾向があり、次いでそのパターンおよびストリークは圧延されるストリップまたは箔に転写され、その表面品質がこれによって低下する。
定期的なメンテナンス期間にロールから残渣フィルムを除去することによってこの課題を克服する、現行技術の方法が知られている。これは、確実に、ロールの耐用年数を延ばし、圧延製品の表面品質を改善することができる。しかし、同時に、メンテナンス期間が必要なことにより、休止時間および生産停止が増大する。
圧延製品の表面品質への要求が非常に高いアルミニウム産業以外では、特別なロールクリーニングシステムも使用されているが、そのシステムは、構造の複雑さを増大させ、したがって、非常に高価である。こうしたロールクリーニングシステムは、アルミニウムシステム技術の4段冷間圧延機およびアルミニウム製品の圧延中の残渣フィルム形成に使用することができない。
特許文献1によれば、高圧下の液体ジェットによってロール表面を処理する、熱間圧延スタンドのロールを磨き直す方法が知られている。しかし、この方法は、ロール表面を処理するために用いられる媒体によっては、起爆性の混合物をもたらす恐れがあり、そうなると、その方法の実行を複雑にするような特別に安全な対策が必要になる。
ロール表面のコンディショニングにおいて現行技術に生じる他の課題は、コンディショニングによって、圧延中に用いられる圧延油の汚染が起こり得ることである。アルミニウムストリップを圧延するとき、具体的にはアルミニウム箔の製造中は、圧延後にストリップは通常、たとえば熱的方法を用いて脱脂される。圧延油内の不純物が脱脂後にストリップ上に残るかまたはそれどころかその表面を損傷させる恐れがあるので、この方法は、圧延工程で使用される圧延油の衛生面に厳しい要件を設定する。
欧州特許第1 436 103(B1)号
この背景技術に対して、本発明に関する技術的な課題は、汚染物による、具体的にはバックアップロールおよび/またはワークロール上の残渣フィルムの形成による、圧延工程および圧延製品の不良を、できるだけ圧延油と共に利用できる費用対効果の大きい手法により避けることができる、ロール表面をコンディショニングする圧延装置および方法を提供することである。
この課題は、ロールを、好ましくは少なくとも2つのワークロールおよび少なくとも2つのバックアップロールを備えた圧延スタンドを有する圧延装置によって、本発明により解決される。これは、圧延装置が、圧延動作中にロールの表面から汚染物を機械的に除去することができるコンディショニングツールを有し、圧延装置が、圧延動作中に実質的にロールの長手方向にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールを移動させることができる被動搬送装置を有することによる。除去される汚染物には、具体的にはロールの表面上の残渣フィルムを含めることができる。
圧延装置には、具体的には、アルミニウムストリップの冷間圧延のための圧延装置、たとえば、アルミニウム箔の製造のための4段冷間圧延機を含めることができる。
搬送装置は、たとえば、ガイドレールおよび駆動装置を備えることができ、駆動装置によって、ガイドレールに沿ってロールの表面を横切るようにコンディショニングツールを移動させることができる。
さらに、上記で言及した課題は、ロール表面をコンディショニングする方法であって、コンディショニングツールによってロールの表面から汚染物が、具体的には残渣フィルムが機械的に除去され、汚染物の除去中に実質的にロールの長手方向にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが移動され、汚染物の除去がロールの圧延動作中に実行される方法によって、本発明により解決される。本方法を用いて、好ましくは、アルミニウム箔の製造のための4段冷間圧延機のロールのロール表面がコンディショニングされる。具体的には、この方法によって、本発明による圧延装置の圧延スタンドのロールのロール表面をコンディショニングすることもできる。
本発明による圧延装置についても本発明による方法についても、ロール表面からの汚染物の、具体的にはアルミニウム製品の圧延中に生じる残渣フィルムの機械的な除去による、ロール表面の効果的かつ経済的なコンディショニングが、圧延動作中に実質的にロールの長手方向にロールの表面を横切るように移動するコンディショニングツールによって可能であることが分かった。これは、稼働中に、すなわち生産工程が進行している間にロール表面をクリーニングでき、そうすることで、クリーニングのために生産工程を中断することがもはや必要なくなるという利点を有する。メンテナンスの労力が軽減される結果、休止時間および生産停止を大幅に軽減でき、そうすることで、圧延装置のより効率的な動作が可能になる。
この圧延装置および方法は、そのクリーニング方法が複雑な設計を必要とせず、その代わりにコンパクトな構造を可能にするという点でさらに優れている。
本発明による圧延装置または本発明による方法を用いたロール上の汚染物の機械的な除去により、圧延油と共に利用できるようにしてロール表面をコンディショニングすることもできる。圧延油として、一般に、石油など、炭化水素を含有する低粘度の混合物が用いられ、これは具体的には圧延中に潤滑および冷却の働きをする。したがって、こうした圧延油の汚染を防止するために、圧延機では、炭化水素を含有する低粘度の混合物によって損傷を受けない物質および材料であって、後から混合物内で発見され脱脂または食品材料との適合性に悪影響を及ぼし得る物質が溶け出さない、物質および材料を使用しなければならない。汚染物の機械的な除去のためにコンディショニングツールを用いると、可能な限り少ない、好ましくは、せいぜい取るに足らない程度の圧延油の汚染しかもたらさない物質および材料の使用が可能になる。
コンディショニングツールによってクリーニングされるロールは、好ましくは、バックアップロール、具体的には冷間圧延機のバックアップロールである。ワークロールに直接的に作用する必要なしに、バックアップロールをクリーニングすることによって、ロール上に発生する残渣フィルムを適切に除去できることが示されている。
実質的にロールの長手方向にロールの表面を横切るようなコンディショニングツールの移動とは、実質的にロールの回転軸に平行にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが移動されることを意味する。同時にロールが回転するので、仮定の同時回転座標系に関してロールの表面上の重ね合わせられた移動は、ロールの長手方向のコンディショニングツールの移動およびロールの回転によるものである。したがって、コンディショニングツールがロールの表面を横切るように移動すると、同時回転座標系においてロール表面上でコンディショニングツールが螺旋軌道をとる。
コンディショニングツールによる汚染物の機械的な除去は、機械的接触によって、すなわち、ロール表面または汚染物それぞれとのコンディショニングツールの剛体表面の接触により、コンディショニングツールが汚染物を除去することを意味する。一例として、汚染物は、別の機械的な手法でロール表面から研磨するか、平削りするか、はがすか、または除去することができる。
以下に記載する好ましい実施形態は、圧延装置または方法にそれぞれ限定されるものではないが、圧延装置にも方法にも等しく適用される。その実施形態の方法の特徴の観点から、圧延装置は、特に好ましくは、対応する工程段階を実行するように構成される。
方法または圧延装置の第1の実施形態によれば、コンディショニングツールは、すくい面と、逃げ面と、ロールの表面から汚染物を除去するための刃先とを有する、くさび形の領域を有する。平らに当てたフリクションブロックを用いるより、鋭利な刃先を用いる方が良好にロール表面の汚染物を除去できることが分かっている。具体的には、刃先を用いると、ロール表面に非常に効果的かつ明確なクリーニングを実現することができる。具体的には、刃先を用いると、平らに当てたフリクションブロックと比べて接触面が小さくなるので、クリーニングブロックによってロール表面上に加えられる圧力をより高いものに設定することができる。
すくい面は、ロールの回転によるコンディショニングツールとロール表面との間の相対移動方向に向かった面を指し、逃げ面は、くさび形の領域のうちこの相対移動と反対方向を向いた面を指す。
長手方向からの最大のずれが最大20°、好ましくは最大10°の状態で、刃先が実質的にロールの長手方向に延びるということから、汚染物のより効果的な除去が確実になる。刃先とロール表面との間の相対移動は、大方、ロールの回転の結果である。したがって、実質的にロールの長手方向に刃先を配置することにより、相対移動に対して実質的に横断方向の刃先の配置が実現され、それゆえ、ロール表面から汚染物がより効果的に除去される。
圧延装置または方法の別の実施形態では、すくい面と、刃先を通りロール表面に垂直に延びる平面との間のすくい角が負である。刃先を通りロール表面に垂直に延びる平面は架空であり、すくい角を画定するように働く。ロール表面に垂直な向きとは、刃先のそれぞれその時の位置を通るロール表面の局所接平面に対する相対的な向きを意味する。すくい角が負の場合、すくい面は刃先から切削方向に延びる(刃先を通るロール表面の局所接平面に対するすくい面の投影から明らかである)。ロールが刃先に対して回転するとき、切削方向はロールの回転方向の逆になる。すくい角が負であると、ロール表面から除去された汚染物がコンディショニングツールの領域に集まらず、そこに長い小片が形成されることもない。それらがあると、ロール表面は再度汚染されるか、またはそれどころか損傷を受ける可能性がある。特に適切なすくい角が、−5°から−40°、好ましくは−10°から−40°、特に−15°から−35°の範囲にある角度であることが判明している。
圧延装置または方法の別の実施形態では、クリーニングブロックがコンディショニングツールとして用いられる。このようなクリーニングブロックは、好ましくは、粒子がマトリックスに埋め込まれている。マトリックスに埋め込まれた粒子により、ロール表面上のクリーニングブロックの研磨効果が良好になり、したがって、ロール表面上の残渣フィルムが効果的に除去される。試験により、クリーニングブロックのマトリックスに酸化アルミニウム粒子が、たとえば、コランダム粒子が埋め込まれている場合に特に良好なクリーニング効果が実現されることが示されている。
クリーニングブロックのマトリックスは、好ましくは、圧延油と融和性の材料、すなわち、石油または灯油など、炭化水素を含有する低粘度の混合物に特に耐性のある材料から実質的に構成される。このようにして、クリーニングブロックによる圧延油の汚染を防止することができる。
クリーニングブロックのマトリックスは、好ましくは、繊維と、具体的には合成不織と、樹脂との、具体的にはアミノ樹脂との混合物をベースとしている。マトリックスに埋め込まれた粒子、すなわち、たとえば、酸化アルミニウム粒子は樹脂によって接着させることができる。
埋め込まれた粒子の、具体的には、埋め込まれた酸化アルミニウム粒子の粒度分布は、好ましくは、50〜800μmの範囲の累積比率が埋め込まれた粒子の総重量のうちの少なくとも85%、好ましくは、少なくとも90%、より好ましくは、少なくとも95%、特に、少なくとも99%である。これは、埋め込まれた粒子のうちの少なくとも85、90、95または99重量%は粒度が50〜800μmの範囲にあることを意味する。より好ましくは、粒度分布の中央値は150から250μmの範囲にある。このような粒度分布の場合、ロール表面に好ましくないテクスチャを形成することなく良好なクリーニング効果が実現される。
クリーニングブロックは、好ましくは、気孔領域割合が70〜90%の範囲にある高い気孔率を有する。クリーニングブロックの気孔領域割合は、クリーニングブロックの表面に平行な、たとえば表面の下方50μmの位置の、少なくとも2.5mm×2.5mmの切削表面から判定される。本明細書では、気孔領域割合は切削表面のうちの気孔が占める割合に相当する。それに対応して、切削表面のうちそれ以外の部分は、すなわち、この場合は、好ましくは気孔領域割合以外の30〜10%は、繊維、樹脂および埋め込まれた粒子が占める。
クリーニングブロックの気孔率のうち好ましくは少なくとも50%、より好ましくは70%、特に80%が開放気孔によって占められ、そうすることで、対応する割合の気孔が開放し、したがって、互いにつながっている。
クリーニングブロックの気孔率が高いと油の循環が良好になり、その結果、クリーニングブロックの良好な冷却を実現することができる。気孔率が高いと、ロールから除去される汚染物を吸収する容量も有利に高くなる。
クリーニングブロックの密度は、好ましくは、700〜850kg/mである。このような低密度は特に高い気孔率によって実現することができる。
具体的にはクリーニングブロックのmが125から175MPaの範囲にありかつ/またはR(50%)が50から70MPaの範囲にあるという機械的性質を有する場合に、ロール表面の効果的なクリーニングが実現される。mはDIN6892−1:2009による準弾性直線の勾配であり、R(50%)は50%の座屈の場合の圧縮応力であると理解される。
変数mおよびR(50%)は、クリーニングブロックに関して、開始時断面積400mm(20mm×20mm)、開始時長さL25mmの直方体の試験片を用いた、圧縮速度10−2−1のDIN50134:2008−10およびISO13314:2011による圧力試験によって判定することができる。DIN50134は、(弾性係数の代わりに)パラメータmを準弾性直線の勾配と定義している。このパラメータは構造依存の剛性であり、その判定は、その圧力試験では、ヒステリシスループをたどることが必要とされる。適切なクリーニングブロックが、具体的には上記に記載した組成を有するクリーニングブロックが多くの場合このようなヒステリシスを有しないので、変数mはDIN6892−1:2009によるクリーニングブロックの特徴付けに用いられる。
圧延装置または方法の別の好ましい実施形態では、クリーニングブロックの表面は、クリーニングブロックによってロール上に作り出すことができるロール表面構造が、コンディショニングされるロールの表面構造に、具体的には粗さに対応するようにして、コンディショニングされるロールに適合される。クリーニングブロックの表面は、クリーニングブロックに埋め込まれた粒子の分布、割合および/またはサイズによって、コンディショニングされるロールの表面構造に特に適合させることができる。このようにして、コンディショニングされるロールの表面構造は、具体的には粗さは、コンディショニングによって損なわれることはなく、それどころか長期間にわたって維持することができる。
さらに、クリーニングブロックは、より好ましくは、ロールから放出される物質に対して吸収性がある。クリーニングブロックの吸収性は、好ましくは、クリーニングブロックによって吸収された汚染物がクリーニングサイクル中に再度放出されない程度に十分に高い。クリーニングブロックの吸収性により、好ましくは、洗浄力が良好になり、そうなると、クリーニングブロックのクリーニング中に吸収された汚染物は、最大80重量%、好ましくは最大90重量%、具体的には実質的に残渣を残さないように除去することができる。汚染物に対する良好な吸収性および良好な洗浄力は、たとえば、マトリックスが合成不織と樹脂との混合物ベースとされたクリーニングブロックに対する試験で実現されている。
クリーニングブロックは、たとえば、実質的に直方体または刃先の形状として、具体的にはたとえば三角形のベースを有する角柱のブロックとして設計することができる。
圧延装置または方法の別の好ましい実施形態では、コンディショニングツールの刃先は長さがロールのロール本体幅の5%から50%、好ましくは15%から40%である。刃先の長さがロール本体幅の少なくとも5%、好ましくは少なくとも15%の場合、ロールが1回転するたびに、コンディショニングツールは、許容できる時間枠内でロール全体のコンディショニングを実行するのに十分大きい、ロールの1ストリップ分に影響を与えることができる。刃先の長さをロール本体幅の最大50%に制限することにより、ロール表面のどの領域も、コンディショニングツールがロールの長手方向に移動するときに刃先によって連続して加工されて過度に摩耗することが避けられる。
通常のロール本体幅1000から2200mmのときに前述の長さを有する刃先が、ロールを保護しながら汚染物を除去するための有利な圧力を設定できるような接触領域をロール表面上に有することがさらに示されている。
圧延装置または方法の別の好ましい実施形態では、圧延装置は液圧動力式の搬送装置を有する。たとえば電気式の駆動装置の代わりに液圧式の駆動装置を用いると、短絡またはアーク放電の危険性を低下させることが可能である。これは、圧延中に用いられる圧延油は、通常は非常に燃えやすいか、または気化した場合はそれどころか爆発するので、特に重要である。
液圧駆動装置の作動液として、圧延中に用いられる圧延油が、好ましくは、たとえば、灯油などの石油が用いられる。このようにして、作動液の漏出による圧延油の汚染を避けることができる。
圧延装置または方法の別の好ましい実施形態では、圧延装置は、搬送装置および/またはコンディショニングツールの移動を監視するために構成された監視装置を有する。さらに、監視装置および搬送装置は、好ましくは、搬送装置および/またはコンディショニングツールの移動に不具合がある場合に、ロールの表面から離れる方にコンディショニングツールが移動されるように構成されている。たとえば、コンディショニングツールまたは搬送装置全体は、旋回する設計を有することができ、そうすることで、コンディショニングツールが第1の旋回位置ではロール表面に作用でき、第2の旋回位置ではロール表面から離間する。
ロールの長手方向のコンディショニングツールの移動が中断される場合は、コンディショニングツールが長時間にわたってロールの同じストリップ状の領域に接触する危険がある。これは、ロール表面を損傷させる恐れがあり、ロールを交換する必要があることを意味する。このような損傷は、コンディショニングツールがほんの30秒を超えて1か所に留まるだけでも起こる恐れがある。搬送装置および/またはコンディショニングツールの上記に記載した監視により、コンディショニングツールは、不具合の場合にロール表面から確実に引っ込められ、そうすることで、ロール表面の損傷が防止される。
液圧式の駆動装置の場合は、監視装置は、好ましくは、駆動装置の液圧を監視する。このようにして、電子的な監視、したがって短絡またはアーク放電のリスクを避けることができる。
ロール表面のクリーニングをさらに改善するために、圧延装置および方法の他の実施形態では、複数の、好ましくは2つのコンディショニングツールが設けられる。この複数のコンディショニングツールを、ロールの円周上の異なる位置で、汚染物の除去のために長手方向にロールの表面を横切るように移動させることができる。このようにして、複数のコンディショニングツールを用いて単一のロールを同時にクリーニングすることができる。
円周上の位置とは、ロールの回転軸に対するコンディショニングツールの方位角位置であると理解される。たとえば、コンディショニングツールは、ロール表面の反対側の2つの位置に設けることができる。
圧延装置または方法の別の実施形態では、圧延スタンドは、アルミニウム箔の製造のための2つのワークロールおよび2つのバックアップロールを有する4段冷間圧延機として設計され、圧延装置は、汚染物の除去のためのコンディショニングツールを各バックアップロールについて少なくとも1つ備える。4段圧延スタンドの上側および下側のバックアップロールのコンディショニングにより、アルミニウム圧延中の残渣フィルムの形成を有意に低減することができ、それゆえ、圧延されたアルミニウム製品の表面品質が実質的に改善される。4段圧延スタンドの2つのバックアップロールからの汚染物の除去は、好ましくは、同時に連続して実行される。
圧延装置または方法の別の好ましい実施形態では、コンディショニングツールが実質的に長手方向にロールの表面を横切るように移動される速度は、ロールの周速の0.001倍から0.015倍、好ましくは、0.005倍から0.010倍に相当する。試験によれば、このような速度で十分なクリーニング効果が実現され、ロール表面上のパターン形成が避けられ、同時にコンディショニングツールが十分に短い総経過時間内にロールの全表面を処理し、そうすることで、残渣フィルムの形成が概して十分に防止される。さらに、コンディショニングツールの速度は、炭化水素を含有する混合物の蒸気またはエアゾールの(たとえば火花または過熱による)引火の原因がロール周囲に生じない程度に十分に低い。
本方法の好ましい実施形態では、ロールの表面を横切るように往復運動するようにコンディショニングツールが移動される。コンディショニングツールの往復運動とロールの回転とを重ね合わせることにより、ロール表面の同時回転座標系では、ロール表面に対してコンディショニングツールが螺旋軌道を繰り返すことになり、そうすることで、コンディショニングツールの単純な移動を用いてロールの表面全体をクリーニングすることができる。
ロールが1回転する際に、コンディショニングツールの長手方向の延在に応じて、具体的にはコンディショニングツールの刃先の長さに応じて、実質的に円形のストリップの分だけロール表面をクリーニングすることができる。したがって、ロールの長手方向にロール表面を横切るようなコンディショニングツールの移動により、ロール表面全体を連続的に一様にクリーニングすることができ、パターンの形成を防止することができる。
実質的に長手方向にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールを移動させることができる速度は、圧延装置または方法の別の実施形態では、ロールの所定の回転数以内、たとえば、最大2000または最大1500回転以内にコンディショニングツールがロールのロール表面全体に影響を与えることができるように設定することができ、そうすることで、この所定の回転数以内にロール表面全体をクリーニングすることができる。
圧延装置または方法の別の好ましい実施形態では、ロールの表面を横切るように連続して横断移動するようにコンディショニングツールが移動される。このようにして、ロール表面の一様のクリーニングを実現することができ、パターンの形成およびコンディショニングツールによるロール表面に対する損傷を防止することができる。
連続した横断移動とは、ロール表面を完全にクリーニングするために、中断せずに、好ましくは、コンディショニングツールの方向を変えるときを除いて実質的に一定の速度で、ロールの長手方向にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが常に移動されることを意味する。
圧延装置または方法の別の実施形態では、コンディショニングツールは、0.1から2.5MPa(=N/mm)の範囲、好ましくは0.5から2.2MPaの範囲、特に1から2MPaの範囲の圧力でロールの表面に押し付けられる。これらの圧力ではロール表面またはコンディショニングツールに損傷を与えることなく非常に良好なクリーニング効果が実現されることが示されている。
圧延装置または方法の別の実施形態では、コンディショニングツールは、1回、好ましくは所定の時間間隔で複数回、再生される。このようにして、コンディショニングツールのクリーニング効果は、長期間にわたって維持することもできる。コンディショニングツールの再生は、たとえば、コンディショニングツールのクリーニングおよび/またはコンディショニングツールの冷却によって実行することができる。その代わりに、またはそれに加えて、コンディショニングツールのためのアイドル時間を設けることが可能であり、その間はコンディショニングツールがロールの表面を横切るようにガイドされることはない。このアイドル時間は、コンディショニングツールのアクティブなクリーニングまたはアクティブな冷却に用いることもできる。
圧延装置または方法の他の実施形態では、除去された汚染物がロールの領域からクリアリング装置によって取り除かれるということから、クリーニング効果の改善が実現される。一方では、このようにして、コンディショニングツールのクリーニング効果は汚染物の蓄積に妨げられないので、この効果を維持することができる。さらに、汚染物は制御された状態でロールの領域から取り除かれる。これは、除去された汚染物がロールに戻るかまたはそれどころか圧延製品に移ることを防止する。特に好ましくは、除去された汚染物は、たとえば圧延領域の外の長手方向の側方に、ロールの形成領域から取り除かれる。
汚染物を取り除くことは、たとえば、吸引によって実行することができる。そのために、クリアリング装置として、コンディショニングツールの領域に、対応する吸引装置を設けることができる。このような吸引装置の吸引開口部は、好ましくは、コンディショニングツールと一緒に移動する。その代わりに、またはそれに加えて、洗浄液がコンディショニングツールの領域に導入され、そこから除去される、具体的には吸引されることで、汚染物を洗浄することもできる。その結果、汚染物は洗浄液によって洗い流される。その代わりに、またはそれに加えて、ガス流によって汚染物を吹き飛ばすこともできる。
圧延装置または方法の別の実施形態では、圧延装置は、搬送装置、コンディショニングツールおよび/または圧延スタンドを制御する制御装置を有し、制御装置は、本発明による方法の少なくとも1つの実施形態を実行するように構成されている。
本発明による圧延装置の実施形態は、本発明による方法の実施形態を実行するのに特に適している。本発明による方法の実施形態も、特に好ましくは、本発明による圧延装置の実施形態を用いて実行される。
制御装置は、たとえば、ロールの圧延動作中にコンディショニングを実行させる電子回路として設けることができる。それに加えて、またはその代わりに、制御装置は、少なくともメモリおよび電子処理ユニットを有するコンピュータを備えることもでき、その電子メモリは記載した方法のうちの1つを電子処理ユニットに実行させる命令を含む。
圧延装置または方法の好ましい実施形態では、制御装置、搬送装置、コンディショニングツールおよび/または圧延スタンドは、以下のパラメータのうち1つ、複数または全てを変更することによってコンディショニングツールの処理の強さを設定できるように構成される。
− コンディショニングツールの移動速度、
− コンディショニングツールによってロール表面上に加えられる圧力、
− すくい面と、刃先を通りロール表面に垂直に延びる平面との間のすくい角、
− コンディショニングツールによる機械的な除去が実行されるコンディショニング期間の長さおよび間隔、および
− コンディショニング期間内にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが移動される頻度。
このパラメータは、たとえばシステムのユーザによってパラメータが制御装置のコンピュータに入力されるという点で、たとえば制御装置を介して調整可能である。その代わりに、上記で言及したパラメータのうちの1つ、複数または全てを手作業で設定することもできる。たとえば、ロールの表面と、コンディショニングツールのすくい面との間の角度は、そのために設けられた角度調整装置によって設定することができる。圧延装置は、好ましくは、上記で言及したパラメータのうちの1つ、複数または全ての円滑な調整を可能にする。この実施形態は、特に円滑に、圧延装置のクリーニングを要件に適合できるという利点を有する。
これらの方法および圧延装置の他の特性および利点が、添付の図面が参照される以下の実施形態の説明からさらに明らかになる。
4段冷間圧延機の場合の本発明による圧延装置および本発明による方法の例示的な実施形態を概略側面図に示す。 図1の例示的な実施形態を概略部分正面図に示す。 図1の例示的な実施形態を概略上面図に示す。 本方法の実行中の別の時点における図1の例示的な実施形態を概略上面図に示す。 図1の例示的な実施形態の細部を側面図に示す。 本発明による圧延装置および本発明による方法の例示的な実施形態による、ロールの表面全体にわたるコンディショニングツールの軌道を示す。 本発明による方法の例示的な実施形態の概略流れ図を示す。
図1〜図5に、本発明による圧延装置および本発明による方法の例示的な実施形態を示す。図1は圧延装置100の概略側面図を示し、図2は図1の圧延装置100の上部の正面図を示し、図3は本方法の実行中の第1の時点における圧延装置100の上面図を示し、図4は本方法の実行中の第2の時点における圧延装置100の上面図を示し、図5は圧延装置100の上部の細部を側面図に示す。
圧延装置は、アルミニウムストリップ103またはアルミニウム箔を圧延するための圧延スタンド102を備える。圧延スタンド102は、4段圧延スタンドとして設計され、第1のワークロール104aおよび第2のワークロール104bと、第1のバックアップロール106aおよび第2のバックアップロール106bと、ロール104a〜b、106a〜bが取り付けられたフレーム108とを有する。圧延スタンド102は、矢印110a〜dで示される回転方向にロールを直接的または間接的に駆動できるように、バックアップロール106a〜bのための駆動装置(図示せず)も備える。駆動装置は、反対の回転方向が可能になるように設計することができる。したがって、圧延スタンド102は、たとえば、逆向きに動作することもできる。
圧延装置100はさらに、クリーニングブロックの形態の4つのコンディショニングツール112a〜dと、4つの搬送装置114a〜dとを備える。コンディショニングツール112a〜dのそれぞれが、実質的にロールの長手方向(矢印120参照)に圧延スタンド102のロールのうちの1つの表面を横切るように移動できるようにして、搬送装置114a〜dのうちの1つに固定されている。例示的な本実施形態では、搬送装置114a〜bは、上部バックアップロール106aの関連するコンディショニングツール112a〜bに割り当てられ、搬送装置114c〜dは底部バックアップロール106bの関連するコンディショニングツール112c〜dに割り当てられる。搬送装置114a〜dは圧延スタンド102のフレーム108に固定されている。
圧延装置100は別の制御装置(図示せず)も有し、その制御装置によって、搬送装置および圧延スタンドを制御することができる。制御装置は、たとえば、コンピュータまたはプログラマブルロジックコントローラを備えることができる。
バックアップロール106a〜bのコンディショニングは、アルミニウムストリップ103が圧延スタンド102を用いて圧延されている間に、すなわち、生産工程が進行している間に実行される。そのために、コンディショニングツール112a〜dは、ワークロール104a〜bおよびバックアップロール106a〜bが矢印110a〜dで示される回転方向に回転しアルミニウムストリップ103がワークロール104aと104bとの間で圧延される間に、搬送装置114a〜dに沿ってロールの長手方向に上部および底部バックアップロール106a〜bの表面を横切るように移動する。その際、コンディショニングツール112a〜dは、バックアップロール106a〜bの表面と機械的に接触し、そうすることで、バックアップロール106a〜b上の汚染物が機械的に除去される。具体的には、このようにして、アルミニウム製品の圧延中にバックアップロール上に溶着した残渣フィルムを除去することができる。除去しなければロールのより速い摩耗または圧延結果の不良をもたらす。
圧延装置100はさらにクリアリング装置116a〜dを備え、クリアリング装置116a〜dは、この場合、吸引装置として設計されている。コンディショニングツール112a〜dによってバックアップロール106a〜bの表面から機械的に除去された汚染物は、クリアリング装置116a〜dによってロールの領域から取り除く、具体的には吸引することができる。これは、除去された汚染物が再度ロールに付着することまたはアルミニウムストリップ103に移ることを防ぐ。
図3は本方法の実行中の第1の時点における圧延装置100の上面図を示す。図示の2つのコンディショニングツール112aおよび112bは、好ましくは、それぞれ割り当てられたガイド装置114a〜bに沿って同時にガイドされる。コンディショニングツール112a〜bは、バックアップロール106aの表面から汚染物を機械的に除去しながら、長手方向(矢印120参照)にロール表面を横切るように往復運動を実行する。
図4は本方法の実行中の第2の時点における、図3の上面図を示す。コンディショニングツール112aはバックアップロール106aの表面を横切るように移動し続け、コンディショニングツール112はコンディショニングツール112の再生のために側方の休止位置に所定の時間にわたって留まる。この休止位置では、コンディショニングツール112を冷却またはクリーニングすることが可能である。そのために、クリーニング装置122が設けられ、そのクリーニング装置122によって、コンディショニングツール112から汚染物を洗い流すためにコンディショニングツール112に洗浄液をかけることができる。
図5は、コンディショニングツール112bおよび搬送装置114bをより詳細に表す、圧延装置100の上部の一部分を側面図に示す。
搬送装置114bはクロス部材124を有し、クロス部材124は、枢支点126を中心に回転できるようにフレーム108に固定される。枢支点126から離間したベアリング128の位置では、クロス部材124は液圧シリンダ132のピストン130に連結され、ピストン130はフレーム108に固定される。液圧シリンダ132の動作により、メンテナンスのためにまたはロール106aの不具合の場合に、クロス部材124を外側に旋回させることができ(図5の一点鎖線の輪郭参照)、そうすることで、ロール表面からコンディショニングツール112bを持ち上げることができる。具体的には、ロール表面を横切るようなコンディショニングツール112bの横断移動が乱れた場合に、ロール106aから離れる方にクロス部材124を旋回させる制御装置を設けることができる。
クロス部材124上では、枢支点134を中心に回転可能な第2のクロス部材136が固定されており、第2のクロス部材136は枢支点134の反対側の端部にリニアガイド138を有する。リニアガイド138はロール106aの長手方向に延在し、実質的に長手方向にロール106aの表面を横切るようにコンディショニングツールを移動させることができるようにしてコンディショニングツール112bのためのブラケット140に接続されている。リニアガイド138は、たとえば、液圧作動のリニアガイドとすることができる。
搬送装置114bはさらにアジャスタ142を有し、アジャスタ142を用いると、コンディショニングツール112bによってロール106aの表面に加えられる圧力を設定することができる。アジャスタ142は、クロス部材124と第2のクロス部材136との間に配置されており、第2のクロス部材136に固定されたピストン144を備える。クロス部材124に固定されたシリンダ146内でピストン144を移動させることができる。調整ネジ148によってシリンダ146のさらに外側にピストン144を移動させることができ、そうすることで、ロール106a上のコンディショニングツール112bの圧力を上昇させる。シリンダ146内には、さらに、ロール106aの方向にピストン144上に力を加えるばね150が設けられる。
搬送装置114bおよびブラケット140は、すくい面154と、刃先152を通ってロール表面に垂直に延びる平面156との間のすくい角が負になり、実際に具体的には−5°と−45°との間になるようにして、図示の例ではクリーニングブロックの形態をとるコンディショニングツール112bの刃先152がロール表面に当てられるように配置される。すくい角が負の場合は、すくい面154は刃先152から切削方向に、すなわち、(図5に示す)矢印110aによるロール106aの回転方向と逆方向に延びる(刃先を通るロール表面の局所接平面に対するすくい面の投影から明らかである)。見やすいように、図5にすくい角そのものは表記していないが、その垂直方向に反対側の角度αを表記している。
コンディショニングツール112bとして用いられるクリーニングブロックは、酸化アルミニウム粒子が埋め込まれた、不織および樹脂製のマトリックスから構成される。粒度分布は50から800μmの範囲の累積比率が99%超である。粒度分布の中央値は約200μmである。クリーニングブロックはさらに、多孔質領域割合約79%、密度787kg/mであり、以下の機械的性質を有する。m=154MPaおよびR(50%)=61.5MPa。
図6は、本発明による方法の実行中の、ロールの表面全体にわたるコンディショニングツールの推定される軌道、すなわち、移動経路を示す。軌道200の形状は、ロールの長手方向のコンディショニングツールの移動と、ロールの回転によるロールの長手方向に垂直な方向のロール表面202の移動とを重ね合わせた結果である。このような重ね合わせの結果は、ロール表面におけるコンディショニングツールの螺旋軌道になる。ロールが回転するたびに、実質的に円形のストリップの分だけロール表面がクリーニングされる。したがって、ロールの長手方向のコンディショニングツールの移動により、段階的にロールの表面全体がクリーニングされる。
図7は、たとえば図1に示すように圧延装置に実行される本発明による方法の例示的な実施形態の概略流れ図を示す。その工程の期間中はずっと圧延装置が生産動作中である。
の上部に、本方法の実行中の様々な工程段階に関して考えられる時間枠を有する時間表300を示す。所与の開始時刻302に第1のコンディショニング期間304aが始まる。この第1のコンディショニング期間304aでは、実質的に長手方向に圧延装置のロールの表面を横切るように往復運動するようにコンディショニングツールが移動され、それにより、ロールの表面から汚染物を、具体的には残渣フィルムを除去する。所定の時間を過ぎると、コンディショニングツールは休止位置に移動し、再生期間306aの間はそこに留まる。再生期間306a中は、コンディショニングツールを冷却するかまたは汚染物を落としてツールをクリーニングすることができる。再生期間306aの後に、さらなるコンディショニング期間304b、304cおよび再生期間306bが続く。
の底部に時間表350を示し、この時間表350を用いてコンディショニング期間304bの一部分を示す。この部分では、第1の期間352a〜dと第2の期間354a〜dとが交互になっている。第1の期間352a〜dでは、実質的にロールの長手方向に左から右にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが移動される。第2の期間354a〜dでは、実質的にロールの長手方向に右から左にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが移動される。このように第1の期間と第2の期間とが交互に連続するとコンディショニングツールが往復運動することになる。同時にロールが回転するので、往復運動するたびに、図に示すように、ロール表面全体にわたるコンディショニングツールの螺旋軌道になる。コンディショニングツールの往復運動は、一定の時間枠にわたって中断することなく連続し、且つ反転時以外は定速で実行される。それに応じて、コンディショニングツールは、いずれの場合にも各コンディショニング期間304a〜c内で連続した横断移動を実行する。
実質的に長手方向にロールの表面を横切るようにコンディショニングツールが移動される速度は、好ましくは、ロールの周速の0.001倍から0.015倍に設定される。したがって、通常の周速が1500m/分の場合、コンディショニングツールの速度は、好ましくは、1.5m/分から22.5m/分に設定される。
コンディショニングツールの速度は、当然、ロールの所定の回転数以内、好ましくは1000または2000回転以内にコンディショニングツールがロールの表面を十分にクリーニングするように設定することもできる。

Claims (16)

  1. ロール(104a〜b、106a〜b)を備えた圧延スタンド(102)を有する圧延装置(100)であって、
    − 前記圧延装置(100)が、圧延動作中に前記ロール(104a〜b、106a〜b)の表面から汚染物を機械的に除去することができるコンディショニングツール(112a〜d)を有し、
    − 前記圧延装置(100)が、前記圧延動作中に前記ロール(104a〜b、106a〜b)の長手方向に前記ロールの前記表面を横切るように刃先の長さが前記ロール(104a〜b、106a〜b)のロール本体幅より短い前記コンディショニングツール(112a〜d)を移動させることができる被動搬送装置(114a〜d)を有する、
    圧延装置(100)であって、
    − 前記コンディショニングツール(112a〜d)は、すくい面と、逃げ面と、前記ロールの前記表面から前記汚染物を除去するための刃先とを有する、くさび形の領域を有し、
    − 前記刃先は、前記長手方向からのずれが最大20°の状態で、前記ロールの前記長手方向に延び、
    − 前記すくい面と、前記刃先を通って前記ロール表面に垂直に延びる平面との間のすくい角は、負である、
    ことを特徴とする圧延装置(100)。
  2. 前記圧延装置(100)は、アルミニウムストリップの冷間圧延のための装置であることを特徴とする請求項1に記載の圧延装置(100)。
  3. 前記刃先は、前記長手方向からのずれが最大10°の状態で、前記ロールの前記長手方向に延びることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延装置(100)。
  4. 前記すくい面と、前記刃先を通って前記ロール表面に垂直に延びる平面との間の前記すくい角は、−5°と−45°との間の範囲にあることを特徴とする請求項3に記載の圧延装置(100)。
  5. 前記コンディショニングツール(112a〜d)として、粒子がマトリックスに埋め込まれたクリーニングブロックが用いられることを特徴とする請求項1〜4の一項に記載の圧延装置(100)。
  6. 前記クリーニングブロックの前記マトリックスは、繊維と樹脂との混合物を基材としたものであり、前記マトリックスには酸化アルミニウム粒子が埋め込まれており、前記酸化アルミニウム粒子の粒度分布は50〜800μmの範囲の累積比率が少なくとも85%であることを特徴とする請求項5に記載の圧延装置(100)。
  7. 前記クリーニングブロックは気孔領域割合が70〜90%の範囲にある気孔率を有することを特徴とする請求項5または6に記載の圧延装置(100)。
  8. 前記クリーニングブロックは、mが125から175MPaの範囲にありかつ/またはR(50%)が50から70MPaの範囲にあるという機械的性質を有することを特徴とする請求項5〜7の一項に記載の圧延装置(100)。
  9. 前記圧延装置(100)は液圧被動搬送装置(114a〜d)を有し、作動液として、圧延中に用いられる圧延油が供給されることを特徴とする請求項1〜8の一項に記載の圧延装置(100)。
  10. 前記圧延装置は、前記搬送装置および/または前記コンディショニングツールの移動を監視するように構成された監視装置を有し、前記監視装置および前記搬送装置は、前記搬送装置および/または前記コンディショニングツールの前記移動に不具合がある場合に、前記ロールの前記表面から離れる方に前記コンディショニングツールが移動されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜9の一項に記載の圧延装置。
  11. 圧延装置の圧延スタンドのロール表面をコンディショニングする方法であって、
    − コンディショニングツール(112a〜d)によってロール(104a〜b、106a〜b)の表面(202)から汚染物が機械的に除去され、
    − 前記汚染物の除去中に前記ロール(104a〜b、106a〜b)の前記長手方向に前記ロールの前記表面(202)を横切るように刃先の長さが前記ロール(104a〜b、106a〜b)のロール本体幅より短い前記コンディショニングツール(112a〜d)が移動され、
    − 前記汚染物の前記除去が前記ロール(104a〜b、106a〜b)の圧延動作中に実行される方法、であって、
    − 前記コンディショニングツール(112a〜d)は、すくい面と、逃げ面と、前記ロールの前記表面から汚染物を除去するための刃先とを有する、くさび形の領域を有し、
    − 前記刃先は、前記長手方向からのずれが最大20°の状態で、前記ロールの前記長手方向に延び、
    − 前記すくい面と、前記刃先を通って前記ロール表面に垂直に延びる平面との間のすくい角は、負であり、−5°と−45°との間の範囲にある、
    方法。
  12. 前記コンディショニングツール(112a〜d)は、請求項3〜8の一項に記載の圧延装置のコンディショニングツールであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 前記長手方向に前記ロール(104a〜b、106a〜b)の前記表面(202)を横切るように前記コンディショニングツール(112a〜d)が移動される速度は、前記ロールの周速の0.001倍から0.015倍に相当することを特徴とする請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記ロール(104a〜b、106a〜b)の前記表面(202)を横切るように連続して横断移動するように前記コンディショニングツール(112a〜d)が移動されることを特徴とする請求項11〜13の一項に記載の方法。
  15. 前記コンディショニングツール(112a〜d)は、0.1から2.5MPaの範囲の圧力で前記ロール(104a〜b、106a〜b)の前記表面(202)に押し付けられることを特徴とする請求項11〜14の一項に記載の方法。
  16. 前記コンディショニングツール(112a〜d)は、少なくとも1回、所定の時間間隔でクリーニングされ、冷却されおよび/またはアイドル時間を設けられることを特徴とする請求項11〜15の一項に記載の方法。
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