JP6181769B2 - 絶縁検出器及び電気機器 - Google Patents

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Description

本発明は、負荷、例えばモータの絶縁が劣化又は地絡したことを検出する絶縁検出器及び該絶縁検出器を有する電気機器に関する。
電気機器の絶縁材は通常経年劣化するので、その劣化を監視して対処することが望ましく、絶縁破壊による漏電は漏電遮断機により防止すべきであり、絶縁性の低下を監視して絶縁破壊を予見し、未然に防ぐことができればそれが好ましいといえる。また、漏電遮断機は装置から対地への漏れ電流を検出することが可能であるが、絶縁材の劣化による絶縁抵抗の変化はわずかであるため、この変化を測定することは困難である。例えば、工場の生産現場で用いられる工作機械には、複数のモータ、例えば主軸モータ及びサーボモータが用いられているが、モータの筐体とコイルとの間の絶縁材は経年劣化する。このような工作機械では、通常は、モータの絶縁の劣化により大きな漏れ電流が流れると、系統電源に接続された漏電遮断機が作動して装置全体が停止する。この場合、装置が突然停止するため生産に与える影響が大きく、且つ漏電の原因箇所の特定が難しく、復旧にも時間がかかる。このため、装置若しくは負荷、例えばモータの対地若しくは筐体への絶縁抵抗の劣化を精度よく検出する機構、又は絶縁抵抗を定期的に検出してその劣化を予知し、装置の予防保全ができる機構が必要とされている。
特許文献1には、平滑コンデンサ(capacitor)に蓄えられた電圧で負荷に電流を流すが、その電流を検出するのではなく、平滑コンデンサの電圧の変化を監視し、その時定数から絶縁抵抗を算出する技術が開示されている。特許文献1に開示する技術では、測定対象が微弱な電流ではなく、ノイズ(noise)が生じにくいコンデンサの電圧変化であるため、ノイズに強い高精度な測定が可能だと考えられる。
特許文献2には、「安価にモータの絶縁劣化を予知できるモータ駆動装置を得る」ことを課題とし、「接地G2されたモータ10のハウジング、モータコイル、抵抗R1、抵抗R2、リレー接点K1、ダイオードD4,D5,D6、交流電源1、接地G1の閉回路をモータ駆動アンプ8が動作しないときに、リレー接点K1をオンして形成する。これにより、この閉回路には交流電源1の対地間電圧が印加される。モータ10の絶縁抵抗が高いときには、閉回路に流れ電流は小さく、抵抗R1による電位差は小さい。モータの絶縁が劣化すると、漏洩電流が増加し抵抗R1の電位差がツェナーダイオードで決まる基準電圧を越えると、比較機32から出力信号が出され、フォトカプラ35から信号が出力されて制御装置11の表示器に、絶縁抵抗低下を表示する。簡単で、安価にモータの絶縁劣化を予知し漏電等による突然の運転停止を防止できる」モータ駆動装置が開示されている。特許文献1に開示された技術では、工作機械のモータの絶縁抵抗を駆動する機器の側から測定している。
特開昭60−78359号公報 特開2005−16958号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の技術によれば、平滑コンデンサは電圧を安定化させるために設けられているものであり、その容量値は一般に非常に大きな値である。一方で、測定対象である絶縁抵抗の抵抗値も非常に大きな値である。そうすると、電圧変化の時定数τ=R×Cは、非常に長い時間になる。そのため、地絡のような小さい抵抗値は測定可能であるが、絶縁抵抗のように抵抗値が大きい場合には非常に長時間を要することになる、という問題があった。
また、通常、電気機器の停止時に放電するように、平滑コンデンサには並列に放電抵抗が設けられていることが多いが、この方法では放電抵抗よりも抵抗値がはるかに大きいため、絶縁抵抗の抵抗値を測定することができない、という問題があった。
また、予防保全の観点からは、電気機器自体の動作には問題を生じない程度の絶縁抵抗値のわずかな変化をも検知することを要し、例えば100MΩの高い絶縁抵抗でも、測定が可能であることを要する。
また、上記特許文献2に記載された従来の技術によれば、インバータ及びモータを停止した状態で、整流後のN母線とインバータ出力であるモータの巻き線とを、抵抗を介して接続し、N母線の電圧を測定用の抵抗器とモータの絶縁抵抗により分圧する。そのため、抵抗にかかっている電圧を測定することでモータの絶縁抵抗を測定することができるが、受電交流電源の接地方法によっては測定ができなくなるという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、負荷又は機器の対地又は筐体への絶縁抵抗を高精度に簡易な構成で検出又は測定することができる絶縁検出器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、交流電源と負荷との間に配され、前記交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路の後段に接続されて前記負荷を駆動するインバータと、を含む電気機器のP母線及びN母線のいずれか一方と、前記インバータと前記負荷とを接続する出力線との間にスイッチを介して接続される絶縁検出器であって、前記絶縁検出器は、検出抵抗と分圧抵抗とが直列に接続されて構成される抵抗器と、該抵抗器に並列接続されたコンデンサと、前記分圧抵抗で分圧された前記検出抵抗の電圧を検出することで前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定する電圧検出器とを備え、前記電圧検出器で測定された前記絶縁検出器の両端の電圧値から、前記負荷と対地又は筐体との間の絶縁抵抗を前記交流電源から分断されることなく検出し、前記絶縁検出器の片端がP母線及びN母線のいずれか一方に接続され、前記インバータの動作中には、前記絶縁検出器の他端が前記スイッチを介して前記P母線及びN母線の他方に接続され、前記インバータを停止して前記絶縁抵抗の検出を行うときには、前記スイッチを切り替えて前記絶縁検出器の他端を前記インバータの出力線に切り替える構成であることを特徴とする。
本発明によれば、負荷又は機器の対地又は筐体への絶縁抵抗を高精度に簡易な構成で検出又は測定することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態1にかかる電気機器におけるコンデンサと機器内コンデンサの電圧の変化を示す図 実施の形態2にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態3にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態4にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態5にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態5にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態6にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態7にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態8にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態9にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態10にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態10にかかる電気機器におけるコンデンサと平滑コンデンサの電圧と、測定電圧の変化を示す図 実施の形態10にかかる測定電圧の変化を示す図 実施の形態11にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態12にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態13にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態14にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態14にかかる電気機器における測定電圧の変化を示す図 実施の形態15にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態15にかかる絶縁抵抗測定について、その回路要素を単純に等価回路化して示す回路図 実施の形態18にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態19にかかる、直列接続された機器内コンデンサとコンデンサの電圧について、アンプを介して測定する態様を示す図 実施の形態20にかかる、直列接続された機器内コンデンサとコンデンサの電圧について、アンプを介して測定する態様を示す図 実施の形態21にかかる測定時の具体的なシーケンスを示す図 実施の形態22にかかる測定時の具体的なシーケンスを示す図 実施の形態23にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態23にかかる測定時の具体的なシーケンスを示す図 実施の形態24にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態24にかかる測定時の具体的なシーケンスを示す図 実施の形態25にかかる測定時の具体的なシーケンスを示す図 実施の形態26にかかる測定時の具体的なシーケンスを示す図 実施の形態27にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図 実施の形態28にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態28にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態28において、交流電源と、整流回路と、平滑コンデンサと、負荷が接続された構成の一例を示す図 実施の形態28において、交流電源と、整流回路と、平滑コンデンサと、負荷が接続された構成の一例を示す図 実施の形態28において、交流電源と、整流回路と、平滑コンデンサと、負荷が接続された構成の一例を示す図 実施の形態28にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態28における図34の回路構成の絶縁検出時の等価回路を示す図 実施の形態28における図40の等価回路における典型的な測定波形の一例である測定抵抗の両端の電圧波形の時間変化を示す図 実施の形態29にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態30にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態30における図43の回路構成の絶縁検出時の等価回路を示す図 実施の形態30における図44の等価回路における典型的な測定波形の一例である測定抵抗の両端の電圧波形の時間変化を示す図 実施の形態31にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態31にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態32において測定時間を短縮する方法を示す図 実施の形態33にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態35において、測定が可能な絶縁抵抗と、浮遊容量との関係を示す図 実施の形態36にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態37にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図 実施の形態37において、図52における測定抵抗の両端の電圧波形の時間変化を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる絶縁検出器及び電気機器を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態1の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。なお、図1では電気機器に絶縁検出器が備え付けられた構成としたが、本発明はこれに限定されず、絶縁検出器が電気機器に含まれていてもよい。図1では、系統電源10から電気機器20に電力が供給される。電気機器20においては、駆動回路がモータ24を駆動する。図1の構成は、電圧測定を機器内コンデンサの電圧と一緒に行う場合に特に適している。
系統電源10は、三相交流電源11を含み、三相交流電源11と電気機器20の間にはコンタクタ12が配されている。
電気機器20は、整流回路21、機器内コンデンサ22及びインバータ23を備える。電気機器20は、系統電源10のコンタクタ12を介して三相交流電源11から三相交流を受電し、受電した三相交流を整流回路21及び機器内コンデンサ22によって直流に変換する。この直流電圧はインバータ23によって交流電圧に変換され、変換された交流電圧によりモータ24が駆動される。なお、直流電圧のマイナス電位側の母線をN母線と呼び、プラス電位側の母線をP母線と呼ぶ。
絶縁検出器30は、コンデンサ31と、電流経路形成スイッチであるスイッチ32と、電圧検出部33と、制御部34と、出力部35と、を備える。絶縁検出器30は、電気機器20のN母線と対地または筐体との間の絶縁抵抗を測定する。ここで、絶縁検出器30内のコンデンサ31としては小容量コンデンサを用いる。なお、以下の説明において、機器内コンデンサではなく、単にコンデンサと呼ぶ場合には、コンデンサ31と同様に小容量コンデンサであるものとする。
なお、電圧検出部33はコンデンサ31の値を検出し、検出された値は制御部34に送られる。
コンデンサ31としては、機器内コンデンサ22よりも小さい容量値、例えば、機器内コンデンサ22の容量値の10%以下のコンデンサを用いる。コンデンサ31の一端はP母線に接続し、他端はスイッチ32を介して対地または筐体に接続する。コンデンサ31の容量値は、機器内コンデンサ22の容量値に比して、絶縁抵抗の測定において無視できるほど小さくすればよい。
計測を行わない通常の状態では、スイッチ32は開いている。計測を行う際には、まず電気機器20を停止させる。通常の状態には、電気機器20が負荷を駆動しているときを含む。
次に、電気機器20の電位、つまりP母線及びN母線の電位を不定にするために、電位を固定している部分を切り離す。具体的には、コンタクタ12を開く。すると、機器内コンデンサ22には機器内コンデンサ22に応じた電圧が蓄積された状態になる。この状態でスイッチ32を閉じる。すると、機器内コンデンサ22、コンデンサ31、スイッチ32、対地及び絶縁抵抗を含む電流経路が形成され、この電流経路内に電流が流れる。
機器内コンデンサ22の容量をC、コンデンサ31の容量をCとすると、直列合成容量C’は下記の式(1)で表される。
Figure 0006181769
ここで、一般に、機器内コンデンサ22の容量Cは電気機器20の大きさにもよるが1〜10mF程度とする。これに対して、コンデンサ31の容量Cを機器内コンデンサ22の容量Cの1000分の1以下とすると、コンデンサ31の容量Cと機器内コンデンサ22の容量Cの直列合成容量C’はCに近い値となる。最初に、機器内コンデンサ22に電圧Vで電荷が蓄積されていたとすると、絶縁抵抗の測定開始時、すなわち、スイッチ32が閉じて電流経路が形成されてから長い時間が経過すると、機器内コンデンサ22とコンデンサ31の電圧が等しくなり、その電圧Vは下記の式(2)で表される。
Figure 0006181769
機器内コンデンサ22の容量Cは大きいので、電圧Vは電圧Vに近い値となる。つまり、測定開始してからのコンデンサ31と機器内コンデンサ22のコンデンサの電圧の変化は図2のようになる。機器内コンデンサ22の容量Cは大きいので、機器内コンデンサ22の電圧はほとんど変化せず、電圧Vは電圧Vに近い値となる。一方で、コンデンサ31の電圧は電圧Vを目指して上昇する。コンデンサ31の電圧VCmの変化は下記の式(3)で表される。
Figure 0006181769
ここでτは電圧変化の時定数であり、この場合は合成容量C’と絶縁抵抗Rの積であり、下記の式(4)で表される。
Figure 0006181769
コンデンサ31の電圧波形は図2に示すように時定数τで上昇していくが、t=τとなったときの電圧をVとすると、電圧Vは下記の式(5)で表される。
Figure 0006181769
ここでeは自然対数の底である。つまり、電圧が電圧Vに達した時間を測定すると、その時間がτ=R×Cに等しくなる。この電圧の変化は上記の式(3)で表されるので、電圧Vに相当する電圧値は適宜選択すればよい。例えば、電圧Vを選択し、電圧が電圧Vに達した時間を測定すると、このときの時刻を表す測定開始時からの時間τ’は、下記の式(6)で表される。
Figure 0006181769
このようにして測定された時定数及びコンデンサ31の容量Cから、絶縁抵抗の抵抗Rを求めることができる。
機器内コンデンサ22には、通常、放電抵抗が並列に設けられているので時間が経過すると機器内コンデンサ22の電圧は下がってしまう。そのため、本発明の絶縁抵抗のτに代表される測定時間は、これよりも短く、機器内コンデンサ22の電圧が低下しない時間である必要がある。例えば、絶縁抵抗を機器内コンデンサ22に並列に設けられた放電抵抗の10倍以上とするには、コンデンサ31は機器内コンデンサ22の容量の10%以下とする必要がある。好ましくは、絶縁抵抗を機器内コンデンサ22の放電抵抗の1000倍以上とし、コンデンサ31は機器内コンデンサ22の容量の0.1%以下とする。
このような条件から、コンデンサ31の容量Cは、容量Cよりも小さくし、計測したいと考える絶縁抵抗の値Rに対して、上記の式(4)から時定数τの値を例えば数秒以下とするなど、現実的な測定時間とし、この測定時間を機器内コンデンサ22の放電時定数よりも短い時間とする。
制御部34は、上記のようにして絶縁抵抗を測定し、これを初期値または設定された許容値と比較して異常判定を行う。制御部34による判定の結果、異常であると判断された場合には、制御部34は異常信号を出力部35に送り、電気機器20の管理者が出力部35の出力結果を視認することにより絶縁抵抗が異常であるか否かを判定することができる。
ただし、本発明はこれに限定されず、制御部34及び出力部35は説明の便宜上図示したものであり、これらは必ず設けられていなければならないわけではない。
実施の形態2.
図3は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態2の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図3に示す絶縁検出器30は、図1に示す絶縁検出器30に対してコンデンサ31の位置とスイッチ32の位置を入れ換えたものであり、その他の構成は図1に示す絶縁検出器30とすべて同じである。
図1では、コンデンサ31の片端がP母線に接続され、コンデンサ31の他端がスイッチ32の片端に接続され、スイッチ32の他端は対地または筐体に接続されているが、図3では、スイッチ32の片端がP母線に接続され、スイッチ32の他端がコンデンサ31の片端に接続され、コンデンサ31の他端は対地または筐体に接続されている。このように図3に示す構成としても図1に示す構成と同様に絶縁抵抗の測定が可能である。
実施の形態3.
図4は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態3の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図4に示す電気機器20aは、機器内コンデンサ22と並列に接続された電池41を有する。すなわち、電気機器20aは、その構成に二次電池である電池を含み、電気機器20aとしては電気自動車を例示することができる。
このように図4に示す構成としても図1に示す構成と同様に絶縁抵抗の測定が可能であるが、図4に示す構成においては、機器内コンデンサ22の有無に関わらず、P母線とN母線の間の電圧は一定に維持されるため、上記の式(2)においてはV=Vとなり、式(1)においてはC’=Cとなる。
実施の形態4.
図5は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態4の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図5に示す絶縁検出器30は、図1に示す絶縁検出器30に対して、コンデンサ31の接続位置をN母線側に変えたものであり、その他の構成は図1に示す絶縁検出器30とすべて同じである。
図1では、コンデンサ31の片端がP母線に接続され、コンデンサ31の他端がスイッチ32の片端に接続され、スイッチ32の他端は対地または筐体に接続されているが、図5では、コンデンサ31の片端がN母線に接続され、コンデンサ31の他端がスイッチ32の片端に接続され、スイッチ32の他端は対地または筐体に接続されている。図1ではN母線と対地または筐体の間の絶縁抵抗を測定しているが、このように図5に示す構成とすると、P母線と対地または筐体の間の絶縁抵抗を測定することができる。
実施の形態5.
図6は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態5の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図6に示す電気機器20bは整流回路21を有さず、系統電源10に接続されておらず、機器内コンデンサ22と並列に接続された電池41を有する。モータ24は電池41の電力により駆動する。すなわち、電気機器20は、その構成に二次電池である電池を含み、電気機器20としては電気自動車を例示することができる。
図6に示す構成では、図1に示す系統電源10のように対地の電位を決める電源が接続されていないため、この状態のまま絶縁抵抗の検出が可能である。なお、図示していないが、図6においても図5と同様に、P母線と対地または筐体の間の絶縁抵抗を測定する構成としてもよい。
なお、図6に示す構成では、機器内コンデンサ22と並列に接続された電池41を有するが、本発明はこれに限定されない。機器内コンデンサ22に代えて電池が設けられた構成も本発明に含まれる。図7は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態5の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図7に示す電気機器20b1は整流回路を有さず、系統電源に接続されておらず、図6に示す電気機器20bから機器内コンデンサ22が除かれた構成である。図7に示す構成では、電池41が機器内コンデンサと同様に動作する。一般に電池41の容量はかなり大きく、図7に示す構成では、コンデンサ31の容量値が大きくても電池41の電圧は一定となり、計測は可能である。
実施の形態6.
図8は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態6の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図8に示す電気機器20cは整流回路21を有さず、太陽電池51と昇圧チョッパ回路52を有する。太陽電池51の電力が系統電源10aに出力される。すなわち、電気機器20cは、その構成に二次電池である太陽電池51を含み、電気機器20cとしてはパワーコンディショナーを例示することができる。
太陽電池51の出力は変動するので、これを昇圧チョッパ回路52によって定電圧に変換し、その後インバータ23によって交流に変換して系統電源10aに供給している。なお、電力を供給する対象は系統電源10aに限定されず、その他の電気機器、例えば、家庭内のその他の交流電気機器であってもよい。
図8の構成では、電気機器20cの駆動回路部分から太陽電池51の部分を切り離さず、矢印で示す電流経路を形成することで、太陽電池51の絶縁抵抗と同時に駆動回路の絶縁抵抗を測定することができる。
このように絶縁抵抗を測定するためには、実施の形態1〜5と同様に、この電流経路を対地から切り離すのであるが、これは、インバータ23によって系統電源10aから切り離すことで実現することができる。つまり、インバータ23が、図8に示すようにフルブリッジ型であれば、インバータ素子のすべてを開けばよい。
このように、インバータ23をフルブリッジ型にするとインバータ23によって系統電源10aから切り離すことで、図6と同様、この状態のまま絶縁抵抗の検出が可能である。
なお、インバータ23が系統電源10aから切り離されない構成、例えば、ハーフブリッジ型である場合には、図1と同様に、系統電源10aとインバータ23の間にコンタクタを設けるなどして絶縁可能な構成とすればよい。
実施の形態7.
図9は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態7の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。
図1〜7では、P母線またはN母線と、対地または筐体の間の絶縁抵抗を測定する構成としたが、図9では負荷の絶縁抵抗、すなわち、モータ24と対地または筐体の間の絶縁抵抗を測定する構成としている。
モータ24と対地または筐体の間の絶縁抵抗を測定するに際しては、まず、コンタクタ12を開いて系統電源10から電気機器20dを切り離す。
電気機器20dのP母線から、インバータ23内の直列接続された2つのインバータ素子のいずれかの間は、負荷側経路誘導スイッチであるスイッチ32aが設けられている。そして、スイッチ32aからモータ24を経て対地または筐体とスイッチ32の片端に接続されている。スイッチ32の他端はコンデンサ31の片端に接続され、コンデンサ31の他端はN母線に接続されている。
電気機器20dが停止している場合には、インバータ23の素子がすべてオフしているので、スイッチ32,32aを閉じて矢印にて示すように電流の経路を形成する。このように電流経路が形成されることで、電流はモータ24の絶縁抵抗を流れるが、図5と同様、P母線と対地または筐体との間の絶縁抵抗にも電流が流れるので、実際には並列接続されたこれら2つの抵抗に電流が流れることになる。従って、筐体の絶縁性が高ければ、この絶縁抵抗の計測値はモータ24の絶縁抵抗となる。
実施の形態8.
図10は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態8の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図10に示す構成では、図9のスイッチ32aをインバータ23のインバータ素子の1つで代用したものである。図10に示す構成とすることでスイッチ32aが不要となるため、図9に示す構成よりも簡略な構成とすることができる。
実施の形態9.
図11は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態9の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図10に示す絶縁検出器30では、コンデンサ31の片端が電気機器20のN母線に接続され、コンデンサ31の他端がスイッチ32の片端に接続され、スイッチ32の他端が対地または筐体に接続されているが、図11に示す絶縁検出器30では、コンデンサ31の片端が電気機器20のP母線に接続され、コンデンサ31の他端がスイッチ32の片端に接続され、スイッチ32の他端が対地または筐体に接続されている。図11に示す構成においても図10に示す構成と同様に、インバータ23のインバータ素子の1つをスイッチ32aの代用として用いている。なお、矢印にて示すように、図11に示す構成では図10に示す構成とは電流の流れる向きが逆である。
図10と図11のいずれの構成を採用するかは、モータ24の絶縁抵抗にダイオード特性がある場合またはあると想定される場合には、電流の向きを考慮して選択することを要する。
実施の形態10.
図12は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態10の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図10の構成では、電圧検出部33はコンデンサ31の電圧のみを検出するが、図12の構成では、電圧検出部33が直列接続された機器内コンデンサ22とコンデンサ31の電圧を検出している点が異なる。図12の構成では、測定電圧は機器内コンデンサ22とコンデンサ31の電圧の差である。
最初は機器内コンデンサ22に蓄積されていた電荷がコンデンサ31に移動するため、両者の電圧差はゼロに近づく。つまり測定電圧は、機器内コンデンサ22とコンデンサ31の電圧の差を初期値として、最終的にはゼロに近づく減衰曲線にて表される。そして、測定電圧の漸近値はゼロであり、機器内コンデンサ22の電圧の初期値に依存せず、仮にコンデンサ31に電荷が残留していても測定に影響はない。測定開始してからのコンデンサ31と機器内コンデンサ22のコンデンサの電圧と、測定電圧の変化は図13のようになる。
ここで、図2と同様に、機器内コンデンサ22の初期電圧を電圧Vとし、コンデンサ31の初期電圧を電圧Vとする。すると、機器内コンデンサ22の電圧とコンデンサ31の電圧が漸近する電圧V’は下記の式(7)で表される。
Figure 0006181769
ここで、電圧検出部33の測定電圧の初期値はV=V−Vである。そして、時間が経過すると機器内コンデンサ22の電圧とコンデンサ31の電圧は等しくなるため、測定電圧はゼロとなる。
図13における減衰の時定数は図2と同様であり、上記の式(4)と同じである。図13では、減衰曲線の漸近値が明確であるため、機器内コンデンサ22の電圧の初期値に依存しない時定数の測定が可能である。つまり、図14に示すように、測定電圧の減衰中である限りにおいて測定開始時を選択できることを意味する。この測定値は下記の式(8)で表される。
Figure 0006181769
ここで、電圧Vになったときの時刻τを時定数として測定する。このτが上記の式(4)で表されるとすると、電圧Vと電圧Vの関係は下記の式(9)で表される。
Figure 0006181769
ここで、eは自然対数の底である。上記の式(9)の関係では、電圧Vの基準を減衰開始から決まった時間経過後の電圧V42としてもよい。つまり、電圧V42になった時刻からτ経過後の電圧をV52とすると、電圧Vと電圧Vの関係は下記の式(10)で表される。
Figure 0006181769
つまり、測定電圧の減衰開始から決まった時間経過後における電圧V42を基準とし、または測定電圧が電圧V42となった時刻を基準とし、その電圧が電圧V52=V42/eになるまでの時間を測定することでτを測定できる。
このようにして、電圧測定を開始する時刻または電圧を決定することができる。従って、放電開始直後のように、電圧の変動が生じやすい期間を避けて測定を開始することができる。
また、上記の式(6)と同様に、決まった電圧に達するまでの時間を測定することによっても時定数τの測定は可能である。例えば、測定電圧が電圧Vから電圧Vまで減衰する時間は、上記の式(8)から下記の式(11)で表される。
Figure 0006181769
このようにして、測定により得られたτ’と測定電圧から、時定数τを算出することができる。
実施の形態11.
図15は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態11の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。実施の形態10では、機器内コンデンサ22及びコンデンサ31の初期電圧によらずに測定可能な構成について説明したが、実施の形態10の構成では、機器内コンデンサ22の初期電圧とコンデンサ31の初期電圧が等しい場合には電荷の移動が生じないため測定電圧の減衰が生じない。
また、機器内コンデンサ22の電圧よりもコンデンサ31の電圧のほうが高い場合には測定電圧が負の値となり、測定アルゴリズム上問題が生じうる。したがって、コンデンサ31の電圧は小さく、初期電圧はゼロであることが好ましい。
図15に示す構成では、コンデンサ31の放電抵抗が設けられている。コンデンサ31の放電抵抗は、コンデンサ31に並列に接続されている。ここで、コンデンサ31の電圧の変動を測定するため、コンデンサ31の放電抵抗に電流が流れてしまわぬよう、コンデンサ31の放電抵抗は、測定対象となる絶縁抵抗よりも抵抗値を大きくする。例えば、コンデンサ31の放電抵抗の放電時定数を機器内コンデンサ22の放電抵抗の放電時定数に近い値とすればよい。
ここで、機器内コンデンサ22の放電抵抗の抵抗値をRd0とすると、機器内コンデンサ22の放電時定数はC×Rd0である。コンデンサ31の放電抵抗の放電時定数を機器内コンデンサ22の放電抵抗の放電時定数と等しくすると、コンデンサ31の放電抵抗の抵抗値Rdmは下記の式(12)にて表される。
Figure 0006181769
本発明の測定時間は、機器内コンデンサ22の放電時定数よりも短いため、上記の式(12)を満たすようにコンデンサ31の放電抵抗が選ばれると、コンデンサ31の放電抵抗が測定に与える影響は小さいものとなる。
コンデンサ31の放電抵抗としてこのような放電抵抗が設けられると、コンデンサ31の両端の電圧を、絶縁抵抗の測定を行っておらず、スイッチ32が開いているときにはゼロに保つことができる。絶縁抵抗の測定を行った後、スイッチ32を開くと、先の放電抵抗の時定数でコンデンサ31の電圧が低下し、長い時間が経過した後にはコンデンサ31の電圧はゼロになる。
この状態では、電圧検出部33では機器内コンデンサ22の電圧のみを測定していることになる。つまり、絶縁抵抗の測定を行わないときには、電圧検出部33によって機器内コンデンサ22の両端の電圧であるP母線とN母線の間の電圧を測定することができる。このようにして、インバータ装置の制御に重要なP母線とN母線の間の電圧を得ることもできる。または、このP母線とN母線の電圧測定部と、絶縁抵抗の検出用の電圧測定部とを併用してもよい。
実施の形態12.
図16は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態12の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。実施の形態11の構成では、測定後にスイッチ32を開き、長い時間が経過しないとコンデンサ31の電圧がゼロにならず、測定アルゴリズム上問題が生じうる。
図16に示す構成は、コンデンサ31の放電を速やかに行うことが可能な構成である。図16に示す構成では、コンデンサ31の片端と対地または筐体との間に設けられたスイッチ32のみならず、コンデンサ31に並列に設けられた抵抗によりコンデンサ31の両端を短絡するためのスイッチ32bが設けられている。この抵抗は図15におけるコンデンサ31の放電抵抗とは異なり、その抵抗値は小さいものとし、例えば、絶縁抵抗の10%以下とし、コンデンサ31を短絡時にスイッチ32が損傷しない程度であればよい。測定シーケンス上では、検出用コンデンサであるコンデンサ31への絶縁抵抗を介した電流流入による電圧変化で時定数を測定するが、測定の合間に並列な放電抵抗のスイッチをオンにして検出用コンデンサの電圧をゼロにする必要がある。この作業は時定数の測定よりも短い時間で行うため、例えば1/10の時間で行うとすると、抵抗値も1/10以下とすることを要する。好ましくは、この作業を1/100の時間で行い、抵抗値を1%以下とする。コンデンサ31に並列に設けられた抵抗の抵抗値は、時定数の測定の合間に、コンデンサ31の電圧をゼロにするように放電することが可能な程度に小さい値とする。
絶縁抵抗の測定をしていないときにはスイッチ32bは閉じる。絶縁抵抗の測定時にはスイッチ32bを開き、スイッチ32を閉じ、コンデンサ31を含む電流経路を形成して絶縁抵抗を測定する。
実施の形態13.
図17は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態13の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図16においてスイッチ32とスイッチ32bの2つのスイッチにより実現していた動作を図17に示す構成では、スイッチ32cで実現することができる。
スイッチ32cは、絶縁抵抗の測定をしていないときにはコンデンサ31とコンデンサ31に並列に設けられた抵抗を接続し、測定開始時にはコンデンサ31と絶縁抵抗を含む電流経路を形成して絶縁抵抗を測定する。図17に示す構成とすることで、構成の簡略化が可能である。
実施の形態14.
図18は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態14の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図18に示す構成では、負荷であるモータ24と対地の間に浮遊容量Cが追加されている。ここでは、最も支配的である、モータ24の絶縁抵抗と並列な浮遊容量Cを図示している。また、インバータ23内のインバータ素子により代用されているスイッチ32dが存在する。
スイッチ32bを開いてコンデンサ31を短絡する抵抗を切り離した状態でスイッチ32及びスイッチ32dを閉じて電流経路を形成すると、電流が絶縁抵抗Rを流れる前に浮遊容量Cを流れる。換言すると、機器内コンデンサ22の電圧が、コンデンサ31と浮遊容量Cで分圧する。
仮に浮遊容量Cが存在しないとすると、測定開始時において機器内コンデンサ22の電圧はすべて絶縁抵抗Rに印加されるのであるが、図18に示すように浮遊容量Cが存在すると、電圧が分圧されて一部の電圧がコンデンサ31に印加されてしまうことになる。分圧後のコンデンサ31の初期電圧VCm0は下記の式(13)で表される。
Figure 0006181769
電圧Vは機器内コンデンサ22の初期電圧である。ここで、上記の式(13)では、機器内コンデンサ22の容量Cが、直列接続されたコンデンサ31の容量Cと浮遊容量Cの合成容量よりも大きいとした近似を用いている。このことを測定波形で表すと図19のように表される。測定波形つまり機器内コンデンサ22とコンデンサ31の電圧の差は、最初にコンデンサ31が上記の式(13)まで充電されてしまうために、測定開始直後にV−VCm0まで低下する。その後、絶縁抵抗Rxを流れる電流により電圧の減衰が生じる。つまり、図19に示すように測定電圧は、まず初期に急激な電圧の低下が生じ、その後時定数τにより減衰することになるため2段階となる。
もし、浮遊容量Cが、コンデンサ31の容量Cと概ね等しいかそれ以上である場合には、上記の式(13)によりVCm0が大きいため、初期の電圧の低下が非常に大きくなる。すると、時定数τによる減衰の部分の波形を測定することが困難になる。これを回避するためには、スイッチ32とスイッチ32bがオンするタイミングを制御する。
まず、絶縁抵抗Rの測定に入る前には、スイッチ32bは閉じ、スイッチ32,32dは開いている。測定開始時には、スイッチ32b,32,32dはすべて閉じる。すると、まず、浮遊容量Cが機器内コンデンサ22の電圧でVに近い値まで充電される。浮遊容量Cが電圧Vまで充電された後、スイッチ32bを開くと、絶縁抵抗Rを流れる電流がコンデンサ31に電荷を蓄積し、測定電圧の減衰が観測される。
このようにして、浮遊容量Cの電圧をVとし、コンデンサ31の電圧を0とする状態にすることが可能であるため、測定電圧としてVから減衰する波形が得られる。なお、このようにスイッチ32とスイッチ32bがオンするタイミングを制御する際には、両者を別々に設ける必要がある。
実施の形態15.
図20は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態15の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図20に示す構成では、図18に示す構成に対して、コンデンサ31と並列に設けられた抵抗とスイッチ32bの間にヒューズ36が設けられている。
図18に示す構成では、スイッチ32とスイッチ32bが同時に閉じる時間があり、このときにはN母線は、コンデンサ31と並列に設けられた低抵抗な抵抗によって地絡しているので電源が投入されると電気機器20が地絡してしまう。図20に示すようにヒューズ36が設けられると、電気機器20内の回路は保護される。
実施の形態16.
本実施の形態では、浮遊容量及びその他の浮遊成分が計測に与える影響について説明する。図21は、上記説明した本発明の絶縁抵抗測定について、その回路要素を単純に等価回路化して示す回路図である。
上記実施の形態では、機器内コンデンサ22の電圧が絶縁抵抗Rを介してコンデンサ31に流れ込み、これらが直列接続されたものとして説明している。しかしながら、図21に示すように、実際には、図18にも示した浮遊容量Cと、さらには計測系のインピーダンスRと、を有する。
浮遊容量Cは、実施の形態14にて説明したように、支配的な成分はモータ24の絶縁抵抗Rに並列に存在する、と仮定している。例えば、モータ24の巻線とその筐体の間の容量が浮遊容量Cに相当する。インバータ23を含む電気機器20の駆動回路と対地または筐体との間の容量も同様の回路定数にて表すことが可能である。
計測系のインピーダンスは、電圧測定に必要なインピーダンスである。電圧計及びオシロスコープのプローブのインピーダンスは通常の測定では問題にならないほど高く設定されているが、測定対象たる絶縁抵抗の抵抗値も高いので、計測系のインピーダンスの影響は大きい。このように、浮遊容量Cと計測系のインピーダンスRを考慮すると、図21に示す回路の放電時定数は、下記の式(14)により表される。
Figure 0006181769
つまり、電圧変化から時定数τを測定し、コンデンサ31の容量Cと機器内コンデンサ22の容量Cが既知であっても、絶縁抵抗Rを知るためには、浮遊容量Cと計測系のインピーダンスRを明らかにしなければならない。計測系のインピーダンスRは、検出回路の設計時に概ね決まる値であるが、浮遊容量Cは電気機器の構成及びケーブルの状態、場合によっては劣化の具合によっても変化しうる値である。そのため、絶縁抵抗Rの正確な測定のためには、浮遊容量Cも同時に測定することを要する。
実施の形態17.
本実施の形態では、浮遊容量Cの測定方法について説明する。浮遊容量Cの測定には、図19に示す波形が得られるときの急激な電圧低下を利用することができる。図19によると、測定電圧は電圧VからV−VCm0に低下している。VCm0は上記の式(13)で表されるので、これにより浮遊容量Cを測定することができる。つまり、図19の初期の急激な電圧低下時に浮遊容量Cを測定し、その後の減衰波形で時定数τを測定し、浮遊容量Cと時定数τにより上記の式(14)を用いて絶縁抵抗Rを測定することができる。
実施の形態18.
図22は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態18の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図22に示す構成では、コンデンサ31に代えて、並列接続されたコンデンサ31aとコンデンサ31bを有し、これをスイッチ32eにより切り替え可能な構成としている。その他の構成は図18と同様である。
コンデンサ31aの容量をCm1とし、コンデンサ31bの容量をCm2とし、上記の式(1)に従って、これらと機器内コンデンサ22との合成容量をそれぞれCm1’,Cm2’とする。コンデンサ31aとコンデンサ31bを用いて、電圧変化の減衰時の時定数の測定をそれぞれ行い、結果得られた時定数τを、τa、τbとする。つまり、下記の式(15),(16)が成り立つ。
Figure 0006181769
Figure 0006181769
上記の式(15)から式(16)を引くと、下記の式(17),(18)が得られる。
Figure 0006181769
Figure 0006181769
つまり、2つのコンデンサで時定数の測定を2回行うことで、浮遊容量をキャンセルして絶縁抵抗の値を正確に求めることが可能になる。2つのコンデンサは容量の異なるものを切り替えてもかまわないし、容量が異なり、または等しいものを用意して、並列に接続する個数を変えることで容量を変化させてもよい。
また、ここでは2種類のコンデンサ容量を用いるとしたが、測定を増やすことで測定精度は向上できる。3種類以上の容量のコンデンサで、3回以上の測定を行ってもよい。
本実施の形態にて説明したように、浮遊容量の影響をも考慮して、高い精度で絶縁抵抗の抵抗値を測定することができる。
実施の形態19.
本実施の形態では、計測系のインピーダンスRについて説明する。図23は、図12の構成において、直列接続された機器内コンデンサ22とコンデンサ31の電圧について、アンプを介して測定する態様を示す図である。図23に示すアンプは絶縁アンプであるが、これは主回路の電位とは異なる電位のコンデンサの電圧を制御系の電位に変換するためである。ただし、アンプは絶縁アンプに限定されず、通常のオペアンプを用いてもよいし、ノイズを除去するための計装アンプまたは差動アンプを用いてもよいし、これらを組み合わせてもよい。
ここで、図23に示すアンプの入力インピーダンスをRとする。この場合、例えばオペアンプの入力インピーダンスは高いものが多いが、絶縁アンプの入力インピーダンスはそれほど高くなく、例えば使用状況、温度、素子ばらつきによって変化しうる。
しかしながら、上記の式(14)に示すように、計測系のインピーダンスRは測定対象である絶縁抵抗Rよりも高いことが望ましく、少なくとも絶縁抵抗Rに比べて極端に低いと、測定精度が極めて悪くなる。また、計測系のインピーダンスRが変動した場合、そのばらつきは計測結果に直接影響する。
従って、このような計測系のインピーダンスの変動を許容し、高い測定精度を得るために、図23では計測用のアンプの入力に並列に抵抗Rを設けている。このとき、計測系のインピーダンスRは、下記の式(19)で与えられる。
Figure 0006181769
ここで、抵抗Rはアンプの入力インピーダンスRよりも小さく、Rが変動してもRとRの並列合成抵抗の値があまり変化しないように設定する。一方で、計測系のインピーダンスRは、測定する絶縁抵抗Rと比べてあまり小さい値とするわけにはいかないので、入力インピーダンスRの大きなアンプを用いる必要がある。電圧を受ける最初の素子としては、入力インピーダンスの大きな計装アンプを用いることが望ましい。
実施の形態20.
図24は、図23の変形例を示す。実施の形態19にて説明した構成において、測定された電圧を分圧すると、入力インピーダンスを高くすることができる。
電気機器20は、モータ24を駆動するため、PN母線間には数百V程度の電圧が印加されており、通常のアンプで受けるためには測定時に分圧することを要する。図24では、測定したい部分の電圧を抵抗Rd1と抵抗Rd2の直列で受けて、抵抗Rd2に並列に測定用の入力インピーダンスRのアンプを接続する。このときの計測系のインピーダンスRは、下記の式(20)で与えられる。
Figure 0006181769
つまり、抵抗Rd1,Rd2の選び方で計測系のインピーダンスRを大きくすることが可能である。ただし、実施の形態19と同様に、入力インピーダンスRが変動することを想定して、Rd2はRよりも小さい値、例えば、計測系のインピーダンスRと比して10%以下に設定する。これを考慮しても、分圧比(Rd2/(Rd1+Rd2))を大きくすれば、計測系のインピーダンスRを大きくすることは可能である。仮に、計測系のインピーダンスRが温度変化などによって2倍に変化したときでも検出値の変動を5%以下に抑えるには、計測系に並列に、計測系のインピーダンスの10%以下の抵抗を設けるとよい。このように、抵抗Rd2は、計測系のインピーダンスRが温度変化などによって変化したときの検出値の変動を無視可能なほど、入力インピーダンスRよりも小さくする。
実施の形態21.
本実施の形態では、具体的な測定シーケンスについて説明する。図25は、実施の形態18における図22の構成でコンデンサを2つ用意して浮遊容量の補正を行うに際して、測定時の具体的なシーケンスを示す図である。
通常の動作状態では、コンタクタ12がオンし、スイッチ32bがオンしている。測定時には、まず測定に先立って、スイッチ32eをコンデンサ31a側に接続しておく。次に、電気機器20全体を系統電源10から切り離して不定電位にするために、コンタクタ12をオフする。次に、実施の形態14にて説明したように、スイッチ32bを閉じたまま、スイッチ32とスイッチ32dを閉じる。その後スイッチ32bを開くと測定電圧が低下し始める。その後、適切な電圧のタイミングで時定数τ1の測定を行う。時定数τ1の測定が完了した後にスイッチ32とスイッチ32dを開く。これで、電流経路が遮断される。
次に、スイッチ32bを閉じると、コンデンサ31aが短絡されて電圧がゼロになり、測定電圧が元に戻る。次に、2回目の時定数の測定を行う。スイッチ32eを切り替えてコンデンサ31b側に接続して、コンデンサの容量を変える。その後スイッチ32,32dを閉じ、スイッチ32bを開いて再度時定数の測定を開始し、時定数τ2を得る。
1回目の測定である程度の電流が流れているので1回目と2回目の間で機器内コンデンサ22の電圧は初期値Vから少し低下しているが、一般に機器内コンデンサ22は容量が大きいので、電圧の低下はわずかである。また、実施の形態10にて説明した方法を採用すると、電圧の初期値が計測に及ぼす影響は小さい。従って、本実施の形態にて説明したように、2回以上の測定を連続して行ってもよい。
実施の形態22.
図26は、実施の形態21にて説明した方法とは異なる方法であって、実施の形態18における図22の構成でコンデンサを2つ用意して浮遊容量の補正を行うに際して、測定時の具体的なシーケンスを示す図である。
実施の形態21と同様に、測定時には、まず測定に先立って、スイッチ32eをコンデンサ31a側に接続し、コンタクタ12をオフし、スイッチ32とスイッチ32dを閉じる。スイッチ32bを開くと測定電圧が低下し始める。その後、適切な電圧のタイミングで時定数τ1の測定を行う。
時定数τ1の測定が完了した後にスイッチ32,32b,32dをそのままの状態としてスイッチ32eをコンデンサ31b側に接続する。すると、そのときの電圧を初期値として、異なる時定数の電圧が減衰を始める。この時定数を測定して、τ2を得る。
実施の形態10の測定によれば時定数の測定は電圧の初期値によらないので、電圧Vと、V/eの間の時定数を測定すれば時定数τ=R×Cが求まる。このように2段階の減衰を用いた測定も可能である。
本実施の形態によって、測定時間の短縮とシーケンスの簡略化を行うことができる。一方で、電圧のダイナミックレンジが狭くなるため、測定精度や計測の方法に配慮する必要がある。その場合、時定数τの測定電圧についてもより自由度があると設計が容易になる。例えば、上記の式(9)によれば、電圧Vから、V=V/eに低下するまでの時間がτ=R×Cであるが、上記の式(11)に示すように、決まった電圧までの時間を測定しても、τは測定可能である。測定精度及び測定にかかる時間を考慮して、決まった電圧で時定数の測定を行い、その後演算によって時定数τを求めればよい。
実施の形態23.
絶縁抵抗としては、図1に示す電気機器20の駆動回路自体と筐体との間の抵抗と、図9に示すモータ24と筐体の間の抵抗が考えられるが、測定のシーケンスを活用すると、これらの抵抗値をそれぞれ求めることができる。
図27は、本発明にかかる絶縁検出器の実施の形態23の構成と、該絶縁検出器が備え付けられた電気機器の一例を示す図である。図28は、図27におけるスイッチングのシーケンスを示す図である。なお、図27では、コンデンサ31を1つとし、並列な抵抗は省略している。図27に示す構成では、電気機器20の駆動回路部分のP母線と対地または筐体との間に絶縁抵抗Rが存在する。
まず、コンタクタ12をオフし、スイッチ32を閉じて絶縁抵抗を含む直列回路を構成するが、このときスイッチ32を閉じたままの状態とすると、駆動回路の絶縁抵抗Rに電流が流れる。この状態でスイッチ32bを閉じて計測を開始する。測定される時定数τdから求まる抵抗値は、負荷の絶縁抵抗を含まない、駆動回路と筐体との間の抵抗である。
次に、一旦スイッチ32bを閉じてコンデンサ31の電圧を放電し、測定電圧をVに戻して、再度、スイッチ32とスイッチ32dを閉じて、スイッチ32bを開いて測定を開始すると、今度はスイッチ32dに負荷の絶縁抵抗Rを通る経路で電流が流れる。ただし、このとき絶縁抵抗Rは接続された状態のままであるため、正確には絶縁抵抗Rと絶縁抵抗Rの並列抵抗が測定される。なお、上記した他の実施の形態では、絶縁抵抗Rは大きく、考慮していない。測定された時定数τxは、RとRとの並列合成抵抗を表す。
1回目の測定で絶縁抵抗Rが求まるため、2回の測定によって絶縁抵抗Rと絶縁抵抗Rを個別に測定することができる。ここでは簡単のためにコンデンサ31を一種類しか記載していないが、実際には正確な測定を行うためには浮遊容量を補正する必要があるため、コンデンサ31を2つ以上設けて、2回ずつ計4回以上の測定を行うとよい。
実施の形態24.
図29は、図27の変形例を示す。図29は、単一の受電回路と、受電回路、整流回路と機器内コンデンサ22、その他により構成される整流回路部分に、複数のインバータが並列に接続され、それぞれのインバータが別々のモータを駆動しており、複数のモータ24a,24b,24cを駆動する例を示す。この場合には、機器内コンデンサ22に設けられた単一の絶縁抵抗検出機構で、それぞれのモータの絶縁抵抗を測定できることを示す。
図30は、図29におけるスイッチングのシーケンスを示す図である。スイッチ及び測定のシーケンスを図30に示す。まず、コンタクタ12をオフし、スイッチ32を閉じる。ここで、図30では最初に駆動回路の絶縁抵抗Rを計測するようになっている。このためインバータ側のスイッチ32c1,32c2,32c3は動作させず、開いたまま、スイッチ32を開いて測定を開始する。測定によって時定数τdが測定できたら、一旦スイッチ32を閉じて電圧をVに戻す。このときスイッチ32は図30に示すように閉じたままの状態でもよいし、図25に示すように測定していない間は開いていてもよい。
次に、モータ24aの絶縁抵抗Rxaを測定する。モータに流れる電流経路を構成するためにスイッチ32c1を閉じる。そして、スイッチ32を開いて測定を開始し、時定数τaを測定する。この測定では、モータ24aの絶縁抵抗Rxaと、回路の絶縁抵抗Rの並列抵抗の値が得られる。このようにして、順次スイッチ32c2,32c3を閉じて電圧変化の時定数を測定していき、各モータの絶縁抵抗Rxb,Rxcを測定することができる。
なお、ここでは、回路の絶縁抵抗Rを測定しているが、モータ24a,24b,24cの抵抗に比べて絶縁抵抗Rが大きく、絶縁抵抗Rの測定が不要であることが明らかな場合には絶縁抵抗Rの測定を行わなくてもよい。
実施の形態25.
図31は、図29に示すように複数のインバータとモータで構成されている場合の検出シーケンスの他の一例である。図30に示すように動作させると、多数のモータがある場合にはかなり長い測定時間が必要である。このため、毎回の測定ごとにコンデンサ31を放電させず、電圧が低下していく途中で電流経路を切り替えることで複数の測定を一度に終わらせることが可能である。つまり、最初はスイッチ32c1を閉じて絶縁抵抗Rxaの測定を行い、その後スイッチ32c1を開き、スイッチ32c2を閉じて絶縁抵抗Rxbの測定を行う。狭い電圧変化で測定を行うことになるため、測定精度が悪くなる可能性があるが、短い時間で測定をすることが可能になる。
実施の形態26.
図32は、図29に示す構成のさらに別の測定シーケンスを示している。測定時に、スイッチ32c1,32c2,32c3の3つのスイッチを同時に閉じている。図32に示す測定を行うことで、絶縁抵抗Rxa,Rxb,Rxc及びRのそれぞれの値は測定できないが、これらの並列合成抵抗の値、つまり装置全体の絶縁抵抗を、短時間で簡便な方法で測定できる。
図32に示す測定は、装置全体としての絶縁抵抗の監視に適している。例えば、通常の定期的な絶縁抵抗の測定では、図32に示す測定を行って、装置全体として問題がないか否かを確認し、結果として装置全体としての抵抗値が小さく、装置のいずれかの部分の絶縁に問題があることが判明した場合に、例えば図30に示すようなシーケンスで個々の絶縁抵抗を診断して、問題のある箇所を明確にする、という運用が考えられる。つまり、定期的な絶縁抵抗の監視と、問題発生時の問題箇所の分析を、異なるシーケンスを併用することで的確に行うことができる。
実施の形態27.
図33は、図23に対して、測定された絶縁抵抗の値を長時間記録して管理する管理部60を追加した構成を示す図である。制御部34と出力部35の詳細な構成を示す図であるともいえる。
絶縁抵抗は環境、例えば温湿度によってばらつき、経年劣化は非常に長い時間で進むので、毎回の診断結果を外部のコントローラ(数値制御コントローラであるNC(Numerical Control)コントローラまたは上位コントローラ)に通知して長時間の変化を監視することで、より正確で誤動作の少ない診断が可能になる。
測定された値はA/D変換部61によってデジタルデータに変換された後、マイコン62に入力され、演算後、絶縁抵抗の測定値を得る。このように得られた測定値を図示しないモニタに表示し、この測定値が設定値以上になると、例えば警告メッセージを表示し、または警告音を鳴らすことで報知する構成とすればよい。
さらには、図33に示すように、絶縁抵抗の測定値を数値制御コントローラであるNCコントローラまたはさらに上位のコントローラであるコントローラ63に送信し、測定値をメモリ66に蓄積していく構成とするとよい。
絶縁抵抗の測定値は、正常動作時には極めて高く、測定誤差によって大きく変動しうる。そのため、長時間の変動を監視することで、負荷の絶縁抵抗の長期間の劣化を観測し、信頼性の高い判定を行うことができる。
そして、さらに、図33に示すように、温度計64または湿度計65を設け、これらの測定データも同時に関連付けして記録していき傾向を把握可能な構成とすると、さらに精度が高く、信頼性の高い診断を行うことが可能となる。
実施の形態28.
図34は、本発明の実施の形態28にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図34に示す電気機器111は、三相交流電源110と負荷であるモータ112との間に配されて三相交流電源110からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路113と、整流回路113の後段に接続されて負荷であるモータ112を駆動するインバータ115と、整流回路113とインバータ115の間に並列接続された平滑コンデンサ114とを備える。モータ112は、電気機器111により駆動され、対地の浮遊容量116及び絶縁抵抗117を含む。なお、図34ではモータ112が電気機器111に接続される構成としたが、本発明はこれに限定されず、モータ112が電気機器111に含まれる構成であってもよい。
図34に示す電気機器111は、整流回路113と平滑コンデンサ114によって変換した直流電圧をインバータ115によって交流波形に変換することでモータ112を駆動する。絶縁検出器120は、負荷であるモータ112の絶縁抵抗117と分圧するための分圧抵抗124と、分圧抵抗124に印加された電圧を検出する検出抵抗123と、検出抵抗123の電圧を測定する電圧検出器121と、分圧抵抗124及び検出抵抗123に並列に設けられた測定コンデンサ126とを備える。測定抵抗125は、検出抵抗123と分圧抵抗124が直列に接続された構成である。すなわち、絶縁検出器120は、測定抵抗125及び測定コンデンサ126を並列に接続した構成であり、測定抵抗125は、検出抵抗123及び分圧抵抗124を直列に接続した構成である。
検出抵抗123は、分圧抵抗124に比較して小さく、分圧抵抗124は、印加された電圧を測定対象である絶縁抵抗117と分圧するものである。検出抵抗123は、分圧された電圧の一部を、例えばオペアンプに適した電圧に変換する。絶縁検出器120の片端は、インバータ115の出力線、すなわちモータ112の巻線に接続され、他端は、インバータ115のN母線119にスイッチ122を介して接続されている。
図35は、図34において検出回路120を接続するためのスイッチ122を設けていない場合である。図35の構成においては、モータ動作中にはモータ112に電圧が印加されるので検出回路120aには微弱電流が常時流れることになる。この微弱電流を抑えるためには、分圧抵抗124は十分に抵抗値の大きいものであることを要する。また、並列に接続された測定コンデンサ126も比較的容量の小さいものであることを要する。図35の構成においては、モータが停止し、インバータの素子が全てオフすると、計測動作を開始する。インバータがオフすると、図41に示すものと同様に、電圧は、定常値である漸近電圧値Vaに向かって漸近する。この漸近電圧値Vaを測定すると、モータの絶縁抵抗を計測することができる。図35の構成においては、モータの動作中には測定コンデンサ126に電流が流れ続けるため測定コンデンサ126を大容量なものとすることができず、測定範囲が限られる。しかしながら、スイッチを設ける必要がないため簡便な構成とすることができる。なお、このようにスイッチを設けない構成とすることは、以下に示す他の絶縁検出器または該絶縁検出器が備え付けられた電気機器においても同様に可能である。
図36,37,38は、交流電源と、整流回路と、平滑コンデンサと、負荷が接続された構成の一例と、平滑コンデンサの両端、すなわちP母線及びN母線の対地での電圧変化を示す図である。図36に示す構成では、受電した三相交流が整流回路により三相全波整流されて、整流された出力を平滑コンデンサで平滑し、負荷に印加している。ここで、図36の三相交流電源はY結線であり、その中性点が接地されている。図36においては、P母線及びN母線の電圧が交流電源の周波数の3倍の周波数で変化しているが、P側では比較的変動幅の狭い正の電圧が維持され、N側では負の電圧が維持される。
図37の三相交流電源はV結線であり、三相交流の一つの相が接地されている。図37に示すように、V結線の場合には、P母線は平均すると正の電圧であり、N母線は平均すると負の電圧であるが、電圧がゼロになる時間が存在する。すなわち、V結線ではP母線及びN母線にかかる電圧波形はいずれもパルス波形である。そして、図36に示す構成ではP母線及びN母線の電圧波形の変化の周波数は受電の交流周波数の3倍であるが、図37に示す構成ではP母線及びN母線の電圧波形の変化の周波数は、受電の交流周波数の1倍である。
図38の交流電源は単相である。図38に示すように、単相交流では一方の相が接地されている場合が多いが、図38においてもV結線の場合と同じく、P母線及びN母線の電圧波形はゼロになる時間を有するパルス波形である。図38に示す構成においても、P母線及びN母線の電圧波形の変化の周波数は、受電周波数の1倍である。
このようなパルス波形が印加されると、負荷が単純な抵抗であればそのままパルス波形が分圧されて計測される。しかしながら、負荷が装置である場合、例えば負荷がモータである場合には、対地の容量成分を有することが多い。すると、この容量成分にパルスが充放電を繰り返すことになり、抵抗分圧による絶縁抵抗の測定ができなくなる。
そこで、図34の構成においては、測定コンデンサ126によって、このような回路構成で生じていた問題を解決することができる。
なお、図34では絶縁検出器120が電気機器111に外部接続される構成としたが、本発明はこれに限定されず、絶縁検出器120が電気機器111に含まれる構成であってもよい。
次に、図34に示す構成の動作について説明する。モータ112の動作中には絶縁検出器120は動作せず、スイッチ122はオフさせている。絶縁検出を行うときには、まずインバータ115の動作を停止することでモータ112を停止して、スイッチ122をオンにする。三相交流電源110は、接続された状態であるため、N母線119には図36,37,38に示すような電圧波形の電圧が印加される。N母線119には、平均的には対地に対して負の電圧がかかっていると考えてよい。従って、スイッチ122をオンにするとN母線119と対地との間に測定抵抗125と絶縁抵抗117が直列接続された状態となり、2つの抵抗によりN母線119の電圧が分圧される。N母線119に一定の直流電圧がかかっているとすると、直流電圧はこれらの抵抗によって分圧され、検出抵抗123にも一定の直流電圧が現れる。そのため、検出抵抗123の電圧を検出してN母線119の電圧と比較すると、絶縁抵抗117の抵抗値を知ることができる。
図39は、本発明の実施の形態28にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図39に示す構成は、図34に示す構成の変形例である。図34ではN母線119側に絶縁検出器120が接続されているが、図39ではP母線118側に絶縁検出器120が接続されている。
図39に示す構成では測定コンデンサ126が設けられているため、スイッチ122をオンにした直後の変化が、測定コンデンサ126が設けられていない場合の構成とは異なる。すなわち、スイッチ122をオンにした瞬間には、測定抵抗125及び絶縁抵抗117には電流が流れず、直流電圧は、まず測定コンデンサ126と浮遊容量116に分圧され、少し上昇し、その後緩やかに漸近電圧値に近づく。
図40は、図34の回路構成の絶縁検出時の等価回路を示す図である。N母線には、対地を基準とする負の直流成分V及び交流変動成分が等価的に印加されている。負の直流成分Vの値は、整流後の直流電圧の値、すなわち平滑コンデンサ114に印加されている電圧値V01の半分であり、下記の式(21)にて表される。
Figure 0006181769
N母線と対地との間には、絶縁抵抗R及び測定抵抗Rが直列に接続されている。絶縁抵抗Rには並列に浮遊容量Cが存在し、測定抵抗Rには並列に測定コンデンサCが設けられている。なお、図40に示す絶縁抵抗Rは図34の絶縁抵抗117に相当し、測定抵抗Rは図34の測定抵抗125に相当し、浮遊容量Cは図34の浮遊容量116に相当し、測定コンデンサCは図34の測定コンデンサ126に相当し、スイッチはスイッチ122に相当する。
図41は、図40の等価回路における典型的な測定波形の一例である測定抵抗Rの両端の電圧波形の時間変化を示す図である。ここで、電圧Vは、検出抵抗Rの両端で検出された電圧から分圧抵抗Rを用いて表される測定抵抗R=R+Rの両端の電圧である。なお、検出抵抗Rは図34の検出抵抗123に相当し、分圧抵抗Rは図34の分圧抵抗124に相当する。分圧抵抗Rの値は既知であるので、検出抵抗Rの値を検出すると測定抵抗Rの両端の値を測定することができる。
まず、スイッチを入れる前に、測定コンデンサCの両端の電圧がゼロになるように放電させる。そして、スイッチをオンすると、絶縁抵抗R及び測定抵抗Rの抵抗値が比較的大きいため、スイッチをオンした瞬間には、電圧Vは測定コンデンサCと浮遊容量Cとで分圧されて電圧値Vまで上昇する。測定コンデンサC及び浮遊容量Cの初期電圧がゼロであるとすると、電圧値Vは下記の式(22)で表される。
Figure 0006181769
次に、電圧Vは、回路の抵抗成分と容量成分の値に従って、ある時定数τで緩やかに変化して、抵抗の分圧で決まる漸近電圧値Vに近づく。ここで、印加されている電圧は、負の直流成分Vのみならず交流変動成分を含んでいるので、電圧波形には図41に示すように、細線で示す交流変動成分及び太線で示す緩やかに漸近電圧値Vに近づく成分が存在する。ここで、この交流変動成分を除去して図41の太線の変化にのみ着目する。漸近電圧値Vは、下記の式(23)で表される。
Figure 0006181769
負の直流成分V及び測定抵抗Rは既知の値であるので、絶縁抵抗Rは、漸近電圧値Vを用いて下記の式(24)にて表される。
Figure 0006181769
図41に示す電圧Vが電圧値Vから漸近電圧値Vに変化するまでの曲線を表す電圧Vの関数V(t)は、図40の等価回路では、単一時定数の指数関数的な減衰曲線となり、下記の式(25)で表される。
Figure 0006181769
ここで、時定数τは下記の式(26)で表される。
Figure 0006181769
上記の式(26)によれば、V>Vの場合には上昇する曲線となり、V>Vの場合には下降する曲線となる。
測定では、交流変動成分を除去して図41の太線のみを検出しつつ漸近電圧値Vを求める。そのためには、絶縁検出器120にフィルタ回路を設け、又は交流波形を数値的に平均処理すればよい。ここで、フィルタ回路には、高周波成分を除去するローパスフィルタ又は電源周波数のみを除去するノッチフィルタを例示することができる。
次に、交流変動成分によって測定ができなくなる問題について説明する。交流成分の振幅が大きく、瞬間的に測定抵抗Rにゼロ又は負の電圧が印加されると、図34の回路におけるインバータ115の下アームの還流ダイオードがオンしてしまう。このような経路で電流が流れた場合には、電圧変化の平均値の漸近点が、絶縁抵抗Rと測定抵抗Rとの分圧で正確に表されず、絶縁抵抗117の検出ができなくなる。すなわち、測定を可能とするためには、交流変動成分も含めた電圧がゼロ以上であることを要し、そのため、測定コンデンサ126が設けられていない回路構成では、N母線の電位が変化した場合に、測定ができなくなる。
上述したように、図34に示す構成と測定コンデンサ126が設けられていない場合の構成との違いは、測定コンデンサ126の有無にあり、測定コンデンサ126によって交流変動成分の振幅が変化する。ここで、簡単のために交流変動成分の周波数fにおける測定コンデンサC及び浮遊容量Cのインピーダンスが、測定抵抗R及び絶縁抵抗Rよりも小さく、下記の式(27)が成立するとする。
Figure 0006181769
なお、交流変動成分の周波数fは、図36の構成では受電周波数の3倍であり、図37,38の構成では受電周波数の1倍である。
測定コンデンサ126が設けられていない構成では、測定コンデンサCが存在しないため、N母線の交流成分は、小さいインピーダンスである浮遊容量Cと大きいインピーダンスである測定抵抗Rとにより分圧され、測定抵抗Rの両端には元の変動の振幅と同様の振幅の交流変動が発生するため、絶縁抵抗117を測定することが困難である。
一方、図34の場合には、N母線の交流変動成分は2つのコンデンサのみを流れるため、この2つのコンデンサの容量比で分圧される。すなわち、測定コンデンサCと浮遊容量Cとを同じ程度の値とすると、測定コンデンサCの両端にはN母線の交流変動成分の半分の電圧が印加される。従って、絶縁検出器120の両端に現れる交流変動成分が小さくなり、絶縁抵抗117の測定が可能になる。
実施の形態29.
図42は、本発明の実施の形態29にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図42に示す電気機器111は、図34に示す電気機器111と同じである。図42に示す絶縁検出器120Aは、図34に示す絶縁検出器120に電流制限抵抗127が追加された構成であり、その他の構成は図34に示す絶縁検出器120と同じである。
電流制限抵抗127は、測定抵抗125及び測定コンデンサ126と、インバータ115の出力線に接続される片端との間に直列接続されている。絶縁検出を開始する際にスイッチ122をオンにすると、実施の形態28の図41と同様に、電圧Vが電圧値Vまで上昇する。これは、実施の形態28の図40に示す等価回路において測定コンデンサC及び浮遊容量Cに急峻な電流が流れ込むためであるが、過度に急峻な電流が流れ込むと素子を損なうおそれがある。そこで、図42に示すように電流制限抵抗127を設けると、測定コンデンサC及び浮遊容量Cに流れ込む電流のピーク値を抑えて回路を保護し、ノイズを抑えることができる。電流制限抵抗127は、絶縁抵抗117及び分圧抵抗124と比較して低抵抗であることが望ましい。
実施の形態30.
図43は、本発明の実施の形態30にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図43に示す電気機器111は、図34に示す電気機器111と同じである。図43に示す絶縁検出器120Bは、図34に示す絶縁検出器120からスイッチ122が除去され、スイッチ128が追加された構成である。図34に示す絶縁検出器120の片端は、インバータ115の出力線すなわちモータ112の巻線に接続され、他端はインバータ115のN母線119にスイッチ122を介して接続されており、スイッチ122をオフすることで電気機器111から切り離される構成であるが、図43に示す絶縁検出器120Bの片端は、インバータ115の出力線すなわちモータ112の巻線と、P母線118とにスイッチ128を介して接続されており、他端はインバータ115のN母線119に接続されている。図43に示す絶縁検出器120Bは、スイッチ128を切り替えると、絶縁検出器120Bの片端の接続先をインバータ115の出力線とP母線118との間で切り替えることが可能な構成である。
まず、インバータ115が動作し、モータ112が動いている状態では、スイッチ128はP母線118側に接続されている。この状態では絶縁検出器120BはPN母線間に接続され、PN母線間の電圧を測定することができる。すなわち、図43に示す絶縁検出器120Bは、インバータ115の動作時、すなわち絶縁検出を行わないときには、インバータ115のPN母線間の電圧の検出機構として兼用することができる。そのため、図43に示す絶縁検出器120Bは、例えばインバータ115の制御のためにPN母線間の電圧をモニタしておく必要がある場合に有用である。
インバータ115を停止して絶縁検出を行うときには、スイッチ128の接続先をP母線118からインバータ115の出力線へと切り替えればよい。スイッチ128の接続先をインバータ115の出力線とすると、測定波形は異なるものの、回路構成は図34に示す絶縁検出器120のスイッチ122をオンした場合と同様である。
図44は、図43の回路構成の絶縁検出時の等価回路を示す図である。図45は、図44の等価回路における典型的な測定波形の一例である測定抵抗Rの両端の電圧波形の時間変化を示す図である。図45の縦軸は、図41と同様に、検出された検出抵抗Rの電圧から測定された測定抵抗Rの両端の電圧Vである。
まず、測定前にはスイッチがP母線118側に接続されており、PN母線間の電圧値V01が検出される。ここで、スイッチがインバータ115の出力線側に切り替わり、絶縁検出を開始すると、電圧Vはまず電圧値Vまで低下する。これは、負の直流成分Vが測定コンデンサCと浮遊容量Cとに分圧されて、電圧値V01に充電されていた測定コンデンサCの電圧が一部放電するためであり、切り替え前の浮遊容量Cの電圧がゼロとすると、電圧値Vは下記の式(28)で表される。
Figure 0006181769
電圧Vは電圧値Vまで低下した後、指数関数的に減衰しつつ漸近電圧値Vに近づいていく。漸近電圧値Vは、下記の式(29)で表される。
Figure 0006181769
電圧Vが電圧値Vから漸近電圧値Vに変化するまでの減衰曲線は、下記の式(30)で表される。
Figure 0006181769
上記の式(29)は実施の形態28の式(23)と同じである。また、上記の式(30)が表す減衰曲線は実施の形態28の式(25)が表す減衰曲線と異なり下降する。これは、出発点の電圧値VがV=V01/2より大きく、到達点である漸近電圧値Vは負の直流成分Vより小さいため、V>Vとなるからである。また、減衰の時定数τは、下記の式(31)で表される。
Figure 0006181769
以上説明したように、図43に示す絶縁検出器120Bは、インバータ115の動作時、すなわち絶縁検出を行わないときには、インバータ115のPN母線間の電圧の検出機構として兼用することができる。そのため、回路の簡素化及び低コスト化が可能である。また、上述のように、本方式では下記の式(32)が成り立つため電圧Vが下降して漸近電圧値Vに到達する。
Figure 0006181769
なお、電圧Vは、平均すると単調に減衰するものの、印加されている電圧は負の直流成分Vと交流成分とを足し合わせたものであるため、図45に示すように測定電圧の波形は、あくまで減衰する成分と交流成分の足し合せである。実施の形態28にて述べたように、測定を可能とするためには、交流変動成分も含めた電圧がゼロ以上であることを要する。そのため、電圧Vが図41に示すように上昇するよりも、図45に示すように下降するほうが、より広範囲での測定が可能である。
実施の形態31.
図46は、本発明の実施の形態31にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図46に示す電気機器111は、図34に示す電気機器111と同じである。図46に示す構成は、図43に示す構成の変形例である。図43ではN母線119側に絶縁検出器120Bが接続されているが、図46ではP母線118側に絶縁検出器120Bが接続されている。図46に示す絶縁検出器120Bでは、図43に示す絶縁検出器120Bと同様の計測が可能である。
図47は、本発明の実施の形態31にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図47に示す電気機器111は、図34に示す電気機器111と同じである。図47に示す絶縁検出器120Cは、図46に示す絶縁検出器120Bに電流制限抵抗127が追加された構成であり、その他の構成は図34に示す絶縁検出器120と同じである。
図47に示す絶縁検出器120Cでは、図43に示す絶縁検出器120Bと同様の計測が可能であるのみならず、電流制限抵抗127により、測定コンデンサC及び浮遊容量Cに流れ込む電流のピーク値を抑えて回路を保護し、ノイズを抑えることができる。
電流制限抵抗127は、絶縁抵抗117及び分圧抵抗124と比較して低抵抗であることが望ましい。図47に示す絶縁検出器120Cでは、図42に示す絶縁検出器120Aと同様に検出開始時におけるコンデンサへの突入電流を抑えることができる。
実施の形態32.
本実施の形態32では、実施の形態28〜31において、絶縁検出器で検出する電圧が過渡的な状態で絶縁抵抗の値を推定する方法について説明する。
例えば、図34に示す絶縁検出器120において、計測する絶縁抵抗117の抵抗値を大きくするためには、測定抵抗125の抵抗値も大きくする必要がある。また、交流変動の振幅を抑えるためには、測定コンデンサCの容量値も大きくしなければならない。この結果、電圧Vの変化する時定数τが非常に大きくなるおそれがある。すなわち、この検出方式では、漸近電圧値Vから絶縁抵抗117の抵抗値を求めるため、電圧Vの低周波成分が一定になるまで測定が完了せず、測定時間が非常に長くなってしまうという問題がある。
図48は、測定時間を短縮する方法を示す図である。交流変動成分を除いた電圧変化の低周波成分は、上記の式(30)で表される。ここで、上記の式(30)で表される曲線の時刻t,t,tにおいて、同じ時間間隔Δt=t−t,t−tで3回の電圧測定を行い、それぞれの時刻t,t,tにおける電圧値Vt1,Vt2,Vt3を得ると、上記の式(30)は指数関数であるため、電圧値Vt1,Vt2,Vt3と、指数関数の漸近電圧値Vとの間には、下記の式(33)の関係がある。
Figure 0006181769
上記の式(33)を解くと、漸近電圧値Vは下記の式(34)で表される。
Figure 0006181769
このように、電圧Vが漸近電圧値Vに漸近するまで待たずとも、過渡的に変化している状態で電圧Vを3点測定すれば漸近電圧値Vを求めることができる。そのため、測定時間を短縮することができる。
なお、電圧Vの測定は3点以上行えばよい。また、上記の説明では計測する3点の時間間隔を揃えているが、測定する時間間隔は揃えなくてもよい。しかしながら、測定する時間間隔を等しくすると、上記の式(34)に示すように簡略な式で漸近電圧値Vを導出することが可能である。
また、電圧Vの波形には交流変動成分が含まれるため、ある時刻の電圧を測定するためには工夫が必要である。交流変動の周波数は、商用電源周波数である50Hz若しくは60Hz又は図36に示す構成では、その3倍の150Hz又は180Hzと考えられるので、いずれの周波数であっても波形が整数周期含まれる0.1秒の範囲で電圧波形を平均化することが容易であるが、0.1秒間における電圧Vの変動が大きいため、正確な測定ができないおそれがある。そのため、より短い時間で測定することが望ましい。例えば、交流変動の周波数を別途測定し、該交流変動の一周期の範囲で波形を平均化する方法を例示することができる。
実施の形態33.
本実施の形態33では、浮遊容量Cの容量値を求める方法について説明する。図40又は図44に示す等価回路において、回路両端が交流変動する場合には、測定コンデンサCの両端の電圧の交流成分の振幅から浮遊容量Cの容量値を求めることができる。簡単のために、交流変動成分の周波数fにおける測定コンデンサC及び浮遊容量Cのインピーダンスが、測定抵抗R及び絶縁抵抗Rよりも小さく、上記の式(27)が成立する場合を考える。その場合には、交流変動成分は浮遊容量C及び測定コンデンサCのみで分圧されることになるので、N母線の交流成分の振幅Vacと、検出される測定コンデンサCの両端の交流成分の振幅Vdacには、下記の式(35)が成立する。
Figure 0006181769
この式から、振幅Vacを既知として振幅Vdacを測定すると、浮遊容量Cを求めることができる。従って、振幅Vacを既知とする必要がある。
図49は、本発明の実施の形態33にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図49に示す電気機器111は、図34に示す電気機器111と同じである。図49に示す絶縁検出器120Dは、図43に示す絶縁検出器120Bにスイッチ129が追加された構成であり、その他の構成は図43に示す絶縁検出器120Bと同じである。
図49に示す絶縁検出器120Dの片端は、インバータ115の出力線、すなわちモータ112の巻線と、P母線118とにスイッチ128及びスイッチ129を介して接続されており、他端はインバータ115のN母線119に接続されている。図49に示す絶縁検出器120Dは、スイッチ128を切り替えると、絶縁検出器120Dの片端の接続先をインバータ115の出力線とP母線118との間で切り替えることが可能な構成であり、また、スイッチ129を切り替えると、測定抵抗125の接続先をスイッチ128と対地との間で切り替えることが可能な構成である。スイッチ129を対地に接続すると、絶縁検出器120DでN母線119の電圧を直接測定することができる。
ところで、このような特別な構成であるスイッチ129を設けることなく実現する方法には、交流変動の周波数を測定する方法が挙げられる。商用電源周波数は50Hz又は60Hzである。1次側の結線方法が図36,37,38のいずれかであると考えると、交流変動の周波数f=50Hz又は60Hzの場合には、図39に示すY結線であり、交流変動成分の周波数f=150Hz又は180Hzの場合には、図40又は図41のV結線又は単相であるとしてよい。なお、Y結線には、Δ結線でその相電圧の中点が接地されている場合も含む。V結線又は単相であって、負荷に電流が流れず、整流回路における電圧降下がゼロである場合には、N母線119又はP母線118の電圧変動は0ボルトから√2×Vrmsボルトであるので、交流変動の振幅Vacは下記の式(36)にて示される。
Figure 0006181769
ここで、Vrmsは、交流電源の線間電圧の実効値である。一方、図36のように中性点接地のY結線の場合におけるN母線又はP母線の電圧変動を考える。V結線又は単相の場合と同様に、負荷が高インピーダンスで電流が流れず、整流回路における電圧降下がゼロであるとする。まず、P母線118の電位の最大値又はN母線119の電位の最小値は、受電電圧の相電圧の最大値Vとなり、下記の式(37)で表される。
Figure 0006181769
一方、PN母線間の電圧は、負荷が高インピーダンスであることから、一定の電圧値V01に固定されている。
Figure 0006181769
従って、P母線118が最大値Vに達するときN母線119の電位はV−V01となり、N母線119が最小値−VであるときP母線118の電位はV01−Vとなる。従って、交流変動の振幅Vacは下記の式(39)にて表される。
Figure 0006181769
つまり、交流変動の周波数を測定すると、N母線119の交流変動幅、すなわち振幅Vacの値を予測することができ、測定コンデンサCの両端の交流変動の振幅Vdacと合わせて、上記の式(35)から、浮遊容量Cを求めることができる。
実施の形態34.
本実施の形態34では、浮遊容量Cの容量値を求める他の方法について説明する。図34の構成における図41の電圧値V及び図43の構成における図45の電圧値Vは、それぞれ上記の式(22),(28)に示すように、浮遊容量Cに依存する。測定コンデンサCの容量値及び負の直流成分Vの値は既知であるため、電圧値Vの値を測定すると、浮遊容量Cの容量値を知ることができる。
ここで、図34における浮遊容量C及び測定コンデンサC並びに図43の構成における浮遊容量Cの初期電荷量はゼロとする。なお、図43の構成では、測定コンデンサCの初期電荷量はV01である。例えば、浮遊容量Cをゼロにするためには、インバータ115を停止してから絶縁抵抗117の検出を開始するまでに、浮遊容量Cの電荷が放電されるようC×Rよりも長い時間放置して、浮遊容量Cの電荷を放電させる。測定コンデンサCについても同様に、浮遊容量Cの電荷が放電されるようC×Rよりも長い時間放置してから計測を開始すればよい。
実施の形態35.
本実施の形態35では、測定した浮遊容量Cの絶縁検出への利用方法について説明する。上述したように、電圧Vの変化は図41又は図45に示す曲線で表され、その変化の時定数τは式(26)又は式(31)で表される。従って、この時定数τを測定し、浮遊容量Cが既知であれば、絶縁抵抗Rを求めることが可能である。また、本検出方法で測定できる絶縁抵抗Rの抵抗値の限界は、浮遊容量Cに強く依存する。
図50は、本検出方法によって測定が可能な絶縁抵抗Rと、浮遊容量Cとの関係を示す図である。図50に示すように、浮遊容量Cが大きくなると、測定可能な絶縁抵抗Rの上限が低くなる。このため浮遊容量Cから、そのときに測定可能な絶縁抵抗Rの限界値又は測定精度を推定することができる。すなわち、浮遊容量Cにより、測定された抵抗値の信頼性を判断することができる。測定された抵抗値の信頼性は、検出された値をどのように取り扱うか判断する際に参考となる。
実施の形態36.
図51は、本発明の実施の形態36にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図51に示す電気機器111Aは、整流回路113と、平滑コンデンサ114と、インバータ115,115a,115bとを備える。インバータ115,115a,115bは、図34に示すインバータ115と同じであり、これらは並列接続されている。インバータ115は浮遊容量116及び絶縁抵抗117を有するモータ112に接続され、インバータ115aは浮遊容量116a及び絶縁抵抗117aを有するモータ112aに接続され、インバータ115bは浮遊容量116b及び絶縁抵抗117bを有するモータ112bに接続されている。モータ112,112a,112bは、図34に示すモータ112と同じである。
図51に示す絶縁検出器120Cは、図47に示す絶縁検出器120Cと同じである。図51に示す絶縁検出器120Cは、一つの絶縁検出器でインバータ115,115a,115b及びモータ112,112a,112bの検出を行うことが可能である。図51に示す絶縁検出器120Cは、スイッチ128を切り替えると、絶縁検出器120Cの片端の接続先をインバータ115の出力線とP母線118との間で切り替えることが可能な構成である。なお、絶縁検出器120Cの片端とインバータ115,115a,115bの出力線との間にはスイッチ130が配されており、スイッチ130は絶縁検出器120Cの片端と、インバータ115,115a,115bの各々の出力線とを接続するか否かを切り替えることが可能な構成である。絶縁検出器120Cが有する電圧検出器121は、A/D変換器140及びマイコン150に接続されている。
計測は、基本的には図43の構成又は図47の構成と同様に、絶縁検出器120CがP母線118に接続された状態からインバータ115,115a,115bの各々の出力線に接続された状態に切り替えて、モータ112,112a,112bの各々の絶縁抵抗117,117a,117bを検出し、一つのモータについての測定が終了するたびに一旦P母線118に接続して測定コンデンサ126にPN母線間の電圧を蓄積し、次のモータに接続を切り替えて検出する作業をインバータとモータの個数だけ繰り返すことにより行えばよい。
ただし、3つあるモータ112,112a,112bについて1つずつ検出を行うと時間がかかる。そこで、測定時間を短縮するには、3つのモータ112,112a,112bを全部接続して同時に検出を行うことが考えられる。すなわち、P母線118から絶縁検出器120Cを切り離した後に、3つのインバータ115,115a,115bの出力にスイッチ128を接続し、スイッチ130を全てオンにして3つのモータ112,112a,112bの絶縁抵抗117,117a,117bが並列に接続された状態で検出を行う。このとき、検出される抵抗値は、3つのモータ112,112a,112bの絶縁抵抗117,117a,117bの並列接続の抵抗値である。
通常、モータ112,112a,112bの絶縁抵抗117,117a,117bが高ければ、並列接続の抵抗値も高くなり、正常であることが確認できる。一方、モータ112,112a,112bの絶縁抵抗117,117a,117bのいずれかの抵抗値が異常に低い場合には、全体の抵抗値も低く検出されるため、絶縁抵抗117,117a,117bのいずれかの抵抗値が異常に低いことを判別することができる。異常状態が検出された場合には、モータ112,112a,112bの各々を個別に測定することで、抵抗値が異常に低くなっているモータ112,112a,112bを判別することができる。この方法であれば、正常時には短い時間で検出が終了し、異常時には個別に検出を行うことで、絶縁抵抗の抵抗値が異常に低いモータを判別することができる。
実施の形態37.
図52は、本発明の実施の形態37にかかる絶縁検出器の構成と、該絶縁検出器が接続された電気機器の構成の一例を示す図である。図52に示す電気機器111Aは、図51に示す電気機器111Aと同じである。図52に示す絶縁検出器120C,120Ca,120Cbは、図51に示す絶縁検出器120Cと同じである。すなわち、絶縁検出器120Cは、モータ112の絶縁抵抗117と分圧するための分圧抵抗124と、分圧抵抗124に印加された電圧を検出する検出抵抗123と、検出抵抗123の電圧を測定する電圧検出器121と、分圧抵抗124及び検出抵抗123に並列に設けられた測定コンデンサ126と、電流制限抵抗127と、スイッチ128とを備え、測定抵抗125は、検出抵抗123と分圧抵抗124が直列に接続された構成である。同様に、絶縁検出器120Caは、分圧抵抗124aと、検出抵抗123aと、電圧検出器121aと、測定コンデンサ126aと、電流制限抵抗127aと、スイッチ128aとを備え、測定抵抗125aは、検出抵抗123aと分圧抵抗124aが直列に接続された構成であり、絶縁検出器120Cbは、分圧抵抗124bと、検出抵抗123bと、電圧検出器121bと、測定コンデンサ126bと、電流制限抵抗127bと、スイッチ128bとを備え、測定抵抗125bは、検出抵抗123bと分圧抵抗124bが直列に接続された構成である。絶縁検出器120Cは、インバータ115及びモータ112の検出を行うことが可能であり、絶縁検出器120Caは、インバータ115a及びモータ112aの検出を行うことが可能であり、絶縁検出器120Cbは、インバータ115b及びモータ112bの検出を行うことが可能である。
絶縁検出器120C,120Ca,120Cbの各々が有する電圧検出器121,121a,121bの各々は、スイッチ160を介してA/D変換器140及びマイコン150に接続されている。スイッチ160を切り替えることで、A/D変換器140及びマイコン150の接続先の電圧検出器を切り替えることができる。図52に示す構成では、図51に示す構成と同様の計測が可能であるが、3つの計測を同時に行うことも可能である。
図53は、図52における測定抵抗125,125a,125bの両端の電圧Vを示す図である。例えば、曲線170は、測定抵抗125の両端の電圧Vを示し、曲線171は、測定抵抗125aの両端の電圧Vを示し、曲線172は、測定抵抗125bの両端の電圧Vを示す。すなわち、実施の形態32で述べたように、漸近電圧値Vを求めるためには、電圧が過渡的に変化する領域において、同じ時間間隔で3点の電圧を測定すればよい。
従って、絶縁検出器120C,120Ca,120Cbによる検出を同時に行ってもよい。すなわち、図53に示すように、時間間隔Δtで曲線170の電圧の検出を行いつつ、時間間隔Δtで曲線171の電圧の検出を行うとともに、時間間隔Δtで曲線172の電圧の検出を行ってもよい。本実施の形態に示すように、図52の構成では、測定時間を短縮することができる。
実施の形態38.
実施の形態28〜37にて説明した絶縁抵抗の抵抗値は、様々な要因、例えば温度又は湿度によっても変化する。また、絶縁抵抗の劣化は、非常に長時間かけて進行する現象である。このため、絶縁抵抗の劣化の正確な判定には、ある瞬間における抵抗値の測定結果を用いるのではなく、測定された結果を長時間蓄積して、蓄積した測定結果から傾向を読み取って判定すべきである。
このような蓄積された測定結果を管理する方法の1つは、複数回の診断結果を外部の例えばコントローラに通知して長時間の変化を監視することである。なお、外部のコントローラには、数値制御コントローラであるNCコントローラ及び上位コントローラを例示することができる。このように長時間の変化を監視することによって、より正確で誤判定の少ない診断が可能になる。また、温度又は湿度を測定する機構をモータ内に設けて、絶縁抵抗の検出値との相関を取ってデータを処理すると、より正確に傾向を読み取ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10,10a 系統電源、11 三相交流電源、12 コンタクタ、20,20a,20b,20b1,20c,20d 電気機器、21 整流回路、22 機器内コンデンサ、23 インバータ、24 モータ、30 絶縁検出器、31,31a,31b コンデンサ、32,32a,32b,32c,32c1,32c2,32c3 スイッチ、33 電圧検出部、34 制御部、35 出力部、41 電池、51 太陽電池、52 昇圧チョッパ回路、60 管理部、61 A/D変換部、62 マイコン、63 コントローラ、64 温度計、65 湿度計、66 メモリ、110 三相交流電源、111,111A 電気機器、112,112a,112b モータ、113 整流回路、114 平滑コンデンサ、115,115a,115b インバータ、116,116a,116b 浮遊容量、117,117a,117b 絶縁抵抗、118 P母線、119 N母線、120,120a,120A,120B,120C,120Ca,120Cb,120D 絶縁検出器、121,121a,121b 電圧検出器、122,128,128a,128b,129,160 スイッチ、123,123a,123b 検出抵抗、124,124a,124b 分圧抵抗、125,125a,125b 測定抵抗、126,126a,126b 測定コンデンサ、127,127a,127b 電流制限抵抗、130 コンタクタ、140 A/D変換器、150 マイコン、170,171,172 曲線。

Claims (6)

  1. 交流電源と負荷との間に配され、前記交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路の後段に接続されて前記負荷を駆動するインバータと、を含む電気機器のP母線及びN母線のいずれか一方と、前記インバータと前記負荷とを接続する出力線との間にスイッチを介して接続される絶縁検出器であって、
    前記絶縁検出器は、
    検出抵抗と分圧抵抗とが直列に接続されて構成される抵抗器と、
    該抵抗器に並列接続されたコンデンサと、
    前記分圧抵抗で分圧された前記検出抵抗の電圧を検出することで前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定する電圧検出器とを備え、
    前記電圧検出器で測定された前記絶縁検出器の両端の電圧値から、前記負荷と対地又は筐体との間の絶縁抵抗を前記交流電源から分断されることなく検出し、
    前記絶縁検出器の片端がP母線及びN母線のいずれか一方に接続され、
    前記インバータの動作中には、前記絶縁検出器の他端が前記スイッチを介して前記P母線及びN母線の他方に接続され、
    前記インバータを停止して前記絶縁抵抗の検出を行うときには、前記スイッチを切り替えて前記絶縁検出器の他端を前記インバータの出力線に切り替える構成であることを特徴とする絶縁検出器。
  2. 交流電源と負荷との間に配され、前記交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路の後段に接続されて前記負荷を駆動するインバータと、を含む電気機器のP母線及びN母線のいずれか一方と、前記インバータと前記負荷とを接続する出力線との間に接続される絶縁検出器であって、
    前記絶縁検出器は、
    検出抵抗と分圧抵抗とが直列に接続されて構成される抵抗器と、
    該抵抗器に並列接続されたコンデンサと、
    前記分圧抵抗で分圧された前記検出抵抗の電圧を検出することで前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定する電圧検出器とを備え、
    前記電圧検出器で測定された前記絶縁検出器の両端の電圧値から、前記負荷と対地又は筐体との間の絶縁抵抗を前記交流電源から分断されることなく検出し、
    前記絶縁検出器の両端の電圧が過渡的に変化している状態において3回以上測定した前記絶縁検出器の両端の電圧値と、前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定した時刻間の時間間隔とにより前記絶縁抵抗の値を推定することを特徴とする絶縁検出器。
  3. 交流電源と負荷との間に配され、前記交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路の後段に接続されて前記負荷を駆動するインバータと、を含む電気機器のP母線及びN母線のいずれか一方と、前記インバータと前記負荷とを接続する出力線との間にスイッチを介して接続される絶縁検出器であって、
    前記絶縁検出器は、
    検出抵抗と分圧抵抗とが直列に接続されて構成される抵抗器と、
    該抵抗器に並列接続されたコンデンサと、
    前記分圧抵抗で分圧された前記検出抵抗の電圧を検出することで前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定する電圧検出器とを備え、
    前記電圧検出器で測定された前記絶縁検出器の両端の電圧値から、前記負荷と対地又は筐体との間の絶縁抵抗を前記交流電源から分断されることなく検出し、
    前記絶縁検出器の両端の電圧が過渡的に変化している状態において3回以上測定した前記絶縁検出器の両端の電圧値と、前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定した時刻間の時間間隔とにより前記絶縁抵抗の値を推定することを特徴とする絶縁検出器。
  4. 交流電源と負荷との間に配され、前記交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路の後段に接続されて前記負荷を駆動するインバータと、を含む電気機器のP母線及びN母線のいずれか一方と、前記インバータと前記負荷とを接続する出力線との間に接続される絶縁検出器であって、
    前記絶縁検出器は、
    検出抵抗と分圧抵抗とが直列に接続されて構成される抵抗器と、
    該抵抗器に並列接続されたコンデンサと、
    前記分圧抵抗で分圧された前記検出抵抗の電圧を検出することで前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定する電圧検出器とを備え、
    前記電圧検出器で測定された前記絶縁検出器の両端の電圧値から、前記負荷と対地又は筐体との間の絶縁抵抗を前記交流電源から分断されることなく検出し、
    前記絶縁検出器の両端の電圧の交流変動成分の振幅から前記負荷の浮遊容量を推定することを特徴とする絶縁検出器。
  5. 交流電源と負荷との間に配され、前記交流電源からの交流電圧を直流電圧に変換する整流回路と、前記整流回路の後段に接続されて前記負荷を駆動するインバータと、を含む電気機器のP母線及びN母線のいずれか一方と、前記インバータと前記負荷とを接続する出力線との間にスイッチを介して接続される絶縁検出器であって、
    前記絶縁検出器は、
    検出抵抗と分圧抵抗とが直列に接続されて構成される抵抗器と、
    該抵抗器に並列接続されたコンデンサと、
    前記分圧抵抗で分圧された前記検出抵抗の電圧を検出することで前記絶縁検出器の両端の電圧値を測定する電圧検出器とを備え、
    前記電圧検出器で測定された前記絶縁検出器の両端の電圧値から、前記負荷と対地又は筐体との間の絶縁抵抗を前記交流電源から分断されることなく検出し、
    前記絶縁検出器の両端の電圧の交流変動成分の振幅から前記負荷の浮遊容量を推定することを特徴とする絶縁検出器。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の絶縁検出器を含むことを特徴とする電気機器。
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