JP3164297B2 - 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン - Google Patents

酢酸ビニル樹脂系エマルジョン

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JP3164297B2
JP3164297B2 JP20253397A JP20253397A JP3164297B2 JP 3164297 B2 JP3164297 B2 JP 3164297B2 JP 20253397 A JP20253397 A JP 20253397A JP 20253397 A JP20253397 A JP 20253397A JP 3164297 B2 JP3164297 B2 JP 3164297B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョンに関し、更に詳しくは長期の保存安定性及び
生成塗膜の耐水性に優れた酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、(酢酸)ビニル樹脂系エマル
ジョンは、接着剤、塗料、繊維・織物の加工剤、紙・皮
革の加工剤、各種材料のバインダー、セメント・モルタ
ルの混和剤等の広範な用途に利用されている。中でも、
アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂を含有し
た(酢酸)ビニル樹脂系エマルジョンは、木工用接着剤
として用いた場合に各種架橋剤の併用で、耐水性のさら
なる向上が可能で、また、接着剤の切断時に刃物を傷め
ない等の利点があるため、上記の用途等に利用されてい
る。しかしながら、アセトアセチル化ポリビニルアルコ
ール系樹脂を添加した場合には、エマルジョンの安定性
が低下する(粘度の上昇、ゲルの発生等)ため、各種の
添加剤の併用が試みられている。例えば、特公昭60−
36218号公報には、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫
酸塩、メタ重亜硫酸等の併用が、特開平7−3102号
公報には、特定式を表される水酸基含有化合物の併用
が、特開平8−113687号公報には、水溶性有機ア
ミンと水溶性ヒドラジンとの併用が提案されており、ま
た、本出願人もケトン類、ケト酸エステル類、マロン酸
類等の併用(特公平3−50772号公報)、酸性亜硫
酸ソーダの併用(特開平7−138305号公報)、メ
ルカプタン類の併用(特開平7−138306号公報)
等を出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特公昭
60−36218号公報、特開平7−3102号公報、
特公平3−50772号公報、特開平7−138306
号公報に記載の添加剤の併用では、ある程度の保存安定
性は望めるものの、夏季や冬季の高温時や低温時の安定
性が十分ではなく、また長期保存後の皮膜強度や接着剤
として用いたときの接着性に劣り、まだまだ満足は行か
ず、更に特開平8−113687号公報に記載の添加剤
の併用では、ゲル化は防げるもののエマルジョンが粘度
上昇をおこして、接着剤等に用いた場合、使用時期によ
り安定した接着力を得ることができないという欠点を有
し、新なる改良が望まれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記の事情に鑑
みて、本発明者が鋭意研究した結果、アセトアセチル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂を0.1〜30重量%
及び亜ジチオン酸塩を0.05〜4重量%含有する酢酸
ビニル樹脂系エマルジョンが、夏季や冬季の高温時や低
温時においても十分な安定性を発揮し、また長期保存後
の皮膜強度や接着剤として用いたときの接着力等の維持
が可能なエマルジョンが得られることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるアセトアセチル化ポリビニルアルコール
系樹脂(以下、AA化PVAと略記することがある)
は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記
することがある)とジケテンとを公知の方法で反応して
得ることができ、例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させ
ておき、これにジケテンを添加する方法、PVAをジメ
チルホルムアミド、またはジオキサンなどの溶媒にあら
かじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法で
ある。またPVAにジケテンガスまたは液状ジケテンを
直接接触させてAA化PVAを得る方法やPVAのアル
コール溶剤のケン化スラリーに硫酸などの酸触媒を加え
てアセト酢酸エステルをエステル交換させて、AA化P
VAを得る方法等も採り得る。
【0006】かかるAA化PVAの平均重合度は特に制
限はないが、200〜3000が好ましく、更には40
0〜2600が好ましく、かかる平均重合度が200未
満では後述する乳化剤としての保護コロイド力が得難
く、乳化重合時の安定性に欠け、逆に3000を越える
と乳化剤として使用した場合に得られるエマルジョン粘
度が上昇して好ましくない。又、AA化PVAの原料P
VAの平均ケン化度は68〜100モル%が好ましく、
更には80〜100モル%の範囲が好ましく、かかる平
均ケン化度が68モル%未満では得られるAA化PVA
が水不溶性となって好ましくない。更に、AA化PVA
のアセトアセチル基の含有量(AA化度)は0.05〜
15モル%が好ましく、更には1〜10モル%の範囲が
好ましく、かかるAA化度が0.05モル%未満ではエ
マルジョンを塗膜にしたときの耐水性が低下する傾向に
あり、逆に15モル%を越えると、エマルジョン粘度が
高すぎたり、保存安定性が低下する傾向にあり好ましく
ない。
【0007】また、本発明においては、かかるAA化P
VAを単独で用いるのみならず、他のPVAを併用する
ことも可能で、更にはケン化度等が異なる2種以上のA
A化PVAを用いることも可能である。かかるAA化P
VAの含有量は、本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンの全体に対し、0.1〜30重量%(更には1〜10
重量%)とすることが必要で、かかる含有量が0.1重
量%未満ではエマルジョンを塗膜にしたときの耐水性が
低下し、逆に30重量%を越えるとエマルジョン粘度が
高すぎたり、保存安定性が低下する
【0008】上記の如きAA化PVAが含有される本発
明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは、酢酸ビニル単独
あるいは酢酸ビニルを主体とした共重合体のエマルジョ
ンであり、通常は酢酸ビニル単独あるいは他のビニル化
合物を乳化重合して得られるもので、かかるビニル化
合物としては、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル
酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)ア
クリロニトリル、スチレン、エチレン、プロピレン、ア
セトアセチル基含有アクリルモノマー、ブタジエン系等
のジエン系モノマーなどが挙げられる。乳化重合触媒と
してはラジカル発生剤、なかんずく水溶性触媒が好適な
ものとして用いられ、例えば過酸化水素等の過酸化物、
酒石酸、ギ酸、シュウ酸等の還元剤、2,2−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二酸塩等の水溶性アゾビス、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の1種またはこ
れらの2種以上が用いられ、好適には過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸系の触媒が用いられる。
【0009】またノニオン界面活性剤、アニオン界面活
性剤等の各種界面活性剤もAA化PVAと併用しうる。
さらに他の乳化剤、例えばセルロース誘導体(カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロースなど)、ポリビニルアルコール類、ポリ
アクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテ
ル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合
体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重
合体ケン化物なども適宜併用できる。
【0010】本発明においては、上記の如きAA化PV
Aが含有されるビニル樹脂系エマルジョンに更に亜ジチ
オン酸塩を含有させることを最大の特徴とするもので、
かかる亜ジチオン酸塩としては亜ジチオン酸ナトリウム
(Na224)、亜ジチオン酸カリウム(K2
24)、亜ジチオン酸アンモニウム([(NH)422
4)、が例示でき、これに限定されるものではない
が、亜ジチオン酸ナトリウム(Na224)が好適に
用いられる。
【0011】かかる亜ジチオン酸塩の含有量は、酢酸
ニル樹脂系エマルジョン中に0.05〜4重量%である
ことが必要で、更には0.05〜2重量%で、かかる含
有量が0.05重量%未満では、エマルジョンの保存安
定性が低下し、逆に4重量%を越えるとエマルジョンの
耐水性が若干低下したり、硫黄臭が強くなる。また、か
かる亜ジチオン酸塩の添加方法については特に限定され
ず、重合中、重合後等いつでもよいが、より良好な皮膜
の耐水性を得るためには重合後が好ましく、添加に際し
ては固形状のままでもよいが、水溶液として添加する方
が好ましい。
【0012】本発明では、更に、亜硫酸塩、チオ硫酸
塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、L−アスコルビン
酸、ヒドラジン類等の還元剤を含有させることも好まし
く、かかる還元剤として具体的には亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、重亜
硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、L−アスコルビン
酸、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジ
ン、置換ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、メチルヒドラ
ジン等を挙げることができ、好適には重亜硫酸ナトリウ
ムが用いられ、その含有量は0.05〜2重量%(更に
は0.1〜1重量%)であることが好ましく、かかる含
有量が0.05重量%未満ではエマルジョンの保存安定
性の向上があまり期待できず、逆に2重量%を越えると
皮膜の耐水性や接着力が低下して好ましくない。これら
の還元剤の添加も、重合中または重合後のいずれでもよ
いが、重合後が好ましく、添加にあたっては固体状のま
までもよいが、水溶液として添加することが好ましい。
【0013】かくして、アセトアセチル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂を0.1〜30重量%及び亜ジチオ
ン酸塩を0.05〜4重量%含有した本発明の酢酸ビニ
ル樹脂系エマルジョンが得られるわけであるが、本発明
においては、かかるエマルジョン中の酢酸ビニルモノマ
ーの残存量を0.4重量%以下、更には0.3重量%以
下、特に0.2重量%以下にしたり、かかるエマルジョ
ンのpHを3〜8、更には4〜7にすることも好まし
い。かかるエマルジョン中の酢酸ビニルモノマーの残存
量を0.4重量%以下にコントロールする方法として
は、特に限定されないが、例えば、上記の如き酢酸
ニル化合物の乳化重合時に、イソプロピルアルコールを
共存させておき、更に重合触媒の滴下終了後にブチルア
ルコールを添加する方法、AA化PVAを含有した
ビニル樹脂系エマルジョン中の残留酢酸ビニルモノマ
ーをケイ酸のアルカリ金属塩を添加する方法、乳化重
合時の重合温度を上げる方法等が挙げられるが、や
が、工業的に有用で、かかる方法について、更に詳しく
説明する。
【0014】の方法におけるイソプロピルアルコール
の共存量は該ビニル化合物100重量部に対して、0.
2〜2重量部(更には0.5〜1.5重量部)が好まし
く、かかる添加量が0.2重量部未満では、該モノマー
量の低減効果が十分でなく、逆に添加量が2重量部を越
えるとエマルジョンの粘度安定性が低下して好ましくな
い。また、重合触媒の滴下終了後に添加するブチルアル
コールの添加量は該ビニル化合物100重量部に対し
て、0.05〜0.3重量部(更には0.1〜0.2重
量部)が好ましく、かかる添加量が0.05重量部未満
では、該モノマー量の低減効果が十分でなく、逆に添加
量が0.3重量部を越えても残存モノマーの低減に寄与
しない。
【0015】の方法においては、ケイ酸ナトリウム
(メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、二
ケイ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウム等)、ケイ酸カ
リウム(メタケイ酸カリウム、二ケイ酸水素カリウム
等)、ケイ酸リチウム(メタケイ酸リチウム、オルトケ
イ酸リチウム等)、及びこれらの水化物を挙げることが
でき、好適にはケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム等の
ケイ酸のアルカリ金属塩を用いて、その含有(添加)量
を0.01〜4重量%(更には0.02〜2重量%)に
すればよく、かかる含有量が0.01重量%未満では残
存モノマーの低減効果に乏しく、逆に4重量%を越える
とエマルジョンの安定性や皮膜強度が低下して好ましく
ない。また、かかるエマルジョンのpHのコントロール
方法についても特に限定されず、例えば各種の有機・無
機酸の金属塩やアミン類等を添加して調整すればよく、
より具体的には、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシム等
を該エマルジョン中に0.01〜5重量%(対エマルジ
ョン)程度添加する(添加時期は重合中または重合後の
いずれでもよく、特に限定されないが、重合率が90%
以上の時点で添加することが好ましい)ことでコントロ
ールすることができる。
【0016】また、上記の重合においては、その他通常
の乳化重合で用いられる種々の添加剤が使用でき、本発
明においては、特にポリエチレングリコール、メルカプ
タン類(アルキルメルカプタン、芳香族メルカプタ
ン)、スルフィド類(ジブチルジスルフィド、ジアセチ
ルジスルフィド、ジエチルジチオグリコート)、窒素含
有化合物(メチルシアノアセテート、ニトロメタン、ベ
ンジルシアナイド)等の連鎖移動剤を用いることで、エ
マルジョンの安定性に対して有用で、その添加量はビニ
ルモノマーに対して0.01〜5重量%が好ましく、更
には0.02〜2重量%が好ましく、かかる添加量が
0.01重量%未満ではエマルジョンの保存安定性が得
られにくく、逆に5重量%を越えるとエマルジョンの皮
膜の耐水性が低下して好ましくない。
【0017】また、最低造膜温度等の調整のため、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルカルビ
トール等の可塑剤を添加してもよく、更にはエマルジョ
ンの皮膜のさらなる耐水性向上のためにアジポイルジヒ
ドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等
の水溶性脂肪族ジヒドラジド類を添加したり、また、フ
ェノール樹脂初期縮合物やレゾルシノール系初期縮合物
を混合することにより変性酢酸ビニルエマルジョンとし
て取り扱うことも可能である。上記の如くAA化PVA
を乳化剤として、酢酸ビニル系化合物の重合時に共存さ
せてAA化PVA含有の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
を得ることは勿論、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンにA
A化PVAを後添加して本発明の酢酸ビニル樹脂系エマ
ルジョンとすることも勿論可能である。
【0018】かくして、得られた本発明の酢酸ビニル樹
脂系エマルジョンは紙、木材、プラスチックス、繊維、
壁紙などの接着剤、バインダー、コーティング剤、塗料
として用いられ、特に木工接着や紙の接着の高速機械
化、更に耐水性に優れているので、合板や耐水段ボール
等の接着用途等に有用であり、また、木材等に塗工或い
は含浸させて木材中のホルムアルデヒド類を補足する用
途(接着剤、塗料、コーティング剤等)に用いることも
有用である。
【0019】
【実施例】次に実施例によって本発明をより具体的に説
明する。尚、例中「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を表す。 実施例1 酢酸ビニルモノマー10.8部と平均重合度1400,
平均ケン化度99モル%,AA化度5.5モル%のAA
化PVAの10%水溶液120部、0.6%酢酸ナトリ
ウム水溶液10部、水37部、0.96%過硫酸アンモ
ニウム水溶液5部を撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、
温度計を備えたセパラブルフラスコに仕込み、撹拌しな
がらフラスコ内の温度を70℃にして1時間初期重合を
行った。次いで、更に酢酸ビニルモノマー97.2部を
3時間かけて滴下すると共に、0.96%過硫酸アンモ
ニウム水溶液5部添加し、更に1時間おきに同量の0.
96%過硫酸アンモニウム水溶液を3回添加した。酢酸
ビニルモノマー滴下終了1時間後に1%ハイドロキノン
水溶液1部を添加して重合を終了させた。最後に40%
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液2部を添加して本発明の
酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られた酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンの残存酢酸ビニルモノマー量は0.
4%で、重合率98.9%、pH2.5、粘度2700
0mPa・s(BH型回転粘度計、ローター回転数10
rpm、25℃)であった。上記の酢酸ビニル樹脂エマ
ルジョンを用いて、下記の如く放置安定性及生成塗膜の
耐水性の評価を行った。
【0020】(放置安定性)得られた酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンを450mlのマヨネーズビンに密封して、
70℃で7日放置後と室温で1年放置後の粘度を測定し
て、放置前の粘度(上記と同方法)の何倍(放置後の粘
度/放置前の粘度)になったかを調べた。尚、粘度の測
定はすべて25℃で行った。 (耐水性)上記の室温で1年放置後の酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンをガラス板上に塗工して、40℃で3分間乾
熱処理後、24時間風乾して、約100μmの塗膜を調
整し、かかる塗膜を90℃の熱水に3時間浸漬させて、
塗膜の溶出残分測定した。 (低温安定性)得られた酢酸ビニル樹脂エマルジョンを
450mlのマヨネーズビンに密封して、0℃の恒温器
に3時間放置して、取り出し直後の粘度を測定し、この
エマルジョンを更に0℃の恒温器に1ケ月放置して、同
様に粘度を測定して、1ケ月放置前の粘度の何倍(1ケ
月放置後の粘度/3時間放置後の粘度)になったかを調
べた。
【0021】実施例2 実施例1において、更に40%亜硫酸水素ナトリウム水
溶液2部を添加した以外は同様に行って、残存酢酸ビニ
ルモノマー量0.4%、重合率98.9%、pH2.
5、粘度26000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹
脂エマルジョンを得て、同様に評価を行った。
【0022】実施例3 実施例1において、更に亜ジチオン酸ナトリウム水溶液
と同時に10%ケイ酸ナトリウム水溶液を5部添加した
以外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.3
%、重合率99.1%、pH5.0、粘度25000m
Pa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得
て、同様に評価を行った。
【0023】実施例4 実施例1において、40%亜ジチオン酸ナトリウム水溶
液の配合量を10部とした以外は同様に行って、残存酢
酸ビニルモノマー量0.4%、重合率98.8%、pH
3.0、粘度25000mPa・s(同上)の酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンを得て、同様に評価を行った。
【0024】実施例5 実施例1において、更に亜ジチオン酸ナトリウム水溶液
と同時に15%酢酸ナトリウム水溶液1部添加した以外
は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.4%、
重合率98.9%、pH4.5、粘度26000mPa
・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得て、同
様に評価を行った。
【0025】実施例6 予め酢酸ビニルモノマー108部とイソプロピルアルコ
ール2部からなる混合液を用意しておき、かかる混合液
11部、平均重合度1400,平均ケン化度99モル
%,AA化度5.5モル%のAA化PVAの10%水溶
液120部、0.6%酢酸ナトリウム水溶液10部、水
37部、0.96%過硫酸アンモニウム水溶液5部を撹
拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたセパラ
ブルフラスコに仕込み、撹拌しながらフラスコ内の温度
を70℃にして1時間初期重合を行った。次いで、残り
の混合液99部を3時間かけて滴下すると共に、0.9
6%過硫酸アンモニウム水溶液5部を添加し、更に1時
間おきに同量の0.96%過硫酸アンモニウム水溶液を
3回添加した。酢酸ビニルモノマー滴下終了と同時に、
ブチルアルコール0.3部を添加し、1時間後に1%ハ
イドロキノン水溶液1部を添加して重合を終了させた。
最後に40%亜ジチオン酸ナトリウム水溶液2部、15
%酢酸ナトリウム水溶液1部を添加して酢酸ビニル樹脂
エマルジョンを得た。得られた酢酸ビニル樹脂エマルジ
ョンの残存酢酸ビニルモノマー量は0.2%で、重合率
99.4%、pH4.2、粘度25000mPa・s
(同上)であった。
【0026】実施例7 実施例6と同様に重合を始め、ブチルアルコール0.3
部添加時に、15%酢酸ナトリウム水溶液1部を添加し
(このときの重合率は96%、pHは4.7であっ
た)、更に1時間後に重合を終了させ、次いで、40%
亜ジチオン酸ナトリウム水溶液2部を添加して、残存酢
酸ビニルモノマー量は0.2%で、重合率99.4%、
pH4.1、粘度23000mPa・s(同上)を得
て、同様に評価を行った。
【0027】実施例8 実施例6において、酢酸ナトリウム水溶液の代わりに3
0%炭酸ナトリウム水溶液を10部とした以外は同様に
重合を行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.2%、重
合率99.4%、pH6.7、粘度24000mPa・
s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得て、同様
に評価を行った。
【0028】実施例9 実施例6において、最後に40%亜ジチオン酸ナトリウ
ム水溶液1部と40%亜硫酸水素ナトリウム水溶液1部
を添加した以外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマ
ー量0.2%、重合率99.4%、pH4.3、粘度2
3000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジ
ョンを得て、同様に評価を行った。
【0029】比較例1 実施例1において、亜ジチオン酸ナトリウム水溶液を無
添加とした以外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマ
ー量0.4%、重合率98.9%、pH2.5、粘度2
7000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジ
ョンを得て、同様に評価を行った。
【0030】比較例2 実施例1において、亜ジチオン酸ナトリウム水溶液に変
えて40%亜硫酸水素ナトリウム水溶液2部を添加した
以外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.4
%、重合率98.9%、pH2.6、粘度27000m
Pa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得
て、同様に評価を行った。実施例及び比較例の評価結果
を表1に示す。
【0031】
【表1】 放置安定性 耐水性 低温安定性 70℃×7日 室温×1年 (%) 実施例1 2.4 2.5 98.3 1.4 〃 2 2.4 2.5 96.5 1.6 〃 3 1.1 1.1 97.2 1.2 〃 4 2.3 2.4 98.5 1.3 〃 5 2.2 2.4 98.7 1.3 〃 6 1.0 1.0 98.1 1.0 〃 7 1.0 1.0 97.5 1.1 〃 8 1.0 1.0 97.8 1.2 〃 9 1.1 1.2 96.5 1.2 比較例1 ゲル化 ゲル化 測定不能 3.5 〃 2 4.5 ゲル化 測定不能 3.2
【0032】
【発明の効果】本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
は、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
を0.1〜30重量%及び亜ジチオン酸塩を0.05〜
4重量%含有しているため、放置(保存)安定性や生成
塗膜の耐水性等に優れ、特に耐水/耐熱水性を必要とさ
れる木工用接着剤や紙管用接着剤等の用途に有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5:09 5:24) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 29/04 C08K 3/30,3/34 C08K 5/09 - 5/098 C08K 5/24 - 5/26

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコ
    ール系樹脂を0.1〜30重量%及び亜ジチオン酸塩を
    0.05〜4重量%含有することを特徴とする酢酸ビニ
    ル樹脂系エマルジョン。
  2. 【請求項2】 亜ジチオン酸塩が亜ジチオン酸ナトリウ
    ム(Na224)であることを特徴とする請求項1記
    載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  3. 【請求項3】 更に、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫酸
    塩、メタ重亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、ヒドラジン
    類から選ばれる少なくとも1種の還元剤を含有すること
    を特徴とする請求項1または2記載の酢酸ビニル樹脂系
    エマルジョン。
  4. 【請求項4】 還元剤の含有量が0.05〜2重量%で
    あることを特徴とする請求項記載の酢酸ビニル樹脂系
    エマルジョン。
  5. 【請求項5】 酢酸ビニルモノマーの残存量が0.4重
    量%以下であることを特徴とする請求項1〜いずれか
    記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  6. 【請求項6】 イソプロピルアルコールの存在下にビニ
    ルモノマーを滴下重合し、重合触媒の滴下終了後にブチ
    ルアルコールを添加してなることを特徴とする請求項1
    記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  7. 【請求項7】 更に、ケイ酸のアルカリ塩を含有するこ
    とを特徴とする請求項1〜いずれか記載の酢酸ビニル
    樹脂系エマルジョン。
  8. 【請求項8】 ケイ酸のアルカリ塩の含有量が0.01
    〜4重量%であることを特徴とする請求項記載の酢酸
    ビニル樹脂系エマルジョン。
  9. 【請求項9】 pHが3〜8であることを特徴とする請
    求項1〜いずれか記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
    ン。
  10. 【請求項10】 木材に塗工或いは含浸させて木材中の
    ホルムアルデヒド類を捕捉する用途に用いることを特徴
    とする請求項1〜いずれか記載の酢酸ビニル樹脂系エ
    マルジョン。
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