JP2019042981A - 積層体及び液体用紙容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装材料として使用した場合、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても優れたラミネート強度を保つことが可能な積層体、及びこれを使用した液体用紙容器の提供。【解決手段】少なくとも、熱可塑性樹脂層2、紙層3、押出樹脂層4、接着層5、無機酸化物からなる蒸着薄膜層6、基材層7、接着層A8、押出樹脂層9、シーラント層10がこの順に積層されており、基材層7が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層11、熱可塑性接着性樹脂層12、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層13を備えた共押出二軸延伸フィルムであり、接着層A8が、ジイソシアネートモノマー、又は、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなる積層体1。【選択図】図1

Description

本発明は、少なくとも紙層と無機酸化物からなる蒸着薄膜層とを有する積層体及び液体用紙容器に関し、特に、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用してもラミネート強度が低下しないという点で、強浸透性内容物に好適に利用できるものである。
従来、食品や医薬品などを包装するための包装材料として、例えば、紙層/接着層/アルミ箔層/接着層/ポリエステル層/接着層/シーラント層、のような各層が積層されてなる積層体を使用した紙容器が広く使用されている。このような積層体の貼り合わせ方法は、通常、二液硬化型ポリウレタン系接着剤を用いて、接着層はドライラミネートにより形成される。そして、このような積層体は適度のラミネート強度やガスバリア性などを有しており、食品や医薬品などを包装するための包装材料として広く使用されている。
しかしながら、包装材料により包装される内容物には、アルカリ性物質や、香料、界面活性剤、高沸点有機溶剤などを含有するものが多くあり、これらの強浸透性内容物を包装すると、接着層の接着剤に悪影響を及ぼし、積層体におけるラミネート強度の低下を招いたり、剥離が生じることがあった。
このような状況に対応するため、ラミネート加工に使用される接着剤の改良が種々行われており、アルカリ性の高い内容物に対する耐性を向上し、さらには各種プラスチックフィルムなどに対する接着力を向上させた接着剤などが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、包装する内容物が湿布薬や浴用剤などの場合、これらには揮発性物質が含まれているので、前記したような構成の積層体や上記接着剤を使用して得られる積層体を包装材料として使用し、これらの内容物を包装した時、揮発性物質の強い浸透力によって、例えば上記積層体のポリエステル層とシーラント層間のラミネート強度が経時的に低下し、その結果デラミネーション(剥離)を引き起こすという問題があった。
このような状況に対応するため、ポリエステルフィルム基材にインラインでコロナ処理を施し、このコロナ処理面に2官能のイソシアネートモノマー、またはアダクト、ビューレット、イソシアヌレートタイプの3官能化させたモノマーの誘導体であるイソシアネート化合物からなる接着層を設け、この接着層上にシーラント層を設けた積層体が提案されている(例えば特許文献2参照)。
また同様の対応策として、ポリエステルフィルム基材上に、アミン含有ポリマーからなる第1接着層と、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれかからなる第2接着層との二層構成の接着層を設け、さらに接着層を構成する第2接着層上にシーラント層を設けた積層体が提案されている(例えば特許文献3参照)。
しかしながら、上記積層体を用いて湿布薬や浴用剤などの内容物を包装した時、上記のポリエステル層とシーラント層間のラミネート強度の経時的な著しい低下はみられなくなったが、この積層体のポリエステル層に用いるフィルムの種類やポリマーの配向状態によっては、ポリエステルフィルムのナノオーダーの薄い表層がこのポリエステルフィルムから剥離して表層剥離を起こし、その結果著しいラミネート強度低下がみられることがあった。
特開平10−130615号公報 特許第4852874号公報 特許第4306278号公報
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、包装材料として使用した場合、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても優れたラミネート強度を保つことが可能な積層体、及びこれを使用した液体用紙容器を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、少なくとも、熱可塑性樹脂層、紙層、押出樹脂層、接着層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、基材層、接着層A、押出樹脂層、シーラント層がこの順に積層されており、
前記基材層が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層と、熱可塑性接着性樹脂層と、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層とを備えた共押出二軸延伸フィルムであり、
前記接着層Aが、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなることを特徴とする積層体である。
請求項2に記載の発明は、少なくとも、熱可塑性樹脂層、紙層、押出樹脂層、接着層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、基材層、第1接着層、第2接着層、押出樹脂層、シーラント層がこの順に積層されており、
前記基材層が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層と、熱可塑性接着性樹脂層と、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層とを備えた共押出二軸延伸フィルムであり、
前記第1接着層が、アミン含有ポリマーであり、
前記第2接着層が、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなることを特徴とする積層体である。
請求項3に記載の発明は、前記基材層において、前記第2基材層が前記シーラント層に近い側にあることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
請求項4に記載の発明は、前記ポリアミド系樹脂が、ナイロンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体である。
請求項5に記載の発明は、前記ポリアミド系樹脂の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体である。
請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を用いてなることを特徴とする液体用紙容器である。
請求項1に係る発明の積層体は、少なくとも、熱可塑性樹脂層、紙層、押出樹脂層、接
着層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、基材層、接着層A、押出樹脂層、シーラント層がこの順に積層されており、基材層が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層、熱可塑性接着性樹脂層、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層を備えた共押出二軸延伸フィルムであり、接着層Aが、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなるので、この積層体を液体用紙容器として使用することにより、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても優れたラミネート強度を保つことができ、さらに、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が形成された基材を有することによりバリア性に優れるという効果を有する。
請求項2に係る発明の積層体は、少なくとも、熱可塑性樹脂層、紙層、押出樹脂層、接着層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、基材層、第1接着層、第2接着層、押出樹脂層、シーラント層がこの順に積層されており、基材層が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層、熱可塑性接着性樹脂層、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層を備えた共押出二軸延伸フィルムであり、第1接着層がアミン含有ポリマーであり、第2接着層がジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなるので、この積層体を液体用紙容器として使用することにより、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても優れたラミネート強度を保つことができ、さらに、無機酸化物からなる蒸着薄膜層が形成された基材を有することによりバリア性に優れるという効果を有する。
請求項3、4、および5に係る発明の積層体は、第2基材層が前記シーラント層に近い側にあり、あるいは第2基材層のポリアミド系樹脂がナイロンであり、またはその厚みが1μm以上であることにより、基材層においてポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂が酸変性ポリオレフィン系樹脂(熱可塑性接着性樹脂)を介して加熱溶融状態で接着している構成でも、ポリエステル系樹脂内での表層剥離が生じ難いという効果を有する。
本発明に係る積層体の第一実施形態における層構成を示す断面図。 本発明に係る積層体の第二実施形態における層構成を示す断面図。 本発明に係る液体用紙容器の実施態様の例を示した斜視図。 本発明に係る液体用紙容器の実施態様の例を示した斜視図。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下図面を参照しながら、本発明に係る積層体および液体用紙容器について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る積層体の第一実施形態における層構成を示す断面図である。
本発明に係る積層体1は、少なくとも、熱可塑性樹脂層2、紙層3、押出樹脂層4、接着層5、無機酸化物からなる蒸着薄膜層6、基材層7、接着層A8、押出樹脂層9、シーラント層10が順次積層されたものである。
さらに基材層7は、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層11、熱可塑性接着性樹脂層12、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層13を備えた共押出二軸延伸フィルムである。
この他に、例えば蒸着薄膜層6と接着層5との間に、ガスバリア性被膜層を有していてもよい。また、後述するように、基材上に蒸着用プライマー層を設けた後、この蒸着用プライマー層上に蒸着薄膜層6を形成してもよい。
また、図2は本発明に係る積層体の第二実施形態における層構成を示す断面図である。図2において、積層体21は、少なくとも、熱可塑性樹脂層2、紙層3、押出樹脂層4、接着層5、無機酸化物からなる蒸着薄膜層6、基材層7、第1接着層14、第2接着層15、押出樹脂層9、シーラント層10が順次積層されている。
さらに基材層7は、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層11、熱可塑性接着性樹脂層12、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層13を備えた共押出二軸延伸フィルムである。
次に、本発明に係る積層体を用いてなる液体用紙容器について説明する。
図3および図4は、本発明に係る液体用紙容器31、および液体用紙容器41の実施態様の例を示した斜視図である。なお、本発明の液体用紙容器はこれらの事例にのみ限定されるものでなく、様々な形態の紙容器であっても構わない。
図3は、一般的にゲーベルトップ型と称される紙容器であり、図4は、一般的にブリック型と称される紙容器である。いずれも紙を主体とする積層体を成形してなる紙容器本体32、または紙容器本体42の上部に、口栓33、または口栓43がそれぞれ装着されている。なお、これらの口栓は必須ではなく、無くてもかまわない。
本発明の積層体を用いたこれらの液体用紙容器であれば、揮発性物質などの強浸透性内容物を入れた場合でも優れたラミネート強度を保つため、内容物の劣化が防止できる。
以下、本発明に係る積層体を構成する各層について詳述する。
<熱可塑性樹脂層>
最外層である熱可塑性樹脂層2の材料としては、紙層3の防湿、防水性などの点を考慮して、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好適に使用できる。
<紙>
紙層3としては、紙容器のサイズに応じて坪量が200〜500g/m、密度0.6〜1.1g/cmの範囲内のものが好適に使用できる。
<接着層>
押出樹脂層4と蒸着薄膜層6間の接着層5については、その種類に関係なくどんなものでも使用できるが、例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤が好適に使用できる。
<基材層>
本発明の積層体を構成する基材層7は、最外層側から、第1基材層11と熱可塑性接着性樹脂層12と第2基材層13とを備えている。
(第1基材層)
第1基材層11としては、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物に対する保香性に優れるポリエステル系樹脂が好適に使用できる。
(熱可塑性接着性樹脂層)
熱可塑性接着性樹脂層12は、第1基材層11と第2基材層13との接着を強固に保持するためのもので、酸変性ポリオレフィン系樹脂が好適に使用できる。
(第2基材層)
基材層7がポリエステル系樹脂(ポリエステルフィルム)単層の場合、そのフィルムの種類やポリマーの配向状態によっては、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用している間中に、ポリエステルフィルムのナノオーダーの薄い表層がこのポリエステルフィルムから剥離して表層剥離が起こりやすく
なる。その結果、著しいラミネート強度低下がみられることがある。
そのため、本発明ではそのような表層剥離を防止する目的で、第2基材層13を設ける。第2基材層13には、表層剥離を起こさないポリアミド系樹脂が好適に使用できる。
また、ポリアミド系樹脂の中でも、脂肪族骨格を含むポリアミドであるナイロンが特に好ましい。さらに、ポリアミド系樹脂の厚みが1μm以上であれば、共押出法によってラミネート強度を低下させない基材層が得られるのでより好ましい。
また、基材層7がポリエステル系樹脂(ポリエステルフィルム)単層の場合、隣接する接着層A8(第一実施形態)または第1接着層14(第二実施形態)を設ける際に、その表面にオフラインまたはインラインでコロナ処理を施すことが好ましいが、ポリエステル系樹脂(ポリエステルフィルム)においてはこのコロナ処理量が必要以上に大き過ぎてしまうと、フィルム表面の著しい分子量低下を招き、その結果、ポリエステルフィルムのナノオーダーの薄い表層がこのポリエステルフィルムから剥離して表層剥離が起こりやすくなる。
一方、本発明の積層体を構成する基材層7は、ポリエステル系樹脂とポリアミド系樹脂が酸変性ポリオレフィン系樹脂を介して加熱溶融状態で接着しており、かつこのポリアミド系樹脂側がシーラント層に近い側にあることから、ポリエステル系樹脂層内での表層剥離の懸念は全くない。
基材層7全体の厚みについては、特に制限を受けるものではないが、包装材料としての適性やコストを考えると、12〜30μmの厚みが好ましい。そのうち、第2基材層13であるポリアミド系樹脂の厚みについては、同じくコストを考えると、1〜5μmの厚みが好ましい。
基材層7の作製方法としては、押出成形の手法を用い、ポリエステル系樹脂からなるペレット、酸変性ポリオレフィン系樹脂からなるペレット、ポリアミド系樹脂からなるペレットを加熱溶融し、Tダイから3層共押出しして複合フィルムを成形し、その後テンター方式による逐次二軸延伸法にて二軸延伸フィルムを作製することができ、この3層共押出二軸延伸フィルムが好適に使用できる。
<蒸着薄膜層>
基材層7上の無機酸化物からなる蒸着薄膜層6は、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化錫などの単体や、あるいはそれらの混合物からなり、酸素や水蒸気などに対するガスバリア性を有するものであれば良い。中でも酸化アルミニウム、酸化ケイ素、および酸化マグネシウムは、酸素透過率および水蒸気透過率などのバリア性に優れる点で好ましく使用できる。
基材層7上に無機酸化物からなる蒸着薄膜層6を設ける際には、基材層7と蒸着薄膜層6との密着性を良くするために前処理として基材層7側にコロナ処理、低圧プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、フレーム処理、イオンボンバード処理などの表面処理、さらには薬品処理、溶剤処理などの表面処理を施しておいてもかまわない。
特に、非常に過酷な揮発性物質が含まれている各種強浸透性内容物を保存する包装材料の用途には、基材層7と蒸着薄膜層6との密着性をより良くするために、基材層7上に有機化合物と無機化合物をともに有する蒸着用プライマー層(不図示)を設けた積層体を使用することが好ましい。蒸着用プライマー層としては、アクリルポリオールなどの水酸基を持つ化合物とイソシアネート基を持つイソシアネート化合物とシランカップリング剤などとの反応複合物を使用することができる。
<接着層A>
本発明の積層体を構成する接着層A8は、イソシアネート化合物からなっており、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーを使用することが可能である。
また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど、3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を使用することができる。
この接着層A8は、前記したジイソシアネートモノマー、またはジイソシアネートモノマーのアダクトタイプと、ビューレットタイプと、トリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれかを、またはそれらの誘導体を組み合わせたものを使用して、固形分割合を0.05〜5.00wt%、好ましくは0.10〜2.00wt%で含有する塗工液により塗工し、その乾燥時の厚みが0.1〜2.0μm程度の薄層となるように設ければよい。
<第1接着層および第2接着層>
もう一方の本発明の積層体21は、基材層7とシーラント層10の間の接着層が、接着層Aの代わりに、第1接着層14と第2接着層15からなっている。
第1接着層14と第2接着層15については、基材層7側から第1接着層14と第2接着層15の二層構成となっており、第1接着層14はアミン含有ポリマーからなり、第2接着層15はイソシアネート化合物からなっている。
上記アミン含有ポリマーとしては、ポリエチレンイミンや一級アミングラフトアクリル系ポリマーなどの、水系あるいは溶剤系のいずれのものが使用可能である。この中では数平均分子量が10,000〜100,000程度のものが好ましく用いられる。
一方、上記イソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート及びその水素添加体などの各種ジイソシアネート系モノマーを使用することが可能である。
また、これらのジイソシアネートモノマーを、トリメチロールプロパンやグリセロールなどの3官能の活性水素含有化合物と反応させたアダクトタイプや、水と反応させたビューレットタイプや、イソシアネート基の自己重合を利用したトリマー(イソシアヌレート)タイプなど3官能性の誘導体やそれ以上の多官能性の誘導体を使用することができる。
これらの第1接着層14と第2接着層15は、前記したアミン含有ポリマーやジイソシアネートモノマー、またはジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプおよびトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれかを、またはそれらの誘導体を組み合わせたものを使用して、固形分割合を0.05〜5.00wt%、好ましくは0.10〜2.00wt%で含有する塗工液により塗工し、その乾燥時の厚みが0.1〜2.0μm程度の薄層となるように設ければよい。
<押出樹脂層>
本発明の積層体を構成する押出樹脂層9の材料としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂からなる層を具体的な例として挙げることができる。上記ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂は、優れた加工性や安価などの点で好ましい。
ポリエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン−αオレフィン共重合体などを例示できる。
また、ポリプロピレン系樹脂としては、ホモ・ブロック・ランダムの各ポリプロピレン樹脂や、プロピレン−αオレフィン共重合体などを例示できる。
また、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体などのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチルやエチレン−アクリル酸エチルやエチレン−メタクリル酸メチルやエチレン−メタクリル酸エチルなどのエチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のエステル化物、カルボン酸部位をナトリウムイオン、亜鉛イオンで架橋した、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体のイオン架橋物、エチレン−無水マレイン酸グラフト共重合体やエチレン−アクリル酸エチル−無水マレイン酸のような三元共重合体に代表される酸無水物変性ポリオレフィン、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体などのエポキシ化合物変性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる樹脂の単体あるいは2種以上のブレンド物などが具体的に挙げられる。
<シーラント層>
最内層のシーラント層10としては、上記押出樹脂層9との接着性を考慮して押出樹脂層9と同種のフィルムを使用するのが好ましいが、本発明の積層体を用いて液体用紙容器を作製する際に、互いに重ね合わされ、熱によりヒートシールされることから、ヒートシール強度の大きいものが望ましい。よって、シーラント層に適用されるシーラントフィルムとしては、直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPEフィルム)、ランダムポリプロピレンのキャストフィルム(CPPフィルム)が好ましく使用できる。
<積層体のその他の構成>
以上、本発明に係る積層体及び液体用紙容器に使用する積層構成について説明したが、本発明の積層体及び液体用紙容器は上記のような構成のものに限定されるものではなく、包装材料としての用途を考慮し、包装材料として要求される剛性や耐久性などを向上する目的で、他の層を介在させた構成であってもよい。
(ガスバリア性被膜層)
例えば、無機酸化物からなる蒸着薄膜層6と接着層5との間にガスバリア性被膜層を有するものであってもよい。ガスバリア性被膜層としては、たとえば次の(1)及び(2)の化合物を反応して形成した複合構造物を使用することができる。
(1)一般式Si(OR(RはCH,C,またはCOCHを表す)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物。
(2)水溶性高分子
また、これら(1)と(2)に加えて、(3)の化合物を反応して形成した複合構造物であってもよい。
(3)一般式(RSi(OR)n(Rは有機官能基、RはCH,C
またはCOCHを表す)で表されるケイ素化合物あるいはその加水分解物。
これら一般式Si(ORで表されるケイ素化合物はテトラアルコキシシランである。例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランである。水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニ
ルアルコール部位を持つ有機ポリマーを例示できる。また、一般式(RSi(OR)nで表されるケイ素化合物はシランカップリング剤である。例えば、アミノシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、アクリルシランカップリング剤などを使用することができる。また、イソシアネート基やエポキシ基を持つシランカップリング剤であってもよい。これらシランカップリング剤を添加することにより、強浸透性物質の浸透によるガスバリア性被膜層の膨潤を防ぎ、密着性を向上させることができる。
ガスバリア性被膜層は、これら各成分を溶解又は分散させてコーティング液を作製し、このコーティング液を塗布し、加熱して乾燥すると共にこれら各成分を反応させることにより形成することができる。なお、ケイ素成分などの混合方法としては、溶媒中に目視で均一に混合されていればよい。テトラアルコキシシランは水系溶媒中では均一分散しにくいため、加水分解して使用してもよい。また、ガスバリア性被膜層のインキ、接着剤との密着性、ぬれ性、収縮によるクラック発生防止を考慮して、コーティング液にコロイダルシリカやスメクタイトなどの粘土鉱物、安定化剤、着色剤、粘土調整剤などの公知の添加剤などを、ガスバリア性や耐水性を阻害しない範囲で添加することができる。
このコーティング液の塗布方法としては、通常のコーティング方法を使用することができる。例えば、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法などを使用することができる。なお、ガスバリア性被膜層の厚みが50μmを超えるとクラックが生じやすくなる可能性があるため、0.01〜50μmとすることが望ましい。また、その加熱方法としては、熱風加熱、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射などが採用できる。
本発明の積層体の積層構成である、例えば、熱可塑性樹脂層/紙/押出樹脂層/接着層/蒸着薄膜層/基材層/接着層A/押出樹脂層/シーラント層、となる積層体の製造方法の一例について説明する。
まずはじめに、紙層3の片面に熱可塑性樹脂層2として低密度ポリエチレン(LDPE)を形成したLDPE(熱可塑性樹脂層2)/紙層3と、基材層7の片面に蒸着薄膜層6を形成した蒸着薄膜層6/基材層7を準備する。その後、タンデム押出ラミネーターにより、LDPE/紙層3の紙層3上にコロナ処理を施しながら、サンド軸から蒸着薄膜層6/基材層7を繰り出して、この蒸着薄膜層6上に二液硬化型ウレタン系接着剤からなる、酢酸エチルを希釈溶剤として使用したその固形分割合を0.05〜5.00重量%、好ましくは0.10〜2.00重量%の割合に調製した塗工液を、アンカーコート剤塗工部にて塗工して接着層5を設け、オーブンにて乾燥後、第一押出機のTダイから押し出される低密度ポリエチレンからなる押出樹脂層4を積層して、LDPE/紙層/押出樹脂層/接着層/蒸着薄膜層/基材層を作製し、その直後、この内側の基材層7上に、2官能以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物からなる、酢酸エチルを希釈溶剤として使用したその固形分割合を0.05〜5.00重量%、好ましくは0.10〜2.00重量%の割合に調製した塗工液を、アンカーコート剤塗工部にて塗工して接着層A8を設け、オーブンにて乾燥後、サンド軸から最内層であるシーラント層10となる直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPEフィルム)を繰り出しながら、第二押出機のTダイから押し出される低密度ポリエチレンからなる押出樹脂層9を積層して、LDPE/紙層/押出樹脂層/接着層/蒸着薄膜層/基材層/接着層A/押出樹脂層/LLDPEフィルム、となる積層体1を得ることができる。
次に、この積層体1を使用して従来加工方法を用いて、ゲーベルトップ型、またはブリック型の容器に加工し、本発明の液体用紙容器を得ることができる。
本発明の液体用紙容器は、強浸透性物質を含む内容物の包装に好適である。強浸透性物
質としては、揮発性物質(香料、薬効成分、有機溶剤(アルコール等を含む)など)、界面活性剤、酸性物質、アルカリ性物質などが挙げられる。
揮発性物質を含む内容物としては、粉末浴用剤または液体浴用剤(リモネン、メントール、酢酸シトロネリル、エタノール等を含む)、パーマ液(エタノール等を含む)、農作物用殺菌剤(クロロピクリン、PCNB、ヒドロキシイソオキサゾール、ジチオカルバメート剤、有機リン剤、ベンゾイミダゾール剤、ジカルボキシイミド剤、フェニルママイド剤等を含む)、忌避剤(DCIP(ジクロロジイソプロピルエーテル)等を含む)、殺虫剤(カルタップ、フェニトロチオン、ピレトリン、ロテノイド、菊酸エステル等を含む)、消毒剤(クレゾール、エタノール、ホルムアルデヒド、フェノール類等を含む)、自動車用、家庭用、建物用洗浄剤(エタノール等を含む)、洗口液(エタノール、メントール、サリチル酸メチル等を含む)、うがい薬(ポビドンヨード等を含む)、湿布剤(メントール、カンフル、サリチル酸メチル等を含む)、歯磨き粉(メントール等を含む)、フェイスローション(メントール等を含む)、ヘアトニック(メントール等を含む)、養毛剤(メントール等を含む)、シャンプー(メントール等を含む)、アルコール飲料(エタノール等を含む)、各種接着剤、インキ、塗料(トルエン、酢酸エチル、メタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、キシレン、アセトン、n−ヘキサン、酢酸イソブチル等の溶媒を含む)、床用ワックス、エンジンオイル、モーターオイル、家庭用油、化粧品用シリコーンオイル等のオイル類などが挙げられる。
界面活性剤の用途としては、洗剤、乳化剤、分散剤、起泡剤、消泡剤、帯電防止剤などが挙げられる。界面活性剤を含む内容物としては、自動車用、家庭用、建物用洗浄剤(脂肪族石けん、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を含む)、化粧品(脂肪族石けん、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等を含む)が挙げられる。
酸性物質を含む内容物としては、食酢(酢酸等を含む)などが挙げられる。アルカリ性物質を含む内容物としては、パーマ液(モノエタノールアミン等を含む)、消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム等を含む)、漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム等を含む)、床用剥離剤(モルホリン、モノエタノールアミン等を含む)、セメント(水酸化ナトリウム等を含む)などが挙げられる。
以上のような手順で作製した積層体及びこれを用いた液体用紙容器によれば、初期のラミネート強度が良好で、かつ薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用してもラミネート強度が低下しない液体用紙容器を得ることが可能となった。
以下、本発明の実施例について説明する。
<3層共押出二軸延伸フィルムの作製>
押出成形の手法を用い、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなるペレット、無水マレイン酸変性ポリオレフィンからなるペレット、ナイロン(Ny)樹脂からなるペレットを加熱溶融し、Tダイから3層共押出しして、[PET/接着性樹脂/Ny]の3層構成の複合フィルム(=基材層に相当)を成形し、この複合フィルムをテンター方式による逐次二軸延伸法にて、二軸延伸フィルムを作製した。この二軸延伸フィルムの総厚は15μmであり、PET層、接着性樹脂層、Ny層の厚みはそれぞれ11μm、1μm、3μmであった。
<実施例1>
紙として坪量400g/mの原紙を使用し、押出ラミネーターによりその片面にコロ
ナ処理を施しながら、熱可塑性樹脂層として低密度ポリエチレン(LDPE)を形成してLDPE/紙層を得た。
また、上記で作製した15μmの3層共押出二軸延伸フィルム[PET/接着性樹脂/Ny]の両面にコロナ処理を施し、そのPET側に酸化アルミニウム蒸着層を形成して、酸化アルミニウム蒸着層/[PET/接着性樹脂/Ny]を得た。
その後、タンデム押出ラミネーターにより、前記LDPE/紙の紙上にコロナ処理を施しながら、サンド軸から酸化アルミニウム/[PET/接着性樹脂/Ny]を繰り出して、この酸化アルミニウム上に二液硬化型ウレタン系接着剤を使用した、固形分割合を2.0重量%とした酢酸エチル希釈塗工液を塗工して接着層を形成させ、オーブンにて乾燥後、第一押出機のTダイから押し出される厚み20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)からなる押出樹脂層を積層して、LDPE/紙/LDPE/二液硬化型ウレタン系接着剤/酸化アルミニウム/[PET/接着性樹脂/Ny]を作製し、その直後、この内側のNyの上に、トリレンジイソシアネート(TDI)のアダクトタイプを使用した、固形分割合を2.0重量%とした酢酸エチル希釈塗工液を塗工して接着層Aを形成させ、オーブンにて乾燥後、サンド軸から最内層であるシーラント層となる厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPEフィルム)を繰り出しながら、第二押出機のTダイから押し出される厚み20μmの低密度ポリエチレン(LDPE)からなる押出樹脂層を積層して積層体を得た。このときの押出ラミネートの加工条件は、ダイ下温度320℃、加工速度80m/minであった。
次に、この積層体を使用して50℃、3日間のエージングを行った後に、ゲーベルトップ型の紙容器に加工し、実施例1に係る液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物として液体浴用剤(メントール、エタノール等を含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による層間剥離はまったくみられなかった。
<実施例2>
蒸着薄膜層として酸化ケイ素を形成、接着層Aとしてヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のビューレットタイプを使用した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2に係る積層体および液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物としてうがい薬(ポビドンヨードを含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による層間剥離はまったくみられなかった。
<実施例3>
上記で作製した15μmの3層共押出二軸延伸フィルム[PET/接着性樹脂/Ny]の両面にコロナ処理を施し、そのPET側に後述の組成からなる蒸着用プライマー層、酸化アルミニウム蒸着層、後述の組成からなるガスバリア性被膜層を形成して、ガスバリア性被膜層/酸化アルミニウム蒸着層/蒸着用プライマー層/[PET/接着性樹脂/Ny]を得た。
その後、タンデム押出ラミネーターにより、上記で作成したLDPE/紙の紙上にコロナ処理を施しながら、サンド軸から、ガスバリア性被膜層/酸化アルミニウム蒸着層/蒸着用プライマー層/[PET/接着性樹脂/Ny]を繰り出して、このガスバリア性被膜層上に二液硬化型ウレタン系接着剤を使用した、固形分割合を2.0重量%とした酢酸エチル希釈塗工液を塗工して接着層を形成させ、オーブンにて乾燥後、第一押出機のTダイから押し出される厚み20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)からなる押出樹脂層を積層して、LDPE/紙/EMAA/二液硬化型ウレタン系接着剤/ガスバリア性被膜層/酸化アルミニウム蒸着層/蒸着用プライマー層/[PET/接着性樹脂/Ny]を作製し、その直後、この内側のNyの上に、数平均分子量50,000のポリエチレンイミンを固形分割合が1.0wt%になるように調製した塗工液を塗工して第1接着層を形成させ、続いてこの第1接着層の上に、イソホロンジイソシアネート(IPDI
)モノマーを固形分割合が2.0wt%になるように調製した塗工液を塗工して第2接着層を形成させ、オーブンにて乾燥後、サンド軸から最内層であるシーラント層となる厚み40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPEフィルム)を繰り出しながら、第二押出機のTダイから押し出される厚み20μmのエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)からなる押出樹脂層を積層して積層体を得た。このときの押出ラミネートの加工条件は、ダイ下温度300℃、加工速度80m/minであった。
次に、この積層体を使用して50℃、3日間のエージングを行った後に、ゲーベルトップ型の紙容器に加工し、実施例3に係る液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物として食酢(酢酸等を含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による層間剥離はまったくみられなかった。
<蒸着用プライマー層の形成方法>
アクリルポリオールとイソシアネート化合物およびシランカップリング剤を含む塗液を塗布、乾燥させ、蒸着用プライマー層を形成した。
<ガスバリア性コーティング剤の組成およびガスバリア性被膜層の形成方法>
下記C液とD液を60/40(重量比)で混合してなるガスバリア性コーティング剤を塗布、乾燥してガスバリア性被膜層を形成した。
C液: テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸89.6gを加え、30分間攪拌し加水分解させた固形分3.0重量%(SiO2換算)の加水分解溶液
D液: ポリビニルアルコールの3.0重量%、水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
<実施例4>
蒸着層として酸化ケイ素を形成、第1接着層に一級アミングラフトアクリルポリマー、第2接着層にトリレンジイソシアネート(TDI)のアダクトタイプ、押出樹脂層として厚み20μmの亜鉛アイオノマー(Znアイオノマー)を使用した以外は、実施例3と同様の方法で、実施例4に係る積層体および液体用紙容器を得た。このときの押出ラミネートの加工条件は、ダイ下温度300℃、加工速度80m/minであった。
この液体用紙容器に、内容物としてパーマ液(エタノール、モノエタノールアミン等を含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による層間剥離はまったくみられなかった。
<実施例5>
蒸着層として酸化ケイ素を形成、第1接着層に一級アミングラフトアクリルポリマー、第2接着層にキシリレンジイソシアネート(XDI)のアダクトタイプ、押出樹脂層として厚み20μmのランダムポリプロピレン(ランダムPP)、シーラント層として厚み40μmのランダムポリプロピレンのキャストフィルム(CPPフィルム)を使用した以外は、実施例3と同様の方法で、実施例5に係る積層体および液体用紙容器を得た。このときの押出ラミネートの加工条件は、ダイ下温度275℃、加工速度80m/minであった。
この液体用紙容器に、内容物として床用剥離剤(モルホリン、モノエタノールアミン等を含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による層間剥離はまったくみられなかった。
<比較例1>
基材層に単層の12μmのポリエステルフィルム(PET)を使用した以外は実施例1と同様の方法で、比較例1に係る積層体および液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物として液体浴用剤(メントール、エタノール等を含む)を充
填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。
その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による著しい層間剥離がみられ、この剥離面を確認するため、X線光電子分光法による分析を行った結果、接着層Aであるトリレンジイソシアネート(TDI)のアダクトタイプ層の上に厚みがナノオーダーのわずかなポリエステルが付着しており、単層PETの表層剥離であることがわかり、液体用紙容器として適さないことがわかった。
<比較例2>
基材層に単層の12μmのポリエステルフィルム(PET)、押出樹脂層としてエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)を使用した以外は実施例2と同様の方法で、比較例2に係る積層体および液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物としてうがい薬(ポビドンヨードを含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。
その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による著しい層間剥離がみられ、この剥離面を確認するため、X線光電子分光法による分析を行った結果、接着層Aであるヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のビューレットタイプ層の上に厚みがナノオーダーのわずかなポリエステルが付着しており、単層PETの表層剥離であることがわかり、液体用紙容器として適さないことがわかった。
<比較例3>
基材層に単層の12μmのポリエステルフィルム(PET)、押出樹脂層として亜鉛アイオノマー(Znアイオノマー)を使用した以外は実施例3と同様の方法で、比較例3に係る積層体および液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物としてパーマ液(エタノール、モノエタノールアミン等を含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。
その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による著しい層間剥離がみられ、この剥離面を確認するため、X線光電子分光法による分析を行った結果、第1接着層であるポリエチレンイミン層の上に厚みがナノオーダーのわずかなポリエステルが付着しており、単層PETの表層剥離であることがわかり、液体用紙容器として適さないことがわかった。
<比較例4>
基材層に単層の12μmのポリエステルフィルム(PET)を使用した以外は実施例5と同様の方法で、比較例4に係る積層体および液体用紙容器を得た。
この液体用紙容器に、内容物として床用剥離剤(モルホリン、モノエタノールアミン等を含む)を充填、密封し、保存テストを40℃で6ヵ月間行った。
その後、この液体用紙容器を開封した結果、内容物による著しい層間剥離がみられ、この剥離面を確認するため、X線光電子分光法による分析を行った結果、第1接着層である一級アミングラフトアクリルポリマー層の上に厚みがナノオーダーのわずかなポリエステルが付着しており、単層PETの表層剥離であることがわかり、液体用紙容器として適さないことがわかった。
以上の実施例1〜5、比較例1〜4で行った、40℃、6ヵ月間保存の液体用紙容器内における層間剥離の有無の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2019042981
表1に示す結果から、本発明に係る積層体、及びこれを用いた液体用紙容器によれば、薬効成分や香料成分などの揮発性物質やその他の揮発性物質を含む各種強浸透性内容物が作用しても優れたラミネート強度を保つことができ、さらにガスバリア性にも優れること
がわかった。
1、21 積層体
2 熱可塑性樹脂層
3 紙層
4 第1押出樹脂層
5 接着層
6 蒸着薄膜層
7 基材層
8 接着層A
9 第2押出樹脂層
10 シーラント層
11 第1基材層(ポリエステル系樹脂)
12 熱可塑性接着性樹脂層
13 第2基材層(ポリアミド系樹脂)
14 第1接着層
15 第2接着層
31、41 液体用紙容器
32、42 紙容器本体
33、43 口栓

Claims (6)

  1. 少なくとも、熱可塑性樹脂層、紙層、押出樹脂層、接着層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、基材層、接着層A、押出樹脂層、シーラント層がこの順に積層されており、
    前記基材層が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層、熱可塑性接着性樹脂層、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層を備えた共押出二軸延伸フィルムであり、
    前記接着層Aが、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなることを特徴とする積層体。
  2. 少なくとも、熱可塑性樹脂層、紙層、押出樹脂層、接着層、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、基材層、第1接着層、第2接着層、押出樹脂層、シーラント層がこの順に積層されており、
    前記基材層が、ポリエステル系樹脂からなる第1基材層、熱可塑性接着性樹脂層、ポリアミド系樹脂からなる第2基材層を備えた共押出二軸延伸フィルムであり、
    前記第1接着層が、アミン含有ポリマーであり、
    前記第2接着層が、ジイソシアネートモノマー、または、ジイソシアネートモノマーのアダクトタイプ、ビューレットタイプ、あるいはトリマー(イソシアヌレート)タイプの誘導体のいずれか1つ以上からなることを特徴とする積層体。
  3. 前記基材層において、前記第2基材層が前記シーラント層に近い側にあることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記ポリアミド系樹脂が、ナイロンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記ポリアミド系樹脂の厚みが1μm以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 前記請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を用いてなることを特徴とする液体用紙容器。
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