JP6176846B2 - 貼付剤または貼付製剤用の支持体ならびにそれを用いた貼付剤および貼付製剤 - Google Patents

貼付剤または貼付製剤用の支持体ならびにそれを用いた貼付剤および貼付製剤 Download PDF

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Description

本発明は、投錨性に優れた貼付剤および貼付製剤に関する。
近年、皮膚面を通して薬物を生体内へ投与するための貼付製剤として、粘着剤を用いたテープ剤などが種々開発されている。貼付製剤から薬物を効果的に皮膚面に放出させ、しかも皮膚内に吸収させるには、粘着剤中の薬物濃度をある程度高める必要がある。しかし、薬物濃度を高めることによって粘着剤中で薬物が過飽和状態あるいは結晶状態となり、粘着剤の支持体への投錨性が低下し、貼付製剤を皮膚から除去する際に、粘着剤が皮膚面上に残るという問題が生じる。
このような問題に対して、不織布や織布などを積層した支持体上に粘着剤層を形成して粘着剤の支持体への投錨性を向上させ、粘着剤の糊残りを防止した貼付剤が提案されている(特許文献1)。しかしながら、該貼付剤は粘着剤層が不織布や織布の凹凸を十分にカバーできる厚みを有する場合は問題を生じないが、薬物の利用率を考慮して薬物を含有する粘着剤層を薄くしたときには、粘着剤層が不織布や織布の凹凸をカバーしきれず、皮膚への接着性が低下したり、逆に皮膚への糊残りが生じやすくなったりするという問題がある。
特許文献2には、イソシアネート系化合物を支持体表面への下塗り剤として用いて粘着剤層の支持体への投錨性を向上させる技術が提案されている。しかしながら、イソシアネート系化合物はポットライフが極めて短いために水分の遮断や反応温度を低温制御するなどの手段を必要とすることから、操作が極めて煩雑となる。さらに、イソシアネート系化合物は反応性が高いので、粘着剤や薬物の種類によっては粘着剤と架橋反応などを起こして粘着物性を変化させたり、薬物と分解反応を起こしたりすることもあり、その使用においては十分な注意が必要である。
特許文献3には、平均粒子径が100nm以下の微粒子を含有するプライマー組成物を支持体表面に塗布し、その上に粘着剤層を形成することにより、粘着剤層の支持体への投錨性を向上させることが提案されている。しかしながら、同文献では、プライマー組成物のハンドリング性が悪く、液中での分散性にも問題があり、貼付製剤の投錨性に関しては、さらなる向上が求められている。
特開平2−212419号公報 特開平5−310559号公報 特開2000−327955号公報
本発明は上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、接着性、粘着性、凝集力などの粘着物性に悪影響を与えることなく、粘着剤層の支持体への投錨性を向上させた貼付剤または貼付製剤を提供することにある。
本発明によれば、貼付剤または貼付製剤用の支持体が提供される。該支持体は、プラスチックフィルムを含む基材と、該基材上に積層された下塗り剤層とを備え、該下塗り層が、平均粒子径が1μm〜15μmである多孔質無機粒子を含む。
好ましい実施形態においては、上記多孔質無機粒子の細孔容積が0.5ml/g〜2.5ml/gである。
好ましい実施形態においては、上記下塗り剤層の目付量が、0.1g/m〜10g/mである。
好ましい実施形態においては、上記多孔質無機粒子が、多孔質シリカ粒子である。
好ましい実施形態においては、上記基材が、ポリオレフィン系樹脂フィルムを含む。
好ましい実施形態においては、上記下塗り剤層が、バインダー樹脂をさらに含む。
本発明の別の局面によれば、貼付剤が提供される。該貼付剤は、上記支持体と、その片面に該下塗り剤層と隣接するように配置された粘着剤層とを備える。
本発明のさらに別の局面によれば、貼付製剤が提供される。該貼付製剤は、上記貼付剤において、粘着剤層がさらに薬物を含んでなる。
本発明によれば、支持体の粘着剤層が設けられる側の面に所定の平均粒子径を有する多孔質無機粒子を含む下塗り剤層を設けて凹凸を形成することによって、上記課題を解決して粘着剤層の支持体への投錨性を向上させることができる。
本発明の好ましい実施形態による支持体の概略断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態による支持体の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態による貼付剤の概略断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態による貼付剤の概略断面図である。
[A.支持体]
図1は、本発明の好ましい実施形態による支持体の概略断面図である。支持体10aは、基材11とその上(片面)に積層された下塗り剤層12とを備える。下塗り剤層12は、平均粒子径が1μm〜15μmであり、好ましくは細孔容積が0.5ml/g〜2.5ml/gである多孔質無機粒子を含む。
図2は、本発明の別の好ましい実施形態による支持体の概略断面図である。支持体10bは、基材11とその両面に積層された下塗り剤層12および12’を備える。下塗り剤層12’は、平均粒子径が1μm〜15μmであり、好ましくは細孔容積が0.5ml/g〜2.5ml/gである多孔質無機粒子を含む。
支持体10aおよび10bは、後述の貼付剤または貼付製剤の支持体として好適に用いられ得る。
[A−1.基材]
基材11は、プラスチックフィルムを含む。基材の具体例としては、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルムなどの各種プラスチックフィルム、および、プラスチックフィルムへ不織布を積層した積層体が挙げられる。溶媒を含む下塗り剤を塗布することが可能であり、また、柔軟性および皮膚追従性に優れる点で、ポリオレフィン系樹脂フィルムを含むことが好ましく、なかでも、皮膚追従性の点でエチレン/ビニルアルコール共重合樹脂フィルムを含むことがより好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚みは、例えば1.0μm〜80μm、好ましくは2.0μm〜40μm、より好ましくは2.0μm〜30μmである。
本発明においては、不織布が積層されていない支持体を用いることが有利である。不織布を積層すると、厚みが増し、嵩高くなることから、取扱い性が低下する可能性がある。本願発明では、後述の下塗り剤層を設けることにより、不織布の積層を必要とすることなく、粘着剤層の投錨性を向上させることができる。
基材11の厚みは、目的などに応じて適切に設定され得る。該厚みは、例えば1.0μm〜100μmであり、好ましくは2.0μm〜60μm、より好ましくは2.0μm〜40μm、さらに好ましくは2.0μm〜30μmである。
[A−2.下塗り剤層]
下塗り剤層12、12’は、多孔質無機粒子を含む。該下塗り剤層は、多孔質無機粒子を基材に付着させるためのバインダー樹脂をさらに含むことが好ましい。該下塗り剤層は、代表的には、多孔質無機粒子とバインダー樹脂と溶媒とを含む下塗り剤を基材表面に塗布し、固化および/または硬化させることによって形成され得る。
下塗り剤層12、12’における多孔質無機粒子の平均粒子径は、1μm〜15μm、好ましくは1μm〜10μm、より好ましくは1.5μm〜9μm、さらに好ましくは3.2〜9.0μmである。平均粒子径が1μm未満であると、粒子内の細孔容積が小さくなるので投錨力の向上効果が不十分となるという問題がある。一方、平均粒子径が15μmを超えると、下塗り剤中で沈降しやすくなる、投錨力の向上効果が不十分となる等の問題がある。ここで、多孔質無機粒子の平均粒子径とは、二次粒子も1つの粒子とみなして、一次粒子と二次粒子とを区別することなく測定される値である(体積換算のメディアン径)。また、多孔質無機粒子は、1μm〜15μmの平均粒子径を満たす限りにおいて、その形状は真球状でなくてもよい。
本発明においては、通常、下塗り剤層における多孔質無機粒子の平均粒子径は、下塗り剤中の多孔質無機粒子の平均粒子径と同一視できることから、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によって測定される下塗り剤中の多孔質無機粒子の平均粒子径(体積換算)を下塗り剤層における多孔質無機粒子の平均粒子径とすることができる。また、下塗り剤層における多孔質無機粒子の平均粒子径の実際の測定は、例えば、三次元計測X線CT装置を用いて、以下のように行うことができる。すなわち、試料を0度〜180度の角度に回転させながら、下塗り剤層の露出面にX線を照射して、透過像データを得る。これにより得られる三次元立体画像中の任意の領域(例えば、十分な解像度を保持する5mmの面積)において観察できる任意の100個の粒子について粒子径を測定し、その粒度分布より平均粒子径を算出する。なお、球形でない粒子の場合は体積換算にて球形として粒子径を算出する。上記測定を3回行い、その相加平均メディアン径を平均粒子径とする。
上記多孔質無機粒子は、表面の吸着活性が高いことが好ましい。多孔質無機粒子の細孔容積は、好ましくは0.5ml/g〜2.5ml/gであり、より好ましくは0.7ml/g〜2.0ml/g、さらに好ましくは1.4ml/g〜1.7ml/gである。細孔容積が0.5ml/g未満の粒子では、表面の凹凸が少なく、投錨力の向上効果が不十分となる場合がある。一方、細孔容積が2.5ml/gを超える粒子は破壊しやすくなるので、粒子形状を維持するのが難しくなる場合がある。該細孔容積は、窒素吸着法による細孔分布測定法によって測定することができる。
上記多孔質無機粒子としては、例えば、多孔質シリカ粒子、多孔質アルミナ粒子、多孔質チタニア粒子などが挙げられる。なかでも、製造工程や分散液中においても粒子が壊れにくいことから多孔質シリカ粒子が好ましく用いられ得る。なお、多孔質無機粒子としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記多孔質シリカ粒子は、その製造方法に起因して乾式シリカ粒子と湿式シリカ粒子とに大別され得る。乾式シリカ粒子は、四塩化珪素などのシラン系ガスを酸水素焔中で燃焼して生成される(乾式法)。乾式シリカ粒子は、粒子径が小さく、比表面積が小さいという特徴があり、一般に、粒子はゆるやかにくっつき合い凝集粒子あるいは集塊粒子として存在する。一方、湿式シリカ粒子は、珪酸ソーダと鉱酸との反応で析出させて得られる(湿式法)。湿式シリカ粒子は、乾式シリカ粒子と比較して吸液性が高く、後述するバインダー樹脂の選択の幅が広いという利点がある。本発明においては、より多孔質で吸液性に優れた無機粒子を用いる場合に投錨性向上効果が強く発揮されることから、湿式シリカ粒子がより好ましい。
上記多孔質シリカ粒子のpHは、特に制限されず、任意の適切なpHであり得る。粘着剤層に含まれる粘着剤および任意の添加剤や薬物への影響を考慮すると、該pHは中性付近(例えば、pH=6.0〜8.0)であることが好ましい。
必要に応じて、上記多孔質シリカ粒子の表面を有機物で処理して、後述するバインダー樹脂や溶媒との親和性を高めてもよい。多孔質シリカ粒子の表面特性はバインダー樹脂の種類などに応じて適宜選択することが望ましい。
上記多孔質シリカ粒子としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、市販のものを用いることもできる。市販の多孔質シリカ粒子の具体例としては、商品名「SYLOID72FP」、「SYLOID244FP」(W.R.グレース社製)、商品名「サイリシア」、「サイロスフェア」(富士シリシア化学社製)、商品名「ニップジェル」、「ニップシル」(東ソー・シリカ社製)、商品名「ミズカシル」(水澤化学工業社製)、「シルクロン」(SCM社製)、商品名「ガシル」(クロスフィールド社製)が挙げられる。
上記バインダー樹脂としては、基材に多孔質無機粒子を付着させ得る限りにおいて任意の適切な樹脂が用いられ得る。例えば、従来用いられてきたバインダー樹脂を用いることができる。このようなバインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、エチレンイミン系樹脂、アミノエチル系樹脂、ポリエステル系樹脂などが挙げられる。なお、これらのバインダー樹脂を含み、溶媒または分散媒およびその他の添加剤などが配合された種々のバインダーが市販されていることから、本発明においてはこれらの市販品を用いることもできる。該バインダーとしては、溶媒または分散媒として、水、アルコールなどの水系のものを用いたものとベンゼン、酢酸エチルなどの有機溶剤系のものを用いたものがある。より具体的には、商品名「マイテックNY218A」(三菱化学社製)、商品名「タケネートB−800」(武田薬品工業社製)に代表される溶剤系ウレタンバインダー、商品名「タケラックW−710」(武田薬品工業社製)に代表される水系ウレタンバインダー、商品名「エポミンSP300」(日本触媒社製)に代表されるエチレンイミンバインダー、商品名「ポリメントNK−200」(日本触媒社製)に代表される溶剤系アミノエチルバインダー、商品名「ポリメントSK−1000」(日本触媒社製)に代表される水系アミノエチルバインダー、商品名「バイロン200」(東洋紡社製)に代表されるポリエステル系バインダーが挙げられる。
別の実施形態においては、接着性を有さない樹脂をバインダー樹脂として用いることができる。具体的には、溶媒に接着性を有さない樹脂を溶解させ、多孔質無機粒子を分散させて下塗り剤を調製し、該下塗り剤を基材表面に塗布後、乾燥および/または光照射による硬化を行う。これにより、該接着性を有さない樹脂がバインダーとして機能し得る。
上記接着性を有さない樹脂としては、基材との相溶性に優れ、かつ、多孔質無機粒子の固定性に優れるものが好ましく用いられ得る。下塗り剤層と基材との間に破壊を生じることなく、基材表面に多孔質無機粒子を良好に固定し得るからである。また、製造上の観点からは、溶媒に溶解して乾燥固化する樹脂が好ましい。このような樹脂としては、PET樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、ポリエチレン樹脂などが挙げられ、なかでも、基材に用いるのと同じ樹脂が好ましく用いられ得る。ここにいう同じ樹脂とは、樹脂がポリマーである場合に、モノマー種が共通すること、好ましくは同一であることを意味する。分子量が相違する樹脂は、モノマー種が共通する限り同じ樹脂である。
上記下塗り剤は、多孔質無機粒子とバインダー樹脂とを任意の適切な溶媒中に分散または溶解させることによって調製され得る。該溶媒としては、多孔質無機粒子の分散性に優れ、かつ、バインダー樹脂との混和性に優れたものが適切に選択され得る。該溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエンなどが挙げられる。溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記下塗り剤における多孔質無機粒子の配合量は、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して0.1重量部〜200重量部、より好ましくは1重量部〜200重量部、さらに好ましくは20重量部〜180重量部である。多孔質無機粒子の配合量が0.1重量部未満であると、多孔質無機粒子がバインダー樹脂中に埋まりやすくなり、支持体表面に十分な凹凸を付与することができない場合がある。また、200重量部を超えると、下塗り剤において多孔質無機粒子を均一に分散させることが困難となる場合がある。下塗り剤の固形分濃度は、作業性等の観点から、任意の適切な値に設定され得る。
下塗り剤層12、12’の目付量(単位面積当たりの重量)は、基材または粘着剤層の種類、用途、目的などに応じて適切に設定され得る。該目付量は、好ましくは0.1g/m〜10g/m、より好ましくは0.1g/m〜8g/m、さらに好ましくは0.2g/m〜5g/mである。このような目付量であれば、均一な下塗り剤層が得られるとともに、支持体表面に十分な凹凸を付与することができる。該目付量は、下塗り剤の固形分濃度、塗布量などを適切に設定することによって所望の値に調整することができる。特に、下塗り剤が水分散系のバインダー樹脂を含む場合には、多孔質無機粒子の平均粒子径に応じて、均一な塗膜(すなわち、下塗り剤層)が得られる塗布量を選択することが好ましい。
[B.貼付剤]
図3は、本発明の好ましい実施形態による貼付剤の概略断面図である。貼付剤100aは、上記支持体10aと、該支持体10aの片面に下塗り剤層12と隣接するように配置された粘着剤層20とを備える。また、図4は、本発明の別の好ましい実施形態による貼付剤の概略断面図である。貼付剤100bは、上記支持体10bと、該支持体10bの片面に下塗り剤層12と隣接するように配置された粘着剤層20とを備える。下塗り剤層12’を備える支持体10bを用いた貼付剤100bによれば、貼付時の外観が優れるとともに、支持体10bの強度を増大させ、シワの発生等を防止するという効果が得られ得る。実用的には、貼付剤100aまたは100bの粘着剤層20表面には、剥離ライナーが設けられている(図示せず)。
[B−1.支持体]
支持体10aおよび10bとしては、上記A項に記載の支持体が用いられる。
[B−2.粘着剤層]
粘着剤層20は、粘着剤を含む。該粘着剤としては、基材、下塗り剤の種類、目的などに応じて、任意の適切な粘着剤を用いることができる。例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。これらの粘着剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。本発明ではいずれの粘着剤も使用可能であるが、好ましくは合成ゴム系粘着剤および/またはアクリル系粘着剤が用いられる。アクリル系粘着剤によれば、含有する官能基に影響を受けることなく投錨力向上効果が発揮されることから、アクリル系粘着剤が特に有利である。
上記アクリル系粘着剤は、常温で粘着性を有する粘着性ポリマーとしてアクリル系重合体を含み、必要により、粘着性付与剤が配合された、粘着性の組成物を意味する。該アクリル系重合体は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸などのアクリル系単量体を主成分として含む単量体成分を重合して得られる重合体である。ここで、主成分とは、重合体を構成する全単量体の総重量に基づき、50重量%以上含まれる単量体を意味する。
上記天然または合成ゴム系粘着剤は、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、ポリイソブチレンなどのエラストマーに、ロジン系、テルペン系、石油系などの粘着付与剤を必要により配合した、粘着性の組成物を意味する。粘着付与剤は、粘着剤の総重量に基づき、通常10〜50重量%配合される。
上記シリコーン系粘着剤は、シリコーンゴムに、シリコーンレジンなどの粘着付与剤を必要により配合した、粘着性の組成物を意味する。粘着付与剤は、粘着剤の総重量に基づき、通常10〜50重量%配合される。
皮膚接着性の観点から、疎水性粘着剤層が好ましく、非含水系の粘着剤層がより好ましい。ここにいう非含水系の粘着剤層は、必ずしも完全に水分を含まないものに限定されるわけではなく、実質的に水を含まないもの、すなわち空中湿度、皮膚等に由来する若干量の水分を含むものは包含される。ここにいう若干量の水分とは、支持体と粘着剤層との積層体の含水率として、好ましくは5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、もっとも好ましくは1重量%以下である。
上記支持体と粘着剤層との積層体の含水率とは、カールフィッシャー電量滴定法により測定される、存在する場合剥離ライナーを剥離した支持体と粘着剤層の積層体中に含まれる水の重量割合(支持体と粘着剤層の積層体の総重量に対する水の重量パーセンテージ)を意味し、具体的には次のとおりである。すなわち、温度23±2℃および相対湿度40±5%RHに制御された環境下で、存在する場合の剥離ライナーを有する試料を所定の大きさに打ち抜いて、試験片を作製する。その後、試験片から存在する場合の剥離ライナーを除去して水分気化装置へ投入する。水分気化装置内で試験片を140℃で加熱し、これにより発生した水分を、窒素をキャリヤーとして滴定フラスコへと導入し、カールフィッシャー電量滴定法により、試料の含水率(重量%)を測定する。
粘着剤層20は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含み得る。該添加剤としては、例えば、一塩基酸ないし多塩基酸と分岐アルコールとのエステルおよび/または不飽和脂肪酸ないし分岐酸と4価以下のアルコールとのエステルなどの軟化剤、イソシアネート系、エポキシ系、金属イオン系などの架橋剤、脂肪酸アルキルエステル、脂肪酸トリグリセリドなどの有機液状成分などが挙げられる。これらの添加剤は単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。粘着剤層におけるこれらの添加剤の含有量は、目的などに応じて適切に設定され得る。
粘着剤層20における粘着剤の含有量は、粘着剤層の総重量に基づいて、好ましくは30重量%〜100重量%であり、より好ましくは40重量%〜100重量%である。粘着剤の量が30重量%を下回ると、粘着剤層の内部凝集力が低下する可能性がある。
粘着剤層20の厚みは、皮膚接着性の観点から、10〜300μmであることが好ましく、15〜200μmであることがより好ましく、20〜100μmであることが最も好ましい。
[B−3.剥離ライナー]
上記剥離ライナーは、特に限定されない。剥離ライナーの具体例としては、グラシン紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、アルミフィルム、発泡ポリエチレンフィルム又は発泡ポリプロピレンフィルムなど、もしくはこれらから選ばれたものの積層物、さらにこれらにシリコーン加工したものや、エンボス加工を施したものなどが挙げられる。バリアー性、価格、材料の選択容易性の点からポリエステル(特に、ポリエチレンテレフタレート)樹脂製剥離ライナーが好ましい。剥離ライナーを粘着剤層からさらに容易に剥離可能とするために、剥離ライナーの粘着剤層側表面に表面剥離処理を施してもよい。
剥離ライナーは、加工の施しやすさや加工精度を考慮すれば、均一な厚みを有するものが好ましい。剥離ライナーの厚みは、貼付剤の製造の容易性、剥離ライナーのコスト、貼付剤の携帯性、操作性などの観点から、好ましくは25μm〜200μmであり、さらに好ましくは50μm〜150μmである。
[C.貼付製剤]
本発明の貼付製剤は、上記貼付剤において、粘着剤層がさらに薬物を含むものである。該薬物は特に限定されない。好ましくは、ヒトなどの哺乳動物にその皮膚を通して投与し得る薬物、すなわち経皮吸収可能な薬物である。そのような薬物の具体例としては、全身性麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗癲癇薬、解熱鎮痛消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬、中枢神経薬、抗痴呆薬、局所麻酔薬、骨格筋弛緩薬、自律神経用薬、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬、利尿薬、血圧降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、動脈硬化用薬、循環器用薬、呼吸促進薬、鎮咳去痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・収斂・消炎用薬、寄生性皮膚疾患用薬、止血用薬、痛風治療用薬、糖尿病用薬、抗悪性腫瘍用薬、抗生物質、化学療法薬、麻薬、禁煙補助薬が挙げられる。
上記薬物は、疾患、状態または障害の治療において所望の結果、例えば所望の治療結果をもたらすのに十分な量(すなわち、有効量)で粘着剤層中に存在することができる。有効量の薬物とは、例えば非毒性ではあるが、特定の時間にわたって選択された効果をもたらすのに十分な量の薬物を意味する。このような量は、当業者によって容易に決定することができる。
粘着剤層における薬物の含有量は、その経皮吸収用薬物の効果を満たし、粘着剤の接着特性を損なわない範囲であれば特に限定されない。具体的には、薬物の含有量は、粘着剤層の総重量に基づいて、好ましくは0.1重量%〜60重量%であり、より好ましくは0.5重量%〜40重量%である。薬物の含有量が0.1重量%より少ないと、治療効果が十分でない場合がある。薬物の含有量が60重量%より多いと、粘着剤層を構成する粘着剤およびその他添加剤の含有量が低くなり、十分な皮膚接着性が得られない可能性があり、また経済的にも不利な場合がある。
[D.貼付剤または貼付製剤の製造方法]
本発明の貼付剤または貼付製剤は、任意の適切な方法により製造することができる。例えば、以下の方法が挙げられる。まず、基材の片面または両面に下塗り剤を薄層状に塗布後、溶媒を乾燥、除去し、必要に応じて紫外線硬化させて支持体を得る。ここで、基材と下塗り剤層との密着性向上の観点から、予め基材表面にコロナ処理などの任意の適切な表面処理を施しておいてもよい。塗布手段は特に限定されず、キスコータ、グラビアコータ、バーコータ、スプレーコータなどの任意の適切な手段を適用することができる。次いで、剥離ライナーを用意し、剥離ライナーの片面に粘着剤層を積層し、該粘着剤層上に支持体を積層して積層シートを得る。あるいは、支持体の下塗り剤層面に粘着剤層を積層し、該粘着剤層上に剥離ライナーを積層して積層シートを得る。支持体と粘着剤層の積層の手法は、特に限定されない。具体例としては、塗布、接着、融着、溶着などが挙げられる。好ましくは、粘着剤、有機溶媒、任意に薬物などを含む粘着剤層形成用の組成物を調製し、これを剥離ライナーまたは支持体上に塗布した後、有機溶媒を乾燥、除去させる方法が採用される。得られた積層シートを所定の形状に切断し、貼付剤または貼付製剤を得る。所望により、貼付剤または貼付製剤を、任意の適切な包装容器で包装することができる。包装容器としては、樹脂フィルム、金属箔およびそれらの積層フィルムで作成された袋などが通常用いられる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
≪平均粒子径の測定≫
下塗り剤中の平均粒子径を、レーザー回折式粒子径分布測定装置(島津製作所社製)を用いて、体積換算にて測定した。
≪細孔容積の測定≫
細孔容積は、ガス吸着法による細孔分布測定装置を使用して、窒素吸着法によって測定した。
[実施例1]
(1)冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器に、モノマーとしてのアクリル酸2−エチルヘキシル43重量部、アクリル酸ブチル43重量部、ダイアセトンアクリルアミド14重量部を投入し、酢酸エチル中にて撹拌した。重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを上記モノマーに対して0.2重量部加えた。撹拌速度の調整、外浴温度の調整、希釈溶媒としての酢酸エチルの滴下などにて、内容物の温度を40℃に保つよう制御し、窒素ガス流中で90分間重合を行い、次いで、60℃で6時間保持し、さらに80℃にて18時間保持した。当該溶液重合により、アクリル系共重合体(A)の溶液を得た。
(2)アクリル系重合体溶液(A)を酢酸エチルにて希釈してアクリル系粘着剤を含む粘着剤層形成用の組成物とし、これを乾燥後の厚みが40μmとなるように剥離ライナー(表面に剥離処理を施したポリエステルフィルム)上に塗布および乾燥して、粘着剤層を形成した。
一方、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH樹脂)(製品名「E105」、クラレ社製)およびシリカ粒子(商品名「SYLOID72FP」、W.R.グレース社製)を1:1の配合比(重量基準)でn−プロパノールと水との混合溶媒(n−プロパノール/水=8/2(体積基準))中にそれぞれ、溶解および分散して、下塗り剤を得た。得られた下塗り剤を基材(20μm厚のEVOHフィルム(製品名「EF−E」、クラレ社製))の片面に乾燥後の塗膜(下塗り剤層)の目付量が0.6g/mとなるように塗布および乾燥して下塗り剤層を形成し、これにより、支持体を得た。得られた支持体の下塗り剤層表面に、上記粘着剤層を転写して貼付剤1を得た。
[実施例2〜10]
異なる種類のシリカ粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤2〜10を得た。
[比較例1]
異なる種類のシリカ粒子を用いたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤C1を得た。
[比較例2]
シリカ粒子を添加せずに下塗り剤を調製したこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤C2を得た。
[比較例3]
実施例1で用いたアクリル系粘着剤を含む粘着剤層形成用の組成物に、その固形分90重量部に対してシリカ粒子(商品名「SYLOID72FP」、W.R.グレース社製)を10重量部添加および混合して、シリカ粒子を含む粘着剤層形成用の組成物を得た。該組成物を用いて粘着剤層を形成したこと、および、シリカ粒子を添加せずに下塗り剤を調製したこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤C3を得た。
[比較例4]
シリカ粒子(商品名「アエロジル200」、日本アエロジル(株)社製)をEVOH樹脂100重量部に対して5重量部の配合比で添加して下塗り剤を調製したこと、および、下塗り剤層の目付量を0.3g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤C4を得た。
[比較例5]
シリカ粒子の代わりに塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)(入手後、粒子径を調整)を用いたこと、および、下塗り剤層の目付量を0.3g/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、貼付剤C5を得た。
上記貼付剤1〜10、C1〜C5に関して、各貼付剤をセルガード(ヘキスト社製)で覆ったSUS板に貼付後、テンシロン引張試験機によって180度方向に100mm/分の速度で剥離した際の、破壊モードを以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
[評価基準]
○:投錨破壊しなかった
△:一部投錨破壊した
×:投錨破壊した
Figure 0006176846
貼付剤1〜10と貼付剤C2とを比較すると、支持体の粘着剤層との接触面にシリカ粒子を含む下塗り剤層を設けることによって、投錨力が向上することがわかる。また、貼付剤1〜10と貼付剤C1を比較すると、1μm〜15μmの平均粒子径を有するシリカ粒子が投錨力向上効果を発揮することがわかる。貼付剤1〜7と貼付剤8〜10とを比較すると、0.5ml/g以上の細孔容積を有するシリカ粒子が優れた投錨力向上効果を発揮することがわかる。また、貼付剤C3〜C5は、投錨力が不十分であった。
[実施例11]
市販のアクリル系粘着剤(商品名「Duro−Tak87―9301」、ナショナルスターチ・アンド・ケミカル社製)に、その固形分90重量部に対して、有機液状成分としてミリスチン酸イソプロピルを10重量部添加した。これらを酢酸エチル溶液中にて撹拌して、粘着剤層形成用の組成物を得た。
得られた粘着剤層形成用の組成物を乾燥後の厚みが40μmとなるように剥離ライナー(表面に剥離処理を施したポリエステルフィルム)上に塗布および乾燥して、粘着剤層を形成したこと以外は実施例3と同様にして、貼付剤11を得た。
[実施例12]
アクリル2−エチルヘキシルエステル72重量部と、N−ビニル−2−ピロリドン25重量部と、アクリル酸3重量部とを共重合してなるアクリル系共重合体を粘着性ポリマーとして含む粘着剤に、その固形分64.74重量部に対して、有機液状成分として脂肪酸トリグリセリド(商品名「ココナードRK」、花王社製)35重量部、架橋剤0.26重量部を添加した。これらを酢酸エチル溶液中にて撹拌して、粘着剤層形成用の組成物を得た。
得られた粘着剤層形成用の組成物を乾燥後の厚みが60μmとなるように剥離ライナー(表面に剥離処理を施したポリエステルフィルム)上に塗布および乾燥して、粘着剤層を形成したこと以外は実施例3と同様にして、貼付剤12を得た。
貼付剤1〜10と同様にして、貼付剤11および貼付剤12の破壊モードを測定した。その結果、投錨破壊はしなかった。このことから、他のアクリル系粘着剤においても、投錨力向上効果が発揮されることがわかる。
[実施例13]
(1)ポリイソブチレン(BASF社製、粘度平均分子量400万)20重量部、ポリイソブチレン(BASF社製、粘度平均分子量5.5万)20重量部、および、タッキファイヤーとしてポリブデン(動粘性率:4000mm/s(100℃))60重量部をトルエン中にて混合し、ゴム系粘着剤を得た。
(2)上記ゴム系粘着剤に、その固形分82.5重量部に対して、オクチルドデカノール10重量部、および、ポリビニルピロリドン(商品名「INF−10」、ISP社製)7.5重量部を添加した。これらをトルエン溶液中にて撹拌して、粘着剤層形成用の組成物を得た。
(3)(2)で得られた粘着剤層形成用の組成物を乾燥後の厚みが100μmとなるように剥離ライナー(表面に剥離処理を施したポリエステルフィルム)上に塗布および乾燥して、粘着剤層を形成したこと以外は実施例3と同様にして、貼付剤13を得た。
[比較例6]
シリカ粒子を添加せずに下塗り剤を調製したこと以外は実施例13と同様にして、貼付剤C6を得た。
上記貼付剤13およびC6に関して、貼付剤1〜10およびC1〜C5と同様に破壊モードを評価した。その結果、貼付剤13は投錨破壊をしなかったが、貼付剤C6は投錨破壊をした。このことから、シリカ粒子を含む下塗り剤層を備えた支持体によれば、ポリイソブチレンを含む粘着剤層においても投錨力向上効果が発揮されることがわかる。
[実施例14]
市販のシリコーン系粘着剤(商品名「BIO−PSA7−4202」、ダウコーニング社製)95重量部と、シリコーンオイル(商品名「Q7−9120」、ダウコーニング社製)5重量部とを混合して、粘着剤層形成用の組成物とした。
得られた粘着剤層形成用の組成物を乾燥後の厚みが50μmとなるように剥離ライナー(表面に剥離処理を施したポリエステルフィルム)上に塗布および乾燥して、粘着剤層を形成したこと以外は実施例3と同様にして、貼付剤14を得た。
[比較例7]
シリカ粒子を添加せずに下塗り剤を調製したこと以外は実施例14と同様にして、貼付剤C7を得た。
上記貼付剤14およびC7に関して、剥離ライナーを剥離しようとしたところ、貼付剤14では、粘着剤層が支持体に投錨したので、剥離ライナーを貼付剤14から剥離できた。一方、貼付剤C7では、粘着剤層が支持体に投錨せずに剥離ライナーとともに剥がれてしまった。このことから、シリカ粒子を含む下塗り剤層を備えた支持体によれば、シリコーン系粘着剤においても投錨力向上効果が発揮されることがわかる。
[実施例15]
(1)冷却管、窒素ガス導入管、温度計、滴下漏斗および攪拌機を備えた反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル55重量部、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド5重量部、N−ビニル−2−ピロリドン40重量部、および溶媒として酢酸エチル233.3重量部を入れ、室温において窒素ガスバブリング(100mL/分)を行いながら1時間攪拌した。その後、反応容器の内容物を加熱し、60℃に達した時点で、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を加えた。内容物の温度を60℃に保つよう制御し、窒素ガス流中で6時間重合を行い、次いで76℃で15時間保持した。当該溶液重合により、アクリル系共重合体(B)の溶液を得た。
(2)アクリル系共重合体溶液(B)に、該共重合体溶液の固形分50重量部に対して、有機液状成分としてミリスチン酸イソプロピルを45重量部添加した。さらに、薬物としてリドカインを5重量部添加した。これらを酢酸エチル溶液中にて撹拌して、粘着剤層形成用の組成物を得た。
(3)(2)で得られた粘着剤層形成用の組成物を乾燥後の厚みが40μmとなるように剥離ライナー(表面に剥離処理を施したポリエステルフィルム)上に塗布および乾燥して、粘着剤層を形成したこと以外は実施例1と同様にして、貼付製剤15を得た。
[実施例16〜23]
異なる種類のシリカ粒子を用いたこと以外は実施例15と同様にして、貼付製剤16〜23を得た。なお、上記実施例1〜23の粘着剤層は実質的に水を含まないものであった。
[比較例8]
異なる種類のシリカ粒子を用いたこと以外は実施例15と同様にして、貼付製剤C8を得た。
[比較例9]
シリカ粒子を添加せずに下塗り剤を調製したこと以外は実施例15と同様にして、貼付製剤C9を得た。
上記貼付製剤15〜23およびC8〜C9に関して、以下の投錨力試験を行った。結果を表2に示す。
<投錨力試験>
12×50mmに裁断した貼付製剤をサンプルとした。サンプルの支持体面を両面テープで25×100mmのSUS板に固定し、剥離ライナーを剥離した後、粘着剤層面にセルガード(ヘキスト社製)(サンプル貼付面とは異なる面に両面テープで剥離紙が貼付されている)を、荷重2000gのローラを用いて貼付した。次いで、23℃、50%R.H.の条件下で、テンシロン引張試験機によって、180度方向に100mm/分の速度で剥離紙を剥離し、その際の負荷応力を測定した。
Figure 0006176846
表2から明らかなように、所定の平均粒子径を有する多孔質シリカ粒子を含む下塗り剤層を備える貼付製剤15〜23は、貼付製剤C8〜C9に比べて投錨力が向上されていた。貼付製剤15〜20は凝集破壊となり、正確な投錨力は測定できなかったが、実際の投錨力は測定値よりもさらに大きい。
本発明の貼付剤または貼付製剤は、皮膚面の傷口の保護、薬物の経皮投与などに好適に利用され得る。
100 貼付剤
10 支持体
11 基材
12、12’ 下塗り剤層
20 粘着剤層

Claims (6)

  1. エチレン/ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムを含む基材と、該基材上に積層された下塗り剤層とを備える貼付剤または貼付製剤用の支持体であって、
    該下塗り層が、バインダー樹脂および平均粒子径が1μm〜15μmである多孔質無機粒子を含
    該バインダー樹脂がPET樹脂、エチレン/ビニルアルコール共重合樹脂、または、ポリエチレン樹脂である、支持体。
  2. 前記多孔質無機粒子の細孔容積が、0.5ml/g〜2.5ml/gである、請求項1に記載の支持体。
  3. 前記下塗り剤層の目付量が、0.1g/m〜10g/mである、請求項1または2に記載の支持体。
  4. 前記多孔質無機粒子が、多孔質シリカ粒子である、請求項1から3のいずれかに記載の支持体。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の支持体と、該支持体の片面に該下塗り剤層と隣接するように配置された粘着剤層とを備える貼付剤。
  6. 請求項に記載の貼付剤において、粘着剤層がさらに薬物を含んでなる、貼付製剤。
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