JP2010264677A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体であって、特に、優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体の提供。
【解決手段】プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層が85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のポリジメチルシロキサン化合物からなることを特徴とする積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体であって、特に、優れたラミネート強度を有し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体に関するものである。
従来、食品や医薬品などを包装するための包装材料として、例えば、層構成が、紙層/ポリエチレン層/アルミ箔層/ポリエステル層/シーラント層となっている積層体が広く使用されている。このような積層体のポリエステル層とシーラント層との貼り合わせは、通常はポリエステルフィルム上に二液硬化型ポリウレタン系のアンカーコート剤を塗布してから、シーラント層を押出ラミネートすることにより行っていた。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性を有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
しかしながら、上述のような構成の積層体を包装材料として用い、例えば酸性物質、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、有機溶剤などの揮発性物質を包装した場合、揮発性物質の強い浸透力によってアンカーコート剤が悪影響を受け、プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が経時で低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすことがあった。
このようなデラミネーションは、前述したような構成の積層体の製造工程におけるラミネート加工に際して使用されるアンカーコート剤、例えばポリエステルポリオールなどの主剤とイソシアネート化合物からなる硬化剤を配合した二液硬化型ポリウレタン系のアンカーコート剤からなる接着層に上記のような強浸透性内容物が悪影響を及ぼし、接着層の主剤樹脂成分を膨潤させたり分子量を低下させ、接着層の凝集力を低下させたような時に起きるものと考えられる。
このような状況の下、プラスチック基材上に接着層を介してシーラント層が少なくとも設けられてなる積層体において、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、包装材用途に好適に使用できる積層体の開発が強く望まれている。
そのような中、前述のような構成の積層体の製造工程中におけるラミネート加工に際して使用される接着剤の検討が種々行われている。例えば、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられてなる積層体において、その接着層を構成する接着剤としてポリエステルポリオールなどの主剤とイソシアネート化合物からなる硬化剤を配合した二液硬化型ポリウレタン系からなり、主剤と硬化剤の割合が1:99〜15:85であるものを使用することにより、特に、優れたラミネート強度を付与し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度を低下させないようにした提案があ(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、上述のような接着剤は、プラスチック基材に対するレベリング性(濡れ性)が悪く、極薄塗工で接着層を構成すると、十分なラミネート強度が得られる部分とそうでない部分が交互に存在するようになり、ラミネート強度に不均一が生じることがあった。また、極薄塗工で接着層を形成するメリットとしては、接着層が非常に薄くなるので乾燥時
間がより少なくて済むこと、反応時間がより短くて済むこと、低いコストで作製できることなどを挙げることができるが、前述のような構成の積層体の接着層を構成する接着剤として用いた場合には、極薄塗工により所期の効果が発現できる接着層が形成できなかった。
特開2006−187908号公報
本発明は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられている積層体であって、特に、優れた初期ラミネート強度を有し、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、しかもこれらの優れた特性が極薄の接着層でも発揮できるようにした積層体を提供することにある。
上記課題点を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層が85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のポリジメチルシロキサン化合物からなることを特徴とする積層体である。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の積層体において、前記2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはそのアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の積層体において、前記接着層の厚みが1μm以下であることを特徴とする。
本発明の積層体は、プラスチック基材と接着層とシーラント層の少なくとも三層構成となっていて、しかもその接着層が強浸透性内容物の影響を受けず、かつ非常に薄くて緻密な層を形成しているため、プラスチック基材に対して優れたラミネート強度を示す。よって、例えば酸性物質、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、有機溶剤などの揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物を保存する包装材料として使用してもプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が低下することがなく、デラミネーションを起こすことがない。しかも、プラスチック基材に対する接着層のレベリング性(濡れ性)が優れるため、極薄塗工で得られた1μm以下の程度の薄い接着層であっても上記した優れた特性を確実に発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の積層体は、プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層が85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のポリジメチルシロキサン化合物からなることを特徴とするものである。
プラスチック基材としては、ポリエステルフィルムのノーマルタイプ、共重合タイプ、易接着タイプのものや、ナイロンフィルムのノーマルタイプ、易接着タイプのもの、あるいはポリプロピレンフィルムの未静防タイプ、静防タイプのものなど、様々なタイプのものが使用可能である。
また、脂肪族ポリエステルフィルムや脂肪族芳香族ポリエステルフィルムも使用可能である。さらに、プラスチック基材の構成材料としては、乳酸を主成分とするポリマー、例えば、乳酸のみからなるホモポリマーや、乳酸を主成分とし乳酸以外のモノマー、例えばリンゴ酸、グリコール酸などのオキシ酸、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヴァリレート、カプロラクトン、およびコハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類とエチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類などを共重合したコポリマー、あるいはこれらの混合物などが使用可能である。それに加えて、コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸などのジカルボン酸類と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類との共重合体、例えばテレフタル酸を有するポリエチレンテレフタレート−サクシネート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレートなども使用可能である。
そして、このようなプラスチック基材には、その一方の面にコロナ処理やプラズマ処理などの表面処理がなされていて、その上に後述する接着層が安定して形成できるようになっていればより好ましい。また、その厚みも特に限定されるものではない。
また、プラスチック基材としては、前記のようなプラスチックフィルムなどの上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設けた蒸着フィルムでも使用可能である。蒸着薄膜層としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫あるいはそれらの混合物などの蒸着薄膜からなり、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性を有するものであればよい。その中でも特に、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムのいずれかからなる蒸着薄膜層が酸素透過率および水蒸気透過率の点で優れるので好ましいが、必ずしも上述した構成材料からなるものに限定されるものではない。
プラスチックフィルムなどの上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設ける際には、蒸着薄膜層との密着性を良くするための前処理としてコロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理などの表面処理、さらには薬品処理、溶剤処理などの表面処理を施しておいてもかまわない。また、必要に応じて無機化合物を有する蒸着用プライマーの薄膜をプラスチックフィルムの上に設けておいてもよい。さらに、金属箔並の高度なガスバリア性を付与するために蒸着薄膜層上に無機化合物を有するガスバリア性被膜層を設けておいてもかまわない。
このような構成のプラスチック基材上に積層される接着層は、85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のポリジメチルシロキサン化合物からなるものである。そして、約15重量%以下の残りの成分としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールのほかにこれらをベースとしたポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオールなどを使用することが好ましいが、イソシアネート基との反応性が高すぎてすぐにゲル化してしまう化合物でなく、かつイソシアネート基を有するイソシアネート化合物との相溶性の良好な化合物であればこれらのものに限られるものではない。
そして、接着層の一部を構成するイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーなどを挙げることができる。また、これらのジイソシアネー
トモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を使用してもかまわない。
また、ポリジメチルシロキサン化合物としては、ポリジメチルシロキサンを基本骨格とする化合物で、代表的なジメチルシロキサンポリマーや、そのメチル基の一部がフェニル基によって置換されたメチルフェニルシロキサンポリマーや、そのメチル基の一部が水素原子で置換されたメチルハイドロジェンシロキサンポリマーなどが挙げられる。また、ジメチルシロキサンポリマーのメチル基の一部がアルキル基に置換されたアルキル変性シロキサンポリマー、高級脂肪酸に置換された高級脂肪酸変性シロキサンポリマー、フッ素基を有する官能基に置換されたフッ素変性シロキサンポリマー、アミノ基を有する官能基に置換されたアミノ変性シロキサンポリマー、エポキシ基を有する官能基に置換されたエポキシ変性シロキサンポリマー、カルボキシル基を有する官能基に置換されたカルボキシル変性シロキサンポリマー、水酸基を有する官能基に置換された水酸基含有シロキサンポリマー、メタクリル基を有する官能基に置換されたメタクリル変性シロキサンポリマーなど様々なものが挙げられるが、上記イソシアネート基を有するイソシアネート化合物の希釈溶剤としては主に酢酸エチルが使用されることから、酢酸エチルに溶解するポリジメチルシロキサン化合物が好適に使用できる。
これらのポリジメチルシロキサン化合物は、他の液体に比べて表面張力が非常に小さいことから、接着層の一部を構成する85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物にポリジメチルシロキサン化合物を0.01〜0.5重量部の割合で添加することにより、プラスチック基材に対する接着層のレベリング性(濡れ性)を格段に向上させ、極薄塗工により均一な層厚の接着層の形成が可能となる。
ポリジメチルシロキサン化合物の添加量は、0.01〜0.5重量%であればよいが、0.01〜0.2重量%程度であればより好ましい。0.5重量%を超える添加はプラスチック基材に対する接着層のレベリング性(濡れ性)を向上させるのには過剰な添加量であり、また反応後に接着層の凝集力低下を来たすことになる。
接着層を構成する2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物の割合を、例えば、ポリエステルポリオール90重量%とイソシアネート化合物10重量%の混合物のようにポリエステルポリオールリッチにすると、強浸透性内容物が作用することでポリエステルポリオールが膨潤したり分子量が低下し、それからなる接着層の凝集力が低下するためにプラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下する。そのため、イソシアネート化合物リッチな接着層を形成すること、すなわち、イソシアネート化合物の割合を、85重量%以上とする。90重量%以上とすればより好ましい。
このような構成の接着層は、プラスチック基材上に、2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物85重量%以上と、ポリジメチルシロキサン化合物0.01〜0.5重量%とを酢酸エチル中に固形分割合で0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%で含む塗工液の薄膜を塗工して設ければよい。また、この接着層の厚みは薄い方が好ましく、具体的にはその乾燥時の厚みが1μm程度以下の薄層となるように設ければよい。
接着層を非常に薄くすることで、積層体製造時の接着層中における反応時間や乾燥時間を短くすることができ、低いコストで作製できるようになる。しかも、本発明の積層体は、その一部を構成する接着層の厚みが1μmより薄くても、そのレベリング性(濡れ性)が優れるため、優れたラミネート強度を確保することができ、さらにはその優れたラミネート強度が強浸透性物質が作用しても低下することがない。
一方、接着層上に積層されるシーラント層としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂からなる層を具体的な例として挙げることができる。このようなシーラント層の形成材料としては、さらに、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが具体的に挙げられる。
また、脂肪族ポリエステルや脂肪族芳香族ポリエステルも使用可能である。より具体的な例としては、コハク酸、アジピン酸などのジカルボン酸類と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのジオール類との共重合体(例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート−アジペート)、微生物産生のポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレート−ヴァリレート、ポリヒドロキシブチレート−ヘクサノエート、乳酸、リンゴ酸、グリコール酸などのオキシ酸の重合体またはこれらの共重合体、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−ブチレンサクシネート、アミド結合を有するポリエステル、カーボネート結合を有するポリエステルなどの脂肪族ポリエステル、あるいはテレフタル酸を有するポリエチレンテレフタレート−サクシネート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレートなどの脂肪族芳香族ポリエステルから選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが挙げられる。これらの構成材料には、必要に応じて各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加してもかまわない。
そして、このような構成の積層体は、例えば、プラスチック基材上に、2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物85重量%以上と、ポリジメチルシロキサン化合物0.01〜0.5重量%とを酢酸エチル中に固形分割合で0.01〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%で含む塗工液の薄膜を、厚みが1μm以下となるように押出ラミネート機の塗工部において塗工して設けてからオーブンにて乾燥させた後、例えばポリエチレンなどをTダイから押し出してシーラント層を積層することにより得ることができる。
以上のような製造方法によれば、プラスチック基材と接着層間、および接着層とシーラント層間の初期のラミネート強度が良好で、かつ揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物が作用してもプラスチック基材と接着層間、および接着層とシーラント層間のラミネート強度が低下しない積層体を得ることができる。しかも、プラスチック基材に対する接着層のレベリング性(濡れ性)が優れるため、その接着層を1μm程度以下の極薄なものとしても、優れたラミネート強度を確保することができると共に、その優れたラミネート強度が各種強浸透性内容物が作用しても低下することがない。
以上、本発明の積層体を、プラスチック基材/接着層/シーラント層の三層構成の例で説明したが、各種強浸透性内容物の外部への透過、あるいは拡散をより確実にするために、例えば、PET/接着層/アルミ箔/接着層/プラスチック基材/接着層/シーラント
層からなる積層とし、プラスチック基材よりも外層にアルミ箔層を設けた構成のものとしてもかまわない。さらに、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上させる目的で、他の層を介在させた構成であってもかまわない。以下、本発明の実施例を述べる。
プラスチック基材として一方の面にコロナ処理を施した厚みが12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、このコロナ処理面に、イソホロンジイソシアネートモノマーとこれに対して固形分比が0.01重量%のジメチルシロキサンポリマーを酢酸エチル中に加え、固形分割合を0.5重量%とした塗工液の薄膜を塗工し、しかる後にオーブンにて乾燥して接着層を形成した。そして、その接着層の上に厚みが40μmの低密度ポリエチレンをダイ下温度320℃、加工速度80m/minで押出ラミネート法により押し出してシーラント層を積層させ、その後50℃で3日間のエージングを施し、実施例1に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは50nmであった。
接着層形成用の塗工液として、トリレンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエステルポリオールを、90:10(重量比)となるよう混合し、この混合物100重量%に対して固形分比が0.01重量%のメチルフェニルシロキサンポリマーを加え、固形分割合を0.5重量%とした塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としてエチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例2に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは50nm、シーラント層を押出ラミネート法により接着層上に押し出して形成したときのダイ下温度は280℃であった。
プラスチック基材として厚みが15μmのナイロンフィルムを使用し、接着層形成用の塗工液として、イソホロンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエステルポリオールを、90:10(重量比)となるよう混合し、この混合物100重量%に対して固形分比が0.3重量%のメチルハイドロジェンシロキサンポリマーを加え、固形分割合を0.7重量%とした塗工液を使用し、シーラント層の構成材料として亜鉛アイオノマーを使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例3に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは70nm、シーラント層を押出ラミネート法により接着層上に押し出して形成したときのダイ下温度は300℃であった。
プラスチック基材として厚みが15μmのナイロンフィルムを使用し、接着層形成用の塗工液として、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプとポリエーテルポリオールを、85:15(重量比)となるよう混合し、この混合物100重量%に対して固形分比が0.3重量%のジメチルシロキサンポリマーのメチル基の一部がフッ素基を有する官能基に置換されたフッ素変性シロキサンポリマーを加え、固形分割合を0.7重量%とした塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としてランダムポリプロピレンを使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例4に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは70nm、シーラント層を押出ラミネート法により接着層上に押し出して形成したときのダイ下温度は275℃であった。
プラスチック基材として厚みが20μmのポリ乳酸フィルムを使用し、接着層形成用の塗工液として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプとアクリルポリオールを、85:15(重量比)となるよう混合し、この混合物100重量%に対して固形分比が0.5重量%のジメチルシロキサンポリマーのメチル基の一部がアミノ基を有
する官能基に置換されたアミノ変性シロキサンポリマーを加え、固形分割合を1.0重量%とした塗工液を使用し、シーラントの構成材料としてポリブチレンサクシネートを使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例5に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは100nm、シーラント層を押出ラミネート法により接着層上に押し出して形成したときのダイ下温度は280℃であった。
接着層形成用の塗工液として、トリレンジイソシアネートのアダクトタイプを使用し、固形分割合を0.5重量%とした塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例6に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは50nmであった。
接着層形成用の塗工液として、イソホロンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエステルポリオールを、85:15(重量比)となるよう混合し、固形分割合を0.7重量%とした塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例7に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは70nmであった。
プラスチック基材として厚みが15μmのナイロンフィルムを使用し、接着層形成用の塗工液として、キシリレンジイソシアネートのアダクトタイプとポリエーテルポリオールを、20:80(重量比)となるよう混合し、固形分割合を1.0重量%とした塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としてエチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例8に係る積層体を得た。接着層の乾燥後の厚みは100nm、シーラント層を押出ラミネート法により接着層上に押し出して形成したときのダイ下温度は280℃であった。
以上のような製造方法により得られた、初期のラミネート強度が十分に得られた実施例1〜5、および8のそれぞれの積層体を用いてパウチを作製し、内容物として湿布薬(揮発性の強浸透性物質としてサリチル酸メチルやメントールを含有)と、浴用剤(揮発性の強浸透性物質として香料成分を含有)をそれぞれ充填、密封し、40℃の恒温室内に放置した。
3ヶ月経過後にこれらのパウチを恒温室から取り出し、それぞれのパウチの各種プラスチック基材とシーラント層間のラミネート強度[N/15mm]を測定し、恒温室に入れる前のパウチにおける初期のラミネート強度と比較した。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。恒温室投入前と後におけるラミネート強度の測定結果をまとめて表1に示す。
Figure 2010264677
表1からも明らかなように、実施例1〜5に係る積層体の各種プラスチック基材とシーラント層間における初期のラミネート強度は、シーラント切れを示すほど強固であった。また、揮発性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヶ月間保存したパウチにおいてもラミネート強度に変化はなく、初期のラミネート強度を十分に保っていた。
これに対して、実施例6、7に係る積層体のプラスチック基材とシーラント層間における初期のラミネート強度は、接着層のプラスチック基材に対してのレベリング性(濡れ性)が悪く、十分なラミネート強度が得られる部分とそうでない部分が交互に存在し、ラミネート強度に不均一が生じていたことから、包装材料への使用には適さないことが判明した。
また、実施例8に係る積層体の接着層は、ポリエーテルポリオールリッチであり、プラスチック基材に対してのレベリング性(濡れ性)が良好なため、プラスチック基材とシーラント層間における初期のラミネート強度は、シーラント切れを示すほど強固であったが、揮発性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で3ヶ月間保存したパウチにおいては、ラミネート強度が著しく低下しており、湿布薬や浴用剤などの揮発性物質を含む内容物の包装材料への使用には適さないことが判明した。

Claims (3)

  1. プラスチック基材上に少なくとも接着層とシーラント層がこの順序で設けられていて、接着層が85重量%以上の2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物と、0.01〜0.5重量%のポリジメチルシロキサン化合物からなることを特徴とする積層体。
  2. 前記2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはそのアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記接着層の厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
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