JP3253988B2 - ポリオレフィン樹脂素材用水性接着剤 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂素材用水性接着剤

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JP3253988B2 JP27376591A JP27376591A JP3253988B2 JP 3253988 B2 JP3253988 B2 JP 3253988B2 JP 27376591 A JP27376591 A JP 27376591A JP 27376591 A JP27376591 A JP 27376591A JP 3253988 B2 JP3253988 B2 JP 3253988B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン樹脂素材に用いる水性接
着剤に関し、さらに詳しくは、ドライラミネーション法
による接着法に適した水性接着剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂素材に適した水性接
着剤としては、ポリオレフィン系ポリオールを主鎖とす
るアニオン型水性ポリウレタンエマルジョンが、本願と
同一出願人により開発され、既に特許出願されている
(特開昭59−113016号)。この水性ポリウレタ
ンエマルジョンは、ポリオレフィン樹脂素材に対して優
れた親和性を有しており、さらには無公害溶媒である水
を使用できるという利点がある反面、低沸点有機溶媒型
接着剤と比較して、乾燥時間が長く、乾燥するまで所定
の強度が発現しにくく、さらには水を含んだ状態では初
期の接着力が得られない等の、水性なるが故の問題点も
有している。
【0003】しかしながら、ドライラミネーション法と
いう接着方法を用いることにより、上述した水性接着剤
のもつ問題点を解消でき、有機溶媒型接着剤と区別なく
使用きるようになった。このドライラミネーション法
は、接着剤を被着材面に塗布した後、接着剤の形態を流
体状に維持するに必要な溶媒(水または有機溶媒)を貼
合わせ作業前に予め乾燥除去してから、圧着または熱圧
着する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】特にドライラミネー
ション法を採用する場合にポリオレフィン樹脂素材用水
性接着剤に要求される性能は、次のように要約できる。
【0005】1)被着材面で乾燥された接着剤が、被着材
であるポリオレフィン樹脂素材に対する濡れ性と一定の
初期接着力とを有していること。(初期接着力は粘着力
であっても差支えない。) 2)初期接着力と濡れ性は、乾燥後一定温度において一定
時間維持されること。 3)初期粘着力は48時間以内に耐熱性に優れた接着力に
変化すること。
【0006】しかしながら、ポリオレフィン系ポリオー
ルを主鎖とする前述したアニオン型水性ポリウレタンエ
マルジョンからなるポリオレフィン樹脂素材用水性接着
剤は、ポリオレフィン樹脂素材に対する親和性という点
ではすぐれているものの、上記した1)〜3)の性能につい
ては、必ずしも満足し得るとはいえない。
【0007】そこで本発明は、上記した1)〜3)の性能を
すべて満足するような、ドライラミネーション法に適し
たポリオレフィン樹脂素材用水性接着剤を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】すなわち本発明は、ポ
リオレフィン系ポリオールとポリイソシアネートとを反
応させて得られるポリウレタンプレポリマーを、アニオ
ン性の塩形成性の基を有する活性水素化合物と反応させ
て水性化することにより得られるアニオン型水性ポリウ
レタンエマルジョンを主成分とする水性接着剤であっ
て、一級または二級多価アミンおよびその塩から選ばれ
る1種または2種以上を接着剤重量の0.1〜5.0重
量%、およびジエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルホル
ムアミド、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれ
る水溶性高沸点有機溶媒の1種または2種以上を接着剤
重量の1〜50重量%含有せしめたことを特徴とするポ
リオレフィン樹脂素材用水性接着剤である。
【0009】本発明の水性接着剤の主成分として用いる
アニオン型水性ポリオレフィン系ポリウレタンは、ポリ
オレフィン系ポリオールとポリイソシアネートとを反応
させることによって得られるものである。
【0010】ポリオレフィン系ポリオール、すなわち主
鎖がポリオレフィン系のポリオールとしては、例えば
1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−ポリブタ
ジエンポリオール、1,2−ポリクロロプレンポリオー
ル、1,4−ポリクロロプレンポリオールなどのポリブ
タジエン系ポリオールあるいはこれらのポリブタジエン
系ポリオールの二重結合を水素またはハロゲンなどで飽
和化した鎖状のポリエチレンポリオール、塩素化ポリエ
チレンポリオールや分岐を有する飽和炭化水素系ポリオ
ールなどがある。さらには、ポリブタジエン系ポリオー
ルにスチレン、エチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エス
テルなどのオレフィン化合物を共重合させたポリオール
やその水素化したポリオールなども使用できる。特に好
ましいポリオレフィン系ポリオールは、飽和度の高い炭
化水素系ポリオールで平均分子量が500〜4000、
水酸基の平均官能数が1.5〜3のものである。
【0011】ポリオレフィン系ポリオールと反応させう
るポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフ
チレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、キシリレンジイシシアネート、イソホロ
ンジイソシアネートなど従来公知のポリイソシアネート
化合物が使用できる。
【0012】水性ポリウレタンエマルジョンを製造する
に際しては、ポリオレフィン系ポリオールとポリイソシ
アネートとを溶剤の存在または不存在下で反応させてポ
リウレタンプレポリマーを生成させ、次いでこのポリウ
レタンプレポリマーをアニオン性の塩形成性の基を有す
る活性水素化合物と反応させて水性化する従来公知のポ
リウレタン樹脂の製造方法が適用できる。
【0013】一級または二級多価アミンおよびその塩
は、主成分である水性ポリオレフィン系ポリウレタンエ
マルジョンの硬化を促進させる成分として配合するもの
であって、この作用により粘着から接着へと化学的に移
行させることができる。かようなアミンとしては、例え
ばヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミ
ン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ピ
ペラジン、ポリオキシプロピレンアミン類、さらにはこ
れらのアミンを種々の酸と中和反応させて得られる塩類
が挙げられる。本発明においては、これらの多価アミン
およびその塩類の中から1種あるいは2種以上を選択し
て、接着剤重量の0.1〜5.0重量%の範囲で接着剤
中に配合する。多価アミンはポリマー中に導入された親
水性基となるアニオン基と反応するもので、その添加量
はアニオン基と当量が望ましい。しかし各種アニオン型
エマルジョンにあっては、乳化分散に要するその量は種
々異なっている。一般的には親水性基の過多はポリマー
の耐水性能を損なうことから、ポリマー中に0.1〜
5.0重量%の範囲でアニオン基が導入される。従って
多価アミンは0.1重量%以下の添加量では所望する効
果は得られず、また使用量過多ではアミン臭気等による
作業性悪化を招くことになる。
【0014】水性高沸点有機溶媒は、水性ポリウレタン
を溶解または膨潤させ得るものであり、被着材であるポ
リオレフィン樹脂素材に対する濡れ性を向上させてその
性能を維持するための成分として使用する。かような有
機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル(沸点159℃)、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル(沸点186℃)、ジメチルホルムアミド(沸点
153℃)、N−メチル−2−ピロリドン(沸点202
℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(沸点
220℃)が使用できる。本発明においては、これらの
有機溶媒の中から1種あるいは2種以上を選択して、接
着剤重量の1〜50重量%の範囲で接着在中に配合す
る。濡れ性からみた場合、微量でも添加効果は認められ
るが、その効果を維持するまでには至らない。実用レベ
ルでみた適正使用量は3〜20重量%が好ましく、50
重量%を越えるとエマルジョンとしての分散形態から溶
融形態への形態変化が生じたり、著しい作業性の悪化
(乾燥速度の低下や溶剤臭)が生じる。
【0015】なお、ポリオレフィン樹脂素材とその他の
素材とを接着する場合には、その他の素材と接着性のよ
い水性プラスチックエマルジョンを上記のポリオレフィ
ン樹脂素材用水性接着剤に適宜配合することが好まし
い。配合量は、接着剤全重量の1〜85重量%の範囲が
望ましく、また配合する水性プラスチックエマルジョン
は1種類だけでなく2種類以上を適宜組み合わせて配合
してもよい。
【0016】ポリオレフィン樹脂素材に接着させるその
他の素材とそれに適した水性プラスチックエマルジョン
の種類を例示すると、次のようになる。
【0017】その他の素材が繊維素繊維素材(綿、紙、
木材等)の場合;ポリエーテル系ポリウレタンエマルジ
ョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン、ポリアクリル酸エ
ステルエマルジョン、 その他の素材がポリエステル樹脂素材の場合;ポリエス
テル系ポリウレタンエマルジョン、ポリカーボネート系
ポリウレタンエマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体エマルジョン、 その他の素材がポリ塩化ビニル樹脂素材の場合;ポリエ
ステル系ポリウレタンエマルジョン、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体エマルジョン、 その他の素材がポリアクリロニトリル樹脂素材またはそ
の変性素材の場合;ポリアクリル酸エステルエマルジョ
ン、 その他の素材がポリスチレン樹脂素材またはその変性素
材の場合;ポリエーテル系ポリウレタンエマルジョン、
スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン。
【0018】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに詳述する。なお実施例、比較例中の各配合成分の
前に記載した(A)、(B)、(C)および(D)はそ
れぞれ下記の化合物の種類を表示している。
【0019】(A):ポリオレフィン系ポリオールを
とするアニオン型水性ポリウレタンエマルジョン、 (B):一級または二級多価アミンおよびその塩、 (C):水溶性高沸点有機溶媒、 (D):ポリオレフィン樹脂素材以外のその他の被着材
に接着性を有する水性プラスチックエマルジョン。また
実施例、比較例中の“部”は重量部を表す。
【0020】実施例1:ポリプロピレンとABS樹脂の
接着用接着剤 (A)“アイゼラックス S−8020”(註1) 65 部 (B)ヘキサメチレンジアミン 0.5部 (C)ジメチルホルムアミド 10 部 (C)N−メチル−2−ピロリドン 10 部 (D)“ネオクリル A−5144”(註2) 13.5部 “SNシックナー A−812”(註3) 1 部
【0021】(註1)保土谷化学工業(株)製、水性ポ
リオレフィン系ポリウレタンエマルジョンの商品名。水
素添加ポリブタジエンポリオール(平均分子量220
0)とトリレンジイソシアネートからなる平均分子量約
9万のポリウレタンポリウレア樹脂の40%水分散物。
(註2)ICI社製、水性ポリアクリル酸エステルエマ
ルジョンの商品名。ヒートシール温度120℃、樹脂濃
度37%。(註3)サンノプコ社製、増粘剤の商品名。
【0022】上記の組成の本発明接着剤を、市販ABS
樹脂パネル(縦100mm、横25mm、厚さ2mm)の表面
にエアースプレーを用いてウエット重量で100〜12
0g/m2 の塗布量になるように均一に塗布し、60℃
で3分間乾燥した後、予め110℃に加熱して軟化した
ポリプロピレンフォーム(トーレ・ペフPPX(東レ
(株)製商品名)のH面)を前記接着剤塗布面に貼り合
わせ、300〜500g/cm2 の加重で10秒間圧着し
て、接着試験片を得た。
【0023】この場合、接着にかかる活性熱エネルギー
はポリプロピレンフォームの加熱および接着剤を塗布し
たABS樹脂の加熱乾燥によって与えられ、熱活性から
貼り合せに至る経過時間(オープンタイム)の長さと共
に生じる活性熱エネルギーの消失(貼り合せ時の接着界
面の温度低下)は接着剤のポリプロピレンフォームに対
する濡れ性悪化を招き、接着不良となる現象が問題とな
る。すなわちオープンタイムとは、生産ライン速度に支
配される時間であって、種々のライン速度を想定した場
合長くとれるほどライン適合性に優れていることになり
接着作業の上では重視されるが、それは逆に接着力の発
現速度を遅くすることになる。従ってこれらのバランス
の上に立って、より長いオープンタイムが望まれる。そ
こで、本実施例で得られた上記の接着試験片について、
オープンタイムの変化を追って初期常温接着力および4
8時間後90℃熱間接着力を試験した。結果を表1に示
す。なお、剥離強度試験においては接着力の発現はPP
X材の破壊を生じさせる。
【0024】比較例1 (A)“アイゼラックス S−8020” 85部 (D)“ネオクリル A−5144” 14部 “SNシックナー A−812” 1部 上記組成の接着剤を用い、実施例1と同様にして接着試
験片を作製してその接着力を試験した。結果を表1に併
記する。
【0025】比較例2 (A)“アイゼラックス S−8020” 85 部 (B)ヘキサメチレンジアミン 0.5部 (D)“ネオクリル A−5144” 13.5部 “SNシックナー A−812” 1 部 上記組成の接着剤を用い、実施例1と同様にして接着試
験片を作製してその接着力を試験した。結果を表1に併
記する。
【0026】 表 1 初期常温接着力 48時間後90℃熱間接着力 オープン 剥離強度 300gクリープ 剥離強度 200gクリープ タイム 50 mm/分 2 時間のズレ 50 mm/分 2 時間のズレ 実施例1 3分 PPX 材破 0 mm PPX 材破 0 mm 5分 PPX 材破 0 mm PPX 材破 0 mm 10分 PPX 材破 3 mm PPX 材破 0 mm 比較例1 3分 0.9kgf/inch 35分落下 0.6kgf/inch 24分落下 ABS 界面 ABS 界面 凝集破壊 凝集破壊 5分 接着不良 接着不良 接着不良 接着不良 比較例2 3分 PPX 材破 5 mm PPX 材破 0 mm 5分 接着不良 接着不良 接着不良 接着不良
【0027】註)クリープ試験: 一定温度雰囲気下
で、1インチ幅の試験片に90度剥離方向へ一定の静的
荷重を加えて単位時間内に剥離する距離数(ズレ)をミ
リメートルで表した。つまり常温クリープとは25℃雰
囲気下で静的荷重は300gであり、熱間クリープは9
0℃雰囲気下で200gの静的荷重をそれぞれ90度剥
離方向(T型剥離方向)へ加えて、2時間後の剥離距離
数を表示した。 註)剥離強度試験: JIS K 6829 1984、1
2項に準じて行った。試験結果で材料破壊を「材破」と
略記した。
【0028】表1からわかるように、本発明の接着剤は
オープンタイムを10分にしても、3分の場合と実質的
に変わらない初期常温接着力および48時間後熱間接着
力が得られる。これに対して比較例1の接着剤ではオー
プンタイム3分でも満足すべき接着力が得られず、オー
プンタイム5分で接着不良となる。さらに比較例2の接
着剤はオープンタイム3分では満足すべき接着力が得ら
れるが、オープンタイム5分では接着不良となる。
【0029】実施例2:ポリプロピレンと軟質塩化ビニ
ル樹脂の接着用接着剤 (A)“アイゼラックス S−8020” 34 部 (B)テトラエチレンペンタミン炭酸塩 0.5部 (C)1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 13.5部 (D)“アイゼラックス S−4040N”(註4) 51 部 “SNシックナー A−812” 1 部
【0030】(註4)保土谷化学工業(株)製、ポルエ
ステル系ポリウレタンエマルジョンの商品名。ポリブチ
レンアジペートポリオール(平均分子量2000)とヘ
キサメチレンジイソシアネートからなる平均分子量約7
万のポリウレタンポリウレア樹脂の45%水分散物。
【0031】上記組成の本発明接着剤を、市販軟質塩化
ビニル樹脂またはポリプロピレンフォーム(トーレ・ペ
フPPX)のどちらか一方の面にウエット重量で150
g/m2 程度の塗布量になるように均一に塗布し、80
℃で5分間乾燥した後、貼り合わせ直前に接着剤塗布面
を130℃に加熱し(熱活性工程)、次いで貼り合わせ
てロール圧着にて接着し、接着試験片を得た。
【0032】得られた接着試験片について、オープンタ
イム(熱活性工程〜貼り合わせ工程の間の経過時間)の
変化を追って初期常温接着力および48時間後90℃熱
間接着力を実施例1と同様に試験した。結果を表2に示
す。
【0033】比較例3 (A)“アイゼラックス S−8020” 40部 (D)“アイゼラックス S−4040N” 59部 “SNシックナー A−812” 1部 上記組成の接着剤を用い、実施例2と同様にして接着試
験片を作製してその接着力を試験した。結果を表2に併
記する。
【0034】比較例4 (A)“アイゼラックス S−8020” 40 部 (B)テトラエチレンペンタミン炭酸塩 0.5部 (D)“アイゼラックス S−4040N” 58.5部 “SNシックナー A−812” 1 部 上記組成の接着剤を用い、実施例2と同様にして接着試
験片を作製してその接着力を試験した。結果を表2に併
記する。
【0035】 表 2 初期常温接着力 48時間後90℃熱間接着力 オープン 剥離強度 300gクリープ 剥離強度 200gクリープ タイム 50 mm/分 2 時間のズレ 50 mm/分 2 時間のズレ 実施例2 15秒 PPX 材破 0 mm PPX 材破 0 mm 30秒 PPX 材破 0 mm PPX 材破 0 mm 60秒 PPX 材破 0 mm PPX 材破 0 mm 比較例3 15秒 1.4kgf/inch 45 mm 0.8kgf/inch 30分落下 凝集破壊 凝集破壊 凝集破壊 凝集破壊 30秒 接着不良 接着不良 接着不良 接着不良 比較例4 15秒 PPX 材破 0 mm PPX 材破 0 mm 30秒 接着不良 接着不良 接着不良 接着不良
【0036】表2からわかるように、本発明の接着剤は
オープンタイムを60秒にしても、15秒の場合と同様
に満足すべき初期常温接着力および48時間後熱間接着
力が得られる。これに対して比較例3の接着剤ではオー
プンタイム15秒でも満足すべき接着力が得られず、オ
ープンタイム30秒で接着不良となる。さらに比較例4
の接着剤はオープンタイム15秒では満足すべき接着力
が得られるが、オープンタイム30秒では接着不良とな
る。
【0037】実施例3:ポリプロピレンと紙の接着用接
着剤 (A)“アイゼラックス S−8040N”(註5) 32部 (B)ポリオキシプロピレンアミン(Mn3000) 1部 (C)ジエチレングリコールジメチルエーテル 13部 (C)N−メチル−2−ピロリドン 5部 (D)“ネオクリル A−5102”(註6) 48部 “アイゼラックスLV−30”(註7) 1部
【0038】(註5)保土谷化学工業(株)製、水性ポ
リオレフィン系ポリウレタンエマルジョンの商品名。水
素添加ポリブタジエンポリオール・ポリヘキサメチレン
アジペート混合ポリオールとイソホロンジイソシアネー
トからなるポリウレタンポリウレア樹脂の50%水分散
物。 (註6)ICI社製、ヒートシール温度60℃のポリア
クリル酸エステルエマルジョン。 (註7)保土谷化学工業(株)製増粘剤。
【0039】上記組成の接着剤をポリプロピレンフィル
ムにウエット重量で25g/m2 の塗布量となるように
均一に塗布し、80℃で3分間乾燥した後、加工紙と貼
り合わせて70℃の熱ロールで圧着して接着し、接着試
験片を得た。
【0040】この接着加工は、通称プリントラミネーシ
ョンと呼ばれており、印刷紙の保護と美観を目的として
なされるものである。この接着加工においては、ポリプ
ロピレンフィルムと加工紙との接着力が要求されること
は勿論であるが、印刷のコントラストを低下させること
のない塗工品同様の光沢仕上りが要求される。特に被着
体に対する接着剤の濡れ性悪化は、透明な深み感のある
仕上りを阻害することになるため重要な評価基準とな
る。そこで、本実施例で得られた上記の接着試験片につ
いて、接着力と仕上り性を評価した。結果を表3に示
す。なお、接着力の発現は加工紙の破壊を生じさせる。
【0041】比較例5 (A)“アイゼラックス S−8040N” 40部 (D)ポリアクリル酸エステルエマルジョン 59部 “アイゼラックスLV−30” 1部 上記組成の接着剤を用い、実施例3と同様にして接着試
験片を作製してその接着力と仕上り性を評価した。結果
を表3に併記する。
【0042】比較例6 (A)“アイゼラックス S−8040N” 40部 (B)ポリオキシプロピレンアミン(Mn3000) 1部 (D)ポリアクリル酸エステルエマルジョン 59部 “アイゼラックスLV−30” 1部 上記組成の接着剤を用い、実施例3と同様にして接着試
験片を作製してその接着力と仕上り性を評価した。結果
を表3に併記する。
【0043】 表 3 接着力(剥離速度 50mm/分) 仕上り性 実施例3 加工紙材破 良好 比較例5 1.2kgf/inch 凝集破壊 良好 比較例6 加工紙材破 濡れ性不良
【0044】表3からわかるように、本発明の接着剤を
プリントラミネーションに用いた場合に、接着力および
仕上り性とも満足すべき評価が得られた。これに対して
比較例5の接着剤は接着力において、比較例6の接着剤
は仕上り性において、それぞれ満足すべき評価は得られ
ていない。
【0045】実施例4:ポリプロピレンとパーチルボ
ードの接着用接着剤 (A)“アイゼラックス S−8020” 32部 (B)イソホロンジアミン 1部 (B)ヘキサメチレンジアミン 1部 (C)1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 10部 (C)N−メチル−2−ピロリドン 5部 (D)“アイゼラックスS−1040”(註8) 48部 “SNシックナー A−812” 3部 (註8)保土谷化学工業(株)製、ポリエーテル系ポリ
ウレタンエマルジョンの商品名。ポリプロピレンエーテ
ルグリコール(平均分子量1750)とトリレンジイソ
シアネートからなる平均分子量約8万のポリウレタンポ
リウレア樹脂の53%水分散物。
【0046】上記組成の接着剤をポリプロピレンフォー
ム(トーレ・ペフPPX)にウエット量で150g/m
2 の塗布量となるように均一に塗布し、80℃で5分間
乾燥した後、予め130℃に加熱したパーチクルボード
と貼り合わせ、荷重500g/cm2 で20秒間プレス
して接着し、接着試験片を得た。
【0047】この接着加工においては、パーチクルボー
ド表面温度が低下するに伴い濡れ性悪化の現象がみら
れ、接着不良を生じる傾向がある。そこで、本実施例で
得られた上記の接着試験片について、パーチクルボード
表面温度が125℃、100℃、75℃と低下するに伴
って接着力がどの程度低下するかを調べるために、接着
後4時間経過後の剥離強度を評価した。結果を表4に示
す。なお、接着力の発現はPPX材の破壊を生じさせ
る。
【0048】比較例7 (A)“アイゼラックス S−8020” 39部 (D)“アイゼラックス S−1040” 59部 “SNシックナー A−812” 1部 上記組成の接着剤を用い、実施例4と同様にして接着試
験片を作製してその4時間経過後の剥離強度を評価し
た。結果を表4に併記する。
【0049】比較例8 (A)“アイゼラックス S−8020” 38部 (B)イソホロンジアミン 1部 (B)ヘキサメチレンジアミン 1部 (D)“アイゼラックスS−1040” 58部 “SNシックナー A−812” 2部 上記組成の接着剤を用い、実施例4と同様にして接着試
験片を作製してその4時間経過後の剥離強度を評価し
た。結果を表4に併記する。
【0050】 表 4 125℃ 100℃ 75℃ 実施例4 PPX材破 PPX材破 PPX材破 比較例7 1.2kgf/inch 接着不良 接着不良 比較例8 PPX材破 接着不良 接着不良
【0051】表4からわかるように、本発明の接着剤に
よる接着試験片の場合には、パーチクルボード表面温度
が125℃、100℃、75℃と低下しても、接着力の
低下は認められなかった。これに対して比較例7および
比較例8の接着剤はパーチクルボード表面温度が100
℃以下に低下すると接着不良を示した。
【0052】実施例5:ポリプロピレンフィルム同士の
接着用接着剤 (A)“アイゼラックス S−8020” 91.5部 (B)ヘキサメチレンジアミンカーバメート 0.5部 (C)N−メチル−2−ピロリドン 8.0部 上記組成の接着剤を、厚さ0.025mmのOPPフィ
ルムに転写ロールを使用して10〜25g/m2 になる
ように付着させ80℃熱風循環オーブン中で約1分間乾
燥した後、80℃に加熱されたヒートプレート上で、接
着剤の付着していないOPPフィルムと0.8kg/c
2 の荷重で10秒間圧着した。接着力の評価は、接着
後温度25℃、湿度60%の恒温恒湿室で24時間養生
した後、ピールテスト(温度25℃、剥離速度50mm
/分)で行った。結果を表5に示す。
【0053】比較例9 (A)“アイゼラックス S−8020” 99.5部 (B)ヘキサメチレンジアミンカーバメート 0.5部 上記組成の接着剤を用い、実施例5と同様にして接着力
を評価した。結果を表5に併記する。
【0054】比較例10 (A)“アイゼラックス S−8020” 92.0部 (C)N−メチル−2−ピロリドン 8.0部 上記組成の接着剤を用い、実施例5と同様にして接着力
を評価した。結果を表5に併記する。
【0055】 表 5 実施例5 比較例9 比較例10 剥離強度 3.88 2.45 1.42 kgf/inch 接着剤層の凝集破壊 濡れ性の不足による 接着剤層の凝集破壊 (負荷応力でPPの 部分的PP界面剥離 (糸引き状剥離) 形状変化を伴う)
【0056】表5からわかるように、本発明の接着剤に
よってポリオレフィン素材同士の接着を80℃付近の低
温で行うことが可能である。比較例9,10におけるよ
うに組成成分の1種類が欠けても、所望する接着性能は
得られない。
【0057】
【発明の効果】以上説明したところからわかるように、
本発明のポリオレフィン樹脂素材用水性接着剤は、ドラ
イラミネーション法を採用する際に要求される諸性能、
すなわち、被着材面で乾燥された接着剤は被着材に対す
る濡れ性と一定の初期接着力とを有していること、これ
らの初期接着力と濡れ性は乾燥後一定温度において一定
時間維持されていること、さらに初期粘着力は48時間
以内に耐熱性に優れた接着力に変化すること、といった
諸性能をすべて満たすことができる。
フロントページの続き (72)発明者 石川 進二 神奈川県横浜市鶴見区大黒町7番43号 保土谷化学工業株式会社 鶴見工場研究 部内 (56)参考文献 特開 平3−182534(JP,A) 特開 昭61−287977(JP,A) 特開 平2−127491(JP,A) 特開 昭60−90281(JP,A) 特開 昭59−113016(JP,A) 特開 昭62−50373(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09J 101/00 - 201/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系ポリオールとポリイソ
    シアネートとを反応させて得られるポリウレタンプレポ
    リマーを、アニオン性の塩形成性の基を有する活性水素
    化合物と反応させて水性化することにより得られるアニ
    オン型水性ポリウレタンエマルジョンを主成分とする水
    性接着剤であって、 一級または二級多価アミンおよびその塩から選ばれる1
    種または2種以上を接着剤重量の0.1〜5.0重量
    %、およびジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
    エチレングリコールジエチルエーテル、ジメチルホルム
    アミド、N−メチル−2−ピロリドンおよび1,3−ジ
    メチル−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれる
    水溶性高沸点有機溶媒の1種または2種以上を接着剤重
    量の1〜50重量%含有せしめたことを特徴とするポリ
    オレフィン樹脂素材用水性接着剤。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂素材とその他の素材
    とを接着するための水性接着剤であって、請求項1の水
    性接着剤に、下記の水性プラスチックエマルジョンから
    選ばれた1種または2種以上を接着剤重量の1〜85重
    量%含有せしめたことを特徴とするポリオレフィン樹脂
    素材用水性接着剤: ポリエーテル系ポリウレタンエマルジョン、 ポリエステル系ポリウレタンエマルジョン、 ポリカーボネート系ポリウレタンエマルジョン、 ポリアクリル酸エステルエマルジョン、 エチレン・酢酸ビニル共重合体エマルジョン、 スチレン・ブタジエン共重合体エマルジョン、 ポリ酢酸ビニルエマルジョン。
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