JP5196828B2 - 皮膚貼付薬シート - Google Patents

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Description

本発明は、皮膚貼付薬シートに関する。
近年、薬物を体内に投与する手段として、注射剤、経口剤、軟膏剤等の他に、薬物投与の容易性、薬物量のコントロールの容易性、取り扱い性、副作用が発現した際の投与中止の容易性等の種々の利点から、皮膚面に貼付使用する皮膚貼付薬シートが種々提案されている。具体的には、狭心症予防薬、各種ステロイド薬、非ステロイド薬、麻酔薬、抗高血圧薬等の経皮吸収用薬物を粘着剤中に含有させた皮膚貼付薬シートが開発されている。
耐溶剤性を有する経皮吸収型の皮膚貼付薬シートとして、軟質塩化ビニル樹脂フィルム及びポリエチレンテレフタレートフィルムを積層した支持体と、PETフィルム側に設けられた粘着剤層とを有するものが提案されている。このようなシートは、支持体の柔軟性及びハンドリング性を両立する目的で、柔らかく厚めの支持体を使用したものが開示されており、粘着剤層を含むシート(製剤)の厚さも比較的厚いものである。
このため、柔軟性を有しているが、シート貼付時に衣服等で強く擦れた際にシートの端部から剥がれやすいという問題があった。また、子供等が医薬品として使用する場合に、簡単に剥がれないように、また剥がされないように改善する必要があった。更に皮膚貼付薬シートには、外観変化(シートの寸法変化、薬物や添加剤のブリード等)が少ないこと、風合い(追従性、密着性、なじみ性、折れ曲がり性)等の性能に優れていること等も要求されている。
特許文献1及び2において貼付剤が開示されているが、支持体や粘着剤層の厚みについて詳細に検討されていない。また、主にポリエステル不織布からなる支持体が記載されている。特許文献3には、厚み3〜30μmの支持体膜及び厚み5〜200μmの粘着剤層とからなる貼付剤が開示されているが、この支持体膜は酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸アルキル及び(メタ)アクリル酸の共重合物から得られるものであって、ポリエステル系フィルムを使用したものではない。
特許文献4には厚み6.0μmのPETフィルムからなる支持体及び厚み15μmの粘着剤層からなる貼付剤、特許文献5には厚み10μmのPETフィルム及び粘着剤層50μmからなる貼付剤が開示されている。しかし、剥がれにくさ、外観変化、風合い等の性能が不充分である。
特開平6−205839号公報 国際公開第01/68061号パンフレット 国際公開第01/66095号パンフレット 特開平9−272751号公報 特開2004−10552号公報
本発明は、上記現状に鑑み、特に貼付時に剥がれにくいという性質を有するとともに、外観変化が少なく、優れた風合い等の性質を有し、正確な薬剤投与量のコントロールが可能な皮膚貼付薬シートを提供することを目的とするものである。
本発明は、ポリエステル系フィルムからなる支持体と薬物を含有する粘着剤層とを有する皮膚貼付薬シートであって、上記支持体の厚さは、6〜20μmであり、上記粘着剤層の厚さは、10〜80μmであり、上記支持体は、外側表面上に印刷層を有し、上記印刷層を有する支持体の外側表面の表面粗さRz(JIS B0601準拠)は、2〜5μmであり、上記印刷層は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、タルク、カオリン、アルミナ及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種の無機系添加剤を含むインキを用いて形成されることを特徴とする皮膚貼付薬シートである。
上記ポリエステル系フィルムは、ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
上記支持体の内側表面は、プライマー加工を施したものであることが好ましい
上記粘着剤層は、アクリル系粘着剤又はゴム系粘着剤を含有するものであることが好ましい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の皮膚貼付薬シートは、厚さ6〜20μmのポリエステル系フィルムからなる支持体及び厚さ10〜80μmの粘着剤層を有するものである。即ち、厚みの小さいポリエステル系フィルム(支持体)及び粘着剤層を有しているため、支持体として比較的硬いポリエステル系フィルムを使用しているにもかかわらず、貼付時に剥がれにくいという優れた性質を有している。よって、衣服の引っかかり等によって剥がれてしまうこと、子供に貼付して使用した場合にその子供が剥がしてしまうこと、他の子供に剥がされてしまうこと、等を防止することができる。
本発明の皮膚貼付薬シートは、上記構成であるため、シートの寸法変化、薬物や添加剤のブリード等、シートの外観変化が少ない。また、優れた風合い、追従性、密着性、なじみ性、折れ曲がり性等の性質を有し、ハンドリング性にも優れている。更に、正確な薬剤投与量のコントロールも可能である。
本発明の皮膚貼付薬シートは、ポリエステル系フィルムからなる支持体を有するもので、上記支持体(ポリエステル系フィルム)の厚さは、6〜20μmである。6μm未満であると、製剤化した際の貼付時のハンドリング性が悪くなる。20μmを超えると、支持体が硬く、風合い、皮膚等の曲面への追従性が悪くなる。上記支持体の厚さは9〜17μmであることが好ましい。
本明細書において、支持体、粘着剤層の厚さは以下の測定方法により得られる値である。
1/1000ダイヤルゲージ(JIS−B−7509)の一級品を用い、試料を0.001mm単位まで測定し記録する(測定子5mmφ)。
上記ポリエステル系フィルムは、ポリエステル樹脂を用いて成形することにより得られるフィルムである。上記ポリエステル系フィルムを構成するポリエステル樹脂は、ジカルボン酸と、ジオールとから又はヒドロキシカルボン酸とから重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーである。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、コハク酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることができる。上記ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を挙げることができる。上記ヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレンナフタレート等を挙げることができる。これらのポリエステル樹脂は、第3成分を共重合させたものでもよい。なかでも、貼付したシートが剥がれにくいこと、外観変化が少ないこと、風合いに優れていることから、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを使用することが好ましく、ポリエチレンテレフタレートを使用することが特に好ましい。
上記ポリエステル樹脂は、o−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜0.9dl/gの範囲のものが好ましい。この範囲内であると、フィルムの成形を良好に行うことができる。上記ポリエステル樹脂は、他の成分として樹脂の添加剤として用いられる従来公知の添加剤を含むものであってもよい。
上記ポリエステル系フィルムは市販品を使用することができ、例えば、NSC−6(テイジンデュポン社製)等のポリエチレンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。上記ポリエステル系フィルムは、単層で用いてもよいし、複層で用いてもよい。複層の場合、上記支持体の厚さは、複層の総厚みを意味する。
上記ポリエステル系フィルムは、破断強度(フィルム流れ方向、縦方向)が20〜80N/19mm、2%モジュラスが9.5kgf/mm以下であることが支持体にした際の風合い、柔軟性から望ましい。上記破断強度、2%モジュラスの値は、JIS K 7113に準じた測定値である。
上記支持体の外側表面の表面粗さRz(JIS B0601準拠)は、0.01〜5μmであることが好ましい。上記範囲であると、支持体のフィルム表面が平滑で衣服等の引っかかりもなく、剥がれにくくなる。また、外側表面側に織布・不織布等を積層した場合のような、表面凹凸に起因する引っかかり等を抑制することできる。5μmを超えると、引っかかりが増え、フィルムの厚みも大きくなるため、剥がれやすくなるおそれがある。
上記支持体の外側表面とは、上記支持体の表面のうち、粘着剤層が形成されない面(皮膚貼付薬シートの貼付時における表面側)を意味する。また、本明細書において、表面粗さRzは、JIS B 0601で規定される10点平均粗さである。
上記支持体は、必要に応じて着色層、印刷層、接着剤層、エンボス加工、サンドブラスト加工、コロナ処理が施されたものであってもよい。これにより、様々な意匠、機能を付加することができる。
上記皮膚貼付薬シートは、支持体の外側表面上に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、タルク、カオリン、アルミナ及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種の無機系添加剤を含むインキを用いて形成される印刷層を有するものであることが好ましい。これにより、意匠を付与するだけでなく、支持体の外側表面の摩擦係数を下げることもできる。従って、貼付した皮膚貼付薬シートを剥がれにくくすることができる。上記印刷層は、上記インキを用いて従来公知の方法により支持体の外側表面上に印刷処理を施すことによって得ることができる。また、上記着色層、接着剤層は、エンボス加工、サンドブラスト加工、コロナ処理は、従来公知の方法によって形成、加工、処理することができる。
上記支持体の内側表面は、コロナ処理又はプライマー加工を施したものであることが好ましい。これにより、粘着剤層との密着性を向上させることができる。上記支持体の内側表面とは、上記支持体の表面のうち、粘着剤層が形成される面を意味する。
上記コロナ処理は、例えば、公知のコロナ放電処理器により行うことができる。上記コロナ処理の際におけるコロナ放電密度は、通常、10W・分/m以上、好ましくは30〜300W・分/mである。上記不活性気体としては、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、ネオン、キセノン、窒素、これらの2種類以上混合気体を挙げることができる。なかでも、工業的には窒素が好ましい。
上記プライマー加工としては、粘着剤層との密着性が優れているという点から、ポリエステル系プライマー、ポリウレタン系プライマー、アクリル系プライマーを使用した加工であることが好ましい。
上記ポリエステル系プライマーとしては、優れた密着性が得られる点から、飽和ポリエステル樹脂を含有するものが好ましい。上記飽和ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸等又はこれらの混合物)又はこれら芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバチン酸等又はこれらの混合物)との混合物と、飽和脂肪族ジオール(例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール等又はこれら混合物)とを常法に従って縮合重合させることによって得られるもの等を挙げることができる。
上記飽和ポリエステル樹脂の数平均分子量は、15000〜20000の範囲内であることが好ましい。これにより、優れた密着性を得ることができる。上記飽和ポリエステル樹脂は、市販品を好適に用いることができる。本明細書において、数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)測定によるポリスチレン換算の測定値である。上記ポリエステル系プライマーは、上記飽和ポリエステル樹脂を適宜の有機溶剤(例えば、トルエン)に溶解することによって製造することができる。
上記ポリウレタン系プライマーとしては、優れた密着性が得られる点から、末端が水酸基であるポリウレタンに対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩化ゴムからなる樹脂組成物と、無水シリカ微粉末を添加したものが好ましい。
上記末端が水酸基であるポリウレタンは、接着剤の主成分である。上記ポリウレタンは、例えば、数平均分子量1000〜3000のジオールとジイソシアネートとをイソシアネート基/水酸基モル比1.5〜2.0で反応させて、末端がイソシアネート基であるウレタンプレポリマーを得、次いで、上記ウレタンプレポリマーに対して、鎖延長剤としての低分子量のポリオールを水酸基/イソシアネート基モル比1.4〜2.0にて反応させることによって得ることができる。上記ポリウレタンの数平均分子量は、30000〜80000が好適である。
上記ジオールとしては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオールが好ましい。
上記ポリエステルジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール類と、アジピン酸、セバチン酸等の飽和ジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸又はその無水物等とを反応させて得られる線状ポリエステルジオールが好ましい。また、カプロラクトン、メチルカプロラクトン等のラクトン類をグリコール類にて開環重合させて得られるポリエステルジオールも好ましく用いられる。
上記ポリエーテルジオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロロヒドリン、オキサシクロブタン、テトラヒドロフラン等の環状エーテル化合物の開環重合又は共重合によって得られるものが好ましい。
上記ジイソシアネートとしては特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が適宜使用される。上記鎖延長剤としての低分子量グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が好ましく用いられる。
上記エチレン−酢酸ビニル共重合体を配合することによって、接着力を高めることができる。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体における酢酸ビニル含有量は、70〜90%の範囲が好適であり、平均重合度は1500〜4000の範囲が好適である。
上記塩化ゴムは、天然ゴムを塩素化して得られるゴムであり、数平均分子量5000〜100000、塩素含有量65質量%以上を有するものを挙げることができる。上記塩化ゴムを配合することによって、相溶性を高めると共に、得られるプライマーの接着力も向上させることができる。上記シリカ微粉末は、高純度のシリカからなる粒径10〜100mμ程度のものが好ましい。
上記ポリウレタン系プライマーにおいて、上述した各成分の配合割合は、プライマーの接着力及び相溶性を最善とするために選択されたものである。上記ポリウレタン系プライマーは、上記ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩化ゴムを適宜の有機溶剤(例えば、トルエン)に溶解させ、これにシリカ微粉末を分散させることによって製造することができる。
上記アクリル系プライマーとしては、ポリエステル系フィルムと粘着剤層とを接着させる性質を有する従来公知のものを使用することができる。
上述したプライマーを支持体の内側表面に塗布し、乾燥することによって、プライマー層を形成することができる。形成される乾燥後のプライマー層の厚みは、1〜20μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の皮膚貼付薬シートは、薬物を含有する粘着剤層を有するものであり、上記粘着剤層の厚さは10〜80μmである。上記範囲内であることにより、皮膚への追従性、密着力、風合いに優れ、また剥がれにくくなる。10μm未満であると、凝集力が不足するために目標の粘着力を達成できなくなるおそれがある。80μmを超えると、製剤端部における高さ(段差)が生じるため、衣服への引っかかりが増えて剥がれやすくなったり、子供でも容易に剥がしてしまうことになる。上記粘着剤層の厚さは、20〜70μmであることが好ましい。
上記粘着剤層を有することにより、皮膚貼付薬シートを皮膚表面上に好適に貼り付けることができる。上記粘着剤層は、上記支持体の片面(内側表面)に設けられている。上記粘着剤層は、従来公知の粘着剤を使用することによって形成されるが、本発明の効果が良好に得られる点から、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を使用することによって形成されるものが好ましい。
上記アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体からなるものであり、上記アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独重合体、又は、これらの共重合体を挙げることができる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキルとしては、炭素数4〜12の直鎖又は分岐鎖状アルキルが好ましい。アクリル系共重合体を使用する場合、更にアジリジン系硬化剤も使用することが好ましい。
上記ゴム系粘着剤としては、例えば、ポリイソブチレン・ポリブテン系、スチレン・ジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・ブタジエン系、ニトリル系、クロロプレン系、ビニルピリジン系、ポリイソブチレン系、ブチル系、イソプレン・イソブチレン系等からなるゴム系粘着剤を挙げることができる。上記ゴム系粘着剤のなかでも、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)からなるものが好ましい。
上記薬物は、全身作用型薬剤、局所作用型薬剤を挙げることができ、例えば、インドメタシンやセイヨウトチノキエキス、アルニカチンキ、フェルビナク、ケトプロフェンフルルビアリフェンや、カンフル、サリチル酸グリコール、サリチル酸メチル、メントール、トウガラシエキス、ジフェンヒドラミン、グリチルレチン酸、クロタミトン、イソプロピルメチルフェニール、ニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ツロブテロール、フェンタニル、エストラジオール、ステロイド、ニコチン等を挙げることができる。これらの薬物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記薬物の含有量は、薬物種や投与目的に応じて適宜設定することができるが、通常、粘着剤100質量部に対して、1〜40質量部であることが好ましい。1質量部未満であると、治療や予防に有効な量の放出が期待できない場合がある。40質量部を超えると、増量による効果の増大が期待できないので経済的にも不利であるばかりか、皮膚に対する接着性にも劣る傾向を示すおそれがある。上記含有量は、3〜30質量部であることがより好ましい。
上記粘着剤層は、吸収促進剤等、一般に粘着剤に添加される公知の添加剤を適量添加することができる。
本発明においては、上記ポリエステル系フィルムが薬物、粘着剤層中の添加剤のバリアー層としても機能し、薬剤が1−メントールやサリチル酸グリコールのような拡散浸透性が強い場合であっても、支持体中に拡散透過することを防止することができるため、安定して薬物投与量を制御できる。
上記粘着剤層は、粘着剤を酢酸エチル、ヘキサン、トルエン等の有機溶媒に完全に溶解させ、得られた溶液を支持体の片面(内側表面)に塗布し、乾燥して形成させることができる。また、後述する離型層の片面に塗布し、乾燥して形成させることもできる。
上記皮膚貼付薬シートは、製造、運搬、保存中に粘着剤層が、器具、容器等に接着することを防止すること、製剤の劣化を防止することを目的として、皮膚面への貼付の直前までは粘着剤層の露出面を、離型層にて被覆、保護することが好ましい。そして、使用時にこれを剥離して、粘着剤層の面を露出させ、皮膚に貼付して使用する。
上記離型層としては、使用時に粘着剤層から容易に剥離されるものであれば特に限定されず、例えば、粘着剤層と接触する面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を塗布することによって剥離処理が施されたポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム、上質紙、グラシン紙等の紙、上質紙又はグラシン紙等とポリオレフィンとのラミネートフィルム等を挙げることができる。上記離型層の厚さは、通常12〜200μm、好ましくは50〜100μmである。
本発明の皮膚貼付薬シートは、従来公知の方法により製造することができる。例えば、離型層の片面に粘着剤層形成材料を塗布、乾燥して粘着剤層を形成し、この粘着剤層と支持体とを貼り付け、裁断することによって皮膚貼付薬シートを製造することができる。
本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例を図1〜4に示した。
図1で示された皮膚貼付薬シートは、支持体(ポリエステル系フィルム)1、粘着剤層2及び離型層3が積層されているものである。図2で示された皮膚貼付薬シートは、図1のシートの支持体1の外側表面に印刷層4を形成したものであり、印刷層4、支持体1、粘着剤層2及び離型層3が積層されている。
図3で示された皮膚貼付薬シートは、図1のシートの支持体1の内側表面にコロナ処理5が施されたものであり、内側表面にコロナ処理5が施された支持体1、粘着剤層2及び離型層3が積層されている。図4で示された皮膚貼付薬シートは、図1のシートの支持体1の内側表面にプライマー加工が施されたものであり、支持体1、プライマー層6、粘着剤層2及び離型層3が積層されている。上述したように、上記支持体1及び粘着剤層2の厚さが小さいため、貼付時に剥がれにくいという性質を有している。また、外観変化が少なく、優れた風合い等の性質を有し、薬剤投与量の制御が可能である。更に、図3及び4のシートは、コロナ処理又はプライマー加工が施されたものであるため、支持体1と粘着剤層2との密着性が高い。
本発明の皮膚貼付薬シートは、小さい厚さのポリエステル系フィルムからなる支持体及び粘着剤層を有するものであるため、貼付時に剥がれにくいという性質を有している。また、シートの寸法変化、薬物や添加剤のブリード等、シートの外観変化が少なく、風合い、追従性、密着性、なじみ性、折れ曲がり性等の性質に優れている。更に、ハンドリング性にも優れており、正確な薬剤投与量のコントロールも可能である。
以下本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また実施例中、「部」、「%」は特に断りのない限り「質量部」、「質量%」を意味する。
実施例1〜3、参考例1、2及び比較例1〜6
(支持体の作製)
必要に応じて、市販のフィルムの内側表面(粘着剤層が形成される面)にコロナ処理又はプライマー処理が施され、また、フィルムの外側表面に(粘着剤層が形成されない面)に印刷が施されることにより、支持体を作製した。使用したフィルム種類、その厚さ(μm)、フィルムの外側・内側表面の処理(コロナ処理、プライマー処理、印刷)、フィルムの外側表面の表面粗さRz(μm)は、表1、2に示した通りである。印刷は、表1、2に示した成分を含有するアクリル系インキを使用して行った。
(皮膚貼付薬シートの作製)
(1)アクリル系粘着剤
アクリル系共重合体(「サイビノールAT−1104」、サイデン化学社製)100質量部、アジリジン系硬化剤(「D−50」、サイデン化学社製)1質量部を混合して、離型紙上に表1、2に示した乾燥後厚みになるように塗工して粘着剤層を設けた。また、薬剤としてニコチンを3mmg/cmとなるように配合していた。
次いで、上記で得られた支持体(ポリエステル系フィルム)に、粘着剤層を設けた離型紙を粘着剤層がポリエステルフィルムに対向するように重ね、2kg/1℃m巾のローラーで押圧し、粘着シートを作製した。これを製剤面積が5cmとなるように円形に打ち抜き製剤(皮膚貼付薬シート)とした。
(2)SIS系粘着剤
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(「カリフレックス TR−1107」、シェル化学製)30質量部、テルペン系樹脂(「YSレジン」、ヤスハラケミカル社製)35質量部、流動パラフィン10質量部を混合して粘着剤とし離型紙上に表1、2に示した乾燥後厚みになるように塗工した。また、薬剤としてニコチンを3mmg/cmとなるように配合していた。
次いで、上記で得られた支持体(ポリエステル系フィルム)に、粘着剤層を設けた離型紙を粘着剤層がポリエステルフィルムに対向するように重ね、2kg/1℃m巾のローラーで押圧し、粘着シートを作製した。これを製剤面積が5cmとなるように円形に打ち抜き製剤(皮膚貼付薬シート)とした。
使用した粘着剤の種類、粘着剤層の厚さ(μm)は、表1、2に示したとおりである。また、支持体及び粘着剤層からなる総厚さ(μm)も表1、2に示した。
(評価)
得られた製剤(皮膚貼付薬シート)について、次の評価試験を行い、結果を表1、2に示した。
〔粘着剤中の添加剤による支持体の外観変化評価(40℃×1ヶ月)〕
製剤を離型紙に貼った状態で10cm角にし、アルミ/ポリエチレンフィルムパックに入れ、熱ラミネートし、40℃のオーブンで1ヶ月間促進試験を実施した。評価後のフィルムを目視にて表面への薬物・添加剤(パラフィンオイル、粘着付与剤等)の透過・ブリードしているものを×、変化無いものを○とした。
〔伸縮柔軟性(風合い)評価〕
製剤を手の甲上に置き、その追従性、密着性、なじみ性、折れ曲がり性を目視及び手触りにて総合的に判断し、評価した。手の甲に沿って充分に追従し、密着性、なじみ性、皮膚への適合性に優れ、風合いが良いものを○、やや硬い感触があるが実用上は問題ないものを△、硬く、実用性が無いものを×とした。
〔剥がれにくさ(製剤の段差による引っ掛かり、製剤表面の引っ掛かり)〕
製剤を皮膚に貼付後に、周囲を布で擦った際に簡単に剥離するものを×、完全には剥離しないが端が少し浮くものを△、剥がれないものを○とした。
〔ハンドリング性〕
製剤において、取り扱いしにくいものを×、容易に貼付できるものを○とした。
〔粘着力〕
JIS Z 0237に準じて測定した。得られた粘着シートを幅25mm×長さ150mmに断裁後、離型紙を剥がし、得られた試験片をガラス板に貼付して、温度23℃、相対湿度50%で10分放置した。得られた各被着体から各試験片を引張速度300mm/分、引張角度180度の下で引き剥がした時の接着力(N/25mm)を測定した。
Figure 0005196828
Figure 0005196828
表1、2から、実施例の皮膚貼付薬シートは、剥がれにくいものであるとともに、外観変化が少なく、優れた風合い及びハンドリング性を有していた。また、良好な粘着力を有していた。一方、比較例では、これらすべての性能に優れたものは得られなかった。
本発明の皮膚貼付薬シートは、経皮吸収型製剤として好適に使用することができる。
本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例である。 本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例である。 本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例である。 本発明の皮膚貼付薬シートの概略図の一例である。
符号の説明
1 支持体(ポリエステル系フィルム)
2 粘着剤層
3 離型層
4 印刷層
5 コロナ処理
6 プライマー層

Claims (4)

  1. ポリエステル系フィルムからなる支持体と薬物を含有する粘着剤層とを有する皮膚貼付薬シートであって、
    前記支持体の厚さは、6〜20μmであり、
    前記粘着剤層の厚さは、10〜80μmであり、
    前記支持体は、外側表面上に印刷層を有し、
    前記印刷層を有する支持体の外側表面の表面粗さRz(JIS B0601準拠)は、2〜5μmであり、
    前記印刷層は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、タルク、カオリン、アルミナ及び炭酸カルシウムからなる群より選択される少なくとも1種の無機系添加剤を含むインキを用いて形成される
    ことを特徴とする皮膚貼付薬シート。
  2. ポリエステル系フィルムは、ポリエチレンテレフタレートである請求項1記載の皮膚貼付薬シート。
  3. 前記支持体の内側表面は、プライマー加工を施したものである請求項1又は2記載の皮膚貼付薬シート。
  4. 粘着剤層は、アクリル系粘着剤又はゴム系粘着剤を含有するものである請求項1、2又は3記載の皮膚貼付薬シート。
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