JPH07145355A - 粘着シ−トおよびその製造方法 - Google Patents
粘着シ−トおよびその製造方法Info
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- JPH07145355A JPH07145355A JP13880493A JP13880493A JPH07145355A JP H07145355 A JPH07145355 A JP H07145355A JP 13880493 A JP13880493 A JP 13880493A JP 13880493 A JP13880493 A JP 13880493A JP H07145355 A JPH07145355 A JP H07145355A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 文具・電気絶縁用粘着テ−プ、保護フイルム
等の基材シ−トと粘着剤の接着性を改善して、使用後に
テ−プ等を被着体より剥離する際に、いわゆる糊残りを
無くする。 【構成】 軟質合成樹脂よりなる基材シ−トの片面もし
くは両面に、発泡剤を含有するプライマ−を塗工した後
加熱発泡して、プライマ−層表面に気泡によるまたは気
泡の破壊による凹凸を形成し、該プライマ−層に粘着剤
層を積層することを特徴とする粘着シ−ト。
等の基材シ−トと粘着剤の接着性を改善して、使用後に
テ−プ等を被着体より剥離する際に、いわゆる糊残りを
無くする。 【構成】 軟質合成樹脂よりなる基材シ−トの片面もし
くは両面に、発泡剤を含有するプライマ−を塗工した後
加熱発泡して、プライマ−層表面に気泡によるまたは気
泡の破壊による凹凸を形成し、該プライマ−層に粘着剤
層を積層することを特徴とする粘着シ−ト。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文具・電気絶縁用粘着テ
−プ、建材・鋼板用保護フイルム、ばん創膏・皮膚貼付
薬シ−ト等の医療用粘着フイルム等の基材シ−トと粘着
剤の密着力の改善に関する。詳しくは、セロファン、塩
化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂等の軟質合成樹脂よ
りなる基材シ−トに、アクリル系樹脂等のプライマ−
(下塗り剤ともいう。)層を介してゴム系等の粘着剤を
塗布した前記の粘着フイルムに関する。更に、粘着テ−
プの背面処理における背面離型剤のプライマ−としても
利用できる。
−プ、建材・鋼板用保護フイルム、ばん創膏・皮膚貼付
薬シ−ト等の医療用粘着フイルム等の基材シ−トと粘着
剤の密着力の改善に関する。詳しくは、セロファン、塩
化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂等の軟質合成樹脂よ
りなる基材シ−トに、アクリル系樹脂等のプライマ−
(下塗り剤ともいう。)層を介してゴム系等の粘着剤を
塗布した前記の粘着フイルムに関する。更に、粘着テ−
プの背面処理における背面離型剤のプライマ−としても
利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来、上記の電気絶縁用テ−プ、事務用
テ−プ、医療用テ−プ等は、基材シ−トとしてクラフト
紙、セロファン、軟質塩化ビニル系樹脂フイルム、ポリ
エチレン樹脂フイルム等が多く使用され、 粘着剤とし
ては天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、
ブタジエン・アクリロニトリルゴム(NBR)、ポリイ
ソブチレン(BR)等に、クマロンインデン樹脂、テル
ペン樹脂等の粘着付与剤を含有させた組成物を使用す
る。
テ−プ、医療用テ−プ等は、基材シ−トとしてクラフト
紙、セロファン、軟質塩化ビニル系樹脂フイルム、ポリ
エチレン樹脂フイルム等が多く使用され、 粘着剤とし
ては天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、
ブタジエン・アクリロニトリルゴム(NBR)、ポリイ
ソブチレン(BR)等に、クマロンインデン樹脂、テル
ペン樹脂等の粘着付与剤を含有させた組成物を使用す
る。
【0003】基材シ−トとしてよく使用される軟質合成
樹脂フイルムの多くは、疎水性であり、粘着剤の多くは
親水性であることから両者を積層して前記粘着テ−プを
形成するためには、基材シ−トに予めプライマ−をコ−
テイングして、それらの密着力の改善を図っている.プ
ライマ−は、基材シ−トの特性(臨界表面張力)と粘着
剤の特性によって相違するが、例えば、基材シ−トがセ
ロハンで粘着剤が天然ゴム系であるときは両者の特性
を、両者の中間的な特性を有する材料、例えば、天然ゴ
ムとカゼインの混合物、天然ゴムとポリビニルアルコ−
ルの混合物等で設計される。
樹脂フイルムの多くは、疎水性であり、粘着剤の多くは
親水性であることから両者を積層して前記粘着テ−プを
形成するためには、基材シ−トに予めプライマ−をコ−
テイングして、それらの密着力の改善を図っている.プ
ライマ−は、基材シ−トの特性(臨界表面張力)と粘着
剤の特性によって相違するが、例えば、基材シ−トがセ
ロハンで粘着剤が天然ゴム系であるときは両者の特性
を、両者の中間的な特性を有する材料、例えば、天然ゴ
ムとカゼインの混合物、天然ゴムとポリビニルアルコ−
ルの混合物等で設計される。
【0004】皮膚貼付薬シ−トとして使用する粘着テ−
プにおいて、基材シ−トが軟質塩化ビニル系樹脂フイル
ムであって、粘着剤がヂエン系ブロック共重合体樹脂で
あるときは、分子中に親水基を含有するポリエステル樹
脂と重合性二重結合含有単量体(メチルメタアクリレ−
ト樹脂等)の共重合体との反応物または混合物が開示さ
れている(特開昭 63−254170号公報「熱可塑
性樹脂成形用表面処理剤」高松油脂(株))。
プにおいて、基材シ−トが軟質塩化ビニル系樹脂フイル
ムであって、粘着剤がヂエン系ブロック共重合体樹脂で
あるときは、分子中に親水基を含有するポリエステル樹
脂と重合性二重結合含有単量体(メチルメタアクリレ−
ト樹脂等)の共重合体との反応物または混合物が開示さ
れている(特開昭 63−254170号公報「熱可塑
性樹脂成形用表面処理剤」高松油脂(株))。
【0005】場合に依っては、薬剤が基材シ−トに移行
して粘着剤層の薬剤量が減少して所期の治療効果を損な
うことがある。これを防止するために、塩化ビニル系樹
脂フイルムとポリエチレンテレフタレ−トフイルム(以
下、PETフイルムという。)を予め積層して、そのP
ETフイルム表面に、PETフイルムおよび前記のジエ
ン系ブロック共重合体とに親和性のあるプライマ−層を
形成することにより、粘着剤層の薬剤が、塩化ビニル系
樹脂フイルムに移行、拡散することを防止し、同時に、
塩化ビニル系樹脂フイルムに含有される可塑剤が粘着剤
層に移行することも防止することもできる。
して粘着剤層の薬剤量が減少して所期の治療効果を損な
うことがある。これを防止するために、塩化ビニル系樹
脂フイルムとポリエチレンテレフタレ−トフイルム(以
下、PETフイルムという。)を予め積層して、そのP
ETフイルム表面に、PETフイルムおよび前記のジエ
ン系ブロック共重合体とに親和性のあるプライマ−層を
形成することにより、粘着剤層の薬剤が、塩化ビニル系
樹脂フイルムに移行、拡散することを防止し、同時に、
塩化ビニル系樹脂フイルムに含有される可塑剤が粘着剤
層に移行することも防止することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たようにプライマ−層を介して基材シ−トと粘着剤層を
積層しても、製造条件により、または、組成により両者
の接着性について充分といえないことがある。具体的
に、前記のプライマ−層と粘着剤との密着力が不足する
ときは、例えば、皮膚貼付薬シ−トとしたとき、使用後
に皮膚貼付薬シ−トを皮膚より剥離する際に、薬剤を含
有していた水性粘着剤層の一部が、皮膚に付着したまま
残ることがある(「糊残り」ともいう。)。残された水
性粘着剤はそれ自体の粘性により人に不快感を与えると
共に、汚れを付着させ不快感を増大する。 また、他の
分野、例えば保護フイルム、粘着テ−プ等に於いても親
水性樹脂または疎水性樹脂フイルムの上に、相反する性
質を有する粘着剤を塗布する場合には、同様にプライマ
−層を設ける場合があるが、この場合にも同様に糊残り
の問題を生じる。
たようにプライマ−層を介して基材シ−トと粘着剤層を
積層しても、製造条件により、または、組成により両者
の接着性について充分といえないことがある。具体的
に、前記のプライマ−層と粘着剤との密着力が不足する
ときは、例えば、皮膚貼付薬シ−トとしたとき、使用後
に皮膚貼付薬シ−トを皮膚より剥離する際に、薬剤を含
有していた水性粘着剤層の一部が、皮膚に付着したまま
残ることがある(「糊残り」ともいう。)。残された水
性粘着剤はそれ自体の粘性により人に不快感を与えると
共に、汚れを付着させ不快感を増大する。 また、他の
分野、例えば保護フイルム、粘着テ−プ等に於いても親
水性樹脂または疎水性樹脂フイルムの上に、相反する性
質を有する粘着剤を塗布する場合には、同様にプライマ
−層を設ける場合があるが、この場合にも同様に糊残り
の問題を生じる。
【0007】これは、化学組成的にが基材シ−ト、プラ
イマ−および粘着剤の臨界表面張力がうまく調整できて
いない場合もあるが、物理的に低粘度(通常50〜20
0CPS)のプライマ−を厚さ0.1〜5μmに塗工す
ることにより、プライマ−層表面が鏡面を形成し接着面
積が最小となることも考えられる。
イマ−および粘着剤の臨界表面張力がうまく調整できて
いない場合もあるが、物理的に低粘度(通常50〜20
0CPS)のプライマ−を厚さ0.1〜5μmに塗工す
ることにより、プライマ−層表面が鏡面を形成し接着面
積が最小となることも考えられる。
【0008】
【発明の構成】そこで本願発明は、プライマ−層に基材
シ−トの軟化温度以下で分解する発泡剤を含有させたプ
ライマ−層を、乾燥時または粘着剤層と同時に乾燥させ
るに際に発泡させて、プライマ−層表面に気泡によるま
たは気泡の破れたクレ−タ−により凹凸を形成し、プラ
イマ−層と粘着剤の界面を拡大して両者の接着力を増強
しようとするものである。具体的には、軟質合成樹脂よ
りなる基材シ−トの片面もしくは両面に、発泡剤を含有
するプライマ−を塗布した後、該発泡剤の分解温度以上
に加熱し、プライマ−層表面に気泡によるまたは気泡が
破いて凹凸を形成し、該プライマ−層の上に粘着剤を塗
布して粘着剤層を形成することを特徴とする粘着シ−ト
の製造方法、及び、該製造方法により得られた粘着シ−
トに関する。
シ−トの軟化温度以下で分解する発泡剤を含有させたプ
ライマ−層を、乾燥時または粘着剤層と同時に乾燥させ
るに際に発泡させて、プライマ−層表面に気泡によるま
たは気泡の破れたクレ−タ−により凹凸を形成し、プラ
イマ−層と粘着剤の界面を拡大して両者の接着力を増強
しようとするものである。具体的には、軟質合成樹脂よ
りなる基材シ−トの片面もしくは両面に、発泡剤を含有
するプライマ−を塗布した後、該発泡剤の分解温度以上
に加熱し、プライマ−層表面に気泡によるまたは気泡が
破いて凹凸を形成し、該プライマ−層の上に粘着剤を塗
布して粘着剤層を形成することを特徴とする粘着シ−ト
の製造方法、及び、該製造方法により得られた粘着シ−
トに関する。
【0009】本発明に使用される基材シ−トとしては、
通常使用されるセロファン、紙、布等を特に排除するも
のではないが、主として軟質合成樹脂フイルム、特に塩
化ビニル系樹脂フイルム、ポリエチレンフイルム等が使
用される。粘着剤としては用途により設計されるが、医
療用では親水性ゲル粘着剤、SIS等に、粘着付与剤と
してロジン(例えば、荒川化学株式会社製)等、およ
び、薬剤が配合される。プライマ−としては、ポリエス
テル系樹脂を主体とした高松油脂株式会社製・WAC−
10,IN−177−9等が使用される。
通常使用されるセロファン、紙、布等を特に排除するも
のではないが、主として軟質合成樹脂フイルム、特に塩
化ビニル系樹脂フイルム、ポリエチレンフイルム等が使
用される。粘着剤としては用途により設計されるが、医
療用では親水性ゲル粘着剤、SIS等に、粘着付与剤と
してロジン(例えば、荒川化学株式会社製)等、およ
び、薬剤が配合される。プライマ−としては、ポリエス
テル系樹脂を主体とした高松油脂株式会社製・WAC−
10,IN−177−9等が使用される。
【0010】事務用テ−プ、電気絶縁テ−プの粘着剤と
しては天然ゴム、SBR、NBR等のの組成物が好んで
使用され、これには通常、粘着付与剤としてはクマロン
インデン樹脂、テルペン樹脂、ピコペ−ル、ロジン等が
使用される。プライマ−としては、アクリル系樹脂組成
物等が使用される。以下、本願発明を、構成要件にした
がって説明する。
しては天然ゴム、SBR、NBR等のの組成物が好んで
使用され、これには通常、粘着付与剤としてはクマロン
インデン樹脂、テルペン樹脂、ピコペ−ル、ロジン等が
使用される。プライマ−としては、アクリル系樹脂組成
物等が使用される。以下、本願発明を、構成要件にした
がって説明する。
【0011】皮膚貼付薬シ−トの基材シ−トとしての塩
化ビニル系樹脂フイルムは、皮膚等へのなじみや風合い
に優れるためには、塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、
比較的高く、1700〜3000の範囲にあることが好
ましい。また、粘着剤層への移行性またはプライマ−、
PETフイルムとの接着性を配慮すると、平均分子量1
000〜8000の高分子量可塑剤を含有することが好
ましく、皮膚に貼付する際に基材シ−トに反りや湾曲を
生じないためには、上記高分子可塑剤を塩化ビニル系樹
脂100重量部に対し45〜80重量部含有する軟質塩
化ビニル系樹脂フイルムとすることが好ましい。更に、
皮膚に貼付したときに違和感を生じないためには、厚さ
が50〜150μmの範囲であることが必要である。5
0μm未満であるときは、物理的強度が不足し、取扱い
中または使用中に破けることがあり、150μmを超え
ると、厚さによる剛性が大きく、いわゆるごわごわした
感じが強くなり皮膚になじみ難くなる。
化ビニル系樹脂フイルムは、皮膚等へのなじみや風合い
に優れるためには、塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、
比較的高く、1700〜3000の範囲にあることが好
ましい。また、粘着剤層への移行性またはプライマ−、
PETフイルムとの接着性を配慮すると、平均分子量1
000〜8000の高分子量可塑剤を含有することが好
ましく、皮膚に貼付する際に基材シ−トに反りや湾曲を
生じないためには、上記高分子可塑剤を塩化ビニル系樹
脂100重量部に対し45〜80重量部含有する軟質塩
化ビニル系樹脂フイルムとすることが好ましい。更に、
皮膚に貼付したときに違和感を生じないためには、厚さ
が50〜150μmの範囲であることが必要である。5
0μm未満であるときは、物理的強度が不足し、取扱い
中または使用中に破けることがあり、150μmを超え
ると、厚さによる剛性が大きく、いわゆるごわごわした
感じが強くなり皮膚になじみ難くなる。
【0012】上記高分子可塑剤としては、特に、エステ
ル系高分子可塑剤、例えば、フタル酸のポリエチレング
リコ−ルジエステル、ポリプロピレングリコ−ルジエス
テル、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレンジエステ
ル等のポリアルキレングリコ−ルジエステルや、アジピ
ン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレング
リコ−ルジエステル、ポリプロピレングイコ−ルジエス
テル、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−
ル等のポリアルキレングリコ−ルジエステルを挙げるこ
とが出来る。
ル系高分子可塑剤、例えば、フタル酸のポリエチレング
リコ−ルジエステル、ポリプロピレングリコ−ルジエス
テル、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレンジエステ
ル等のポリアルキレングリコ−ルジエステルや、アジピ
ン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレング
リコ−ルジエステル、ポリプロピレングイコ−ルジエス
テル、ポリエチレングリコ−ルポリプロピレングリコ−
ル等のポリアルキレングリコ−ルジエステルを挙げるこ
とが出来る。
【0013】更に、本発明においては、塩化ビニル系樹
脂フイルムは、いわゆる無毒系の安定剤を適量に含有す
る。例えば、既によく知られているカルシウム−亜鉛安
定剤を挙げることができる。電気絶縁用テ−プに使用す
る基材シ−トとしては、塩化ビニル系樹脂フイルムが多
く使用される。
脂フイルムは、いわゆる無毒系の安定剤を適量に含有す
る。例えば、既によく知られているカルシウム−亜鉛安
定剤を挙げることができる。電気絶縁用テ−プに使用す
る基材シ−トとしては、塩化ビニル系樹脂フイルムが多
く使用される。
【0014】その塩化ビニル系樹脂フイルムは、重合度
1000〜15000の塩化ビニル系樹脂100重量部
に低分子量可塑剤例えばDOP,TCP等を40〜60
重量部、耐熱・耐候性安定剤を1〜5重量部、その他必
要量の顔料、充填剤を含有する組成物を、主としてカレ
ンダ−加工法により、厚さ約150μmに圧延して成形
される。
1000〜15000の塩化ビニル系樹脂100重量部
に低分子量可塑剤例えばDOP,TCP等を40〜60
重量部、耐熱・耐候性安定剤を1〜5重量部、その他必
要量の顔料、充填剤を含有する組成物を、主としてカレ
ンダ−加工法により、厚さ約150μmに圧延して成形
される。
【0015】なお、これらの用途においても塩化ビニル
系樹脂フイルムに限定するものではなく、用途に応じて
ポリウレタンフイルム、ポリエチレンフイルム等も使用
できる。皮膚貼付薬シ−ト用に使用するプライマ−とし
ては、例えば、分子中に親水基を含有するポリエステル
樹脂と重合性二重結合含有単量体との共重合体の水溶液
が使用される。分子中に親水基を含有するポリエステル
樹脂としては、二塩基飽和有機酸ジオ−ル系の重縮合反
応により得られるポリマ−で、構造中にポリエチレング
リコ−ル、水酸基、カルボシル基、カルボニル基、アミ
ノ基、メチルカルボニル基、カルボン酸基、スルホン酸
基、硫酸エステル塩、リ酸エステル塩、第4級アンモニ
ウム塩等の親水基を含んだものである。
系樹脂フイルムに限定するものではなく、用途に応じて
ポリウレタンフイルム、ポリエチレンフイルム等も使用
できる。皮膚貼付薬シ−ト用に使用するプライマ−とし
ては、例えば、分子中に親水基を含有するポリエステル
樹脂と重合性二重結合含有単量体との共重合体の水溶液
が使用される。分子中に親水基を含有するポリエステル
樹脂としては、二塩基飽和有機酸ジオ−ル系の重縮合反
応により得られるポリマ−で、構造中にポリエチレング
リコ−ル、水酸基、カルボシル基、カルボニル基、アミ
ノ基、メチルカルボニル基、カルボン酸基、スルホン酸
基、硫酸エステル塩、リ酸エステル塩、第4級アンモニ
ウム塩等の親水基を含んだものである。
【0016】また、重合性二重結合含有単量体は、代表
的にはビニルモノマ−としてメチルメタアクリレ−ト
(以下MMAという。)、グリシジルアクリレ−トとM
MAの混合物、または、メチルメタアクリレ−トメタア
クリル酸とMMAの混合物があげられる。電気絶縁用テ
−プに使用するプライマ−としてはアクリル系樹脂のブ
レンド物またはグラフトポリマ−が使用される。
的にはビニルモノマ−としてメチルメタアクリレ−ト
(以下MMAという。)、グリシジルアクリレ−トとM
MAの混合物、または、メチルメタアクリレ−トメタア
クリル酸とMMAの混合物があげられる。電気絶縁用テ
−プに使用するプライマ−としてはアクリル系樹脂のブ
レンド物またはグラフトポリマ−が使用される。
【0017】なお、プライマ−は、基材シ−トおよび粘
着剤の特性により変動するものであり、前記以外のアク
リル系、ポリウレタン系、ポリエステル系プライマ−等
も使用できる場合がある。プライマ−に混合して使用す
る発泡剤は、ニトロソ系発泡剤(DPT:ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、分解温度=130〜190゜
C)、スルホヒドラジド系発泡剤(BSH:ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、分解温度=90〜95゜C)、ア
ゾ系発泡剤(ABN:アゾビスイソブチロニトリル、分
解温度=110〜115゜C )またはこれらの混合物
が使用される。
着剤の特性により変動するものであり、前記以外のアク
リル系、ポリウレタン系、ポリエステル系プライマ−等
も使用できる場合がある。プライマ−に混合して使用す
る発泡剤は、ニトロソ系発泡剤(DPT:ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、分解温度=130〜190゜
C)、スルホヒドラジド系発泡剤(BSH:ベンゼンス
ルホニルヒドラジド、分解温度=90〜95゜C)、ア
ゾ系発泡剤(ABN:アゾビスイソブチロニトリル、分
解温度=110〜115゜C )またはこれらの混合物
が使用される。
【0018】発泡剤の選択については、その分解温度が
130〜150゜Cが望ましい。基材シ−トの軟化温度
以下であることを要すると共に、プライマ−が乾燥せず
液体状態では分解しても気泡を構成せず、完全に乾燥す
ると気泡が破れなくなり共に表面の凹凸の形成が小さく
なる。また、添加量についてもプライマ−100重量部
にたいして2〜5重量部が好適に用いられる。0.5重
量部以下では表面を荒す効果が現れず、10重量部を越
えた場合もそれ以下の場合と差が見られない。粘着剤と
しては、皮膚貼付薬シ−トでは、親水性ゲル粘着剤(ポ
リビニルアルコ−ル、セルロ−ズ誘導体、ゼラチン、蛋
白質系高分子、ポリアクリル酸樹脂等と水より構成され
る。)、スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体
が代表的に使用される。
130〜150゜Cが望ましい。基材シ−トの軟化温度
以下であることを要すると共に、プライマ−が乾燥せず
液体状態では分解しても気泡を構成せず、完全に乾燥す
ると気泡が破れなくなり共に表面の凹凸の形成が小さく
なる。また、添加量についてもプライマ−100重量部
にたいして2〜5重量部が好適に用いられる。0.5重
量部以下では表面を荒す効果が現れず、10重量部を越
えた場合もそれ以下の場合と差が見られない。粘着剤と
しては、皮膚貼付薬シ−トでは、親水性ゲル粘着剤(ポ
リビニルアルコ−ル、セルロ−ズ誘導体、ゼラチン、蛋
白質系高分子、ポリアクリル酸樹脂等と水より構成され
る。)、スチレン−ジエン−スチレンブロック共重合体
が代表的に使用される。
【0019】電気絶縁用テ−プ、文具用等用途により、
合成ゴム系、天然ゴム系、アクリル系粘着剤が使用され
る。
合成ゴム系、天然ゴム系、アクリル系粘着剤が使用され
る。
【0020】
【作用】塩化ビニル系樹脂フイルム等の基材に、グラビ
ア法により前記発泡剤を含有するプライマ−を塗布し、
加熱により溶媒を蒸発乾燥させる際に、発泡剤の分解温
度以上に加温することによりプライマ−層を発泡させ
る。溶媒の乾燥の程度と分解のタイミングにより、その
層の表面に気泡による、又は、気泡の破れによる凹凸を
形成して、いわゆるアンカ−効果により接着面積を拡大
して、接着力を上げようとするものである。特に、プラ
イマ−層が適当な硬さを有した時気泡が破れるように条
件を設定すれば、クレ−タ−状の凹凸が形成されてその
効果は一層大きくなる。
ア法により前記発泡剤を含有するプライマ−を塗布し、
加熱により溶媒を蒸発乾燥させる際に、発泡剤の分解温
度以上に加温することによりプライマ−層を発泡させ
る。溶媒の乾燥の程度と分解のタイミングにより、その
層の表面に気泡による、又は、気泡の破れによる凹凸を
形成して、いわゆるアンカ−効果により接着面積を拡大
して、接着力を上げようとするものである。特に、プラ
イマ−層が適当な硬さを有した時気泡が破れるように条
件を設定すれば、クレ−タ−状の凹凸が形成されてその
効果は一層大きくなる。
【0021】この面に粘着剤を塗布すれれば、接着剤の
凹凸に従って粘着剤が絡みつき、いわゆるアンカ−効果
により、基材シ−トと粘着剤が強固に接着する。皮膚貼
付薬シ−トとして使用するとき、薬剤を含有する粘着剤
が皮膚に残るなどの問題が解消する。粘着フイルム、保
護フイルム等の同様な分野に於いても、同じ効果を生ず
る。
凹凸に従って粘着剤が絡みつき、いわゆるアンカ−効果
により、基材シ−トと粘着剤が強固に接着する。皮膚貼
付薬シ−トとして使用するとき、薬剤を含有する粘着剤
が皮膚に残るなどの問題が解消する。粘着フイルム、保
護フイルム等の同様な分野に於いても、同じ効果を生ず
る。
【0022】
【実施例】以下皮膚貼付薬シ−トに例をあげて、本発明
を具体的に説明する。 実施例1 皮膚貼付薬シ−トは基材シ−トにプライマ−層、粘着剤
が積層され、図1に示すように構成される。以下各構成
要素について説明する。
を具体的に説明する。 実施例1 皮膚貼付薬シ−トは基材シ−トにプライマ−層、粘着剤
が積層され、図1に示すように構成される。以下各構成
要素について説明する。
【0023】基材シ−トは、塩化ビニル系樹脂100重
量部にポリエステル系可塑剤を50重量部、カルシュウ
ム−亜鉛系安定剤を5重量部を含有する組成物を、カレ
ンダ−加工により厚さ100μmに圧延成形して得られ
たフイルムである。プライマ−Aは、ポリエステル系樹
脂(高松油脂(株)製 ペスレジンA−1100)およ
びビニル系樹脂(メチルメタアクリレ−ト樹脂)との共
重合体を30重量部を親水性有機溶剤(水)70重量部
に溶解した組成物(高松油脂(株)製 商品名ペスレジ
ンWAC−10)100重量部に、発泡剤としてアゾ系
発泡剤である大塚化学(株)社製 ユニフォ−ムAZM
3(分解点=139゜C、揮発分=0.11%、灰分=
8.9%)を3重量部混合した。
量部にポリエステル系可塑剤を50重量部、カルシュウ
ム−亜鉛系安定剤を5重量部を含有する組成物を、カレ
ンダ−加工により厚さ100μmに圧延成形して得られ
たフイルムである。プライマ−Aは、ポリエステル系樹
脂(高松油脂(株)製 ペスレジンA−1100)およ
びビニル系樹脂(メチルメタアクリレ−ト樹脂)との共
重合体を30重量部を親水性有機溶剤(水)70重量部
に溶解した組成物(高松油脂(株)製 商品名ペスレジ
ンWAC−10)100重量部に、発泡剤としてアゾ系
発泡剤である大塚化学(株)社製 ユニフォ−ムAZM
3(分解点=139゜C、揮発分=0.11%、灰分=
8.9%)を3重量部混合した。
【0024】粘着剤としては、前記のポリビニルアルコ
−ルを主体とする親水性ゲル粘着剤を使用する。試料の
調製は、前記基材シ−トに粗さ150メッシュの表面を
もった直径250mmのシリンダ−を具備したグラビア
コ−タ−によりプライマ−Aを、乾燥後正味厚さが約2
μmとなる量を塗布し、150゜Cの乾燥炉で1分間加
熱し乾燥・発泡させ基材シ−トとプライマ−層の構造体
Aを調製した。
−ルを主体とする親水性ゲル粘着剤を使用する。試料の
調製は、前記基材シ−トに粗さ150メッシュの表面を
もった直径250mmのシリンダ−を具備したグラビア
コ−タ−によりプライマ−Aを、乾燥後正味厚さが約2
μmとなる量を塗布し、150゜Cの乾燥炉で1分間加
熱し乾燥・発泡させ基材シ−トとプライマ−層の構造体
Aを調製した。
【0025】その上に前記粘着剤を塗布し100゜C常
温で1分乾燥させて厚さ約500μmの粘着剤層を有す
る皮膚貼付薬シ−ト1を得た。密着性の評価方法は、前
記皮膚貼付薬シ−トの粘着剤面を上面として机の上に平
面状に広げ、親指で強く擦って粘着剤の剥離する程度を
観察する。プライマ−層の表面粗さは、前記皮膚貼付薬
シ−トの調製工程の粘着剤を塗布する前の状態(構造体
A)のプライマ−層の面を、表面粗さ計((株)ミツト
ヨ製 サ−フテスト201型表面粗さ測定機)により測
定する。
温で1分乾燥させて厚さ約500μmの粘着剤層を有す
る皮膚貼付薬シ−ト1を得た。密着性の評価方法は、前
記皮膚貼付薬シ−トの粘着剤面を上面として机の上に平
面状に広げ、親指で強く擦って粘着剤の剥離する程度を
観察する。プライマ−層の表面粗さは、前記皮膚貼付薬
シ−トの調製工程の粘着剤を塗布する前の状態(構造体
A)のプライマ−層の面を、表面粗さ計((株)ミツト
ヨ製 サ−フテスト201型表面粗さ測定機)により測
定する。
【0026】評価結果を表1、実施例1に示す。 比較例1 皮膚貼付薬シ−トでは図2に示すように基材シ−ト、プ
ライマ−層および粘着剤層により構成される。基材シ−
ト及び粘着剤層は組成および厚さ等について実施例1と
同様な構成とした。
ライマ−層および粘着剤層により構成される。基材シ−
ト及び粘着剤層は組成および厚さ等について実施例1と
同様な構成とした。
【0027】比較例に使用するプライマ−Bは、実施例
1において使用したプライマ−Aより、発泡剤を除いた
組成、即ち、高松油脂(株)製 商品名WAC−10の
みとした。試料の作成は、実施例1と同様な塩化ビニル
系樹脂フイルムに、比較例1と同様なグラビアコ−タ−
にてプライマ−Bを塗工し、150゜C×1分間加熱し
て基材シ−トとプライマ−層の構造体Bを得た。
1において使用したプライマ−Aより、発泡剤を除いた
組成、即ち、高松油脂(株)製 商品名WAC−10の
みとした。試料の作成は、実施例1と同様な塩化ビニル
系樹脂フイルムに、比較例1と同様なグラビアコ−タ−
にてプライマ−Bを塗工し、150゜C×1分間加熱し
て基材シ−トとプライマ−層の構造体Bを得た。
【0028】該プライマ−層に比較例1に使用した親水
性ゲル粘着剤を厚さ500μmに塗工した。100゜C
にて1分乾燥させた皮膚貼付薬シ−ト2を調製した。評
価結果を表1、比較例1に示す。
性ゲル粘着剤を厚さ500μmに塗工した。100゜C
にて1分乾燥させた皮膚貼付薬シ−ト2を調製した。評
価結果を表1、比較例1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【効果】以上記載のとおり本発明は、皮膚貼付薬シ−
ト、保護フイルム、電気絶縁用テ−プ、文具用シ−ト等
基材シ−トにプライマ−を薄く塗布した後、粘着剤を塗
工する製品において、該プライマ−層の表面に凹凸を形
成することにより接着面積を増させることにより、それ
ぞれのシ−トの使用後、そのシ−トを剥離する際の、い
わゆる糊残りの欠点を改善するために従来にない効果を
発揮することができた。
ト、保護フイルム、電気絶縁用テ−プ、文具用シ−ト等
基材シ−トにプライマ−を薄く塗布した後、粘着剤を塗
工する製品において、該プライマ−層の表面に凹凸を形
成することにより接着面積を増させることにより、それ
ぞれのシ−トの使用後、そのシ−トを剥離する際の、い
わゆる糊残りの欠点を改善するために従来にない効果を
発揮することができた。
【図1】本願発明の実施例1に記載の皮膚貼付薬シ−ト
の断面図を示す。
の断面図を示す。
【図2】本願発明の比較例1に記載の皮膚貼付薬シ−ト
の断面図を示す。
の断面図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/00 M 8413−4F
Claims (2)
- 【請求項1】 軟質合成樹脂よりなる基材シ−トの片面
もしくは両面にプライマ−層を介して粘着剤が積層さ
れ、該プライマ−層と粘着剤層との界面がプライマ−層
を発泡させることによる気泡、または、気泡の破壊によ
り凹凸を形成していることを特徴とする粘着シ−ト。 - 【請求項2】 軟質合成樹脂よりなる基材シ−トの片面
もしくは両面に、発泡剤を含有するプライマ−を塗布し
た後、該発泡剤の分解温度以上に加熱し、プライマ−層
表面に気泡によるまたは気泡を破いて凹凸を形成した
後、該プライマ−層の上に粘着剤を塗布して粘着剤層を
形成することを特徴とする粘着シ−トの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13880493A JPH07145355A (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 粘着シ−トおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13880493A JPH07145355A (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 粘着シ−トおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145355A true JPH07145355A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=15230630
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13880493A Pending JPH07145355A (ja) | 1993-06-10 | 1993-06-10 | 粘着シ−トおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07145355A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7371300B2 (en) * | 1999-06-02 | 2008-05-13 | De-Bonding Limited | Adhesive composition comprising thermoexpandable microcapsules |
JP2016094517A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
KR20200073301A (ko) * | 2018-12-12 | 2020-06-24 | 유림특수화학 주식회사 | 밀착력 및 부착력이 우수한 lds 방식 회로기판 제조 방법 |
-
1993
- 1993-06-10 JP JP13880493A patent/JPH07145355A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7371300B2 (en) * | 1999-06-02 | 2008-05-13 | De-Bonding Limited | Adhesive composition comprising thermoexpandable microcapsules |
JP2016094517A (ja) * | 2014-11-13 | 2016-05-26 | リンテック株式会社 | 粘着シート |
KR20200073301A (ko) * | 2018-12-12 | 2020-06-24 | 유림특수화학 주식회사 | 밀착력 및 부착력이 우수한 lds 방식 회로기판 제조 방법 |
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