JPH10140126A - 接着剤組成物、それを用いた接着方法ならびに化粧シート被覆材料の製造方法 - Google Patents

接着剤組成物、それを用いた接着方法ならびに化粧シート被覆材料の製造方法

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JPH10140126A
JPH10140126A JP8302836A JP30283696A JPH10140126A JP H10140126 A JPH10140126 A JP H10140126A JP 8302836 A JP8302836 A JP 8302836A JP 30283696 A JP30283696 A JP 30283696A JP H10140126 A JPH10140126 A JP H10140126A
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emulsion
weight
adhesive
adhesive composition
decorative sheet
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JP8302836A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Oguchi
善之 大口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ドライ接着法での使用に耐えられるだけの初
期接着力を有し、さらに、ウェット接着法で接着した場
合と同様の優れた常態接着力、耐熱性を有する水系の接
着組成物、それを用いた接着方法、ならびに化粧シート
被覆材料の製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリマー骨格中にポリエステル骨格とポ
リエーテル骨格とを有し、さらに酸基を有するウレタン
樹脂からなるエマルジョン(A)と、エチレン含有量が
5〜40重量%であり、かつトルエン不溶分が70重量
%以上であるエチレン−酢酸ビニル共重合体からなるエ
マルジョン(B)とを配合してなる主剤100重量部
と、硬化剤として酸基と反応可能な官能基を2個以上有
する化合物とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接着剤組成物、そ
れを用いた接着方法、ならびに化粧シート被覆材料の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、合板、木質繊維板、アルミニウム
等の金属、無機質材料からなり、表面に曲面や凹凸を有
する断面異形の芯材の表面に、樹脂加工紙、合成樹脂系
化粧シート、突き板等の化粧シートを連続して巻き付け
ながら接着するプロフィールラミネート加工が広く行わ
れている(特公昭58−48350号公報等)。このプ
ロフィールラミネート加工で製造される化粧シート被覆
材料は、安価な芯材、耐久性の高い芯材等の表面に各種
の模様を与え、高級感等の付加価値が付与されることか
ら、疑似木材として、家具・建材等に広く用いられてい
る。
【0003】このプロフィールラミネート加工で製造さ
れる化粧シート被覆材料は、表面に曲面や凹凸を有する
芯材の加工に用いられるので、化粧シート自体の反発が
大きい場合には、貼り合わせの直後に曲面部分や凹凸部
分で化粧シートが芯材から浮き上がり、化粧シート被覆
材料の外観不良をもたらす。従って、化粧シートを被覆
するために、初期接着力の強い接着剤が要求される。
【0004】このような用途に使用される接着剤とし
て、例えば、特公平7−37602号公報には、熱可塑
性ポリエステル系ポリウレタン樹脂及び各種粘着付与樹
脂を低沸点の有機溶剤に溶解した主剤とポリイソシアネ
ート系硬化剤からなる、2液混合型のポリウレタン溶剤
型接着剤が開示されている。しかしながら、このような
溶剤型接着剤には、一般に溶剤として塩素系溶剤である
塩化メチレンが使用されるため、作業環境を汚染するお
れがある。そこで、プロフィールラミネート加工に、水
系の接着剤を使用する方法が検討されている。
【0005】上記化粧シートを接着する水系の接着剤と
しては、例えば、特公昭63−33518号公報に、ウ
レタン樹脂のエマルジョン、アジリジン環含有化合物及
び水性ラテックスを混合したウレタン樹脂系エマルジョ
ンを使用する方法が開示されている。この接着剤は、主
に合板等の木質材料に使用され、接着剤が乾燥しない状
態でシートと接合するウェット接着法が採用される。こ
のウェット接着法では、接着剤が合板等の基材に浸透し
て優れた接着性を示し、凝集力が高い、いわゆる「固
い」樹脂を主体とした接着剤が使用できるので耐熱性に
も優れる。
【0006】しかしながら、このように固い接着剤を、
プロフィールラミネート加工のような、接着剤を接合さ
せる前の段階で乾燥させて貼り合わせる、ドライ接着法
に使用すると、芯材に対する食いつき性(ドライタッ
ク)が得られず、接着することが不可能である。逆に、
プロフィールラミネート加工にウェット接着法を適用す
ると、接着剤中に水分が多量に残留していることから初
期接着力が極めて低く、芯材の曲面や凹凸部での化粧シ
ートの反発に耐えられず、浮きや剥がれが発生すること
がある。
【0007】一方、ドライ接着法でも、芯材に対する食
いつき性(ドライタック)が十分な、いわゆる「柔らか
い」接着剤として、アクリル系粘着剤のエマルジョン
や、合成ゴム系エマルジョン等が使用されている。しか
しながら、これらの接着剤は、良好な初期接着力を有す
るものの凝集力が極めて低く、養生後の常態剥離強度及
び耐熱性等が不十分であり、このような接着剤を使用し
た化粧シート被覆材料では、長期間過酷な環境下での使
用には耐えられないという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ドラ
イ接着法での使用に耐えられるだけの初期接着力を有
し、さらに、ウェット接着法で接着した場合と同様の優
れた常態接着力、耐熱性を有する水系の接着組成物、そ
れを用いた接着方法、ならびに化粧シート被覆材料の製
造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の接着剤組成物
は、ポリマー骨格中にポリエステル骨格とポリエーテル
骨格とを有し、さらに酸基を有するウレタン樹脂からな
るエマルジョン(A)と、エチレン含有量が5〜40重
量%であり、かつ、乾燥皮膜のトルエンによる未溶解物
(トルエン不溶分)が70重量%以上であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体からなるエマルジョン(B)とを配
合してなる主剤100重量部に対して、硬化剤として酸
基と反応可能な官能基を2個以上有する化合物2〜20
重量部が配合されていることを特徴とする。
【0010】本発明の接着剤組成物は、主剤と硬化剤と
からなる2液混合型接着剤組成物である。上記主剤は、
ウレタン樹脂からなるエマルジョン(A)と、エチレン
−酢酸ビニル共重合体からなるエマルジョン(B)とが
配合されたものである。
【0011】上記エマルジョン(A)は、ポリマー骨格
中にポリエステル骨格とポリエーテル骨格とを有し、さ
らに酸基を有するウレタン樹脂からなる。このようなエ
マルジョン(A)は、例えば、分子内にイソシアネート
基を2個以上有する化合物(a)、分子内に水酸基を2
個以上有し、骨格としてポリエステル骨格を有する化合
物(b1)、分子内に水酸基を2個以上有し、骨格として
ポリエーテル骨格を有する化合物(b2)及び分子内にイ
ソシアネート基と反応しうる活性水素を2個以上有し、
カルボニル基やスルホニル基のような酸基を有する官能
性化合物(c)を反応させて得られるウレタン樹脂を水
中に分散させることにより得られる。
【0012】上記分子内にイソシアネート基を2個以上
有する化合物(a)としては、通常のウレタン樹脂の製
造に使用される有機ポリイソシアネート化合物であっ
て、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネー
ト、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,
2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシ
クロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン
−4,4'-ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−
2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−
2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキ
サン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トラ
ンスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジ
ンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;
2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'-ジ
イソシアネート、1,5'-ナフテンジイソシアネート、
トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジ
イソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイ
ソシアネート、4,4'-ジベンジルジイソシアネート、
1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソ
シアネート類;、リジンエステルトリイソシアネート、
トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−
ウンデカントリイソシアネート、1,8−イソシアネー
ト−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,
6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプ
タントリイソシアネート、トリメチロールプロパンとト
ルイレンジイソシアネートとのアダクト体、トリメチロ
ールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネー
トとのアダクト体等のトリイソシアネート類などが挙げ
られ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併
用されてもよい。
【0013】上記分子内に水酸基を2個以上有し、骨格
としてポリエステル骨格を有する化合物(b1)として
は、通常のウレタン樹脂の製造に使用される、分子内に
水酸基を2個以上有するポリエステルポリオールが使用
され、例えば、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、
無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル
酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、アゼライン酸等のジカルボン酸類
と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,9
−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ール、1,3−プロパンジオール、トリプロピレングリ
コール、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリ
オール化合物とから得られるポリエステルポリオール
類;ポリカプロラクトンポリオール、ポリβ−メチル−
δ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポ
リオールなどが挙げられる。
【0014】また、上記分子内に水酸基を2個以上有
し、骨格としてポリエーテル骨格を有する化合物(b2)
としては、通常のウレタン樹脂の製造に使用される、分
子内に水酸基を2個以上有するポリエーテルポリオール
化合物が使用され、例えば、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール等のポリエーテルポリオール類などが挙げ
られる。
【0015】上記エマルジョン(A)に使用されるウレ
タン樹脂は、ポリエステル骨格を有する化合物(b1)と
ポリエーテル骨格を有する化合物(b2)とを、重量比2
0:80〜60:40の割合で反応させることにより得
られたものが好ましい。
【0016】上記化合物(b1)の重量比が、20未満で
は、化粧シート、特に塩化ビニル等のプラスチックシー
トに対する接着性が十分でなく、60を超えると、凝集
力が高くなり過ぎ、ドライ接着法によって接着剤を乾燥
した後に貼り合わせたとき、食いつき性が不足し十分な
初期接着力が得られにくい。
【0017】上記ウレタン樹脂には、上記化合物(b1)
及び(b2)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、
他のポリオール化合物、例えば、ポリブタジエンポリオ
ール又はその水添物、ポリカーボネートポリオール、ポ
リチオエーテルポリオール、ポリアクリル酸エステルポ
リオールが使用されてもよい。
【0018】上記分子内にイソシアネート基と反応しう
る活性水素を2個以上有し、カルボキシル基やスルホニ
ル基のような酸基を有する官能性化合物(c)は、ウレ
タン分子内に酸基を導入して、水中に分散させたときの
安定性を確保すると同時に、接着後は架橋剤に対するポ
リマー中の反応点として働くために用いられる。
【0019】上記官能性化合物(c)としては、分子内
にスルホン酸基やカルボン酸基を有し、かつ水酸基や、
1級アミノ基、2級アミノ基のようなイソシアネート基
との反応性を有する活性水素を1個以上有する化合物が
用いられる。
【0020】このような官能性化合物(c)としては、
例えば、3,4−ジアミノブタンスルホン酸、3,6−
ジアミノ−2−トルエンスルホン酸、2,6−ジアミノ
ベンゼンスルホン酸、N−(2−アミノエチル)−2−
アミノエチルスルホン酸等のスルホン酸含有化合物;
2,2−ジメチロール乳酸、2,2−ジメチロールプロ
ピオン酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボン酸
含有化合物等が例示され、これらは単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。
【0021】これらの酸基含有化合物を使用して得られ
る酸基を分子内に含むウレタン樹脂は、アイオノマー構
造とよばれ、それ自体に界面活性能力を有することか
ら、水中に分散させるために乳化剤等の低分子親水性添
加剤を使用せずにエマルジョン化することができるの
で、得られるエマルジョンは耐水性が優れるという利点
がある。
【0022】上記界面活性能力を向上させるために、通
常、ウレタン樹脂に導入したスルホン酸基やカルボン酸
基等の酸基を中和剤によって中和し、それぞれスルホン
酸塩基やカルボン酸塩基とするのが好ましい。この目的
で使用される中和剤としては、トリエチルアミン、トリ
エタールアミン等の3級アミン化合物;水酸化ナトリウ
ム等の無機アルカリ化合物;アンモニアなどが挙げられ
る。
【0023】上記エマルジョン(A)における酸基の含
有量は、少なくなると水分散時の分散安定性、貯蔵安定
性や機械的安定性が悪くなり、多くなると樹脂が硬くな
り過ぎてドライタックが不足するので、ウレタン樹脂固
形分1モル当たり0.1〜2ミリモルが好ましく、より
好ましくは0.1〜1ミリモルである。
【0024】上記ウレタン樹脂に親水性を付与するため
に、上記のような酸基の他に、ポリエチレングリコール
等のノニオン性基を使用してもよい。また、ウレタン樹
脂合成時に、原料としてポリエチレングリコール鎖を有
し、イソシアネート基と反応可能な水酸基やアミノ基を
1個以上有する化合物を使用すればよい。
【0025】本発明において、鎖延長剤として、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール化合
物;エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、
1,4−テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチ
レンジアミン、1,4−シクロヘキサジアミン、3−ア
ミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルア
ミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、4,
4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3'-ジメチ
ル−4,4'-ジシクロヘキシルメタンジアミン、ヒドラ
ジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン
等の多価アミン化合物;水等を使用してもよい。
【0026】また、分子量調節の目的で、メタノール、
エタノール、ブタノール等のモノアルコール類やモノア
ミン類を添加してもよい。これらは、末端のイソシネー
ト基と反応して連鎖延長を停止させる停止剤の働きをす
る。
【0027】上記ウレタン樹脂は、鎖延長剤や停止剤に
よって分子量が調整されるが、その分子量は5千〜10
万が好ましい。分子量が5千未満では、十分な凝集力が
得られず、硬化剤との反応後も十分な耐熱性が得られな
い。また、分子量が10万を超えると、ドライタックが
減少し初期接着性が低下する。
【0028】上記化合物(a)、(b1)、(b2)及び
(c)は、アセトンやメチルエチルケトン等の親水性の
揮発性溶剤の存在下で反応させてウレタン樹脂を合成す
る。得られたウレタン樹脂は、アセトン法、プレポリマ
ーミキシング法、ケチミン法、ホットメルトディスパー
ジョン法等、公知の方法によってウレタンエマルジョン
に転化することができる。
【0029】上記エマルジョン(B)に使用されるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含有量は、5〜4
0重量%であり、好ましくは10〜25重量%である。
エチレン含有量が5重量%未満では、低温接着性が低下
し、造膜温度が高くなるため造膜性が悪くなる上に、ド
ライタック性が減少するため初期接着性が低下する。エ
チレン含有量が40重量%を超えると、各種被着体に対
する接着性が劣ったり、耐熱性が低下する。
【0030】また、得られる接着剤組成物の耐熱性や耐
水性を向上させるためには、該エマルジョン(B)から
得られる乾燥皮膜のトルエンによる未溶解物(以下、ト
ルエン不溶分という)は70重量%以上が好ましく、よ
り好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは85重
量%以上である。
【0031】上記トルエン不溶分は、以下の定義に従っ
て算出される数値である。 トルエン不溶分(重量%)=〔(トルエン浸漬後の未溶
解樹脂乾燥重量)/(トルエン浸漬前の樹脂重量)〕×
100
【0032】上記トルエン不溶分は、ポリマーの構造が
架橋や枝分かれ構造を取ったり、分子量が大きくなる
と、その数値が大きくなり、一般的にこの数値が高いポ
リマーほど分子間の相互作用が密であり、特に耐熱クリ
ープ性等の性能が向上する。
【0033】上記エマルジョン(B)のトルエン膨潤比
は、2〜30が好ましく、より好ましくは2〜15であ
る。トルエン膨潤比が2未満では、架橋構造が強固にな
り過ぎると共に、濡れ性が低下するため被着体に対する
密着性が悪くなる。また、トルエン膨潤比が30を超え
ると、架橋構造が緩すぎるため、耐熱性や耐水性が低下
する。
【0034】上記トルエン膨潤比は、架橋点間分子量や
絡み合い点間の分子量を示す指標としてしばしば用いら
れる数値であり、この数値が大きいほど緊密な架橋構造
又は絡み合い構造をとることになる。トルエン膨潤比
は、以下の定義に従って算出される。 トルエン膨潤比=(トルエン浸漬後の未溶解樹脂乾燥重
量)/(トルエン浸漬前の樹脂重量)
【0035】上記エマルジョン(B)に用いられるエチ
レン−酢酸ビニル共重合体には、必要に応じて、他のモ
ノマーが共重合されてもよい。このようなモノマーとし
ては、例えば、アクリル酸2─エチルヘキシル、アクリ
ル酸ブチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステ
ル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタ
クリル酸エステル;塩化ビニル、バーサチック酸ビニル
等のビニルエステル等が挙げられる。また、アクリル
酸、メタクリル酸のようにカルボキシル基を含有するモ
ノマーの他、スルホン酸基、水酸基、エポキシ基、メチ
ロール基、アミノ基、アミド基等の官能基を含有する各
種モノマーも使用可能である。
【0036】上記エマルジョン(B)を重合する際に使
用される乳化分散剤としては、ノニオン系、アニオン
系、カチオン系の界面活性剤が挙げられ、これらは単独
で用いられても、二種以上が併用されてもよい。また、
界面活性剤分子中に反応性の二重結合を有する反応性界
面活性剤;ポリビニルアルコール、デンプン等の水溶性
高分子も使用可能である。これらの中で、特にポリビニ
ルアルコール等の水溶性高分子の使用が好ましい。
【0037】上記界面活性剤の中で、特にポリビニルア
ルコール等の水溶性高分子を使用することによって、塗
布時のエマルジョン(B)の安定性がよくなるので好ま
しい。使用されるポリビニルアルコールとしては、平均
ケン化度70〜99.5モル%、平均重合度200〜
3,000のものが好ましい。また、上記乳化分散剤と
してポリビニルアルコールを使用する場合は、他の各種
界面活性剤や他の水溶性高分子を併用してもよい。
【0038】上記主剤中におけるエマルジョン(B)の
配合量(固形分換算)は、上記エマルジョン(A)10
0重量部に対して、10〜1000重量部が好ましく、
より好ましくは30〜300重量部である。エマルジョ
ン(B)の配合量が、10重量部未満では、耐熱性が不
足し、1000重量部を超えると接着剤組成物の凝集力
が高くなり過ぎ、ドライ接着法で接着した場合の食いつ
き性が著しく悪くなり、初期接着力が低下する。
【0039】上記エマルジョン(A)と(B)との配合
方法は、特に限定されないが、一般に両者のpH値が略
同一となるように調整してから混合する方が、混合後の
貯蔵安定性や塗布時の安定性が向上するので好ましい。
実際には、エマルジョン(B)のpH値をエマルジョン
(A)のpH値に合わせてから混合することが好まし
い。一般に使用されるエマルジョン(A)はアルカリ性
を呈するが、これを酸性側へ調整するとエマルジョン
(A)の安定性が著しく低下するので、エマルジョン
(B)をpH調整してアルカリ性にするのが好ましい。
【0040】エマルジョン(B)をアルカリ性にpH調
整するためには、エマルジョン(B)を攪拌しながら、
適量のアンモニア水、トリエタノールアミンやトリエチ
ルアミン等の有機アミン化合物;塩化ナトリウム、重曹
などの無機塩基等を加えることが好ましい。
【0041】上記エマルジョン(A)及び(B)の混合
後の貯蔵安定性を向上させるために、両者の混和性を改
良する添加剤を使用してもよい。このような添加剤とし
ては、アニオン系、ノニオン系、アニオンノニオン併用
系等の各種界面活性剤が挙げられ、好ましくはノニオン
系界面活性剤である。
【0042】本発明の接着剤組成物には、その初期接着
力、養生後の耐熱性や常態接着力を損なわない範囲で、
他の樹脂エマルジョン又は樹脂水溶液が添加されてもよ
い。このような他の樹脂エマルジョン又は樹脂水溶液と
しては、例えば、スチレン、ブタジエン、アクリロニト
リル、クロロプレン、イソプレン、酢酸ビニル、(メ
タ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸から選ば
れる1種以上の(共)重合体エマルジョン又は水溶液;
天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0043】上記接着剤組成物の粘度は、それぞれの塗
布方法に適した粘度に調整して使用される。例えば、プ
ロフィールラミネート加工に使用する場合は、粘度10
0〜50000cpsが好ましく、より好ましくは80
0〜10000cpsである。 粘度が100cps未
満では、接着剤が流動し易くなるため、塗布機から接着
剤が流出して作業性が悪くなり、接着剤がシート上では
じかれ外観不良を招き易くなる。また、粘度が5000
0cpsを超えると、流動し難くなるため接着剤の供給
に支障をきたし、レベリング性も低下して均一な塗布が
困難となる。
【0044】上記の粘度範囲に調整するために、上記接
着剤組成物に、例えば、トルエン、キシレンのような有
機溶剤を添加してもよい。また、各種の粘度改良剤を添
加することにより、粘度や流動特性を調整してもよい。
このような粘度改良剤としては、ウレタン系のノニオン
増粘剤、アルカリ増粘タイプのアニオン増粘剤、各種水
溶性高分子等が挙げられる。粘度調整のために、上記有
機溶剤と粘度改良剤とを併用してもよい。
【0045】上記接着剤組成物の固形分濃度は40〜7
0重量%が好ましく、より好ましくは45〜70重量%
である。固形分濃度が40重量%未満では、水分量が多
すぎるため乾燥に長時間を要するため作業性が低下し、
輸送コストも大きくなる。固形分濃度が70重量%を超
えると、樹脂分が多くなるため、機械的安定性が低下し
て作業性が悪くなると共に、貯蔵安定性が低下して保管
時に分離するおそれがある。
【0046】上記硬化剤としては、分子内に、酸基に対
して反応活性を有する官能基を2個以上有する化合物
(e)が用いられる。上記化合物(e)としては、例え
ば、イソシアネート系、メラミン系、アジリジン系、エ
ポキシ系、オキサゾリン系、カルボジイミド系、各種の
金属キレート型硬化剤等公知の硬化剤が挙げられる。こ
れらの中で、特に、イソシアネート系、エポキシ系、カ
ルボジイミド系の硬化剤;各種の金属キレート型硬化剤
が好ましい。
【0047】上記イソシアネート系の硬化剤としては、
例えば、トルイレンジイソシアネート(TDI)、ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチ
レンジイソシアネート(HDI)等のジイソシアネート
化合物;これらのジイソシアネート化合物の2量体、3
量体、それ以上の多量体であるポリイソシアネート化合
物;これらの変成物であるポリイソシアネート化合物な
どが挙げられる。これらの中で、特に、上記ポリイソシ
アネート化合物をポリエチレングリコール等のノニオン
性の親水基で変成しものが好ましい。このような親水性
のセグメントによって変成されたポリイソシアネート化
合物は、水分散性イソシアネートと呼ばれ、水性硬化剤
として広く市販されている。
【0048】上記エポキシ系の硬化剤としては、例え
ば、分子内に2ケ以上のエポキシ基を有する化合物が挙
げられる。このようなエポキシ系の硬化剤としては、例
えば、ビスフェノール型エポキシ化合物;フェノールノ
ボラック型エポキシ化合物;N,N,N',N'-テトラグリシジ
ル−m−キシリレンジアミン等の三級アミン含有の化合
物のように、それ自体は水溶性や強い親水性を有しない
エポキシ硬化剤;親水性セグメントで変成された水溶性
エポキシ硬化剤;ビスフェノール型エポキシ化合物やフ
ェノールノボラック型のエポキシ化合物を乳化剤によっ
て強制的に水中に分散させた水分散型エポキシ硬化剤な
どが挙げられ、いずれも使用可能である。
【0049】上記水溶性エポキシ硬化剤としては、例え
ば、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセ
ロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパ
ンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエ
ーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビ
タンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグ
リシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。
【0050】上記カルボジイミド系硬化剤としては、一
般式R1 −N=C=N−R2 (式中、R1 、R2 は、水
素原子、プロピル基、シクロヘキシル基又はp−トルオ
イル基を示す)で表される化合物等が挙げられる。これ
らのカルボジイミド系硬化剤は親水性を付与した形に変
成されたものが好ましく、添加時に水又は親水性の有機
溶剤で希釈して使用するのが好ましい。
【0051】上記各種の金属キレート型硬化剤として
は、例えば、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネ
シウム等の金属酸化物;亜鉛、マグネシウム、鉄、カル
シウム、コバルト、銅、アルミニウム、モリブデン、バ
ナジウム、錫、チタン等の各種金属元素のアセチルアセ
トン錯体などが挙げられる。
【0052】上記硬化剤の添加量は、硬化剤の種類によ
って異なるが、主剤の固形分100重量部に対して2〜
20重量部に制限され、好ましくは4〜12重量部であ
る。硬化剤の添加量が、2重量部未満では十分な凝集力
が得られず、養生後の耐熱性が低下する。硬化剤の添加
量が、20重量部を超えると接着直後の凝集力が硬化剤
の可塑化効果によって低下し、コスト的にも不利とな
る。
【0053】本発明の接着剤組成物には、必要に応じ
て、溶剤、可塑剤、防黴剤、消泡剤、防錆剤、充填剤、
粘着付与剤、粘着性改良剤等が添加されてもよい。
【0054】上記接着剤組成物を塗布する場合は、例え
ば、ロールコーター、フローコーター、ナイフコータ
ー、スプレーコーター等の各種塗布装置が使用可能であ
り、塗布される被着体の形状や用途によって適宜選択さ
れる。
【0055】上記接着剤組成物は、特に塗布後乾燥させ
てから接着するドライ接着法を採用することによって、
その特徴が発揮される。ドライ接着法が採用される加工
方法としては、プロフィールラミネート、真空成形、手
作業による加工方法が挙げられるが、いずれの加工方法
も本発明の接着剤組成物を使用して効果的に接着可能で
ある。
【0056】以下に、上記接着剤組成物を使用して、プ
ロフィールラミネート加工する方法を説明する。被着材
として使用される化粧シートとしては、例えば、塩化ビ
ニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリル樹
脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリビニ
ルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化
ポリプロピレン等の合成樹脂からなるシート又はフィル
ムの他、木材の突き板シート、合成樹脂を含浸させた突
き板シート、アルミ箔等の金属シート、紙シート、合成
樹脂を含浸させた紙シート、合成樹脂をラミネートした
紙シート、布等が用いられる。
【0057】また、芯材としては、例えば、木質材料、
無機材料、金属、合成樹脂等からなる任意の成形体、積
層構造体等があり、例えば、天然木材、ラワン合板、パ
ーティクルボード、硬質ファイバーボード、中密度繊維
板(MDF)等の半硬質ファイバーボード、集成材等の
木質材料類;石膏ボード、セメントボード等の無機材料
成形体類;アルミニウム、ステンレス、鉄等の金属類;
塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、アクリ
ル樹脂、ABS樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
ビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩
素化ポリプロピレン等の合成樹脂成形体類;これらの合
成樹脂類の発泡成形体などが用いられる。
【0058】上記プロフィールラミネート加工におい
て、上記化粧シートに接着剤組成物を塗布する方法とし
ては、ナイフコーター、各種ロールコーターを用いるの
が一般的である。上記接着剤組成物の塗布厚さは、未乾
燥状態で10〜100μmが好ましい。塗布厚さが10
μm未満では、芯剤表面の凹凸を埋めることができず十
分な接着面積が得られなくなるので、得られる化粧シー
ト被覆材料の接着性能が低下する。また、塗布厚さが1
00μmを超えると、乾燥時間が著しく長くなるので溶
剤型接着剤に比べて生産性が著しく低下する。
【0059】上記接着剤組成物が塗布された化粧シート
は、引き続いて乾燥ゾーンに供給されて乾燥される。乾
燥条件としては、20〜110℃、5秒〜5分間が好ま
しい。特に、塩化ビニル樹脂シートのように高温で著し
く軟化する熱可塑性樹脂シートを用いる場合には、乾燥
条件として、47〜75℃、5秒〜1分間が好ましい。
【0060】乾燥温度が著しく高くなると、熱可塑性樹
脂シートの場合、シートにかかる張力によって変形し、
得られる化粧シート被覆材料の外観が損なわれることが
あり、乾燥温度が低くなり過ぎると、乾燥時間が長くな
り生産性が低下する。また、乾燥時間が短かすぎる場合
は、水分が残留してウェット接着の状態となり、接着剤
の凝集力が得られなくなるので、芯材に貼り合わせた直
後に化粧シートが浮いたり剥がれたりして、化粧シート
被覆材料の外観が損なわれる。
【0061】上記接着剤組成物が塗布された化粧シート
は、乾燥後直ちに貼り合わせてもよいし、化粧シートを
一旦ロール巻きにして保存してもよい。一旦保存した後
に接着する場合は、接着剤の塗布表面を加熱などの手段
により、再活性化して貼り合わせる。
【0062】上記接着剤組成物を塗布した化粧シートを
芯材に接着するには、芯材の表面の凹凸に合うように固
定された複数のロールを、化粧シートの上から押さえつ
けながら圧着して貼り合わせるのが好ましい。上記ロー
ルの押さえ圧力は、線圧1〜20kg/cmが好まし
い。線圧が1kg/cm未満では、化粧シートと芯材を
密着させることが困難であり、線圧が20kg/cmを
超えると、化粧シートを破損するおそれがある。
【0063】上記化粧シート被覆材料の製造を行なうた
めに、市販のプロフィールラミネーターを使用すること
ができる。このプロフィールラミネーターとしては、
化粧シートを連続的に送り出す供給ロール、接着剤を
化粧シートに接着剤を塗布するコーター、塗布された
接着剤を乾燥させる熱風乾燥機、一定の長さの芯材を
供給する芯材供給機、化粧シートを芯材に被覆しなが
ら曲面又は凹凸面に沿って圧着するロール、及び化粧
シートを芯材の長さに合わせて切断するカッター等、を
備えたものが好ましい。
【0064】
【作用】本発明の接着剤組成物は、各種プラスチック材
料に対する接着性に優れるポリエステル骨格と、乾燥時
の食いつき性に優れる柔軟なポリエーテル骨格とを同時
に有する、ウレタン樹脂からなるエマルジョン(A)を
使用しているため、接着剤を乾燥させたときにも柔軟な
性状を呈し、ドライ接着法を採用しても基材に対して良
好な食いつき性を発現し、養生後には硬化剤によって凝
集力が向上するので、優れた初期接着性と養生後の接着
性を両立させることができる。さらに、特定の架橋構造
や分子量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体からな
るエマルジョン(B)を配合しているため、養生後の耐
熱性や常態接着力が優れる。
【0065】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0066】(実施例1)エマルジョン(A)としてポ
リエステル、ポリエーテル骨格共存ウレタン樹脂(大日
本インキ社製「ハイドランExp.H−1075」、カ
ルボキシル基含有、固形分濃度52重量%、pH=8)
を使用した。エマルジョン(B)としてエチレン−酢酸
ビニル共重合体のエマルジョン(住友化学社製「スミカ
フレックス(以下、SFという)455」、エチレン含
有量18重量%、固形分濃度55重量%、pH5)を用
い、これに25重量%のアンモニア水を添加してpHを
8.0に調整した。上記エマルジョン(A)100重量
部に、pH調整したエマルジョン(B)100重量部を
加えて十分に混合した。次に、粘度調整のために、増粘
剤(旭電化社製「アデカノールUH−420」をメタノ
ールで2倍に希釈したもの)0.1重量部を、エマルジ
ョン(A)及び(B)の混合物に加えて、十分に混合
し、主剤を調製した。上記主剤100重量部(固形分)
に対して、硬化剤として水分散性イソシアネート(積水
化学社製「エスダインUX−W」)8重量部(固形分)
を加えてよく混合攪拌し、接着剤組成物を得た。
【0067】尚、「SF445」のトルエン不溶分及び
トルエン膨潤比は、以下の手順で測定した。まず、エマ
ルジョン(B)(SF445)を約1mm厚の薄膜状に
塗布し、40℃の送風乾燥オーブン中で24時間乾燥さ
せて乾燥皮膜を作製した。乾燥皮膜の切片約0.5g
を、約50ミリリットルのトルエンに浸漬し、室温中で
24時間静置状態で放置した後、容器を手で軽く振り、
直ちに不溶分を200メッシュのステンレス金網ですく
い取った。不溶分をすくい取った金網を、紙ウェス上に
30秒間置き余分なトルエンを吸収させて取り除いた
後、金網ごと直ちにトルエン膨潤状態の重量を測定し
た。さらに、不溶分をすくった金網を、そのまま110
℃の乾燥オーブンに4時間放置してトルエン分を揮散さ
せ、金網ごとその重量を測定した。
【0068】上記測定値から、以下の式により算出し
た。 ・トルエン不溶分(重量%)=〔(トルエン乾燥後の不
溶分重量−ステンレス金網の重量)/(トルエン浸漬前
の樹脂重量)〕×100 ・トルエン膨潤比=(トルエン膨潤状態の不溶分重量−
ステンレス金網の重量)/(トルエン乾燥後の不溶分重
量−ステンレス金網の重量)
【0069】「SF455」のトルエン不溶分=92重
量% トルエン膨潤比=9.3 であった。
【0070】(実施例2,3、比較例1〜5)表1及び
2に示す配合量の、「Exp.H−1075」又は「H
W333」〔エマルジョン(A)〕ならびに「SF45
5」、「CY205」又は「SF467」〔エマルジョ
ン(B)〕を使用したこと以外は、実施例1と同様にし
て接着剤組成物を製造した。
【0071】なお、使用した「HW333」、「CY2
05」、「SF467」は、下記の性状のものである。 〔エマルジョン(A)〕 ・HW333:大日本インキ社製、カルボキシル基含有
ポリエステル骨格ウレタンエマルジョン 〔エマルジョン(B)〕 ・CY205:住友化学社製、アクリル酸−エチレン−
酢酸ビニル共重合体エマルジョン(アクリル酸含有量約
0.8重量%、エチレン含有量約20重量%、固形分濃
度65重量%、pH=5)、トルエン不溶分91重量
%、トルエン膨潤比7.2 ・SF467:住友化学社製、エチレン−酢酸ビニル共
重合体エマルジョン(エチレン含有量約20重量%、固
形分濃度65重量%、pH5)、トルエン不溶分29重
量%、トルエン膨潤比43
【0072】上記実施例及び比較例で得られた接着剤組
成物について、下記の性能評価を行い、その結果を表1
及び2に示した。 〔化粧シート被覆材料サンプルの作製〕プロフィールラ
ミネーター(丸伸商事社製「PL−300」)を用い
て、厚さ170μmの塩化ビニル樹脂シートを5m/分
の速度で供給し、その片面にナイフコーターで実施例及
び比較例で得られた接着剤組成物を75μmの厚さで塗
布した。次いで、塩化ビニル樹脂シートを65℃の熱風
乾燥炉を通過させて乾燥させ、長さ2m、幅100m
m、厚さ20mmで、その表面に深さと幅が約5mm、
角部のRが2mmの2本のU字状の溝が70mm間隔で
長さ方向に設けられた断面異形の芯材(MDF)の表面
から裏面の両縁部にかけて包み込むように被覆しなが
ら、圧着ローラーを用いて圧着し、化粧シート被覆材料
サンプルを得た。
【0073】上記実施例及び比較例で得られた化粧シー
ト被覆材料サンプルにつき、以下の性能評価を行い、そ
の結果を表1及び2に示した。 (1)初期接着性 得られた化粧シート被覆材料サンプルの外観、特に、角
部の曲面や溝部の接着状態を目視観察した。 (2)常態剥離試験 得られた化粧シート被覆材料サンプルの平面部を、長さ
100mm×幅25mmの寸法に切断し、予め化粧シー
トの一端部を剥離させ、これを23℃、50%RHの雰
囲気下で2日間養生した。次いで、芯材と化粧シートの
一端部とをチャックに固定し、23℃、50%RHの雰
囲気下で、引張試験機を用いて剥離速度50mm/mi
nにて180度剥離試験を行った。 (2)耐熱クリープ性試験 得られた化粧シート被覆材料サンプルを、長さ200m
m×幅25mmに切断し、予め化粧シートの一端部を剥
離させ、これを23℃、50%RHの雰囲気下で2日間
養生した。次いで、垂直に保持し基材の上端部を固定し
て、化粧シートの一端部に500gの分銅を釣り下げ、
60℃の雰囲気下で24時間経過後の180度剥離長さ
を測定した。この剥離長さが短いほど耐熱クリープ性が
優れる。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【発明の効果】本発明の接着剤組成物は、上述の構成で
あり、主剤に初期の食いつき性を付与するエマルジョン
(A)と耐熱性や常態接着力を付与するエマルジョン
(B)とを併用しているために、優れた初期接着力と養
生後の耐熱性や常態接着強度とを同時に発現するので、
プロフィールラミネート加工等のドライ接着法による接
着作業に好適に用いられる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー骨格中にポリエステル骨格とポ
    リエーテル骨格とを有し、さらに酸基を有するウレタン
    樹脂からなるエマルジョン(A)と、エチレン含有量が
    5〜40重量%であり、かつ、乾燥皮膜のトルエンによ
    る未溶解物(トルエン不溶分)が70重量%以上である
    エチレン−酢酸ビニル共重合体からなるエマルジョン
    (B)とを配合してなる主剤100重量部に対して、硬
    化剤として酸基と反応可能な官能基を2個以上有する化
    合物2〜20重量部が配合されていることを特徴とする
    接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 エマルジョン(A)に使用されるウレタ
    ン樹脂が、ポリマー骨格中にポリエステル骨格を有する
    化合物とポリエーテル骨格を有する化合物とを、重量比
    20:80〜60:40の割合で反応させることにより
    得られることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成
    物。
  3. 【請求項3】 主剤が、エマルジョン(A)100重量
    部及びエマルジョン(B)10〜1000重量部からな
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
    接着剤組成物を一方の被着体に塗布し、乾燥させた後、
    他方の被着体の表面に接合加圧して接着することを特徴
    とする接着方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のうちいずれか1項記載の
    接着剤組成物を化粧シートに塗布し、乾燥させた後、芯
    材に接合加圧して接着することことを特徴とする化粧シ
    ート被覆材料の製造方法。
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