JP6564678B2 - 接着シート及び成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、接着シート及び成形品に関する。
接着シートは、例えば、被着体表面の保護、加飾等に用いられるものであり、接着シートの構成としては、例えば、樹脂基材層と接着剤層とが積層された構成が挙げられる。樹脂基材層と接着剤層に用いられる樹脂の組成が異なる場合、樹脂基材層と接着剤層との密着性が不充分となることがある。そのため、樹脂基材層と接着剤層との間にプライマー層を設け、樹脂基材層と接着剤層との密着性を向上させることが検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2等)。
特許文献1には、特定のポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層及び特定の極性接着性樹脂(B)を有する層が連続した積層体が開示されている。上記積層体によれば、ポリオレフィン系樹脂基材に対する優れた付着性と同時に、ポリエステル系樹脂等の極性の高い基材に対しても良好な付着性を有し、かつ、タック性が低く取扱性に優れたプライマー、ホットメルト接着フィルム、加飾フィルムを提供できることが開示されている。また、特許文献2には、ウレタンプレポリマー含有のプライマー組成物に接着剤を介して化粧層が形成された化粧材が開示されている。上記化粧材によれば、化粧層との密着性がよく、作業性が低下することなく基材を強化でき、重ね塗りを必要とせず、塗布量低減による乾燥時間の短縮が可能であることが開示されている。
特開2014−008694号公報 特許第5078959号公報
塩化ビニル系樹脂は、伸びがよく、破断し難いことから、接着シートの基材として好適に用いられる。接着剤層には、施工性に優れることから、高温環境下で接着力を発現するホットメルト接着剤を用いることが検討されている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を含有する被着体への接着性が良好であることから、ポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤が好適に用いられる。しかしながら、ポリ塩化ビニルとポリオレフィン系樹脂のように組成の異なる樹脂を含有する樹脂層同士は、密着性が不充分であるため、層間剥離が起こることがあり、充分な接着力と貼り付け後の寸法安定性とを得るためには、検討の余地があった。
以上のことから、異組成の基材層と接着剤層との間で層間剥離が起こり難く、寸法安定性に優れた接着シートが求められていた。
本発明者は、ポリ塩化ビニル基材層と、ポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤層との間に、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有する第一のプライマー層、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有する第二のプライマー層を設けることで、ポリ塩化ビニル基材層とホットメルト接着剤層との密着性を向上させ、層間剥離が起こり難く、寸法安定性に優れた接着シートが得られることを見出し、本発明を完成した。
本発明の接着シートは、ポリ塩化ビニル基材層、第一のプライマー層、第二のプライマー層、及び、ホットメルト接着剤層の順で積層され、上記第一のプライマー層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、上記第二のプライマー層は、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有し、上記ホットメルト接着剤層は、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする。
上記ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物は、上記ウレタン系樹脂の配合量(重量部)と上記エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量(重量部)との比が、30:70〜70:30であることが好ましい。
上記接着シートは、加飾用接着シートであることが好ましい。
本発明の成形品は、本発明の接着シートとポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、又は、ポリオレフィン系樹脂を含有する被着体とを積層したことを特徴とする。
本発明の接着シートは、ポリ塩化ビニル基材層と、ポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤層との間に、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有する第一のプライマー層と、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有する第二のプライマー層とを配置することで、上記ポリ塩化ビニル基材層と上記ホットメルト接着剤層との密着性を高めることができるため、層間剥離が起こり難く、寸法安定性に優れる。
本発明の接着シートの一例を模式的に示した断面図である。
本発明の接着シートは、ポリ塩化ビニル基材層、第一のプライマー層、第二のプライマー層、及び、ホットメルト接着剤層の順で積層され、上記第一のプライマー層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、上記第二のプライマー層は、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有し、上記ホットメルト接着剤層は、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする。
以下、本発明の接着シートについて図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の接着シートの一例を模式的に示した断面図である。図1に示したように、接着シート10は、ポリ塩化ビニル基材層11、第一のプライマー層12、第二のプライマー層13、及び、ホットメルト接着剤層14の順で積層される。
[ポリ塩化ビニル基材層]
ポリ塩化ビニル基材層11は、塩化ビニル系樹脂組成物からなる基材層である。ポリ塩化ビニル基材は、伸びがよく、破断し難いことから、接着シートの基材として好適に用いられる。また、ポリ塩化ビニル基材は、設計の自由度が高い、エンボス加工が可能である、印刷性、耐薬品性、耐候性に優れる等の理由から接着シートの基材として好適に用いられる。
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、特に限定されないが、例えば、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを含有する組成物等が挙げられる。
上記塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニルの単独重合体、塩化ビニルと共重合可能な他の単量体と塩化ビニルとの共重合体等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂は、印刷適性や視認性、寸法安定性に優れる点から、塩化ビニルの単独重合体が好ましい。
上記塩化ビニルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;エチレン、プロピレン、スチレン等のオレフィン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル等の(メタ)アクリル酸エステル;マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジエチル等のマレイン酸ジエステル;フマル酸ジブチル、フマル酸ジエチル等のフマル酸ジエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル等が挙げられる。上記塩化ビニル系樹脂における、上記重合可能な他の単量体の含有量は、通常、50重量%以下であり、好ましくは10重量%以下である。
上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、特に限定されないが、好ましい下限は700であり、好ましい上限は1400である。上記平均重合度が700未満であると、樹脂組成物を溶融してカレンダー成形する際に、成形品の表面が粗くなること、成形品が脆くなることがある。上記平均重合度が1400を超えると、溶融した樹脂組成物の耐熱性が不充分で加工できなかったり、成形品の耐熱性や耐候性が劣化したりすることがある。上記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、JISK−6721「塩化ビニル樹脂試験方法」に準拠して測定することができる。
上記可塑剤としては、特に限定されず、シートの分野において通常使用されるものを用いることができ、例えば、フタル酸オクチル(ジー2−エチルヘキシルフタレート(DOP))、フタル酸ジブチル、フタル酸ジノニル等のフタル酸ジエステル;アジビン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル等の脂肪族二塩基酸ジエステル;トリクレジルホスフェート、トリオクチルホスフェート等のリン酸トリエステル;エポキシ化大豆油やエポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;高分子ポリエステル可塑剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記高分子ポリエステル可塑剤としては、例えば、フタル酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステル;アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族二塩基酸のポリエチレングリコールジエステル;ポリプロピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールジエステル等のポリアルキレングリコールジエステルが挙げられる。
上記塩化ビニル系樹脂100質量部に対する、上記可塑剤の含有量の好ましい下限は5重量部であり、好ましい上限は40重量部である。上記可塑剤の含有量が5重量部未満であると、柔軟性に乏しく、被着体に貼り付けた際に被着体の表面形状に追従することができないことがある。上記可塑剤の含有量が40重量部を超えると、可塑剤がポリ塩化ビニル基材層11の表面にブリードしてポリ塩化ビニル基材層11の表面の鮮明性等を劣化させたり、第一のプライマー層12側にブリードして第一のプライマー層12との接着力を低下させたりすることがある。上記塩化ビニル系樹脂100質量部に対する、上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は15重量部であり、より好ましい上限は30重量部である。
上記塩化ビニル系樹脂組成物は、必要に応じて、各種添加剤が適量添加されていてもよい。上記添加剤としては、例えば、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤、改質剤、難燃剤、帯電防止剤、補強剤、防曇剤、充填剤、希釈剤、防カビ剤等が挙げられる。上記熱安定剤としては、例えば、鉛(Pb)、バリウム(Ba)、亜鉛(Zn)、カルシウム(Ca)、錫(Sn)等を含有する金属有機酸化合物等が挙げられる。
ポリ塩化ビニル基材層11の厚みの好ましい下限は50μmであり、好ましい上限は400μmであり、より好ましい下限は80μmであり、より好ましい上限は300μmであり、更に好ましい下限は100μmであり、更に好ましい上限は200μmである。上記ポリ塩化ビニル基材層の厚みが50μm未満であると、被着体に貼り付ける際に、薄くなり過ぎ、下地が透けてしまうことがある。上記ポリ塩化ビニル基材層の厚みが400μmを超えると、被着体に貼り付ける際に、接着シートの追従性が不充分となることがある。
[第一のプライマー層]
第一のプライマー層12は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有する。エチレン酢酸ビニル共重合体は極性基を有するため極性が高く、同じく極性が高い塩化ビニル系樹脂との親和性が良好である。そのため、第一のプライマー層12が、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有することで、ポリ塩化ビニル基材層11と第二のプライマー層13との密着性を良好なものとすることができる。
上記エチレン酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体であれば、特に限定されず、本発明の効果を損なわない範囲で、任意のエチレン酢酸ビニル共重合体を採用し得る。上記エチレン酢酸ビニル共重合体としては、例えば、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体が挙げられ、KV−128(コニシ株式会社製)等を用いることができる。上記エチレン酢酸ビニル共重合体としては、エチレンと酢酸ビニルの他に、他の化合物が共重合してもよく、例えば、メタクリル酸グリシジル−エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
第一のプライマー層12中の上記エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量について、第一のプライマー層12を構成する樹脂組成物100重量部に対する、上記エチレン酢酸ビニル共重合体の含有量の、好ましい下限は70重量部であり、好ましい上限は100重量部であり、より好ましい下限は80重量部であり、より好ましい上限は90重量部である。
第一のプライマー層12は、上記エチレン酢酸ビニル共重合体以外に、例えば、ウレタン系樹脂を含有してもよいし、含有しなくてもよい。ポリ塩化ビニル基材層11に対する粘着力を高めるためには、第一のプライマー層12が上記エチレン酢酸ビニル共重合体のみで構成されることが好ましい。第一のプライマー層12が、上記ウレタン系樹脂を含有する場合、上記エチレン酢酸ビニル共重合体と上記ウレタン系樹脂とは架橋されていないことが好ましい。上記エチレン酢酸ビニル共重合体と上記ウレタン系樹脂とを架橋させずに、ポリ塩化ビニル基材層11上に塗工することで、ポリ塩化ビニル基材層11との密着性を向上させることができるためである。
上記ウレタン系樹脂は、例えば、ポリオールとイソシアネートを反応させることにより得られる。上記ウレタン系樹脂としては、例えば、T−5265(広野化学工業株式会社製)、P−OL(ノーテープ工業株式会社製)等を用いることができる。
上記ポリオールとしては特に限定されず、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレントリオール、これらの共重合体等のポリアルキレングリコール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、さらにはこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリカプロラクトンポリオールとしては、例えば、ポリカプロテクトングリコール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、さらにはこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ジアルキルカーボネートとジオールとの反応物が挙げられる。
上記ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート;ジフェニルカーボネート等のジアリールカーボネート、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
上記ジオールとしては、例えば1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。上記ジオールとしては、炭素数が4〜9の脂環族又は脂環族ジオールが好ましく、例えば、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,7−ヘプタンジオ−ル、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、及び、1,9−ノナンジオールを単独で又は2種以上併用して使用することが好ましい。上記ジオールとしては、また、1,6−ヘキサンジオールと3−メチル−1,5−ペンタンジオールとからなるコポリカーボネートジオール、1,6−ヘキサンジオールと1,5−ペンタンジオールとからなるコポリカーボネートジオールも好ましい。
また、上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリカーボネートグリコール、ポリカーボネートトリオール、ポリカーボネートテトラオール、これらに側鎖を導入したり分岐構造を導入したりした誘導体、変成体、さらにはこれらの混合物等を用いることもできる。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、ジカルボン酸とグリコール成分とを脱水縮合させたものが挙げられる。
上記ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6‐ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸;マロン酸;コハク酸;グルタル酸;アジピン酸;アゼライン酸;セバシン酸等が挙げられる。
上記グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、トリエチレングリコール等の脂肪族グリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール;p−キシレンジオール等の芳香族ジオール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。
上記イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,4−ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等のジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。中でもコスト、安全性の面からジフェニルメタンジイソシアネートを用いるのが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ウレタン系樹脂は、ウレタンアクリレートであってもよい。上記ウレタンアクリレートは、例えば、上記ポリオールとイソシアネートを反応させることにより得られるウレタン系樹脂に、(メタ)アクリル酸モノマーを導入したものが挙げられる。
第一のプライマー層12が上記ウレタン系樹脂を含有する場合、第一のプライマー層12における、上記ウレタン系樹脂の配合量(重量部)と上記エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量(重量部)と比は、1:99〜25:75であることが好ましい。上記ウレタン系樹脂の割合が高いと、第一のプライマー層12とポリ塩化ビニル基材層11との密着性が不充分となることがある。上記ウレタン系樹脂の配合量(重量部)と上記エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量(重量部)との比は、1:99〜20:80であることがより好ましく、1:99〜15:85であることが更に好ましい。
第一のプライマー層12が上記ウレタン系樹脂を含有する場合、第一のプライマー層12は、更に、硬化剤を含有してもよい。
上記硬化剤としては、特に限定されず、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系硬化剤;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラグリシジルキシレンジアミン等のエポキシ系硬化剤;Al、Ni、Zn等の金属キレート剤;メラミン化合物等のアミノ樹脂系硬化剤が挙げられる。イソシアネート系硬化剤としては、例えば、デスモジュールL−75(住化バイエルウレタン株式会社製)、P−OL(ノーテープ工業株式会社製)等を用いることができる。
第一のプライマー層12は、更に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、着色剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、防徽剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、改質剤、充填剤、帯電防止剤、防黴剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。
第一のプライマー層12の厚みの好ましい下限は0.2μmであり、好ましい上限は5μmであり、より好ましい下限は0.5μmであり、より好ましい上限は2μmである。
[第二のプライマー層]
第二のプライマー層13は、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有する。第二のプライマー層13が、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有することで、段階的に極性を調整し、第一のプライマー層12とホットメルト接着剤層14との密着性を良好なものとすることができる。特に、ウレタン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂と極性が近く、ポリオレフィン系樹脂との親和性が高い。そのため、第二のプライマー層13がウレタン系樹脂を含有することで、極性が低いポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤層14との密着性を向上させることができる。
上記ウレタン系樹脂としては、上記第一のプライマー層12で挙げたものと同様のものを用いることができる。第一のプライマー層12が含有するウレタン系樹脂の種類と、第二のプライマー層13のウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物に用いられるウレタン系樹脂の種類とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上記エチレン酢酸ビニル共重合体としては、上記第一のプライマー層12で挙げたものと同様のものを用いることができる。第一のプライマー層12が含有するエチレン酢酸ビニル共重合体の種類と、第二のプライマー層13のウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物に用いられるエチレン酢酸ビニル共重合体の種類とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第二のプライマー層13は、更に、硬化剤を含有してもよい。上記硬化剤としては、上記第一のプライマー層12で挙げたものと同様のものを用いることができる。上記硬化剤の含有量は、上記ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との合計100重量部に対して1重量部以上、15重量部以下であってもよい。
上記ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物は、上記ウレタン系樹脂の配合量(重量部)と上記エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量(重量部)との比が、30:70〜70:30であることが好ましい。上記ウレタン系樹脂の割合が低いと、第二のプライマー層13とホットメルト接着剤層14との密着性が不充分となることがあり、上記ウレタン系樹脂の割合が高いと、第二のプライマー層13と第一のプライマー層12との密着性が不充分となることがある。上記ウレタン系樹脂と上記エチレン酢酸ビニル共重合体との配合比は、35:65〜65:35であることがより好ましく、40:60〜60:40であることが更に好ましい。
第二のプライマー層13は、更に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、着色剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、防徽剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、改質剤、充填剤、帯電防止剤、防黴剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。
第二のプライマー層13の厚みの好ましい下限は0.2μmであり、好ましい上限は5μmであり、より好ましい下限は0.5μmであり、より好ましい上限は2μmである。
[ホットメルト接着剤層]
ホットメルト接着剤層14は、ポリオレフィン系樹脂を含有する。ホットメルト接着剤層14が、ポリオレフィン系樹脂を含有することで、ポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等と極性が近くなるため、被着体がポリカーボネート系樹脂、ABS系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等を含有する被着体に対しても充分な接着性を発現することができる。なかでも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂を含有する被着体に対して好適に用いることができ、特に、ポリプロピレン系樹脂を含有する被着体に対して好適に用いることができる。また、高温環境下での施工に好適に用いることができる。
ホットメルト接着剤層14は、ポリオレフィン系樹脂を含有するため極性が低く、ポリ塩化ビニル基材層との密着性が低い。そこで、ポリ塩化ビニル基材層11とホットメルト接着剤層14との間に、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有する第一のプライマー層12と、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体とを含有する第二のプライマー層13とを配置することで、段階的に極性を調整し、組成の異なるポリ塩化ビニル基材層11とポリオレフィン系樹脂を含有するホットメルト接着剤層14との密着性を向上させることができる。そのため、第一のプライマー層12と第二のプライマー層13との積層順が逆であると、ポリ塩化ビニル基材層11とホットメルト接着剤層14との密着性が不充分となり、ポリ塩化ビニル基材層11とホットメルト接着剤層14との間で層間剥離が起こり易くなる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン、プロピレン−エチレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン/ブテン−1共重合体、エチレン/オクテン共重合体等のポリオレフィン;シクロペンタジエンとエチレン及び/又はプロピレンとの共重合体等の環状ポリオレフィン;エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、イソブチレン/無水マレイン酸共重合体等の極性基が導入されたポリオレフィン;無水マレイン酸変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アクリル酸変性ポリプロピレンなどの酸変性ポリプロピレン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ホットメルト接着剤層14としては、例えば、AT004(株式会社カネカ製)、PPET1303S、PPET1025(東亜合成株式会社製)等を用いることができる。
ホットメルト接着剤層14は、軟化温度が100℃〜160℃であってもよい。上記ホットメルト接着剤層14の軟化温度が100℃未満では、使用時に剥がれやベタツキが生じる可能性があり、160℃を超えると、貼付時の温度が高くなり、接着シート10自体又は被着体が熱劣化するおそれがあるからである。
ホットメルト接着剤層14中の上記ポリオレフィン系樹脂の含有量について、ホットメルト接着剤層14を構成する樹脂組成物100重量部に対する、上記ポリオレフィン系樹脂の含有量の好ましい下限は70重量部であり、好ましい上限は100重量部であり、より好ましい下限は80重量部であり、より好ましい上限は90重量部である。
ホットメルト接着剤層14は、更に、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、着色剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、防徽剤、難燃剤、安定剤、紫外線吸収剤、顔料、改質剤、充填剤、帯電防止剤、防黴剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。
ホットメルト接着剤層14の厚みの好ましい下限は10μmであり、好ましい上限は100μmであり、より好ましい下限は20μmであり、より好ましい上限は80μmである。ホットメルト接着剤層14の厚みが10μm未満では、被着体に対して十分な接着力を確保することができない場合がある。ホットメルト接着剤層14の厚みが100μmを超えると、高温で延伸して使用する際に、接着剤層の跡が接着シート10の表面に浮き上がるおそれがある。
ホットメルト接着剤層14の第二のプライマー層13側の表面は、コロナ処理がなされてもよい。接着シート10は、ホットメルト接着剤層14と第二のプライマー層13との間に充分な密着性を有するが、ホットメルト接着剤層14の表面にコロナ処理を行った後、第二のプライマー層13に積層することで、ホットメルト接着剤層14と第二のプライマー層13との間の密着性をより高めることができる。上記コロナ処理は、例えば、ホットメルト接着剤層14の表面にコロナ放電を照射すること行うことができる。上記コロナ処理により、ホットメルト接着剤層14の表面に極性基を露出させて改質することができる。
接着シート10は、ホットメルト接着剤層14側に、更に離型層を有してもよい。上記離型層としては、シートの分野において通常使用されるものを用いることができる。上記離型層としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、上質紙等の表面をシリコーン系剥離剤、アルキド系剥離剤、フッ素系剥離剤等でコーティングしたものが挙げられる。上記離型層は、上記ホットメルト接着剤層14側の表面だけ表面処理が施されてもよい。
接着シート10は、ポリ塩化ビニル基材層11の第一のプライマー層12と反対側の表面に印刷が施されてもよいし、ポリ塩化ビニル基材層11の第一のプライマー層12と反対側に印刷層を有してもよい。ポリ塩化ビニル基材層11への印刷又は印刷層の形成は、例えば、オフセット印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷等により行うことができる。また、ポリ塩化ビニル基材層11は、第一のプライマー層12と反対側の表面に、エンポス加工等により微細な凹凸を有してもよい。
接着シート10は、ポリ塩化ビニル基材層11側に、更に保護層を有してもよい。上記保護層としては、シートの分野において通常使用されるものを用いることができる。上記保護層としては、例えば、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等からなる樹脂層が挙げられる。
接着シート10の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル基材層11は、バンバリーミキサー等を用いて、上記塩化ビニル系樹脂組成物を溶融混練した後、カレンダー加工等により形成することができる。第一のプライマー層12は、例えば、エチレン酢酸ビニル共重合体を希釈溶剤と混合した後、グラビアロール等により、ポリ塩化ビニル基材層11上に塗工し、乾燥させることで形成することができる。第二のプライマー層13は、例えば、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体と硬化剤とを混合し、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を得た後、グラビアロール等により、第一のプライマー層12上に塗工し、乾燥させることで形成することができる。ホットメルト接着剤層14は、例えば、各種コーティング装置、バーコート、ドクターブレード等の汎用の成膜装置や成膜方法を用いて、離型層上にポリオレフィン系樹脂を含有する接着剤組成物を塗工し、その後乾燥することにより形成することができる。第二のプライマー層13上にホットメルト接着剤層14を積層することで、接着シート10を得ることができる。ホットメルト接着剤層14は、市販のポリオレフィン系のホットメルト接着シートを、第二のプライマー層13上に貼り付けてもよい。
接着シート10は、180°剥離試験で測定される接着力が、常温・常湿下において30N/25mm以上、100N/25mm以下であることが好ましい。上記180°剥離試験は、JIS Z 0237に準拠した方法で行われる。上記接着力の測定することにより、接着シート10の被着体に対する接着力を確認することができる。上記接着力が30N/25mm未満であると、被着体に対する接着力が不充分であり、使用時において、接着シート10が被着体から浮いてしまうことがある。上記接着力が100N/25mmを超えると、被着体に積層した後、貼り直しが困難となることがある。なお、180°剥離試験の試験方法の詳細については後述する。
接着シート10は、例えば、被着体の表面の保護、加飾等に用いることができる。なかでも、接着シート10は、加飾用接着シートであることが好ましい。接着シート10が加飾用接着シートである場合、上述のように、ポリ塩化ビニル基材層11の第一のプライマー層12と反対側の表面に印刷が施されるか、ポリ塩化ビニル基材層11の第一のプライマー層12と反対側に印刷層を有することが好ましい。
上記被着体としては、特に限定されないが、例えば、自転車、バイク、自動車、バス、電車等の車両;家具、家電製品等の家庭用品;キャビネット、事務机、パソコン等のオフィス用品;住宅等の建造物等;又は、これらの外装部品若しくは内装部品等が挙げられる。なかでも、自動車の内装部品、又は、住宅の内装部品に好適に用いることができる。
接着シート10は上記被着体に積層して、成形品を作製することができる。接着シート10が加飾用接着シートである場合は、上記被着体の表面に貼り付けて意匠性を高めることができる。
上記被着体の材質としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマ一等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、アイオノマー系樹脂、これらの樹脂に無機繊維等の各種添加剤が添加された樹脂組成物等が挙げられる。なかでも、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、オレフィン系熱可塑性エラストマ一等のポリオレフィン系樹脂に対して、高い接着力を発現することができる。
接着シート10は、特に、ポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂、及び、ポリオレフィン系樹脂に対して高い接着力を発現する。すなわち、本発明の成形品は、接着シート10とポリカーボネート系樹脂、ABS樹脂、又は、ポリオレフィン系樹脂を含有する被着体とを積層したものである。更に、ポリプロピレン系樹脂に対してより高い接着力を発現するため、本発明の成形品は、接着シート10とプロピレン系樹脂を含有する被着体とを積層したものであることが、好ましい。
上記被着体は、被着体全体が上記樹脂組成物で形成されていてもよい。また、上記被着体は、少なくとも、接着シート10が積層される領域が上記樹脂組成物を含有する構成であればよく、例えば、樹脂、金属、セラミック等からなる心材に、上記樹脂組成物を含有する被着体が積層された構成であってもよい。上記被着体の形状は、特に限定されない。
接着シート10を上記被着体に積層する方法としては、特に限定されず、ラミネート、真空成形、圧空成形、真空・圧空成形、インモールド成形、フィルムインサート成形等の方法を用いることができる。これらのなかでは、真空・圧空成形が好ましい。
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(ポリ塩化ビニル基材層の作製)
平均重合度が800の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、可塑剤を28重量部添加し、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。上記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの懸濁重合体を用いた。得られた塩化ビニル系樹脂組成物をバンバリーミキサーで溶融混練後、カレンダー加工により、ポリ塩化ビニル基材層を作製した。ポリ塩化ビニル基材層の膜厚は、100μmであった。
(第一のプライマー層の作製)
エチレン酢酸ビニル共重合体(コニシ株式会社製、KV−128)100重量部に対して、希釈溶剤(コニシ株式会社製、Gうすめ液)を15重量部添加して混合した。その後、180メッシュのグラビアロールを用いて、得られた混合液を上記ポリ塩化ビニル基材層上に10g/mとなるように塗工し、40℃で2分間乾燥させた。乾燥後の第一のプライマー層の厚みは、1μmであった。
(第二のプライマー層の作製)
ウレタン系樹脂(広野化学工業株式会社製、T−5265)50重量部に対して、エチレン酢酸ビニル共重合体(コニシ株式会社製、KV−128)を50重量部、イソシアネート系硬化剤(住化バイエルウレタン株式会社製、デスモジュールL−75)を5重量部添加して混合し、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を得た。その後、180メッシュのグラビアロールを用いて、得られた混合物を含む混合液を上記第一のプライマー層上に10g/mとなるように塗工し、40℃で2分間乾燥させた。乾燥後の第二のプライマー層の厚みは、1μmであった。
(ホットメルト接着剤層の積層)
上記第二のプライマー層上に、厚さ50μmのポリオレフィン系のホットメルト接着シート(東亜合成株式会社製、PPET1025)を140℃で接着した。これにより、ポリ塩化ビニル基材層、第一のプライマー層、第二のプライマー層、ホットメルト接着剤層の順で積層された接着シートを得た。
(実施例2)
第二のプライマー層における、ウレタン系樹脂の配合量を40重量部、エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量を50重量部(配合比40:50)に変えた点以外は、実施例1と同様にして実施例2の接着シートを得た。
(実施例3)
第一のプライマー層において、エチレン酢酸ビニル共重合体90重量部に対して、ウレタン系樹脂(広野化学工業株式会社製、T−5265)を10重量部添加したこと(ウレタン系樹脂/エチレン酢酸ビニル共重合の配合比10:90)、イソシアネート系硬化剤(住化バイエルウレタン株式会社製、デスモジュールL−75)を1重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3の接着シートを得た。
(比較例1)
第一のプライマー層及び第二のプライマー層を設けなかった点以外は、実施例1と同様にして比較例1の接着シートを得た。比較例1では、ポリ塩化ビニル基材層を形成した後、ポリ塩化ビニル基材層上にホットメルト接着剤層を積層し、接着シートを得た。
(比較例2)
第二のプライマー層を設けなかった点以外は、実施例1と同様にして比較例2の接着シートを得た。比較例2では、ポリ塩化ビニル基材層を形成した後、ポリ塩化ビニル基材層上に第一の第一のプライマー層を形成し、更に、第一の第一のプライマー層上にホットメルト接着剤層を積層し、接着シートを得た。
(比較例3)
第一のプライマー層を設けなかった点以外は、実施例1と同様にして比較例3の接着シートを得た。比較例3では、ポリ塩化ビニル基材層を形成した後、ポリ塩化ビニル基材層上に第二の第一のプライマー層を形成し、更に、第二の第一のプライマー層上にホットメルト接着剤層を積層し、接着シートを得た。
(比較例4)
第二のプライマー層の構成が異なる点以外は、実施例1と同様にして比較例4の接着シートを得た。比較例4では、ウレタン系樹脂(広野化学工業株式会社製、T−5265)100重量部に対して、イソシアネート系硬化剤(住化バイエルウレタン株式会社製、デスモジュールL−75)を5重量部添加して混合した。その後、180メッシュのグラビアロールを用いて、得られた混合液を第一のプライマー層上に10g/mとなるように塗工し、乾燥させた。乾燥後の第二のプライマー層の厚みは、1μmであった。第二の第一のプライマー層上にホットメルト接着剤層を積層し、接着シートを得た。
(比較例5)
第一のプライマー層と第二のプライマー層の組成を入れ替えた点以外は、実施例1と同様にして比較例5の接着シートを得た。
比較例5では、ポリ塩化ビニル基材層上に、実施例1の第二のプライマー層の作製で用いたウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含む混合液を10g/mとなるように塗工し、40℃で2分間乾燥させ、第一のプライマー層を作製した。乾燥後の第一のプライマー層の厚みは、1μmであった。続いて、上記第一のプライマー層上に、実施例1の第一のプライマー層の作製で用いた、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有する混合液を10g/mとなるように塗工し、40℃で2分間乾燥させ、第二のプライマー層を作製した。乾燥後の第二のプライマー層の厚みは、1μmであった。その後、上記第二のプライマー層上に、ホットメルト接着剤層を形成し、接着シートを得た。
(比較例6)
第二のプライマー層にアクリル系樹脂を用いた点以外は、実施例1と同様にして比較例6の接着シートを得た。比較例6では、アクリル系樹脂(株式会社日本触媒社製、ポリメントNK−350)、トルエン、イソプロピルアルコール(IPA)を含有する混合液を、実施例1と同様に作製した第一のプライマー層に、10g/mとなるように塗工し、40℃で2分間乾燥させた。乾燥後の第二のプライマー層の厚みは、1μmであった。その後、第二の第一のプライマー層上にホットメルト接着剤層を積層し、接着シートを得た。
(比較例7)
第二のプライマー層にポリオレフィン系樹脂を用いた点以外は、実施例1と同様にして比較例7の接着シートを得た。比較例7では、ポリオレフィン系樹脂を含有する混合液を、実施例1と同様に作製した第一のプライマー層に、10g/mとなるように塗工し、40℃で2分間乾燥させた。乾燥後の第二のプライマー層の厚みは、1μmであった。その後、第二の第一のプライマー層上にホットメルト接着剤層を積層し、接着シートを得た。
(成形品の作製)
ポリプロピレン系樹脂製の板状の被着体に対して、実施例1の接着シートを、真空・圧空成形で貼り付け、成形品を得た。実施例2及び3、比較例1〜7の接着シートについても、実施例1と同様に、ポリプロピレン系樹脂を含有する板状の被着体に対して貼り付け、それぞれ成形品を得た。
(接着シート及び成形品の評価)
実施例及び比較例で作製した接着シート及び成形品について、下記の方法により、(1)寸法安定性、(2)接着力、及び、(3)密着性の評価の評価を行った。(1)〜(3)の評価結果から、(4)総合評価を行った。
(1)寸法安定性の評価
上記実施例及び比較例の接着シートを貼り付けた成形品を、縦150mm、横150mmに切断し、試験片とした。各試験片の接着シートの表面にカッターナイフで、流れ方向及び幅方向に100mmの切り込みを入れ、80℃の環境下で96時間放置した。96時間後に、接着シートの流れ方向の寸法、及び、幅方向の寸法を測定した。寸法安定性の評価の目標値は、流れ方向及び幅方向の寸法変化が0.3mm以下とした。なお、シートの流れ方向とは、カレンダー加工でシートを形成する際のシートの長手方向をいい、幅方向とは、カレンダー加工でシートを形成する際のシートの短手方向をいう。
(2)接着力の測定
上記実施例及び比較例の接着シートを貼り付けた成形品を、縦150mm、横150mmに切断し、試験片とした。各試験片に対して、180°剥離試験を行い接着力を測定した。JIS Z 0237に準拠した方法で評価した。接着力の目標値は、30N/25mm以上であれば、充分な接着力を有すると判断した。
(3)密着性の評価
上記実施例及び比較例の接着シートを貼り付けた成形品を、縦150mm、横150mmに切断し、試験片とした。各試験片から、接着シートを剥離し、剥離した界面を目視で観察し、ポリ塩化ビニル基材層(PVC系樹脂)及びポリプロピレン系樹脂を含有する被着体(PO系樹脂)に対する接着力を評価した。ポリプロピレン系樹脂を含有する被着体とホットメルト接着剤層との間で層間剥離が起こり、かつ、接着シートを構成するポリ塩化ビニル基材層とホットメルト接着剤層との間では密着性が保たれている場合は、○とした。接着シートを構成するポリ塩化ビニル基材層とホットメルト接着剤層との間で層間剥離が起こり、ポリプロピレン系樹脂を含有する被着体にホットメルト接着剤層が残っている場合は、×とした。
(4)総合評価
上記(1)〜(3)の評価項目が全て目標値を満たせば、○、上記(1)〜(3)の評価項目の目標値を外れる項目が1以上あれば×とした。
実施例及び比較例の接着シートの構成、及び、評価結果を表1及び2に示した。なお、接着シートの構成としては、プライマー層の構成のみを記載した。
Figure 0006564678
Figure 0006564678
10 接着シート
11 ポリ塩化ビニル基材層
12 第一のプライマー層
13 第二のプライマー層
14 ホットメルト接着剤層

Claims (4)

  1. ポリ塩化ビニル基材層、第一のプライマー層、第二のプライマー層、及び、ホットメルト接着剤層の順で積層され、
    前記第一のプライマー層は、エチレン酢酸ビニル共重合体を含有し、
    前記第二のプライマー層は、ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物を含有し、
    前記ホットメルト接着剤層は、ポリオレフィン系樹脂を含有することを特徴とする接着シート。
  2. 前記ウレタン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重合体との混合物は、前記ウレタン系樹脂の配合量(重量部)と前記エチレン酢酸ビニル共重合体の配合量(重量部)との比が、30:70〜70:30であることを特徴とする請求項1に記載の接着シート。
  3. 前記接着シートは、加飾用接着シートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の接着シート。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の接着シートとポリカーボネート系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、又は、ポリオレフィン系樹脂を含有する被着体とを積層したことを特徴とする成形品。
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