JPH09235526A - 位相差板用表面保護テープ - Google Patents

位相差板用表面保護テープ

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JPH09235526A
JPH09235526A JP4475596A JP4475596A JPH09235526A JP H09235526 A JPH09235526 A JP H09235526A JP 4475596 A JP4475596 A JP 4475596A JP 4475596 A JP4475596 A JP 4475596A JP H09235526 A JPH09235526 A JP H09235526A
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plate
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tape
pressure
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JP4475596A
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Masakatsu Tagami
昌克 田上
Takahiko Sawada
貴彦 澤田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、液晶表示板の部品に使用される位相
差板の表面保護テープに関するものである。 【解決手段】合成樹脂フィルム2の一面に粘着層3が設
けられてなる位相差板5用表面保護テープ1に於いて、
前記粘着層3が、重量平均分子量が20万以上で、平均
SP値が8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 のア
クリル系共重合体を主成分とする粘着剤組成物からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示板の部品
に使用される位相差板用表面保護テープに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】位相差板用表面保護テープは、位相差板
のコロナ放電処理面に傷、塵埃が付くのを防止する目的
で使用される。一般に知られている液晶表示板の上部構
造は、図2に示すように、液晶セルのガラス面8に粘着
層6を介して、コロナ放電処理された位相差板5が設け
られ、該コロナ放電処理面4の上に、粘着剤組成物層1
0を介して、偏光板9が設けられた構造になっている。
即ち、位相差板用表面保護テープは、液晶セルのガラス
面8に粘着層6を介して設けられた位相差板5のコロナ
放電処理面4上に貼付され、次工程の偏光板を装着する
時には剥離・除去され、位相差板のコロナ放電処理面の
上に粘着剤付き偏光板が積層される。位相差板用の表面
保護テープは、上述のように、液晶表示板の組立の1工
程に於いて使用されるものである。
【0003】位相差板の保護テープは一般的にコスト的
な理由から、基材としてポリエチレン系樹脂(PE)が
使用され、粘着層としてエチレン−酢酸ビニル系共重合
体(EVA)を主成分とする組成物が使用されてきた。
しかし、上述のPEとEVAからなる表面保護テープを
位相差板の保護に適用すると、時間の経過と共に粘着層
に含まれる低分子量の低極性成分が表面に移行して、こ
れが位相差板の表面処理面に付着し、偏光板の位相差板
に対する粘着性を著しく悪化させ、特に、高温、高湿度
下で剥離現象を起すという問題点があった。
【0004】この現象を解決する為に、例えば、特開平
4−347802号公報に於いては、疎水性プラスチッ
クの延伸フィルムからなる位相差板の一方の面をコロナ
放電処理し、該位相差板の他方の面に粘着層を設けた液
晶表示板用の位相差板が提案されている。しかし、位相
差板の表面をコロナ放電処理して粘着性をいくら向上さ
せても、従来のPE/EVA系の表面保護テープを使用
する限り、該テープの粘着層から粘着性を阻害する物質
が移行してしまう為、抜本的な解決にはならなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、図2の如き
液晶表示板の製品構造とその組立工程を考慮して、位相
差板、偏光板、表面保護テープの材質、要求機能を分析
し、位相差板と偏光板との両者に対する粘着剤の親和性
を考慮して、表面保護テープの粘着層を形成する粘着剤
組成物の中の低分子成分の移行性と極性を制御して、位
相差板と偏光板との密着力を良好にし、長期間の耐久性
を保証することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の位相差板用表面
保護テープは、合成樹脂フィルムの一面に粘着層が設け
られてなる位相差板用表面保護テープに於いて、前記粘
着層が、重量平均分子量が20万以上で、平均SP値が
8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 のアクリル系
共重合体を主成分とする粘着剤組成物からなることを特
徴とする。
【0007】電子部品としての液晶表示板の部分構造
は、ポリカーボネート樹脂などの低極性樹脂からなる位
相差板に、アクリル系共重合体からなる粘着層を介し
て、偏光板が積層された構造となっている。位相差板に
積層される偏光板は、耐久性、耐熱性、透明性が要求さ
れる電子材料部品である為、粘着加工された偏光板とし
て供給され、粘着層は特殊設計されたアクリル系共重合
体を架橋させて、凝集力と耐熱性をあげ、高温になって
も粘着層に気泡が生じないように工夫されている。
【0008】元来、アクリル系共重合体は、位相差板の
原料であるポリカーボネート樹脂などの極性の低い被着
体には、充分な粘着性を発揮させることが困難で、これ
を解決する為には、共重合体の架橋密度を低下させる
か、粘着付与剤を配合する方法が取られるが、前者の方
法は、粘着剤の凝集力と耐熱性が減少し、後者の方法
は、再剥離性がなくなり、被着体に糊残りを生じさせた
り、粘着付与剤の被着体への移行など各種の問題があ
る。従って、位相差板の方から粘着性の向上を図る為、
一般に、位相差板の偏光板を粘着する面にコロナ放電処
理が施され表面極性を向上させている。
【0009】このように表面極性が向上された位相差板
の表面に、従来のPE/EVA系の表面保護フィルムを
貼付すると、粘着層の中に含まれるEVAの低極性低分
子量成分が、位相差板の表面に移行して、偏光板の位相
差板に対する粘着性を阻害している事実が発見された
為、本発明に於いては、粘着層を形成する粘着剤組成物
として、偏光板を位相差板に粘着する粘着剤と同じ系統
のアクリル系共重合体を選定し、位相差板の表面に該共
重合体の低分子成分が移行したとしても、偏光板の位相
差板に対する粘着性を阻害しないように工夫したもので
ある。
【0010】図1に示す如く、本発明の位相差板用表面
保護テープ1は、離型紙7の上に粘着層6を介して設け
られた位相差板5(必要に応じてコロナ放電処理された
表面4)の表面保護テープとして使用されるものであっ
て、合成樹脂フィルム2の一面に粘着層3が設けられた
構造となっており、図示していない偏光板を位相差板5
の表面に粘着する時に、表面保護テープは剥離・除去さ
れるものである。
【0011】それ故に、合成樹脂フィルムは、特に限定
されるものではなく、位相差板の表面を、損傷、塵埃か
ら保護し、表面接着性を維持するに充分なフィルム材料
であればよい。具体的には、例えば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重
合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン
等のポリオレフィン系、ポリビニルアルコール、ポリ塩
化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化
ビニリデン、ポリスチレンなどの通常ビニル共重合体、
ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなど重縮合体の
フィルムが挙げられ、延伸、非延伸を問わず、これらの
単層フィルム或いは2種以上の積層されたものが使用さ
れる。経済性の点で、汎用樹脂フィルムが好ましく、特
に、ポリオレフィンフィルムは、加工が容易で、適度な
柔軟性があり、特殊な添加剤を配合する必要がない為、
さらに好ましい。
【0012】本発明の表面保護テープを構成する粘着剤
組成物層は、重量平均分子量が20万以上あって、平均
SP値が8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 の範
囲にあるアクリル系共重合体から構成された粘着剤組成
物からなる。
【0013】アクリル系共重合体としては、アルキル基
の炭素数が1〜12の範囲にあるアルキル(メタ)アク
リル酸エステルと極性基を有するビニルモノマーとを共
重合させた重合体が好ましい。
【0014】アルキル基の炭素数が1〜12のアルキル
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペン
チル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソ
オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)ア
クリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの少なく
とも1種が使用される。
【0015】極性基を有するビニルモノマーとしては、
例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン
酸、(無水)マレイン酸、フマール酸等のカルボン酸を
含有するビニルモノマー;酢酸ビニル、スチレン、N−
ビニルピロリドン、アクリロニトリル等の高いガラス転
移点を有するビニルモノマー;2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリル酸等の水酸基を含有するビニルモノマー;テト
ラフルフリルアクリレート、ポリエチレングリコールア
クリレート等の低いガラス転移点を有するモノマー等が
挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。
【0016】上記極性基を有するビニルモノマーの含有
量は、アルキル(メタ)アクリル酸エステル100重量
部に対し、ビニルモノマー1〜80重量部にするのが好
ましく、より好ましくは1〜30重量部である。1重量
部未満の場合は、極性部分の効果が少なく、充分な粘着
性が得られないから、偏光板に対する密着力が不足す
る。又、80重量部を越えると、粘着剤の極性が高くな
り、低極性被着体に対する粘着性が良好でなく、初期粘
着力が低下する。
【0017】SP値(溶解性パラメーター)は、高分子
重合体の極性の程度を表すパラメーターであって、凝集
エネルギー密度(CDE)の平方根で表現され、高分子
重合体の単位体積当たりの極性の大きさを示す数値であ
る。本発明の平均SP値は、Solvency Tes
ting法(「Polymer Handbook」第
3版、Brandrup,Immergut編、198
9年、Interscience(New York,
London,Sydney)発行、p.VII/52
2)に基づいて実測した値である。
【0018】本発明のアクリル系共重合体の平均SP値
は、8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 の範囲で
あることが必要である。SP値が8.5(cal/cm
3 1/2 未満の場合は、極性の高い被着体には粘着剤と
して不適当である。即ち、既に説明したように、位相差
板に偏光板を、工業的要求性能を満足させて、粘着する
為に、アクリル系粘着剤が採用されているが、位相差板
が低極性の樹脂のポリカーボネートからできている為、
元来、アクリル系粘着剤は極性の低い材料には粘着性が
良好でないため、位相差板の表面の極性が、粘着性向上
のため、コロナ放電などの手段で、敢えて高極性にして
あるからである。それ故に、平均SP値が8.5(ca
l/cm3 1/2 未満のアクリル系共重合体からなる粘
着層を有する位相差板用の表面保護テープを、位相差板
の表面保護に使用すると、位相差板に対する粘着性が低
い上に、該アクリル系共重合体に含まれる低分子量成分
は、当然、極性が低く、これが位相差板の高極性表面に
移行・被覆して、表面極性を低下させて、次工程の偏光
板の位相差板に対する粘着性を劣悪にするからである。
【0019】又、平均SP値が12.5(cal/cm
3 1/2 を越えると、粘着昂進性が顕著になり過ぎ、再
剥離性が著しく悪くなる。即ち、平均SP値が12.5
(cal/cm3 1/2 を越えるアクリル系共重合体か
らなる粘着層を有する位相差板用の表面保護テープを、
位相差板の表面保護に使用すると、時間の経過と共に粘
着昂進が進行し、次工程の偏光板を位相差板に粘着する
時に、表面保護テープが位相差板から容易に剥離せず、
最悪の場合は、基材のフィルムまで位相差板の表面に残
る場合がある。
【0020】本発明の表面保護テープの用途対象となる
位相差板は、材質が低極性のポリカーボネート樹脂から
なる位相差板であって、位相差板の表面がコロナ放電さ
れていることが、必須条件と限定する必然性はなく、材
質を問わず、位相差板の表面極性値が、コロナ放電処理
された表面極性(39ダイン/cm以上)と同等であれ
ば充分である。
【0021】アクリル系共重合体の重合方法としては、
従来の公知の方法が採用され、溶液重合、塊状重合、乳
化重合、懸濁重合などが行われる。重合開始方法は、特
に限定するものではないが、ラジカル重合、イオン重
合、紫外線重合、放射線重合などいずれを利用しても構
わないが、通常、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのラジカル開始剤が採用され、分子量調
節剤として、ラウリルメルカプタンなどの連鎖移動剤が
使用される。更に、アクリル共重合体は、通常のランダ
ム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体を含
み、これらの少なくとも1種の混合物でも構わない。
【0022】アクリル系共重合体の重量平均分子量の測
定方法は、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によ
り、標準架橋ポリスチレンを基準とし、テトラヒドロフ
ランを分離剤として使用し、検出は屈折計を用いて測定
して算出した重量平均分子量である。本発明のアクリル
系共重合体の重量平均分子量は、アクリル系共重合体か
らなる粘着剤組成物の過剰な低分子成分を抑え、適度な
凝集力を得る為に、20万以上が必要である。重量平均
分子量が20万未満の場合は、粘着層の凝集力が不足
し、表面保護テープを位相差板から剥離する時に、粘着
層が凝集破壊を起こして、位相差板の上に、糊残りを起
こす。
【0023】アクリル系共重合体の重量平均分子量は、
重合方法、触媒量、温度、連鎖移動剤などで制御できる
が、高重合度のアクリル系共重合体を粘着剤組成物とし
て、本発明の表面保護テープの製造に適用するには、塗
工材料として、粘度が高過ぎる場合が多い。それ故に、
アクリル系共重合体からなる粘着剤組成物の成分とし
て、架橋剤を添加し、表面保護テープを製造する塗工工
程で、アクリル系共重合体を架橋して、重量平均分子量
を上げた粘着層を形成させても良い。
【0024】アクリル系共重合体の架橋剤としては、該
共重合体に組込まれた活性水素成分と化学反応する物質
が主に選定され、多官能性有機化合物、有機金属化合
物、有機金属塩が挙げられ、これらの少なくとも1種が
使用される。具体的に例示すると、N,N’−ヘキサメ
チレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキシアミ
ド)、N,N’−ジフェニルメタン−1,6−ビス(1
−アジリジンカルボアミド)、トリメチロールプロパン
−トリ−β−アジリジニルプロピオネート等の2官能以
上のアジリジン化合物、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリメチロールプロパントリレンジイソシアネート
付加物等のイソシアネート系化合物、N,N,N’,
N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン等のエ
ポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル
などのエポキシ化合物、アルキルエーテル化メラミン樹
脂、アミノ樹脂、アルミニウム、錫、亜鉛、チタン等の
多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステルの配
位化合物、金属キレートなどが挙げられる。
【0025】本発明のアクリル系共重合体からなる粘着
層は、表面保護テープの実用的な性能を確保する為、上
述の架橋剤の他に、紫外線吸収剤、老化防止剤、粘着付
与剤、粘度調節剤など各種添加剤が配合されても構わな
い。
【0026】表面保護テープの粘着層を形成する方法と
して、通常、上記のアクリル系共重合体の粘着剤組成物
を有機溶剤に均一に溶解した溶液を、テープ基材の合成
樹脂フィルムに均一に塗工・加熱・乾燥させて、粘着層
が形成される。粘着剤組成物を塗布する形態は、上述の
ような有機溶剤による溶液粘着剤組成物であっても、エ
マルジョンのような水分散系粘着剤組成物、固形の粘着
性樹脂組成物などでも構わず、従来の公知の方法で塗布
できる。粘着層の肉厚は、乾燥状態で、1〜10μmが
好ましく、さらに好ましくは、2〜5μmである。1μ
m未満の場合は、位相差板に対し充分な粘着性が得られ
ず、10μmを越えると、粘着性が大きく、剥離が困難
になる場合がある。
【0027】(作用)本発明の表面保護テープを構成す
る粘着層としては、偏光板を位相差板に粘着する粘着剤
と同じ系統のアクリル系共重合体が選定され、位相差板
と偏光板との両者に対して要求される粘着剤組成物の性
能、極性、親和性の相違を考慮して、表面保護テープを
構成する粘着層の中のアクリル系共重合体の極性、凝集
力、低分子量成分等を、重量平均分子量と平均SP値で
以て制御して、位相差板と偏光板との密着力を良好に
し、長期間の耐久性を確保させることに成功した。特
に、本発明の表面保護テープを構成するアクリル系共重
合体からなる粘着剤組成物は、位相差板の表面に該共重
合体の低分子成分が移行しても、偏光板の位相差板に対
する粘着性を阻害しないばかりか、むしろ位相差板表面
を高極性にして、次工程の偏光板の位相差板に対する粘
着性を向上させた。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明する為
に、以下に、実施例、比較例を挙げる。
【0029】実施例1、実施例2、比較例1〜比較例4 1)アクリル系粘着剤組成物の調整 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス導
入口を備えた5口フラスコを用意し、5口フラスコに、
表1に示した配合のように、酢酸エチル、各種アクリル
モノマーを入れ、連鎖移動剤としてラウリルメルカプタ
ンを酢酸エチルに溶解して、滴下ロートに入れる。攪拌
しながら、フラスコ内を窒素ガスで、空気を充分置換
し、加熱して70℃に昇温する。70℃に到達し、温度
が安定したら、滴下ロートから、重合開始剤として、ア
ゾビスイソブチロニトリルの酢酸エチル溶液をフラスコ
に投入する。重合温度は70℃に所定時間維持して、ア
クリル系共重合体からなる粘着剤成分を得た。得られた
粘着剤成分を、樹脂分が40重量%になるように酢酸エ
チルで希釈し、架橋剤として、樹脂100重量部に対
し、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−ア
ジリジンカルボキシアミド)0.02重量部とトリメチ
ロールプロパントリレンジイソシアネート0.40重量
部とを添加・攪拌して、アクリル系粘着剤組成物A〜D
を得た。
【0030】2)表面保護テープの作製 表面保護テープを構成する樹脂フィルムとして、肉厚2
5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人
製、GS−25)を使用し、これにアクリル系粘着剤組
成物A' 〜D' を、ワイヤーバーにて、肉厚5μm/m
2 (乾燥固形分換算)塗布し、100℃のオーブンで3
分間乾燥して、各種表面保護テープを作製した。さら
に、位相差板用保護テープの従来の製品(PE/EVA
系)として、積水化学社製、保護テープなしの2種につ
いて、上記の実施例、比較例と同様な性能テストを行っ
た。
【0031】3)表面保護テープの性能評価 位相差板への移行促進テスト ポリカーボネート製の位相差板(富士フィルム社製、R
PT)の表面を、出力500Wでコロナ放電処理を行
い、コロナ放電処理面に、上記2)で作製した表面保護
テープを皺が入らないように、ラミネーターで貼り合わ
せた。得られた位相差板と表面保護フィルムとの積層体
を、40℃のオーブンに7日間放置して、表面保護テー
プのアクリル系粘着剤層の位相差板への移行促進テスト
を行い、下記の(1)〜(4)の試験を行った。
【0032】(1)表面保護フィルムの剥離力の測定 移行促進テスト後、積層体を幅25mmの短冊状に裁断
し、JIS Z−0237「粘着テープ・粘着シート試
験方法」に準拠し、23℃、65%RHの雰囲気下に2
4時間放置した後、同雰囲気下で、高速剥離試験機を用
い、300mm/分の剥離速度で、「180度引き剥が
し試験」を行い、剥離力(g/25mm)を求めた。結
果は表2に示される。
【0033】(2)表面保護テープ剥離後の位相差板の
表面張力 移行促進テスト後、位相差板から表面保護テープを剥離
し、剥離面の位相差板の表面張力を測定した。測定は各
種表面張力の標準液の濡れ試験より測定した。結果は表
2に示される。
【0034】(3)耐久性;90℃における耐熱性 移行促進テスト後、位相差板の表面保護テープ剥離面
に、偏光板(サンリッツ社製、LLC2−9218S
F、25μmアクリル系粘着剤付き、ポリビニルアルコ
ール系偏光板)を粘着し、位相差板の他方の面は、ガラ
ス板に固定する。かくして、偏光板/位相差板/ガラス
板の積層体(図2参照、液晶表示板の上部構造と同じ構
造)は、40℃、5気圧のオートクレーブに30分間装
填され、粘着剤組成物層から空気抜きが行われた。空気
抜きされた上記積層体を90℃のオーブンに24時間放
置し、偏光板と位相差板との剥離状態を目視で観察す
る。表2の×印は剥離が発生したことを示し、○印は剥
離が発生しないことを示す。結果は表2に示された。
【0035】(4)耐久性・耐湿度性;60℃、90%
RH 上記(3)の空気抜きされた積層体を、60℃、90%
RHの雰囲気に24時間放置し、偏光板と位相差板との
剥離状態を目視で観察する。表2の×印は剥離が発生し
たことを示し、○印は剥離が発生しないことを示す。結
果は表2に示されている。
【0036】以上の実施例、比較例を纏めると、実施例
1、2の本発明のアクリル系粘着剤組成物は、移行促進
テスト後、表面保護テープの剥離力の上昇はなく、位相
差板の表面張力を向上させて、偏光板の接着性を向上さ
せている。一方、比較例5〜7に見られるように、従来
品のPE/EVA系の表面保護テープは、位相差板の表
面張力が低く、コロナ放電の効果も見られず、耐熱試験
で位相差板と偏光板との剥離が見られる。比較例1は、
アクリル系共重合体の極性を低めた例で、移行促進テス
ト後、表面保護テープの剥離力が低く、位相差板の表面
張力が低下し、耐久性試験で、位相差板と偏光板との剥
離が見られる。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の位相差板用
表面保護テープは、上記のごとく構成されているので、
位相差板と偏光板との密着力を良好にし、長期間の耐久
性を確保させることに成功し、本発明の表面保護テープ
を構成するアクリル系粘着剤組成物層から位相差板の表
面に、該共重合体の低分子成分が移行しても、偏光板の
位相差板に対する接着性を阻害しないばかりか、むしろ
位相差板表面を高極性にして、次工程の偏光板の位相差
板に対する接着性を向上させた。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面保護テープ付き位相差板の模式的
断面図。
【図2】本発明の液晶表示板の上部構造及び耐久性テス
ト試料の模式的断面図。
【符号の説明】
1 表面保護テープ 2 合成樹脂フィルム 3 粘着層 4 コロナ放電処理面 5 位相差板 6 粘着層 7 離型紙 8 ガラス板 9 偏光板 10 粘着層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂フィルムの一面に粘着層が設け
    られてなる位相差板用表面保護テープに於いて、前記粘
    着層が、重量平均分子量が20万以上で、平均SP値が
    8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 のアクリル系
    共重合体を主成分とする粘着剤組成物からなることを特
    徴とする位相差板用表面保護テープ。
JP4475596A 1996-03-01 1996-03-01 位相差板用表面保護テープ Withdrawn JPH09235526A (ja)

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JP4475596A JPH09235526A (ja) 1996-03-01 1996-03-01 位相差板用表面保護テープ

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