JP3807178B2 - クリーン性を有する透明防湿包装体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クリーン性を有する透明防湿包装体に関し、特に内容物への化学的汚染を防止する電子部品用の包装材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチック、紙、アルミ箔などの異種の基材フィルムを貼り合わせガスバリアー性、防湿性等の機能を付与し、さらに熱接着性樹脂を積層して包装材料を中心に広く利用されている。このような積層体の製造方法としては、例えばドライラミネート法、ウェットラミネート法、押し出しラミネート法、共押し出しラミネート法、ホットメルトラミネート法等公知の方法がある。また熱接着性樹脂を積層する方法としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルのポリオレフィン樹脂やアイオノマー樹脂を押し出しラミネートする方法や上記樹脂からなるフィルムを接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネートする方法があり、コストの点から前者の方法が有利である。
【0003】
これらの熱接着性樹脂を基材フィルムへ押し出しラミネートにより積層する際に、接着性を促進するために予めアンカーコート剤を塗布した後に熱接着性樹脂を溶融押し出しラミネートされるのが一般的である。
例えば、ポリエチレンイミン系、イソシアネート系、チタネート系等の材料が用いられる。これらの材料は、酢酸エチル、アルコール、ヘキサン等の有機溶剤に希釈してグラビアまたはロールコート方式により基材フィルムへ塗布される。
また、アンカーコート剤を用いない方法としては、酸変性されたエチレン系共重合体を用いた方法があるが加工性や樹脂コストの点で課題が残されていた。
さらに、アンカーコート剤を用いない方法としては、最近基材フィルムをコロナ処理や電子線照射等の活性処理したのち溶融樹脂にオゾンを吹きかけながら基材フィルムと積層する技術が考案されているが、基材フィルムに制約受けたり、溶融樹脂にオゾンを吹きかけ方式によりラミネート強度にバラツキが生じ実用上課題を残していた。
【0004】
このように様々なラミネート方式により得られる積層体は、多かれ少なかれ使用材料中に存在する酸化防止剤、有機系滑剤、各種安定剤あるいはラミネート時に使用する接着剤中に存在する低分子量物、希釈溶剤があり使用する環境によってはイオンや揮発性の炭化水素類内部または外部へブリードアウトしてきて包装体表面や内容物を汚染する場合がある。
近年、エレクトロニクス分野の技術進歩に伴い各部材へのクリーン性が必須条件になり、包装材料へのクリーン性の要求が高まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、構成材料からの移行による内容物への化学的汚染を防止できる包装材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、高分子フィルム等の基材の少なくとも片面に、金属、金属化合物等の薄膜層を形成したバリアー性基材上に、少なくとも環状ポリオレフィン系樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルムからなる熱溶融性樹脂層を有することを特徴とするクリーン性を有する透明防湿包装体である。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、高分子フィルム等の基材の少なくとも片面に、金属、金属化合物等の薄膜層を形成したバリアー性基材上に、環状ポリオレフィン系樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とのブレンド樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルムからなる熱溶融性樹脂層を有することを特徴とするクリーン性を有する透明防湿包装体である。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、
請求項1又は請求項2記載のクリーン性を有する透明防湿包装体において、前記高分子フィルム等の基材の少なくとも片面に、アンカーコート層を介して金属、金属化合物等の薄膜層を形成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のクリーン性を有する透明防湿包装体において、前記バリアー性基材上に形成された金属、金属化合物等の薄膜層上に、順次、保護層、印刷層、接着層、前記熱溶融性樹脂層が、この順に積層された構成であって、最内層が前記熱溶融性樹脂層であることを特徴とする。
【0010】
<作用>
本発明によれば、高分子基材上に設けられた金属、金属化合物等の薄膜層を形成したバリアー性基材上に環状ポリオレフィン系樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルム、もしくは環状ポリオレフィン系樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とのブレンド樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルムからなる熱溶融性樹脂を積層していることによる、構成材料からのイオンや低分子量の炭化水素類を内容物へ移行するのを遮断するメカニズムや超防湿の理論的な解明ははっきりわかっていないが、ガラス転移温度が高いことやポリマーの構造が寄与していると推測できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例としての実施の形態について図に基づいて説明する。図1は、本発明のクリーン性を有する透明防湿包装体の構成の一例を示した断面図である。高分子フィルム等の基材1の片面に金属、金属化合物等の薄膜層2上に、順次、保護層3、印刷層4、接着層5、環状オレフィン系樹脂からなる熱溶融性樹脂層6を設け、最内層が熱溶融性樹脂層6となるように、順次、積層された構成のクリーン性を有する透明防湿包装体10である。
【0012】
本発明に用いられる基材としての高分子フィルムは、
寸法安定性、耐熱性、機械的強度に優れた材料が好ましく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールのホルマル処理したもの(ビニロン)、ポリメチルアクリレート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6ナフタレート、ポリエチレンブチレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン11、ナイロン12等のポリミド、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ、ポリフッカビニル、ポリフッカビニリデン、ポリ三フッカ塩化エチレン、ポリ四フッカエチレン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のフィルムが例示できる。当然のことながらこれらのフィルムに限定するものではなく、必要に応じて上記のフイルムを二種以上公知の方法で貼り合わせたものをフィルムとして用いてもいっこうに構わない。
また、これらのフィルムは、強度、寸法安定性、耐熱性の点からフィルム製膜時に縦及び横方向の少なくとも一方向に任意の倍率で延伸したいわゆる延伸フィルムとして用いることもできる。当然、延伸をしない未延伸フィルムとして用いても良い。
上記フィルムには、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、帯電防止剤、滑剤、顔料、染料、防曇剤等の公知の添加剤を必要に応じて配合して用いることができるがフィルム物性を損ない程度でなるべく減量したほうが好ましい。
【0013】
上記酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート等が例示できる。
【0014】
上記滑剤、熱安定剤としては、ポリエチレンワックス、流動ワックス、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ジブチル錫ジラウリレート、有機リン酸金属塩、有機フォスファイト化合物、フェノール類、βージケトン化合物、ビスアマイド、リシノール酸バリウム、シリカ、アルミナ、タルク、硫酸バリウム等の無機微粒子、脂肪酸アマイド等が例示できる。
【0015】
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノール系、ベンゾエート系、シアノアクリレート、フェニルサリシレート系等が例示できる。
【0016】
上記可塑剤としては、フタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、イタコン酸誘導体、クエン酸誘導体、マレイン酸誘導体、アジピン酸誘導体、オレイン酸誘導体、リシノール酸誘導体、エポキシ化大豆等が例示できる。
【0017】
上記顔料、染料としては、フタロンシアニンブルー、フタロシアニングリーン、酸化チタン、アリザリンレーキ、ハンザイエロー、亜鉛華、群青、キナクドリン、カーボンブラック、パーマネントレッド等が例示できる。
【0018】
上記帯電防止剤としては、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等が例示できる。
【0019】
上記防曇剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸モノグリセリド等が例示できる。
【0020】
フィルムの厚みについては、特に制限はないが強度やハンドリングの点から3〜500μmの範囲のものが利用できる。好ましくは6〜100μmの範囲のものである。
【0021】
本発明における薄膜層は、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物等を真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティング、プラズマ蒸着法、化学的堆積法(CVD法)等の公知のドライプロセス法や湿式メッキ等による薄膜形成方法で薄膜形成することができる。
具体的には、珪素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブテン、パラジウム、銀、インジウム、錫、タンタル、タングステン、白金、金、鉛等から選ばれる金属,その酸化物,その窒化物から選ばれる単一材料または複数の混合材料または二種以上からなる多層構造からなる薄膜層である。
薄膜層の厚みについては、5〜2000nmの範囲であって、5nmより小さいと薄膜層が均一に層を形成せず、目的のガスバリアー性を発現しなく好ましくない。2000nmより大きくなると薄膜層にフレキシビリフィーがなくなりクラックや割れが発生し、さらにはフィルムとの密着性が低下して薄膜層が脱落してしまう場合があり好ましくはない。好ましくは、15〜100nmの範囲である。
【0022】
蒸着膜上に必要に応じて設ける保護層としては、一種以上の金属アルコキシド或いはその加水分解物を主剤とするコーティング液を加熱、乾燥することでことで保護層とすることができる。コーテイング液には、塩化錫、塩化アルミニウム等の加水分解を促進する触媒的役割をするものや補助的に分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物、例えばトリレンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイサシアネート(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、4-4'ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等のモノマー及びそれらの重合体または誘導体を適宜添加することもできる。
具体的な金属アルコキシドとしては、テトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムなどの一般式M(OR)n (MはSi 、Ti 、Zr、Al 、Zr 等の金属、RはCH3、C2H5等のアルキル基を表す)で表されるものである。
上述したコーティング成分以外に、分散剤、安定化剤、粘度調整剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
【0023】
上述した保護層を形成する方法としては、既述したコーティング液を既述した薄膜層上にティッピング法、グラビアコート法、ロールコート法、スプレー法等の公知の塗布手段により形成することができ、塗布層は従来の熱風循環の加熱乾燥または紫外線もしくは電子線により塗膜層を乾燥、硬化することができる。
上述した保護層の厚みとしては、約0.01μ〜50μmの範囲であり、好ましくは0.01μ〜0.8μmの範囲である。
0.01μより薄いと薄膜層が印刷やラミネーション等の二次加工時に応力を受け、蒸着膜が亀裂やクラック発生する場合があり好ましくない。
また、50μmより厚くなると上記の保護機能は維持できるが基材フィルムが薄い場合にはラミネーション時にカール、変形等が発生し好ましくない。
【0024】
本発明の基材フィルムと薄膜層との間に必要に応じて設けるアンカーコート層としては、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド等から選ばれるもの、又は二種以上からなる混合物をアルコール系の水性または適当な有機溶媒に分散、溶解させたものを塗布乾燥させて形成することができる。
また、塗布量としては0.01〜5g/m2の範囲であって好ましくは0.1〜1.5g/m2の範囲である。
【0025】
印刷層としては、薄膜層または保護層上にオフセット法、グラビア法、フレキソ法等公知の方法により文字や絵柄の印刷を形成することができる。本発明における、印刷層とは、前記バリアー性基材、後述する中間層の少なくとも一カ所に施された印刷層であって、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、孔版印刷といた公知の印刷方式により、水性または油性のインキ組成物からなる文字、絵柄、図形等が形成されていることをさす。
【0026】
本発明における環状オレフィン系樹脂からなる熱溶融樹脂材料としては、環状オレフィン樹脂単体もしくは環状オレフィン樹脂と低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンエチレンープロピレン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、 エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンー(メタ)アクリル酸共重合体とナトリウムまたは亜鉛等金属イオンとの架橋物(アイオノマー)、エチレンーアクリルニトリル共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体等が例示でき、190度のMFRが1〜100g/10分の範囲の他のポリオレフィンとのブレンド樹脂である。
環状オレフィン樹脂とは、エチレンとテトラシクロドデセンとの共重合体である三井化学社製の商品名「アペル」、シクロペンタジエンが二量化したものが高分子化した日本ゼオン社製の商品名「ゼオノア」や上記シクロペンタジエンの二量化物とエチレンの反応で得られたノルボネンとエチレンとの共重合体であるヘキスト社製の商品名「TOPAS」等が例示できるが、これらに限定されるものではない。
【0027】
樹脂構成例としては、低密度ポリエチレンと環状オレフィンのブレンド、直鎖状低密度ポリエチレンと環状オレフィンとのブレンド、ポリプロピレンと環状オレフィンとのブレンド樹脂からなる環状ポリオレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとの共押し出しによる多層構成等が例示できるがこれらに限定するものでははない。
ブレンド比率については、環状ポリオレフィンの含有量が80重量%以下が好ましい。80重量%を越えると環状オレフィン層が増えるためにゲル発生や均一製膜性に劣り好ましくない。
また、環状オレフィン樹脂量を減らすことで加工安定性は良くなるが、構成材料からのイオンや低分子量の炭化水素類を内容物へ移行するのを遮断性する効果から、好ましくは50〜80重量%の範囲である。
また、他のポリオレフィンと多層構成にする場合は、環状オレフィン系樹脂層の厚みは少なくとも3〜5μmあれば良く、目的、用途により適宜厚みを調整して使用することができる。
また、層間接着性を上げるために接着性樹脂層を間に設けてもよい。
また、環状オレフィン樹脂自体は熱安定性に若干劣ることから最低量の上記の酸化防止剤を添加してもよい。
【0028】
また、製膜方式についても一般的に知られているインフレーション法やキャスト法により作ることができ、上記のバリアー性基材と一般的に知られているドライラミネート法、ノンソルベントラミネート法、あるいは押し出しラミネート法により積層することができる。
また、最内層の熱溶融性樹脂を、例えば環状ポリオレフィン系樹脂/低密度ポリエチレン等に多層化して用いる場合は低密度ポリエチレンは酸化防止剤や安定剤といった添加剤を含まない無添加グレードを使用することが好ましい。
熱溶融性樹脂の厚みとしては、用途により最適厚みは異なるが、5μm〜300μmの範囲であり、好ましくは10μm〜120μmで、更に好ましくは15μm〜70μmである。
上記熱溶融性樹脂をシーラントとして用いる場合のヒートシール温度としては、用いる材料により適宜選択することができるが、80℃〜200℃の温度範囲でヒートシールできる。
【0029】
また、接着層とバリアー性基材、中間層、熱溶融樹脂を積層するさいに使用するもので公知の一液型や二液硬化型のドライラミネート用やノンソルベントラミネート用の接着剤である。さらに、該熱接着性樹脂をTダイから熱溶融させた状態でラミネートする押し出しラミネート時に使用する被積層体上に前処理としてコートするウレタン系、ポリブタジエン系、ポリイソシアネート系、チタネート系等で代表されるいわゆるACコート剤についても概念に入る。
種類としては、アルコール系である水性、トルエン、酢酸エチル、メチレエチルケトンで代表されるよう油性いずれであってもよい。
【0030】
本発明における中間層とは、上述のバリアー性基材と熱接着性樹脂以外の層材料であって、腰、機械的強度、耐ピンホール性等を付与するさいに必要に応じて積層する層である。たとえは、一軸または二軸延伸されたポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンまたは、紙等の基材が例示できるが上記のものに限定するものでははない。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
【0032】
<実施例1>
12μmの二軸延伸ポリエステルフィルム片面に40nmの酸化珪素蒸着膜を真空蒸着法により形成し、次いで下記に示すコーティング液1を上記蒸着膜上に乾燥塗布量が0.2μmになるようにコート、乾燥して保護層を形成しバリアー性基材を得た。
さらにこの保護層上にグラビア印刷により印刷層を形成した。
このようにして得たバリアー性基材の印刷層上に、下記に示す環状ポリオレフィン樹脂を含むインフレーションフィルム1を二液硬化型ウレタン系接着剤を用い最内層が低密度ポリエチレンになるようにしてドライラミネートして積層体を作成した。
(コーティング液1)
テトラエトキシシラン10.4gに0.1N塩酸89.1gを加え、30分間撹拌して加水分解させた固形分3重量%の加水分解溶液とポリビニルアルコールの3重量%からなるイソプロピルアルコール/水(混合比10/90)の溶液を混合した保護層形成用塗料。
(インフレーションフィルム1)
環状ポリオレフィン系樹脂層20μm /低密度ポリエチレン(密度0.928、添加剤無添加)樹脂層30μm共押のインフレーションフィルム、但し環状ポリオレフィン系樹脂は、高密度ポリエチレン(密度0.95)30重量部と環状ポリオレフィン樹脂「アペル6509」(三井化学社製)70重量部とをブレンドしたもの
【0033】
<実施例2>
環状ポリオレフィン樹脂を含むインフレーションフィルム2を用いた以外は実施例1と同様。
(インフレーションフィルム2)
環状ポリオレフィン系樹脂層20μm /低密度ポリエチレン(密度0.928、添加剤無添加)樹脂層30μm共押のインフレーションフィルム、但し環状ポリオレフィン系樹脂は、高密度ポリエチレン(密度0.95)30重量部と環状ポリオレフィン樹脂「ゼオノア1060R」(日本ゼオン社製) 70重量部とをブレンドしたもの
【0034】
<実施例3>
環状ポリオレフィン樹脂を含むインフレーションフィルム3を用いた以外は実施例1と同様。
(インフレーションフィルム3)
前記インフレーションフィルム2において、環状ポリオレフィン系樹脂は、高密度ポリエチレン20重量部と環状ポリオレフィン樹脂80重量部とをブレンドしたもの。
【0035】
<実施例4>
環状ポリオレフィン樹脂を含むインフレーションフィルム4を用いた以外は実施例1と同様。
(インフレーションフィルム4)
前記インフレーションフィルム2において、環状ポリオレフィン系樹脂層の厚みを30μm。
【0036】
<実施例5>
実施例1における40nmの酸化珪素蒸着膜の代わりに40nmの酸化アルミニュウムを真空蒸着法により設けた以外は実施例1と同じ構成の積層体を得た。
【0037】
<比較例1>
熱溶融樹脂に低密度ポリエチレン50μmを用いて実施例と同様に試験した。
【0038】
このようにして得られた積層体のバリアー性とクリーン性を下記の方法により評価した。その評価結果を表1に示す
(ラミネート強度)
積層体を15mmにスリットしたサンプルを引っ張り試験器により剥離し、剥離強度を測定した。クロスヘッドスピード 300(mm/min)
(酸素透過度)
JIS K7162法 B法(同圧法)に準ずる。装置 Mocon Oxtranを使用し、27℃-75%RH雰囲気で測定。
(水蒸気透過度)
JIS 7129法 B法 (赤外センサー法) に準ずる。装置 Mocon Permatranを使用し、40℃-90%RH雰囲気で測定。
(クリーン性評価(イオン))
積層体を三方シールして袋を作り内容物に蒸留水を充填しパウチを作成し、このパウチを120℃30分のレトルト処理を行った後充填しておいた蒸留水を25倍に濃縮したものをIC(イオンクロマトグラフ)法によりイオン総量(陽、陰)の分析をした。
(クリーン性評価(炭化水素類))
積層体を一定面積短冊状にカットしバイアル瓶にいれてキャップをした後、100℃5分間加熱して瓶内のヘッドスペースよりサンプリングしたものをGC−MS(ガスクロマト質量分析)法により炭化水素類の分析を行った。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、バリアー性基材上に環状ポリオレフィン系樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルム、もしくは環状ポリオレフィン系樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とのブレンド樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルムからなる熱溶融性樹脂を積層していることによる超防湿性付与と構成材料からのイオンや低分子量の炭化水素類の移行による内容物への化学的汚染を防止できる包装材料を提供することが可能となった。また、本発明の透明防湿包装体は、防湿性が必要で、かつ化学的汚染が嫌われる電子部材、精密部品、医療用医薬品等の広い用途に適用することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクリーン性を有する透明防湿包装体の構成の一例を示した断面図。
【符号の説明】
1…基材
2…薄膜層
3…保護層
4…印刷層
5…接着剤層
6…熱溶融樹脂層
10…透明防湿包装体
Claims (4)
- 高分子フィルム等の基材の少なくとも片面に、金属、金属化合物等の薄膜層を形成したバリアー性基材上に、少なくとも環状ポリオレフィン系樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルムからなる熱溶融性樹脂層を有することを特徴とするクリーン性を有する透明防湿包装体。
- 高分子フィルム等の基材の少なくとも片面に、金属、金属化合物等の薄膜層を形成したバリアー性基材上に、環状ポリオレフィン系樹脂と高密度ポリエチレン樹脂とのブレンド樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との共押フィルムからなる熱溶融性樹脂層を有することを特徴とするクリーン性を有する透明防湿包装体。
- 前記高分子フィルム等の基材の少なくとも片面に、アンカーコート層を介して金属、金属化合物等の薄膜層を形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のクリーン性を有する透明防湿包装体。
- 前記バリアー性基材上に形成された金属、金属化合物等の薄膜層上に、順次、保護層、印刷層、接着層、前記熱溶融性樹脂層が、この順に積層された構成であって、最内層が前記熱溶融性樹脂層であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のクリーン性を有する透明防湿包装体。
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