JPH0635381B2 - 皮膚貼付薬シート - Google Patents

皮膚貼付薬シート

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JPH0635381B2
JPH0635381B2 JP16803690A JP16803690A JPH0635381B2 JP H0635381 B2 JPH0635381 B2 JP H0635381B2 JP 16803690 A JP16803690 A JP 16803690A JP 16803690 A JP16803690 A JP 16803690A JP H0635381 B2 JPH0635381 B2 JP H0635381B2
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明 飯田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は皮膚貼付薬シート、即ち、プラスターに関し、
詳しくは、薬剤の基材シートへの移行がないのみなら
ず、薬剤を含む粘着剤が基材シート上に強固に接着され
ており、更に、表面のべたつきがなく、風合、滑らか
さ、皮膚の適合性等にすぐれる粘着性皮膚貼付薬シート
に関する。
従来の技術 従来、例えば、皮膚刺激剤や消炎鎮痛剤等の薬剤を含有
する粘着剤を基材シート上に積層してなる粘着性皮膚貼
付薬シートが医療用途に使用されている。このような貼
付薬においては、例えば、特開昭54−139124号
公報に記載されているように、貼付薬を皮膚に貼付した
際に良好な粘着性、皮膚への適合性及適度の弾性を有す
るのみならず、剥離時に皮膚に刺激を与えず、容易に剥
離し得るところから、粘着剤としてはジエン系共重合
体、特に、ジエン系ブロツク共重合体が好適であること
が知られている。
一方、上記のような貼付薬においては、その基材シート
としては、柔軟で皮膚になじみよい塩化ビニル系樹脂が
好適であるが、反面、塩化ビニル系樹脂シートは粘着剤
としての上記したジエン系ブロツク共重合体と親和性に
乏しく、特、貼付薬においては、粘着剤としてのジエン
系ブロツク共重合体が薬剤と共に可塑剤としての高級脂
肪酸や流動パラフイン等を含有するために、塩化ビニル
系樹脂基材シートとの親和性が一層乏しい。その結果、
ジエン系ブロツク共重合体からなる粘着剤を塩化ビニル
系樹脂基材シート上に単に直接に塗布して貼付薬とした
場合、粘着剤の基材シートに対する粘着性に劣る問題が
ある。
更に、塩化ビニル系樹脂を基材シートとする貼付薬にお
いては、薬剤が拡散浸透性の強いものであるときは、薬
剤が基材シートにも浸透拡散し、基材シートを膨潤劣化
させたり、場合によつては、所期の治療効果を損なうこ
とがある。そこで、塩化ビニル樹脂シートに適宜のプラ
イマー処理を施して、ジエン系ブロツク共重合体に対す
る親和性を高めることも可能ではあるが、しかし、塩化
ビニル樹脂シートに含まれる可塑剤が粘着剤層に移行
し、粘着剤の性能を損なう。
そこで、本発明者らは、既に、軟質塩化ビニル樹脂フイ
ルムとポリエチレンテレフタレートフイルムとを積層接
着し、このポリエチレンテレフタレートフイルム表面に
薬剤を含有するジエン系ブロツク共重合体からなる粘着
剤層を直接に設けることによつて、薬剤の基材シートへ
の移行及び可塑剤の粘着剤層への移行を共に防止した粘
着性皮膚貼付薬シートを特開昭63−79409号公報
に開示している。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記したような粘着性皮膚貼付薬シート
においても、尚、薬剤を含有するジエン系ブロツク共重
合体からなる粘着剤層のポリエチレンテレフタレートフ
イルムに対する接着性については、尚、改善されるべき
余地がある。
本発明は、かかる要望に応えるべくなされたものであつ
て、薬剤の基材シートへの移行及び可塑剤の粘着剤層へ
の移行が共にないのみならず、薬剤を含む粘着剤が基材
シート上に強固に接着されており、更に、表面のべたつ
きがなく、風合、滑らかさ、皮膚の適合性等にすぐれる
粘着性皮膚貼付薬シートを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明による皮膚貼付薬シートは、厚さ50〜150μ
mの軟質塩化ビニル樹脂フイルムと厚さ10μm以下の
ポリエチレンテレフタレートフイルムとが接着されてな
る基材シートのポリエチレンテレフタレートフイルム側
に、 (a) 飽和ポリエステル樹脂からなる第1のプライマー
層、及び (b) 末端が水酸基であるポリウレタン100重量部に
対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体50〜200重
量部及び塩化ゴム50〜200重量部からなる樹脂組成
物と、無水シリカ微粉末20〜35重量%を含有する第
2のプライマー層 がこの順序にて積層接着され、更に、この第2のプライ
マー層の上に薬剤を含有するスチレン−ジエン−スチレ
ンブロツク共重合体からなる粘着剤層が積層接着されて
いることを特徴とする粘着性皮膚貼付薬シート。
本発明において、基材シートは、塩化ビニル樹脂フイル
ムとポリエチレンテレフタレートフイルムとが接着され
てなる複合フイルムである。
上記基材シートを形成するために用いるポリエチレンテ
レフタレートフイルムは、厚さが10μm以下であるこ
とが必要である。ポリエチレンテレフタレートフイルム
の厚さが10μmを越えるときは、得られる貼付薬シー
トが硬く、風合、皮膚へのなじみが著しく悪い。特に、
3〜5μmの厚さを有するポリエチレンテレフタレート
フイルムが好適に用いられる。
更に、ポリエチレンテレフタレートフイルムは、破断強
度(縦方向)が25〜35kgf/mm2 、2%(縦方向)も
ジユラス(引張強さ)が7.5〜9.5kgf/mm2 の範囲
にあるのが好ましい。従つて、例えば、厚さ3.5μ
m、破断強度29.4kgf/mm2 、2モジユラス8.6kg
f/mm2 であるフイルムを好適に用いることができる。
他方、かかるポリエチレンテレフタレートフイルムに接
着される塩化ビニル樹脂フイルムは、皮膚へのなじみや
風合にすぐれるためには、その平均重合度は、比較的高
く、1700〜3000の範囲にあることが好ましい。
また、塩化ビニル樹脂フイルムがポリエチレンテレフタ
レートフイルムに対して高い接着性を有するためには、
塩化ビニル樹脂は、平均分子量1000〜8000の高
分子量可塑剤を含有することが好ましいと共に、風合や
皮膚へのなじみにすぐれ、或いは皮膚に貼付したときに
基材シートに反りや弯曲を生じないためには、上記高分
子量可塑剤をポリ塩化ビニル100重量部当りに60〜
120重量部を含有する軟質フイルムであることが好ま
しい。更に、皮膚に貼付したときに違和感を生じないた
めには、厚さが50〜150μmの範囲にあることが必
要である。
上記高分子量可塑剤としては、特に、エステル系高分子
量可塑剤が好ましくは、かかる可塑剤の好ましい具体例
として、例えば、フタル酸のポリエチレングリコールジ
エステル、ポリプロピレングリコールエステル、ポリエ
チレングリコールポリプロピレングリコールジエステル
等のようなポリアルキレングリコールジエステルや、ア
ジピン酸、セバシン酸等のような脂肪族二塩基酸のポリ
アルキレングリコールジエステル、ポリプロピレングリ
コールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコールジエステル等のようなポリアルキレング
リコールジエステルを挙げることができる。
更に、本発明においては、塩化ビニル樹脂フイルムは、
所謂無毒系の安定剤の適量を含有することが好ましい。
かかる安定剤の好適な例として、例えば、塩化ビニル樹
脂用安定剤として既によく知られているカルシウム−亜
鉛系安定剤を挙げることができるが、しかし、無毒系で
ある限りは、特に上記に限定されるものではない。
本発明においては、上記したような複合フイルムのポリ
エチレンテレフタレート上に二層のプライマー層が積層
接着され、その上に薬剤を含有するスチレン−ジエン−
スチレンブロツク共重合体からなる粘着剤層が積層接着
される。
上記ポリエチレンテレフタレートフイルム上に施される
第1のプライマー層は、飽和ポリエステル樹脂からな
る。飽和ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボ酸(例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸等、又はこれらの混合
物)又はこれら芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン
酸(例えば、アジピン酸、セバチン酸等、又はこれらの
混合物)との混合物と、飽和脂肪族ジオール(例えば、
エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4
−シクロヘキサンジオール等、又はこれら混合物)とを
常法に従つて縮合重合させることによつて得ることがで
きる。
本発明においては、かかる飽和ポリエステル樹脂は、1
5000〜20000の範囲の分子量を有することが好
ましい。このような飽和ポリエステル樹脂は市販されて
おり、本発明においては、かかる市販品を好適に用いる
ことができる。
かかる飽和ポリエステル樹脂を適宜の有機溶剤(例え
ば、トルエン)に溶解してプライマーを調製し、これを
ポリエチレンテレフタレートフイルム表面に塗布し、乾
燥することによつて、第1のプライマー層を形成するこ
とができる。
次に、第2のプライマー層は、末端が水酸基であるポリ
ウレタン100重量部に対して、エチレン−酢酸ビニル
共重合体50〜200重量部及び塩化ゴム50〜200
重量部からなる樹脂組成物と、この樹脂組成物に基づい
て無水シリカ微粉末10〜20重量%を含有する。
上記した末端が水酸基であるポリウレタンは、例えば、
分子量1000〜3000のジオールとジイソシアネー
トとをイソシアネート基/水酸基モル比1.5〜2.0
にて反応させて、末端がイソシアネート基であるウレタ
ンプレポリマーを得、次いで、かかるウレタンプレポリ
マーに対して、鎖延長剤としての低分子量のポリオール
を水酸基/イソシアネート基モル比1.4〜2.0にて
反応させることによつて得ることができる。その分子量
は、30000〜80000の範囲が好適である。
上記分子量1000〜3000のジオールとしては、ポ
リエステルジオールやポリエーテルジオールが好ましく
用いられる。ポリエステルジオールは、例えば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ジエチレングリコール等のグリコール類と、アジ
ピン酸、セバチン酸等の飽和ジカルボン酸、マレイン
酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、フタル酸、イソ
フタル酸等の芳香族ジカルボン酸又はその無水物等とを
反応させて得られる線状ポリエステルジオールが好まし
く用いられる。更に、カプロラクトン、メチルカプロラ
クトン等のラクトン類をグリコール類にて開環重合させ
て得られるポリエステルジオールも好ましく用いられ
る。
また、ポリエーテルジオールは、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、エピクロロヒドリン、オキサシ
クロブタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合
物の開環重合又は共重合によつて得られるものが好まし
く用いられる。
ポリウレタンの調製において、用いる前記ジオールの分
子量が余りに高いときは、得られるポリウレタンに前記
したエチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ゴム及び無水
シリカ微粉末を有機溶剤に加えて得られる第2のプライ
マーが高すぎる粘度を有することとなつて、複合フイル
ムへの塗布に困難を生じる。
前記ジイソシアネートは、特に限定されるものではな
く、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメ
タンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート等の脂肪族ジイソシアネート等が適宜に用いられ
る。
また、鎖延長剤としての低分子量グリコールとしては、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール等が好ましく用いられる。
本発明においては、このように、末端が水酸基であるポ
リウレタンを含む第2のフライマー層を用いることによ
つて、前述した第1のプライマー層と後述する粘着剤層
との間に強力な接着を達成することができる。
塩化ゴムは、よく知られているように、天然ゴムを塩素
化して得られるゴムであつて、分子量約5000〜10
0000、塩素含有量65重量%以上を有する。
シリカ微粉末は、高純度のシリカからなる粒径10〜1
00nm程度のものが好ましく用いられる。粒径が10
nmよりも小さいときには、得られる第2のプライマー
の粘度が高すぎて、塗布が困難であり、他方、100n
mを超えるときは、プライマーにおける分散が不均一と
なつて、やはり塗布に困難を生じる。
本発明において、第2のプライマー層は、上記したよう
なポリウレタン100重量部に対して、エチレン−酢酸
ビニル共重合体50〜200重量部及び塩化ゴム50〜
200重量部を含有すると共に、第2のプライマー層
中、無水シリカ微粉末20〜35重量%を含有する。
このような第2のプライマーにおいて、前記ポリウレタ
ンが接着剤の主成分をなすが、ポリウレタン単独では接
着力が不足する。そこで、ポリウレタンにエチレン−酢
酸ビニル共重合体を配合することによつて、接着力を高
めることができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体にお
ける酢酸ビニル含有量は、70〜90%の範囲が好適で
あり、平均重合度は1500〜4000の範囲が好適で
ある。
しかし、ポリウレタンとエチレン−酢酸ビニル共重合体
は相互に相溶性が悪いので、更に、これに塩化ゴムを配
合することによって、相溶性を高めると共に、得られる
プライマーの接着力をも向上させることができる。第2
のプライマーにおける上記した各成分の配合割合は、プ
ライマーの接着力及び相溶性を最善とするために選択さ
れたものである。
第2のプライマーに配合されるシリカ微粉末は、形成さ
れるプライマー層のブロツキング性を低減させ、複合フ
イルムにプライマー層を施した後、ロールとしたとき
に、その展開を容易にする。しかし、過多に配合すると
きは、得られるプライマーの粘度を著しく高くし、塗布
を困難にすると共に、プライマーの接着力をも低下させ
る。
上記したようなポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体及び塩化ゴムを適宜の有機溶剤(例えば、トルエ
ン)に溶解させ、これにシリカ微粉末を分散させること
によつて、第2のプライマーを得ることができる。
このような第2のプライマーを前述した飽和ポリエステ
ル樹脂からなる第1のプライマー層上に塗布し、乾燥す
ることによつて、第2のプライマー層を形成することが
できる。
本発明においては、第1のプライマー層は厚みが1〜5
μmの範囲がよく、第2のプライマー層は、厚みが5〜
20μmの範囲がよい。それぞれのプライマー層の厚み
が余りに薄いときは、目的とする強固な接着力を得るこ
とができず、他方、余りに厚いときは、プライマー層が
硬く、得られる粘着性皮膚貼付薬シートに必要とされる
柔軟性を損なうので好ましくない。
以上のようにして、複合フイルムのポリエチレンテレフ
タレート表面に第1及び第2のプライマー層を形成した
後、この第2のプライマー層の上に薬剤を含有するスチ
レン−ジエン−スチレンブロツキング共重合体からなる
粘着剤の層を設けることによつて、この粘着剤層が複合
フイルムに強固に接着された粘着性皮膚貼付薬シートを
得ることができる。
本発明において粘着剤を構成するスチレン−ジエン−ス
チレンブロツク共重合体としては、具体例としては、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重合体及びス
チレン−イソブレン−スチレンブロツク共重合体を挙げ
ることができる。これらスチレン−ジエン−スチレンブ
ロツク共重合体は、粘着剤として単独又は混合物として
用いられてもよく、又はこれらブロツク共重合体と共に
可塑剤、粘着付与樹脂、充填剤、老化防止剤等を含有す
る組成物として用いられてもよい。
かかるスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重合体
は、例えば、前記した特開昭54−138124号公報
に詳細に記載されているように既に知られている。Aを
スチレンからなるガラス状或いは硬質の非弾性熱可塑性
重合体のブロツクとし、Bをブタジエン又はイソプレン
のような共役ジエンの弾性重合体のブロツクとすると
き、A−B−Aの構造を有するブロツク共重合体であつ
て、ブロツクAが全重合体重量の10〜50重量%を占
める。このようなスチレン−ブタジエン−スチレンブロ
ツク共重合体はカリフレツクスTR−1101、TR−
1102等として、また、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロツク共重合体はカリフレツクスTR−1107
(いずれもシエル化学(株)製)として市販されており、
入手することができる。
発明の効果 以上のように、本発明の粘着性皮膚貼付薬シートよれ
ば、基材シートを塩化ビニル樹脂フイルムとポリエチレ
ンテレフタレートフイルムとを接着してなる複合フイル
ムとし、かかる基材シートのポリエチレンテレフタレー
トの表面に第1及び第2のプライマー層を順次に形成
し、その上に薬剤を含むスチレン−ジエン−スチレンブ
ロツク共重合体からなる粘着剤層を形成してなるもので
ある。
ここに、第1のプライマー層がポリエチレンテレフタレ
ートフイルムに強固に接着し、第2のプライマー層が薬
剤を含むスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重合体
からなる粘着剤層に強固に接着し、更に、第1及び第2
のプライマー層が相互に強固に接着する。しかも、ポリ
エチレンテレフタレートは、粘着剤層中の流動パラフイ
ンや薬剤の塩化ビニル樹脂フイルムへの移行を防止する
と共に、塩化ビニル樹脂中の可塑剤の粘着剤層中への移
行を共に防止する。
従つて、本発明による粘着性皮膚貼付薬シートによれ
ば、ポリエチレンテレフタレートフイルムと薬剤を含有
する上記粘着剤層との間に強固な接着を得ることができ
るので、貼付薬シートを皮膚から剥がすときに、粘着剤
が皮膚に残ることがない。
特に、本発明による粘着性皮膚貼付薬シートによれば、
ポリエチレンテレフタレートフイルムが薬剤や可塑剤の
拡散透過に対して効果的なバリヤー層として機能するの
で、薬剤がl−メントールやサリチル酸エステル類のよ
うに拡散浸透性を強い場合であつても、薬剤が塩化ビニ
ル樹脂フイルムに拡散浸透することがなく、また、可塑
剤の粘着剤層への拡散透過も阻止されるうえに、皮膚貼
付薬シートとして不可欠である風合、滑らかさ、皮膚の
適合性等にすぐれ、更に、表面のべたつきもないので、
使用感にすぐれるものである。
実施例 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を説明する。
第1のプライマーの調製 飽和ポリエステル樹脂として、特に明示しない限りは、
東洋紡(株)製バイロン20SS(固形分20%)を用い
た。比較例の一部において、日立化成ポリマー(株)製ク
ロロプレン系重合体ハイボン1902LT(固形分28
%)を用いた。
第2のプライマーの調製 第2のプライマーは、第1表から第4表に示すように、
実施例では、ポリウレタンとして大日本インキ化学工業
(株)製クリスボン4005(末端水酸基ポリウレタン、
粘度20〜4ポイズ(125℃)、分子量約5000
0、ポリエステル系ポリウレタン溶液、固形分25
%)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂)と
して日本合成化学工業(株)製ソアレツクスS4305
(濃度40%)又はソアレツクスE−830及び塩化ゴ
ムとして旭電化(株)製アデカ塩化ゴムCR−10、40
又は50をそれぞれ用い、トルエン/メチルイソブチル
ケトン(MEK)(重量比1/1)に30重量%濃度に
溶解させた。
この溶液にシリカ微粉末として、日本アエロジル(株)製
アエロジル130(粒径16nm)又は200(粒径1
2nm)を所定量と溶剤の少量を加え、均一に攪拌し
て、第2のプライマーを調製した。
比較のための第2のプライマーは、ポリウレタンとし
て、上記クリスボン4005又は大日精化工業(株)製レ
ザミンUD−603(末端水酸基ポリウレタン、粘度9
00〜1500ポイズ(125℃)、分子量約1000
00、ポリエステル系ポリウレタン溶液)を用い、シリ
カ微粉末として、日本アエロジル(株)製アエロジル13
0(粒径16nm)、200(粒径12nm)又は30
0(粒径7nm)を用いて、実施例によるプライマーと
同様にして調製した。
複合フイルム及び基材シートの製造 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100 部 可塑剤(ポリエステル系、分子量2600) 55 部 安定剤(Ca−Zn系) 1.5部 からなる組成物をカレンダー法にて厚さ70μmのフイ
ルムに成形した。
この塩化ビニル樹脂フイルムの上にウレタン系二液型接
着剤を用いて、厚さ5μmのポリエチレンテレフタレー
トフイルムを接着して、基材シートとした。
次いで、この基材シートのポリエチレンテレフタレート
フイルムの表面に前述した第1のプライマーをグラビア
コーターにて塗布し、乾燥させて、厚み3μmの第1の
プライマー層を形成し、次いで、その上に前述た第2の
プライマーをリバースコーターにて塗布し、乾燥させ
て、厚み10μmの第2のプライマー層を形成した。
皮膚貼付薬シートの製造 スチレン−イゾプレン−スチレンブロツク共重合体(シ
エル化学製カリフレツクスTR−1107)30重量
部、テルペン系樹脂(安原化学製YSレジン)35重量
部、流動パラフイン10重量部、サリチル酸メチル6重
量部、l−メントール3重量部及びd−カンフル1重量
部を混合して、薬剤を含有する粘着剤とした。この粘着
剤を離型紙上に圧延した。
次いで、前記基材シートのポリエチレンテレフタレート
フイルムの表面に上記粘着剤層を設けた離型紙を粘着剤
層がポリエチレンテレフタレートフイルムに対向するよ
うに重ね、2kgのローラで押圧して貼着して、皮膚貼付
薬シートを製造した。
試験は、次の項目について行なつた。結果を第1表から
第3表に示す。
第2のプライマー層と基材シートとの接着性 プライマー層を形成した基材シートのプライマー層上に
セロハンテープを2kgのローラで貼着し、20分後にこ
れを剥離して、プライマーが剥離するかどうかを調べ
た。○は剥離せず、△は一部剥離した、を示す。
粘着剤と基材シートとの接着性 前述したようにして製造した皮膚貼付薬シートから離型
紙を剥離し、粘着剤層をベークライト板にローラで貼着
し、24時間後にベークライト板から皮膚貼付薬シート
を剥離し、粘着剤のベークライト板への糊残りの有無を
調べた。○は糊残りなし、△は一部、糊残りがあった、
×は糊残りが顕著であつた、を示す。
第2のプライマーの相溶性 第2のプライマーを試験管に入れ、24時間放置した
後、分離するかどうかを調べた。○は相溶性良好、△は
やや不良、×は不良、を示す。
第2のプライマーの塗布性 B型粘度計12rpm にて粘度が15000センチポイズ
未満のときを○(塗布性良好)、1500センチポイズ
以上のとき、×(塗布性不良)とした。
耐ブロツキング性 プライマー層を設けた基材シートを相互に積層し、40
℃で30分間、7.5kg/cm2でプレスした後、相互に
剥離したとき、剥離力20g/cm未満 のときを○(耐ブロツキング性良好)、20g/cm以上
のときを×(耐ブロツキング性不良)とした。
第1と第2のプライマー層との間の接着性 第1及び第2のプライマー層を形成した基材シートの第
2のプライマー層上にセロハンテープを2kgロールで貼
着し、20分後にこれを剥離して、第2のプライマー層
が第1のプライマー層から剥離するかどうかを調べた。
○は剥離せず、△は一部剥離する、×は全部剥離する、
を示す。
また、第1及び第2のプライマー層の厚さと基材シート
又は粘着剤層との接着性の関係を第4表に示す。試験の
評価方法は前記と同じである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ50〜150μmの軟質塩化ビニル樹
    脂フイルムと厚さ10μm以下のポリエチレンテレフタ
    レートフイルムとが接着されてなる基材シートのポリエ
    チレンテレフタレートフイルムの表面に、 (a) 飽和ポリエステル樹脂からなる第1のプライマー
    層、及び (b) 末端が水酸基であるポリウレタン100重量部に
    対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体50〜200重
    量部及び塩化ゴム50〜200重量部からなる樹脂組成
    物と、無水シリカ微粉末20〜35重量%を含有する第
    2のプライマー層 がこの順序にて積層接着され、更に、この第2のプライ
    マー層の上に薬剤を含有するスチレン−ジエン−スチレ
    ンブロツク共重合体からなる粘着剤層が積層接着されて
    いることを特徴とする皮膚貼付薬シート。
  2. 【請求項2】シリカ微粉末の粒径が10〜100nmで
    あることを特徴とする請求項第1項記載の皮膚貼付薬シ
    ート。
  3. 【請求項3】第1のプライマー層が厚み1〜5μmを有
    すると共に、第2のプライマー層が厚み5〜20μmを
    有することを特徴とする請求項第1項記載の皮膚貼付薬
    シート。
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