JPH0725665B2 - 皮膚貼付薬シートの製造方法 - Google Patents

皮膚貼付薬シートの製造方法

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JPH0725665B2
JPH0725665B2 JP9656692A JP9656692A JPH0725665B2 JP H0725665 B2 JPH0725665 B2 JP H0725665B2 JP 9656692 A JP9656692 A JP 9656692A JP 9656692 A JP9656692 A JP 9656692A JP H0725665 B2 JPH0725665 B2 JP H0725665B2
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正貴 中原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚貼付薬シート、即
ち、プラスターの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、皮膚刺激剤や消炎鎮痛剤
等の薬剤を含有する粘着剤を基材シート上に積層してな
る粘着性皮膚貼付薬シートが医療用途に使用されてい
る。このような貼付薬においては、例えば、特開昭54
−138124号公報に記載されているように、貼付薬
を皮膚に貼付した際に良好な粘着性、皮膚への適合性及
適度の弾性を有するのみならず、剥離時に皮膚に刺激を
与えず、容易に剥離し得るところから、粘着剤としては
ジエン系共重合体、特に、ジエン系ブロツク共重合体が
好適であることが知られている。
【0003】一方、上記のような貼付薬においては、そ
の基材シートとしては、柔軟で皮膚になじみよい塩化ビ
ニル系樹脂が好適であるが、反面、塩化ビニル系樹脂シ
ートは粘着剤としての上記したジエン系ブロツク共重合
体との親和性に乏しく、特に、貼付薬においては、粘着
剤としてのジエン系ブロツク共重合体が薬剤と共に可塑
剤としての高級脂肪酸や流動パラフイン等を含有するた
めに、塩化ビニル系樹脂基材シートとの親和性が一層乏
しい。その結果、ジエン系ブロツク共重合体からなる粘
着剤を塩化ビニル系樹脂基材シート上に単に直接に塗布
して貼付薬とした場合、粘着剤の基材シートに対する接
着性に劣る問題がある。
【0004】更に、塩化ビニル系樹脂を基材シートとす
る貼付薬においては、薬剤が拡散浸透性の強いものであ
るときは、薬剤が基材シートにも浸透拡散し、基材シー
トを膨潤劣化させたり、場合によつては、所期の治療効
果を損なうことがある。そこで、塩化ビニル樹脂シート
に適宜のプライマー処理を施して、ジエン系ブロツク共
重合体に対する親和性を高めることも可能ではあるが、
しかし、塩化ビニル樹脂シートに含まれる可塑剤が粘着
剤層に移行し、粘着剤の性能を損なう。
【0005】そこで、本発明者らは、既に、軟質塩化ビ
ニル樹脂フイルムとポリエチレンテレフタレートフイル
ムとを積層接着し、このポリエチレンテレフタレートフ
イルム表面に薬剤を含有するジエン系ブロツク共重合体
からなる粘着剤層を直接に設けることによつて、薬剤の
基材シートへの移行及び可塑剤の粘着剤層への移行を共
に防止した粘着性皮膚貼付薬シートを特開昭63−79
409号公報に開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような粘着性皮膚貼付薬シートにおいても、尚、薬剤
を含有するジエン系ブロツク共重合体からなる粘着剤層
のポリエチレンテレフタレートフイルムに対する接着性
については、改善されるべき余地がある。即ち、軟質塩
化ビニル樹脂フイルムとポリエチレンテレフタレートフ
イルムとが接着されてなる基材シートのポリエチレンテ
レフタレートフイルム上に薬剤を含む粘着剤を積層接着
するには、ポリエチレンテレフタレートフイルム上にプ
ライマー層を形成するのが有利であるが、反面、従来、
このプライマー層に割れが発生し、しかも、その割れが
経時的に大きく成長し、粘着剤の形成にも有害な影響を
与えることが見出された。特に、プライマー層が平滑で
且つ厚みが大きい場合に、このような割れの発生及び成
長が著しい。
【0007】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであつて、一般には、薬剤の基材シートへの
移行及び可塑剤の粘着剤層への移行が共にないのみなら
ず、薬剤を含む粘着剤が基材シート上に強固に接着され
ており、更に、表面のべたつきがなく、風合、滑らか
さ、皮膚の適合性等にすぐれるうえに、前述したよう
に、特に、プライマー層に割れが発生し、成長するのを
防止した粘着性皮膚貼付薬シートの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による皮膚貼付薬
シートの製造方法は、厚さ50〜150μmの軟質塩化
ビニル樹脂フイルムと厚さ10μm以下のポリエチレン
テレフタレートフイルムとが接着されてなる基材シート
のポリエチレンテレフタレートフイルムの表面に、(a)
末端が水酸基であるポリウレタン100重量部に対し
て、飽和ポリエステル樹脂1〜50重量部、エチレン−
酢酸ビニル共重合体50〜200重量部及び塩化ゴム5
0〜200重量部からなる樹脂混合物に無水シリカ微粉
末20〜35重量%を配合してなる樹脂組成物からなる
第1のプライマー層を形成し、次いで、この第1のプラ
イマー層の上に、(b) 末端が水酸基であるポリウレタン
100重量部に対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体
50〜200重量部及び塩化ゴム50〜200重量部か
らなる樹脂混合物に無水シリカ微粉末20〜35重量%
を配合してなる第2のプライマー層をグラビアコーテイ
ング法にて形成し、更に、(c) この第2のプライマー層
の上に薬剤を含有するスチレン−ジエン−スチレンブロ
ツク共重合体からなる粘着剤層を積層接着することを特
徴とする。
【0009】本発明において、基材シートは、塩化ビニ
ル樹脂フイルムとポリエチレンテレフタレートフイルム
とが接着されてなる複合フイルムである。上記基材シー
トを形成するために用いるポリエチレンテレフタレート
フイルムは、厚さが10μm以下であることが必要であ
る。ポリエチレンテレフタレートフイルムの厚さが10
μmを越えるときは、得られる貼付薬シートが硬く、風
合、皮膚へのなじみが著しく悪い。特に、3〜5μmの
厚さを有するポリエチレンテレフタレートフイルムが好
適に用いられる。
【0010】更に、ポリエチレンテレフタレートフイル
ムは、破断強度(縦方向)が25〜35 kgf/mm2、2%
(縦方向)モジユラス(引張強さ)が7.5〜9.5 kgf/m
m2の範囲にあるのが好ましい。従つて、本発明において
は、例えば、厚さ3.5μm、破断強度29.4kgf/mm2
2%モジユラス8.6 kgf/mm2であるフイルムを好適に用
いることができる。
【0011】他方、かかるポリエチレンテレフタレート
フイルムに接着される塩化ビニル樹脂フイルムは、皮膚
へのなじみや風合にすぐれるためには、その平均重合度
は、比較的高く、1700〜3000の範囲にあること
が好ましい。また、塩化ビニル樹脂フイルムがポリエチ
レンテレフタレートフイルムに対して高い接着性を有す
るためには、塩化ビニル樹脂は、平均分子量1000〜
8000の高分子量可塑剤を含有することが好ましいと
共に、風合や皮膚へのなじみにすぐれ、或いは皮膚に貼
付したときに基材シートに反りや弯曲を生じないために
は、上記高分子量可塑剤をポリ塩化ビニル100重量部
当りに60〜120重量部を含有する軟質フイルムであ
ることが好ましい。更に、皮膚に貼付したときに違和感
を生じないためには、厚さが50〜150μmの範囲に
あることが必要である。
【0012】上記高分子量可塑剤としては、特に、エス
テル系高分子量可塑剤が好ましく、かかる可塑剤の好ま
しい具体例として、例えば、フタル酸のポリエチレング
リコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエス
テル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコー
ルジエステル等のようなポリアルキレングリコールジエ
ステルや、アジピン酸、セバシン酸等のような脂肪族二
塩基酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロ
ピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールジエステル等のようなポリア
ルキレングリコールジエステルを挙げることができる。
【0013】更に、本発明においては、塩化ビニル樹脂
フイルムは、所謂無毒系の安定剤の適量を含有すること
が好ましい。かかる安定剤の好適な例として、例えば、
塩化ビニル樹脂用安定剤として既によく知られているカ
ルシウム−亜鉛系安定剤を挙げることができるが、しか
し、無毒系である限りは、特に上記に限定されるもので
はない。
【0014】本発明の方法によれば、上記したような複
合フイルムのポリエチレンテレフタレート上に二層のプ
ライマー層を積層接着し、その上に薬剤を含有するスチ
レン−ジエン−スチレンブロツク共重合体からなる粘着
剤層を積層接着して、皮膚貼付薬シートを得る。上記ポ
リエチレンテレフタレートフイルム上に施される第1の
プライマー層は、末端が水酸基であるポリウレタン10
0重量部に対して、飽和ポリエステル樹脂1〜50重量
部、エチレン−酢酸ビニル共重合体50〜200重量部
及び塩化ゴム50〜200重量部からなる樹脂混合物に
無水シリカ微粉末20〜35重量%を配合してなる樹脂
組成物からなり、本発明の方法においては、この第1の
プライマー層を形成するために、例えば、バーコーター
等によつてもよいが、好ましくはグラビアコーテイング
法にて形成する。
【0015】本発明において用いる末端が水酸基である
ポリウレタンは、例えば、分子量1000〜3000の
ジオールとジイソシアネートとをイソシアネート基/水
酸基モル比1.5〜2.0にて反応させて、末端がイソシア
ネート基であるウレタンプレポリマーを得、次いで、か
かるウレタンプレポリマーに対して、鎖延長剤としての
低分子量のポリオールを水酸基/イソシアネート基モル
比1.4〜2.0にて反応させることによつて得ることがで
きる。その分子量は、30000〜80000の範囲が
好適である。
【0016】上記分子量1000〜3000のジオール
としては、ポリエステルジオールやポリエーテルジオー
ルが好ましく用いられる。ポリエステルジオールは、例
えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
チレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコー
ル類と、アジピン酸、セバチン酸等の飽和ジカルボン
酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸、フ
タル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸又はその
無水物等とを反応させて得られる線状ポリエステルジオ
ールが好ましく用いられる。更に、カプロラクトン、メ
チルカプロラクトン等のラクトン類をグリコール類にて
開環重合させて得られるポリエステルジオールも好まし
く用いられる。
【0017】また、ポリエーテルジオールは、エチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロロヒドリ
ン、オキサシクロブタン、テトラヒドロフラン等の環状
エーテル化合物の開環重合又は共重合によつて得られる
ものが好ましく用いられる。ポリウレタンの調製におい
て、用いる前記ジオールの分子量が余りに高いときは、
得られる第1のプライマーが高すぎる粘度を有すること
となつて、複合フイルムへの塗布に困難を生じる。
【0018】前記ジイソシアネートは、特に限定される
ものではなく、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフ
エニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート等が適宜に
用いられる。鎖延長剤としての低分子量グリコールとし
ては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール等が好ましく用いられる。
【0019】塩化ゴムは、よく知られているように、天
然ゴムを塩素化して得られるゴムであつて、本発明にお
いては、分子量約5000〜100000、塩素含有量
65重量%以上を有するものが好ましく用いられる。飽
和ポリエステル樹脂は、芳香族ジカルボン酸(例えば、
テレフタル酸、イソフタル酸等、又はこれらの混合物)
又はこれら芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジカルボン酸
(例えば、アジピン酸、セバチン酸等、又はこれらの混
合物)との混合物と、飽和脂肪族ジオール(例えば、エ
チレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シ
クロヘキサンジオール等、又はこれら混合物)とを常法
に従つて縮合重合させることによつて得ることができ
る。
【0020】本発明においては、かかる飽和ポリエステ
ル樹脂は、15000〜20000の範囲の分子量を有
することが好ましい。このような飽和ポリエステル樹脂
は市販されており、本発明においては、かかる市販品を
好適に用いることができる。このように、第1のプライ
マーにおいては、ポリウレタンが接着剤の主成分をなす
が、ポリエステルフイルムに高い接着性を有するよう
に、飽和ポリエステル樹脂を含有し、更に、接着剤とし
ての接着力をエチレン−酢酸ビニル共重合体によつて補
強し、他方、ポリウレタンとエチレン−酢酸ビニル共重
合体が相互に相溶性が悪いところ、これに塩化ゴムを配
合することによつて、それらの相溶性を高めると共に、
得られるプライマーの接着力をも向上させることができ
る。このように、第1のプライマーにおける上記した各
成分の配合割合は、プライマーの接着力及び相溶性を最
善とするために選択されたものである。エチレン−酢酸
ビニル共重合体における酢酸ビニル含有量は、70〜9
0%の範囲が好適であり、平均重合度は1500〜40
00の範囲が好適である。
【0021】シリカ微粉末は、高純度のシリカからなる
粒径10〜100μm程度のものが好ましく用いられ
る。粒径が10μmよりも小さいときは、得られる第1
のプライマーの粘度が高すぎて、塗布が困難であり、他
方、100μmを超えるときは、プライマーにおける分
散が不均一となつて、やはり塗布に困難を生じる。上述
したような樹脂混合物を適宜の有機溶剤(例えば、トル
エン)に溶解させ、これにシリカ微粉末を分散させるこ
とによつて、第1のプライマーを得ることができる。こ
れをポリエチレンテレフタレートフイルム表面にグラビ
アコーターにて塗布し、乾燥することによつて、第1の
プライマー層を形成することができる。この第1のプラ
イマー層の乾燥厚みは、1〜5μmであることが好まし
い。プライマー層の厚みが余りに薄いときは、目的とす
る強固な接着力を得ることができず、他方、余りに厚く
しても、特に、利益がない。
【0022】次に、本発明にによれば、末端が水酸基で
あるポリウレタン100重量部に対して、エチレン−酢
酸ビニル共重合体50〜200重量部及び塩化ゴム50
〜200重量部からなる樹脂混合物に無水シリカ微粉末
20〜35重量%を配合してなる第2のプライマー層を
前記第1のプライマー層上にグラビアコーテイング法に
て形成する。
【0023】このように、第2のプライマーにおいて
も、ポリウレタンが接着剤の主成分をなすが、前述した
ように、ポリウレタン単独では接着力が不足する。そこ
で、本発明によれば、ポリウレタンにエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体を配合することによつて、接着力を高める
ことができる。エチレン−酢酸ビニル共重合体における
酢酸ビニル含有量は、70〜90%の範囲が好適であ
り、平均重合度は1500〜4000の範囲が好適であ
る。
【0024】しかし、ポリウレタンとエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体は相互に相溶性が悪いので、更に、これに
塩化ゴムを配合することによつて、相溶性を高めると共
に、得られるプライマーの接着力をも向上させることが
できる。このように、第2のプライマーにおける上記し
た各成分の配合割合も、プライマーの接着力及び相溶性
を最善とするために選択されたものである。
【0025】第2のプライマーに配合されるシリカ微粉
末は、形成されるプライマー層のブロツキング性を低減
させ、複合フイルムにプライマー層を施した後、ロール
としたときに、その展開を容易にする。しかし、過多に
配合するときは、得られるプライマーの粘度を著しく高
くし、塗布を困難にすると共に、プライマーの接着力を
も低下させる。
【0026】上記したような樹脂組成物を適宜の有機溶
剤(例えば、トルエンやメチルエチルケトン)に溶解さ
せ、これにシリカ微粉末を分散させることによつて、第
2のプライマーを得ることができる。このような第2の
プライマーを前述した飽和ポリエステル樹脂からなる第
1のプライマー層上にグラビアコーターにて塗布し、乾
燥することによつて、第2のプライマー層を形成するこ
とができる。この第2のプライマー層は、乾燥厚みが1
0〜20μmの範囲にあることが好ましい。第2のプラ
イマー層の厚みが5μmよりも薄いときは、目的とする
強固な接着力を得ることができない。しかし、20μm
を越えるときは、プライマー層が硬く、得られる粘着性
皮膚貼付薬シートに必要とされる柔軟性を損なう。
【0027】本発明の方法においては、第2のプライマ
ー、好ましくは第1及び第2のプライマーは、グラビア
コーターにて塗布する。特に、本発明によれば、第2の
プライマー層は、基材フイルムと薬剤を含む粘着剤層と
の間に強固な接着性を得るために、上述したように比較
的厚く形成するので、第2のプライマー層をグラビアコ
ーターにて塗布し、乾燥して形成することによつて、乾
燥時に割れが発生し、経時的に成長するのを防止するこ
とができる。
【0028】前述したようなプライマー層の割れの発生
及び成長は、プライマーを塗布した後、溶剤が蒸発して
収縮するが、ポリエチレンテレフタレートフイルムは収
縮しないので、プライマー層に割れが生じ、経時的に更
にその割れが成長するものとみられる。そこで、本発明
の方法によれば、第2のプライマーをグラビアコーター
にて塗布し、乾燥させることによつて、予め微細な割れ
を有するプライマー層を形成することによつて、割れの
成長がそのような無数の微細な割れに分配されるので、
視覚的に明らかなような経時的な割れの成長が防止され
るものとみられる。即ち、一般に、グラビアコーター
は、ロール面を梨地としたコーターにて塗布するので、
形成される塗膜は、バーコーター等による塗膜と異なつ
て、ミクロ的には、不均一であり、厚さも不連続であ
る。
【0029】以上のようにして、複合フイルムのポリエ
チレンテレフタレート表面に第1及び第2のプライマー
層を形成した後、この第2のプライマー層の上に薬剤を
含有するスチレン−ジエン−スチレンブロツキング共重
合体からなる粘着剤の層を設けることによつて、この粘
着剤層が複合フイルムに強固に接着された粘着性皮膚貼
付薬シートを得ることができる。
【0030】本発明において粘着剤を構成するスチレン
−ジエン−スチレンブロツク共重合体としては、具体例
として、スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重
合体及びスチレン−イソプレン−スチレンブロツク共重
合体を挙げることができる。これらスチレン−ジエン−
スチレンブロツク共重合体は、粘着剤として単独又は混
合物として用いられてもよく、又はこれらブロツク共重
合体と共に可塑剤、粘着付与樹脂、充填剤、老化防止剤
等を含有する組成物として用いられてもよい。
【0031】かかるスチレン−ジエン−スチレンブロツ
ク共重合体は、例えば、前記した特開昭54−1381
24号公報に詳細に記載されているように既に知られて
いる。Aをスチレンからなるガラス状或いは硬質の非弾
性熱可塑性重合体のブロツクとし、Bをブタジエン又は
イソプレンのような共役ジエンの弾性重合体のブロツク
とするとき、A−B−Aの構造を有するブロツク共重合
体であつて、ブロツクAが全重合体重量の10〜50重
量%を占める。このようなスチレン−ブタジエン−スチ
レンブロツク共重合体はカリフレツクスTR−110
1、TR−1102等として、また、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロツク共重合体はカリフレツクスTR
−1107(いずれもシエル化学(株)製)として市販
されており、入手することができる。
【0032】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基材シ
ートを塩化ビニル樹脂フイルムとポリエチレンテレフタ
レートフイルムとを接着してなる複合フイルムとし、か
かる基材シートのポリエチレンテレフタレートフイルム
の表面に第1及び第2のプライマー層を順次に形成し、
その上に薬剤を含むスチレン−ジエン−スチレンブロツ
ク共重合体からなる粘着剤層を形成して、粘着性皮膚貼
付薬シートを得る。
【0033】ここに、本発明の方法によれば、ポリエチ
レンテレフタレートフイルムの表面に第2のプライマー
層をグラビアコーターを用いて形成するので、このよう
な第2のプライマー層は割れを生じず、経時的に成長し
ないので、保存安定性にすぐれ、また、プライマー層の
上に粘着剤を容易に積層形成することができる。このよ
うにして、本発明によれば、第1のプライマー層がポリ
エチレンテレフタレートフイルムに強固に接着し、第2
のプライマー層が薬剤を含むスチレン−ジエン−スチレ
ンブロツク共重合体からなる粘着剤層に強固に接着し、
更に、第1及び第2のプライマー層が相互に強固に接着
する。しかも、ポリエチレンテレフタレートは、粘着剤
層中の流動パラフインや薬剤の塩化ビニル樹脂フイルム
への移行を防止すると共に、塩化ビニル樹脂中の可塑剤
の粘着剤層中への移行を共に防止する。
【0034】従つて、本発明による粘着性皮膚貼付薬シ
ートによれば、ポリエチレンテレフタレートフイルムと
薬剤を含有する上記粘着剤層との間に強固な接着を得る
ことができるので、貼付薬シートを皮膚から剥がすとき
に、粘着剤が皮膚に残ることがない。特に、本発明によ
る粘着性皮膚貼付薬シートによれば、ポリエチレンテレ
フタレートフイルムが薬剤や可塑剤の拡散透過に対して
効果的なバリヤー層として機能するので、薬剤がl−メ
ントールやサリチル酸エステル類のように拡散浸透性の
強い場合であつても、薬剤が塩化ビニル樹脂フイルムに
拡散浸透することがなく、また、可塑剤の粘着剤層への
拡散透過も阻止されるうえに、皮膚貼付薬シートとして
不可欠である風合、滑らかさ、皮膚の適合性等にすぐ
れ、更に、表面のべたつきもないので、使用感にすぐれ
るものである。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。尚、プライマーの調製に用いた材料及びプライマー
の組成は下記のとおりである。飽和ポリエステル樹脂 東洋紡(株)製バイロン20SS(固形分20%)ポリウレタン 大日本インキ化学工業(株)製製クリスボン4005
(末端水酸基ポリウレタン、粘度20〜4ポイズ(12
5℃)、分子量約50000、ポリエステル系ポリウレ
タン溶液、固形分25%)、902LT(固形分28
%)エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA樹脂) 日本合成化学工業(株)製ソアレツクスS4305(濃
度40%)塩化ゴム 旭電化(株)製アデカ塩化ゴムCR−10シリカ微粉末 日本アエロジル(株)製アエロジル200(粒径12μ
m)溶剤 トルエン/メチルエチルケトン(MEK)(重量比1/
1)
【0036】実施例1第1のプライマー組成 ポリウレタン 100重量部 飽和ポリエステル樹脂 20重量部 EVA樹脂 100重量部 塩化ゴム 100重量部 無水シリカ微粉末 25重量部 溶剤 1955重量部第2のプライマー組成 ポリウレタン 100重量部 EVA樹脂 100重量部 塩化ゴム 100重量部 無水シリカ微粉末 25重量部 溶剤 487重量部複合フイルム及び基材シートの製造 ポリ塩化ビニル(平均重合度1300) 100 重量部 可塑剤(ポリエステル系、分子量2600) 55 重量部 安定剤(Ca−Zn系) 1.5重量部 からなる組成物をカレンダー法にて厚さ70μmのフイ
ルムに成形した。
【0037】この塩化ビニル樹脂フイルムの上にウレタ
ン系二液型接着剤を用いて、厚さ5μmのポリエチレン
テレフタレートフイルムを接着して、基材シートとし
た。次いで、この基材シートのポリエチレンテレフタレ
ートフイルムの表面に前述した第1のプライマーをグラ
ビアコーター(40メツシユ)にて塗布し、乾燥させ
て、厚み3μmの第1のプライマー層を形成し、次い
で、その上に前述した第2のプライマーをグラビアコー
ター(40メツシユ)にて塗布し、乾燥させて、厚み1
0μmの第2のプライマー層を形成した。
【0038】皮膚貼付薬シートの製造 スチレン−イソプレン−スチレンブロツク共重合体(シ
エル化学製カリフレツクスTR−1107)30重量
部、テルペン系樹脂(安原化学製YSレジン)35重量
部、流動パラフイン10重量部、サリチル酸メチル6重
量部、l−メントール3重量部及びd−カンフル1重量
部を混合して、薬剤を含有する粘着剤とした。この粘着
剤を離型紙上に圧延した。次いで、前記基材シートのポ
リエチレンテレフタレートフイルムの表面に上記粘着剤
層を設けた離型紙を粘着剤層がポリエチレンテレフタレ
ートフイルムに対向するように重ね、2Kgのローラで押
圧して貼着して、皮膚貼付薬シートを製造した。
【0039】試験は、次の項目について行なつた。第2のプライマー層のひび割れの発生の有無 基材シート上に第1及び第2のプライマー層を形成した
後、温度23℃、湿度50%の環境に1時間放置した。
その後、第2のプライマー層上のひび割れの発生の有無
を目視にて調べた。粘着剤と基材シートとの接着性 前述したようにして製造した皮膚貼付薬シートから離型
紙を剥離し、第2のプライマー層上に粘着剤層を塗布
し、50℃で24時間放置した。その後、粘着剤層が基
材シートから剥離するかどうか調べた。その結果、第2
のプライマー層にはひび割れは認められず、また、粘着
剤層は基材シートから剥離しなかつた。
【0040】比較例1 実施例1において、第2のプライマー層をバーコーター
にて塗布し、乾燥させて、厚み10μmとした以外は、
実施例1と同様にして、皮膚貼付薬シートを製造した。
第2のプライマー層にひび割れは認められなかつたが、
粘着剤と基材シートとの接着性については、粘着剤層が
基材シートから一部剥離した。
【0041】比較例2 第1及び第2のプライマー層の厚みを種々変えた以外
は、比較例2と同様にして、皮膚貼付薬シートを製造
し、第2のプライマー層のひび割れの発生の有無と粘着
剤と基材シートとの接着性を調べた。
【0042】その結果、第1のプライマー層の厚みが3
μm、第2のプライマー層の厚みが5μmのときは、第
2のプライマー層にひび割れは認められなかつたが、粘
着剤と基材シートとの接着性については、粘着剤層が基
材シートから剥離した。第1のプライマー層の厚みが3
μm、第2のプライマー層の厚みが10μmのとき、及
び第1のプライマー層の厚みが3μm、第2のプライマ
ー層の厚みが20μmのとき、いずれも、第2のプライ
マー層にひび割れが認められたが、粘着剤と基材シート
との接着性は良好であつた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ50〜150μmの軟質塩化ビニル樹
    脂フイルムと厚さ10μm以下のポリエチレンテレフタ
    レートフイルムとが接着されてなる基材シートのポリエ
    チレンテレフタレートフイルムの表面に、(a) 末端が水
    酸基であるポリウレタン100重量部に対して、飽和ポ
    リエステル樹脂1〜50重量部、エチレン−酢酸ビニル
    共重合体50〜200重量部及び塩化ゴム50〜200
    重量部からなる樹脂混合物に無水シリカ微粉末20〜3
    5重量%を配合してなる樹脂組成物からなる第1のプラ
    イマー層を形成し、次いで、この第1のプライマー層の
    上に、(b) 末端が水酸基であるポリウレタン100重量
    部に対して、エチレン−酢酸ビニル共重合体50〜20
    0重量部及び塩化ゴム50〜200重量部からなる樹脂
    混合物に無水シリカ微粉末20〜35重量%を配合して
    なる第2のプライマー層をグラビアコーテイング法にて
    形成し、更に、(c) この第2のプライマー層の上に薬剤
    を含有するスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重合
    体からなる粘着剤層を積層接着することを特徴とする皮
    膚貼付薬シートの製造方法。
  2. 【請求項2】シリカ微粉末の粒径が10〜100μmで
    あることを特徴とする請求項1記載の皮膚貼付薬シート
    の製造方法。
  3. 【請求項3】第2のプライマー層が厚み5〜20μmを
    有することを特徴とする請求項1記載の皮膚貼付薬シー
    トの製造方法。
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