JP5942469B2 - 積層体、パウチ - Google Patents

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Description

本発明は、積層体およびこれを用いたパウチに関する。
従来、香料、薬効成分、アルコール等の揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質等の強浸透性物質を含む液状の内容物(たとえば食品、医薬品等)は、プラスチックボトル、缶、ガラス瓶等に充填されていた。しかし近年の環境問題に対する意識の高まりから、ゴミの減量化を目的として、該内容物を、例えばプラスチック基材/接着層/シーラント層の層構成を有する積層体を用いたパウチ等の軟包装材に充填する機会が多くなっている。該積層体のプラスチック基材としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルフィルムが一般的に用いられている。また、バリア性等の向上のために、プラスチック基材に、アルミ箔等の金属箔を積層したり、無機酸化物の蒸着薄膜を形成することが行われている。
該積層体のプラスチック基材とシーラント層との貼り合わせは、通常、プラスチック基材上に、接着剤を塗布して接着層を形成し、該接着層上に、ポリエチレン系樹脂等を押出ラミネートしてシーラント層を形成する方法により行われる。
該積層体に用いられる接着剤としては、主剤であるポリエステルポリオールなどのポリオールと、硬化剤であるポリイソシアネート化合物とを組み合わせる二液硬化型ポリウレタン系接着剤が多く使用されている(たとえば特許文献1〜3)。該二液硬化型ポリウレタン系接着剤において主剤および硬化剤は、通常、主剤の方が多く、例えば主剤:硬化剤が95:5、90:10等の配合比で、使用されている。
しかし、該積層体においては、強浸透性物質を含む内容物に接する最内層のシーラント層に、強浸透性物質に対するバリア性がないため、該内容物を充填した際に、強浸透性物質がシーラント層を通過して接着層にまで達し、接着層が悪影響を受けることがある。その結果、プラスチック基材とシーラント層との間のラミネート強度が経時的に低下し、デラミネーション(剥離)を引き起こすことがある。デラミネーションが起こると、商品の外観を損ね、包材の強度低下にもつながる。
ラミネート強度の低下やデラミネーションの原因としては、従来の二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて形成した接着層に強浸透性物質が浸透し、該強浸透性物質によって、ポリオール成分の膨潤、分子量の低下等を招き、接着層の凝集力が低下することと考えられる。
このような問題に対し、特許文献4には、プラスチック基材上に形成された蒸着薄膜層とシーラント層との初期のラミネート強度が高く、強浸透性物質による蒸着薄膜層とシーラント層との間のラミネート強度の低下が抑えられ、かつガスバリア性が高く、包装材料として有用な積層体として、プラスチック基材と、プラスチック基材上に形成された蒸着薄膜層と、蒸着薄膜層上に設けられた接着層と、接着層上に設けられたシーラント層とを有し、接着層の厚さが1μm以下であり、接着層がイソシアネート化合物と金属アルコキシドを特定の比率で含む組成物からなる積層体が開示されている。
特開平9−316423号公報 特開2001−262115号公報 特開2006−282768号公報 特開2005−094051号公報
しかし、従来の積層体は、これを用いたパウチに充填する内容物がアルコールを含むものである場合、プラスチック基材とシーラント層との間のラミネート強度の経時的な低下やデラミネーション(剥離)を防止する効果が充分とはいえない。
特に、該内容物が、消毒有効成分としてアルコールを含む消毒液である場合、アルコールの他に、香料、クエン酸、乳酸等の添加剤が含まれることが多く、アルコールとともにこれら成分が包材内を浸透透過しやすいため、上記の問題が生じやすい。
また、積層体のプラスチック基材を構成するポリエステルフィルムは、アルコールにより膨潤し、分子間の隙間が乾燥時よりも大きくなる傾向がある。そのため、長期保存中に、内容物を充填したパウチの外部から水蒸気が進入して、あるいは内容物中の水分が揮散して、アルコール濃度が変動(低下または上昇)してしまう。バリア層を設ければ水蒸気の透過は抑制できるが、ラミネート強度の低下やデラミネーションが生じるとその効果が損なわれる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、アルコールを含む内容物、特にアルコール系消毒剤を充填し、長期間保存したときに、基材シートとシーラント層との間のラミネート強度が低下しにくく、かつ該内容物のアルコール濃度が変動しにくいパウチが得られる積層体、およびこれを用いたパウチを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決する本発明は以下の構成を有する。
[1]基材シートと、該基材シートの片面に接着層(A)を介して積層したシーラント層とを備える積層体であって、
前記基材シートが、少なくともポリエステル層を含むプラスチック基材の前記シーラント層側とは反対側の面に、ポリウレタン接着剤から形成された接着層(B)を介して金属箔からなるバリア層が積層したものであり、
前記接着層(A)が、尿素結合を含むポリイソシアネート化合物からなることを特徴とする積層体。
[2]前記ポリイソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物のビウレット体およびイソシアヌレート体から選ばれる少なくとも1種である[1]に記載の積層体。
[3][1]または[2]に記載の積層体を用いたパウチ。
[4]アルコールを含む内容物の充填用である[3]に記載のパウチ。
本発明によれば、アルコールを含む内容物、特にアルコール系消毒剤を充填し、長期間保存したときに、基材シートとシーラント層との間のラミネート強度が低下しにくく、かつ該内容物のアルコール濃度が変動しにくいパウチが得られる積層体、およびこれを用いたパウチを提供できる。
第一の実施形態に係る積層体10の構成を示す概略断面図である。 第二の実施形態に係る積層体20の構成を示す概略断面図である。 第三の実施形態に係る積層体30の構成を示す概略断面図である。
≪積層体≫
本発明の積層体は、基材シートと、該基材シートの片面に接着層を介して積層したシーラント層とを備える積層体であって、前記基材シートが、少なくともポリエステル層を含むプラスチック基材の片面に無機酸化物または金属箔からなるバリア層が積層したものであり、前記接着層が、尿素結合を含むポリイソシアネート化合物からなることを特徴とする。
シーラント層と基材シートとの間の接着層は、尿素結合を含むポリイソシアネート化合物からなることにより、アルコール等の強浸透性物質に対して劣化しにくい。そのため本発明の積層体は、パウチとしてアルコールを含む内容物を充填したときに、シーラント層と基材シートとの間のラミネート強度が低下しにくい。これは、二液硬化型ポリウレタン系接着剤等を用いる場合に比べて、アルコール等の溶剤に対して膨潤しにくく、3次元構造で固い塗膜になるためと考えられる。
また、基材シートとして、ポリエステル層を含むプラスチック基材の上にガスバリア性のある無機酸化物層または金属箔が積層したものを用いることで、水蒸気等のガスやアルコール等の揮発成分がプラスチック基材を透過することを抑制でき、水やアルコール等の揮発成分を外部に漏洩させることなく、また、外部からの水蒸気の進入も防ぐため、内容物の変質や濃度変化を抑えることができる。
したがって、本発明の積層体を用いたパウチは、アルコール系消毒剤等のアルコールを含む内容物に対する耐久性に優れ、かつ該内容物を長期間安定に保存できる。
以下、本発明の積層体について、添付図面により、実施形態を示して説明する。
[第一の実施形態]
図1は、本実施形態の積層体10の層構成を示す概略断面図である。
積層体10は、プラスチック基材11の片面に接着層12を介して金属箔層(バリア層)13が積層してなる基材シート14と、基材シート14のプラスチック基材11側の面に接着層15を介して積層したシーラント層16とから構成される。
<基材シート14>
(プラスチック基材11)
プラスチック基材11は、少なくともポリエステル層を含む。
ポリエステルとしては、脂肪族ポリエステル、脂肪族芳香族ポリエステル、芳香族ポリエステル等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、乳酸を主成分とするポリマー、ジカルボン酸類(コハク酸、アジピン酸等)とジオール類(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等)との共重合体等が挙げられる。乳酸を主成分とするポリマーとしては、乳酸のみからなるホモポリマー、乳酸を主成分とし乳酸以外のモノマーを共重合したコポリマー、これらの混合物等が挙げられる。乳酸以外のモノマーとしては、例えば、オキシ酸(リンゴ酸、グリコール酸等。)、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒドロキシヴァリレート、カプロラクトン等が挙げられる。
脂肪族芳香族ポリエステルとしては、ジカルボン酸類(コハク酸、アジピン酸、テレフタル酸等。)とジオール類(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等。)との共重合体等が挙げられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレート−サクシネート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレート等が挙げられる。
芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
プラスチック基材11は、少なくともポリエステル層を含むものであればよく、単層フィルムでも多層フィルムでもよい。
多層フィルムである場合、ポリエステル以外の樹脂層を含有してもよい。ポリエステル以外の樹脂としては、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、セロハン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が挙げられる。
プラスチック基材11としては、ポリエステルフィルムが特に好ましい。
プラスチック基材11の厚さは、積層体10の用途等に応じて適宜決定すればよく、特に限定されない。アルコールを含む内容物(アルコール系消毒液等)を充填するパウチ用途においては、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。5μm以上であるとアルコール浸透防止性が良好で、100μm以下であると可とう性(フレキシビリティ)が良好である。
(接着層12)
接着層12は、プラスチック基材11と金属箔層13とを接着する層である。
接着層12の形成に用いる接着剤としては、ドライラミネート用接着剤が好ましく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系または脂肪族系イソシアネートを作用させる2液硬化型のポリウレタン系接着剤がより好ましい。
前記ポリウレタン系接着剤は、塗工後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行して強固な接着が可能となる。主剤が有する水酸基に対する硬化剤が有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
接着層12の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。0.1μm以上であると接着強度が良好で、10μm以下であると透明性、可とう性が良好である。
(金属箔層13)
金属箔層13は、水蒸気、酸素、揮発したアルコール等のガスの透過を阻止するバリア層として機能する層である。
金属箔層13を構成する金属箔としては、たとえば、アルミニウム箔、ステンレス箔、鉄箔、銅箔、ニッケル箔等が挙げられる。これらの中でも、バリア性、屈曲耐性等に優れる点で、アルミニウム箔が好ましい。
金属箔層13の厚さは、1〜50μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。1μm以上であるとバリア性が良好で、50μm以下であると可とう性が良好である。
<接着層15>
接着層15は、尿素結合(>N−C(=O)−N<)を含むポリイソシアネート化合物からなる層である。
「ポリイソシアネート化合物」とは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物である。
尿素結合を含むポリイソシアネート化合物としては、たとえば、2液硬化型のポリウレタン系接着剤の硬化剤として提案されているポリイソシアネート化合物のなかから、尿素結合を含むものを適宜選択して用いることができる。
2液硬化型のポリウレタン系接着剤の硬化剤として提案されているポリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物、その誘導体等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、これらの水素添加体等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物の誘導体としては、ジイソシアネート化合物から誘導されるトリイソシアネート化合物、ジイソシアネート化合物から4官能以上に多官能化された誘導体等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物から誘導されるトリイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート化合物のアダクト体、ビウレット体、イソシアヌレート体等が挙げられる。これらのうち、アダクト体は、ジイソシアネート化合物と、3官能の活性水素含有化合物(トリメチロールプロパン、グリセロール等)との反応により形成される。ビウレット体は、ジイソシアネート化合物と水との反応により形成される。イソシアヌレート体は、ジイソシアネート化合物の自己重合を利用して形成される。
尿素結合を含むポリイソシアネート化合物としては、本発明の効果に優れ、安全性、取り扱い性等も良好である点から、ジイソシアネート化合物のビウレット体およびイソシアヌレート体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なかでも、当該ビウレット体またはイソシアヌレート体を誘導するジイソシアネート化合物が、ヘキサメチレンジイソシアネート又は2,4−トリレンジイソシアネートであるものが好ましい。
尿素結合を含むポリイソシアネート化合物は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
接着層15の厚さは、0.05〜5μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましく、0.05〜1μmがさらに好ましい。接着層15の厚さが0.05μm以上であれば、基材シート14とシーラント層16との間の密着強度、耐溶剤性等が充分に得られる。該厚さが5μm以下であれば、可とう性、耐溶剤性(剤破しにくい)が良好である。
<シーラント層16>
シーラント層16を構成する材料としては、特に限定されず、公知の材料のなかから適宜選択できる。具体例としては、たとえば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレン系樹脂(高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン(C4以上)共重合体等)、ポリプロピレン系樹脂(プロピレンのホモポリマー、ブロックコポリマー、ランダムコポリマー、プロピレン−αオレフィン(C4以上)共重合体等)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体(エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等)、エチレン−α,β不飽和カルボン酸エステル共重合体(エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体等)、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、酸無水物変性ポリオレフィン(エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体、エチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸三元共重合体等)、エポキシ化合物変性ポリオレフィン(エチレン−メタクリル酸グリシジル共重合体等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、これらの混合物等が挙げられる。これらの中でも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
ポリエステルとしては、脂肪族ポリエステル、脂肪族芳香族ポリエステル等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、ジカルボン酸類(コハク酸、アジピン酸等)とジオール類(エチレングリコール、1,4−ブタンジオール等)との共重合体(例えば、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート−アジペート等)、微生物産生のポリエステル(ポリヒドロキシブチレート、ポリヒドロキシブチレート−ヴァリレート、ポリヒドロキシブチレート−ヘクサノエート等)、オキシ酸(乳酸、リンゴ酸、グリコール酸等)の重合体または共重合体、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクトン−ブチレンサクシネート、アミド結合を有するポリエステル、カーボネート結合を有するポリエステル等が挙げられる。
脂肪族芳香族ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート−サクシネート、ポリブチレンアジペート−テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート−テレフタレート等が挙げられる。
ポリエステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シーラント層16には、必要に応じて、各種添加剤(酸化防止剤、粘着付与剤、充填剤、フィラー等)が添加されてもよい。
シーラント層16は単層構造でも多層構造でもよい。
シーラント層16の厚さは、5〜200μmが好ましく、10〜150μmがより好ましい。5μm以上であるとシール性が良好で、200μm以下であると柔軟性が良好である。
<積層体10の製造方法>
積層体10は、例えば、下記工程を有する方法にて製造できる。
(a)プラスチック基材11と金属箔13とを接着剤を用いて貼り合わせて基材シート14を得る工程。
(b)尿素結合を含むポリイソシアネート化合物を溶媒に溶解して塗工液を調製し、該塗工液を基材シート14のプラスチック基材11側の表面に塗工して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて接着層15をする工程。
(c)前記接着層15上にシーラント層18を積層する工程。
工程(a):
工程(a)では、プラスチック基材11と金属箔13とを接着剤を用いて貼り合わせて基材シート14を得る。
プラスチック基材11と金属箔13との貼り合わせは、ドライラミネート用接着剤を使用し、ドライラミネートの手法により行うことが好ましい。
接着剤としては、接着層12で説明したように、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系または脂肪族系イソシアネートを作用させる2液硬化型のポリウレタン系接着剤が好ましい。
工程(b):
工程(b)では、尿素結合を含むポリイソシアネート化合物を溶媒に溶解して塗工液を調製し、該塗工液を、工程(a)で得た基材シート14のプラスチック基材11側の表面に塗工して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥させて接着層15を形成する。
塗工液の溶媒としては、尿素結合を含むポリイソシアネート化合物を溶解し得るものであればよい。
塗工液の固形分濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
塗工液の塗布方法としては、特に限定されず、公知のコーティング法、たとえばグラビアコーティング法、ロールコーティング法等が利用できる。
塗膜の乾燥方法は特に限定されず、例えば塗工液を塗工した基材シート14をドライヤーに通して乾燥させる方法など、公知の乾燥方法を用いることができる。乾燥温度は、塗膜の溶媒を除去し得る温度であればよく、一般的な条件、例えば80℃程度であってよい。
工程(c):
工程(c)では、工程(b)で形成した接着層15上にシーラント層18を積層し、エージング処理を施す。これにより、積層体10が得られる。
ラミネート法としては、押出ラミネート法、熱ラミネート法等が挙げられる。
接着層15上にシーラント層18を積層した後、エージング(養生)処理を施してもよい。エージング処理条件は、一般的な条件であってよく、例えば30〜70℃で1日以上が好ましい。
[第二の実施形態]
次に、本発明の第二の実施形態の積層体について説明する。なお、以下に記載する実施形態において、第一の実施形態に対応する構成要素には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図2は、本実施形態の積層体20の層構成を示す概略断面図である。
積層体20は、プラスチック基材11の片面に接着層12を介して金属箔層(バリア層)13が積層してなる基材シート14と、基材シート14のプラスチック基材11側の面に接着層15を介して積層したシーラント層16と、基材シート14の金属箔層13側の面に接着層17を介して積層した保護シート18とから構成される。
(接着層17)
接着層17は、基材シート14の金属箔層13と保護シート22とを接着する層である。
接着層17の形成に用いる接着剤としては、ドライラミネート用接着剤が好ましく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオールなどの主剤に、硬化剤として2官能以上の芳香族系または脂肪族系イソシアネートを作用させる2液硬化型のポリウレタン系接着剤がより好ましい。
前記ポリウレタン系接着剤は、塗工後、例えば40℃で4日以上のエージングを行うことで、主剤の水酸基と硬化剤のイソシアネート基の反応が進行して強固な接着が可能となる。主剤が有する水酸基に対する硬化剤が有するイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。
接着層17の厚さは、0.1〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。0.1μm以上であると接着強度が良好で、10μm以下であると透明性、可とう性が良好である。
(保護シート18)
積層体20において、保護シート18は、金属箔層13の保護(腐食防止)のために設けられる。
保護シート18としては、特に限定されず、たとえばポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロハン等が挙げられる。
保護シート18の厚さは、5〜100μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。5μm以上であると耐擦傷性が良好で、100μm以下であると可とう性が良好である。
積層体20は、基材シート14の金属箔層13側の面に、さらに、接着層17を介して保護シート18を積層する以外は、第一の実施形態の積層体10と同様にして製造できる。たとえば、前記のようにして積層体10を製造し、その基材シート14側(金属箔層13側)の面と保護シート18とを、接着剤を用いて貼り合わせることにより製造できる。
貼り合わせの方法としては、ドライラミネートの手法を用いることが好ましい。
[第三の実施形態]
次に、本発明の第三の実施形態の積層体について説明する。
図3は、本実施形態の積層体30の層構成を示す概略断面図である。
積層体30は、プラスチック基材31の片面に無機酸化物からなる蒸着膜層(バリア層)32を形成してなる基材シート33と、基材シート33の蒸着膜層32側の面に接着層15を介して積層したシーラント層16と、基材シート33蒸着膜層32側の面に接着層17を介して積層した保護シート18とから構成される。
<基材シート33>
(プラスチック基材31)
プラスチック基材31は、少なくともポリエステル層を含む。
プラスチック基材31としては、前記プラスチック基材11の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
プラスチック基材31の、蒸着膜層32を形成する面には、蒸着膜層32との密着性をよくするために、表面処理が施されていることが好ましい。表面処理としては、コロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理等が挙げられる。
プラスチック基材31の、蒸着膜層32を形成する面には、必要に応じて、無機化合物を含む蒸着用プライマーを塗布してもよい。積層体30を、非常に過酷な強浸透性物質を含む内容物の包装材料として用いる場合には、プラスチック基材31上に蒸着用プライマーを塗布し、蒸着膜層32との密着性をより高くすることが好ましい。
(蒸着膜層32)
蒸着膜層32は、金属箔層13と同様に、バリア層として機能する。
無機酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化スズ、これらの混合物等が挙げられる。酸素透過率および水蒸気透過率が低い蒸着膜が形成される点から、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種が特に好ましい。
蒸着膜層32は、公知の蒸着法にて形成できる。
蒸着膜層32の厚さは、0.01〜1μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。0.01μm以上であるとバリア性が良好で、1μm以下であると透明性、可とう性が良好である。
積層体30は、基材シート14の代わりに基材シート33を用いる以外は、第二の実施形態の積層体20と同様にして製造できる。
基材シート33は、プラスチック基材31上に蒸着膜層32を形成する方法にて製造できる。
蒸着法としては、公知の蒸着法、たとえば化学蒸着(CVD)法(熱CVD、光CVD、プラズマCVD等)、物理蒸着(PVD)法(真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法等。)等を利用できる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、設計変更等も可能である。
たとえば本発明の積層体としては、上記第一〜第三の実施形態に示した層構成に限定されず、用途、要求品質等に応じて様々な層構成の積層体を用いることができる。
本発明の積層体の用途は特に限定されないが、好ましくは、強浸透性物質を含む内容物を包装する包装材料に用いられる。
包装材料としては、パウチ、蓋材、紙缶内層等が挙げられる。特に柔軟性を有する点で、パウチが好適である。
強浸透性物質としては、香料、薬効成分、アルコール、その他の有機溶剤等の揮発性物質、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質等が挙げられる。
揮発性物質を含む内容物としては、粉末または液体浴用剤(リモネン、メントール、酢酸シトロネリル、エタノール等を含む)、パーマ液(エタノール等を含む)、農作物用殺菌剤(クロロピクリン、PCNB(ペンタクロロニトロベンゼン)、ヒドロキシイソオキサゾール、ジチオカルバメート剤、有機リン剤、ベンゾイミダゾール剤、ジカルボキシイミド剤、フェニルママイド剤等を含む。)、忌避剤(DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)等を含む。)、殺虫剤(カルタップ、フェニトロチオン、ピレトリン、ロテノイド、菊酸エステル等を含む。)、消毒剤(エタノール等のアルコール、クレゾール等のフェノール類、ホルムアルデヒド等を含む)、自動車用、家庭用、建物用等の洗浄剤(エタノール等を含む)、洗口液(エタノール、メントール、サリチル酸メチル等を含む。)、うがい薬(ポビドンヨード等を含む。)、湿布剤(メントール、カンフル、サリチル酸メチル等を含む。)、歯磨き粉(メントール等を含む。)、フェイスローション(メントール等を含む。)、ヘアトニック(メントール等を含む。)、養毛剤(メントール等を含む。)、シャンプー(メントール等を含む。)、アルコール飲料(エタノール等を含む。)、各種接着剤、インキ、塗料(トルエン、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、n−ヘキサン、酢酸イソブチル等の溶媒を含む。)、床用ワックス、エンジンオイル、モーターオイル、家庭用油、化粧品用シリコーンオイル等のオイル類等が挙げられる。
界面活性剤は、洗剤、乳化剤、分散剤、起泡剤、消泡剤、帯電防止剤等の種々の用途に用いられる。界面活性剤を含む内容物としては、自動車用、家庭用、建物用洗浄剤(脂肪族石けん、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を含む)、化粧品(脂肪族石けん、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を含む。)が挙げられる。
酸性物質を含む内容物としては、食酢(酢酸等を含む)等が挙げられる。
アルカリ性物質を含む内容物としては、パーマ液(モノエタノールアミン等を含む)、消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム等を含む)、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム等を含む)、床用剥離剤(モルホリン、モノエタノールアミン等を含む)、セメント(水酸化ナトリウム等を含む)等が挙げられる。
本発明の積層体は、上記のなかでも、アルコールを含む内容物を充填するパウチ用として有用である。ポリエステルフィルムはアルコールにより膨潤し、分子間の隙間が乾燥時よりも大きくなる傾向があるため、このような内容物を従来のパウチに充填したとき、水分の透過によるアルコールの濃度変動が生じやすい問題があるが、本発明によれば、このような濃度変動を抑制できる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
アルコールを含む内容物としては、有効成分としてアルコールを含む消毒剤(アルコール系消毒剤)、液体浴用剤、パーマ液、消毒剤、洗浄剤、洗口液、アルコール飲料等が挙げられる。特に、アルコール系消毒剤は、アルコールの他に、香料、クエン酸、乳酸等の添加剤が含まれることが多く、アルコールとともにこれら成分がパウチを浸透透過しやすく、このような内容物を従来のパウチに充填したとき、シーラント層と接する接着層の凝集力の低下、それに伴う基材シートとシーラント層との間のラミネート強度の低下等が生じやすい問題があるが、本発明によれば、このような問題を防止でき、本発明の有用性が高い。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載によっては限定されない。
<実施例1>
以下の手順で図1に示す層構成の積層体を製造した。
厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製、商品名:E5100)の片面上に、Al箔からなる金属箔(東洋アルミ製、厚さ7μm)をポリウレタン接着剤によりラミネートして基材シートを作製した。
別途、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体を、固形分割合が2.5質量%になるように酢酸エチルに溶解して塗工液を調製した。そして、前記基材シートの金属箔側と反対側の面に前記塗工液を塗工し、80℃で乾燥して厚み(乾燥厚み)0.1μmの接着層を形成した。
前記接着層の上に、シーラント層として直鎖低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製、商品名:MZ433、厚み40μm)を積層し、50℃で72時間のエージング処理を施して実施例1に係る積層体を得た。
<実施例2>
シーラント層として、直鎖低密度ポリエチレンフィルムを前記接着層上に直接積層する代わりに、押し出し機から低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン製、商品名:LC600A)を溶融状態で押し出して前記接着層上に積層し、さらに直鎖低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製、商品名:MZ433、厚み40μm)を前記押し出し樹脂上に貼り合わせた以外は実施例1と同様の方法で実施例2に係る積層体を得た。シーラント層の総厚み(低密度ポリエチレン層と直鎖低密度ポリエチレンフィルムとの合計の厚み)は55μmであった。
参考例3>
以下の手順で図3に示す層構成の積層体を製造した。
厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製、商品名:E5100)の片面に、反応性蒸着法により、酸化アルミニウムからなる厚み0.5μmの蒸着バリア層を形成して基材シートを作製した。
前記基材シートの蒸着バリア層側と反対側の面に、保護シートとして、厚み15μmのナイロンフィルム(ユニチカ製、商品名:エンブレムONM)を、ポリウレタン接着剤を用いてDRYラミネートした。
別途、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットタイプを固形分割合が2.5wt%になるように酢酸エチルに溶解して塗工液を調製した。そして、上記基材シートの蒸着バリア層面に、前記塗工液を塗工し、80℃で乾燥して厚み(乾燥厚み)0.1μmの接着層を形成した。
前記接着層の上に、シーラント層として直鎖低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製、商品名:MZ433、厚み40μm)を積層し、50℃で72時間のエージング処理を施して参考例3に係る積層体を得た。
<比較例1>
基材シートとして、厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡製、商品名:E5100)を用いた。該基材シートの片面上に、2液型ポリウレタン接着剤を塗工し、80℃で乾燥して厚み(乾燥厚み)2.0μmの接着層を形成した。2液型ポリウレタン接着剤としては、ポリオールとしてポリエステルポリオールを含有するポリオール溶液と、イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネートのアダクト体を含有するイソシアネート化合物溶液とを、質量比でポリオール:イソシアネート化合物=75:25となるよう混合した塗工液を使用した。
前記接着層上に、直鎖低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製、商品名:MZ433、厚み40μm)からなるシーラント層を積層し、50℃で72時間のエージング処理を施して比較例1に係る積層体を得た。
<比較例2>
ポリアミドフィルム(ユニチカ製、商品名:エンブレムONBC、厚み15um)の片面に、バリア層としてAl箔(東洋アルミ製、厚み7μm)をDRY接着剤で貼りあわせて基材シートを作製した。
前記基材シートのAl箔側と反対側の面に、実施例1と同様の方法で接着層を形成し、シーラント層として直鎖低密度ポリエチレンフィルム(タマポリ製、商品名:MZ433、厚み40μm)を積層し、50℃で72時間のエージング処理を施して比較例2に係る積層体を得た。
<比較例3>
ポリオールとしてポリエステルポリオールを含有するポリオール溶液と、イソシアネート化合物としてトリレンジイソシアネートを含有するイソシアネート化合物溶液とを、質量比でポリオール:イソシアネート化合物=5:1となるよう混合した塗工液を使用して接着層を形成した以外は実施例1と同様にして比較例3に係る積層体を得た。
<評価>
以上のようにして得られた実施例1〜2、参考例3、比較例1〜3のそれぞれの積層体(50℃でエージングを行った後)から10cm×10cmの大きさで2枚を切り出した。それらを、シーラント層が内側になるように重ね合わせ、インパルスシーラーにて30kgf/150℃/1sで3方をシールしてパウチを作製した。
得られたパウチに、内容物として除菌剤(フマキラー製、台所除菌、有効成分としてアルコール系殺菌剤(エタノール)を含有、アルコール濃度58質量%)をそれぞれ10mL充填、密封し、40℃/75%RHの恒温槽内に放置した。
3カ月経過後にこれらのパウチを恒温槽から取り出し、それぞれのパウチの基材シートとシーラント層との間のラミネート強度[N/15mm]を測定し、初期(恒温槽に入れる前)のパウチにおける基材シートとシーラント層との間のラミネート強度[N/15mm]と比較した。このときのラミネート強度の測定条件は、試料幅15mmのT型剥離で、剥離速度300mm/minとした。
また、3カ月経過後のパウチ内の除菌剤のアルコール濃度(質量%)を、アルコール濃度計により測定した。
恒温槽での保存前と保存後における測定結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005942469
上記結果に示すとおり、尿素結合を有するポリイソシアネート化合物からなる接着層と、ポリエステル層およびバリア層を有する基材シートとを組み合わせた実施例1〜2、参考例3の積層体を用いたパウチは、アルコールを含む内容物を充填したときのラミネート強度の低下が抑制されていた。また、充填された内容物中のアルコール濃度が充填前の濃度(58質量%)とほぼ同じで、組成の変化が抑制されていた。
一方、基材シートがバリア層を有さない比較例1の積層体を用いたパウチは、アルコールを含む内容物を充填したときのラミネート強度の低下が顕著で、充填された内容物中のアルコール濃度も大きく上昇していた。これは、内容物中のアルコールや、アルコールとともに配合されている香料成分(緑茶抽出物等)等の揮発性成分により2液型ポリウレタン接着層が劣化し、積層体のデラミネーションが生じたこと、内容物中の水分が積層体を透過したこと等によると考えられる。
基材シートがポリエステル層を含まない比較例2の積層体を用いたパウチも、比較例1と同様の結果となった。
接着層を、尿素結合を有さないポリイソシアネート化合物を硬化剤とする2液型ポリウレタン接着剤で形成した比較例3の積層体を用いたパウチは、アルコール分により経時で接着強度が低下した。
本発明の積層体は、バリア層としての無機酸化物または金属箔からなるバリア層とポリエステル層を含むプラスチック基材とが積層した基材シートと、尿素結合を有するポリイソシアネート化合物からなる接着層と、シーラント層とがこの順に積層した構成を有することで、接着層がアルコールやその他の強浸透性内容物の影響により劣化しにくい。そのため、該積層体を用いることで、アルコールを含む内容物を充填したときに、基材シートとシーラント層との間のラミネート強度が長期に渡って維持される高耐性のパウチを得ることが出来る。
10…積層体
11…プラスチック基材
12…接着層
13…金属箔層(バリア層)
14…基材シート
15…接着層
16…シーラント層
17…接着層
18…保護シート
20…積層体
30…積層体
31…プラスチック基材
32…無機酸化物からなる蒸着膜層(バリア層)
33…基材シート

Claims (4)

  1. 基材シートと、該基材シートの片面に接着層(A)を介して積層したシーラント層とを備える積層体であって、
    前記基材シートが、少なくともポリエステル層を含むプラスチック基材の前記シーラント層側とは反対側の面に、ポリウレタン接着剤から形成された接着層(B)を介して金属箔からなるバリア層が積層したものであり、
    前記接着層(A)が、尿素結合を含むポリイソシアネート化合物からなることを特徴とする積層体。
  2. 前記ポリイソシアネート化合物が、ジイソシアネート化合物のビウレット体およびイソシアヌレート体から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の積層体。
  3. 請求項1または2に記載の積層体を用いたパウチ。
  4. アルコールを含む内容物の充填用である請求項3に記載のパウチ。
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