JP3676432B2 - 接着剤 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記する)組成物を用いた接着剤に関し、更に詳しくは、保存安定性に優れた接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、PVAは、そのまま水溶液として、段ボール,製袋などの各種包装用の接着剤や事務用糊として用いられており、更には、再湿接着剤として、包装用テープ,各種ラベル,切手,印紙,障子紙,壁紙,襖紙,ポスター等の裏糊用途に、ホットメルト接着剤として、製本、製袋、製箱、包装、木工、製靴、繊維等の用途に、感圧接着剤として、各種ラベル、テープ等の用途に、更に速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)として、木材、紙、無機質材料等の接着用途などの各種接着剤に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、PVAが上記の如き接着剤用途に供されたとき、再湿接着剤、感圧接着剤、速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)等の水溶液状で使用される接着剤においては、その水溶液の保存安定性に問題があることも多く、またホットメルト接着剤においても、保存安定性が悪くブロッキング等の問題が生じることもあり、保存安定性に優れたPVAの接着剤が望まれているのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者は、驚くべきことにアルカリ金属の酢酸塩を2重量%以下、酢酸を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.01〜100であるAA化PVA組成物を用いた接着剤の保存安定性が優れていることを見いだし本発明に至った。
以下、本発明について詳述する。
【0005】
本発明で用いられるAA化PVAの製造方法は特に限定されるものではなく、任意の方法で製造されるが、好ましくはPVAとジケテンとを反応して得られる。例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させておき、これにジケテンを添加する方法、PVAをジメチルホルムアミド、またはジオキサンなどの溶媒にあらかじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法である。また、酢酸等を吸収させたPVAにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させてAA化PVAを得る方法も採り得る。
【0006】
AA化PVAを得る際に用いられるPVAは特に限定されないが、残存酢酸基0.1〜30モル%、平均重合度50〜6000(より好ましくは300〜3000)、平均ケン化度70〜99.9モル%の範囲が好ましい。
また、AA化PVAのAA化度(アセト酢酸エステル基含有量)は0.1〜30モル%、より好ましくは0.2〜20モル%の範囲である。AA化度が0.1モル%未満のAA化PVAでは接着剤の耐水性が低下して好ましくなく、逆にAA化度が30モル%を越えたAA化PVAでは、水性(水溶液、エマルジョン、水分散液等)接着剤の溶液安定性の低下や変色が起こり好ましくない。
【0007】
本発明では、上記の如き従来のAA化PVAにアルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)の酢酸塩を2重量%以下(好ましくは0.01〜0.3重量%)、酢酸を5重量%以下(好ましくは0.001〜3重量%)含有させて、かつ該アルカリ金属の酢酸塩と酢酸の重量比(アルカリ金属の酢酸塩/酢酸)を0.01〜100(好ましくは0.01〜10)の範囲にコントロールされたAA化PVA組成物を用いることを最大の特徴とするもので、アルカリ金属の酢酸塩が2重量%を越えると、水性接着剤の溶液安定性の低下が起こり、酢酸が5重量%を越えると、接着剤に酢酸臭が発生して好ましくない。また、アルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.01より小さいときは、接着剤の耐水性や強度の向上が望めず、逆に該重量比が100を越えると、水性接着剤の溶液安定性の低下が起こり好ましくない。
なお、上記のアルカリ金属の酢酸塩の定量は、AA化PVA組成物を灰化した後、灰分を塩酸水溶液に加温下に溶解した溶液について原子吸光法による。また、酢酸の定量法としては、試料を水溶液として、ガスクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS法)によって求める。
【0008】
本発明では、用いられるAA化PVA組成物中に含有されるアルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の量が上記の如くコントロールされていればよく、そのコントロールの方法は任意である。例えば、原末のPVAを製造する時のケン化時のアルカリ触媒の量を調節したり、PVA製造後アルカリ金属の酢酸塩を追加したり、除去したりいずれも任意である。酢酸量もPVA製造後に酢酸を添加したり、又多量に酢酸が含まれるPVAを洗浄、乾燥したりしても良い。
【0009】
又原末処理にとどまらず、AA化PVAの製造中又は製造後で、アルカリ金属の酢酸塩を添加したり、除去したり、酢酸を除去したり添加して、コントロールを行っても良い。工業的にはAA化PVA製造後、アルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の除去を行う方法が実用的で、該アルカリ金属の酢酸塩を取り除くには、具体的にはアルコール洗浄が採用され、該アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール,イソプロパノール等が挙げられるが、好ましくはメタノールが用いられる。このアルコール洗浄は、通常PVAの1〜15倍重量のアルコールを使用し、5〜60℃で0.5〜2時間の条件で1〜3回程度洗浄される。
【0010】
また、酢酸を取り除くには、減圧留去、メタノール洗浄、乾燥処理、濾過、遠心分離等の方法でAA化PVAを処理する方法が挙げられ、これらの処理は同時又は別々のいずれでも良いが、好ましくは、乾燥処理が採用される。該乾燥処理の条件は装置により異なり一概に言えないが、30〜80℃で10時間程度行えば良く、好ましくは、40〜70℃で6時間程度行う。
本発明においては、かかるAA化PVA組成物の4重量%水溶液のpHを3〜6.5、好ましくは4〜5に調整することにより、更に水溶液の安定性が向上して、良好な成形物を得ることが可能となる。
該pHを調節する方法としては、特に限定されず、例えば、原末のPVAを製造する時のケン化時のアルカリ触媒の量を調節したり、PVA製造後酢酸を追加したり、除去したりいずれも任意である。
【0011】
また必要に応じ塩酸、硫酸、リン酸等の鉱酸又は、プロピオン酸、マレイン酸等の有機酸又は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、第一アミン、第二アミン、第三アミン、第四級アンモニウム塩等の添加によりpHの調整を行っても良い。
又原末処理にとどまらず、AA化PVAの製造中又は製造後で、上記のようなpH調整を行っても良く、工業的にはAA化PVA製造後、酢酸の除去を行う方法が実用的である。
次に得られたAA化PVA組成物を用いた接着剤について説明する。
【0012】
かかるAA化PVA組成物は、該PVA組成物を水溶液にした一般の接着剤の他、再湿接着剤、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)等の各種接着剤に用いることができる。
一般の水溶液状の接着剤用途としては、該PVA組成物の含有量が、1〜30重量%程度で、充填剤、消泡剤(或いは発泡剤)、着色剤等の添加物が配合されて接着剤用途に供される。
再湿接着剤として用いる場合には、該PVA系樹脂組成物を水溶液とした後、ガムテープや切手等の基材に塗工して乾燥させるのである。この際、必要に応じてメタノールやエタノール等のアルコール、エチレングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレングリコール,グリセリン等のグリコール類などを添加してもよい。塗工は、グラビアコーター,リバースロールコーター,エアナイフコーター,スプレー等の公知の方法により行うことができる。
【0013】
また、ホットメルトコートすることにより、再湿接着剤層を形成させることも可能である。このときは、上記のPVA系樹脂を100〜250℃程度にて該樹脂を溶融し、そこへ可塑剤(エチレングリコール,プロピレングリコール等の多価アルコールやこれらの高級脂肪酸エステルなど)等の添加剤などを加えて、粘度500〜10000cpsとしてロールコーター、ドクターコーター、スプレー等の公知の方法により基材にコーティングすることができる。
ホットメルト接着剤についても上記と同様に可塑剤等の添加剤などを加えて公知の方法により基材に塗工して、製本、包装、木工、繊維等の接着に供することができる。
【0014】
感圧接着剤としては、上記の如き可塑剤や粘着付与剤等を加えて公知の方法により基材に塗工して、ラベルやテープ等の接着に供することができる。
速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)としては、該PVA組成物を含有する水性液からなるA液とアミン系化合物(メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、アルキル化メチロール尿素、アルキル化メチロールメラミン、アセトグアナミンやベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの縮合物、ジエチレントリアミン,トリエチレンテトラミン,テトラエチレンペンタミン,トリメチルヘキサメチレンジアミン,ポリエーテルジアミン等の脂肪族アミン、メタフェニレンジアミン,ジアミノジフェニルメタン等の芳香族アミン、アミンアダクト,ポリアミドアミン等の変性アミンなど)、アルデヒド化合物(ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,ブチルアルデヒド等のモノアルデヒド、グリオキザール,グルタンジアルデヒド,マロンジアルデヒド,スクシンジアルデヒド,マレインジアルデヒド,フタルジアルデヒド等のジアルデヒドなど)、ヒドラジン化合物(ヒドラジン、ヒドラジンヒドラード、ヒドラジンの塩酸,硫酸,硝酸,亜硝酸,リン酸,チオシアン酸,炭酸等の無機塩類及びギ酸,シュウ酸等の有機塩類、ヒドラジンのメチル,エチル,プロピル,ブチル,アリル等の一置換体、1,1−ジメチル,1,1−ジエチル,4−n−ブチル−メタル等の非対称二置換体並びに1,2−ジメチル,1,2−ジエチル,1,2−ジイソピル等の対称二置換体など)。
【0015】
ホルムアミド基含有化合物(ビニルホルムアミド,N−アリルホルムアミド,アクリルホルムアミド等のモノマー重合物或いはこれらのモノマーと酢酸ビニルモノマー,スチレンモノマー,メチル(メタ)アクリレート等との共重合物など)、イソシアネート化合物(トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン−トリレンジイソシアネートの付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス−4−フェニルメタントリイソシアネート、メチレンビスイソホロンジイソシアネート、メチレンビス−4−フェニルメタントリイソシアネートやメチレンビスイソホロンジイソシアネートのケトオキシムブロック物など)、多価金属イオン(酢酸アルミニウム、酢酸銅、塩化アルミニウム、塩化銅、塩化鉛、塩化コバルト、塩化鉄(III)、硫酸アルミニウム、硫酸鉄(III)など)、その他のメチロール基或いはアルコキシメチル基含有化合物などのいずれかを含有するB液からなるもので、該A液は、該PVA組成物の水溶液あるいはエマルジョンで、水溶液の場合は該PVAの含有量は2〜50重量%が好ましく、エマルジョンの場合は1〜10重量%が好ましい。
【0016】
また、該エマルジョンを調製するに当たっては、特に限定されるものではないが、該PVAを乳化剤あるいは保護コロイドとしてビニル系単量体(酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル等)を乳化重合する方法、合成樹脂(ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等)の溶液あるいは溶融液を該PVA組成物の存在下で後乳化する方法、任意の方法で得られた合成樹脂(ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等)エマルジョンに該PVA組成物を添加してより安定なエマルジョンを得る方法等が挙げられる。
【0017】
更には、必要に応じて他のPVAや澱粉等の水溶性高分子、多価金属やイソシアネートやアミノ樹脂等の架橋剤、可塑剤、高沸点溶剤等の造膜助剤、炭酸カルシウムやクレー等の体質顔料、酸化チタン等の有色顔料、防腐剤、防虫剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤などが添加されて上記のA液となる。また、B液も必要に応じて、上記の化合物以外にアミン類,アルコール類,酸類等の硬化促進剤、レシチンやラノリン等の防錆剤、防腐剤、増粘剤などが添加される。速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)の使用に当たっては上記のA液及びB液をそれぞれ被着体に塗布し、次いで塗布面同士を密着させればよく、場合によっては、A液及びB液を混合して用いることも可能である。
【0018】
【作 用】
本発明の接着剤は、特定のAA化PVA組成物を用いているため、接着剤の保存安定性が優れているため、一般の水溶液型接着剤、再湿接着剤、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)等の各種接着剤用途において大変有用である。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
なお,実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
(AA化PVA組成物の製造)
下記の方法によって、AA化PVA組成物(PVA−I〜VII)を製造した。
[PVA−I]
酢酸ナトリウムを0.3%含有するPVA粉末(ケン化度99.4モル%、重合度1200、平均粒径100メッシュ)をニーダーに100部仕込み、これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20rpmで撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン25部と酢酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分間反応させた。反応終了後の反応分散液をメタノール500部のメタノールで洗浄した後70℃で、6時間乾燥し、酢酸ナトリウム0.05%、酢酸0.1%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.5)AA化度6.0モル%のAA化PVA組成物を得た。また、かかるAA化PVA組成物の4%水溶液のpHは4.5であった。
【0021】
[PVA−II]
酢酸ナトリウムを0.3%含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、重合度1300、平均粒径100メッシュ)をニーダーに100部仕込み、回転数 20rpmで撹拌しながら、1時間にわたって90℃に昇温しながら、蒸発器で発生させたジケテンガス8部を反応器内に流入させた。90℃に昇温後、さらに30分間撹拌後、水5部と酢酸10部を噴霧して混合し、減圧下(100mmHg)60℃で8時間乾燥させ、酢酸ナトリウムを0.1%、酢酸2%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.05)AA化度3.1モル%のAA化PVA組成物を得た。また、かかるAA化PVA組成物の4%水溶液のpHは3.5であった。
【0022】
[PVA−III]
上記のPVA−Iの製造において、メタノール500部での洗浄をさらに1回追加し、乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃で6時間に変更した他は同様に製造し、酢酸ナトリウムを0.0075%、酢酸0.001%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=7.5)AA化度3.1モル%のAA化PVA組成物を得た。また、かかるAA化PVA組成物の4%水溶液のpHは5.8であった。
【0023】
[PVA−IV]
上記のPVA−Iの製造において、メタノール量を100部に変更し、乾燥条件を40℃で6時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナトリウム0.2%、酢酸5.3%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.04)AA化度6.0モル%、4%水溶液のpHが2.8のAA化PVA組成物を得た。
[PVA−V]
上記のPVA−IのAA化PVAの製造において、乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃で6時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナトリウム0.2%、酢酸0.001%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=200)AA化度6.0モル%、4%水溶液のpHが5.8のAA化PVA組成物を得た。
【0024】
[PVA−VI]
上記のPVA−IのAA化PVAの製造において、(AA化)反応終了時に酢酸ナトリウム1.7部を加えて撹拌し、その後の乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃で4時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナトリウム2.2%、酢酸0.25%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=8.8)AA化度6.0モル%、4%水溶液のpHが5.3のAA化PVA組成物を得た。
[PVA−VII]
酢酸ナトリウムを0.1%含有するPVA粉末(ケン化度99.5%、重合度1200、平均粒径200メッシュ)をニーダーに100部仕込み、これに酢酸30部、アセト酢酸メチル30部及び硫酸2部を加え80℃にて撹拌しながら8時間反応し、反応終了後メタノール50部で洗浄し、60℃、4時間乾燥し、酢酸ナトリウム0.02%、酢酸4%を含む(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.005)AA化度6.0モル%、4%水溶液のpHが2.5のAA化PVA組成物を得た。
【0025】
実施例1
上記のPVA−Iの10%水溶液を調製後、該水溶液の保存安定性を調べるために、25℃における粘度(a)をブルックフィールド型粘度計[ローター(No.1)の回転数5rpm]で測定後、該水溶液を60℃の恒温槽に1ケ月放置し、再度該水溶液の粘度(b)を測定して、(b)/(a)の粘度比を求めた。更に、粉末での保存安定性を調べるために上記のPVA−Iの粉末を60℃、65%RHの恒温室で3ケ月放置後、該粉末の10%水溶液の粘度(c)を上記と同様に測定して、(c)/(a)の粘度比を求めた。
また、上記の放置処理前及び60℃、1ケ月放置後のそれぞれのPVA−Iの10%水溶液をA液とし、アジピン酸ジヒドラジドの5%水溶液をB液とした速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)を調製して、3mm厚のラワン合板2枚それぞれにA液150g/m2及びB液50g/m2を塗布して、3kgf/cm2で10秒間圧着した後、JIS K 6849(接着剤の引張り接着強さ試験方法)に準拠して接着力を測定した。
【0026】
実施例2〜3、比較例1〜4
表1に示したAA化PVA組成物(表中のAA化PVA)を用いて実施例1と同様に粘度比及び接着力を測定した。
実施例及び比較例の測定結果を表1及び2に示す。
【0027】
【表1】
*60℃、1ケ月放置後の水溶液がゲル化したため、(b)を測定せず。
**60℃、65%RH、3ケ月放置後の粉末が完全に水に完全溶解しなかっため、(c)を測定せず。
【0028】
【表2】
註)初期接着力及び常態接着力とは、圧着直後の接着力及び室温7日間放置後の接着力をそれぞれ表し、放置処理前及び放置処理後とは、放置処理前及び60℃、1ケ月放置後のそれぞれのAA化PVAを用いた接着力を表す。
*A液がゲル化を起こして、塗布不可能であったため測定せず。
【0029】
【発明の効果】
本発明の接着剤は、特定のAA化PVA組成物を用いているため、接着剤の保存安定性が優れているため、一般の水溶液型接着剤、再湿接着剤、ホットメルト接着剤、感圧接着剤、速硬化型接着剤(ハネムーン接着剤)等の各種接着剤用途において大変有用である。
Claims (2)
- アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂に対してアルカリ金属の酢酸塩を2重量%以下、酢酸を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.01〜100であるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物を含有してなることを特徴とする接着剤。
- アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂に対してアルカリ金属の酢酸塩を0.01〜0.3重量%、酢酸を0.001〜3重量%含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.01〜10であるアセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂組成物を含有してなることを特徴とする接着剤。
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