JP2011063389A

JP2011063389A - 乗客コンベアのトラス支持装置

Info

Publication number: JP2011063389A
Application number: JP2009216004A
Authority: JP
Inventors: Akihiko Inoue; 昭彦井上; Yukiomi Mizuno; 幸臣水野
Original assignee: Mitsubishi Electric Corp
Current assignee: Mitsubishi Electric Corp
Priority date: 2009-09-17
Filing date: 2009-09-17
Publication date: 2011-03-31

Abstract

【課題】トラスを全幅を大きくせずに長さ方向にだけ移動を制限範囲内で許容して建築物に支持する乗客コンベアのトラス支持装置の提供。
【解決手段】乗客コンベアのトラス支持装置８は、トラスの幅よりも内側の位置で受け板１２から突出した係合部材１６と、トラス支持部材１１に設けられて係合部材を受け入れ、トラス支持部材の受け板に対する移動を、トラス５の長さ方向については所定の大きさだけ許容するが、トラスの幅方向については実質的に許容しない長穴１７とを備えている。
【選択図】図２

Description

この発明は乗客コンベアのトラス支持装置に関するものである。

従来の乗客コンベアのトラス支持装置は一般に、建築物側に固定された受け板のトラス端部の幅方向の両側にＬ字形部材を溶接して、トラス側の支持アングルに当接させてトラスの幅方向の移動を制限していた（例えば特許文献１参照）。

また別の乗客コンベアのトラス支持装置においては、トラス長さ方向の端面に対応する建築梁に、トラス長さ方向に延びてトラスの端面側に緩く嵌められたボルトを固定して、建築梁とトラスとが離れないように制限子を設けることによって、トラス長手方向の幅方向と長さ方向の移動を制限したものがある（例えば特許文献２参照）。

特開昭６１−２４３７９２号公報特開平１０−３１６３４６号公報

特許文献１に記載されているように、受け板の支持アングル横にＬ形材を溶接してトラスの幅方向の移動を制限する場合には、Ｌ形材をトラスとほぼ同じ幅寸法を持つ支持アングルの外側に溶接するので乗客コンベアの全幅が大きくなり、乗客コンベア設置場所を大きくしてしまうことになる。またトラス幅方向と長さ方向の両方の移動を制限する際は、Ｌ形材を支持アングルの横に２個と支持アングルの建築物側に１個設置する必要がある。

また特許文献２に記載されているように、建築物の上下階床に設けられた受板にトラス支持アングルをボルトで結合することによって、トラス幅方向と長手方向の移動を制限する方法があるが、乗客コンベアにおいて地震や強風、周囲温度の変化等により下階床と上階床間に変位差が生じると、トラスに過大な外力が作用してトラスの変形あるいは踏板の走行軌道の変形が生じる可能性がある。

従ってこの発明の目的は、トラスの全幅寸法を大きくせずに、トラスの長さ方向の制限された移動は許容しながら幅方向の移動は許容しないでトラスを建築物に支持できる乗客コンベアのトラス支持装置を提供することである。

この発明による乗客コンベアのトラスの端部に取り付けられたトラス支持部材を建築物上に設けた受け板によって支持する乗客コンベアのトラス支持装置は、上記トラスの幅よりも内側の位置で上記受け板に設けられて上記受け板から突出した係合部材と、上記トラス支持部材に設けられて上記係合部材を受け入れ、上記トラス支持部材の上記受け板に対する移動を、上記トラスの長さ方向については所定の大きさだけ許容するが、上記トラスの幅方向については実質的に許容しない長穴とを備えたことを特徴とするものである。

この発明の乗客コンベアのトラス支持装置によれば、トラスの全幅寸法を大きくせずに、トラスの長さ方向の制限された移動は許容しながら幅方向の移動は許容しないでトラスを建築物に支持できる

この発明の乗客コンベアのトラス支持装置の一実施の形態を適用した乗客コンベアの装置を示す概略側面図である。図１の円Ａで囲んだ部分の拡大図であり、図３の線ＩＩに沿った断面図でもある。図２の乗客コンベアのトラス支持装置の平面図である。図３の線ＩＶ−ＩＶに沿った断面図である。図２〜４に示す乗客コンベアのトラス支持装置の斜視図である。この発明の乗客コンベアのトラス支持装置の別の実施の形態を示す概略斜視図である。

以下、この発明の実施の形態について説明する。

実施の形態１．
図１〜５はこの発明の乗客コンベアのトラス支持装置を示し、図１の乗客コンベア１は、建築物２の上階床３と下階床４との間に跨って設けられたトラス５と、トラス５によって支持されて循環する踏段６と、踏段６に沿ってトラス５上に支持された欄干７とを備えている。トラス５の長さ方向の両端部には、乗客コンベアのトラス支持装置８がそれぞれ設けられていてトラス５を上階床３および下階床４に支持している。トラス５の長さ方向は図１に矢印Ｌで示し、幅方向は図３に矢印Ｗで示してある。乗客コンベアのトラス支持装置８は上階床３および下階床４のものも同様の構造であるので、ここでは、上階床３に配置した乗客コンベアのトラス支持装置８だけを図２〜５に示して説明する。

図２〜５において、乗客コンベアのトラス支持装置８は、トラス５の長さ方向の端面などの端部に取り付けられた取付フランジ９および取付フランジ９から直角に延びた支持フランジ１０を持つアングル材であるトラス支持部材１１と、このトラス支持部材１１の支持フランジ１０の下面に対面して建築物２上に設けられてトラス支持部材１１を支持する受け板１２とを備えている。図示の例では、受け板１２は、上階床３に設けた凹部１３内にアンカーボルト１４等によって取り付けられている。乗客コンベアのトラス支持装置８はまた、受け板１２上に溶接された取付板１５を介して溶接などによって受け板１２から突出して固着された円柱形の案内ピンである係合部材１６を備えている。係合部材１６の位置は、トラス５の幅よりも内側の位置であって、図示の例ではトラス支持部材１１の長さ方向の端部よりも内側の２箇所の位置である。

乗客コンベアのトラス支持装置８は更に、トラス支持部材１１に設けられて係合部材１６を受け入れる長穴１７を備えている。長穴１７はトラス５の長さ方向に長くされていて、幅寸法は、係合部材１６の直径とほぼ等しく、係合部材１６を僅かな隙間だけで摺動可能に受け入れる幅寸法であり、長さ寸法は、トラス５の長さ変動あるいは建築物の変型などによるトラス５と建築物２との間の相対位置の変化に応じて係合部材１６が長穴１７内で移動してこの相対位置の変化を吸収できるような長さ寸法である。すなわち、係合部材１６と長穴１７との関係は、トラス支持部材１１の受け板１２に対する移動を、トラス５の長さ方向については所定の大きさだけ許容するが、トラス５の幅方向については実質的に許容しないようにしてある。

受け板１２とトラス支持部材１１との間にはスペーサ１８が設けられている。図示の例では、スペーサ１８は、取付板１５および係合部材１６と重ならない位置で、受け板１２とトラス支持部材１１の支持フランジ１０の下面との間に挿入されて、溶接などにより固着された２枚の板部材である。スペーサ１８は、乗客コンベア１の重量をトラス支持部材１１を介して受け板１２上で支承する作用をするものであり、また、必要に応じて枚数あるいは個々の板部材の厚さを変えることにより建築物２に対するトラス支持部材１１の高さ位置を調整するためにも使用できる。図示の例では、係合部材１６の取り付けられた取付板１５はトラス支持部材１１には接触しておらず、間に間隙が生じているが、この間隙にスペーサ１８と同様の板部材を設けることもできる。

このような乗客コンベアのトラス支持装置８によれば、乗客コンベア１のトラス５の建築物２に対する幅方向の移動は、長穴１７に嵌合した円柱状の係合部材１６により殆ど移動しないように規制され、トラス５の長さ方向の移動は、長穴１７に挿入された係合部材１６の長穴１７内の長さにより決定される移動可能範囲内に制限され、地震などの揺れによってもトラス５の幅方向の移動を制限でき長さ方向も長穴１７の長さの範囲で動きを規制できトラス５が建築物２の受け板１２から外れることを防止できる。

また、トラス支持部材１１の長穴１７内に挿入された円柱形の案内ピンである係合部材１６は、トラス５の幅よりも内側の位置であって、トラス支持部材１１の長さ方向の端部よりも内側の位置に配置されているため、トラス５の幅からはみ出して移動制限装置を設置する必要がなくなり、トラス５の据付スペースを小さくできる。またトラス支持部材１１である支持アングル横に移動制限装置を設置する必要がなくなり、乗客コンベア１のトラス幅を狭くすることができ、また幅狭形トラスにおける機器取付けが容易になる。

実施の形態２．
図６に示す乗客コンベアのトラス支持装置８においては、建築物２側に固定され、トラス支持部材１１の長穴１７に契合する係合ピンである係合部材１６が、長穴１７の内側面に面接触する平面部１９を持つ柱状体であり、図示の例では円柱の側面に面取りによる平面部１９を持つ小判形断面の柱状体である。その他の構成は図１〜５に関連して説明したものと同様である。このような平面部１９を持つ係合部材１６を用いれば、係合部材１６と長穴１７との間の接触が面接触となり、円筒面による線接触に対して接触圧力が分散されて面圧が低くなって摩耗が減少し、製品寿命が長くなる。

以上に図示して説明した乗客コンベアのトラス支持装置は単なる例であって様々な変形が可能であり、またそれぞれの具体例の特徴を全てあるいは選択的に組み合わせて用いることもできる。例えば、乗客コンベア１の重量をトラス支持部材１１を介して受け板１２上で支承する作用をするスペーサ１８は、係合部材１６の取り付けられた取付板１５上にも付加的に配置することもできるし、取付板１５上に移動して配置することもできる。また、係合ピンである係合部材１６を受け板１２上に直接溶接などにより固着することもできるが、係合部材１６と長穴１７との位置合わせの便宜のために、係合部材１６を溶接により取付板１５を介して受け板１２に取り付けるのが望ましい。

この発明は乗客コンベアのトラス支持装置に利用できるものである。

１乗客コンベア、２建築物、３上階床、４下階床、５トラス、６踏段、７欄干、８トラス支持装置、９取付フランジ、１０支持フランジ、１１トラス支持部材、１２受け板、１３凹部、１４アンカーボルト、１５取付板、１６係合部材、１７長穴、１８スペーサ、１９平面部。

Claims

乗客コンベアのトラスの端部に取り付けられたトラス支持部材を建築物上に設けた受け板によって支持する乗客コンベアのトラス支持装置であって、
上記トラスの幅よりも内側の位置で上記受け板に設けられて上記受け板から突出した係合部材と、
上記トラス支持部材に設けられて上記係合部材を受け入れ、上記トラス支持部材の上記受け板に対する移動を、上記トラスの長さ方向については所定の大きさだけ許容するが、上記トラスの幅方向については実質的に許容しない長穴とを備えたことを特徴とする乗客コンベアのトラス支持装置。
上記係合部材が、円柱形であることを特徴とする請求項１項に記載の乗客コンベアのトラス支持装置。
上記係合部材が、長穴の内側面に面接触する平面部を持つ柱状体であることを特徴とする請求項１あるいは２に記載の乗客コンベアのトラス支持装置。
上記係合部材が、取付板を介して上記受け板に固定されたことを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の乗客コンベアのトラス支持装置。
上記受け板と上記トラス支持部材との間にスペーサを設けたことを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の乗客コンベアのトラス支持装置。