JP6189005B1 - 乗客コンベヤおよびその固定方法 - Google Patents

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Abstract

大規模地震の発生後に階床に対して自動で元の位置に戻ることができる乗客コンベヤを得る。トラスが一方階床に近づく方向へトラスと一方階床との間に働く接近力の大きさが予め設定された規定値未満の場合にトラスの一方階床に近づく方向への移動を拘束し、接近力の大きさが規定値以上の場合にトラスの一方階床に近づく方向への移動の拘束を解除する準固定機構と、トラスの一方階床に近づく方向への移動の拘束が解除されて、トラスが一方階床から離れる方向への離間力がトラスと一方階床との間に働く場合に、トラスが他方階床に対して長手方向に移動する前にトラスを一方階床に対して長手方向に移動させてトラスと一方階床との間の寸法を予め設定された規定寸法にするトラス位置復旧機構とを備えている。

Description

この発明は、トラスが支持金具を介して建物に支持される乗客コンベヤに関する。
エスカレータのトラスは、高さ方向および水平方向について離れた階床間を橋渡しするように設置される。トラスの両端部には山形鋼の支持金具が設けられており、トラスの一端部または両端部がトラスの長手方向について階床に対して摺動可能な非固定状態で階床に支持される。このようなエスカレータでは、トラスにおける非固定側に設けられた支持金具が、階床に設けられた受板に対して相対的に移動することによって、例えば地震が発生した場合に、トラスと受板との間で大きな応力が生じることが防止される。このため、地震により階床間寸法が広がる方向に建物が揺れた場合には、支持金具における受板と接している部分の長さであるかかり代を十分に確保することによって、トラスが階床から落下することが防止される。また、地震により階床間寸法が狭くなる方向に建物が揺れた場合には、トラスと階床との間の隙間を十分に確保することによって、トラスが長手方向に圧縮されることが防止される。
支持金具はエスカレータの全荷重を支える部材であるので、トラスと階床との間の隙間が大きい場合には、支持金具に働く負荷が大きくなる。そのため、トラスにおける長手方向一端部でのみトラスと階床との間の隙間を確保する一端固定のトラスでは、大規模地震発生時における階床間寸法の変化に対応できる十分な隙間を設けることが困難である。トラスにおける長手方向両端部でトラスと階床との間の隙間を確保する両端非固定のトラスでは、トラスの長手方向両端部と各階床との間の隙間の合計で地震発生時における階床間寸法の変化に対応できるので、大規模地震発生時における階床間寸法の変化に対応することができる。しかしながら、トラスの長手方向両端部が各階床に対して固定されていないので、小規模地震発生時であってもエスカレータが階床に対して位置ずれを起こしてしまう。
そこで、従来、受板に立てられた回動支持体とトラスに固定された支持金具とが係合され、大規模地震発生時に、回動支持体が破断することによって階床間寸法の変化に対応するエスカレータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−78021号公報
しかしながら、小規模地震発生時には位置ずれを防止することができ、かつ、大規模地震発生時には階床間寸法の変化に対応することができるものの、大規模地震が発生し、回動支持体が破断した後では、エスカレータが階床に対して位置ずれを起こしてしまう。その結果、大規模地震発生後の復旧時には、エスカレータをクレーン等で吊り上げて元の位置に戻さなければならないという問題点があった。
この発明は、大規模地震発生後に階床に対して自動で元の位置に戻ることができる乗客コンベヤを提供するものである。
この発明に係る乗客コンベヤは、トラスの長手方向一端部に設けられた一方支持金具を介して建物の一方階床に支持され、トラスの長手方向他端部に設けられた他方支持金具を介して建物の他方階床に支持される乗客コンベヤであって、トラスが一方階床に近づく方向へトラスと一方階床との間に働く接近力の大きさが予め設定された規定値未満の場合にトラスの一方階床に近づく方向への移動を拘束し、接近力の大きさが規定値以上の場合にトラスの一方階床に近づく方向への移動の拘束を解除する準固定機構と、トラスの一方階床に近づく方向への移動の拘束が解除されて、トラスが一方階床から離れる方向への離間力がトラスと一方階床との間に働く場合に、トラスが他方階床に対して長手方向に移動する前にトラスを一方階床に対して長手方向に移動させてトラスと一方階床との間の寸法を予め設定された規定寸法にするトラス位置復旧機構とを備えている。
この発明に係る乗客コンベヤによれば、トラスの一方階床に近づく方向への移動の拘束が解除されてトラスと一方階床との間の寸法が規定寸法よりも小さい場合であって、トラスが一方階床から離れる方向への力である離間力がトラスと一方階床との間に働く場合に、トラスが他方階床に対して長手方向に移動する前にトラスを一方階床に対して長手方向に移動させてトラスと一方階床との間の寸法を規定寸法にするトラス位置復旧機構とを備えているので、大規模地震発生後に階床に対して自動で元の位置に戻ることができる。
この発明の実施の形態1に係るエスカレータの要部を示す側面図である。 図1のエスカレータの上階側部分を示す拡大図である。 図2のエスカレータの上階側部分を示す平面図である。 図2の支持金具、準固定ピンおよび受板を示す拡大図である。 図1のエスカレータの下階側部分を示す拡大図である。 図1のエスカレータが設置された建物を示す概略図である。 図6の建物における地震が発生した場合の建物の傾きと、上階側階床とトラスとの間の隙間と、下階側階床とトラスとの間の隙間との関係を示す図である。 従来のエスカレータに大規模地震が発生した後の状態を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るエスカレータの上階側部分を示す平面図である。 図9に示すエスカレータの上階側部分の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係るエスカレータの上階側部分を示す平面図である。 図11のXII−XII線に沿った矢視断面図である。 図11のXIII−XIII線に沿った矢視断面図である。 図6の建物における地震が発生した場合の建物の傾きと、上階側階床とトラスとの間の隙間と、下階側階床とトラスとの間の隙間との関係を示す図である。 この発明の実施の形態4に係るエスカレータの上階側部分を示す側面図である。 図15のXVI−XVI線に沿った矢視断面図である。 図15のエスカレータの上階側部分を示す平面図である。 この発明の実施の形態5に係るエスカレータの上階側部分を示す側面図である。 図18の摩擦部における力のつり合いを示す図である。 トラスの自重mgを100kNとした場合の摩擦係数μと傾斜角θとの関係を計算した結果を示す表である。 図19の摩擦部が窪みから外れた状態を示す側面図である。 この発明の実施の形態6に係るエスカレータの上階側部分を示す平面図である。 図22のXXIII−XXIII線に沿った矢視断面図である。 図22のXXIV−XXIVに沿った矢視断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエスカレータの要部を示す側面図である。この例では、乗客コンベヤとしてエスカレータについて説明する。図において、エスカレータは、建物における一方階床である上階側階床1aと建物における他方階床である下階側階床1bとに渡って設けられている。トラス2は、鋼材の梁で構成されている。トラス2の長手方向両端部には、山形鋼から構成された一対の支持金具3が設けられている。この例では、トラス2の長手方向両端部の中で上階側階床1a側の部分を長手方向一端部2aとし、トラス2の長手方向両端部の中で下階側階床1b側の部分を長手方向他端部2bとする。また、一対の支持金具3の中で長手方向一端部2aに固定される支持金具3である一方支持金具を支持金具3aとし、一対の支持金具3の中で長手方向他端部2bに固定される支持金具3である他方支持金具を支持金具3bとする。したがって、エスカレータは、長手方向一端部2aに設けられた支持金具3aを介して上階側階床1aに支持され、長手方向他端部2bに設けられた支持金具3bを介して下階側階床1bに支持される。この例で、長手方向とは、トラス2を上方から視た場合におけるトラス2の長手方向であり、図1の矢印Xが示す方向である。また、この例で、高さ方向とは、トラス2を横方向から視た場合におけるトラス2の高さ方向であり、図1の矢印Yが示す方向である。
エスカレータは、トラス2が上階側階床1aに近づく方向への力である接近力がトラス2と上階側階床1aとの間に働く場合であって、接近力の大きさが予め設定された規定値未満の場合にトラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動を拘束してトラス2と上階側階床1aとの間の寸法を予め設定された規定寸法に維持し、接近力の大きさが規定値以上の場合にトラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動の拘束を解除する準固定機構を備えている。
また、エスカレータは、トラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動の拘束が解除されてトラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さい場合であって、トラス2が上階側階床1aから離れる方向への力である離間力がトラス2と上階側階床1aとの間に働く場合に、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する前にトラス2を上階側階床1aに対して長手方向に移動させてトラス2と上階側階床1aとの間の寸法を規定寸法にするトラス位置復旧機構を備えている。
図2は図1のエスカレータの上階側部分を示す拡大図、図3は図2のエスカレータの上階側部分を示す平面図である。支持金具3aは、長手方向一端部2aにおける長手方向外側を向く面に固定され高さ方向に延びる縦板部31と、縦板部31の上部からトラス2の長手方向外側に向かって延びる横板部32とを有している。縦板部31は、トラス2の長手方向について上階側階床1aと対向するように配置されている。
支持金具3aの横板部32には、準固定ピン用孔321が横板部32を高さ方向に貫通するように形成されている。また、支持金具3aの横板部32には、長穴322が横板部32を高さ方向に貫通するように形成されている。長穴322は、上方から視た場合にトラス2の長手方向に延びるように配置されている。長穴322は、準固定ピン用孔321よりもトラス2の長手方向外側に配置されている。準固定ピン用孔321および長穴322は、トラス2の長手方向について隣り合うように配置されている。言い換えれば、準固定ピン用孔321および長穴322は、幅方向について同じ位置に配置されている。この例で、幅方向とは、トラス2を上方から視た場合におけるトラス2の幅方向であり、図3の矢印Zが示す方向である。
準固定機構は、準固定ピン用孔321に挿入されトラス2の上階側階床1aへの移動を拘束する準固定ピン41と、準固定ピン用孔321よりも下方で上階側階床1aに対して固定され、水平面に対して傾斜した傾斜面421が形成された受板42とを有している。
準固定ピン41は、準固定ピン41の下端部が傾斜面421に当たることによって受板42に支持されている。準固定ピン41は、円柱形状に形成されている。準固定ピン41の径方向の寸法は、準固定ピン用孔321の径方向の寸法よりも僅かに小さくなっている。したがって、準固定ピン41は、準固定ピン用孔321に挿入された状態で、受板42に対して高さ方向に移動可能となっている。
受板42は、上階側階床1aの上面に固定されている。傾斜面421は、受板42におけるトラス2側の端部に配置されている。傾斜面421は、上方に向かうにつれてトラスから離れるように水平面に対して傾斜している。
トラス位置復旧機構は、受板42と支持金具3aの横板部32との間に設けられた一対の摺動材51と、上階側階床1aに対して固定され、長穴322に挿入されるアンカーピン52とを有している。
一対の摺動材51は、幅方向に離れて配置されている。摺動材51は、トラス2の長手方向に延びるように配置されている。摺動材51は、受板42の上面に固定されている。摺動材51の上面に支持金具3aの横板部32が載せられている。支持金具3aは、摺動材51の上面に対してトラス2の長手方向について摺動可能となっている。
アンカーピン52は、円柱形状に形成されている。アンカーピン52の径方向の寸法は、長穴322の幅方向の寸法よりも僅かに小さくなっている。したがって、アンカーピン52は、長穴322に挿入された状態で長穴322の長手方向の寸法だけ長手方向に移動可能となっている。アンカーピン52の下端部は、摺動材51を貫通し、受板42に上方から打ち込まれている。アンカーピン52が受板42に固定されることによって、アンカーピン52が上階側階床1aに対して固定される。
受板42には、一対の幅方向留め具6が固定されている。一対の幅方向留め具6は、支持金具3aの幅方向外側に配置されている。一対の幅方向留め具6は、支持金具3aの幅方向への移動を拘束する。つまり、一対の幅方向留め具6は、支持金具3aをトラス2の長手方向に案内する。これにより、長手方向一端部2aは、幅方向についての移動が拘束される。
支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の寸法L1は、支持金具3bの縦板部と下階側階床1bとの間の寸法と合わせて十分に大きく、大規模地震が発生した場合であっても支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとが接触しないようになっている。アンカーピン52と長穴322の内壁であってトラス2側の部分が接触してもトラス2には圧縮力が発生してしまうため、長穴322の長手方向の寸法L2は、アンカーピン52の直径d1と、支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の長手方向の寸法L1との合計値よりも大きくして、アンカーピン52と長穴322の内壁であってトラス2側の部分との接触を避ける。長穴322の内壁であって最もトラス2から離れた部分にアンカーピン52が接触している場合におけるトラス2と上階側階床1aとの間の寸法を規定寸法とする。トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法である場合に、準固定ピン用孔321は、受板42の傾斜面421の上方に配置される。
アンカーピン52は、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力がアンカーピン52に働く場合でも破断しない強度となるように設計されている。摩擦力はエスカレータの重量と受板42または摺動材51の摩擦係数から計算され、慣性力はエスカレータの重量と国土交通省告示第1046号に定められる水平標準震度から計算される。
図4は図2の支持金具3a、準固定ピン41および受板42を示す拡大図である。準固定ピン41には、複数の切欠き411が形成されている。複数の切欠き411は、高さ方向に並べて配置されている。高さ方向に隣り合う切欠き411の間の寸法は、受板42における準固定ピン41を支持している部分と支持金具3aの横板部32との間の寸法と一致する。複数の切欠き411の中で最も下方に配置されている切欠き411と準固定ピン41の下端部との間の寸法も、高さ方向に隣り合う切欠き411の間の寸法と一致する。したがって、切欠き411は、準固定ピン41が受板42に支持されている場合に、支持金具3aの横板部32の下面と高さ方向について一致するように配置される。
準固定ピン41における切欠き411が形成されている部分は、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力が働く場合でも破断しない強度となり、かつ、トラス2の座屈荷重よりも小さい荷重で破断する強度となるように設計されている。したがって、準固定ピン41における切欠き411が形成されている部分は、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力が働く場合には破断せず、トラス2の座屈荷重よりも小さい力で破断する。
言い換えれば、規定値として、トラス2が上階側階床1aに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力よりも大きく、トラス2の座屈荷重よりも小さい値が予め設定されている。したがって、準固定ピン41は、トラス2が上階側階床1aに近づく方向への力である接近力がトラス2と上階側階床1aとの間に働く場合であって、接近力の大きさが規定値未満の場合には破断せず、トラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動を拘束してトラス2と上階側階床1aとの間の寸法を予め設定された規定寸法に維持する。一方、準固定ピン41は、接近力の大きさが規定値以上の場合に、準固定ピン41における支持金具3aと受板42との間の部分が破断することによって、トラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動の拘束を解除する。
図5は図1のエスカレータの下階側部分を示す拡大図である。下階側階床1bの上面には、受板43が固定されている。支持金具3bは、支持金具3aと同様に、長手方向他端部2bにおける長手方向外側を向く面に固定され高さ方向に延びる縦板部33と、縦板部33の上部からトラス2の長手方向外側に向かって延びる横板部34とを有している。縦板部33は、トラス2の長手方向について下階側階床1bと対向するように配置されている。支持金具3bは、受板43の上面に対してトラス2の長手方向について摺動可能となっている。支持金具3aの横板部32と摺動材51との間の摩擦力は、支持金具3bの横板部34と受板43との間の摩擦力よりも小さくなっている。
図示していないが、受板43には、一対の幅方向留め具が固定されている。一対の幅方向留め具は、支持金具3bの幅方向外側に配置されている。一対の幅方向留め具は、支持金具3bの幅方向への移動を拘束する。つまり、一対の幅方向留め具は、支持金具3bをトラス2の長手方向に案内する。これにより、長手方向他端部2bは、幅方向についての移動が拘束される。
次に、地震が発生した場合のエスカレータの動作について説明する。図6は図1のエスカレータが設置された建物を示す概略図である。この例では、3階建の建物における2階と3階とに渡ってエスカレータが設置されている。また、この例では、建物の傾く方向として、図6の右側に傾く方向を正方向とし、図6の左側に傾く方向を負方向とする。
図7は図6の建物における地震が発生した場合の建物の傾きと、上階側階床1aとトラス2との間の隙間と、下階側階床1bとトラス2との間の隙間との関係を示す図である。図7では、エスカレータの上階側部分を準固定側とし、エスカレータの下階側部分を非固定側として示している。
図7の(1)は、エスカレータが設置された状態を示している。この場合、準固定側は、準固定ピン41が準固定ピン用孔321に挿入された状態で設置されている。上階側階床1aと支持金具3aの縦板部33との間の寸法と、下階側階床1bと支持金具3bの縦板部33との間の寸法とのそれぞれは、法規で決められた寸法となっている。このとき、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法は予め設定された規定寸法であり、アンカーピン52が長穴322の内壁であって最もトラス2から離れた部分にアンカーピン52が接触する。
図7の(2)は、中小規模地震が発生し、建物が正方向に傾いた状態を示している。中小規模地震とは、建築基準法施行令第82条の2により算出された層間変形角以下の変位を生ずる地震である。建物が正方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が正方向に移動する。これにより、エスカレータにおける上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が大きくなる。この場合、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間が(1)の場合と比較して大きくなる。アンカーピン52には、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力に相当する荷重が作用する。
図7の(3)は、中小規模地震が発生し、建物が負方向に傾いた状態を示している。建物が負方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が負方向に移動する。これにより、エスカレータにおける上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が小さくなる。この場合、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間が(1)の場合と比較して小さくなる。エスカレータにおける上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が小さくなる圧縮方向の揺れであるものの、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間にはまだ隙間があるので、準固定ピン41には、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力に相当する荷重のみが作用する。
図7の(4)は、大規模地震が発生し、建物が正方向に傾いた状態を示している。大規模地震とは、建築基準法施行令第82条の2により算出した中規模地震時の層間変形角を5倍にした変位を生ずる地震である。建物が正方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が正方向に移動する。また、この場合、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が(2)の場合と比較して大きくなる。これにより、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間が(2)の場合と比較して大きくなる。支持金具3bの横板部34は、大規模地震が発生して建物が正方向に傾いた場合であっても支持金具3bが下階側階床1bから落下しないように、下階側階床1bとの間に大きなかかり代が設けられている。
図7の(5)は、大規模地震が発生し、建物が負方向に傾いた状態を示している。建物が負方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が負方向に移動する。また、この場合、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が(3)の場合と比較して小さくなる。これにより、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの横板部34と下階側階床1bとの隙間がなくなる。その結果、トラス2が長手方向に圧縮されて、準固定ピン41には、トラス2に作用する圧縮荷重と同じ大きさの荷重が作用する。
図7の(6)は、接近力の大きさが規定値以上となった状態を示している。規定値は、支持金具3bが下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力よりも大きく、トラス2の座屈荷重よりも小さい値となっている。接近力の大きさが規定値以上となる程度に建物が負方向に大きく傾くと、トラス2に作用する圧縮荷重が大きくなり、トラス2に作用する荷重が座屈荷重に達する前に、準固定ピン41が破断する。準固定ピン41が破断することによって、支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に対して移動して、支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の隙間が(5)の場合と比較して小さくなる。これにより、上階側階床1aと下階側階床1bと間の寸法の変化に対応して支持金具3aと支持金具3bとの間の寸法が変化して、トラス2に作用する圧縮荷重がなくなる。破断した準固定ピン41の破片は、受板42の傾斜面421に沿って落下し、準固定ピン41の残りの部分が支持金具3aとともに上階側階床1aに対して長手方向に移動する。その結果、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さくなる。
図7の(7)は、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さい場合であってトラス2と上階側階床1aとの間に離間力が働く状態を示している。支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間に隙間がなく、かつ、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さい状態から、建物が負方向に揺れ始めると、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が大きくなり始める。これにより、支持金具3aの横板部32と摺動材51との間の摩擦力が支持金具3bの横板部34と受板43との間の摩擦力よりも小さいので、支持金具3bが下階側階床1bに対して長手方向に移動する前に、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たるまで、支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に移動する。トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法となると、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たり、準固定ピン41が自重によって下方に移動して傾斜面421に支持される。支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとは、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たるまで、互いに接触したままの状態となる。
図7の(8)は、準固定ピン41が自重によって下方に移動して傾斜面421に支持された後、建物の傾きがなくなった状態を示している。建物が元の設置状態に戻ることによって、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が(7)の場合と比較して大きくなる。これにより、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たり、アンカーピン52が支持金具3aを長手方向に引っ張る。このとき、非固定側では、支持金具3bの横板部34は下階側階床1bに対して長手方向に移動し、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の寸法が(1)の場合と同じとなる。
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエスカレータによれば、中小規模地震が発生した場合には、トラス2が一端固定の動作をするため、トラス2と上階側階床1aとの間の位置ずれがなくすことができる。また、このエスカレータは、大規模地震が発生した場合には、トラス2が両端非固定の動作をするため、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法の変化に対応して支持金具3aと支持金具3bとの間の寸法を変化させてトラス2に圧縮荷重が作用することを防止することができる。また、このエスカレータは、大事規模地震が発生した後、建物が元の状態に戻る場合に、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たり、アンカーピン52が支持金具3aを長手方向に移動させるので、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の寸法を元の状態に自動で戻すことができる。また、このエスカレータは、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さい場合に、トラス2が上階側階床1aに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力が、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力よりも小さいので、トラス2を上階側階床1aに対して長手方向に先に移動させてトラス2と上階側階床1aとの間の寸法を規定寸法にした後に、トラス2を下階側階床1bに対して長手方向に移動させて、トラス2と下階側階床1bとの間の寸法を元の寸法にすることができる。
また、このエスカレータは、大規模地震が発生し、トラス2と上階側階床1aとの間に働く接近力が規定値以上の場合に、準固定ピン41が破断し、破断した準固定ピン41の一部が落下し、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法になった場合に、準固定ピン41が自重により傾斜面421に支持されるので、トラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動を再び拘束することができる。また、大規模地震が発生した後に、作業員が折れた準固定ピン41を引き抜き、新しい準固定ピン41を取り付ける必要がなくなるので、複数回の大規模地震の発生に対して効果を得ることができる。
また、支持金具3aは、従来の支持金具に準固定ピン用孔321および長穴322を形成するだけで製造することができるので、簡単に支持金具3aを製造することができる。
図8は従来のエスカレータに大規模地震が発生した後の状態を示す図である。従来のエスカレータでは、エスカレータに大規模地震が発生した場合に、トラス2の位置が据付位置からずれてしまい、例えば、図8の(a)に示すように、トラス2の位置が下階側階床1b側に寄ってしまったり、図8の(b)に示すように、トラス2の位置が上階側階床1a側に寄ってしまったりする場合があった。これらの場合、トラス2が圧縮荷重を受けずに座屈しなかったとしても、復旧のためには、トラス2をクレーン等で吊って元の位置に戻す作業が必要であった。本発明では、地震後のトラス2の位置が建物の揺れを利用して自動で元の位置である据付位置に戻るので、トラス2を元の位置に戻す作業が不要となる。
なお、実施の形態1では、一方階床を上階側階床1aとし、他方階床を下階側階床1bとし、一方支持金具を支持金具3aとし、他方支持金具を支持金具3bとする構成について説明したが、一方階床を下階側階床1bとし、他方階床を上階側階床1aとし、一方支持金具を支持金具3bとし、他方支持金具を支持金具3aとする構成であってもよい。つまり、エスカレータの下階側部分を準固定側とし、エスカレータの上階側部分を非固定側としてもよい。
また、上記実施の形態1では、支持金具3aと受板42との間に摺動材51を設置した構成について説明したが、支持金具3aと受板42との間に摺動材51を設置せず、支持金具3bと受板43との間に摩擦材を設置してもよい。この場合、摩擦材は、トラス2の上階側階床1aに近づく方向への移動の拘束が解除されてトラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さい場合であって、離間力がトラス2と上階側階床1aとの間に働く場合に、支持金具3bが下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力を、支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力よりも大きくさせる。
また、上記実施の形態1では、準固定ピン41およびアンカーピン52の形状が円柱形状である構成について説明したが、準固定ピン41およびアンカーピン52の形状は、円柱形状に限らず、その他の形状であってもよい。
また、上記実施の形態1では、準固定ピン41に切欠き411を形成することによって、支持金具3bが下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力よりも大きく、トラス2の座屈荷重よりも小さい荷重で破断する構成としたが、準固定ピン41自体がこの条件を満たすものであれば、切欠き411が形成されていない準固定ピン41であってもよい。
実施の形態2.
図9はこの発明の実施の形態2に係るエスカレータの上階側部分を示す平面図である。準固定ピン41およびアンカーピン52のそれぞれの本数が2本となっている。一対の準固定ピン41は、幅方向に離れて配置されている。一対のアンカーピン52は、幅方向に離れて配置されている。支持金具3aには、準固定ピン41およびアンカーピン52に対応して、準固定ピン用孔321および長穴322のそれぞれが2個ずつ形成されている。
実施の形態1では、準固定ピン41に切欠き411が形成されることによって、トラス2の座屈荷重よりも小さい荷重で準固定ピン41が破断するように設計されているが、実施の形態2では、2本の準固定ピン41の合計の強度が、トラス2の座屈荷重よりも小さい荷重で2本の準固定ピン41が破断する強度となるように設計されている。
また、実施の形態1では、アンカーピン52が、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力がアンカーピン52に作用する場合でも破断しない強度に設計されているが、実施の形態2では、2本のアンカーピン52の合計の強度が、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力が2本のアンカーピン52に作用する場合でも破断しない強度に設計されている。したがって、実施の形態2のアンカーピン52の太さは、実施の形態1のアンカーピン52の太さよりも小さい。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
地震発生時におけるトラス2の座屈荷重、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時のトラス2の慣性力は、トラス2の階高、トラス2の重さ等の仕様によって異なるので、準固定ピン41およびアンカーピン52に求められる強度は、設置される物件によって異なる。そのため、様々な太さの準固定ピン41およびアンカーピン52が必要となるが、実施の形態2では、準固定ピン41およびアンカーピン52のそれぞれが2本ずつ設けられているので、準固定ピン41およびアンカーピン52の太さを変えることなく、準固定ピン41およびアンカーピン52に求められる強度を調整することができる。
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエスカレータによれば、準固定ピン41およびアンカーピン52のそれぞれが2本ずつ設けられているので、準固定ピン41およびアンカーピン52の太さを変えることなく、準固定ピン41およびアンカーピン52に求められる強度を調整することができる。
なお、上記実施の形態2では、準固定ピン41およびアンカーピン52のそれぞれが2本ずつ設けられている構成について説明したが、準固定ピン41およびアンカーピン52のそれぞれが何本ずつであってもよい。また、準固定ピン41およびアンカーピン52のそれぞれの本数が同数でなくてもよい。図10は図9に示すエスカレータの上階側部分の変形例を示す平面図である。図10では、準固定ピン41が1本設けられており、アンカーピン52が2本設けられている。この場合であっても、実施の形態2の構成と同様の効果を得ることができる。準固定ピン41、アンカーピン52、摺動材51の数および配置は、様々に組み合わせて用いてもよい。
また、実施の形態2では、準固定ピン用孔321と長穴322とが長手方向に隣り合うように配置されているが、図10に示すように、準固定ピン用孔321と長穴322とが幅方向に離れて配置されてもよい。この場合、幅方向に視た場合に、準固定ピン用孔321と長穴322とが重なるように配置される。これにより、準固定ピン用孔321と長穴322とが長手方向に隣り合うように配置されている場合と比較して、準固定ピン用孔321と長穴322との間の長手方向についての間隔を設ける必要がなくなり、支持金具3aの長手方向の寸法を小さくすることができる。
実施の形態3.
図11はこの発明の実施の形態3に係るエスカレータの上階側部分を示す平面図、図12は図11のXII−XII線に沿った矢視断面図、図13は図11のXIII−XIII線に沿った矢視断面図である。支持金具3aの横板部32には、準固定ピン用孔323が横板部32における長手方向外側の端面から縦板部31に向かって延びて形成されている。準固定ピン用孔323は、横板部32を高さ方向に貫通するように形成されている。準固定ピン用孔323における長手方向外側の端部は、横板部32の長手方向外側の端面に達している。つまり、準固定ピン用孔323は、横板部32における長手方向外側の端面から縦板部31に向かって延びて形成された溝となっている。また、支持金具3aの横板部32には、一対の長穴322が形成されている。
準固定機構は、準固定ピン用孔323に挿入される準固定ピン41と、準固定ピン用孔323よりも下方で上階側階床1aに対して固定され、準固定ピン41の下端部が挿入されるシリンダ44と、シリンダ44の内部の底に設けられ、準固定ピン41を上方に押すばね45と、支持金具3aに対して固定され、準固定ピン41の上方への移動を規制する押え板46とを有している。
シリンダ44は、支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の隙間に配置されている。
ばね45は、シリンダ44の底と準固定ピン41との間に配置されている。
押え板46には、水平面に対して傾斜した傾斜面461が形成されている。傾斜面461は、上方に向かうにつれてトラス2から離れるように水平面に対して傾斜している。
準固定ピン用孔323の内壁における最もトラス2側の部分は、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法である場合に、シリンダ44の上方に配置される。準固定ピン41の上端部は、傾斜面461に当たることによって、押え板46に下方に押されている。準固定ピン41の下端部は、ばね45により上方に押されている。
トラス位置復旧機構は、一対のアンカーピン52を有している。アンカーピン52は、長穴322に挿入されている。アンカーピン52の下端部は、受板42に打ち込まれている。準固定ピン41とアンカーピン52とは、幅方向に離れて配置されている。
支持金具3aの縦板部31とシリンダ44との間の長手方向の寸法L1は、実施の形態1における支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の長手方向の寸法L1と同じ寸法となっている。その他の構成は、実施の形態1、2と同様である。
次に、地震が発生した場合のエスカレータの動作について説明する。図14は図6の建物における地震が発生した場合の建物の傾きと、上階側階床1aとトラス2との間の隙間と、下階側階床1bとトラス2との間の隙間との関係を示す図である。実施の形態1と同様に、建物の傾く方向として、図14の右側に傾く方向を正方向、図14の左側に傾く方向を負方向とする。また、図14では、エスカレータの上階側部分を準固定側とし、エスカレータの下階側部分を非固定側としている。
図14の(1)は、エスカレータが設置された状態を示している。この場合、準固定側は、準固定ピン41が準固定ピン用孔323におけるトラス2側の端部に挿入された状態で設置されている。アンカーピン52は、長穴322におけるトラス2から最も離れた部分に挿入された状態で配置されている。シリンダ44と支持金具3aの縦板部31との間の寸法と、下階側階床1bと支持金具3bの縦板部33との間の寸法とのそれぞれは、法規で決められた寸法となっている。このとき、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法は規定寸法であり、アンカーピン52が長穴322の内壁であって最もトラス2から離れた部分にアンカーピン52が接触する。
図14の(2)は、中小規模地震が発生し、建物が正方向に傾いた状態を示している。建物が正方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が正方向に移動する。これにより、エスカレータにおける上階側部分と下階側部分との間の寸法が大きくなる。この場合、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間が(1)の場合と比較して大きくなる。アンカーピン52には、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力に相当する荷重が作用する。
図14の(3)は、中小規模地震が発生し、建物が負方向に傾いた状態を示している。建物が負方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が負方向に移動する。これにより、エスカレータにおける上階側部分と下階側部分との間の寸法が小さくなる。この場合、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間が(1)の場合と比較して小さくなる。エスカレータにおける上階側部分と下階側部分との間の寸法が小さくなる圧縮方向の揺れであるものの、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間にはまだ隙間があるので、準固定ピン41には、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力に相当する荷重のみが作用する。
図14の(4)は、大規模地震が発生し、建物が正方向に傾いた状態を示している。建物が正方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が正方向に移動する。また、この場合、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が(2)の場合と比較して大きくなる。これにより、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間が(2)の場合と比較して大きくなる。支持金具3bの横板部34は、大規模地震が発生して建物が正方向に傾いた場合であっても支持金具3bが下階側階床1bから落下しないように、下階側階床1bとの間に大きなかかり代が設けられている。
図14の(5)は、大規模地震が発生し、建物が負方向に傾いた状態を示している。建物が負方向に傾くことによって、エスカレータにおける上階側部分が負方向に移動する。また、この場合、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が(3)の場合と比較して小さくなる。これにより、非固定側では、支持金具3bが受板43に対して摺動することによってトラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動して、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの隙間がなくなる。その結果、トラス2が圧縮されて、準固定ピン41には、トラス2に作用する圧縮荷重と同じ大きさの荷重が作用する。
図14の(6)は、接近力の大きさが規定値以上となった状態を示している。規定値は、支持金具3bが下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力よりも大きく、トラス2の座屈荷重よりも小さい値に設定されている。接近力の大きさが基準値以上となる程度に建物が負方向に大きく傾くと、トラス2に作用する圧縮荷重が大きくなり、トラス2に作用する荷重が座屈荷重に達する前に、準固定ピン41が破断する。準固定ピン41が破断することによって、支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に対して移動して、支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の隙間が(5)の場合と比較して小さくなる。これにより、上階側階床1aと下階側階床1bと間の寸法の変化に対応して支持金具3aと支持金具3bとの間の寸法が変化して、トラスに作用する圧縮荷重がなくなる。破断した準固定ピン41の破片は、支持金具3aとともに長手方向について上階側階床1a側へ移動する。シリンダ44の内部に設けられた準固定ピン41の残りの部分は、支持金具3aの横板部32により上方から押さえられた状態となる。その結果、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さくなる。
図14の(7)は、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも小さい場合であってトラス2と上階側階床1aとの間に離間力が働く状態を示している。支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間に隙間がなく、かつ、トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法よりも規定寸法よりも小さい状態から、建物が反対方向に揺れ始めると、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が大きくなり始める。これにより、支持金具3aの横板部32と摺動材51との間の摩擦力が支持金具3bの横板部34と受板43との間の摩擦力よりも小さいので、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たるまで、支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に移動する。トラス2と上階側階床1aとの間の寸法が規定寸法となると、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たり、準固定ピン41の上方に準固定ピン用孔323が配置され、ばね45の力により準固定ピン41が上方に持ち上げられて傾斜面461に当たる。破断した準固定ピン41の部分は、受板42の上に残ったままである。準固定ピン用孔323が支持金具3aの横板部32における上階側階床1a側の端面にまで延びて形成されているので、大規模地震の発生によって、準固定ピン41が繰り返して破断した場合であっても、破断した準固定ピン41の部分は上階側階床1a側に次々に押し出される。
図14の(8)は、準固定ピン41がばね45の力によって上方に移動して傾斜面461に当てられた後、建物の傾きがなくなった状態を示している。建物が元の設置状態に戻ることによって、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が(7)の場合と比較して大きくなる。これにより、アンカーピン52が長穴322の内壁における最もトラス2から離れた部分に当たり、アンカーピン52が支持金具3aを長手方向に引っ張る。このとき、非固定側では、支持金具3bの横板部34は下階側階床1bに対して長手方向に移動し、支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の寸法が(1)の場合と同じとなる。
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るエスカレータによれば、準固定ピン41をトラス2と上階側階床1aとの間に配置し、準固定ピン41を下方から上方へ押し上げられる構造にすることによって、準固定ピン41における支持金具3aから上方に突出することを抑制することができる。実施の形態1の構造では、複数回の地震の発生に対応しようとすると、準固定ピン41の長さ方向の寸法が大きくなり、支持金具3aよりも上方には、準固定ピン41のためのスペースが必要となる。しかしながら、図示していないが、トラス2の上方は、乗客が歩くための床板等が設置されるため、準固定ピン41のためのスペースを確保することが難しい。実施の形態3の構造では、準固定ピン41がトラス2と上階側階床1aとの間の隙間に配置されるので、元々使用されていないスペースを使用するものであり、準固定ピン41の長さ方向の寸法を容易に大きくすることができる。その他の効果は、実施の形態1と同様である。
実施の形態4.
図15はこの発明の実施の形態4に係るエスカレータの上階側部分を示す側面図、図16は図15のXVI−XVI線に沿った矢視断面図、図17は図15のエスカレータの上階側部分を示す平面図である。実施の形態4では、アンカーピン52が設けられておらず、準固定ピン41がアンカーピン52の役割を果たす。受板42のトラス2側端部は、上階側階床1aよりもトラス2側に突き出ている。支持金具3aの縦板部31と受板42との間の寸法L1は、実施の形態1における支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の長手方向の寸法L1と同じ寸法となっている。実施の形態1では、受板42の傾斜面421が上方に向かうにつれてトラス2から離れるように形成されていた。一方、実施の形態4では、受板42における上階側階床1aよりもトラス2側に突き出ている部分には、幅方向に延びた長穴423が形成されており、長穴423の内壁面における幅方向一端部には、下方に向かうにつれて幅方向他端部に近づく傾斜面424が形成されている。
支持金具3aには、準固定ピン41が挿入される準固定ピン用孔321が形成されている。準固定ピン41の径方向の寸法は、準固定ピン用孔321の径方向の寸法よりも僅かに小さくなっている。準固定ピン41の強度は、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力よりも大きく、トラス2の座屈荷重よりも小さい荷重で破断する強度となっている。
支持金具3aには、長穴322が形成されていない。
準固定ピン41は、実施の形態1の準固定ピン41と同様に、受板42の傾斜面421によって下方への移動が拘束されている。大規模地震が発生した場合に、トラス2に圧縮荷重が作用するとトラス2の座屈荷重がトラス2に作用する前に、準固定ピン41が破断し、破断した準固定ピン41の部分は受板42の傾斜面424に沿って幅方向に移動しながら落下する。準固定ピン41における残りの部分は、支持金具3aとともに長手方向に移動し、建物が負方向に揺れて、支持金具3aの縦板部31と受板42との間の寸法L1が元の寸法となると、支持金具3aとともに移動していた準固定ピン41が自重により元の位置となる。その他の構成は、実施の形態1〜3と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るエスカレータによれば、アンカーピン52を備えず、支持金具3aにはアンカーピン52が挿入されるための長穴322が形成されないので、実施の形態1に係るエスカレータと比較して、より簡単な構造にすることができる。その他の効果は、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態5.
図18はこの発明の実施の形態5に係るエスカレータの上階側部分を示す側面図である。準固定機構は、上階側階床1aに固定され上面に窪み425が形成された受板42と、支持金具3aの下面に設けられ、窪み425に挿入される摩擦部47とを有している。摩擦部47には、上方に向かうにつれてトラス2から離れるように水平面に対して傾斜する傾斜面471が形成されている。窪み425には、傾斜面471と同じように水平面に対して傾斜する傾斜面が形成されている。摺動材51は、受板42の上面における窪み425が形成されている部分よりもトラス2から離れた領域に配置されている。その他の構成は、実施の形態1〜4と同様である。
図19は図18の摩擦部47における力のつり合いを示す図である。摩擦部47の摩擦係数μと、摩擦部47の傾斜面471の水平面に対する傾斜角θとによって、トラス2の移動の拘束が解除されてトラス2が上階側階床1aに近づく方に動き出す力が決められる。トラス2の質量mの半分ずつを非固定側と準固定側とで支えるとして、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が据付時よりも小さくなって、トラス2に圧縮荷重Fが働く場合、トラス2が摩擦部47の傾斜面471に沿ってトラス2が浮き上がる条件は、下記の式(1)によって決まる。ただし、gは重力加速度である。
Fsinθ>μFcosθ+μmg/2×sinθ+mg/2×cosθ (1)
上記の式(1)をFについて整理すると、下記の式(2)が得られる。
F>mg/2×(μsinθ+cosθ)/(sinθ−μcosθ) (2)
上記の式(2)に示すFが、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力よりも大きく、トラス2の座屈荷重よりも小さい荷重になるように摩擦係数μおよび傾斜角θを設計する。
図20はトラス2の自重mgを100kNとした場合の摩擦係数μと傾斜角θとの関係を計算した結果を示す表である。摩擦係数μが小さく、傾斜角θが大きいほど、摩擦部47の傾斜面471に沿ってトラス2が浮き上がりやすいことが分かる。この例において、トラス2の座屈荷重が300kN、トラス2が下階側階床1bに対して長手方向に移動する際に発生する摩擦力および地震発生時におけるトラス2の慣性力が80kNである場合、摩擦係数μを0.3、傾斜角θを30・とすると、中小規模地震の地震が発生して、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が広くなる方向または狭くなる方向のどちらであっても、摩擦部47は、窪み425の中から動かない。
図21は図19の摩擦部47が窪み425から外れた状態を示す側面図である。トラス2に働く圧縮荷重Fが212kNを超えた場合に、トラス2が傾斜面471に沿って浮き上がり、摺動材51の上に乗り上がることで、トラス2に座屈荷重である300kNが作用せず、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法の変化に対応して支持金具3aと支持金具3bとの間の寸法が変化する。その後、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が広がると、摩擦部47が窪み425に挿入され、据付時と同じ状態に戻る。
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係るエスカレータによれば、準固定ピン41が破断することによって準固定機構がトラス2の拘束を解除し、準固定ピン41の長さによってトラス2の位置が自動で復旧する回数に制限がある構造である実施の形態1〜4に係るエスカレータと比較して、準固定ピン41の長さによってトラス位置が自動で復旧する回数の制限をなくすことができる。
実施の形態6.
図22はこの発明の実施の形態6に係るエスカレータの上階側部分を示す平面図、図23は図22のXXIII−XXIII線に沿った矢視断面図、図24は図22のXXIV−XXIVに沿った矢視断面図である。準固定機構は、接近力を検出する力センサ48と、上階側階床1aに対する支持金具3aの長手方向への移動を拘束する拘束位置と上階側階床1aに対する支持金具3aの長手方向への移動の規制が解除される解除位置との間で変位する拘束片である準固定ピン491を含み、準固定ピン491を変位させるアクチュエータ49とを有している。準固定ピン491の強度は、トラス2の座屈荷重が作用しても破断しない強度となっている。
アクチュエータ49は、通常時に準固定ピン491を押し上げて準固定ピン491の位置を拘束位置にする図示しないばねを有している。準固定ピン491は、準固定ピン491の位置が拘束位置の場合に、支持金具3aに形成された準固定ピン用孔321に挿入される。準固定ピン491が準固定ピン用孔321に挿入されることによって、上階側階床1aに対する支持金具3aの長手方向への移動が拘束され、上階側階床1aに対するトラス2の長手方向への移動が拘束される。
アクチュエータ49は、ばねの力に逆らって準固定ピン491を下方に吸引することによって、準固定ピン491を拘束位置から解除位置に変位させる。準固定ピン491の位置が解除位置である場合に、準固定ピン491は、準固定ピン用孔321から引き抜かれる。準固定ピン491が準固定ピン用孔321から引き抜かれることによって、上階側階床1aに対する支持金具3aの長手方向の移動の拘束が解除され、上階側階床1aに対するトラス2の長手方向への移動の拘束が解除される。
アクチュエータ49は、通常時および中小規模地震が発生した場合には、準固定ピン491の位置を拘束位置にする。中小規模地震が発生した場合には、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が小さくなったり大きくなったりするが、上階側階床1aに対して支持金具3aが長手方向に移動しない。その結果、上階側階床1aに対してトラス2が長手方向に移動しない。
一方、アクチュエータ49は、大規模地震が発生した場合には、非固定側では支持金具3bの縦板部33と下階側階床1bとの間の隙間がなくなり、トラス2に圧縮荷重が作用して力センサ48が規定値以上の荷重を検出し、力センサ48からの信号により準固定ピン491を拘束位置から解除位置に変位させる。準固定ピン491の位置が解除位置となると、準固定側でも支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に移動して、支持金具3aの縦板部31と上階側階床1aとの間の隙間が小さくなる。これにより、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法の変化に対応して支持金具3aが上階側階床1aに対して長手方向に移動し、トラス2の圧縮荷重がなくなる。
建物が反対方向に揺れ始めると、上階側階床1aと下階側階床1bとの間の寸法が元の寸法に戻り、これにより、アクチュエータ49は、準固定ピン491を解除位置から拘束位置に変位させる。その結果、エスカレータは、自動で元の状態に復旧する。その他の構成は、実施の形態1〜5と同様である。
以上説明したように、この発明の実施の形態6に係るエスカレータによれば、実施の形態1〜4では、準固定機構が準固定ピン41を破断することでトラス2の拘束を解除する構造であったため、準固定ピン41の長さによってトラス位置の自動で復旧する回数に制限があったが、準固定ピン491の破断が発生しないので、復旧する回数に制限をなくすことができる。
なお、上記実施の形態6では、力センサ48からの信号によって準固定ピン491を出し入れすることによって、支持金具3aの上階側階床1aに対する長手方向の移動を拘束したり、支持金具3aの上階側階床1aに対する長手方向への移動の拘束を解除したりするアクチュエータ49の構成について説明したが、準固定ピン491が出し入れする以外にも、例えば、ディスクブレーキのように支持金具3aを挟み込むことで支持金具3aの上階側階床1aに対する長手方向の移動を拘束し、支持金具3aの挟み込みを解除することで支持金具3aの上階側階床1aに対する長手方向への移動の拘束を解除するアクチュエータの構成であってもよい。
なお、各上記実施の形態では、乗客コンベヤとしてエスカレータを例に説明したが、動く歩道であってもよい。
1a 上階側階床、1b 下階側階床、2 トラス、2a 長手方向一端部、2b 長手方向他端部、3、3a、3b 支持金具、6 幅方向留め具、31 縦板部、32 横板部、33 縦板部、34 横板部、41 準固定ピン、42、43 受板、44 シリンダ、45 ばね、46 押え板、47 摩擦部、48 力センサ、49 アクチュエータ、51 摺動材、52 アンカーピン、321 準固定ピン用孔、322 長穴、323 準固定ピン用孔、411 切欠き、421 傾斜面、422 長穴、423 長穴、424 傾斜面、425 窪み、461 傾斜面、471 傾斜面、491 準固定ピン。

Claims (14)

  1. トラスの長手方向一端部に設けられた一方支持金具を介して建物の一方階床に支持され、前記トラスの長手方向他端部に設けられた他方支持金具を介して前記建物の他方階床に支持される乗客コンベヤであって、
    前記トラスが前記一方階床に近づく方向へ前記トラスと前記一方階床との間に働く接近力の大きさが予め設定された規定値未満の場合に前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動を拘束し、前記接近力の大きさが前記規定値以上の場合に前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束を解除する準固定機構と、
    前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束が解除されて、前記トラスが前記一方階床から離れる方向への離間力が前記トラスと前記一方階床との間に働く場合に、前記トラスが前記他方階床に対して前記長手方向に移動する前に前記トラスを前記一方階床に対して前記長手方向に移動させて前記トラスと前記一方階床との間の寸法を予め設定された規定寸法にするトラス位置復旧機構と
    を備えた乗客コンベヤ。
  2. トラスの長手方向一端部に設けられた一方支持金具を介して建物の一方階床に支持され、前記トラスの長手方向他端部に設けられた他方支持金具を介して前記建物の他方階床に支持され、前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束またはこの拘束の解除を行う準固定機構を備えた乗客コンベヤであって、
    前記トラスの前記一方階床に近づく方向への前記移動の拘束が解除されて、前記トラスが前記一方階床から離れる方向への離間力が前記トラスと前記一方階床との間に働く場合に、前記トラスが前記他方階床に対して前記長手方向に移動する前に前記トラスを前記一方階床に対して前記長手方向に移動させて前記トラスと前記一方階床との間の寸法を予め設定された規定寸法にするトラス位置復旧機構を備えた乗客コンベヤ。
  3. 前記準固定機構は、前記トラスが前記一方階床に近づく方向へ前記トラスと前記一方階床との間に働く接近力の大きさが予め設定された規定値未満または以上かによって前記移動の拘束またはこの拘束の解除を行う請求項2に記載の乗客コンベヤ。
  4. 前記規定値は、前記トラスが前記他方階床に対して前記長手方向に移動する際に発生する摩擦力または設計基準で想定される最大地震における前記トラスの慣性力よりも大きく、前記トラスの座屈荷重よりも小さい請求項1または請求項3に記載の乗客コンベヤ。
  5. 前記準固定機構は、前記一方支持金具に形成された準固定ピン用孔に挿入され前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動を拘束する準固定ピンを有し、
    前記準固定機構は、前記準固定ピンが破断することによって、前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束を解除する請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の乗客コンベヤ。
  6. 前記準固定機構は、前記準固定ピン用孔よりも下方で前記一方階床に対して固定され水平面に対して傾斜した傾斜面が形成された受板を有し、
    前記準固定ピンは、前記準固定ピンの下端部が前記傾斜面に当たることによって前記受板に支持される請求項に記載の乗客コンベヤ。
  7. 前記準固定機構は、前記準固定ピンの下端部が挿入されるシリンダと、前記シリンダに設けられ、前記準固定ピンを上方に押すばねと、前記一方支持金具に対して固定され、前記準固定ピンの上方への移動を規制する押え板とを有している請求項に記載の乗客コンベヤ。
  8. 前記準固定機構は、前記一方階床に対して固定され上面に窪みが形成された受板と、前記一方支持金具に設けられ、前記窪みに挿入される摩擦部とを有し、
    前記摩擦部には、上方に向かうにつれて前記長手方向一端部から離れる傾斜面が形成されている請求項に記載の乗客コンベヤ。
  9. 前記摩擦部の摩擦係数をμ、前記傾斜面の水平面に対する傾斜角をθ、前記トラスの質量をm、重力加速度をgとした場合に、
    mg/2×(μsinθ+cosθ)/(sinθ−μcosθ)の値が前記規定値となる前記摩擦係数および前記傾斜角が定められている請求項に記載の乗客コンベヤ。
  10. 前記準固定機構は、前記接近力を検出する力センサと、前記一方階床に対する前記一方支持金具の前記長手方向への移動を拘束する拘束位置と前記一方階床に対する前記一方支持金具の前記長手方向への移動の拘束が解除される解除位置との間で変位する拘束片を含み、前記力センサの検出結果に基づいて前記拘束片を変位させるアクチュエータとを有している請求項1または請求項3に記載の乗客コンベヤ。
  11. 前記トラス位置復旧機構は、前記一方階床と前記一方支持金具との間に設けられた摺動材を有し、
    前記摺動材は、前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束が解除されて前記トラスと前記一方階床との間の寸法が前記規定寸法よりも小さい場合であって、前記離間力が前記トラスと前記一方階床との間に働く場合に、前記一方支持金具が前記一方階床に対して前記長手方向に移動する際に発生する摩擦力を、前記他方支持金具が前記他方階床に対して前記長手方向に移動する際に発生する摩擦力よりも小さくさせる請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の乗客コンベヤ。
  12. 前記トラス位置復旧機構は、前記他方階床と前記他方支持金具との間に設けられた摩擦材を有し、
    前記摩擦材は、前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束が解除されて前記トラスと前記一方階床との間の寸法が前記規定寸法よりも小さい場合であって、前記離間力が前記トラスと前記一方階床との間に働く場合に、前記他方支持金具が前記他方階床に対して前記長手方向に移動する際に発生する摩擦力を、前記一方支持金具が前記一方階床に対して前記長手方向に移動する際に発生する摩擦力よりも大きくさせる請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の乗客コンベヤ。
  13. 前記トラス位置復旧機構は、前記一方階床に対して固定され前記一方支持金具に前記長手方向に延びて形成された長穴に挿入されるアンカーピンを有し、
    前記アンカーピンは、前記離間力が前記トラスと前記一方階床との間に働く場合であって、前記トラスと前記一方階床との間の寸法が前記規定寸法である場合に、前記長穴の内壁であって最も前記トラスから離れた部分に当たることによって前記トラスが前記一方階床から離れる方向へ移動することを規制する請求項1から請求項12までの何れか一項に記載の乗客コンベヤ。
  14. トラスの長手方向一端部に設けられた一方支持金具を介して建物の一方階床に支持され、前記トラスの長手方向他端部に設けられた他方支持金具を介して前記建物の他方階床に支持され、前記トラスの前記一方階床に近づく方向への移動の拘束またはこの拘束の解除を行う準固定機構を備えた乗客コンベヤの固定方法であって、
    前記トラスの前記一方階床に近づく方向への前記移動の拘束が解除される工程と、
    前記移動の拘束が解除される工程の後、前記トラスが前記一方階床から離れる方向への離間力が前記トラスと前記一方階床との間に働く場合に、前記トラスが前記他方階床に対して前記長手方向に移動する前に前記トラスを前記一方階床に対して前記長手方向に移動させて前記トラスと前記一方階床との間の寸法を予め設定された規定寸法にする工程と
    を備えた乗客コンベヤの固定方法。
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