JP3201645B2 - 投錨性を向上させた貼付剤 - Google Patents

投錨性を向上させた貼付剤

Info

Publication number
JP3201645B2
JP3201645B2 JP11771892A JP11771892A JP3201645B2 JP 3201645 B2 JP3201645 B2 JP 3201645B2 JP 11771892 A JP11771892 A JP 11771892A JP 11771892 A JP11771892 A JP 11771892A JP 3201645 B2 JP3201645 B2 JP 3201645B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drug
pressure
sensitive adhesive
patch
support
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11771892A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05310559A (ja
Inventor
和久 二宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP11771892A priority Critical patent/JP3201645B2/ja
Publication of JPH05310559A publication Critical patent/JPH05310559A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3201645B2 publication Critical patent/JP3201645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚面に貼付して傷口
を保護したり、薬物を皮膚から生体内へ連続的に投与し
うる貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年、薬
物を皮膚面を通して生体内へ投与するための貼付剤とし
て、粘着剤を用いたテープ剤等が種々開発されている。
貼付剤から薬物を効果的に皮膚面に放出させ、しかも皮
膚内に吸収させるには、ある程度薬物濃度を高める必要
がある。しかし、薬物濃度を高めることにより粘着剤中
で薬物が過飽和状態あるいは結晶状態となり、粘着剤の
支持体への投錨性が低下し、貼付剤を皮膚から除去する
際に、粘着剤が皮膚に残るという問題が生じる。
【0003】この問題を改善する方法として、不織布、
織布等をラミネートした支持体上に粘着剤層を形成する
ことにより、粘着剤の支持体への投錨性を向上させ、粘
着剤の糊残りを防止する方法が考案されている。しか
し、この方法では、粘着剤層が不織布や織布の凹凸を充
分カバーできる厚みを有する場合には問題はないが、薬
物の利用率を考慮して薬物を含有する粘着剤層を薄くし
た時、粘着剤層が不織布や織布の凹凸をカバーしきれ
ず、皮膚への接着性が低下したり、逆に皮膚への糊残り
が生じ易くなったりする。また、極薄の不織布や織布を
用いることは可能であるがコスト高となる。
【0004】さらに、ひじ、ひざ等に貼付するため伸縮
性が要求される貼付剤の場合、単層では非常に伸縮性の
ある支持体でも、不織布や織布をラミネート加工するこ
とで著しく伸縮性が損なわれる。
【0005】本発明の目的は、接着性、粘着性、凝集力
等の粘着物性や、支持体の伸縮性に悪影響を与えること
なく、粘着剤の支持体への投錨性を向上させた貼付剤を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討を
重ねた結果、本発明により上記目的が達成されることを
見出した。即ち、本発明は、支持体の片面にイソシアネ
ート系化合物よりなる層(以下、イソシアネート系化合
物層という)が形成され、その上に粘着剤層が形成され
てなる貼付剤である。また、当該粘着剤層に薬物が含有
されてなる貼付剤である。さらに、粘着剤層で薬物が結
晶化している貼付剤である。
【0007】支持体の片面にイソシアネート系化合物層
を形成することにより、粘着剤の支持体への投錨性を向
上させることができる。
【0008】本発明に用いる支持体としては特に限定さ
れないが、プラスチックフィルムが好ましく、具体的に
はポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、
ポリアミド、ポリビニルアルコール等のフィルムが挙げ
られる。また、プラスチックフィルム以外にも、金属箔
の単独フィルムや、プラスチックフィルムと金属箔との
ラミネートフィルムも用いることができる。
【0009】上記支持体のうち、伸縮性を有するものが
好ましく、例えばポリエチレン、多孔質ポリエチレン、
ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウ
レタン、多孔質ポリテトラフルオロエチレン等の単独あ
るいは積層フィルム等が挙げられる。
【0010】支持体の厚みは通常5〜1000μm、好
ましくは5〜100μm、さらに好ましくは10〜50
μmである。
【0011】イソシアネート系化合物としては、例えば
テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネー
ト、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネート等の芳香環含有ジイ
ソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシ
アネート等が挙げられる。また、上記イソシアネート系
化合物は単独で用いても、同種または類似の粘着剤(高
分子成分)を混合して用いてもよい。粘着剤中に薬物を
含有させる場合でも、粘着剤中の薬物濃度に影響ない程
度であれば、混合物を用いてもよい。
【0012】イソシアネート系化合物の塗布量は、固形
分で0.01〜1g/m2が好ましく、さらに好ましくは
0.01〜0.5g/m2である。0.01g/m2未満である
と塗布条件によっては、粘着剤の支持体への投錨性が充
分でない場合がある。また、1g/m2を越えると粘着物性
や支持体の伸縮性に影響を与える恐れがあり、粘着剤中
に薬物を含有させる場合には、薬物の放出性にも影響を
及ぼすことがある。
【0013】また、イソシアネート系化合物の塗布量を
上記範囲内に調節することにより、粘着剤の凝集性を向
上させることもできる。このため、貼付剤の保存中に、
粘着剤が貼付剤の側面からはみだして包装材料に付着
し、貼付剤の取り出し性が悪化したり、薬物量が減少し
たりする欠点をなくすことも可能である。
【0014】粘着剤としては、天然ゴム系、合成ゴム
系、アクリル系、シリコーン系、ビニルエステル系等の
粘着剤が挙げられ、好ましくはアクリル系粘着剤であ
り、さらに好ましくはアクリル酸エステル系ポリマーで
ある。
【0015】アクリル酸エステル系ポリマーとしては、
アルキル基の炭素数が4以上の(メタ)アクリル酸アル
キルエステルを用いた重合体が好ましく、特に架橋反応
のし易さの点からは該(メタ)アクリル酸アルキルエス
テルを主成分として共重合した共重合体を用いることが
好ましい。
【0016】このような(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルとしては、具体的には、アルキル基がブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル等の直鎖状また
は分枝状のアルキル基である(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルが挙げられ、これらは一種もしくは二種以上
併用することができる。
【0017】また、上記(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステルと共重合するモノマーとしては、例えば(メタ)
アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸
等のカルボキシル基含有モノマー;スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホ
ン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸等のス
ルホキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピルエステル等のヒドロキシル基含有モノマー;(メ
タ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ブチルアクリルアミド、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)
アクリルアミド等のアミド基含有モノマー;(メタ)ア
クリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジ
メチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸t−
ブチルアミノエチルエステル等のアルキルアミノアルキ
ル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル
エステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル
等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;
(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル、
(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステ
ル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコール
エステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレング
リコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプ
ロピレングリコールエステル等のアルコキシ基(または
側鎖にエーテル結合)含有(メタ)アクリル酸エステ
ル;(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル、N−ビニル−2−ピロリドン、メチルビニ
ルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビ
ニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、
ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラ
クタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビ
ニル系モノマー等が挙げられ、これらは一種もしくは二
種以上併用して共重合することができる。
【0018】これらの共重合するモノマーは粘着剤と支
持体との投錨力の調整や、薬物の溶解性向上のために用
いることができ、共重合量は目的に応じて任意に設定す
ることができる。
【0019】上記アクリル酸エステル系ポリマーのう
ち、本発明において好ましく用いられるポリマーとして
は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと下記の一般
式(I)および/または(II) CH2=CHX (I) CH2=CHR(COOX) (II) (但し、Rは水素原子またはメチル基を、Xは少なくと
も1個の窒素原子または窒素原子と酸素原子を有する基
を示す。)で表されるモノマーとの共重合体である。ま
た、特に架橋点量の調節や得られる投錨力の調節の点か
ら、一般式(I)、(II)のモノマーとしては、前記に
て例示のカルボキシル基含有モノマーやヒドロキシル基
含有モノマーの少なくとも一種を必須成分として、該一
般式(I)、(II)にて表される他のモノマーをさらに
共重合した三種類以上のモノマーの共重合体を用いるこ
とが好ましい。
【0020】粘着剤層の厚みとしては、通常10〜20
0μm、好ましくは10〜80μm、さらに好ましくは
20〜50μmである。
【0021】粘着剤に配合される薬物としては、経皮吸
収性を有するものであれば特に限定されない。具体的に
は全身麻酔薬、催眠・鎮静薬、抗てんかん薬、解熱鎮痛
消炎薬、鎮暈薬、精神神経用薬物、局所麻酔薬、骨格筋
弛緩薬、自律神経用薬物、鎮痙薬、抗パーキンソン薬、
抗ヒスタミン薬、強心薬、不整脈用薬物、利尿薬、血圧
降下薬、血管収縮薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、
動脈硬化用薬物、循環器管用薬物、呼吸促進薬、鎮咳去
痰薬、ホルモン薬、化膿性疾患用外用薬、鎮痛・鎮痒・
収斂・消炎用薬物、寄生性皮膚疾患用薬物、止血用薬
物、痛風治療用薬物、糖尿病用薬物、抗悪性腫瘍用薬
物、抗生物質、化学療法薬、麻薬等が挙げられる。
【0022】上記薬物の粘着剤(固形分)に対する配合
割合は、粘着剤の薬物放出能力、薬物の種類および薬理
効果等によって、任意に設定することができる。当該配
合割合は、好ましくは10〜70重量%、さらに好まし
くは30〜65重量%である。
【0023】その理由は次の通りである。即ち、配合し
た薬物が結晶化したりブルーミングして支持体への投錨
性を低下させる割合は個々の薬物によって異なる。粘着
剤に対する親和性の低い薬物の場合、10重量%程度か
ら結晶が析出し投錨力が低下するし、親和性の高い薬物
の場合には、30重量%程度から結晶が析出し投錨力が
低下する場合がある。従って、薬物の配合割合が10重
量%未満では薬物の結晶化が起こらないので、投錨性の
低下も殆ど起こらない。よって、本発明に特有の効果
は、薬物の配合割合が10重量%以上となって結晶が析
出したものについてより顕著に現れる。また、70重量
%を越えると粘着剤層が殆ど接着性を示さなくなり、コ
ストも高くなる。
【0024】また、上記の薬剤とともに放出補助物質を
配合させてもよい。この物質は、単純には身体面に対す
る薬剤の放出を促進するものと定義することができる
が、これには粘着剤層内での薬剤の溶解性や拡散性を良
くする機能を有するもの、また角質の保水能、角質軟化
性、角質浸透性(ルーズ化)、浸透助剤や毛孔開孔剤と
しての機能、皮膚の界面状態を変える機能の如き経皮吸
収性を良くする機能を有するもの、さらに上記の両機能
を併有し、あるいはこれら機能に加えて薬剤の薬効をよ
り高くする薬効促進の機能をも有しているもの等が広く
包含される。
【0025】これら放出補助物質としては、例えばジエ
チレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコールの如きグリコール類(主に薬剤溶解性)、
オリーブ油、スクアレン、ラノリン等の油脂類(主に薬
剤拡散性)、尿素、アラントインの如き尿素誘導体(主
に角質の保水能)、ジメチルデシルホスホキサイド、メ
チルオクチルスルホキサイド、ジメチルラウリルアミ
ド、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、ジメチル
アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド等の極性溶剤(主に角質浸透性)、サリチル酸
(主に角質軟化性)、アミノ酸(主に浸透助剤)、ニコ
チン酸ベンジル(主に毛孔開孔剤)、ラウリル硫酸ソー
ダ(主に皮膚の界面状態を変える機能)、サロコール
(経皮吸収性良好な薬剤と併用)等が挙げられる。
【0026】その他ジイソプロピルアジペート、フタル
酸エステル、ジエチルセバケートの如き可塑剤、流動パ
ラフィンの如き炭化水素類、各種乳化剤、エトキシ化ス
テアリルアルコール、オレイン酸モノグリセライド、カ
プリル酸モノグリセライド、ラウリル酸モノグリセライ
ド等のグリセリンモノエステルエーテル類、あるいはグ
リセリンジエステル、グリセリントリエステルエーテル
またはそれらの混合物、ミリスチン酸イソプロピルやパ
ルミチン酸オクチル等の高級脂肪酸エステル、オレイン
酸、カプリル酸等の高級脂肪酸等を挙げることができ
る。
【0027】上記のように薬物以外に他の物質を配合さ
せる場合は、薬物と他の物質の合計で前記範囲内になる
ようにすればよい。
【0028】本発明の貼付剤は、従来一般に用いられて
いる方法で各層を積層して製造すればよく、例えば支持
体層上へのイソシアネート系化合物層の積層は塗工、印
刷等によって行われ、さらに粘着剤層の積層は共押出、
ドライラミネート等によって行われる。
【0029】具体的には、支持体の片面にグラビア印刷
等の手段によりイソシアネート系化合物溶液を塗布し、
別に作製した粘着剤層を転写して、本発明の貼付剤を得
ることができる。この時、イソシアネート系化合物は空
気中の水分等により自己架橋反応を起こし、イソシアネ
ート基が減少するため、通常イソシアネート系化合物層
を塗布してから粘着剤層を転写するまでの時間は、常温
で塗布直後から1週間ぐらいまでとすることが好まし
い。また、イソシアネート基を長時間残存させるための
手段としては、窒素雰囲気下で保存したり、空気中の水
分を除去する等の方法で水分を遮断したり、反応温度を
下げるために低温下で保存する等の方法をとることがで
きる。さらに、上記方法でもイソシアネート基の減少を
防げない時は、イソシアネート系化合物を含む粘着剤の
薄層を支持体に積層した後、粘着剤層を転写する方法を
採用することが好ましい。
【0030】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。なお、以下において部および%は、重量部および
重量%を意味する。
【0031】実施例1 撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス導入管および
滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を充分に窒素
置換を行った後、このフラスコ中にアクリル酸2−エチ
ルヘキシルエステル95部と酢酸ビニル5部を入れて撹
拌しながら、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2
%を添加し、撹拌速度、外浴の冷却、希釈液である酢酸
エチルの滴下等によって、反応温度を60〜65℃に制
御し、8時間反応後、さらに75〜80℃に昇温して1
0時間熟成し、感圧性粘着剤溶液を得た。
【0032】得られた感圧性粘着剤溶液に、局所麻酔剤
であるリドカインを固形分比で全体の60%添加し、乾
燥後の厚みが20μmになるように離型ライナー(離型
処理されたポリエステルフィルム)上に塗布、乾燥し、
薬物含有粘着剤層を作製した。一方、支持体として12
μmのポリエステルフィルムを用い、このコロナ処理面
上に0.75%の三官能性イソシアネートであるトリメ
チロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付
加物(日本ポリウレタン社製、コロネートHL)のトル
エン溶液を4g/m2になるように塗布し、乾燥した。この
支持体のイソシアネート系化合物塗布面上に、前述の粘
着剤層を転写し、本発明の貼付剤を得た。
【0033】実施例2 撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス導入管および
滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を充分に窒素
置換を行った後、このフラスコ中にアクリル酸2−エチ
ルヘキシルエステル97部と酢酸ビニル3部を入れて撹
拌しながら、重合開始剤として過酸化ベンゾイル0.2
%を添加し、撹拌速度、外浴の冷却、希釈液である酢酸
エチルの滴下等によって、反応温度を60〜65℃に制
御し、8時間反応後、さらに75〜80℃に昇温して1
0時間熟成し、感圧性粘着剤溶液を得た。
【0034】得られた感圧性粘着剤溶液に、消炎鎮痛剤
であるケトプロフェン5%と、グリセリンモノオレート
25%、水酸化ナトリウム1.57%添加し、乾燥後の
厚みが40μmになるように離型ライナー上に塗布、乾
燥し、薬物含有粘着剤層を作製した。一方、支持体とし
て70μmのエチレン−ビニルアセテートフィルム(ポ
リ酢酸ビニル含量18%)を用い、このコロナ処理面上
に0.75%の三官能性イソシアネートであるトリメチ
ロールプロパンのヘキサメチレンジイソシアネート付加
物(日本ポリウレタン社製、コロネートHL)のトルエ
ン溶液を4g/m2になるように塗布し、乾燥した。この支
持体のイソシアネート系化合物塗布面上に、前述の粘着
剤層を転写し、本発明の貼付剤を得た。
【0035】実施例3 撹拌棒、温度計、還流冷却器、不活性ガス導入管および
滴下ロートを取り付けた5つ口フラスコ中を充分に窒素
置換を行った後、このフラスコ中にアクリル酸イソノニ
ル70部とN−ビニル−2−ピロリドン25部とアクリ
ル酸5部を入れて撹拌しながら、重合開始剤としてアゾ
ビスイソブチロニトリル2%を添加し、撹拌速度、外浴
の冷却、希釈液である酢酸エチルの滴下等によって、反
応温度を60〜65℃に制御し、6時間反応後、さらに
75〜80℃に昇温して4時間熟成し、感圧性粘着剤溶
液を得た。
【0036】得られた感圧性粘着剤溶液に、冠血管拡張
剤であるイソソルビドジントレート40%添加し、乾燥
後の厚みが20μmになるように離型ライナー上に塗
布、乾燥し、薬物含有粘着剤層を作製した。一方、支持
体として60μmの多孔質ポリエチレンフィルムを用
い、この片面に0.75%の三官能性イソシアネートで
あるトリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネー
ト付加物(日本ポリウレタン社製、コロネートL)のト
ルエン溶液を2g/m2になるように塗布し、乾燥した。こ
の支持体のイソシアネート系化合物塗布面上に、前述の
粘着剤層を転写し、本発明の貼付剤を得た。
【0037】比較例1 実施例1にて調製した支持体のイソシアネート系化合物
による下塗処理をしなかった以外は、実施例1と同様に
して貼付剤を得た。
【0038】比較例2 実施例2にて調製した支持体のイソシアネート系化合物
による下塗処理をしなかった以外は、実施例2と同様に
して貼付剤を得た。
【0039】比較例3 実施例3にて調製した支持体のイソシアネート系化合物
による下塗処理をしなかった以外は、実施例3と同様に
して貼付剤を得た。
【0040】比較例4 実施例2にて調製した支持体のイソシアネート系化合物
による下塗処理の代わりに不織布(旭化成社製、ベンコ
ットン、目付量18g/m2)をラミネートした支持体の不
織布面に粘着剤層を貼り合わせた以外は、実施例2と同
様にして貼付剤を得た。
【0041】実験例1 上記実施例および比較例の貼付剤について、接着力試
験、投錨力試験、ヒト皮膚貼付試験の測定を以下の方法
で行った。また、実施例2と比較例4の貼付剤について
は、5%モジュラスの測定も以下の方法で行った。結果
を表1に示す。
【0042】接着力試験 ベークライト板に幅12mmに裁断した帯状の各サンプル
を貼付し、荷重850gのローラーを1往復させて密着
させた後、23℃、60%RHの条件下、テンシロン引
張試験機により、180度方向に300mm/分の速度で
剥離し、その際の剥離力を測定した。
【0043】投錨力試験 13×100mmに調製したプラセボテープ(各実施例、
比較例で作製した貼付剤から、主薬および添加剤を加え
ずに作製したテープ)を、両面テープで25×100mm
のベークライト板に固定し、プラセボテープの糊面に1
2×70mmに調製した各サンプルを荷重850gのロー
ラーを用いて貼付した後、23℃、60%RHの条件
下、テンシロン引張試験機により、直ちに90度方向に
300mm/分の速度で剥離し、その際の荷重を測定し
た。
【0044】ヒト皮膚貼付試験 30×50mmに調製した各サンプルを、ボランティアの
背中に1時間貼付した後、引き剥がし、その時の投錨破
壊の状態を評価した。 ○:投錨破壊しない △:エッジ部が少し投錨破壊して、糊が背中に残る ×:全面投錨破壊して、糊が背中に残る
【0045】モジュラスの測定 サンプルをJISダンベル型2号で打ち抜き、23℃、
60%RHの条件下、テンシロン引張試験機により、3
00mm/分の速度で引っ張った時の5%モジュラスを測
定した。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示す結果より、各実施例(1〜3)
のものは対応する比較例(1〜3)のものに比べて接着
力は大差ないが投錨力は約2倍となり、ヒトの皮膚に貼
付した際の糊残りも全く観察されず、投錨性に優れてい
ることが認められる。また、比較例4のように不織布を
ラミネートすることにより投錨性は向上するが、支持体
の伸縮性が失われる。しかし、実施例の貼付剤は支持体
の伸縮性を変化させずに投錨性を向上させることがで
き、優れていることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の貼付剤は、支持体層と粘着剤層
の間にイソシアネート系化合物層を有するので、粘着剤
層の支持体層に対する投錨性が良好で、皮膚に貼付後、
除去する際に皮膚への糊残りが生じないという効果を有
する。また、不織布や織布等を用いずに投錨性を向上さ
せることができるので、支持体の伸縮性や粘着剤の物性
を変化させることなく投錨性を向上させることができる
という効果を有する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面にイソシアネート系化合物
    よりなる層が形成され、その上に薬物が含有されている
    粘着剤層が形成されてなる貼付剤。
  2. 【請求項2】 粘着剤層で薬物が結晶化していることを
    特徴とする請求項記載の貼付剤。
JP11771892A 1992-05-11 1992-05-11 投錨性を向上させた貼付剤 Expired - Lifetime JP3201645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11771892A JP3201645B2 (ja) 1992-05-11 1992-05-11 投錨性を向上させた貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11771892A JP3201645B2 (ja) 1992-05-11 1992-05-11 投錨性を向上させた貼付剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05310559A JPH05310559A (ja) 1993-11-22
JP3201645B2 true JP3201645B2 (ja) 2001-08-27

Family

ID=14718579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11771892A Expired - Lifetime JP3201645B2 (ja) 1992-05-11 1992-05-11 投錨性を向上させた貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3201645B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4633879B2 (ja) * 2000-01-04 2011-02-16 日東電工株式会社 経皮吸収製剤
JP5049426B2 (ja) * 2000-08-31 2012-10-17 日東電工株式会社 アクリル系粘着剤の製造法
CA2552679C (en) * 2004-01-20 2012-12-11 Saitama Daiichi Pharmaceutical Co., Ltd. Tulobuterol adhesive patch
ES2400210T3 (es) 2008-10-02 2013-04-08 Mylan Inc. Método para preparar un laminado de adhesivo multicapa
EP2898879B1 (en) 2012-09-21 2020-02-12 Nitto Denko Corporation Support body for transdermal patch or transdermal preparation, and transdermal patch and transdermal preparation using same

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05310559A (ja) 1993-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6676962B1 (en) Topical plaster with non-steroidal antirheumatic agents with an acid group
JP2700835B2 (ja) アクリル系ゲル材およびアクリル系ゲル製剤
JP2849950B2 (ja) 経皮吸収製剤
US20060193900A1 (en) Pressure sensitive adhesive and patch
JP3576608B2 (ja) 貼付剤および貼付製剤
JPS61280426A (ja) 消炎鎮痛用貼付剤
JP2006288887A (ja) 貼付製剤
US20110236440A1 (en) Medical tape preparation
US20070190123A1 (en) Cover material and plaster with cover material
EP1148106B1 (en) Pressure-sensitive adhesive composition and moisture-permeable pressure-sensitive adhesive tape, pressure-sensitive adhesive drug composition, and pressure-sensitive adhesive tape preparation each containing the composition
US20140242151A1 (en) Adhesive skin patch
CA2662499A1 (en) Transdermal drug administration device
JP2000044904A (ja) アクリル系粘着テープおよび経皮吸収製剤
EP0531938B1 (en) Acrylic gel material and gel-based medical preparation for percutaneous absorption employing the same
KR980008221A (ko) 부프레노르핀 경피 흡수 제제
JPWO2020066188A1 (ja) 含水系貼付剤
JP3201645B2 (ja) 投錨性を向上させた貼付剤
JP3014188B2 (ja) アクリル系ゲル材およびアクリル系ゲル製剤
JP2003000694A (ja) 貼付剤および貼付製剤、ならびにそれらの製造方法
JP4851671B2 (ja) トラニラスト経皮吸収貼付剤およびその製造方法
JP3622775B2 (ja) 貼付剤
JPH046164B2 (ja)
JPH0769869A (ja) ブニトロロール含有貼付製剤
JPH09301853A (ja) 貼付剤および貼付製剤
JPH0565460A (ja) アクリル系粘着シートおよびこれを用いてなる粘着製剤

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120622

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term