JP4806935B2 - 伸縮性シートおよび貼付剤ならびにそれらの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は伸長性および伸長回復性に優れた不織布あるいはフィルムなどを用いた伸縮性シートに関する。さらには、湿式あるいは乾式の貼付剤や包帯、テーピング材、傷テープ、サージカルドレッシングなどの医療あるいは衛生材料に関し、伸縮性や伸張回復性が良い為にすぐれ着用感があり、かつ最初の装着貼り付け時には比較的高い伸張応力を示すが、使用中は柔らかで変形抵抗の小さい貼付剤あるいはそれに好適に用いられる伸縮性シートに関する。また、本発明でブロック共重合ポリエステルよりなる不織布および該不織布にフィルム層を貼り合せることにより透湿防水性を有する不織布複合体は衣料用途やハウスラップ、屋根下葺き材、ルーフィング材、熱交換器などの一般工業用途、農業用シートなど透湿防水性を要求される全ての用途に用いることが可能である。また、滑り止め材などとしても利用可能である。
従来より、伸縮性を有する伸縮性不織布やフィルムは、伸縮性を必要とする分野・用途に広く用いられている。例えば、熱可塑性ポリウレタン、イソプレン系エラストマーなどよりなる伸縮不織布やフィルムは、手袋やゼッケンなどの衣料用途等にいられている。しかしながらこれらの樹脂は、耐溶剤性や耐候性が乏しく、そのため使用用途が限定される。
そこで、耐溶剤性や耐候性に優れた伸縮性不織布やフィルムとして、熱により捲縮を発現するポリエステル繊維などを用いた不織布がパップ材基布や傷テープなどの医療用途を中心に用いられているが、これらについては、耐溶剤性や耐候性はすぐれるものの、大変形を受けると、残留ひずみ率が大きいために、変形の大きい用途には使用しづらいという問題があった。
また、エンジニアリングプラスティックなどの用途にオレフィン系エラストマーは使用されているが、高い粘度などの問題から細い繊維を製造するのが容易ではなく、オレフィン系エラストマーについても用途は限定される。
また、ポリウレタンよりなる伸縮不織布は優れた回復性を示し医療用途での実績も多いことからテーピング材や傷テープなどに用いられてきたが(例えば特許文献1参照)、初期の引張応力が高いため人体を動かす際に突っ張り感があることから、よりソフトで追随性の良い不織布の要求があった。
上述のような問題点が少ない素材として、ブロック共重合ポリエステルが知られており、伸縮特性に優れる上に耐候性なども良好であるため種々の用途に用いられてきた。
しかしながら、ブロック共重合体ポリエステルを用いても、表面摩擦係数が大きいため使用時にひっかかりや擦れを起こしやすいという伸縮性布帛特有の問題点は解消されない。かかる問題点を解消する手段として、酸化チタンを含む樹脂などの滑り度調整液を塗布する方法が開示されているが(例えば特許文献2参照)、滑り度調整液により不織布の変形性を阻害されたり、不織布本来のもつ通気性を阻害されたりするという問題が発生する可能性があった。
更に伸縮性布帛は、伸縮性の不織布は引張抵抗度が小さいほど、巻いたり貼ったりして着用する時にツッパリ感や抵抗がなく使用できるが、シートが柔らかくなりすぎるために貼り合せ時に皺が入ったり、貼りにくかったりするという問題点があった。かかる問題を解消するため、不織布表面に樹脂を塗布する事により伸縮性を制限する方法が開示されているが(例えば特許文献3参照)、これは伸縮性素材の有する柔軟性を低下させるものであり、硬くて追随性が悪く、使用時に突っ張り感が生じる。
また、伸縮性布帛の使用形態の一つとして、不織布と透湿防水機能を有するフィルムを張り合わせた複合体が知られており、その一例として不織布にポリオレフィンやフッ素形の樹脂多孔膜等に代表される多孔質フィルムのラミネートされた複合体があげられる。これらのフィルムは、透湿性,防水性、機械的特性、及び化学的特性などに優れており、それぞれの特性に応じて、例えば衣料用や産業資材用のテキスタイルに使用されている。そして、この多孔膜の孔形成は延伸によりボイドを形成させるタイプやレーザーなどにより直接所望の孔を形成するなどの手段がとられている。しかし、これらの手法では多孔膜の製造コストが高く用途が制限される。また、実質上の孔が開いているために防水性を高くすることが難しく、また、防水性を高くすると透湿性が低下してしまい湿度コントロール性などの所望の特性を得る事が困難である。そして、複合体での高い伸縮性を実現可能な多孔質フィルムは存在しないのが現状である。
これらの問題を解決する方法として、無孔質の樹脂よりなる透湿防水材をフィルム化する試みが行われており、例えばハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステル樹脂より形成された無孔の透湿性フィルムを伸縮可能な不織布に接合することが開示されている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、接着剤を用いて接合された複合体は、伸縮性および透湿性と防水性のバランスが優れた性能をえることができない。
この理由としては、透湿性はフィルムの厚みとほぼ反比例することから、透湿性を高くするために無孔の透湿性フィルムを可能な限り薄くすることが必要となり、不織布とフィルムを接合する際に不織布の凹凸によりフィルムの破れが発生しやすいという問題があった。また、当該フィルムはソフトセグメントを含むために伸びによる変形が生じやすくなっており、この薄いフィルムを巻き取りや巻き出しのハンドリング時にフィルムの破れを防止することは技術的にかなり困難であるばかりでなく、コストアップにもつながり実用化されていないのが現状である。従って,透湿性と防水性のバランスの優れたシートの開発が待たれていた。
また、接着剤の影響で伸縮性が阻害されるという問題も生じ易く、伸縮性の異なる素材を張り合わせる使用すると、伸長時に伸度の低い素材の破壊が生じたり、応力集中した部分で剥離を生じやすかったりして好ましくなかった。また、一般的に無孔透湿性フィルムの原料となる樹脂は、親水性が高く、水分率が高くなると膨潤するため、補強材である不織布と膨張率が異なるために剥離を生じやすいという問題があった。
特開平2−14059号公報 特開平11−9632号公報 特開平11−81151号公報 特開平8−126663号公報
本発明は、伸長性および伸長回復性に優れ、よりソフトで追随性の良い突っ張り感が少ない伸縮性シートに関する。特には、初期においては腰があって装着が容易である不織布およびフィルムなどのシート材、およびそれを利用した貼付剤およびそれらの製造方法を提供することを課題とする。
かかる問題点を解決した伸縮性シートを提供するために以下の手段をとる。
すなわち、(1)目付が20〜200g/m2であるシートであって、少なくとも1方向の破断伸度が100%以上であり、かつ初めて20%の大きな伸長変形(第一変形)を行った後に変形荷重を除去して再び伸張させた際(第二変形)の10%伸張時の引張応力が、(第一変形)をする前(第一変形時)の初期の値に対して3%以上85%以下であることを特徴とする伸縮性シート、(2)シート表面に、面積率が3〜100%で樹脂がコーティングされていることを特徴とする(1)に記載の伸縮性シート、(3)繊維径が3〜50ミクロン、体積充填率が5〜30%の間にある不織布よりなる層を少なくとも一層含むことを特徴とする(1)又は(2)に記載の伸縮性シート、(4)ハードセグメントとソフトセグメントからなるブロック共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂のいずれかを主原料とすることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の伸縮性シート、(5)(1)〜(3)に記載の伸縮性シートが不織布であり、該不織布の片面に厚み5〜100ミクロンの伸縮性フィルムが積層されてなることを特徴とする伸縮性シート、(6)(1)〜(5)のシートの片面に、水系あるいは溶剤系の薬剤あるいはゲル状の層が存在することを特徴とする貼付剤、(7)ハードセグメントとソフトセグメントからなるブロック共重合ポリエステルあるいはポリウレタン、ポリオレフィン、ポリアミドのいずれかからなる繊維径が3〜50ミクロンの長繊維不織布あるいは同素材からなる押出フィルムを70〜200℃で5〜80%収縮処理して後、顔料を含む印刷材料あるいはメジウムなど伸度の異なる材料を不織布の少なくとも片面に0.1〜5g/m2印刷することを特徴とする伸縮性シートの製造方法である。
本発明による伸縮性シート及び貼付剤は、少なくとも1方向の破断伸度が大きく、かつ大変形を加えた後の伸張応力が小さいため、ソフトで追随性の良い突っ張り感が少なく、特には、初期においては腰があって装着が容易であるという利点を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の伸縮性シートは、素材自身が変形し易いエラストマーやゴム状物を主材料とする少なくとも1方向の破断伸度が100%以上不織布やシートあるいはそれらの複合体により構成されることが好ましい。破断伸度が100%未満であると、例えば貼付剤に用いた場合は人間の運動に追従できない等、実使用において変形追従性が不十分だからである。また、立体捲縮繊維などの収縮性の高い繊維を用いた短繊維不織布やその複合体であっても破断伸度が100%以上であれば適用可能である。更に好ましい破断伸度は200%以上、特に好ましくは250%以上である。
本発明の破断伸度の上限は特に限定されるものではないが、600%を超える領域では、実用での必要性が乏しくなる一方、取り扱い性が劣るものとなる。
本発明の伸縮性シートは、20%伸長後の伸長回復率が50%以上であることが好ましい。50%未満であれば、縮む変形に対して追従することが困難となり、皺が発生する等の問題が生じ易いからである。特に好ましい伸張回復率は80%以上である。
本発明の伸縮性シートは、初めて20%以上の大きい伸長変形(第一変形)を行った後に変形荷重を除去して再び伸張させた際(第二変形時)の10%伸張時の引張応力が、第一変形をする前の初期の値(第一変形時)に対して3%以上85%以下であることが好ましい。これにより、本発明の不織布を貼付剤や包帯、傷テープなどとして用いる際は、初期はある程度初期引張応力があるために取り扱い性が良く装着し易いが、実際に伸張させながら使用する際には引張応力が小さくなり、変形に対する追従性が十分である一方で、皮膚が引っ張られるなどの不快な感覚を解消し、また長時間の締め付けによる血行阻害等が発生するのを防止することが可能となる。
この引張り応力が変化する特性は、シート材の少なくとも任意の一方向で満足することが好ましく、特に角度が20度以上異なる別の方向でも同じ特性を有することが好ましい。引張応力が変化する伸び率(すなわち歪量)は20%程度であれば使用上の問題はなく、必要に応じてその伸び率を変更することも可能であり、好ましくは伸び率が50%以下において引張り応力の変化があることが好ましい。破断伸度がおおよそ100%より小さい不織布でも、このような挙動をする場合もあるが、引張応力の低下とともに不織布自身の破壊が生じている為に、その後の伸張回復性が低下する為に好ましくなく、本発明とは異なるものである。
一方、破断伸度や伸長回復率が大きい不織布は、20%程度の変形ではほとんど不織布自身の構造変化を伴うことがなく、したがって応力の変化もほとんどない。本発明では、おおよそ20%伸長変形をした際の10%伸張時の引張応力が、初期の値に対して大きな変形後の値が3%以上85%以下であることが好ましい。引張り応力を評価するタイミングとしては、第1回の20%変形を受ける前と、その後に1度あるいは2〜10度繰返し変形させた後の10%伸張時応力で評価すれば良い。この値が、初回に対して3%以上85%以下の値であれば良く、好ましくは20〜80%、特に好ましくは30〜60%であれば良い。初期に対して3%以下に低下すると不織布の強伸度特性が低下して耐久性に問題がでる場合があるがあり、また収縮力が不十分となり、変形に対する追従性が消失し、皺の発生、被接触体との剥離等の原因となる。85%より高いと、実用時に収縮力が過大となり、ソフト感を実感することが困難となる。20%程度の変形を繰り返して行っても、一度応力が低下してそれ以降は10%の応力に大きな変化はなく、ほぼ同じ程度の応力を示す。
本発明に用いられる不織布あるいはフィルムなどのシートの素材は、伸縮性を有する素材であれば良く、ポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂などが上げられる。また、立体倦縮繊維などを用いた短繊維不織布においても本発明は適用可能であり、その場合はナイロンやポリエステル、ビニロン、アクリルなどの材料の繊維も混合して利用することが可能である。伸縮疲労に対する耐久性をあげる為に、繊維化されたのち電子線などで後架橋処理を行うことも好ましい形態のひとつである。
本発明者の検討の範囲では、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルは、初期引張り抵抗が小さく本発明を実施するうえで特に好ましい。ソフトセグメント成分が伸縮性の発現に寄与しているので、そのセグメント比率や分子量を変更することで所望の伸張性や伸張回復性あるいはドライクリーニング溶剤や貼付剤の薬剤などに対する耐久性などをコントロールすることが可能である。この共重合ポリエステルは無孔フィルムであっても、ソフトセグメント部に水分子を吸着させ、アモルファス樹脂層内部を水分子が浸透あるいはミクロブラウン拡散していくことより透湿性が得られると考えられる。例えばソフトセグメントとして、グリコール成分を共重合する量を増やしていくことで透湿度は向上していくが、樹脂自身の強度は低下していく。共重合ポリエステルのハードセグメント成分としては、芳香族ポリエステルあるいは脂肪族ポリエステルあるいはそれらの誘導体あるいはそれらの混合物などから選択され、ソフトセグメント成分としてはポリテトラメチレングリコールやポリ(エチレン/プロピレン)ブロックポリグリコールなどから選択される事が好ましい。不織布にフィルムを張り合わせる場合には、それらの素材は全く同じでも良いし、ハードセグメントとソフトセグメントの比率や分子量が異なっていても問題ない。
本発明の伸縮性シートが不織布である場合は繊維径が3〜30ミクロン、目付けが20〜200g/m2のポリエステル系長繊維を主体とする不織布が好ましい。繊維径が3ミクロンより細いと不織布が磨耗などにより毛羽立ちやすく、エンボス加工などによる後加工を行ってもそれを改善することが難しくあまり好ましくない。また、伸長時に応力集中を生じやすく伸長回復性を高くすることが難しくなる。繊維径が30ミクロンより太くなると、触った際にねとつき感があり、エンボス加工や滑材添加などを行ってもドライ感あるいはさらさら感を改善することができず問題である。また、繊維径が太いと不織布の地合斑が大きくなりやすい。本発明者の検討の範囲では、繊維径が3〜15ミクロンの間にある事が特に好ましくかった。
また、不織布の目付が20g/m2より小さいと不織布強度が低かったり、不織布の地合斑が目立ったりするなどの問題となりやすい。目付けが200g/m2を超えると重量が重すぎるためあまり好ましくない。人体などの動物あるいは機械などの稼動部と接触して用いる場合は、目付が30〜150g/m2の間にあることが好ましく、特に好ましくは40〜100g/m2、最も好ましくは50〜90g/m2であった。また、本発明の伸縮性シートがフィルムである場合はあるいは厚みが10〜200ミクロン前後のフィルムであることが好ましい。10ミクロンより厚みが小さいと破れ易い上に、剛性があまりに小さいので取り扱いが困難になる。一方、厚みが大きくなりすぎると着用時の引張り抵抗などが大きくなり着用感が悪くなる。必要により不織布とフィルムを複合した構造の物でも良い。
本発明の伸縮性シートは、表面に顔料、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはメジウムなどを印刷やスプレー法などにより面積率が3〜100%になるようにコーティングされていることが好ましい。100%表面を覆うようなコーティングを行うと、樹脂材料により通気性が損なわれる場合もあるので、好ましくは3から85%、特に好ましくは8〜80%の面積率である。これらのコーティング層が初期の変形時の抵抗を生むために比較的高い引張応力を得ることができるので、腕などに巻いたり、離型紙などをはがして粘着剤で肌などに貼り付けたりする場合に適度な腰をもたせて装着作業を容易とする。貼り付け時あるいは使用時に不織布が大変形するとコーティング層が破壊されて2回目以降の変形時の応力が低くなり、使用時にソフトで突っ張り感のない風合いとすることができる。コーティング層の厚みは5〜350ミクロンの間にあることが好ましく、特に好ましくは10〜100ミクロンの間であり、最も好ましくは15〜50ミクロンの間である。コーティング層の厚みが大きくなりすぎると樹脂層自身の協力が上がると同時に繊維による補強がなされ、大変形前後でコーティング層の構造変化を生じにくいために、本発明の特徴である10%伸長時の引っ張り応力の変化を生じさせることが困難となる。コーティング層は繊維径の10倍以下の厚みであることが好ましく、特に好ましくは3倍以下である。コーティングは、連続に前面に塗っても良いが、ドットや線などにして硬さをコントロールしても良い。また、このコーティングにより静摩擦係数をコントロールすることも可能となる。静摩擦係数は好ましくは、0.35〜1.0の間にあることが好ましく、特に好ましくは0.5〜0.85である。変形硬さや摩擦係数のコントロールの方法には厚みや塗り回数、樹脂硬さを変更することで調整可能である。
特開平11−81151号公報には不織布表面に樹脂を塗布する事により伸縮性を制限する方法が開示されているが、樹脂を布の1/3程度の厚みまで含浸してもちいており、変形による破断が起こりにくくすることで伸縮性を制限しており、本発明では、印刷層をできるだけシートの表面に塗り構造破壊により応力の変化を起こす手段とは全く目的や効果の異なるものである。したがって、本発明で使用される樹脂量も5g/m2程度あるいはそれ以下にくらべて、特開平11−81151号公報に例示されている実施例は樹脂量が約29g/m2と非常に大きく異なるものである。
また、本発明の伸縮性シートは厚みが1.5mmより薄い事が好ましく、より好ましくは0.5mm以下、特に好ましくは0.35mm以下である。伸縮性材料は、一般に摩擦係数が高く滑り難いため、他の物体と接触した際に引っ掛かりやすく、毛羽や引っ掛かりによるメクレを誘発したりする場合があり問題であった。特に本発明の不織布の場合には厚みが1.5mmより厚くなるとひっかかりが起こりやすく問題となった。厚みを調整するためにカレンダー処理や熱エンボス処理などを行う事も好ましい形態のひとつである。不織布の見かけの体積充填率は5〜30%の間にあることが好ましかった。体積充填率が3%より低いと不織布の形態安定性が悪くなり、逆に30%より高いとソフトさが失われゴムライクな風合いとなってあまり好ましくなかった。
本発明の伸縮性不織布シートの触感を良くするためには、無機系微粒子あるいは滑剤が0.01〜5%分散させることも好ましい形態のひとつである。無機系微粒子としては、酸化チタンやモンモリロナイト、カーボンナノチューブなどの微粒子を繊維やフィルムを製造するポリマーに均一に分散させる事が好ましい。あるいは芯鞘型複合繊維構造をとって表面に無機系粒子がより多く分散させるようにする事も好ましい形態のひとつである。粒子のサイズとしては、重量換算で球相当直系繊維径の10分の1以下である事が好ましく、特に好ましくは0.2ミクロン以下、特に好ましくは0.1ミクロン以下である。粒子が小さいほど繊維中の分散が良くなりやすい。滑剤としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドやステアリン酸アミドなど耐熱性のあるものをポリマーに分散させる事が好ましい。これらの滑剤は経時的に繊維やフィルム表面にマイグレートして滑り性やドライ感を改善する事が可能である。滑剤のマイグレートを熱処理で行う事により促進する事も好ましい形態のひとつである。特に、本発明の不織布のひとつとして、熱収縮処理を行う事で優れた伸長性及び伸長回復率を付与する方法があり、この際に滑剤のマイグレートを促進する事が可能であると考えられる。複数の無機系粒子を添加したり、無機系粒子と有機系滑剤を併用したりする事も効果が高く、好ましい形態のひとつである。無機系微粒子あるいは滑剤の量は合計で5%を超えると不織布の製造工程で糸切れが発生したり、ポリマーフィルターの背圧上昇が大きくなったりしてあまり好ましくない。
また、本発明の伸縮不織布の触感を良くするために、不連続なエンボス押さえ部を有することも好ましく、その面積率が3〜70%になるようエンボス加工処理がなされていることが好ましい。より好ましくは、エンボス押さえ面積率が5〜50%の間であり、特に好ましくは8〜40%である。エンボス押さえ面積率が小さいと弾性体(エラストマ−)独特のべたつき感がでてきてあまり好ましくない。面積率が大きすぎると、エンボス押さえした凹部分に肌が接触するためべとつき感がでてしまう。この現象は、指などの肌への接触面積が大きくなるとドライ感がなくなるものと考えられる。従って、エンボス押さえ部の面積が小さいほどドライ感がでるため、エンボス押さえ部は不連続であることが必要である。また、エンボス部の深さは押さえられてない部分の表面から約0.2mm以上であることが好ましい。エンボスが浅すぎるとドライ感を出すことが困難となる。エンボス押さえ部のひとつひとつ島の面積が約1mm2より小さい場合には比較的深さが浅くても良いが、面積が大きくなるとより深い加工を行うことがドライ感をだすために必要である。また、エンボス部分の隣接最短接距離が1.5mm以下であることが望ましい。1.5mmより間隔が広いと肌への密着度が高くなるためかべとつき感が高くなる傾向がありあまり好ましくない。このましくは、1.2mm以下、さらに好ましくは1mm以下、最も好ましくは0.8mm以下である。エンボスの形状は、円形、楕円形、ダイヤ柄などいずれでもよく、特に規定されるものではないが、押さえ部の最大巾が2mm程度以上の部分が多いとべたつき感を感じやすくなりあまり好ましくなかった。また、さらにドライ感をさらに向上させるために水流交絡加工を行うなどの手段により繊維を不織布の厚み方向に配向させることも好ましい。
本発明の伸縮性不織布あるいは伸縮性シートの表面に、引っ張り応力をコントロールするのとは別の目的でドライ感のある樹脂など機能性材料を印刷するなどの処理を行う事も好ましい形態のひとつである。また、印刷剤に顔料を添加してあると意匠性を改善する事が可能である。印刷方法はべた印刷と呼ばれる連続全面印刷でも効果があるが、不連続の印刷が通気性や透湿性を阻害する事が無いために特に好ましい。特に外傷被覆材、傷テープなどのように皮膚に貼り合わせて使用する場合は通気性が高いことが好ましいので、印刷面積が1〜85%程度になるよう調整する事が好ましい。印刷面積が小さすぎると滑り性などの向上効果が得られ難く、面積が大きすぎると通気性が阻害されるため好ましくない。特に好ましい印刷面積は15〜70%であった。印刷方法は、グラビア印刷、オフグラ印刷、フレキソ印刷などでも良いし、樹脂加工法であるスプレー方や泡加工などお表面近傍のみに樹脂などを付与する方法を用いてよい。不連続印刷パターンとしては、点状や線状、面状などいずれでもよいが、その基本パターンができるだけ小さい方が好ましい。
本発明の伸縮性不織布あるいは伸縮性積層体を貼付剤などの医療用シートとして用いる場合には、20%伸長後の回復率は95%以上であることが必要である。より好ましくは98%以上であり、最も好ましくは99%以上である。特に、包帯、プラスター基布、パップ材、外傷被覆剤、傷テープなどの医療用シートやオムツなどの人体や動物に触れる材料は、接触する相手である肌などの表層材と同等の高い変形性とその範囲内での高いひずみ回復性を有することが必要である。20%伸長後の回復率は95%より小さいと、繰り返し使用時に変形に追従できなくなったり、不織布の残留ひずみが大きいために表面が波立ったりするなどの問題点を生じるため問題となる。あるいは、回復率が悪いと変形後にシワなどが発生するなどの問題を生じる場合があり好ましくない場合が多い。
熱可塑性樹脂よりなる伸長性不織布の伸長回復率を高くするためには、不織布が70〜200℃の温度ですくなくとも一方向に5〜80%収縮処理されることが好ましい。収縮処理することで不織布内での繊維の緊張がほぐれること、繊維構造が安定化されることから伸長回復性が良くなるものと推定される。収縮処理される温度は、ポリマーの熱的な特性によるが、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルの場合には70〜200℃の温度が適切であった。70度より温度が低いと伸長回復性を良くするための収縮を生じさせる際に時間がかかりすぎるなど問題であった。一方、200℃より温度が高いと繊維の一部が溶融して硬い風合いになったり、収縮が大きすぎるために不織布表面が波打ったりする問題を生じやすくあまり好ましくなかった。収縮量は5%より低いと伸長回復性の改善効果が少なく、80%以上では不織布の風合いが外観の不良を生じやすくなるためあまり好ましくない。
また、本発明の好ましい形態のひとつとして伸縮性不織布にフィルムを積層した伸縮性積層体があるが、伸縮性不織布の少なくとも片面に融点150〜230℃の間にあるブロック共重合ポリエステルよりなる厚み5〜50ミクロンのフィルムが押し出しラミネートされていることも特に好ましい形態のひとつである。積層方法としては単純に積層してもよいが、フィルムに伸縮性がない場合には伸縮性不織布を5〜50%程度伸長させた状態で貼りあわせることにより、応力解放後にフィルムが小さなシワ状に折れ曲がることにより積層体としての伸縮性を出す事が可能となる。不織布の伸長性がフィルムの伸長性より小さい場合には逆にフィルムをより多く伸長させた状態で不織布と張り合わせることでも同様のメカニズムにより伸縮性を高める事が可能である。フィルムを貼りあわせると一般的には伸長回復性が低下していく方向にあるため、フィルムの厚みが厚すぎないように注意する事が好ましい。積層貼り合せの方法としては、接着剤法でもよいがリサイクル性の観点などから、熱ラミネート法、押出ラミネート法、超音波ウェルダー法などによる接着が好ましい。
本発明の伸縮性不織布に、適当な組成のハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルよりなる厚み5〜100ミクロンのフィルムを押出ラミネートすることにより、防水性を保ったうえで500〜10000g/m2・24時間の透湿度を無孔フィルム状態で達成することができる。衣料用途で用いる際には、透湿度が2000〜10000g/m2・24時間にあることが特に好ましい。フィルム厚みが100ミクロンより厚いと耐水圧を高くすることが可能であるが透湿性に劣るという問題点を生じやすく、特に好ましくは50ミクロン以下である。一方、膜厚みが5ミクロンより薄いと、外力がかかったり、水圧がかかったりした際に膜の破壊が生じるために耐水性が低下しやすいのであまり好ましくない。不織布とフィルムを類似の素材とすることで、界面での剥離を防止する事が容易となる。
押出ラミネート加工により不織布表面にハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルのフィルム層を形成する場合には、該ポリエステル樹脂の融点が150〜230℃の間にあり、MFRが230℃で約30〜300g/10分の間にある樹脂であり、融点より20〜40℃高い温度で加工することが特に好ましかった。ポリエステルの融点および加工時の見掛けの溶融粘度はソフトセグメントの構造と構成比率により決定されるが、発明者の検討の範囲では、耐水圧や透湿度を所望の値に設定するためにはこれらの温度域に設定することが特に好ましかった。加工温度が高いほどフィルムと不織布の接着強度を高くすることが可能となる。しかしながら、温度が高すぎるとフィルムの巾方向およびまたは長手方向での厚みの変動が大きくなり生産が困難となる。
また、MFRが230℃で30〜150g/10分の間にあることが好ましい。押し出しラミネート加工時の膜の厚みや幅方向およびまたは長手方向の変動を小さくするためにはこのMFRにあることが好ましい。MFRが300g/10分より高くなると端部の耳ゆれなどの影響により幅の変動が大きくなりあまり好ましくなく、MFRが小さくなりすぎると膜を本発明の目的とする薄さに成形することが困難であった。また、フィルムと不織布の接着性を良くするために40〜100℃くらいの温度域に不織布を予熱したうえでフィルムと接触させることが好ましかった。
ここで押出ラミネートの条件は、Tダイより透湿性の樹脂を不織布とほぼ同じ幅で押し出してフィルム状の膜にして5〜30cmくらいのオフセットで不織布と接触させたのにローラで挟み込んで接着をさせると同時に膜を冷却するのが好ましい。本発明で用いることができる共重合ポリエステルのフィルム層は粘着性が高いためにロールからの剥離性が悪くなり、その結果として工程通過性悪くなる場合がある。そのため、少なくとも膜と接触させるロールはPTFEなど離型性の良い樹脂でコーティングされていること、あるいはマット加工されていることが好ましい。
ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルにより形成される不織布が類似の化学組成よりなるブロック共重合体ポリエステルよりなるフィルムと積層される場合には、繊維径が3〜30ミクロンの間にあることが好ましく、特に好ましくは5〜18ミクロンであった。発明者の経験では、膜の厚みが平均繊維径の1/2より薄くなると、膜が破れたりあるいは繊維層から剥離したりするという問題を生じやすい傾向があった。一方、繊維径が3ミクロンより細い場合にはハンドリング時などに毛羽が発生しやすく、その結果剥離強度が小さくなるという問題を生じやすい。
本発明者らの検討の結果、ブロック共重合系ポリエステル不織布に、必要に応じてコロナ処理などを行うことによりフィルムなどとの接着性を改善することも推奨される。また、本発明の不織布やフィルムには、適切な酸化防止剤や耐候材、滑材、着色剤などを混合することも可能である。特にハウスラップ用途など太陽光が直接あたる用途に用いる場合は、紫外線などによる劣化を防止するために紫外線吸収材、紫外線安定材、酸化防止剤を総量で0.1〜15%程度付与することが好ましい。
また、本発明の伸縮性不織布は、繊維の交絡を上げたり嵩高化や柔軟化したりする目的のためにニードルパンチ加工や水流交絡加工を行うことも好ましい形態のひとつである。樹脂などのバインダーにより繊維接着性を上げて毛羽を防止することも可能である。
次に本発明を具体的な実施例で説明する。
本発明で使用される測定法は以下のとおりである。
(厚み)20g/cm2荷重での厚みをピーコック厚み計により測定した。
(破断伸度および10%伸長時応力)
JIS L1096に準じた手順により測定を行った。不織布を5cmx10cmの矩形に切り出し、有効巾5cm、ゲージ長2.5cmで一定クロスヘッド速度10cm/分により10%変形時の荷重を測定し、10%伸長時応力とした。破断伸度測定時は、引っ張り応力が1%低下するまでの伸び率を測定した。シートに大きい変形を加える場合も同一速度で伸長変形をくわえ、20%以上の予め設定した最大歪量まで変形して後直ちに荷重を除去した。
(第一変形時と第二変形時の10%伸張時応力比:fh10
不織布を5cmx10cmの矩形に切り出し、有効巾5cm、ゲージ長2.5cmで一定クロスヘッド速度10cm/分により20%変形させたとき(第一変形)の10%変形時の荷重(fho)を測定し変形を0%になるように戻した。再び同一資料を伸長変形させて10%の歪量になったときの値(fhr)を測定して、以下の式により応力比を計算により求めた。
fh10(%) = fhr/fho × 100
(20%伸長回復率)JIS L 1096 B2法に準じて、無荷重下での初期標線間距離L0に対して20%伸長後に1分間放置してのち除重して標線間距離L1を測定した。残留ひずみ率を以下の式により測定した。
20%伸長回復率(%)=L1÷ L0 × 100
(透湿度)
JIS−L1099の[4.1.1(A−1法)塩化カルシウム使用、φ70mm]により測定した。
(耐水圧)
JIS−L1092の[5.1 B法(高水圧法)]により測定を行った。
(繊維径)
操作型電子顕微鏡により適当な倍率で写真撮影を行い、ランダムに繊維を20〜200程度選んで各繊維の側面間の距離を測定した。撮影倍率より換算して円断面を仮定して繊維径を測定した。
(実施例1)
東洋紡績株式会社製共重合ポリエステル樹脂のペルプレンP40B(190℃でのMFR10g/10分、融点180℃)を215℃でスパンボンド法により直径14ミクロン、目付42/m2の不織布を作成した。つづいて150℃の熱エンボスロールを用いて繊維の接着を行うと同時に不織布の収縮率が20%になるように加工をした。さらに、不織布表面に約25ミクロンの厚みで肌色の顔料を分散したアクリル系樹脂をオフセットグラビア印刷により全面コートした後に、オフセットグラビア印刷によりアクリル樹脂ベースのメジウムを約18ミクロンの厚みでコーティングした。不織布の目付は53g/m2、厚み0.35mmとなった。破断伸度が292%であり、最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、大変形前の初期の値の約45%と低くなっていた。また、20%伸長回復率は93%であった。アクリル系粘着層をつけた2cmx10cmの矩形のシートを肘に貼り合わせた場合に、適当な腰があるために貼りやすく、貼った後に手を動かしても突っ張り感がなく、プラスター基布や傷テープなどとして用いる際に好適であると感じられた。
(実施例2) 東洋紡績株式会社製ペルプレン樹脂GP550(230℃でのMFR34g/10分、融点174℃)にエルカ酸アミドを0.5%添加したポリマーを230℃でTダイにより押し出し、15cmのオフセットをおいて53g/m2の実施例1の伸縮不織布と接触させて平均20ミクロンの厚みになるようにして貼り合わせた。得られシートのフィルム面側に実施例1と同様の肌色の印刷とメジウムのコーティングを実施した。破断伸度が264%であり、最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、初期の値の約58%と低くなっていた。積層品の20%伸長回復率93%であり良好であった。透湿性は2800g/m2・24Hrと優れていた。
参考例1
東洋紡績株式会社製ポリエステル短繊維のMS7(2.2dtex)を用いて破断伸度155%の不織布不織布を作成した。片面にグラビア印刷により固めのウレタン系の樹脂に肌色の顔料5%を添加したものを面積率で65%のドット加工により印刷した。破断伸度が164%であり、最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、初期の値の約52%と低くなっていた。積層品の20%伸長回復率94%であり特に問題はなかった。不織布は、好適な風合いをしめした。
(実施例4)
実施例1においてメジウム層のコーティングをドットパターンで面積率が50%に設定して。2度行った。破断伸度が249%であり、最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、初期の値の約41%と実施例1よりもさらに低くなっていた。積層品の20%伸長回復率90%であり問題はなかった。
(比較例1)
実施例1において表面印刷を実施しなかった。破断伸度が330%であり、20%伸長回復率91%であった。最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、初期の値の約99%とほとんど変化なかった。アクリル系粘着層をつけた2cmx10cmの矩形のシートを肘に貼り合わせた場合に、貼った後は手を動かしても突っ張り感がなく、プラスター基布や傷テープなどとして使用できると推定されるレベルであったが、不織布が柔らかすぎるために貼る際に静電気によると推定される巻き上がり(カール)や皺が発生しやすく貼りにくかった。
(比較例2)
実施例1の不織布の製造において、繊維径を27ミクロン、目付を250g/m2になるように変更した。得られた不織布の厚みは1.3mmであった。続いて150℃の熱エンボスロールを用いて不織布の収縮率が約4%になるように加工をしたがコーティングは実施しなかった。加工後の不織布の目付は263g/m2、厚みは1.4mmであった。破断伸度が181%であり、20%伸長回復率90%であった。最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、初期の値の約98%とほとんど変化なかった。不織布の風合いは、硬すぎて貼付剤としての利用は好ましくないように思われた。シートの肌触りもゴムライクであまり感触が良くなかった。
(比較例3)
比較例2で使用した不織布に実施例1と同様にメジウム系のコーティング剤を不織布全面にわたり厚みの約1/2である約360ミクロンになるように全面に6回重ねて印刷した。破断伸度が148%であり、20%伸長回復率82%であった。最初に20%伸長を行った後の10%伸長時応力は、初期の値の約88%と差が小さかった。風合いが硬すぎ、貼付剤としてもちいると突っ張り感が感じられた。
本発明にかかる伸縮性シートは、初期にはある程度の腰があるために取り扱い性が良く、かつ伸長性および伸長回復性に優れ、よりソフトで追随性の良い突っ張り感の少ない製品を提供することを可能とするため、衣料、貼付剤、包帯等の幅広い用途分野に利用することができ、産業界に寄与することが大である。
不織布の引張試験応力歪曲線である
符号の説明
1:第一変形時の往路の応力歪曲線である
2:第一変形時の復路の応力歪曲線である
3:第二変形時の応力歪曲線(往路)である

Claims (5)

  1. 目付が20〜200g/mである、ハードセグメントとソフトセグメントからなるブロック共重合ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂のいずれかを主原料とする不織布、または、立体捲縮繊維を用いた短繊維不織布よりなる層を少なくとも1層含むシートの表面に、面積率が3〜100%でアクリル系樹脂および/またはメジウムがコーティングされており、少なくとも1方向の破断伸度が200%以上であり、かつ初めて20%の大きな伸長変形(第一変形)を行った後に変形荷重を除去して再び伸張させた際(第二変形)の10%伸張時の引張応力が、(第一変形)をする前(第一変形時)の初期の値に対して3%以上85%以下であることを特徴とする伸縮性シート。
  2. 繊維径が3〜50ミクロン、体積充填率が5〜30%の間にある不織布よりなる層を少なくとも一層含むことを特徴とする請求項に記載の伸縮性シート。
  3. 請求項1または2に記載の伸縮性シートが不織布であり、該不織布の片面に厚み5〜100ミクロンの伸縮性フィルムが積層されてなることを特徴とする伸縮性シート。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の伸縮性シートを用いた医療材料。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のシートの片面に、水系あるいは溶剤系の薬剤あるいはゲル状の層が存在することを特徴とする貼付剤。
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