JP2004210883A - 水性接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、または(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、水溶性高分子を保護コロイドとして重合して得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合して得られたアクリル系エマルジョンを含有する水性接着剤組成物。アクリル酸モノマーの添加量が、(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜10質量部である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性接着剤組成物に関し、特に接着作業性、耐温水性、耐煮沸水性に優れ、アクリル系エマルジョンからなる紙工用分野における接着剤として好適な水性接着剤組成物およびそれを用いた紙管用、合紙用等の紙工用接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙工用接着剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル系エマルジョンおよびその共重合エマルジョン、アクリル系エマルジョン等が用いられている。
【0003】
紙工用接着剤のうち、耐温水性、耐煮沸水性等が要求される接着剤には、種々あるが、例えば紙管用接着剤は、帯状紙片を管状に巻き回して製造するために、紙管の品質の良し悪しは、接着剤の性能に著しく影響される。すなわち、一般に紙管で求められる性能として、まず耐圧強度が優れていることが必要とされるが、紙管を製造した後の用途はさまざまであり、熱、湿気などの外的要因を加えても剥がれることがなく、特に温水や熱水の条件下で使用される場合には、耐水、耐熱、耐温水、耐煮沸などの各種耐久性が要求されている。
【0004】
一方、紙管製造に使用する接着剤は、安全で使い勝手がよい水性接着剤が一般的である。この水性接着剤は、接着作業性、安全・健康・環境保護など作業者や社会に対する配慮、及び経済性などの面で多くの利点を持つが、乳化剤などの親水性を示す成分があるため、耐温水性、耐煮沸性に乏しいことが難点になっている。この接着剤の中で、業界で多用している水性接着剤は、ポリ酢酸ビニル系エマルジョン、ポリビニルアルコール水溶液であり、またアクリル系エマルジョンも用いられている。
【0005】
また、合紙用接着剤には、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル系エマルジョンおよびその共重合エマルジョン、アクリル系エマルジョン系の接着剤が用いられている。
【0006】
上記のポリ酢酸ビニル系エマルジョンは、木工用、紙工用に広く使用されており、初期接着力など作業性は良好であるが、耐圧強度が小さいとともに、ポリマー自体の耐熱性が不足するため耐熱強度も乏しい。一方、ポリビニルアルコール水溶液は、形成接着層が比較的硬いために耐圧強度はあるが、耐温水性、耐煮沸性に乏しく、また耐水性の良好なポリビニルアルコールは低温での粘度が著しく上昇するため、冬季など寒冷期の接着作業性がよくない。
【0007】
これら従来の水性接着剤において、耐水性、さらには耐温水性、耐煮沸性を向上させるため、例えばポリ酢酸ビニル系エマルジョンでは、保護コロイドの一部として一般に完全ケン化ポバールが使用されている。さらに耐水性、耐温水性、耐煮沸性に高い性能が求められる場合には、ジイソシアネートや多価金属塩などの架橋剤を配合することが行なわれている。
【0008】
しかし完全ケン化ポバールを使用すると、エマルジョンの高粘度化および冬期における極端な増粘という問題を引き起こすことになる。また、架橋剤を用いる場合は、一般に反応性に富む架橋剤は有害性が高く、接着剤も2液型となるため、取扱が煩雑になり、経時安定性や安全面で問題がある。また、性能的にも耐温水性が得られる水準が限界で、耐煮沸性のような高度な性能を得るには至っていない。また低温時の増粘を抑えるためエチレン含有ポバールの使用が報告されているが、水溶性というポバールの本質を越えることができず、性能は不充分なものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
一般にアクリル酸を共重合して得られたエマルジョンは、耐温水性、耐煮沸水性が付与できることが知られているが充分な性能は得られていない。例えば、酢酸ビニル−エチレン共重合ポリマーの鹸化物(エチレン含有ポバール)の水溶液中でアクリル酸モノマーを重合させて得られるポリマー水溶液を保護コロイドとして、アクリル酸モノマーを乳化重合させて得られた水性接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、この接着剤は耐温水性、耐煮沸性が向上するものの、耐温水性、耐煮沸性のより高い要求に対して不充分であり、且つ得られるエマルジョンも高粘度なものである。
【0010】
また、ポリ酢酸ビニル系エマルジョンにアクリル酸系ポリマーを配合してなるポリ酢酸ビニル系水性接着剤が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかし、このポリ酢酸ビニル系水性接着剤は、耐熱性、耐水性、耐煮沸性に優れていることが提案されているが、貯蔵安定性に乏しいという問題がある。
【0011】
また、保護コロイドとしてポリビニルアルコールを用い、無機充填剤の存在下において、(メタ)アクリル系モノマーを重合して得られた耐熱性、耐水性に優れた水性接着剤組成物が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかし、この水性接着剤組成物は耐温水性、耐煮沸性のより高い要求に対して不充分である。
【0012】
上記の様に、より低粘度で接着作業性に優れ、十分な耐温水性、耐煮沸水性を有し、且つ紙工用分野で求められる機械適性や粘性を満足させる水性接着剤はいまだ知られていないのが現状である。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−172592号公報(第2頁)
【特許文献2】
特開2000−119621号公報(第2〜3頁)
【特許文献3】
特公平6−53873号公報(第2頁)
【特許文献4】
特開2002−188069号公報(第2〜3頁)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、この様な従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、例えば紙工用として用いた時、良好な接着作業性、耐温水性、耐煮沸水性が得られる水性接着剤組成物およびそれを用いた紙工用接着剤を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記問題点を克服すべく、接着剤として用いられている(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの重合について検討を行った。その結果、水溶性高分子を保護コロイドとして、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを重合して得られた(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーのエマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合して得られたアクリル系エマルジョンを紙工用の水性接着剤として用いたときに、低粘度で接着作業性に優れ、十分な耐温水性、耐煮沸水性が得られることを見出した。また、紙工用として紙管用、合紙用等の接着剤において満足できることが判明した。さらに、上記のアクリル系エマルジョンが木工用、紙工用など広範囲な接着剤として有用であることを認め、本発明を完成するに到った。
【0016】
即ち、本発明は、少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーまたは(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、水溶性高分子を保護コロイドとして重合して得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合して得られたアクリル系エマルジョンを含有することを特徴とする水性接着剤組成物である。
【0017】
本発明において、前記アクリル酸モノマーの添加量が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜10質量部であるのが好ましい。
また、前記水溶性高分子がポリビニルアルコールであるのが好ましい。
また、前記アクリル系エマルジョンのpHが2〜7であるのが好ましい。
【0018】
さらに、本発明の第二の発明は、上記の水性接着剤組成物からなる紙工用接着剤である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性接着剤組成物は、少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸エステル系モノマー、または(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、水溶性高分子を保護コロイドとして重合して得られたポリ(メタ)アクリル酸エステルを含有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合して得られたアクリル系エマルジョンを含有することを特徴とする。すなわち、本発明の水性接着剤組成物は、上記のアクリル系エマルジョンを含有する接着剤からなる。
【0020】
本発明におけるアクリル系エマルジョンは、少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを、または(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、水溶性高分子を保護コロイドとして乳化重合して得られたポリ(メタ)アクリル酸エステルを含有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合して得られたエマルジョンからなる。
【0021】
本発明において、乳化重合されるモノマーとしては、▲1▼(メタ)アクリル酸エステル系モノマー(モノマー▲1▼)、または▲2▼(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーの混合物(モノマー▲2▼)が用いられる。
【0022】
モノマー▲1▼の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーとしては、特に制限はないが、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を表わす。
【0023】
モノマー▲2▼における(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマー(以降、コモノマーと記す)としては、特に制限はないが、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸等のスチレン系モノマー、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のジエン系モノマーが挙げられる。
【0024】
モノマー▲2▼の混合物におけるコモノマーの含有量は、(メタ)アクリル酸エステル系モノマー100質量部に対して150質量部以下、好ましくは100質量部以下が望ましい。
上記のモノマー▲1▼および▲2▼に用いられる(メタ)アクリル酸エステル系モノマーおよびコモノマーは、1種または2種以上を用いることができる。
【0025】
本発明において、保護コロイドとして水溶性高分子が用いられる。アクリル系エマルジョンの保護コロイドとして、界面活性剤系、水溶性高分子系が代表的なものであるが、界面活性剤系を用いる時、得られるエマルジョンは高不揮発性であるが、機械的安定性に乏しく、また機械適性においても最適な粘性を得ることは困難である。この点からアクリル系エマルジョンの保護コロイドとしては、最適な機械適性を付与することができる点において、水溶性高分子が 望ましい。水溶性高分子の中でもポリビニルアルコールは、多くの種類が上市されて入手しやすく、また適切な選択によって安定なエマルジョンを与え、且つ適当な粘性を与えることができるので好ましい。
【0026】
ポリビニルアルコールとしては、特に限定されず、一般にポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンを製造する際に用いられるポリビニルアルコールを使用することができ、アセトアセチル化ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルアルコールなどであってもよい。ポリビニルアルコールは、部分ケン化品、完全ケン化品の何れであってもよく、また、分子量やケン化度等の異なる2種以上のポリビニルアルコールを併用することが好ましい。
【0027】
ポリビニルアルコールの使用量は、重合の際の重合性や接着剤としたときの接着性などを損なわない範囲で適宜選択できるが、一般には、得られるポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンの全樹脂(全固形分)中の含有量として、例えば0.1〜50質量%、好ましくは1〜40質量%、さらに好ましくは5〜30質量%程度である。0.1質量%未満では乳化性に乏しいため安定なエマルジョンが得られず、50質量%を越えると生成したエマルジョンの粘度が高くなり、接着作業性や初期接着速度が低下するので好ましくない。
【0028】
重合反応系内には、重合性や接着剤としての性能を損なわない範囲で、ポリビニルアルコール以外の保護コロイド類や界面活性剤(非イオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤等)などを添加してもよい。
【0029】
ポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンを得るための乳化重合は、通常用いられる方法により行うことができる。例えば、必要に応じて希釈又は濃縮し、また所望により少量の界面活性剤を添加した前記保護コロイド液に、モノマー及び重合開始剤を加え、例えば60〜90℃程度の温度で重合させることにより、樹脂水分散液を得ることができる。モノマー及び重合開始剤は、それぞれ、連続的又は間欠的に反応系に添加することができる。重合開始剤はモノマー又は水などの適当な溶媒に溶解させて添加してもよい。モノマー滴下時間を含む重合時間は特に定めはないが、通常0.5〜5時間程度である。
【0030】
重合開始剤は、例えば、ラジカル重合触媒、レドックス重合触媒、イオン重合触媒の中から適宜選択して使用できる。重合開始剤の具体例を示すと、水溶性開始剤の例としては過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が挙げられ、レドックス系開始剤としては過酸化水素、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキサイド、過硫酸塩等の開始剤とグルコース、デキストロース、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラート、チオ硫酸ナトリウムなどの還元剤との組み合わせが挙げられる。油溶性開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイドなどの過硫酸物等が挙げられる。
【0031】
また、乳化重合には、イソプロパノール、メルカプタン類などの重合調節剤、カップリング剤、金属塩、ホウ酸等の無機酸、有機酸、可塑剤等を適宜用いてもよい。重合の終点は、ポリマー転換率の測定等で確認することができる。
【0032】
上記のホウ酸は接着剤のウエットタック性を付与するために添加し、添加量は使用するポリビニルアルコール100質量部に対して0.01〜50質量部の範囲が好ましい。
【0033】
本発明におけるアクリル系エマルジョンは、上記の様にして重合して得られたポリ(メタ)アクリル酸エステルを含有するポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合(後重合)して得られるエマルジョンである。
【0034】
後重合に使用するアクリル酸モノマーの添加量は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは3〜6質量部の範囲が望ましい。0.1質量部未満では良好な耐温水性、耐煮沸性が得られず、10質量部を越えると重合が不安定になり、高粘度化するために好ましくない。
【0035】
重合反応は、上記の乳化重合と同様に行うことができ、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに重合開始剤を加え、アクリル酸モノマーを滴下しながら、例えば60〜90℃程度の温度で重合させることにより行うことができる。重合開始剤は、上記と同様のものを用いることができ、連続的又は間欠的に反応系に添加することができる。反応後、冷却してアクリル系エマルジョンの樹脂水分散液を得ることができる。
【0036】
アクリル酸モノマーは後重合により重合して、アクリル酸ポリマーを生成する。また、アクリル酸モノマーは非常に反応性が高いため、ある程度の重合度まで単独重合が行われ、同時にその重合物がポリビニルアルコールあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステルに付加していると考えられる。アクリル酸を単独で滴下して後重合を行うことにより、保護コロイドの表面にカルボキシル基が存在すると、皮膜形成時に被着体表面に作用しやすいため、耐温水性、耐煮沸性が向上する。上記のアクリル酸モノマーの添加量であれば低粘度のエマルジョンが得られる。以上のことはアクリル酸の配合量を増やすと重合度が高くなり粒子間架橋が生じ高粘度になることから分かる。
【0037】
前記アクリル系エマルジョンのpH値はアクリル系エマルジョンに含有されるポリアクリル酸(単独もしくは共重合体)の状態を規定するものであり、pHは2〜7、好ましくは2.5〜4の範囲にあることが好ましい。pHが2未満では塗工機等を腐蝕する恐れがあり、pHが7より高いとポリアクリル酸のカルボン酸基は塩となるため耐温水性、耐煮沸性を出すことができなくなるうえ、アルカリ増粘機構により高粘度化する。上記のpHを満足することにより、低粘度で、且つ耐温水性、耐煮沸性を有するエマルジョンが得られる。
【0038】
以上説明した、アクリル系エマルジョンの濃度は、不揮発分として20〜70重量%の範囲が好ましい。
また、アクリル系エマルジョンの粘度は100〜20000mPa・sの範囲が好ましい。
【0039】
本発明におけるアクリル系エマルジョンは、そのまま水性接着剤組成物として用いることができるが、必要に応じて希釈若しくは濃縮し、水性接着剤組成物として用いることができる。本発明の水性接着剤組成物には、その他の成分として、中和剤、安定剤、レベリング剤、消泡剤、防カビ剤などの添加剤、クレー、タルク、炭酸カルシウム、コロイダルシリカのような無機充填剤、可塑剤が目的に応じて適宜配合されていてもよい。ここで添加する無機充填剤の添加量は、該アクリル系エマルジョンの固形分に対して3質量%以上が好ましく、さらに好ましくは5〜100質量%である。可塑剤の添加量としては、該アクリル系エマルジョンの固形分に対して3質量%以上が好ましく、さらに好ましくは10〜40質量%である。
【0040】
本発明の水性接着剤組成物は次のようにして使用できる。すなわち、紙管製造用としての例を示すと、水性接着剤組成物を紙管原紙にロールコータやノズル等により塗布した後、該紙管原紙を鉄管に平面状及びスパイラル状に重ね巻き、圧締後、一定幅に切断することにより紙管を製造することができる。接着は、通常は室温で行うが、必要な場合には加熱接着してもよい。
【0041】
【実施例】
以下に、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例において「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準を意味する。
【0042】
また、得られたアクリル系エマルジョンおよび水性接着剤組成物の不揮発分、粘度、pH、貯蔵安定性、耐温水性、耐煮沸性を下記の要領で評価した。
(1)不揮発分は、JIS K6833により測定した値を示す。
(2)粘度は、JIS K6833により測定した値を示す。BM型粘度計、23℃、回転数12rpmで測定。
(3)pHはJIS K6833により測定した値を示す。
【0043】
(4)貯蔵安定性
得られたアクリル系エマルジョンを40℃に放置した場合の14日後の増粘倍率を調べた。
増粘倍率の数値は、下記の式で表された数値である。
【0044】
【数1】
【0045】
(5)耐温水性
2枚のKライナー(重量180g/m2 、たて100mm、よこ50mm)の一方のうら面に水性接着剤組成物を塗布量(Wet)40g/m2 で塗布した後、もう一方のうら面と貼り合わせ、圧締圧10N/cm2 ×1分でプレスした後、解圧し、23℃、65%RHの環境条件下で24時間養生した。その後、接着物を80℃の温水に2時間浸漬し、湿潤状態で接着面をはく離し、接着面の紙破率を調べた。
【0046】
紙破率の数値は、下記の式で表わされた値である。
【0047】
【数2】
【0048】
(6)耐煮沸試験
2枚のKライナー(重量180g/m2 、たて100mm、よこ50mm)の一方のうら面に水性接着剤組成物を塗布量(Wet)40g/m2 で塗布した後、もう一方のうら面と貼り合わせ、圧締圧10N/cm2 ×1分でプレスした後、解圧し、23℃、65%RHの環境条件下で24時間養生した。その後、接着物を100℃の沸騰水に10分間浸漬し、湿潤状態で接着面をはく離し、接着面の紙破率を調べた。
【0049】
アクリル系エマルジョンからなる水性接着剤組成物の実施例および比較例
実施例1
攪拌機、コンデンサー、滴下装置、温度計、窒素気流装置を備えた常圧重合装置に、水660部を仕込み、撹拌しながらポリビニルアルコール(PVA−105、(株)クラレ製、ケン化度98〜99モル%、平均重合度500)を94部、ポリビニルアルコール(PVA−613、(株)クラレ製、ケン化度92.5〜94.5モル%、平均重合度1300)を30部、ホウ酸10部を添加し、80〜95℃で60分間撹拌して溶解させた。
【0050】
攪拌下、この溶液を65℃に冷却し、メタクリル酸メチル115部、アクリル酸ブチル115部およびラウリルメルカプタン0.4部の混合物を65〜70℃の温度条件下で120〜150分かけて滴下した。同時に10%過硫酸アンモニウム水溶液6部、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3部を120〜150分かけて滴下しながら、乳化重合を行った。滴下終了後、65〜70℃の温度で15分間熟成を行った。
【0051】
続けてアクリル酸10部を65〜70℃の温度条件下で5分間かけて滴下した。同時に10%過硫酸アンモニウム水溶液2部、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液1部を5分間かけて滴下し、120分間反応を行ってアクリル系エマルジョンを得た。その後、カオリンクレー150部を水450部で分散させた分散液を添加して、30℃以下に冷却し、アクリル系エマルジョンからなる水性接着剤組成物を得た。
【0052】
上記のアクリル系エマルジョンの不揮発分、粘度、pHを測定した値を表1に示す。また、カオリンクレーを添加したアクリル系エマルジョンからなる水性接着剤組成物の粘度、貯蔵安定性、耐温水性、耐煮沸性を測定した結果を表1に示す。
【0053】
実施例2〜4
実施例1において、モノマー組成、後添加のアクリル酸の添加量を表1〜2に示す割合で変えた以外は、同様の方法でアクリル系エマルジョンを得た。
【0054】
実施例5
実施例1において、ホウ酸を除いた以外は、同様の方法でアクリル系エマルジョンを得た。その後、28%アンモニア水5部を加えてアクリル系エマルジョンを得た。
【0055】
得られたアクリル系エマルジョンの不揮発分、粘度、pH、貯蔵安定性、耐温水性、耐煮沸性を測定した結果を表2に示す。
【0056】
比較例1
実施例1において、後重合するアクリル酸を表3に示す割合に変えた以外は、同様の方法でアクリル系エマルジョンを得た。
【0057】
比較例2
実施例1において、アクリル酸後重合過程を除き、モノマー混合物の滴下終了後に1時間熟成を行った以外は、同様の方法でアクリル系エマルジョンを得た。
【0058】
比較例3〜4
比較例2において、滴下するモノマー混合物にさらに表3に示す割合のアクリル酸を混合した以外は、同様の方法でアクリル系エマルジョンを得た。
【0059】
比較例5
実施例1と同様にしてポリビニルアルコールとホウ酸の水溶液を得た。
この溶液にアクリル酸10部を80〜95℃の温度条件下で5〜10分かけて滴下した。同時に10%過硫酸アンモニウム水溶液2.5部を5〜10分かけて滴下した。滴下終了後、80〜95℃の温度で120分間熟成を行った。
【0060】
この溶液を65℃に冷却し、メタクリル酸メチル115部、アクリル酸ブチル115部およびラウリルメルカプタン0.4部の混合物を65〜70℃の温度条件下で120〜150分かけて滴下した。同時に10%過硫酸アンモニウム水溶液6部、10%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3部を120〜150分かけて滴下しながら、乳化重合を行った。滴下終了後、65〜70℃の温度で60分間熟成を行った。
その後、カオリンクレー150部を水450部で分散させた分散液を添加して、30℃以下に冷却し、アクリル系エマルジョンを得た。
【0061】
比較例6
比較例2で得られたアクリル系エマルジョンに表4に示す割合でアクリル酸ホモポリマー(ジュリマーAC10H、日本純薬(株)製、重量平均分子量(Mw)15万、固形分19〜21(%))を添加して、30分攪拌し、アクリル系エマルジョンを得た。
【0062】
比較例7
比較例2で得られたアクリル系エマルジョンに表4に示す割合でアクリル酸ホモポリマー(ジュリマーAC10SH、日本純薬(株)製、重量平均分子量(Mw)100万、固形分9〜11(%))を添加して、30分攪拌し、アクリル系エマルジョンを得た。
【0063】
比較例8
比較例2と同様の方法でアクリル系エマルジョンを得た。その後、28%アンモニア水15部を加えてpH8.9に調整したアクリル系エマルジョンを得た。
【0064】
実施例1〜5、比較例1〜8で得られたアクリル系エマルジョンの不揮発分、粘度、pH、貯蔵安定性、耐温水性、耐煮沸性を測定した結果を表1〜5に示す。
【0065】
なお、表1〜5中における略号は下記のものを示す。
(1)ポリビニルアルコール(PVA)
PVA−105:(株)クラレ製、ケン化度98〜99モル%、平均重合度500
PVA−613:(株)クラレ製、ケン化度92.5〜94.5モル%、平均重合度1300
(2)MMA:メタクリル酸メチル
(3)BA:アクリル酸ブチル
(4)APS:過硫酸アンモニウム
(5)AA:アクリル酸
【0066】
(6)AC−10H:アクリル酸ホモポリマー、日本純薬(株)製、重量平均分子量(Mw)15万、固形分19〜21(%)、重合度(分子量より換算)2083
(7)AC−10SH:アクリル酸ホモポリマー、日本純薬(株)製、重量平均分子量(Mw)100万、固形分9〜11(%)、重合度(分子量より換算)14000
(8)10%APS、10%NaHSO3 とはその水溶液濃度を示す。
(9)耐温水性、耐煮沸性の欄中の数字は紙破率(%)を示す。
【0067】
(10)表中において、*1はカオリンクレーを含有しないアクリル系エマルジョンの値を示し、*2はカオリンクレーを添加したアクリル系エマルジョンの値を示す。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
表1〜5の結果から、本発明の実施例の水性接着剤組成物は、比較例に対して明らかに低粘度化、且つ耐温水性、耐煮沸性の向上を実現している。比較例6、7は貯蔵安定性に問題があり、また比較例1,2では反応が不安定であり、その他の比較例では十分な耐温水性、耐煮沸性が発現しない。
【0074】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、低粘度で良好な接着作業性を有し、耐温水性、耐煮沸水性に優れた水性接着剤組成物を提供することができる。そのために、紙工、木工などの接着用途、特に紙管用および合紙用接着剤として有用な水性接着剤組成物を提供することができる。
Claims (5)
- 少なくとも1種以上の(メタ)アクリル酸エステル系モノマーまたは(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと該(メタ)アクリル酸エステル系モノマーと共重合可能なモノマーを、水溶性高分子を保護コロイドとして重合して得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンに、さらにアクリル酸モノマーを添加して重合して得られたアクリル系エマルジョンを含有することを特徴とする水性接着剤組成物。
- 前記アクリル酸モノマーの添加量が、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系エマルジョンの固形分100質量部に対して0.1〜10質量部である請求項1に記載の水性接着剤組成物。
- 前記水溶性高分子がポリビニルアルコールである請求項1または2に記載の水性接着剤組成物。
- 前記アクリル系エマルジョンのpHが2〜7である請求項1乃至3のいずれかの項に記載の水性接着剤組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の水性接着剤組成物からなる紙工用接着剤。
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