JP6185825B2 - 液浸顕微鏡対物レンズ及びそれを用いた顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、液浸顕微鏡対物レンズ及びそれを用いた顕微鏡に関するものである。
近年、生物学や遺伝学の研究において、厚みのある生体標本を生きたまま、高い分解能で蛍光観察したいという要望がある。この要望に応えるためには、顕微鏡対物レンズは、大きい開口数(高NA)と倍率を有している必要がある。
また、このような顕微鏡対物レンズは、共焦点レーザ走査型顕微鏡で用いられることが多い。共焦点レーザ走査型顕微鏡は焦点深度が非常に小さいという特徴を備えることから、標本の断層像を得ることができる。そこで、正確な断層像を得るために、顕微鏡対物レンズは高いフラットネスを有している必要がある。
このような要求を満たす顕微鏡対物レンズとして、液浸顕微鏡対物レンズがある。液浸顕微鏡対物レンズでは、液浸顕微鏡対物レンズと標本との間に浸液が存在する。そのため、液浸顕微鏡対物レンズで生体標本の深部を観察すると、使用する浸液の種類によっては、生体標本の屈折率(1.33〜1.45)と浸液の屈折率とが異なるために、両者の屈折率の差により球面収差が発生する。この球面収差の発生を軽減するためには、生体標本の屈折率と浸液の屈折率とが近いことが望ましい。
具体的には、浸液は、水(屈折率1.33)や、培養液(屈折率1.33)や、シリコーンオイル(屈折率1.40)や、グリセリンと水の混合液(屈折率1.33〜1.47)等が望ましい。そして、液浸顕微鏡対物レンズも、このような浸液に対して収差が良好に補正されていることが好ましい。
更に、球面収差は、観察位置(生体標本の表面からの深さ)によって変化する。そのため、液浸顕微鏡対物レンズに補正環を設けることが望ましい。このようにすることで、球面収差を補正できる。
開口数が大きい液浸顕微鏡対物レンズとしては、特許文献1に開示された液浸顕微鏡対物レンズがある。特許文献1に記載された液浸顕微鏡対物レンズでは、倍率と開口数が、それぞれ、60倍、1.4、或いは、60倍、1.3である。前者は油浸顕微鏡対物レンズ、後者はシリコーン浸顕微鏡対物レンズである。
特開2008−170969号公報
特許文献1に開示された液浸顕微鏡対物レンズは、開口数は大きいものの、倍率が十分に大きいとはいえない。また、シリコーン浸顕微鏡対物レンズは生体標本観察に適しているが、このシリコーン浸顕微鏡対物レンズについては開口数が十分に大きいとはいえない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、開口数と倍率が大きく、且つフラットネスが高く、諸収差が十分に補正された液浸顕微鏡対物レンズ及びそれを用いた顕微鏡を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の液浸顕微鏡対物レンズは、
浸液にシリコーンを使用する液浸顕微鏡対物レンズであって、
物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、
第1レンズ群は、発散光束を初めて収斂光束に変換し、第1レンズ面と、第2レンズ面と、を有し、最も物体側より順に、接合レンズと、単レンズと、を含み、
接合レンズと単レンズは、共に正の屈折力を有し、
第1レンズ面は最も物体側に位置し、第2レンズ面は第1レンズ面よりも像側で、第1レンズ面の最も近くに位置し、
第3レンズ群は、物体側レンズ成分と、像側レンズ成分と、を有し、
物体側レンズ成分は最も物体側に配置され、像側レンズ成分は物体側レンズ成分よりも像側に配置され、
物体側レンズ成分は、凹面を像側に向けたメニスカス形状を有し、
像側レンズ成分は、凹面を物体側に向けたメニスカス形状を有し、
レンズ成分は、単レンズ又は接合レンズであり、
以下の条件式(1)、(3’)を満足することを特徴とする。
−3≦(rG12/f)×(NAob/ndimm≦−1.7 (1)
2.74≦f G1p /f≦3.5 (3’)
ただし、
G12は、第2レンズ面における曲率半径、
fは、液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
NAobは、液浸顕微鏡対物レンズの物体側の開口数、
ndimmは、浸液のd線における屈折率、
G1p は、接合レンズと単レンズとの合成焦点距離、
fは、液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
である。
また、本発明の顕微鏡は、
光源と、照明光学系と、本体部と、観察光学系と、顕微鏡対物レンズと、を備え、
顕微鏡対物レンズに上記の液浸顕微鏡対物レンズが用いられることを特徴とする。
本発明によれば、開口数と倍率が大きく、且つフラットネスが高く、諸収差が十分に補正された液浸顕微鏡対物レンズ及びそれを用いた顕微鏡を提供できる。
本発明の実施例1にかかる液浸顕微鏡対物レンズの光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 本発明の実施例2にかかる液浸顕微鏡対物レンズの光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 本発明の実施例3にかかる液浸顕微鏡対物レンズの光学構成を示す光軸に沿う断面図である。 実施例1にかかる液浸顕微鏡対物レンズの収差図である。 実施例2にかかる液浸顕微鏡対物レンズの収差図である。 実施例3にかかる液浸顕微鏡対物レンズの収差図である。 結像レンズの断面図である。 本発明の液浸顕微鏡対物レンズを用いた顕微鏡の図である。
本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、第1レンズ群は、第1レンズ面と、第2レンズ面と、を有し、第1レンズ面は最も物体側に位置し、第2レンズ面は第1レンズ面よりも像側で、第1レンズ面の最も近くに位置し、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする。
−3≦(rG12/f)×(NAob/ndimm≦−1.7 (1)
ただし、
G12は、第2レンズ面における曲率半径、
fは、液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
NAobは、液浸顕微鏡対物レンズの物体側の開口数、
ndimmは、浸液のd線における屈折率、
である。
本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズ(以下、適宜、「対物レンズ」という)は、d線における屈折率がndimmである浸液と共に用いられる液浸顕微鏡対物レンズである。本実施形態の対物レンズは、物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、を備えている。なお、物体側とは試料側を意味する。
対物レンズの物体側開口数(以下、単に「開口数」という)を大きくすると、より大きな発散角(回折角)の光を、試料から対物レンズに入射させることができる。その結果、試料の微細構造を、より細かく観察することができる。しかしながら、発散角が大きい光は、第1レンズ群における光線高が高い。このような光線を第1レンズ群で急激に曲げると、第1レンズ群において高次収差が発生しやすくなる。
本実施形態の対物レンズでは、第1レンズ群の屈折力を正屈折力にすることで、発散角が大きい光線を、第1レンズ群で徐々に曲げるようにしている。このようにすることで、高次収差が大きく発生することを抑えている。
また、第2レンズ群の屈折力も正屈折力にしている。上述のように、第1レンズ群では、発散角が大きい光線を徐々に曲げるようにしている。そのため、第1レンズ群から出射する光束径は十分に小さくなっていない。そこで、第2レンズ群で、光束径を徐々に小さくしている。
また、第3レンズ群の屈折力を負屈折力にしている。第2レンズ群で発散光束が収斂光束に変えられているので、第3レンズ群の位置では、光線の高さが低くなっている。そこで、第3レンズ群の負屈折力によって、ペッツバール和を小さくすることができる。また、第2レンズ群からの収斂光束は、第3レンズ群によって略平行光束に変えられている。
そして、本実施形態の対物レンズは、条件式(1)を満足する。
条件式(1)を満足することで、第2レンズ面の曲率半径を、光線の発散と収差の発生とをバランス良く抑制できる曲率半径にすることができる。その結果、収差の発生を抑えつつ、物体側の開口数を大きくすることができる。なお、第2レンズ面は、空気接触面と接合面のどちらでも良いが、接合面であることが好ましい。
条件式(1)の下限値を下回ると、第2レンズ面の曲率半径が大きくなりすぎる。この場合、第2レンズ面に入射する光線の入射角が大きくなるので、球面収差が大きく発生する。また、第2レンズ面が接合面の場合、色収差が大きく発生する。
条件式(1)の上限値を上回ると、第2レンズ面の曲率半径が小さくなりすぎる。この場合、第2レンズ面における負屈折力が大きくなるので、第2レンズ面を通過した後の軸上光束の光線高が高くなってしまう。これにより、高次の球面収差が発生するが、この高次の球面収差を第2レンズ面よりも像側に位置する光学系で補正することが難しくなる。また、球欠が深くなることで第2レンズ面の有効径が小さくなるので、物体側の開口数を大きくすることができない。
なお、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズでは、第1レンズ群は、発散光束を収斂光束に変換し、第3レンズ群は、物体側レンズ成分と、像側レンズ成分と、を有し、物体側レンズ成分は最も物体側に配置され、像側レンズ成分は物体側レンズ成分よりも像側に配置され、物体側レンズ成分は、凹面を像側に向けたメニスカス形状を有し、像側レンズ成分は、凹面を物体側に向けたメニスカス形状を有し、レンズ成分は、単レンズ又は接合レンズであることが好ましい。
第1レンズ群で発散光束を収斂光束に変換できないと、第2レンズ群を通過する光線の高さが高くなる。そのため、第2レンズ群において高次の球面収差が発生しやすい。そこで、第1レンズ群では、発散角が大きい光線を徐々に曲げると共に、発散光束を収斂光束に変換している。このようにすることで、第1レンズ群において球面収差を良好に補正すると共に、第2レンズ群で高次の球面収差が発生することを防止している。
また、第3レンズ群では、物体側レンズ成分が凹面を像側に向けて配置され、像側レンズ成分が凹面を物体側に向けて配置される。このように、第3レンズ群では、2つのレンズ成分は凹面が向き合うように配置されるので、第3レンズ群は、いわゆるガウスタイプのレンズ構成を有することになる。これにより、適切な負のペッツバール和を第3レンズ群で確保している。
開口数が大きい対物レンズでは、物体に近い側に配置されたレンズ群、通常は第1レンズ群に接合レンズが配置されている。この接合レンズでは、物体側のレンズが像側のレンズに埋め込まれた状態で、2つのレンズが接合されている。この物体側のレンズ(埋め込みレンズ)と像側のレンズとの接合面でも、負のペッツバール和を得ることができるが、その量が不足しがちである。
そこで、第1レンズ群よりも像側に、凹面を有するレンズ群を配置する。そして、この凹面によって不足している負のペッツバール和を補うことで、ペッツバール和の補正を行う必要がある。凹面を有するレンズ群にメニスカス形状のレンズを配置する場合、1つのメニスカス形状のレンズだけではペッツバール和を十分に補正しきれない。そこで、メニスカス形状のレンズを2つ用い、2つのメニスカス形状のレンズを凹面が向き合うように配置する。このようにすることで、負のペッツバール和を十分確保できるので、ペッツバール和の補正を行うことができる。
また、凹面が物体側に向くように配置されたメニスカス形状のレンズを有することで、対物レンズから射出される光線の光線高や角度を最適に調整することができる。
なお、メニスカス形状のレンズは接合レンズであることが好ましい。このようにすることで、軸上色収差や倍率色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズでは、第1レンズ群は、最も物体側に配置された第1接合レンズを有し、第1接合レンズは、物体側レンズと、像側レンズと、を有し、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
0.3≦ndG1i−ndG1o≦0.5 (2)
ただし、
ndG1iは、像側レンズのd線における屈折率、
ndG1oは、物体側レンズのd線における屈折率、
である。
条件式(2)を満足することで、発散角が大きい発散光束を対物レンズに入射させることができると共に、入射した発散角の大きな発散光束を無理なく収斂光束に変換させることができる。
ここで、物体側レンズの屈折率を浸液の屈折率に近づけることで、浸液と物体側レンズ面との境界での収差の発生を抑えつつ、発散角が大きい発散光束を対物レンズに入射させることができる。一方、像側レンズの屈折率は、物体側レンズの屈折率よりも適度に大きくなっている。そのため、入射した発散角の大きな発散光束を、光軸に近づけるように曲げることができる。
条件式(2)の上限値を上回ると、像側レンズの屈折率が大きくなりすぎる。この場合、レンズの厚み公差に対する球面収差の感度(変化率)が大きくなるので、製造誤差による収差の発生が大きくなる。また、屈折率が高い硝材では、紫外線の透過率が小さい。そのため、紫外光を使った蛍光観察では、試料を十分な明るさの紫外光で照明することが困難になる。
条件式(2)の下限値を下回ると、像側レンズの屈折率が小さくなりすぎる。この場合、対物レンズに入射した発散角の大きな発散光束を、光軸に近づけるように徐々に曲げることが困難になる。そのため、像側レンズを通過した後の軸上光束の光線高が高くなってしまう。これにより、高次の球面収差が発生するが、この高次の球面収差を像側レンズよりも像側に位置する光学系で補正することが難しくなる。
また、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズでは、第1レンズ群は、物体側より順に、接合レンズと、単レンズと、を含み、接合レンズと単レンズは、共に正の屈折力を有し、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
2.2≦fG1p/f≦3.5 (3)
ただし、
G1pは、接合レンズと単レンズとの合成焦点距離、
fは、液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
である。
条件式(3)を満足することで、対物レンズ全体の屈折力に対して、接合レンズと単レンズとの合成屈折力を適切にすることができる。そのため、光線の発散と収差の発生とをバランス良く抑制することができる。その結果、収差の発生を抑えつつ、対物レンズに入射した発散角の大きな発散光束を、光軸に近づけるように徐々に曲げることができる。
条件式(3)の上限値を上回ると、接合レンズと単レンズとの合成焦点距離が大きくなりすぎる。この場合、接合レンズと単レンズとの合成屈折力が小さくなりすぎるので、対物レンズに入射した発散光束を、光軸に近づけるように徐々に曲げることが困難になる。そのため、単レンズを通過した後の軸上光束の光線高が高くなってしまう。これにより、高次の球面収差が発生するが、この高次の球面収差を単レンズよりも像側に位置する光学系で補正することが難しくなる。
条件式(3)の下限値を下回ると、接合レンズと単レンズとの合成焦点距離が小さくなりすぎる。この場合、各レンズにおけるレンズ面の曲率半径が小さくなりすぎるので、球面収差が発生する。特に、接合レンズの像側のレンズ面(空気接触面)における曲率半径が小さくなりすぎるため、球面収差の発生が大きくなる。
また、第1レンズ群における屈折力が大きくなりすぎるので、正のペッツバール和が増加する。この場合、正のペッツバール和の増加分を、第1レンズ群よりも像側に位置するレンズ群、特に、第3レンズ群における負のペッツバール和で相殺できることが好ましい。しかしながら、十分な負のペッツバール和を、第3レンズ群において確保することが困難になる。
また、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズでは、第3レンズ群は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
−3.8≦fG3/f≦−3 (4)
ただし、
G3は、第3レンズ群の焦点距離、
fは、液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
である。
条件式(4)を満足することで、第3レンズ群の屈折力を適度に大きくすることができる。この場合、第3レンズ群における負のペッツバール和を適度に確保することができるので、像の平坦性を高めることができる。
条件式(4)の上限値を上回ると、第3レンズ群の屈折力が大きくなりすぎる。ここで、第3レンズ群を、物体側レンズ群と像側レンズ群とで構成し、物体側レンズ群では、最も像側の面が像面に凹面を向けており、像側レンズ群では、最も物体側の面が物体面に凹面を向けているとする。この場合、第3レンズ群の屈折力が大きくなりすぎることで、物体側レンズ群における凹面の曲率半径と像側レンズ群における凹面の曲率半径とが、共に小さくなりすぎる。そのため、コマ収差が大きく発生する。
条件式(4)の下限値を下回ると、第3レンズ群における負のペッツバール和を十分に確保することが困難になる。そのため、像面湾曲が大きく発生する。その結果、像の平坦性が悪化する。
また、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズでは、第2レンズ群は、物体側レンズ成分を少なくとも有し、物体側レンズ成分は最も物体側に配置されると共に、光軸方向に移動し、レンズ成分は、単レンズ又は接合レンズであり、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
20≦fG2o/f≦50 (5)
ただし、
G2oは、物体側レンズ成分の焦点距離、
fは、液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
である。
カバーガラスの厚みの変化、浸液の種類の変更、標本や浸液の温度変化、あるいは観察位置の変化等の変化が生じると、この変化に伴って球面収差が変動する。このような場合、レンズ群を光軸方向に移動させることで球面収差を補正することができる。レンズ群の移動は、補正環の回転によって行うことができる。
そこで、本実施形態の対物レンズでは、第2レンズ群が移動可能になっている。ここで、第2レンズ群は物体側レンズ成分を少なくとも有し、物体側レンズ成分は最も物体側に配置されている。
上述のように、第1レンズ群で発散光束は収斂光束に変換されているが、発散光束は徐々に曲げられている。そのため、第1レンズ群を出射した収斂光束は、光線高が高い状態で第2レンズ群へ緩やかな角度で入射する。そこで、物体側レンズ成分を光軸方向に移動させることで、球面収差以外の収差の変動を抑えつつ、新たな球面収差を発生させることができる。
そして、物体側レンズ成分を適切な方向に移動させることで、この新たな球面収差の発生方向を、前述の変化によって生じた球面収差とは逆方向にすることができる。そのため、新たな球面収差の発生量を適切にすることで、前述の変化によって生じた球面収差を補正することができる。
条件式(5)を満足することで、前述の変化によって生じた球面収差を補正することができる。
条件式(5)の上限値を上回ると、物体側レンズ成分の屈折力が小さくなりすぎる。この場合、物体側レンズ群の移動量が大きくなるが、移動に必要なスペースを十分に確保することが困難になる。そのため、球面収差を十分に補正することが困難になる。
条件式(5)の下限値を下回ると、物体側レンズ成分の屈折力が大きくなりすぎる。この場合、物体側レンズ成分が移動したときに、球面収差以外の収差、例えば色収差の変動が大きくなる。そのため、対物レンズの光学性能が劣化する。
また、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズでは、第1レンズ群は、3枚のレンズからなる接合レンズを含むことが好ましい。
このようにすることで、適切な正の屈折力を保ちつつ、軸上色収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の顕微鏡は、光源と、照明光学系と、本体部と、観察光学系と、顕微鏡対物レンズと、を備え、顕微鏡対物レンズに上述の液浸顕微鏡対物レンズが用いられることを特徴とする。
本実施形態の顕微鏡によれば、開口数と倍率が大きく、且つフラットネスが高く、諸収差が十分に補正された液浸顕微鏡対物レンズを備えているため、高い解像度で試料の観察や画像の取得ができる。
なお、各条件式は、いずれの条件式を単独で用いても、自由に組み合わせて用いてもよく、本発明の効果を奏する。また、条件式の上限値、下限値をそれぞれ単独に変更した条件式であってもよく、同様に本発明の効果を奏する。
以下に、本発明に係る液浸顕微鏡対物レンズの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
以下、本発明の液浸顕微鏡対物レンズの実施例1〜3について説明する。実施例1〜3にかかる液浸顕微鏡対物レンズの光学構成を示す光軸に沿う断面を、それぞれ図1〜3に示す。これらの断面図中、L1〜L17は各レンズを示している。また、図7は結像レンズの断面図である。
なお、実施例1〜3の液浸顕微鏡対物レンズは、無限遠補正の顕微鏡対物レンズである。無限遠補正の顕微鏡対物レンズでは、顕微鏡対物レンズから出射する光束が平行になるので、それ自体では結像しない。そのため、この平行光束は、例えば、図7に示すような結像レンズで集光される。そして、平行光束が集光された位置に試料面の像が形成される。上述の説明における像側とは、結像レンズ側のことを意味している。
次に、実施例1に係る対物レンズについて説明する。実施例1の対物レンズは、図1に示すように、物体側より順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、からなる。
第1レンズ群G1は、正の屈折力を有する。第1レンズ群G1は、物体側から順に、平凸正レンズL1と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3と、平凸正レンズL4と、両凸正レンズL5と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7と、からなる。ここで、平凸正レンズL1と正メニスカスレンズL2とが接合されている。また、両凸正レンズL5、負メニスカスレンズL6及び正メニスカスレンズL7が接合されている。なお、負メニスカスレンズL6と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL7は、それぞれ物体側に凹面を向けた平凹負レンズと像側に凸面を向けた平凸正レンズとしても良い。
第2レンズ群G2は、正の屈折力を有する。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凸正レンズL9と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、両凸正レンズL11と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、からなる。ここで、負メニスカスレンズL8と両凸正レンズL9とが接合されている。また、負メニスカスレンズL10、両凸正レンズL11及び負メニスカスレンズL12が接合されている。
第3レンズ群G3は、負の屈折力を有する。第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸正レンズL13と、両凹負レンズL14と、両凹負レンズL15と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL17と、からなる。ここで、両凸正レンズL13と両凹負レンズL14とが接合されている。また、負メニスカスレンズL16と正メニスカスレンズL17とが接合されている。
また、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、位置が固定である。第2レンズ群G2では、負メニスカスレンズL8と両凸正レンズL9との接合レンズが光軸に沿ってその他のレンズに対して移動する。
次に、実施例2に係る対物レンズについて説明する。実施例2の対物レンズは、図2に示すように、物体側より順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、からなる。
第1レンズ群G1は、正の屈折力を有する。第1レンズ群G1は、物体側から順に、平凸正レンズL1と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4と、両凸正レンズL5と、両凹負レンズL6と、両凸正レンズL7と、からなる。ここで、平凸正レンズL1と正メニスカスレンズL2とが接合されている。また、両凸正レンズL5、両凹負レンズL6及び両凸正レンズL7が接合されている。
第2レンズ群G2は、正の屈折力を有する。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凸正レンズL9と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、両凸正レンズL11と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、からなる。ここで、負メニスカスレンズL8と両凸正レンズL9とが接合されている。また、負メニスカスレンズL10、両凸正レンズL11及び負メニスカスレンズL12が接合されている。
第3レンズ群G3は、負の屈折力を有する。第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸正レンズL13と、両凹負レンズL14と、両凹負レンズL15と、両凹負レンズL16と、両凸正レンズL17と、からなる。ここで、両凸正レンズL13と両凹負レンズL14とが接合されている。また、両凹負レンズL16と両凸正レンズL17とが接合されている。
また、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、位置が固定である。第2レンズ群G2では、負メニスカスレンズL8と両凸正レンズL9との接合レンズがその他のレンズに対して光軸に沿って移動する。
次に、実施例3に係る対物レンズについて説明する。実施例3の対物レンズは、図3に示すように、物体側より順に、第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3と、からなる。
第1レンズ群G1は、正の屈折力を有する。第1レンズ群G1は、物体側から順に、平凸正レンズL1と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL2と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL3と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL4と、両凸正レンズL5と、両凹負レンズL6と、両凸正レンズL7と、からなる。ここで、平凸正レンズL1と正メニスカスレンズL2とが接合されている。また、両凸正レンズL5、両凹負レンズL6及び両凸正レンズL7が接合されている。
第2レンズ群G2は、正の屈折力を有する。第2レンズ群G2は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL8と、両凸正レンズL9と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL10と、両凸正レンズL11と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL12と、からなる。ここで、負メニスカスレンズL8と両凸正レンズL9とが接合されている。また、負メニスカスレンズL10、両凸正レンズL11及び負メニスカスレンズL12が接合されている。
第3レンズ群G3は、負の屈折力を有する。第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸正レンズL13と、両凹負レンズL14と、両凹負レンズL15と、像側に凸面を向けた負メニスカスレンズL16と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL17と、からなる。ここで、両凸正レンズL13と両凹負レンズL14とが接合されている。また、負メニスカスレンズL16と正メニスカスレンズL17とが接合されている。
また、第1レンズ群G1と第3レンズ群G3は、位置が固定である。第2レンズ群G2では、負メニスカスレンズL8と両凸正レンズL9との接合レンズが光軸に沿ってその他のレンズに対して移動する。
次に、上述の各実施例の対物レンズを構成する光学部材の数値データを掲げる。なお、各実施例の数値データにおいて、rは各レンズ面の曲率半径(ただし、r1とr2は仮想面)、dは各レンズの肉厚または空気間隔(ただし、d1はカバーガラスの厚み、d2は浸液層の厚み)、ndは各レンズのd線での屈折率、νdは各レンズのアッべ数、βは倍率、NAは開口数、fは対物レンズ全系の焦点距離、WDは作動距離、FNは視野数を示している。なお、倍率βは、後述の結像レンズ(焦点距離180mm)と組み合わせたときの倍率である。また、WDはカバーガラスの厚みが0.17mmのときの距離である。また、視野数は22mmである。
各実施例の数値データは、試料と対物レンズの間にカバーガラスが存在している状態でのデータを示している。この状態では、カバーガラスと浸液とを介して試料の像が形成される。また、この場合、仮想面r1は試料面とカバーガラスとの境界、r2はカバーガラスと浸液との境界を示している。なお、浸液と生体標本の屈折率が近いので、カバーガラスと対物レンズの距離がd2の値より小さい状態では、仮想面r1から標本内部に達した試料面からの光線が、少ない収差で対物レンズに入射する。よって、試料の内部を観察できることは明らかである。また、曲率半径r、面間隔d、焦点距離f、作動距離WDの単位は、いずれもmmである。
数値実施例1
β=−100、NA=1.35、f=1.8、WD=0.217、FN=22

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ d1 1.52100 56.02
2 ∞ d2 1.40409 51.90
3 ∞ 1.0038 1.45852 67.83
4 -3.8000 2.9493 1.88300 40.76
5 -3.4688 0.1500
6 -6.6855 1.7804 1.75500 52.32
7 -5.7540 0.1510
8 ∞ 2.5350 1.59522 67.74
9 -12.3287 0.1672
10 27.4440 6.1576 1.43875 94.93
11 -7.9036 1.1500 1.63775 42.41
12 -2553.4402 3.9799 1.43875 94.93
13 -10.9049 d13
14 33.7194 1.1000 1.63775 42.41
15 7.8248 5.5131 1.43875 94.93
16 -19.3175 d16
17 9.6846 1.0000 1.63775 42.41
18 5.9012 4.9087 1.43875 94.93
19 -9.4714 0.8000 1.61336 44.49
20 -24.9286 0.4775
21 5.1797 2.5301 1.49700 81.54
22 -21.3115 1.5338 1.63775 42.41
23 2.3963 1.6836
24 -3.9461 0.7000 1.77250 49.60
25 8.8980 3.7400
26 -5.9356 1.1550 1.61336 44.49
27 -60.4766 2.3410 1.73800 32.26
28 -5.7630

各種データ
d1 0.13 0.17 0.19
d2 0.2446 0.2170 0.2036
d13 0.4373 0.9473 1.2273
d16 1.0288 0.5188 0.2388
数値実施例2
β=−100、NA=1.35、f=1.8、WD=0.217、FN=22

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ d1 1.52100 56.02
2 ∞ d2 1.40409 51.90
3 ∞ 0.7101 1.45852 67.83
4 -3.3200 2.9351 1.88300 40.76
5 -3.2933 0.1500
6 -5.5538 1.7838 1.74100 52.64
7 -5.0869 0.1500
8 -146.1257 2.6771 1.59522 67.74
9 -10.7389 0.1500
10 29.5466 6.1582 1.43875 94.93
11 -7.4591 1.1000 1.63775 42.41
12 175.8765 4.4572 1.43875 94.93
13 -10.4332 d13
14 19.2142 1.0000 1.63775 42.41
15 7.4207 5.4946 1.43875 94.93
16 -25.8615 d16
17 9.5298 1.0000 1.63775 42.41
18 5.7485 5.1463 1.43875 94.93
19 -8.4216 0.8000 1.51633 64.14
20 -61.9312 0.6936
21 6.4042 2.4908 1.49700 81.54
22 -9.2067 1.4271 1.63775 42.41
23 2.5854 1.5639
24 -3.9518 0.6391 1.61340 44.27
25 8.2481 2.8414
26 -5.2486 1.3103 1.61336 44.49
27 146.0111 2.9850 1.73800 32.26
28 -5.9005

各種データ
d1 0.13 0.17 0.19
d2 0.2407 0.2170 0.2056
d13 0.3410 0.8110 1.0610
d16 0.9678 0.4978 0.2478
数値実施例3
β=−100、NA=1.35、f=1.8、WD=0.203、FN=22

面データ
面番号 r d nd νd
1 ∞ d1 1.52100 56.02
2 ∞ d2 1.40409 51.90
3 ∞ 1.4260 1.45852 67.83
4 -5.5000 2.8477 1.88300 40.76
5 -3.8145 0.1500
6 -10.3682 1.7892 1.75500 52.32
7 -7.3992 0.1500
8 -59.0521 2.1781 1.59522 67.74
9 -12.8963 0.1700
10 15.3806 6.3765 1.43875 94.93
11 -9.7346 1.0000 1.63775 42.41
12 33.0053 4.4661 1.43875 94.93
13 -12.7945 d13
14 27.8369 1.0010 1.63775 42.41
15 7.6694 5.7350 1.43875 94.93
16 -22.6935 d16
17 9.0865 1.0000 1.63775 42.41
18 5.9431 4.9670 1.43875 94.93
19 -9.4171 0.8000 1.61336 44.49
20 -24.6607 0.1064
21 4.6890 2.5288 1.49700 81.54
22 -15.3963 1.6444 1.63775 42.41
23 2.0303 1.9348
24 -3.1219 0.7000 1.77250 49.60
25 15.1148 4.0078
26 -6.6909 0.7233 1.61336 44.49
27 -11.9643 1.8568 1.73800 32.26
28 -5.1821

各種データ
d1 0.13 0.17 0.19
d2 0.2321 0.2030 0.1884
d13 0.4197 0.9297 1.1797
d16 1.0495 0.5395 0.2895
結像レンズ

面データ
面番号 r d nd νd
1 68.7541 7.7321 1.48749 70.23
2 -37.5679 3.4742 1.80610 40.92
3 -102.8477 0.6973
4 84.3099 6.0238 1.83400 37.16
5 -50.7100 3.0298 1.64450 40.82
6 40.6619

焦点距離 180
図4〜6は、実施例1〜3に係る対物レンズの収差図である。各実施例の収差図は、液浸顕微鏡対物レンズと結像レンズとの間隔を120mmとした場合の図である。これらの収差図において、”FIY”は像高である。また、(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、球面収差(SA)、非点収差(AS)、コマ収差(DZY)、倍率色収差(CC)を示している。また、IMHは像高である。
次に、各実施例における条件式(1)〜(5)の値を掲げる。
条件式 実施例1 実施例2 実施例3
(1)(rG12/f)×(NAob/ndimm)2 -1.95 -1.71 -2.81
(2)ndG1i-ndG1o 0.42 0.42 0.42
(3)fG1p/f 2.77 2.74 2.74
(4)fG3/f -3.5 -3.51 -3.43
(5)fG2o/f 33.13 24.06 33.48
図8は、本実施形態の顕微鏡を示す図である。図8には、顕微鏡の一例として、レーザ走査型顕微鏡の外観構成例が示されている。図8に示すように、顕微鏡10は、本体部1、対物レンズ2、レボルバ3、対物レンズ上下機構4、ステージ5、透過照明装置6、観察鏡筒7、スキャナー8を有する。また、顕微鏡10には画像処理装置20が接続され、この画像処理装置20に画像表示装置21が接続されている。本実施形態の顕微鏡では、この対物レンズ2に、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズが用いられている。
ステージ5は本体部1に設けられている。このステージ5の上に、試料9が載置される。また、本体部1の上方に、透過照明装置6が設けられている。この透過照明装置6によって、可視光の透過照明光が試料9に照射される。試料9からの光は、対物レンズ2を通過して観察鏡筒7に到達する。ユーザは、観察鏡筒7を介して、試料9を可視光で観察することができる。
また、本体部1の後方(紙面右側)には、レーザ光源(不図示)とスキャナー8が設けられている。レーザ光源とスキャナー8は、ファイバ(不図示)で接続されている。スキャナー8は、ガルバノスキャナーや光検出素子などが内部に配置されている。レーザ光源は2光子励起が可能な赤外光を発生するレーザである。レーザ光源からの光は、スキャナー8を通過後、対物レンズ2に入射する。対物レンズ2は、ステージ5の下方に位置している。よって、下方からも試料9の照明が行なわれる。
試料9からの光(反射光や蛍光)は、対物レンズ2を通過後、スキャナー8を介して、光検出素子で検出される。2光子励起では焦点位置のみから蛍光が生じるので、共焦点観察ができる。共焦点観察では、試料9の断面像を得ることができる。
レボルバ3には、対物レンズ上下機構4が接続されている。対物レンズ上下機構4は、対物レンズ2(レボルバ3)を、光軸方向に移動させることができる。試料9の光軸方向の断面像を複数得る場合は、対物レンズ上下機構4によって対物レンズ2を移動させればよい。
光検出素子で得られた信号は、画像処理装置20に送信される。画像処理装置20で信号処理が行なわれ、試料9の画像が画像表示装置21で表示される。
上述の例では、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズを、2光子励起観察に用いている。
しかしながら、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズを、例えば、全反射蛍光観察に用いることもできる。その場合は、レーザ光源からの光束径を、液浸顕微鏡対物レンズの有効口径よりも小さくしておく。そして、その光束を、液浸顕微鏡対物レンズの光軸を含まないように、液浸顕微鏡対物レンズに入射させるようにする。
また、キセノンランプやハロゲンランプを使用する従来の顕微鏡に、本実施形態の液浸顕微鏡対物レンズを用いることもできる。
なお、実施例1から3は、浸液としてd線の屈折率が1.40409のシリコーンを使用している。他にグリセリンと水を混合した屈折率が近い浸液なども使用することも可能である。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形例をとることができる。
以上のように、本発明は、開口数と倍率が大きく、且つフラットネスが高く、諸収差が十分に補正された液浸顕微鏡対物レンズ及びそれを用いた顕微鏡に適している。
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
1 本体部
2 対物レンズ
3 レボルバ
4 対物レンズ上下機構
5 ステージ
6 透過照明装置
7 観察鏡筒
8 スキャナー
9 試料
10 顕微鏡
20 画像処理装置
21 画像表示装置

Claims (6)

  1. 浸液にシリコーンを使用する液浸顕微鏡対物レンズであって、
    物体側より順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群と、からなり、
    前記第1レンズ群は、発散光束を初めて収斂光束に変換し、第1レンズ面と、第2レンズ面と、を有し、最も物体側より順に、接合レンズと、単レンズと、を含み、
    前記接合レンズと前記単レンズは、共に正の屈折力を有し、
    前記第1レンズ面は最も物体側に位置し、前記第2レンズ面は前記第1レンズ面よりも像側で、前記第1レンズ面の最も近くに位置し、
    前記第3レンズ群は、物体側レンズ成分と、像側レンズ成分と、を有し、
    前記物体側レンズ成分は最も物体側に配置され、前記像側レンズ成分は前記物体側レンズ成分よりも像側に配置され、
    前記物体側レンズ成分は、凹面を像側に向けたメニスカス形状を有し、
    前記像側レンズ成分は、凹面を物体側に向けたメニスカス形状を有し、
    前記レンズ成分は、単レンズ又は接合レンズであり、
    以下の条件式(1)、(3’)を満足することを特徴とする液浸顕微鏡対物レンズ。
    −3≦(rG12/f)×(NAob/ndimm≦−1.7 (1)
    2.74≦f G1p /f≦3.5 (3’)
    ただし、
    G12は、前記第2レンズ面における曲率半径、
    fは、前記液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
    NAobは、前記液浸顕微鏡対物レンズの物体側の開口数、
    ndimmは、前記浸液のd線における屈折率、
    G1p は、前記接合レンズと前記単レンズとの合成焦点距離、
    fは、前記液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
    である。
  2. 前記第1レンズ群は、最も物体側に配置された前記接合レンズとして第1接合レンズを有し、
    前記第1接合レンズは、物体側レンズと、像側レンズと、を有し、
    以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求項1に記載の液浸顕微鏡対物レンズ。
    0.3≦nd G1i −nd G1o ≦0.5 (2)
    ただし、
    nd G1i は、前記像側レンズのd線における屈折率、
    nd G1o は、前記物体側レンズのd線における屈折率、
    である。
  3. 前記第3レンズ群は、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の液浸顕微鏡対物レンズ。
    −3.8≦f G3 /f≦−3 (4)
    ただし、
    G3 は、前記第3レンズ群の焦点距離、
    fは、前記液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
    である。
  4. 前記第2レンズ群は、物体側レンズ成分を少なくとも有し、
    前記第2レンズ群の前記物体側レンズ成分は最も物体側に配置されると共に、光軸方向に移動し、
    前記レンズ成分は、単レンズ又は接合レンズであり、
    以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の液浸顕微鏡対物レンズ。
    20≦f G2o /f≦50 (5)
    ただし、
    G2o は、前記第2レンズ群の前記物体側レンズ成分の焦点距離、
    fは、前記液浸顕微鏡対物レンズ全系の焦点距離、
    である。
  5. 前記第1レンズ群は、3枚のレンズからなる接合レンズを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の液浸顕微鏡対物レンズ。
  6. 光源と、照明光学系と、本体部と、観察光学系と、顕微鏡対物レンズと、を備え、
    前記顕微鏡対物レンズに請求項1から5のいずれか1項に記載の液浸顕微鏡対物レンズが用いられることを特徴とする顕微鏡。
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