JP2010149389A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物が作用したとしても当初の優れたラミネート強度が確保でき、各層間のラミネート強度が低下しないようにした、バリア性に優れるアルミニウム箔層を有する積層体の提供を課題とする。
【解決手段】アルミニウム箔層/接着層/プラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層が設けられているバリア性フィルム層/イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとを含有してなる耐浸透性接着層/シーラント層の複積層構成になる複合層を少なくとも有していることを特徴とする積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、バリア性に優れたアルミニウム箔層を有する積層体に関し、さらに詳しくは、香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物が作用したとしても当初の優れたラミネート強度が確保でき、各層間のラミネート強度が低下しないようにした積層体に関するものである。
従来、アルミニウム箔層がその一部に設けられてなり、食品や医薬品などを包装するための積層構成の包装材料として、例えば、ポリエステル層/接着層/アルミニウム箔層/接着層/ポリエステル層/接着層(アンカーコート層)/シーラント層の複層構成になる積層体が広く使用されてきた。このような積層体は、通常は二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、接着層はドライラミネートにより積層され、アンカーコート層は押出ラミネートにより積層されて作製される。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性などを有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
しかしながら、香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物を上記従来構成の積層体を用いて包装した場合、その非常に強い浸透力のため、これらの物質が最内層のシーラント層を通過しアンカーコート層にまで達し、アンカーコート層の樹脂成分の膨潤や分子量低下を引き起こし、凝集力を低下させるため、デラミネーション(剥離)が発生することがあった。
このような状況に対応するため、包装材料に用いられる積層体においては、各層間が優れたラミネート強度を有するようにするための開発が種々なされている。例えば、プラスチックフィルム基材の上に少なくとも接着層(アンカーコート層)とシーラント層をこの順序で設けると共に、その接着層(アンカーコート層)の構成材料としてイソシアネート化合物を用いることにより、各種強浸透性内容物が作用しても層間のラミネート強度が低下しないようにした積層体が提案されている(特許文献1参照)。
しかしながら、香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物の一部には、その非常に強い浸透力のため、最内層のシーラント層、アンカーコート層、ポリエステル層を順次通過してアルミニウム箔層/接着層間に留まり、接着層の樹脂成分の膨潤や分子量低下を引き起こし、凝集力を低下させ、デラミネーション(剥離)が発生することがあった。
このような状況に対処すべく、上記したような層構成の積層体における中間層のポリエステル層の代わりに、例えば、酸素バリア性や水蒸気バリア性がさらに優れるポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、バリアナイロン(MXDナイロン)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデンなどからなる各種バリア性フィルムを中間層として用いることが考えられるが、このような配慮をしても一部の強浸透性内容物は、その非常に強い浸透力のため、最内層のシーラント層、アンカーコート層、各種バリア性フィルム層を順次通過してアルミニウム箔層/接着層間に留まり、接着層の樹脂成分の膨潤や分子量低下を引き起こし、凝集力を低下させ、デラミネーション(剥離)が発生することがあった。
特開2005−335374号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、バリア性に優れたアルミニウム箔層を有する積層体であり、例えば、この積層体を各種包装材料として使用し、香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物を収納したとしても、当初の優れたラミネート強度を保持し続け、各層間のラミネート強度が低下しないようにした積層体を提供することにある。
上記課題点を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、アルミニウム箔層/接着層/プラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層が設けられているバリア性フィルム層/イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとを含有してなる耐浸透性接着層/シーラント層の複積層構成になる複合層を少なくとも有していることを特徴とする積層体である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積層体において、前記バリアフィルム層が、少なくとも片面に酸化珪素からなる蒸着薄膜層を有するポリエステルフィルム、またはナイロンフィルムであることを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の積層体において、前記耐浸透性接着層のイソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとの混合割合が、99:1〜60:40(重量比)であり、その厚みが1μm以下であることを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体において、前記イソシアネート基を有する化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体において、前記金属アルコキシドの金属が、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムのいずれかであることを特徴とする。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の積層体において、前記金属アルコキシドが、シランカップリング剤であることを特徴とする。
本発明の積層体は、少なくとも、アルミニウム箔層/接着層/バリアフィルム/耐浸透性接着層/シーラント層の複層構成になる複合層を含み、その耐浸透性接着層が香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物の影響を受けないため、たとえ強浸透性物質が作用しても当初の優れたラミネート強度を保持し続け、ラミネート強度の低下やデラミネーションを起こすことがない。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明の積層体は、アルミニウム箔層/接着層/プラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層が設けられているバリア性フィルム層/イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとを含有してなる耐浸透性接着層/シーラント層の複積層構成になる複合層を少なくとも有してなるものである。
本発明の積層体の一部を構成するバリア性フィルム層は、少なくともプラスチック基材と無機酸化物の蒸着薄膜層が積層されたものである。無機酸化物の蒸着薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化錫あるいはそれらの混合物などからなる蒸着薄膜であるが、その中でも特に、酸化珪素からなる蒸着薄膜が強浸透性内容物耐性および強浸透性内容物バリア性に優れるので好ましい。
無機酸化物の蒸着薄膜層を設けるプラスチックフィルム基材としては、ポリエステルフィルムのノーマルタイプ、共重合タイプ、易接着タイプなど、ナイロンフィルムのノーマルタイプ、易接着タイプなどの様々なタイプのもので、それらの上に蒸着薄膜層が安定的に形成できるようになっていれば、いずれのタイプのプラスチックフィルムでも使用可能である。また、その厚みに関しても特に限定されるものではない。
このようなプラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層を設ける際には、蒸着薄膜層との密着性を良くするために前処理としてコロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理などの表面処理を施しておいてもよく、さらに薬品処理、溶剤処理などの表面処理を施しておいてもかまわない。また、必要に応じて無機化合物を有する蒸着用プライマー剤からなる薄膜を設けておいてもよい。さらに、高度な強浸透性内容物に対するバリア性(耐浸透性)を付与するために蒸着薄膜層上に無機化合物を有するバリア性被膜層を設けておいてもかまわない。
一方、上述したような構成のバリア性フィルム層の蒸着薄膜層上に積層される耐浸透性接着層は、イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとを少なくとも含有してなるものである。その厚みは1μm以下の程度である。
この耐浸透性接着層中のイソシアネート基を有する化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネートおよびその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーが具体例として挙げられる。また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体であってもかまわない。
また、耐浸透性接着層中の金属アルコキシドの金属としては、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウムなどが挙げられるが、具体的には、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリメトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシドなどが用いられる。以上のように金属アルコキシドには種々のものがあるが、取り扱い性、コストなどを考えればケイ素のアルコキシドがより好ましく用いられる。また、イソシアネート基、エポキシ基、またはアミノ基などを含有するシランカップリング剤の使用も推奨される。
耐浸透性接着層を構成するイソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとの混合割合(重量比)は、99:1〜60:40、より好ましくは99:1〜70:30、さらに好ましくは99:1〜80:20にするとよい。このような混合割合にしておくと、プラスチックフィルム基材上の蒸着薄膜層と耐浸透性接着層間、および耐浸透性接着層とシーラント層間の双方に十分な初期強度が確保できるようになり、揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物の影響を受けない耐浸透性接着層が得られる。
もし、バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の構成成分がイソシアネート基を有する化合物のみの場合、あるいは、金属アルコキシドのみの場合は、その接着層とバリア性フィルム層上面の蒸着薄膜層間において十分な初期ラミネート強度が得られない。バリア性フィルム上面の蒸着薄膜層に対してもシーラント層に対しても強固な接着性が獲得できるようにするためには、イソシアネート基を有する化合物がリッチな接着層を形成すること、すなわち、イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとの混合割合を上述の如くに設定することが好ましい。
耐浸透性接着層は、イソシアネート基を有する化合物に適量の金属アルコキシドが添加されていて、反応性官能基がなくなるまで3次元的に架橋反応が進み、ネットワークが形成されるので、プラスチックフィルム基材上の蒸着薄膜層と耐浸透性接着層との親和性がより良好になり、蒸着薄膜層に強固に接着し、同時にシーラント層とも強固に接着するようになる。
従って、香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物が本発明の積層体に作用しても、耐浸透性接着層の凝集力が低下することはなく、プラスチックフィルム基材上の蒸着薄膜層と耐浸透性接着層間、および耐浸透性接着層とシーラント層間のラミネート強度が低下せずに、初期のラミネート強度と強浸透性内容物耐性がともに保持できるようになる。
このような耐浸透性接着層は、前記したバリア性フィルム層の蒸着薄膜層上に、例えば、酢酸エチルを希釈溶剤とし、イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとの混合物を含有し、その固形分割合が0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%程度の割合で含む塗工液の薄膜を塗工して設ければよい。そして、この耐浸透性接着層の厚みは薄い方が好ましく、具体的にはその乾燥時の厚みが1μm以下の薄層となるように設けることが好ましい。1μmを超える厚みであると、溶媒を飛ばすための乾燥に時間がかかり、薄膜内での架橋反応にも時間がかかるため、強浸透性内容物耐性の発現が思わしくなくなる。
一方、アルミニウム箔層と上記した構成のバリア性フィルム層を接着するための接着層の構成材料としては、一般的な二液硬化型ウレタン系接着剤が使用できる。香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物は、前記したバリア性フィルム層により遮断されるので、の接着層が影響され、ラミネート強度低下やデラミネーションを起こすことはない。
耐浸透性接着層上に積層されるシーラント層は、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などからなる層である。さらにこのシーラント層の構成材料の具体的を挙げると、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などのエチレン系樹脂や、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などのプロピレン系樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共
重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン-グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが例示できる。これらの構成材料には、必要に応じて各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、各種フィラーなど)を添加しても構わない。
以上、本発明に係る積層体について説明したが、本発明の積層体は上記のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であってもよい。以下にその具体的な構成例を示す。
[構成1]
ポリエチレンテレフタレートフィルム層/接着層/アルミニウム箔層/接着層/酸化珪素蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルム層(バリア性フィルム層)/耐浸透性接着層/シーラント層
[構成2]
ポリエチレンテレフタレート層/接着層/アルミニウム箔層/接着層/酸化珪素蒸着ナイロンフィルム層(バリア性フィルム層)/耐浸透性接着層/シーラント層
次に、上記構成1および構成2の積層体の製造方法の一例について述べる。
構成1に係る積層体の作製に当たっては、まず、包装材料で最外層となるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと、アルミニウム箔と、酸化珪素蒸着PETフィルムのそれぞれを二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてツインドライラミネーターにより、アルミニウム箔に酸化珪素蒸着PETフィルムのPETフィルム面とが接するようにしてラミネートを行う。その後、このようにして得られてPETフィルム層/接着層/アルミニウム箔層/接着層/酸化珪素蒸着PETフィルム層からなる積層フィルムの蒸着薄膜層の上に、イソシアネート基を含有する化合物と金属アルコキシドとの混合物を酢酸エチルで希釈溶剤し、その混合物の固形分割合を0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%程度の割合で含む塗工液の薄膜(厚みは1μm以下が好ましい)を押出ラミネーターのアンカーコート剤塗工部において塗工して耐浸透性接着層を設け、オーブンにて乾燥後、Tダイから押し出される例えばポリエチレンなどからなるシーラント層を積層し、構成1に係る層構成の積層体を得ることができる。なお、構成2に係る席層体は、構成1の構成に係る積層体の酸化珪素蒸着PETフィルム層を酸化珪素蒸着ナイロンフィルム層に置き換えるようにして作製すれば得られる。
以上のような作製方法によれば、プラスチックフィルム基材上の蒸着薄膜層と耐浸透性接着層間、および耐浸透性接着層とシーラント層間の初期ラミネート強度が十分で、かつ香料や薬効成分やアルコールをはじめとする有機溶剤などの揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などを含む強浸透性内容物が作用してもバリア性フィルム層の蒸着薄膜層と耐浸透性接着層間、および耐浸透性接着層とシーラント層間のラミネート強度が低下せず、また、中間層にバリア性フィルム層を介在させてあることによりアルミニウム箔層と接着層間、および接着層とバリア性フィルム層間のラミネート強度も低下することがない。以下、本発明の実施例を述べる。
まずはじめに、厚みが12μmのポリエチレンフタレート(PET)フィルムと、厚み
が7μmのアルミニウム箔と、厚みが12μmのPETフィルム一方の面にコロナ処理を施しその処理面に酸化珪素の蒸着薄膜層を形成させたバリア性フィルムを、二液硬化型ウレタン系接着剤を用いてツインドライラミネーターによりラミネートし、PETフィルム層/二液硬化型ウレタン系接着剤層/アルミニウム箔層/二液硬化型ウレタン系接着剤層/バリア性フィルム層(PETフィルム/酸化珪素の蒸着薄膜層)の複層構成の積層フィルムを作製した。次に、この積層フィルムの酸化珪素の蒸着薄膜層上に、酢酸エチルを希釈溶剤として用い、イソシアネート基を有する化合物にイソホロンジイソシアネートモノマー、金属アルコキシドにテトラエトキシシランを、95:5(重量比)となるよう混合したその固形分割合が2重量%の塗工液を使用して薄膜を塗布し、オーブンにて乾燥させて耐浸透性接着層を設けた後、厚み40μmの低密度ポリエチレンをダイ下温度320℃、加工速度80m/minで押出ラミネート法により押し出して前記耐浸透性接着層上にラミネートさせシーラント層を積層させ、実施例1に係る積層体を得た。耐浸透性接着層の乾燥後の厚みは0.26μmであった。
耐浸透性接着層の構成材料として、イソシアネート基を有する化合物にトリレンジイソシアネートのアダクトタイプ、金属アルコキシドにアルミニウムトリイソプロポキシドを、90:10(重量比)となるよう混合した塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例2に係る積層体を得た。耐浸透性接着層の乾燥後の厚みは0.24μmであった。
ナイロンフィルムの一方の面にコロナ処理を施しその処理面に酸化珪素の蒸着薄膜層を形成させた厚みが15μmのバリア性フィルムを使用し、耐浸透性接着層の構成材料としては、イソシアネート基を有する化合物にイソホロンジイソシアネートのアダクトタイプ、金属アルコキシドにチタニウムテトラエトキシドを、85:15(重量比)となるよう混合した塗工液を使用し、さらにシーラント層の構成材料としては、エチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例3に係る積層体を得た。耐浸透性接着層の乾燥後の厚みは0.27μmであり、シーラント層ラミネート時のダイ下温度は280℃であった。
ナイロンフィルムの一方の面にコロナ処理を施しその処理面に酸化珪素の蒸着薄膜層を形成させた厚みが15μmのバリア性フィルムを使用し、耐浸透性接着層の構成材料として、イソシアネート基を有する化合物にキシリレンジイソシアネートのアダクトタイプ、金属アルコキシドにジルコニウムテトライソプロポキシドを、80:20(重量比)となるよう混合した塗工液を使用し、さらにシーラント層の構成材料としては、エチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例4に係る積層体を得た。耐浸透性接着層の乾燥後の厚みは0.24μmであり、シーラント層ラミネート時のダイ下温度は280℃であった。
一方の面にコロナ処理を施した厚みが12μmのPETフィルムの処理面に下記組のようにして調製されたプライマー剤の薄膜を塗布し、乾燥させてプライマー層を設けた後、そのプライマー層の上に酸化珪素の蒸着薄膜層を形成させ、さらにその上に下記のようにして調製されたバリア性コーティング剤の薄膜を塗布し、乾燥させてバリア性被膜層を形成させて得られたバリア性フィルムを使用し、耐浸透性接着層の構成材料としては、イソシアネート基を有する化合物にヘキサメチレンジイソシアネートのビューレットタイプ、金属アルコキシドにイソシアネート系シランカップリング剤を、70:30(重量比)となるよう混合した塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としては、亜鉛アイオノマー
を使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例5に係る積層体を得た。耐浸透性接着層の乾燥後の厚みは0.26μmであり、シーラント層ラミネート時のダイ下温度は300℃であった。
[プライマー剤の調製]
下記A液のアクリルポリオールの水酸基に対して下記B液のイソシアネート基が当量となるよう混合し、この混合溶液の固形分割合が2重量%となるように希釈したものをプライマー剤とした。
<A液>
希釈溶媒(酢酸エチル)中に、γ−イソシアネートプロピルトリメチルシラン1重量%と、アクリルポリオール10重量%とを混合した溶液。
<B液>
イソシアネート化合物であるXDIとIPDIの7:3(重量比)混合物。
[バリア性コーティング剤の調製]
下記C液と下記D液を60:40(重量比)で混合したものをバリア性コーティング剤とした。
<C液>
テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形分3重量%(SiO2換算)の加水分解溶液。
<D液>
ポリビニルアルコール3重量%の水/イソプロピルアルコール溶液{水:イソプロピルアルコール=90:10(重量比)}。
実施例5のバリア性フィルムのPETフィルムの代わりにナイロンフィルムを使用し、耐浸透性接着層の構成材料としては、イソシアネート基を有する化合物にヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ、金属アルコキシドにエポキシ系シランカップリング剤を、60:40(重量比)となるよう混合した塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としては、ランダムポリプロピレンを使用した以外は実施例1と同様の方法で、実施例6に係る積層体を得た。耐浸透性接着層の乾燥後の厚みは0.25μmであり、シーラント層ラミネート時のダイ下温度は275℃であった。
バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の構成材料として、イソシアネート基を有する化合物にトリレンジイソシアネートのアダクトタイプ、金属アルコキシドにテトラエトキシシランを、30:70(重量比)となるよう混合した塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例7に係る積層体を得た。バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の乾燥後の厚みは0.25μmであった。
バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の構成材料として、イソシアネート基を有する化合物にイソホロンジイソシアネートのアダクトタイプ、金属アルコキシドにアルミニウムトリイソプロポキシドを、20:80(重量比)となるよう混合した塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としては、エチレン−メタクリル酸共重合体を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例8に係る積層体を得た。バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の乾燥後の厚みは0.27μmであり、シーラント層ラミネート時のダイ下温度は280℃であった。
厚みが15μmのナイロンフィルム一方の面にコロナ処理を施し、その処理面に酸化珪素の蒸着薄膜層を形成させたバリア性フィルムを使用し、バリア性フィルム層とシーラン
ト層間の接着層の構成材料として、トリレンジイソシアネートのアダクトタイプでその固形分割合が2重量%の塗工液を使用し、シーラント層の構成材料としては、ランダムポリプロピレンを使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例9に係る積層体を得た。バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の乾燥後の厚みは0.26μmであり、シーラント層ラミネート時のダイ下温度は275℃であった。
厚みが12μmのPETフィルム一方の面にコロナ処理を施し、蒸着層を形成していなフィルムをバリア性フィルムの代わりに使用し、バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の構成材料としては、イソシアネート基を有する化合物にトリレンジイソシアネートのアダクトタイプ、金属アルコキシドにテトラエトキシシランを、80:20(重量比)となるよう混合した塗工液を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較のための実施例10に係る積層体を得た。バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層の乾燥後の厚みは0.27μmであった。
以上のようにして得られた、実施例1〜10のそれぞれの積層体に対して50℃、3日間のエージングを行った後、それぞれの積層体を用いてパウチを2個ずつ作製し、内容物として湿布薬(揮発性の強浸透性物質としてサリチル酸メチルやメントールなどを含有)と、浴用剤(揮発性の強浸透性物質として香料成分を含有)をそれぞれのパウチに充填し、密封した後、40℃の恒温室内に放置した。
6ヶ月経過後にこれらのパウチを恒温室から取り出し、それぞれのパウチのアルミニウム箔層/二液硬化型ウレタン系接着剤層/バリア性フィルム層間(外層)、およびバリア性フィルム層/耐浸透性接着層/シーラント層間(内層)の層間ラミネート強度[N/15mm]を測定し、恒温室に入れる前のパウチにおける初期のラミネート強度と比較した。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。恒温室投入前と後におけるラミネート強度の測定結果をまとめて表1に示す。
Figure 2010149389
表1からも明らかなように、実施例1〜6に係る積層体のバリア性フィルム層/耐浸透性接着層/シーラント層間(内層)における初期のラミネート強度は、樹脂切れを示すほど強固であった。また、揮発性の強浸透性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で6ヶ月間保存したパウチにおいてもアルミニウム箔層/二液硬化型ウレタン系接着剤層/バリア性フィルム層間(外層)、およびバリア性フィルム層/耐浸透性接着層/シーラント層間(内層)のラミネート強度に変化はなく、初期のラミネート強度を十分に保っていた。
これに対して、実施例7〜9に係る積層体のバリア性フィルム層/バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層/シーラント層間(内層)における初期のラミネート強度は十分でなかった。
また、実施例10に係る積層体では、アルミニウム箔層/二液硬化型ウレタン系接着剤層/バリア性フィルム層間(外層)、およびバリア性フィルム層/バリア性フィルム層とシーラント層間の接着層/シーラント層間(内層)の初期のラミネート強度は十分に得られたが、揮発性の強浸透性物質を含む湿布薬や浴用剤を入れて40℃で6ヶ月間保存したパウチにおいては、アルミニウム箔層/二液硬化型ウレタン系接着剤層/バリア性フィルム層間(外層)のラミネート強度が著しく低下しており、湿布薬や浴用剤などの揮発性の強浸透性物質を含む内容物の包装材料への使用には適さないことが判明した。

Claims (6)

  1. アルミニウム箔層/接着層/プラスチックフィルム基材上に無機酸化物の蒸着薄膜層が設けられているバリア性フィルム層/イソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとを含有してなる耐浸透性接着層/シーラント層の複積層構成になる複合層を少なくとも有していることを特徴とする積層体。
  2. 前記バリアフィルム層が、少なくとも片面に酸化珪素からなる蒸着薄膜層を有するポリエステルフィルム、またはナイロンフィルムであることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 前記耐浸透性接着層のイソシアネート基を有する化合物と金属アルコキシドとの混合割合が、99:1〜60:40(重量比)であり、その厚みが1μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
  4. 前記イソシアネート基を有する化合物が、2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記金属アルコキシドの金属が、ケイ素、アルミニウム、チタン、またはジルコニウムのいずれかであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記金属アルコキシドが、シランカップリング剤であることを特徴とする請求項1〜5記載の積層体。
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