JP3164296B2 - 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン - Google Patents

酢酸ビニル樹脂系エマルジョン

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JP3164296B2 JP20253297A JP20253297A JP3164296B2 JP 3164296 B2 JP3164296 B2 JP 3164296B2 JP 20253297 A JP20253297 A JP 20253297A JP 20253297 A JP20253297 A JP 20253297A JP 3164296 B2 JP3164296 B2 JP 3164296B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酢酸ビニル樹脂系エ
マルジョンに関し、更に詳しくは長期の保存安定性及び
生成塗膜の耐水性に優れた酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、(酢酸)ビニル樹脂系エマル
ジョンは、接着剤、塗料、繊維・織物の加工剤、紙・皮
革の加工剤、各種材料のバインダー、セメント・モルタ
ルの混和剤等の広範な用途に利用されている。中でも、
アセトアセチル化ポリビニルアルコール系樹脂を含有し
た(酢酸)ビニル樹脂系エマルジョンは、木工用接着剤
として用いた場合に各種架橋剤の併用で、耐水性のさら
なる向上が可能で、また、接着剤の切断時に刃物を傷め
ない等の利点があるため、上記の用途等に利用されてい
る。しかしながら、アセトアセチル化ポリビニルアルコ
ール系樹脂を添加した場合には、エマルジョンの安定性
が低下する(粘度の上昇、ゲルの発生等)ため、各種の
添加剤の併用が試みられている。例えば、特公昭60−
36218号公報には、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫
酸塩、メタ重亜硫酸等の併用が、特開平7−3102号
公報には、特定式を表される水酸基含有化合物の併用
が、特開平8−113687号公報には、水溶性有機ア
ミンと水溶性ヒドラジンとの併用が提案されており、ま
た、本出願人もケトン類、ケト酸エステル類、マロン酸
類等の併用(特公平3−50772号公報)、酸性亜硫
酸ソーダの併用(特開平7−138305号公報)、メ
ルカプタン類の併用(特開平7−138306号公報)
等を出願した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の特公昭
60−36218号公報、特開平7−3102号公報、
特公平3−50772号公報、特開平7−138306
号公報に記載の添加剤の併用では、ある程度の保存安定
性は望めるものの、夏季や冬季の高温時や低温時の安定
性が十分ではなく、また長期保存後の皮膜強度や接着剤
として用いたときの接着性に劣り、まだまだ満足は行か
ず、更に特開平8−113687号公報に記載の添加剤
の併用では、ゲル化は防げるもののエマルジョンが粘度
上昇をおこして、接着剤等に用いた場合、使用時期によ
り安定した接着力を得ることができないという欠点を有
し、新なる改良が望まれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、上記の事情に鑑
みて、本発明者が鋭意研究した結果、アセトアセチル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂を0.1〜30重量%
含有し、かつ酢酸ビニルモノマーの含有量が0.4重量
%以下であるとき、更にpHを3〜8とするとき、夏季
や冬季の高温時や低温時においても十分な安定性を発揮
し、また長期保存後の皮膜強度や接着剤として用いたと
きの接着力等の維持が可能なエマルジョンが得られるこ
とを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるアセトアセチル化ポリビニルアルコール
系樹脂(以下、AA化PVAと略記することがある)
は、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、PVAと略記
することがある)とジケテンとを公知の方法で反応して
得ることができ、例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させ
ておき、これにジケテンを添加する方法、PVAをジメ
チルホルムアミド、またはジオキサンなどの溶媒にあら
かじめ溶解しておき、これにジケテンを添加する方法で
ある。またPVAにジケテンガスまたは液状ジケテンを
直接接触させてAA化PVAを得る方法やPVAのアル
コール溶剤のケン化スラリーに硫酸などの酸触媒を加え
て、アセト酢酸エステルをエステル交換させてAA化P
VAを得る方法等も採り得る。
【0006】かかるAA化PVAの平均重合度は特に制
限はないが、200〜3000が好ましく、更には40
0〜2600が好ましく、かかる平均重合度が200未
満では後述する乳化剤としての保護コロイド力が得難
く、乳化重合時の安定性に欠け、逆に3000を越える
と乳化剤として使用した場合に得られるエマルジョン粘
度が上昇して好ましくない。又、AA化PVAの原料P
VAの平均ケン化度は68〜100モル%が好ましく、
更には80〜100モル%の範囲が好ましく、かかる平
均ケン化度が68モル%未満では得られるAA化PVA
が水不溶性となって好ましくない。更に、AA化PVA
のアセトアセチル基の含有量(AA化度)は0.05〜
15モル%が好ましく、更には1〜10モル%の範囲が
好ましく、かかるAA化度が0.05モル%未満ではエ
マルジョンを塗膜にしたときの耐水性が低下する傾向に
あり、逆に15モル%を越えると、エマルジョン粘度が
高すぎたり、保存安定性が低下する傾向にあり好ましく
ない。
【0007】また、本発明においては、かかるAA化P
VAを単独で用いるのみならず、他のPVAを併用する
ことも可能で、更にはケン化度等が異なる2種以上のA
A化PVAを用いることも可能である。かかるAA化P
VAの含有量は、本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ンの全体に対し、0.1〜30重量%(更には1〜10
重量%)とすることが必要で、かかる含有量が0.1重
量%未満ではエマルジョンを塗膜にしたときの耐水性が
低下し、逆に30重量%を越えるとエマルジョン粘度が
高すぎたり、保存安定性が低下する
【0008】上記の如きAA化PVAが含有される本発
明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンは、酢酸ビニル単独
あるいは酢酸ビニルを主体とした共重合体のエマルジョ
ンであり、通常は酢酸ビニル単独あるいは他のビニル化
合物を乳化重合して得られるもので、かかるビニル化
合物としては、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリル
酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)ア
クリロニトリル、スチレン、エチレン、プロピレン、ア
セトアセチル基含有アクリルモノマー、ブタジエン系等
のジエン系モノマーなどが挙げられる。乳化重合触媒と
してはラジカル発生剤、なかんずく水溶性触媒が好適な
ものとして用いられ、例えば過酸化水素等の過酸化物、
酒石酸、ギ酸、シュウ酸等の還元剤、2,2−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二酸塩等の水溶性アゾビス、
過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の1種またはこ
れらの2種以上が用いられ、好適には過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸系の触媒が用いられる。
【0009】またノニオン界面活性剤、アニオン界面活
性剤等の各種界面活性剤もAA化PVAと併用しうる。
さらに他の乳化剤、例えばセルロース誘導体(カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロースなど)、ポリビニルアルコール類、ポリ
アクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテ
ル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合
体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重
合体ケン化物なども適宜併用できる。
【0010】本発明は、上記の如きAA化PVAを含有
した酢酸ビニル樹脂系エマルジョン中の残留酢酸ビニル
モノマー量を0.4重量%以下(更には0.01〜0.
3重量%、特に0.01〜0.2重量%にすることに
より、AA化PVAと残存モノマーの加水分解により生
成するアセトアルデヒドとの反応を制御することを最大
の特徴とするもので、かかるモノマー量のコントロール
方法としては、特に限定されないが、例えば、上記の
如き酢酸ビニル化合物の乳化重合時に、イソプロピルア
ルコールを共存させておき、更に重合触媒の滴下終了後
にブチルアルコールを添加する方法、AA化PVAを
含有した酢酸ビニル樹脂系エマルジョン中の残留酢酸
ニルモノマーをケイ酸のアルカリ金属塩を添加すること
により除去する方法、乳化重合時の重合温度を上げる
方法等が挙げられるが、やが、工業的に有用で、か
かる方法について、更に詳しく説明する。
【0011】の方法におけるイソプロピルアルコール
の共存量は該ビニル化合物100重量部に対して、0.
2〜2重量部(更には0.5〜1.5重量部)が好まし
く、かかる添加量が0.2重量部未満では、該モノマー
量の低減効果が十分でなく、逆に添加量が2重量部を越
えるとエマルジョンの粘度安定性が低下して好ましくな
い。また、重合触媒の滴下終了後に添加するブチルアル
コールの添加量は該ビニル化合物100重量部に対し
て、0.05〜0.3重量部(更には0.1〜0.2重
量部)が好ましく、かかる添加量が0.05重量部未満
では、該モノマー量の低減効果が十分でなく、逆に添加
量が0.3重量部を越えても残存モノマーの低減に寄与
しない。
【0012】の方法においては、ケイ酸ナトリウム
(メタケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、二
ケイ酸ナトリウム、四ケイ酸ナトリウム等)、ケイ酸カ
リウム(メタケイ酸カリウム、二ケイ酸水素カリウム
等)、ケイ酸リチウム(メタケイ酸リチウム、オルトケ
イ酸リチウム等)、及びこれらの水化物を挙げることが
でき、好適にはケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウム等の
ケイ酸のアルカリ金属塩を用いて、その含有(添加)量
を0.01〜4重量%(更には0.02〜2重量%)に
すればよく、かかる含有量が0.01重量%未満では残
存モノマーの低減効果に乏しく、逆に4重量%を越える
とエマルジョンの安定性や皮膜強度が低下して好ましく
ない。
【0013】かくして、アセトアセチル基含有ポリビニ
ルアルコール系樹脂を0.1〜30重量%含有し、かつ
酢酸ビニルモノマーの含有量が0.4重量%以下の本発
明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンが得られるわけであ
るが、本発明においては、かかるエマルジョンのpHを
3〜8、更には4〜7にすることが特に好ましく、かか
るpHのコントロールにより本発明の作用効果を顕著に
得ることができる。かかるコントロールの具体的な方法
としては、各種の有機・無機酸の金属塩やアミン類等を
添加して調整すればよく、より具体的には、酢酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸アルミ
ニウム、酢酸マグネシム等を該エマルジョン中に0.0
1〜5重量%(対エマルジョン)程度添加する(添加時
期は重合中または重合後のいずれでもよく、特に限定さ
れないが、重合率が90%以上の時点で添加することが
好ましい。)ことでコントロールすることができる。
【0014】更に、本発明では、得られたアセトアセチ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を0.1〜30重
量%含有し、かつ酢酸ビニルモノマーの含有量が0.4
重量%以下の本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
に、還元剤を含有させることはエマルジョンの保存安定
性の点で更に好ましく、かかる還元剤としては、亜硫酸
塩、チオ硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、L−ア
スコルビン酸、ヒドラジン類から選ばれる少なくとも1
種を挙げることができ、具体的には亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸カリウム、チオ硫酸アンモニウム、重亜
硫酸ナトリウム、重亜硫酸アンモニウム、メタ重亜硫酸
ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、L−アスコルビン
酸、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、炭酸ヒドラジ
ン、置換ヒドラジン、リン酸ヒドラジン、メチルヒドラ
ジン等を挙げることができ、好適には重亜硫酸ナトリウ
ムが用いられ、その含有量は0.05〜2重量%(更に
は0.1〜1重量%)であることが好ましく、かかる含
有量が0.05重量%未満ではエマルジョンの保存安定
性の向上があまり期待できず、逆に2重量%を越えると
皮膜の耐水性や接着力が低下して好ましくない。これら
の還元剤の添加は、重合中または重合後のいずれでもよ
いが、重合後が好ましく、添加にあたっては固体状のま
までもよいが、水溶液として添加することが好ましい。
【0015】また、上記の重合においては、その他通常
の乳化重合で用いられる種々の添加剤が使用でき、本発
明においては、特にポリエチレングリコール、メルカプ
タン類(アルキルメルカプタン、芳香族メルカプタ
ン)、スルフィド類(ジブチルジスルフィド、ジアセチ
ルジスルフィド、ジエチルジチオグリコート)、窒素含
有化合物(メチルシアノアセテート、ニトロメタン、ベ
ンジルシアナイド)等の連鎖移動剤を用いることで、エ
マルジョンの安定性に対して有用で、その添加量はビニ
ルモノマーに対して0.01〜5重量%が好ましく、更
には0.02〜2重量%が好ましく、かかる添加量が
0.01重量%未満ではエマルジョンの保存安定性が得
られにくく、逆に5重量%を越えるとエマルジョンの皮
膜の耐水性が低下して好ましくない。
【0016】また、最低造膜温度等の調整のため、ジブ
チルフタレート、ジオクチルフタレート、ブチルカルビ
トール等の可塑剤を添加してもよく、更にはエマルジョ
ンの皮膜のさらなる耐水性向上のためにアジポイルジヒ
ドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジ
ド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等
の水溶性脂肪族ジヒドラジド類を添加したり、また、フ
ェノール樹脂初期縮合物やレゾルシノール系初期縮合物
を混合することにより変性酢酸ビニルエマルジョンとし
て取り扱うことも可能である。
【0017】上記の如くAA化PVAを乳化剤として、
酢酸ビニル系化合物の重合時に共存させてAA化PVA
含有の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンを得ることは勿
論、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンにAA化PVAを後
添加して本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョンとする
ことも勿論可能である。かくして、得られた本発明の
ビニル樹脂系エマルジョンは紙、木材、プラスチック
ス、繊維、壁紙などの接着剤、バインダー、コーティン
グ剤、塗料として用いられ、特に木工接着や紙の接着の
高速機械化、更に耐水性に優れているので、合板や耐水
段ボール等の接着用途等に有用であり、また、木材等に
に塗工或いは含浸させて木材中のホルムアルデヒド類を
補足する用途(接着剤、塗料、コーティング剤等)に用
いることも有用である。
【0018】
【実施例】次に実施例によって本発明をより具体的に説
明する。尚、例中「部」、「%」とあるのは、特に断り
のない限り重量基準を表す。 実施例1 予め酢酸ビニルモノマー108部とイソプロピルアルコ
ール2部からなる混合液を用意しておき、かかる混合液
11部、平均重合度1400,平均ケン化度99モル
%,AA化度5.5モル%のAA化PVAの10%水溶
液120部、0.6%酢酸ナトリウム水溶液10部、水
37部、0.96%過硫酸アンモニウム水溶液5部を撹
拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計を備えたセパラ
ブルフラスコに仕込み、撹拌しながらフラスコ内の温度
を70℃にして1時間初期重合を行った。
【0019】次いで、残りの混合液99部を3時間かけ
て滴下すると共に、0.96%過硫酸アンモニウム水溶
液5部添加し、更に1時間おきに3回添加した。酢酸ビ
ニルモノマー滴下終了と同時にブチルアルコール0.3
部を添加し、1時間後に1%ハイドロキノン水溶液1部
を添加して重合を終了させた。最後に40%亜硫酸水素
ナトリウム水溶液2部、15%酢酸ナトリウム水溶液1
部を添加して本発明の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得
た。得られた酢酸ビニル樹脂エマルジョンの残存酢酸ビ
ニルモノマー量は0.2%で、重合率99.4%、pH
4.4、粘度25000mPa・s(BH型回転粘度
計、ローター回転数10rpm、25℃)であった。上
記の酢酸ビニル樹脂エマルジョンを用いて、下記の如く
放置安定性及び生成塗膜の耐水性の評価を行った。
【0020】(放置安定性)得られた酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンを450mlのマヨネーズビンに密封して、
70℃で7日放置後と室温で1年放置後の粘度を測定し
て、放置前の粘度(上記と同方法)の何倍(放置後の粘
度/放置前の粘度)になったかを調べた。尚、粘度の測
定はすべて25℃で行った。 (耐水性)上記の室温で1年放置後の酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンをガラス板上に塗工して、40℃で3分間乾
熱処理後、24時間風乾して、約100μmの塗膜を調
整し、かかる塗膜を90℃の熱水に3時間浸漬させて、
塗膜の溶出残分測定した。 (低温安定性)得られた酢酸ビニル樹脂エマルジョンを
450mlのマヨネーズビンに密封して、0℃の恒温器
に3時間放置して、取り出し直後の粘度を測定し、この
エマルジョンを更に0℃の恒温器に1ケ月放置して、同
様に粘度を測定して、1ケ月放置前の粘度の何倍(1ケ
月放置後の粘度/3時間放置後の粘度)になったかを調
べた。
【0021】実施例2 実施例1と同様に重合を始め、ブチルアルコール0.3
部添加時に、15%酢酸ナトリウム水溶液1部を添加し
(このときの重合率は96%、pHは4.7であっ
た)、更に1時間後に重合を終了させ、次いで、40%
亜硫酸水素ナトリウム水溶液2部を添加して本発明の酢
酸ビニル樹脂エマルジョンを得た。得られた酢酸ビニル
樹脂エマルジョンの残存酢酸ビニルモノマー量は0.2
%で、重合率99.4%、pH4.3、粘度23000
mPa・s(同上)であった。上記の酢酸ビニル樹脂エ
マルジョンを用いて、実施例1と同様に評価を行った。
【0022】実施例3 実施例1において、最後に添加した15%酢酸ナトリウ
ム水溶液に変えて、30%の炭酸水溶液10部を用いた
以外は同様に重合を行って、残存酢酸ビニルモノマー量
0.2%、重合率99.4%、pH7.2、粘度240
00mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョン
を得て、同様に評価を行った。
【0023】実施例4 実施例1において、初期重合時にブチルメルカプタン
0.024部を共存させ、更に1時間おきに0.024
部ずつ4回添加して、重合終了後に亜硫酸水素ナトリウ
ムを添加しなかった以外は同様に重合を行って、残存酢
酸ビニルモノマー量0.3%、重合率99.2%、pH
4.5、粘度20000mPa・s(同上)の酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンを得て、同様に評価を行った。
【0024】実施例5 実施例1において、イソプロピルアルコール及びブチル
アルコールを無添加とし、重合終了後の15%酢酸ナト
リウム水溶液に変えて10%ケイ酸ナトリウム水溶液を
5部添加した以外は同様に重合を行って、残存酢酸ビニ
ルモノマー量0.4%、重合率98.9%、pH5.
1、粘度25000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹
脂エマルジョンを得て、同様に評価を行った。
【0025】実施例6 実施例1において、最後に添加した15%酢酸ナトリウ
ム水溶液を0.6部とした以外は同様に重合を行って、
残存酢酸ビニルモノマー量0.2%、重合率99.4
%、pH3.2、粘度26000mPa・s(同上)の
酢酸ビニル樹脂エマルジョンを得て、同様に評価を行っ
た。
【0026】実施例7 実施例1において、亜硫酸水素ナトリウムを無添加とし
た以外は同様に重合を行って、残存酢酸ビニルモノマー
量0.2%、重合率99.4%、pH4.2、粘度20
000mPa・s(同上)の酢酸ビニル樹脂エマルジョ
ンを得て、同様に評価を行った。
【0027】比較例1 実施例1において、イソプロピルアルコール及びブチル
アルコールを無添加とした以外は同様に行って、残存酢
酸ビニルモノマー量0.5%、重合率98.6%、pH
4.9、粘度27000mPa・s(同上)の酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンを得て、同様に評価を行った。実施
例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 放置安定性 耐水性 低温安定性 70℃×7日 室温×1年 (%) 実施例1 1.0 1.0 97.4 1.2 〃 2 1.0 1.0 97.2 1.2 〃 3 1.1 1.1 96.5 1.3 〃 4 1.1 1.2 97.2 1.3 〃 5 1.2 1.2 96.8 1.4 〃 6 1.3 1.2 97.1 1.5 〃 7 2.8 2.0 95.5 2.0比較例1 3.2 ゲル化 測定不能 3.5
【0029】
【発明の効果】本発明の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン
は、アセトアセチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂
0.1〜30重量%含有し、かつ残存酢酸ビニルモノ
マー量を特定量に調整しているため、放置(保存)安定
性や生成塗膜の耐水性等に優れ、特に耐水/耐熱水性を
必要とされる木工用接着剤や紙管用接着剤等の用途に有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5:09 5:24) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 29/04 C08K 3/30,3/34 C08K 5/09 - 5/098 C08K 5/24 - 5/26

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アセトアセチル基含有ポリビニルアルコ
    ール系樹脂を0.1〜30重量%含有し、かつ酢酸ビニ
    ルモノマーの含有量が0.4重量%以下であることを特
    徴とする酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  2. 【請求項2】 pHが3〜8であることを特徴とする請
    求項1記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  3. 【請求項3】 還元剤を含有することを特徴とする請求
    項1または2記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  4. 【請求項4】 還元剤が亜硫酸塩、チオ硫酸塩、重亜硫
    酸塩、メタ重亜硫酸塩、L−アスコルビン酸、ヒドラジ
    ン類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項3記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョン。
  5. 【請求項5】 還元剤の含有量が0.05〜2重量%で
    あることを特徴とする請求項3または4記載の酢酸ビニ
    ル樹脂系エマルジョン。
  6. 【請求項6】 ケイ酸のアルカリ塩を含有することを特
    徴とする請求項1〜5いずれか記載の酢酸ビニル樹脂系
    エマルジョン。
  7. 【請求項7】 ケイ酸の含有量が0.01〜4重量%で
    あることを特徴とする請求項6記載の酢酸ビニル樹脂系
    エマルジョン。
  8. 【請求項8】 イソプロピルアルコールの存在下に酢酸
    ビニルモノマーを乳化重合し、重合触媒の滴下終了後に
    ブチルアルコールを添加してなることを特徴とする請求
    項1〜7いずれか記載の酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
    ン。
  9. 【請求項9】 木材に塗工或いは含浸させて木材中のホ
    ルムアルデヒド類を捕捉する用途に用いることを特徴と
    する請求項1〜8いずれか記載の酢酸ビニル樹脂系エマ
    ルジョン。
JP20253297A 1997-07-11 1997-07-11 酢酸ビニル樹脂系エマルジョン Expired - Fee Related JP3164296B2 (ja)

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