JPH0356598B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、感圧接着テープに関し、その接着剤
層はアルキルアクリレートと共重合性酸との共重
合体であり、この共重合体はその酸基を介して架
橋し得るものである。 米国特許第Re.24906号は、その接着剤が88−
97部のアルキルアクリレート及び従つて12−３部
の共重合性単量体例えばアクリル酸の共重合体か
ら本質的に成る、感圧接着テープに関する。この
アクリレート共重合体は、優れた接着性及び保持
力を与え、そして数年の貯蔵後でも観察できる劣
化はなかつた。 ある性質を改良するために、アクリレート共重
合体接着剤は架橋される。米国特許第2973286号
は、被覆を単に乾燥するのに必要であるよりもい
くぶん多い熱を適用し、被覆に先立つて加えられ
た有機過酸化物で架橋することによつて、耐溶剤
性が改良されることを教示している。米国特許第
2925174号は、ポリアミン、ポリオール又はポリ
エポキシドの如き多官能性化合物でアクリレート
共重合体を架橋することを教示している。架橋は
実質的に粘着性を低下させるので、テープがその
目的とする用途に適用される後迄架橋を最小にす
るように注意を払い、そして次に架橋を完了させ
るために加熱する。米国特許第4286047号のテー
プの感圧接着剤アクリレート共重合体は、オキシ
ラン基を含み、これは紫外線照射で活性化され、
実質的に非粘着性になるように高度に架橋させる
ことができる。これは、架橋前に除去困難な場合
でも、微妙なエレクトロニツクコンポーネントを
容易にテープから除くことを可能とする。米国特
許第3284423号及び米国特許第3740366号は、同様
に架橋可能な感圧接着剤アクリレート共重合体に
関する。 架橋することは感圧接着剤の接着性を改良でき
ることを認めるが、従来感圧接着テープの便宜が
高度に要求される多くの用途に、他の種類の接着
剤、例えば液体のものを用いる必要があつた。 本発明は、適用後架橋されると、特に高温で剪
断力に対する非常に高い抵抗性と共に、剥離力に
対する顕しい抵抗性を有するアクリレート感圧接
着テープに関する。結果的に、感圧接着テープと
しては従来適していると考えられなかつた目的に
有用である。この新規なテープは、架橋される前
は非常に僅か粘着性でありそして架橋された後は
更に非粘着性になるが、その非架橋粘着性は通常
の室温で殆んどの清潔な表面に直接接着するのに
充分であり、そして１年以上通常の室温で貯臓後
もこの性質を保持する。従つて、架橋剤は潜在し
ている。テープの接着剤層は、自動車のバツクミ
ラーの装備ボタンを接着する如き目的に用いら
れ、このボタンは共重合体を架橋するための穏や
かな加熱中そこの場所に保持される。加熱段階の
直後、比較的重いもの、例えば鏡などは、据え付
け設備から吊ることができる。架橋結合は、水弁
の効果に対して非常に良好な低抗性を与え、かく
して実験室又は自動車の内部でしばしば遭遇する
高湿気に曝される領域に於けるガラス及びセラミ
ツクの如き親水性表面上の装備物体にテープを有
用なものにする。 本発明のテープは、裏打ち（バツキング）及び
上記米国特許第Re.24906号に記載した如きアク
リレート共重合体、即ち、 (a) 非三級アルコールのアクリル酸エステルであ
つて、その分子が１−14炭素原子を有し、該分
子の少なくとも大部分がヒドロキシル酸素原子
末端の４−12炭素原子の炭素−炭素鎖を有し、
該鎖は分子中の合計の少なくとも約1/2の炭素
原子を含有し、該アクリル酸エステルはそれ自
体で粘着性の伸張可能な弾性接着剤重合体団塊
に重合できるもの、及び (b) アクリル酸、メタアクリル酸、及びイタコン
酸より成る群から選ばれる少なくとも一種の共
重合可能なモノエチレン系単量体、 の共重合体から成る感圧接着剤層から成つてい
る。この特許のアクリレート共重合体とは違い、
共重合性単量体酸は、該単量体(a)及び(b)の合計の
10〜25重量％から成り、そして接着剤層は架橋剤
としてC_1-4アルキル基を有する低級アルコキシル
化アミノ ホルムアルデヒド縮合物、例えばヘキ
サメトキシメチルメラミン（アメリカン サイア
ナミド社から“Cymel”303として市販されてい
る）又はテトラメトキシ メチルウレア（アメリ
カン サイナアナミド社から“Beetle”65として
市販）又はテトラブトキシ メチルウレア
（“Beetle”85）を含む。接着剤は実質的に非架橋
であり、そして従つて例えば120℃で30分間のよ
うに穏やかに加熱されるまで、いくぶん粘着性を
保持する。アルコキシル化架橋剤は、共重合体の
約0.1〜0.8重量％、好ましくは0.4〜0.6％の範囲
の量で有効である。0.8％濃度以上では、過剰な
架橋が起りそして結果として剥離力に対する抵抗
性の低下が起る。 テープは、好ましくは米国特許第4181752号に
教示される如くしてつくられる。かくするため
に、上記単量体(a)及び(b)、及び光開始剤の混合物
が紫外線照射によつて部分的に重合され、被覆し
得る粘度、即ち300〜20000センチポイズを有する
シロツプが得られる。上記のアルコキシル化縮合
物を加えた後、混合物を担体ウエブ上に被覆し、
そして不活性雰囲気中で紫外線照射に曝し、かく
して貯蔵又は運送用に直ちにそれ自体をロール状
に巻きとることができる実質的に非架橋の感圧接
着テープが得られる。この工程では殆んど加熱さ
れないので、架橋は容易に回避することができ
る。 一方テープがアクリレート共重合体及びアルコ
キシル化縮合物の溶液又は分散体を担体ウエブ上
に被覆することによつてつくられるときは、共重
合体とアルコキシル化縮合物間の反応を避けるた
めに、揮発分を追い出すための加熱コントロール
すべきである。従つて、高揮発性媒体が好まし
い。 驚くべきことに、アルコキシル化縮合物を含有
するアクリレート共重合体の溶液は、通常の室温
での貯蔵中増粘しない。 担体ウエブが低接着表面に有するときは、この
新規テープは移転テープとして用いられる。この
ように用いられるときは、担体の両面は低接着被
覆を有し、その一つは他より有効である。巻かれ
ないときは、接着剤層は高接着表面に完全に接着
したままであり、そこからこれは続いて除かれ
る。 この新規テープ用の多くの期待される用途は、
粗雑な又は平らでない表面への順応性を促進しそ
して同様に剥離力に対して大きな抵抗性を得るた
めに、かなり厚い、例えば0.5〜0.5mmの被覆を要
求する。かかる厚さの被覆は、米国特許第
4181752号の溶媒なしの方法によつて１回通過で
つくられるが、一方溶液又は水性分散体の使用
は、一般に約0.2mmを越える厚さの平滑な、均一
な接着剤層を得るために、多層被覆を要求する。 比較的粗雑な又は平らでない表面に対する直接
の接着を促進するために、本発明の感圧接着テー
プは、カナダ国特許第747341号に於ける如く弾性
発泡体バツキングを有する。発泡体の一つ又は両
表面での感圧接着剤をもつ、かかる発泡体裏打ち
テープは、0.1〜2.0mmの全厚みを有する。二重被
覆発泡体裏打ちテープは、一つのある表面に高接
着に設計された一つの感圧接着層を有し、そして
その表面に接着される物体に高接着に設計された
他の感圧接着剤層を有する。 比較的粗雑な又は平らでない表面への直接の接
着は、米国特許第4223067号に教示されている如
くガラス微細泡を接着剤層に導入することによつ
て、達成することができる。比較的粗雑な又は平
らでない表面への直接の接着を達成する他の技術
は、光重合性単量体の部分混合物を泡立たせ、そ
して次にこの泡を担体ウエブ上に被覆し、続いて
不活性雰囲気下に紫外線照射でその場で重合する
ことである。 アクリレート単量体(a)がC_5-14アクリレート及
びC_1-4アクリレートの両方を含む場合に、本発明
のテープで最高の接着及び結合強度が得られた。
アクリル酸を所謂イソオクチルアルコール、即ち
比較的低価格で工業的に容易に入手できるオクチ
ルアルコールの種々の異性体の混合物でエステル
化することによつて得られるイソオクチルアクリ
レートが、C_5-14アクリレートとして好ましい。
好ましいC_1-4アクリレートは、メチル、エチル又
はｎ−ブチルアルコールから得られ、これらも同
様に合理的な価格で容易に入手できる。アクリル
酸が、好ましい共重合性単量体(b)であり、低価格
でそして特に上記米国特許第4181752号に方法に
よつてアクリレート類と容易に共重合し得る。酸
単量体(b)が合計単量体(a)及び(b)の12〜22重量％か
ら成るとき、最高の接着及び結合強度を得ること
ができる。 180°剥離値 硬質ゴムローラーを４回通過させて、テープを
ガラスプレートにその接着剤によつて接着する。
少なくとも24時間経過後、テープの遊離末端をス
ケールにとり付けそして約3.8cm／秒の速度でガ
ラスプレートをスケールから移動することによつ
て、180°での剥離（peelback）を測定する。テー
プは、試験前接着剤を架橋するために加熱するか
又はしなかつた。 分裂剥離値 プラスチツク本体側面成形物をステンレス鋼パ
ネルにテープの接着剤層によつて接着し、そして
Fisher Body Test Method TM45−88（1972年
８月25日）に記載される如く試験する。ある場合
には、異なつた基体を塗装鋼パネルの代りに用い
た。 静的剪断値 0.125mm厚さのアルミニウム箔裏打ちを有する
テープの細片を、２Kg硬質ゴムローラーを４回通
過させステンレス鋼プレートにその接着剤層によ
つて接着させ、テープの遊離末端はプレートを越
えて拡げそして接着剤接触領域は1.27cm×1.27cm
とする。少なくとも10分間待つか又は加熱し接着
剤を架橋するかいずれかの後、プレートを70℃の
オーヴンにいれ、そして剥離を防ぐために垂直か
ら2°の位置とした。オーヴン中10分後、１Kg重量
を遊離末端から懸垂し、そして重量物落下による
か又は少なくとも0.3cmの剥離によるいずれかに
よつて破綻が起る時間を記録する。10000分後に
破綻のないときは、試験を止める。 動的剪断値 テープの接着剤層の1.27cm×1.27cm部分を用
い、２つの鋼細片を一緒に結合し、そしてその組
立物を120℃に30分間加熱し接着剤を架橋させる。
室温に冷却後、1.27cm／分のはさみ部分の分離速
度で抗張力試験機での専断を試験する。 以下の実施例中特記しない限り、部数はすべて
重量表示でありそして試験値はすべて接着剤を
120℃で30分間架橋後試験表面と接触して行なつ
た２回の試験の平均である。 実施例 １ 72部イソオクチルアクリレート（IOA）、13部
のエチルアクリレート、及び15部のアクリル酸
（AA）の混合物を、0.04部の２−フエニル−２，
２−ジメトキシアセトフエノン（“Irgacure”
651）光開始剤と共にガラス広口びんにいれた。
CO₂でパージした後、広口びんを紫外線照射下に
穏やかに振盪し、被覆できる粘度の部分重量シロ
ツプを得た。更に0.1部の“Irgacure”651と0.4部
のヘキサメトキシメチル メラミンを加えた後、
シロツプを1.0mm〜0.05mm厚のポリエチレンテレ
フタレートの透明な二軸配向フイルムに被覆した
が、その処理表面は予め剥離剤で処理した。1200
ミリジユールの紫外線照射に曝すと、被覆は感圧
接着状態に実質的に完全に重合した。 この感圧接着テープの接着剤層は、2300N／ｄ
ｍの切断分裂剥離値及び13000N／ｄｍの継続分
裂剥離値を有した。塗装鋼パネルの代りに自動車
車体部品をつくるのに有用な硬質ポリウレタンの
パネルを用いた同じ試験では、切断は2100N／ｄ
ｍを越えそして継続分裂剥離値は1750N／ｄｍで
あつた。 実施例１テープの接着剤層の結合強度は、
ASTM試験法Ｄ−3759（抗張力）を用いて23℃で
測定したが、以下の結果を得た。 結合強度 伸 び (kPa) (%) 非架橋 2500 840 120℃で30分後 6000 715 120℃で60分後 5500 675 120℃で120分後 6000 675 実施例１テープの接着剤層の静的剪断値は、非
架橋のときは15分未満であり、そして120℃で30
分架橋後10000分より大きかつた。 実施例 ２−６ 試験結果と共に表Ａに記した如く、異なる単量
体量比を用いたことを除いて、実施例１に於ける
如くして感圧接着テープをつくつた。

【表】 実施例 ７−13 エチルアクリレートの代りにｎ−ブチルアクリ
レート（BA）及び表Ｂの記した如き種々の単量
体量比を用いたことを除いて、実施例１に於ける
如く感圧接着テープをつくつた。表Ｃは、架橋前
及び後の同じ接着剤層についての結合強度
（ASTM Ｄ−3759）を示す。

【表】

【表】 実施例 14−18 単量体を65部イソオクチルアクリレート、13部
ブチルアクリレート、及び22部アクリル酸とし、
種々の量のヘキサメトキシメチルメラミン架橋剤
を以下の如く用いたことを除いて、実施例１に於
ける如くテープをつくつた。 実施例 架橋剤部数 14 0.1 15 0.2 16 0.4 17 0.6 18 0.7 ガラスプレートからの分裂剥離値及び180°剥離
値を、表Ｄに示した如き種々の時間及び温度につ
いて結合試験片を加熱し、種々の架橋度を得た後
に、測定した。試験片のいくつかは、高温で水分
の影響に対する抵抗性を示すために、試験前38℃
でそして100％相対湿度で７日間條件を整えた。

【表】 実施例14−18の各テープについて、表Ｄに示す
如く架橋後静的剪断値を試験した。各々10000分
間こわれずに耐えた。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 担体ウエブ、及び (a) 非三級アルコールのアクリル酸エステルであ
   つて、その分子が１−14炭素原子を有し、該分
   子の少なくとも大部分がヒドロキシル酸素原子
   末端の４−12炭素原子の炭素−炭素鎖を有し、
   該鎖は分子中の合計の少なくとも約1/2の炭素
   原子を含有し、該アクリル酸エステルはそれ自
   体で粘着性の伸張可能な弾性接着剤重合体団塊
   に重合できるもの、及び (b) アクリル酸、メタアクリル酸及びイタコン酸
   より成る群から選ばれる少なくとも一種の共重
   合可能なモノエチレン系単量体、 の共重合体から成る感圧接着剤層、から成るテー
   プであつて、かつ共重合性単量体(b)は該単量体(a)
   及び(b)の10〜25重量％から成り、そして接着剤層
   は共重合体の約0.1〜0.8重量％の範囲の量で、
   C_1-4アルキル基を有する低級アルコオキシル化ア
   ミノホルムアルデヒド縮合物を含有し、該重合体
   は加熱される迄は実質的に非架橋であり、従つて
   ある程度粘着性を保つていることを特徴とするテ
   ープ。 ２ ホルムアルデヒド縮合物がヘキサメトキシメ
   チルメラミンであることを更に特徴とする上記第
   １項記載のテープ。 ３ 担体ウエブが、接着剤層をそれから容易に剥
   離することができる低接着性表面を有することを
   更に特徴とする上記第１項記載のテープ。 ４ 担体が両面上に低接着性表面を有し、そして
   テープがその上にロール状に巻かれていることを
   更に特徴とする上記第３項記載のテープ。 ５ 接着剤層が一つの表面で選択的に接着するよ
   うに、２つの低接着性表面が異なつていることを
   更に特徴とする上記第４項記載のテープ。 ６ 接着剤層が発泡体片の一つの表面に接着し、
   そして発泡体片の他の表面に接着したもう一つ他
   の感圧接着剤層があることを更に特徴とする上記
   第３項記載のテープ。 ７ (1)(a) 非三級アルコールのアクリル酸エステ
   ルであつて、その分子が１−14炭素原子を有
   し、該分子の少なくとも大部分がヒドロキシ
   ル酸素原子末端の４−12炭素原子の炭素−炭
   素鎖を有し、該鎖は分子中の合計の少なくと
   も約1/2の炭素原子を含有し、該アクリル酸
   エステルはそれ自体で粘着性の伸張可能な弾
   性接着剤重合体団塊に重合できるもの、及び (b) アクリル酸、メタアクリル酸及びイタコン
   酸より成る群から選ばれる少なくとも一種の
   共重合可能なモノエチレン系単量体、 と光開始剤との混合物に、紫外線を露光して被覆
   可能な粘度を有する部分重合シロツプを生成さ
   せ、 (2) 架橋剤をシロツプに添加し、 (3) これを担体ウエブ上に被覆し、そして (4) 不活性雰囲気下に、被覆に紫外線を当て重合
   を完成し感圧接着テープを与える、 各段階から成る、感圧接着テープの製造方法であ
   つて、かつ共重合性単量体(b)が該単量体(a)及び(b)
   の10〜25重量％から成り、架橋剤が共重合体の約
   0.1〜0.8重量％の範囲内の量の低級アルコキシル
   化アミノホルムアルデヒド縮合物であり、該共重
   合体は加熱されるまでは実質的に非架橋であり、
   従つてある程度粘着性を保持していることを特徴
   とする、感圧接着テープの製造方法。