JP2005120542A - ポリエステル系不織布 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ソフトな触感で、かつ変形応力などに対して追随性の良い突っ張り感の少ないポリエステル系不織布を提供する。
【解決手段】 表面に一定間隔の凹凸を有するロールと、該ロールの凹凸に対向して凸凹を有するロールとからなる一対のロールの間を通過させることにより得られた不織布であり、少なくとも部分的に巾方向に延伸された部分を有することを特徴とするポリエステル系不織布であり、さらに、前記不織布がニードパンチ法、水流交絡法、熱エンボス法、超音波ウェルダー法のいずれかで積層一体化された複合不織布であることを特徴とするのポリエステル系不織布。また、該不織布とフィルムとが積層されたフィルム積層不織布。
【選択図】 なし

Description

本発明は、柔軟で、人が触れたときにソフトな肌触りがある不織布に関する。さらには、機械的特性にすぐれ、かつリサイクル性のよい柔軟なポリエステル系樹脂を主体とする不織布に関するものである。
ポリエステル系不織布は、強度特性などの機械的特性や熱安定性が高いために種々の用途に用いられてきた。しかしながら、これらのポリエステル系不織布は、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン系不織布に比べて樹脂の硬度が高いために風合いが硬くなるという問題があり使用用途が限られてきた。また、熱により捲縮を発現するポリエステル繊維などを用いた不織布も、布団綿やパッド類、パップ材基布などに用いられてきた。これらについては、耐熱性や耐候性はすぐれるものの、製造工程が複雑でありコストがかかる上に、目付の小さい不織布を得る事が難しいという問題があった。また、油剤が付着している事から用途が制限されるという問題があった。伸縮性のある柔らかい素材としては、ポリウレタンやオレフィン系エラストマ−、イソプレン系エラストマ−などのエラストマー繊維よりなる不織布があるが肌触りがゴムライクでべとつき感があるという問題があった。また、滑りにくい特性があるため、他の物体と接触した際に引っ掛かりが多く毛羽立ちしやすいという問題があった。
また、ポリウレタンよりなる伸縮不織布(例えば特許文献1)は優れた回復性を示し医療用途での実績も多いことからテーピング材や傷テープなどに用いられてきたが、初期の引張応力が高いため人体を動かす際に突っ張り感があることから、よりソフトで追随性の良い不織布の要求があった。
このような伸縮性の不織布は、表面摩擦係数が大きいため使用時にひっかかりや擦れなどの問題を起こしやすく、特許文献2に開示されているように酸化チタンを含む樹脂などの滑り度調整液を塗布する方法が開示されている。しかしながら、滑り度調整液により不織布の変形性が阻害されたり、不織布本来のもつ通気性が阻害されたりする問題があった。
特開平2−14059号 特開平11−9632号
本発明は、ソフトな触感で、かつ変形応力などに対して追随性の良い突っ張り感の少ないポリエステル系不織布を提供しようとするものである。
すなわち、本発明は、以下の構成を採用するものである。
1.表面に一定間隔の凹凸を有するロールと、該ロールの凹凸に対向して凸凹を有するロールとからなる一対のロールの間を通過させることにより得られた不織布であり、少なくとも部分的に巾方向に延伸された部分を有することを特徴とするポリエステル系不織布。
2.前記不織布がニードパンチ法、水流交絡法、熱エンボス法、超音波ウェルダー法のいずれかで積層一体化された複合不織布であることを特徴とする第1の発明に記載のポリエステル系不織布。
3.前記複合不織布の少なくとも一層が伸縮性不織布又は潜在捲縮性不織布であることを特徴とする第2の発明に記載のポリエステル系不織布。
4.前記複合不織布が一体化されてのち熱収縮処理されてなることを特徴とする第2又は3のいずれかの発明に記載のポリエステル系不織布。
5.前記複合不織布の少なくとも1種の素材がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルのいずれかであることを特徴とする第2〜4のいずれかの発明に記載のポリエステル系不織布。
6.第1の発明に記載のポリエステル系不織布の表面あるいは内部に、延伸により ボイド発生可能なフィルムが貼り合せてなることを特徴とするポリエステル系不織布。
本発明によれば、樹脂の硬度が高いために風合いが硬くなるポリエステル系不織布でありながら、拡幅延伸ロールなどで部分的に巾方向に延伸したため、柔軟で、人が触れたときにソフトな肌触りがある不織布とすることができる。変形応力を受けたり、人体などに貼着させた場合に、その動きに対して追随性が良く、突っ張り感の少ない不織布及び該不織布と透湿性フィルムなどとの積層体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の不織布は、表面に一定間隔の凹凸を有するロールと、該ロールの凹凸に対向して凸凹を有するロールとからなる一対のロールの間を通過させることにより得られた不織布であり、少なくとも部分的に巾方向に延伸された部分を有することを特徴とするポリエステル系不織布である。すなわち、不織布を、表面に凹凸があり互いに凹凸面を噛み合わせることができる対ロールの間を通過させることにより、巾方向に局所的な延伸を与えることが好ましい態様の一つである。
なお、この凹凸ロールは、例えば図1の概略図のように、直径5〜15cm程度の円盤状の板などを一定周期でロール軸に串刺した形態のものがよく、対向する円盤位置を互いが噛み合うように位置を調整する事で延伸を行う事ができる。ロールの凹凸の周期は、好ましくは3から25mmである。周期間隔が短すぎると不織布中の繊維の移動が阻害されるために部分的な破壊が起こりやすく問題となる場合があり、大きすぎると斑が出来やすく問題となる場合がある。凹凸の間隔周期は均一であっても良いし必要な部分だけに凹凸を付けても良い。また、ロールの表面に溝を掘ってもよい。
ロール突起部の噛み合う深さを深くする事により延伸倍率を上げることができる。延伸倍率を高くするほど柔軟化が進みやすいが、適正値を超えると繊維の切断が増えて地合が悪化するために注意が必要である。好ましくは、原反の巾に対して3〜60%広がることが好ましく、特に好ましくは5〜50%で有る。マシン方向に適切なテンションを掛ける事でマシン方向への延伸を同時に行っても良い。
必要に応じてロール表面を加熱したり、加工する不織布を予熱しておいてから加工しても良い。加熱温度は、ポリエステル不織布を加工する場合は15〜250℃くらいが一般的であり、好ましくは30〜200℃、特に好ましくは40〜180℃である。
あらかじめ不織布を熱エンボス処理などで部分的に熱接着した部分を有する不織布を、ロール表面にほぼ一定間隔の凹凸を有し、それにほぼ対向して凸凹を有するロールによって部分的に延伸すると、熱接着した部分の接着を適度に破壊する事により柔軟性を付与する事ができる。また、不織布を延伸した後に応力を除去すると繊維のループが形成されて、繊維の移動が自由になることによりポリエステル系不織布での課題であった曲げ剛性やせん断剛性を小さくする事が可能となる。
本発明において、延伸される不織布の少なくとも1種がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルのいずれかであることが好ましい。場合により、これらの中の2種類以上が混繊されていても良いし、芯鞘型の複合繊維になっていてもよい。
不織布素材のひとつがエラストマーである場合は、手触りがゴムライクになるため、人が触る面の反対側あるいは3層以上積層して内側に存在させることが好ましい。伸縮性のある不織布に伸縮性の少ない不織布を貼り合せてのち部分延伸することで、伸縮性の少ない不織布あるいは伸長するが、回復しない不織布を複合した不織布の伸長回復性をよくする事が可能となる。
伸縮性の高いハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルは、ポリマー自身が伸縮性を有するが、共重合比率を変えることやソフトセグメント部などの分子量を変更することで伸長回復性や耐候性などを調整することが可能である。ソフトセグメント比率が高いほど、ソフトセグメント部の分子量が大きいほど伸縮性を良くする事が可能であるが若干ではあるが耐候性が低下する。
また、伸縮性不織布を熱処理する条件によっても伸長回復性をコントロールする事が可能であり、ポリマー劣化の起こらない温度範囲において熱処理温度が高いほど、あるいは熱処理による収縮量が大きいほどこの比の値を大きくなるように調整する事が可能である。複数の不織布を一体化してのち熱収縮処理して不織布を収縮させることにより伸縮性を出す事も好ましい態様のひとつである。不織布にフィルムを積層するのも好ましい態様の一つである。フィルムは、ポリエステル系の素材が好ましく、特に好ましい素材は、ブロック共重合ポリエステルなどの弾性を有する素材やエラストマーである。透湿性が高い素材も好ましい形態の一つである。
本発明に用いられる不織布は繊維径が3〜30μm、目付けが20〜200g/m2のポリエステルを主体とする不織布であることが好ましく、機械的特性にすぐれた長繊維不織布もより好ましい態様のひとつである。繊維径が3μmより細いと不織布が磨耗などにより毛羽立ちやすく、エンボス加工などによる後加工を行ってもそれを改善することが難しくあまり好ましくない。また、延伸時に応力集中を生じやすく繊維切断が起こりやすくなる。繊維径が30μmより太くなると、触った際に風合いが硬くなってしまい問題である。本発明者の検討の範囲では、繊維径が3〜15μmの間にある事が特に好ましくかった。また、不織布の目付が20g/m2より小さいと不織布強度が低かったり、不織布の地合斑が目立ったりするなどの問題となりやすい。目付けが200g/m2を超えると質量が重すぎるためあまり好ましくない。人体などの動物あるいは機械などの稼動部と接触して用いる場合は、目付が30〜150g/m2の間にあることが好ましく、特に好ましくは40〜100g/m2、最も好ましくは50〜90g/m2である。また、風合いなどの改善を目的としてポリエステル以外の素材の不織布を貼り合わせても良い。
また、延伸される不織布が積層体である場合には、ニードパンチ法、水流交絡法、熱エンボス法、超音波ウェルダー法のいずれかで一体化された不織布であることが好ましい。ニードルパンチ法や水流交絡法で積層一体化すると、不織布の界面がほとんどなくなり、層間剥離の問題がないうえに柔らかい風合いを与えることから特に好ましい。熱エンボス法や超音波ウェルダー法で不織布を複合すると接合押さえ箇所あるいはその周辺で孔が開く場合がある。通気性を重視する場合には意識的に孔を空けるように延伸倍率をコントロールすることも好ましく、この場合は延伸倍率が10%以上であることが好ましい。また、スリット状の孔を空けることにより、構造体全体での変形を大きくとる事ができるようになり好ましい。
また、本発明の不織布は、積層される不織布の少なくとも一層が伸縮性、あるいは潜在捲縮性不織布であることを特徴とする複合ポリエステル系不織布であることが好ましい。不織布の素材自身に伸縮性がある場合は長繊維不織布である事が好ましい。潜在捲縮性不織布である場合には、短繊維不織布が好ましく、長繊維不織布の場合には異形断面の繊維あるいは偏心心鞘型繊維であることが好ましい。潜在捲縮性不織布は積層前に熱処理により捲縮を発現させておいてもよいが、積層して延伸した後に熱をかけて捲縮性を得ることが特に好ましい。
また、本発明の不織布は厚みが3.0mmより薄い事が好ましく、より好ましくは1mm以下、特に好ましくは0.5mm以下である。伸縮性材料は、一般に摩擦係数が高く滑り難いため、他の物体と接触した際に引っ掛かりやすく、毛羽を誘発したりする場合がある。特に本発明の不織布の場合には厚みが3mmより厚くなると加工工程や使用時にひっかかりが起こりやすく問題となった。厚みを調整するためにカレンダー処理や熱エンボス処理などの再加工を行う事も好ましい態様のひとつである。
本発明の不織布あるいは不織布複合体の触感を良くするためには、ポリマー中に無機系微粒子あるいは滑剤が0.01〜5%分散させることも好ましい態様のひとつである。無機系微粒子としては、酸化チタンやモンモリロナイト、カーボンナノチューブなどの微粒子を繊維やフィルムを製造するポリマーに均一に分散させる事が好ましい。あるいは芯鞘型複合繊維構造をとって表面に無機系粒子がより多く分散させるようにする事も好ましい態様のひとつである。粒子のサイズとしては、質量換算で球相当直系繊維径の10分の1以下である事が好ましく、特に好ましくは0.2μm以下、特に好ましくは0.1μm以下である。粒子が小さいほど繊維中の分散が良くなりやすい。
滑剤としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドやステアリン酸アミドなど耐熱性のあるものをポリマーに分散させる事が好ましい。これらの滑剤は経時的に繊維やフィルム表面にマイグレートして滑り性やドライ感を改善する事が可能である。滑剤のマイグレートを熱処理で行う事により促進する事も好ましい態様のひとつである。特に、本発明の不織布のひとつとして、熱収縮処理を行う事で優れた伸長性及び伸長回復率を付与する方法があり、この際に滑剤のマイグレートを促進する事が可能であると考えられる。複数の無機系粒子を添加したり、無機系粒子と有機系滑剤を併用したりする事も効果が高く、好ましい態様のひとつである。無機系微粒子あるいは滑剤の量は合計で5%を超えると不織布の製造工程で糸切れが発生したり、紡糸工程でのポリマーフィルターの背圧上昇が大きくなることがある。
また、本発明の延伸不織布および延伸積層不織布の触感を改善するために、不連続なエンボス押さえ部を有することも好ましく、その面積率が3〜70%になるようエンボス加工処理がなされていることが好ましい。より好ましくは、エンボス押さえ面積率が8〜50%の間であり、特に好ましくは12〜40%である。
本発明の不織布構造の最も好ましい態様のひとつとして、ポリエチレンやポリプロピレンのオレフィン系の非弾性繊維とポリエステル系の弾性繊維の複合された不織布を延伸する方法である。非弾性繊維が含まれた不織布は、シートが変形しにくいために加工工程でのネッキングなどの問題を生じ難いが、延伸する事により非弾性繊維が破壊あるいは冷延伸される事で高い伸長性を得る事が可能となる。非弾性繊維とポリエステル系弾性繊維が混繊された長繊維不織布あるいは、非弾性繊維不織布の間に弾性長繊維不織布がはさまれている事も好ましい。オレフィン系の繊維が存在する事で、他のオレフィン素材なる材料との接着性の改善や撥水性を付与することが可能となり、オムツなどの衛材用途などへの適用が容易となる。弾性繊維不織布は、触感としてのぬめり感やゴムライクな風合いがあり、また摩擦係数が高くすべりにくいために製造工程での不織布の供給がしづらい場合もあるので、ポリオレフィン系長繊維不織布と熱エンボス法や超音波ウェルダー法により貼り合せてのち使用するのが好ましい。片面のみにポリオレフィン系長繊維不織布貼り合せても良いし、両面に貼り合せても良い。
また、本発明の好ましい態様のひとつとして不織布にフィルムを積層して後に延伸する事も好ましい。フィルムは、伸長によりボイドが発生するものが複合品の通気性や透湿性を付与するために好ましい。ボイドを発生させる手法としては、炭酸カルシウムなどの無機系粒子を0.1〜60質量%練りこんだ樹脂よりなるフィルムを用いたり、マトリックスポリマーに非相溶性のポリマーを微分散させたりすることなどにより達成可能である。厚み5〜50μmのフィルムが押し出しラミネートされていることも特に好ましい態様のひとつである。
積層方法としては単純に積層してもよいが、フィルムに伸縮性がない場合には、伸縮性不織布を5〜50%程度伸長させた状態で貼りあわせることにより、応力解放後にフィルムが小さなシワ状に折れ曲がることにより積層体としての伸縮性を出す事が可能となる。不織布の伸長性がフィルムの伸長性より小さい場合には、逆にフィルムをより多く伸長させた状態で不織布と張り合わせることでも同様のメカニズムにより伸縮性を高める事が可能である。フィルムを貼りあわせると一般的には伸長回復性が低下していく方向にあるため、フィルムの厚みが厚すぎないように注意する事が好ましい。積層貼り合せの方法としては、接着剤法でもよいがリサイクル性の観点などから、熱ラミネート法、押出ラミネート法、超音波ウェルダー法などによる接着が好ましい。
フィルム積層不織布は、おむつなどの透湿防水衣料、ハウスラッピング材、屋根下葺材、堆肥シートカバー、ミカンなどの果樹や野菜用のマルチシートとして好適に用いる事が可能である。
以下、本発明を具体的な実施例で説明する。
本発明で使用した測定法は以下のとおりである。
(厚み):
20g/cm2荷重での厚みをピーコック厚み計により測定した。
(透湿度):
JIS−L1099の[4.1.1(A−1法)塩化カルシウム使用、φ70mm]により測定した。
(繊維径):
走査型電子顕微鏡により適当な倍率で写真撮影を行い、ランダムに繊維を20〜200程度選んで各繊維の側面間の距離を測定した。撮影倍率より換算して円断面を仮定して繊維径を測定した。
(実施例1)
東洋紡績株式会社製ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる繊維径約10μm、目付30g/m2の熱エンボス処理したスパンボンド不織布(3301A)を図1に示されるような延伸拡幅ロール(凹凸周期7mm)を用いて室温にて不織布の巾方向の延伸倍率が20%になるように3m/分の送り速度で加工を行った。得られた不織布の触感は非常にソフトであった。また、延伸倍率を20%以下となるようにした場合には不織布の強伸度特性の大幅な低下が無い事から使用巾の差異によるトリミングロスを減らすことが可能であった。
(実施例2)
実施例1に用いた不織布に、カーテンスプレー法により厚み45μmのポリエチレン製透湿防水フィルム(炭酸カルシウム50質量%含有、面積換算で40%延伸済、透湿度4500g/m2・24時間)を積層した。積層体を実施例1と同様にして延伸倍率が15%になるように加工をした。延伸処理をした。フィルムの破れも無く延伸が可能であった。透湿度は6200g/m2・24時間に上昇した。
(実施例3)
東洋紡績株式会社製ポリプロピレンテレフタレート樹脂よりなる繊維径約10μm、目付15g/m2のスパンボンド不織布に、押出しラミネート法により厚み30μmのポリエチレン製透湿防水フィルム(炭酸カルシウム50質量%含有)を形成した。積層体を実施例1と同様にして延伸倍率が35%になるように加工をした。延伸処理をした。フィルムの破れも無く延伸が可能であった。透湿度は4800g/m2・24時間に上昇した。
(実施例4)
実施例1において延伸ロールの温度を85℃に設定した以外は全く同等の条件で加工を行った。加工後の不織布は、伸長回復性が発現しており、10%位引っ張ってもほぼ元の巾に戻った。
(実施例5)
ポリプロピレン樹脂よりなる繊維径約12μm、目付30g/m2のスパンボンド不織布2枚の間に、東洋紡績株式会社製弾性ポリエステル樹脂のペルプレンP40Bからなる繊維径約18μm、目付30g/m2のスパンボンド不織布を挟み込んで、超音波ウェルダ−法により一体化した。実施例1と類似の条件で巾方向の延伸倍率が40%になるように3m/分の送り速度で加工を行った。得られた不織布は、延伸前の不織布の巾に対して約3%拡がっただけであり、優れた弾力性や伸長回複性を示した。
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート樹脂よりなる繊維径約18μmのスパンボンド不織布を巾2mの両端固定方式のテンターにより約20%の巾方向延伸を室温にて行った。不織布地合斑の影響のためか表面が波打った状態になり、熱エンボス固定した部分の近傍で直径2mm相当の孔が何箇所かに発生して問題であった。
拡幅延伸ロールなどで部分的に巾方向に延伸された本発明の部分延伸不織布は、柔軟で、人が触れたときにソフトな肌触りがあり、人体などに貼着させた場合に、人体の動きに対して追随性の良い突っ張り感の少ない不織布であるため、パップ材基布などに好適である。また、透湿性フィルムなどと積層したフィルム積層不織布は、おむつなどの透湿防水衣料、ハウスラッピング材、屋根下葺材、堆肥シートカバー、ミカンなどの果樹や野菜用のマルチシートとして好適に用いる事が可能である。
本発明における不織布の延伸用凹凸ロールの例を示す模式図である。
符号の説明
1・・・凹凸ロール用円盤体
2・・・駆動シャフト
3・・・不織布

Claims (6)

  1. 表面に一定間隔の凹凸を有するロールと、該ロールの凹凸に対向して凸凹を有するロールとからなる一対のロールの間を通過させることにより得られた不織布であり、少なくとも部分的に巾方向に延伸された部分を有することを特徴とするポリエステル系不織布。
  2. 前記不織布がニードパンチ法、水流交絡法、熱エンボス法、超音波ウェルダー法のいずれかで積層一体化された複合不織布であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル系不織布。
  3. 前記複合不織布の少なくとも一層が伸縮性不織布又は潜在捲縮性不織布であることを特徴とする請求項2に記載のポリエステル系不織布。
  4. 前記複合不織布が一体化されてのち熱収縮処理されてなることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載のポリエステル系不織布。
  5. 前記複合不織布の少なくとも1種の素材がポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル、ハードセグメントとソフトセグメントよりなるブロック共重合ポリエステルのいずれかであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のポリエステル系不織布。
  6. 請求項1に記載のポリエステル系不織布の表面あるいは内部に、延伸によりボイド発生可能なフィルムが貼り合せてなることを特徴とするポリエステル系不織布。
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