JPH1192612A - ビニル樹脂系エマルジョン - Google Patents

ビニル樹脂系エマルジョン

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JPH1192612A
JPH1192612A JP27367497A JP27367497A JPH1192612A JP H1192612 A JPH1192612 A JP H1192612A JP 27367497 A JP27367497 A JP 27367497A JP 27367497 A JP27367497 A JP 27367497A JP H1192612 A JPH1192612 A JP H1192612A
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JP
Japan
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resin emulsion
emulsion
vinyl resin
vinyl
weight
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JP27367497A
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English (en)
Inventor
Masahiro Saito
昌宏 斎藤
Mitsuo Shibuya
光夫 渋谷
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放置(保存)安定性やエマルジョンの長期保
存前後での生成塗膜の耐水性接着強度の安定性等に優れ
た(酢酸)ビニル樹脂系エマルジョンを提供すること。 【解決手段】 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコ
ール系樹脂及びアミノ酸類を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビニル樹脂系エマル
ジョンに関し、更に詳しくは長期の保存安定性及びエマ
ルジョンの長期保存前後での生成塗膜の耐水接着強度の
安定性に優れたビニル樹脂系エマルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、(酢酸)ビニル樹脂系エマル
ジョンは、接着剤、塗料、繊維・織物の加工剤、紙・皮
革の加工剤、各種材料のバインダー、セメント・モルタ
ルの混和剤等の広範な用途に利用されている。中でも、
アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂を含有し
た(酢酸)ビニル樹脂系エマルジョンは、木工用接着剤
として用いた場合に各種架橋剤の併用で、耐水性のさら
なる向上が可能で、また、接着剤の切断時に刃物を傷め
ない等の利点があるため、上記の用途等に利用されてい
る。しかしながら、アセトアセチル化ポリビニルアルコ
ール系樹脂を添加した場合には、エマルジョンの安定性
が低下する(粘度の上昇、ゲルの発生等)ため、各種の
添加剤の併用が試みられている。例えば、特公昭60−
36218号公報には、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫
酸塩、メタ重亜硫酸等の併用が、特開平7−3102号
公報には、特定式を表される水酸基含有化合物の併用
が、特開平8−113687号公報には、水溶性有機ア
ミンと水溶性ヒドラジンとの併用が提案されており、ま
た、本出願人もケトン類、ケト酸エステル類、マロン酸
類等の併用(特公平3−50772号公報)、酸性亜硫
酸ソーダの併用(特開平7−138305号公報)、メ
ルカプタン類の併用(特開平7−138306号公報)
等を出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特公昭
60−36218号公報、特開平7−3102号公報、
特公平3−50772号公報、特開平7−138306
号公報に記載の添加剤の併用では、ある程度の保存安定
性は望めるものの、夏季や冬季の高温時や低温時の安定
性が十分ではなく、また長期保存後の皮膜強度や接着剤
として用いたときの接着性に劣り、まだまだ満足は行か
ず、更に特開平8−113687号公報に記載の添加剤
の併用では、ゲル化は防げるもののエマルジョンが粘度
上昇をおこして、接着剤等に用いた場合、使用時期によ
り安定した接着力を得ることができないという欠点を有
し、新なる改良が望まれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記の事情に鑑
みて、本発明者が鋭意研究した結果、アセトアセチル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂及びアミノ酸類を含有
するビニル樹脂系エマルジョンが、夏季や冬季の高温時
や低温時においても十分な安定性を発揮し、また長期保
存後の皮膜強度や接着剤として用いたときの接着力等の
維持が可能なエマルジョンであることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるアセトアセチル化ポリビニルアルコール
系樹脂(以下、AA化PVAと略記することがある)
は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記
することがある)とジケテンとを公知の方法で反応して
得ることができ、例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させ
ておき、これにジケテンを添加する方法、PVAをジメ
チルホルムアミド、またはジオキサンなどの溶媒にあら
かじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法で
ある。またPVAにジケテンガスまたは液状ジケテンを
直接接触させてAA化PVAを得る方法やPVAのDM
F、DMSO、酢酸エステル等の有機溶媒中に硫酸など
の酸触媒を加えてアセト酢酸エステルをエステル交換さ
せて、AA化PVAを得る方法等も採り得る。
【0006】かかるAA化PVAの平均重合度は特に制
限はないが、200〜3000が好ましく、更には40
0〜2600が好ましく、かかる平均重合度が200未
満では後述する乳化剤としての保護コロイド力が得難
く、乳化重合時の安定性に欠け、逆に3000を越える
と乳化剤として使用した場合に得られるエマルジョン粘
度が上昇して好ましくない。又、AA化PVAの原料P
VAの平均ケン化度は68〜100モル%が好ましく、
更には75〜100モル%、特に80〜100モル%の
範囲が好ましく、かかる平均ケン化度が68モル%未満
では得られるAA化PVAが水不溶性となって好ましく
ない。更に、AA化PVAのアセトアセチル基の含有量
(AA化度)は0.05〜15モル%が好ましく、更に
は1〜10モル%の範囲が好ましく、かかるAA化度が
0.05モル%未満ではエマルジョンを塗膜にしたとき
の耐水性が低下する傾向にあり、逆に15モル%を越え
ると、エマルジョン粘度が高すぎたり、保存安定性が低
下する傾向にあり好ましくない。
【0007】また、本発明においては、かかるAA化P
VAを単独で用いるのみならず、他のPVAを併用する
ことも可能で、更にはケン化度等が異なる2種以上のA
A化PVAを用いることも可能である。かかるAA化P
VAの含有量は、本発明のビニル樹脂系エマルジョンの
全体に対し、0.1〜30重量%(更には1〜15重量
%)の範囲から選択することが好ましく、かかる含有量
が0.1重量%未満ではエマルジョンを塗膜にしたとき
の耐水性が低下し、逆に30重量%を越えるとエマルジ
ョン粘度が高すぎたり、保存安定性が低下して好ましく
ない。
【0008】上記の如きAA化PVAが含有される本発
明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは、通常ビニル化合
物を乳化重合して得られるもので、かかるビニル化合物
としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)
アクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
(メタ)アクリロニトリル、スチレン、エチレン、プロ
ピレン、アセトアセチル基含有アクリルモノマーなどが
挙げられ、これらの単独重合あるいは共重合あるいはブ
タジエン系等のジエン系モノマーとの共重合である。な
かんずく酢酸ビニル単独あるいは酢酸ビニルを主体とし
た共重合が好適である。
【0009】乳化重合触媒としてはラジカル発生剤、な
かんずく水溶性触媒が好適なものとして用いられ、例え
ば過酸化水素等の過酸化物、酒石酸、ギ酸、シュウ酸等
の還元剤、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二酸塩等の水溶性アゾビス、過硫酸アンモニウム、過硫
酸カリウム等の1種またはこれらの2種以上が用いら
れ、好適には過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の
過硫酸系の触媒が用いられる。またノニオン界面活性
剤、アニオン界面活性剤等の各種界面活性剤もAA化P
VAと併用しうる。さらに他の乳化剤、例えばセルロー
ス誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース、メチルセルロースなど)、ポリビニル
アルコール類、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイ
ン酸−ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−
酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスル
ホン酸(塩)共重合体ケン化物なども適宜併用できる。
【0010】本発明においては、上記の如きAA化PV
Aが含有されるビニル樹脂系エマルジョンに、更にアミ
ノ酸類を含有させることを最大の特徴とするもので、か
かるアミノ酸類としては、グリシン、アラニン、システ
イン、プロリン、ヒドロキシプロリン、バリン、セリ
ン、アスパラギン、グルタミン、ロイシン、イソロイシ
ン、フェニルアラニン、トレオニン、メチオニン等を挙
げることができ、好適にはグリシン、アラニン、システ
イン、プロリン、ヒドロキシプロリンが用いられる。
【0011】かかるアミノ酸類の含有量は、ビニル系エ
マルジョン中に0.05〜4重量%であることが好まし
く、更には0.05〜2重量%で、かかる含有量が0.
05重量%未満では、エマルジョンの保存安定性が低下
し、逆に4重量%を越えるとエマルジョンの耐水性が若
干低下したりして好ましくない。また、かかるアミノ酸
類の添加方法については特に限定されず、重合中、重合
後等いつでもよいが、より良好な皮膜の耐水性を得るた
めには重合後が好ましく、添加に際しては固形状のまま
でもよいが、水溶液として添加する方が好ましい。
【0012】本発明では、更に、亜硫酸塩、チオ硫酸
塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、L−アスコルビン
酸、ヒドラジン類等の還元剤を含有させることも好まし
く、かかる還元剤として具体的には亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、重亜
硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、L−アスコルビン
酸、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジ
ン、置換ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、メチルヒドラ
ジン等を挙げることができ、好適には重亜硫酸ナトリウ
ムが用いられ、その含有量は0.05〜2重量%(更に
は0.1〜1重量%)であることが好ましく、かかる含
有量が0.05重量%未満ではエマルジョンの保存安定
性の向上があまり期待できず、逆に2重量%を越えると
皮膜の耐水性や接着力が低下して好ましくない。これら
の還元剤の添加も、重合中または重合後のいずれでもよ
いが、重合後が好ましく、添加にあたっては固体状のま
までもよいが、水溶液として添加することが好ましい。
【0013】かくして、アセトアセチル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂及び(次)亜リン酸塩を含有した本
発明の(酢酸)ビニル樹脂系エマルジョンが得られるわ
けであるが、本発明においては、かかるエマルジョン中
のビニルモノマーの残存量を0.4重量%以下、更には
0.3重量%以下、特に0.2重量%以下にしたり、か
かるエマルジョンのpHを3〜8、更には4〜7にする
ことも好ましい。かかるエマルジョン中のビニルモノマ
ーの残存量を0.4重量%以下にコントロールする方法
としては、特に限定されないが、例えば、上記の如き
(酢酸)ビニル化合物の乳化重合時に、イソプロピルア
ルコールを共存させておき、更に重合触媒の滴下終了後
にブチルアルコールを添加する方法、AA化PVAを
含有した(酢酸)ビニル樹脂系エマルジョン中の残留
(酢酸)ビニルモノマーをケイ酸のアルカリ金属塩を添
加する方法、乳化重合時、特に重合終了直前に重合温
度を(例えば80℃以上)上げる方法等が挙げられる
が、やが、工業的に有用で、かかる方法について、
更に詳しく説明する。
【0014】の方法におけるイソプロピルアルコール
の共存量は該ビニル化合物100重量部に対して、0.
2〜2重量部(更には0.5〜1.5重量部)が好まし
く、かかる添加量が0.2重量部未満では、該モノマー
量の低減効果が十分でなく、逆に添加量が2重量部を越
えるとエマルジョンの粘度安定性が低下して好ましくな
い。また、重合触媒の滴下終了後に添加するブチルアル
コールの添加量は該ビニル化合物100重量部に対し
て、0.05〜0.3重量部(更には0.1〜0.2重
量部)が好ましく、かかる添加量が0.05重量部未満
では、該モノマー量の低減効果が十分でなく、逆に添加
量が0.3重量部を越えても残存モノマーの低減に寄与
しない。
【0015】の方法においては、ケイ酸ナトリウム
(メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、二
ケイ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウム等)、ケイ酸カ
リウム(メタケイ酸カリウム、二ケイ酸水素カリウム
等)、ケイ酸リチウム(メタケイ酸リチウム、オルトケ
イ酸リチウム等)、及びこれらの水化物を挙げることが
でき、好適にはケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム等の
ケイ酸のアルカリ金属塩を用いて、その含有(添加)量
を0.01〜4重量%(更には0.02〜2重量%)に
すればよく、かかる含有量が0.01重量%未満では残
存モノマーの低減効果に乏しく、逆に4重量%を越える
とエマルジョンの安定性や皮膜強度が低下して好ましく
ない。
【0016】また、かかるエマルジョンのpHのコント
ロール方法についても特に限定されず、例えば各種の有
機・無機酸の金属塩やアミン類等を添加して調整すれば
よく、より具体的には、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリ
ウム、炭酸ナトリウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネ
シウム、第2リン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、重炭
酸ナトリウム等を該エマルジョン中に0.01〜5重量
%(対エマルジョン)程度添加する(添加時期は重合中
または重合後のいずれでもよく、特に限定されないが、
重合率が90%以上の時点で添加することが好ましい)
ことでコントロールすることができる。
【0017】また、上記の重合においては、その他通常
の乳化重合で用いられる種々の添加剤が使用でき、本発
明においては、特にポリエチレングリコール、メルカプ
タン類(アルキルメルカプタン、芳香族メルカプタ
ン)、スルフィド類(ジブチルジスルフィド、ジアセチ
ルジスルフィド、ジエチルジチオグリコート)、窒素含
有化合物(メチルシアノアセテート、ニトロメタン、ベ
ンジルシアナイド)等の連鎖移動剤を用いることで、エ
マルジョンの安定性に対して更に有用で、その添加量は
ビニルモノマーに対して0.01〜5重量%が好まし
く、更には0.02〜2重量%が好ましく、かかる添加
量が0.01重量%未満ではエマルジョンの保存安定性
が得られにくく、逆に5重量%を越えるとエマルジョン
の皮膜の耐水性が低下して好ましくない。
【0018】また、最低造膜温度等の調整のため、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルカルビ
トール等の可塑剤を添加してもよく、更にはエマルジョ
ンの皮膜のさらなる耐水性向上のためにアジポイルジヒ
ドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等
の水溶性脂肪族ジヒドラジド類を添加したり、また、フ
ェノール樹脂初期縮合物やレゾルシノール系初期縮合物
を混合することにより変性酢酸ビニルエマルジョンとし
て取り扱うことも可能である。上記の如くAA化PVA
を乳化剤として、(酢酸)ビニル系化合物の重合時に共
存させてAA化PVA含有の(酢酸)ビニル樹脂系エマ
ルジョンを得ることは勿論、(酢酸)ビニル樹脂系エマ
ルジョンにAA化PVAを後添加して本発明の(酢酸)
ビニル樹脂系エマルジョンとすることも勿論可能であ
る。
【0019】かくして、得られた本発明の(酢酸)ビニ
ル樹脂系エマルジョンは紙、木材、プラスチックス、繊
維、壁紙などの接着剤、バインダー、コーティング剤、
塗料として用いられ、特に木工接着や紙の接着の高速機
械化、更に耐水性に優れているので、合板や耐水段ボー
ル等の接着用途等に有用であり、また、木材等に塗工或
いは含浸させて木材中のホルムアルデヒド類を補足する
用途(接着剤、塗料、コーティング剤等)に用いること
も有用である。
【0020】
【実施例】次に実施例によって本発明をより具体的に説
明する。尚、例中「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を表す。 実施例1 酢酸ビニルモノマー10.8部と平均重合度1400,
平均ケン化度99モル%,AA化度5.5モル%のAA
化PVAの10%水溶液120部、0.6%酢酸ナトリ
ウム水溶液10部、水37部、0.96%過硫酸アンモ
ニウム水溶液5部を撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、
温度計を備えたセパラブルフラスコに仕込んで、撹拌し
ながらフラスコ内の温度を70℃にして1時間初期重合
を行った。次いで、更に酢酸ビニルモノマー97.2部
を3時間かけて滴下すると共に、0.96%過硫酸アン
モニウム水溶液5部添加し、更に1時間おきに同量の
0.96%過硫酸アンモニウム水溶液を3回添加した。
酢酸ビニルモノマー滴下終了1時間後に1%ハイドロキ
ノン水溶液1部を添加して重合を終了させた。最後に4
0%システイン水溶液2部を添加して本発明の酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンを得た。得られた酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンの残存酢酸ビニルモノマー量は0.4%で、
重合率98.9%、pH2.5、粘度27000mPa
・s(BH型回転粘度計、ローター回転数10rpm、
25℃)であった。上記の酢酸ビニル樹脂エマルジョン
を用いて、下記の如く放置安定性及生成塗膜の耐水性の
評価を行った。
【0021】(放置安定性)得られた酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンを450mlのマヨネーズビンに密封して、
70℃で7日放置後と室温で6ケ月放置後の粘度を測定
し、放置前の粘度(上記と同方法)の何倍(放置後の粘
度/放置前の粘度)になったかを調べた。尚、粘度の測
定はすべて25℃で行った。 (耐水接着力の安定性)ラワン材(25mm×50m
m、厚み10mm)の表面に得られた酢酸ビニルエマル
ジョンを100g/m2になるように塗布して、もう1
枚のラワン材(同上)をそれぞれの半分の面積(25m
m×25mm)が接着するように張り合わせ、10kg
/cm2の力で20℃にて1時間圧着し、その後20
℃、65%RHで48時間養生して試験体を作製した。
次いで、得られた試験体を4時間煮沸後、60℃で3時
間乾燥して、20℃にて圧縮せん断接着強度を圧縮速度
10mm/minで測定して、以下のとおり評価した。
尚、測定値は、n=10の平均値とし、また室温で6ケ
月放置後の酢酸ビニルエマルジョンについても同様に評
価を行った。 ○ −−− 30kg/cm2以上 △ −−− 1〜30kg/cm2未満 × −−− 1kg/cm2未満または測定前に試験体
に剥離が見られた (低温安定性)得られた酢酸ビニル樹脂エマルジョンを
450mlのマヨネーズビンに密封して、0℃の恒温器
に3時間放置して、取り出し直後の粘度を測定し、この
エマルジョンを更に0℃の恒温器に1ケ月放置して、同
様に粘度を測定して、1ケ月放置前の粘度の何倍(1ケ
月放置後の粘度/3時間放置後の粘度)になったかを調
べた。
【0022】実施例2 実施例1において、更に40%亜硫酸水素ナトリウム水
溶液2部を添加した以外は同様に行って、残存酢酸ビニ
ルモノマー量0.4%、重合率98.9%、pH2.
5、粘度26000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹
脂エマルジョンを得て、同様に評価を行った。
【0023】実施例3 実施例1において、更に40%システイン水溶液と同時
に10%ケイ酸ナトリウム水溶液を5部添加した以外は
同様に行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.3%、重
合率99.1%、pH5.2、粘度25000mPa・
s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得て、同様
に評価を行った。
【0024】実施例4 実施例1において、40%システイン水溶液の配合量を
10部とした以外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノ
マー量0.4%、重合率98.8%、pH3.5、粘度
25000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマル
ジョンを得て、同様に評価を行った。
【0025】実施例5 実施例1において、更に40%システイン水溶液と同時
に15%酢酸ナトリウム水溶液1部添加した以外は同様
に行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.4%、重合率
98.9%、pH5.0、粘度26000mPa・s
(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得て、同様に
評価を行った。
【0026】実施例6 予め酢酸ビニルモノマー108部とイソプロピルアルコ
ール2部からなる混合液を用意しておき、かかる混合液
11部、平均重合度1400,平均ケン化度99モル
%,AA化度5.5モル%のAA化PVAの10%水溶
液120部、0.6%酢酸ナトリウム水溶液10部、水
37部、0.96%過硫酸アンモニウム水溶液5部を撹
拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたセパラ
ブルフラスコに仕込み、撹拌しながらフラスコ内の温度
を70℃にして1時間初期重合を行った。次いで、残り
の混合液99部を3時間かけて滴下すると共に、0.9
6%過硫酸アンモニウム水溶液5部を添加し、更に1時
間おきに同量の0.96%過硫酸アンモニウム水溶液を
3回添加した。酢酸ビニルモノマー滴下終了と同時に、
ブチルアルコール0.3部を添加し、1時間後に1%ハ
イドロキノン水溶液1部を添加して重合を終了させた。
最後に40%システイン水溶液2部、15%酢酸ナトリ
ウム水溶液1部を添加して酢酸ビニル樹脂エマルジョン
を得た。得られた酢酸ビニル樹脂エマルジョンの残存酢
酸ビニルモノマー量は0.2%で、重合率99.4%、
pH4.8、粘度25000mPa・s(同上)であっ
た。
【0027】実施例7 実施例6と同様に重合を始め、ブチルアルコール0.3
部添加時に、15%酢酸ナトリウム水溶液1部を添加し
(このときの重合率は96%、pHは5.2であっ
た)、更に1時間後に重合を終了させ、次いで、40%
システイン水溶液2部を添加して、残存酢酸ビニルモノ
マー量は0.2%で、重合率99.4%、pH4.6、
粘度23000mPa・s(同上)を得て、同様に評価
を行った。
【0028】実施例8 実施例6において、酢酸ナトリウム水溶液の代わりに3
0%炭酸ナトリウム水溶液を10部とした以外は同様に
重合を行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.2%、重
合率99.4%、pH7.1、粘度24000mPa・
s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得て、同様
に評価を行った。
【0029】実施例9 実施例6において、最後に40%システイン水溶液1部
と40%亜硫酸水素ナトリウム水溶液1部を添加した以
外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマー量0.2
%、重合率99.4%、pH4.9、粘度23000m
Pa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得
て、同様に評価を行った。
【0030】比較例1 実施例1において、40%システイン水溶液を無添加と
した以外は同様に行って、残存酢酸ビニルモノマー量
0.4%、重合率98.9%、pH2.5、粘度270
00mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョン
を得て、同様に評価を行った。実施例及び比較例の評価
結果を表1に示す。
【0031】
【表1】 放置安定性 耐水接着力の安定性 低温安定性 70℃×7日 室温×6ケ月 初期 室温×6ケ月 実施例1 2.7 2.8 ○ △ 1.4 〃 2 2.4 2.8 ○ △ 1.6 〃 3 1.1 1.2 ○ ○ 1.3 〃 4 2.0 2.3 ○ △ 1.3 〃 5 2.1 2.4 ○ △ 1.3 〃 6 1.0 1.0 ○ ○ 1.0 〃 7 1.0 1.1 ○ ○ 1.1 〃 8 1.8 2.0 ○ △ 1.4 〃 9 1.1 1.1 ○ ○ 1.2 比較例1 ゲル化 ゲル化 ○ × 3.5
【0032】
【発明の効果】本発明の(酢酸)ビニル樹脂系エマルジ
ョンは、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系
樹脂及びアミノ酸類を含有しているため、放置(保存)
安定性やエマルジョンの長期保存前後での生成塗膜の耐
水性接着強度の安定性等に優れ、特に耐水/耐熱水性を
必要とされる木工用接着剤や紙管用接着剤等の用途に有
用である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコ
    ール系樹脂及びアミノ酸類を含有することを特徴とする
    ビニル樹脂系エマルジョン。
  2. 【請求項2】 アミノ酸類がグリシン、アラニン、シス
    テイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、バリン、セリ
    ン、アスパラギン、グルタミン、ロイシン、イソロイシ
    ン、フェニルアラニン、トレオニン、メチオニンのいず
    れかであることを特徴とする請求項1記載のビニル樹脂
    系エマルジョン。
  3. 【請求項3】 アミノ酸類の含有量が0.05〜4重量
    %であることを特徴とする請求項1または2記載のビニ
    ル樹脂系エマルジョン。
  4. 【請求項4】 更に、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫酸
    塩、メタ重亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、ヒドラジン
    類から選ばれる少なくとも1種の還元剤を含有すること
    を特徴とする請求項1〜3いずれか記載のビニル樹脂系
    エマルジョン。
  5. 【請求項5】 還元剤の含有量が0.05〜2重量%で
    あることを特徴とする請求項4記載のビニル樹脂系エマ
    ルジョン。
  6. 【請求項6】 ビニルモノマーの残存量が0.4重量%
    以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載
    のビニル樹脂系エマルジョン。
  7. 【請求項7】 イソプロピルアルコールの存在下にビニ
    ルモノマーを滴下重合し、重合触媒の滴下終了後にブチ
    ルアルコールを添加してなることを特徴とする請求項6
    記載のビニル樹脂系エマルジョン。
  8. 【請求項8】 更に、ケイ酸のアルカリ塩を含有するこ
    とを特徴とする請求項6記載のビニル樹脂系エマルジョ
    ン。
  9. 【請求項9】 ケイ酸のアルカリ塩の含有量が0.01
    〜4重量%であることを特徴とする請求項8記載のビニ
    ル樹脂系エマルジョン。
  10. 【請求項10】 pHが3〜8であることを特徴とする
    請求項1〜9いずれか記載のビニル樹脂系エマルジョ
    ン。
  11. 【請求項11】 木材に塗工或いは含浸させて木材中の
    ホルムアルデヒド類を補足する用途に用いることを特徴
    とする請求項1〜10いずれか記載のビニル樹脂系エマ
    ルジョン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003042297A1 (fr) * 2001-11-13 2003-05-22 Kuraray Co., Ltd. Emulsion de resine d'ester vinylique
JP2007162032A (ja) * 2007-03-12 2007-06-28 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物およびその用途
JP2009280754A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 樹脂組成物、コート層、およびインクジェット記録用媒体

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