JP3891883B2 - 接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤組成物に関し、特に化粧シートと基材との接着に利用される水系接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築部材及び家具部材として、「化粧材料」が広く利用されている。尚、本明細書において「化粧材料」とは、木質材料(例えば、合板、パーティクルボード及び木質繊維板等)及び無機材料(例えば、セメントボード及び石膏ボード等)等から選ばれる材料からなる「基材」の表面に、樹脂シートや化粧紙等のいわゆる「化粧シート」を接着した材料をいい、通常化粧材料として使用されているものであれば、特に制限されるものではない。
【0003】
「化粧シート」と「基材」との接着には、通常、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョン及びアクリル酸エステル−酢酸ビニル共重合体エマルジョン等の酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とする接着剤が用いられていた。
【0004】
しかし、これらの酢酸ビニル系樹脂エマルジョンを主成分とする上記接着剤は、密着性、耐熱性、耐水性等の種々の物性が十分ではないという問題がある。更に、「化粧シート」を上記接着剤によって「基材」に貼り付けた場合、温度(気温)が高温から低温へ変化すること、また水がかかる又は高湿度雰囲気に置かれる等の周囲の環境が変化することによって「化粧シート」が「基材」から浮き上がることがあり、「化粧材料」の外観が悪くなるという問題がある。このため、近年、「基材」と「化粧シート」の接着性を高めることが検討されており、その一例として、ウレタン樹脂エマルジョンを含む接着剤が検討されている。
【0005】
特開平10−140126号公報は、ポリマー骨格中にポリエステル骨格とポリエーテル骨格とを有し、更に酸基を有するウレタン樹脂エマルジョンとエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンとが配合された主剤と、ポリイソシアネート化合物等が配合された硬化剤が配合された接着剤組成物を開示する。
特開平11−209722号公報は、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、ウレタン樹脂エマルジョン、並びにアジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル及びグルタル酸ジメチルの少なくとも一種からなる接着剤組成物を開示する。特開2000−140126号公報は、ビニルエステル(共)重合体エマルジョン(エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンが含まれる)、アニオン性ウレタン樹脂エマルジョン及びポリビニルアルコールを含むA剤(主剤)とポリイソシアネート化合物を含むB剤(硬化剤)から成り、更に粘度調整や造膜性向上のためのトルエン等が含まれている接着剤組成物を開示する。
【0006】
上記公報に開示された接着剤組成物は、いずれもウレタン樹脂エマルジョンがエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンと配合された接着剤組成物である。まず、これらの二つの樹脂エマルジョンを配合した場合、得られる樹脂エマルジョンの配合安定性及び貯蔵安定性は必ずしも十分ではなく、また十分な配合安定性及び貯蔵安定性を得るためには、特殊な配合技術を要するという問題がある。
【0007】
また、特開平11−209722号公報及び特開2000−186266号公報に開示された接着剤組成物には、有機溶剤が含まれる。有機溶剤を含むことで接着剤組成物の造膜性及び硬化物の柔軟性等を向上することができるが、有機溶剤が接着剤組成物中に存在すると、接着剤組成物の硬化物の耐熱性や耐水性が低下したり、製造される「化粧材料」の「基材」や「化粧シート」等に有機溶剤が移行し、それらを侵食する等、「基材」や「化粧シート」に悪影響も生じ得るという問題がある。
【0008】
更に、特開2000−186266号公報に開示された接着剤組成物には、VOC(揮発性有機化合物)のトルエンが含まれる。トルエンはシックハウス症候群の原因物質になると考えられ、環境問題への対応及び人体への影響等を考慮すると、有機溶剤が含まれた接着剤組成物を、建築部材及び家具部材の製造に利用するのは好ましくない。
【0009】
尚、特開2000−186266号公報に開示された接着剤組成物には、硬化物の耐熱性や耐水性を向上させるため、接着剤組成物のA剤(主剤)にポリビニルアルコールが含有されている。しかし、ポリビニルアルコールが含まれることによって接着剤組成物の硬化物の耐温水性は弱くなり、さらにポリビニルアルコールは極めて水溶性が高いので接着剤組成物の乾燥性は低下し得るという問題がある。また特にプラスチックシート等の化粧シートへの密着性にも悪影響が生じる場合がある。
【0010】
従って、環境問題への対応及び人体への影響等について考慮され、かつ、種々の基材に対して優れた性能(例えば、接着剤組成物の配合安定性、貯蔵安定性、乾燥性、接着性、密着性、耐熱性、耐温水性等)を示す接着剤組成物が望まれている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので、その課題は、環境問題や人体への影響等について考慮され、かつ、従来の接着剤組成物と比較して、種々の基材に対して、貯蔵安定性、接着性、密着性、耐熱性、耐温水性及び乾燥性から選択される少なくとも一種の特性が向上された接着剤組成物を提供することであり、特に化粧シートと基材との接着に好ましい接着剤組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、ポリマーエマルジョンから構成されるエマルジョン状態の主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物において、主剤に含まれるポリマーエマルジョンに、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000であるポリオールを加えると、上記課題を解決することができることを見出して本発明を完成するに至ったものである。
【0013】
即ち、本発明は、一の要旨において、新たな接着剤組成物を提供し、それは、イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有するポリオールを含むポリマーエマルジョンから構成されるエマルジョン状態の主剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物であって、
上記ポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000であることを特徴とする接着剤組成物である。この接着剤組成物は、化粧シートと基材を接着して化粧材料を製造するために、特に好適に用いることができる。
【0014】
本発明は、以下に詳細に説明するように、ポリマーエマルジョンを含有するエマルジョン状態の主剤に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000である、特定のポリオールを添加することで上記課題を解決しようとするものであり、このポリオールは、ポリマーエマルジョンのポリマーに対して可塑化効果を併せ持つ(又は可塑剤として機能し得る)。
【0015】
まずポリオールは、接着剤組成物が硬化する前は、主剤に含まれるポリマーエマルジョンのポリマーにその少なくとも一部が混入(混在又は混合)し、ポリマーに対する一種の可塑剤として働くと考えられ、接着剤組成物の造膜性及びその硬化物の柔軟性等を向上するという優れた効果を与えると考えられる。
【0016】
更に、ポリオールは、ポリオールを含むポリマーエマルジョンから構成される主剤が、pH調整等の配合技術を用いることなく、配合安定性及び貯蔵安定性が良好なエマルジョン状態の主剤と成り得るのがより好ましいので、ポリオールは、ポリマーエマルジョンに混合しても、主剤のエマルジョン状態が維持され、エマルジョン状態が破壊されないものが特に好ましい。
【0017】
ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤と、ポリオールを含むポリマーエマルジョンを含有するエマルジョン状態の主剤が混合されると、主剤に含まれるポリマーエマルジョンのポリマーにその少なくとも一部が混入(混在又は混合)したポリオールがイソシアネート化合物と反応することによって、主剤と硬化剤が混合された接着剤組成物内でウレタン樹脂の生成が開始する。ここで生成するウレタン樹脂は、少なくとも一部が、ポリマーエマルジョンのポリマー中に存在(混入又は混在)するので、ウレタン樹脂とポリマーとの存在状態に関しては、ポリマーエマルジョンと別に加えられるウレタン樹脂エマルジョンとは、実質的に相違するウレタン樹脂といえる。
【0018】
ウレタン樹脂が生成することによって、本発明に係る接着剤組成物は、従来の水系接着剤では接着が困難な基材に対しても、優れた接着性を付与し、さらには耐熱性、耐温水性等に優れた接着剤組成物と成り得る。尚、これは、従来ウレタン樹脂エマルジョンを混合することによって確保されていた各種の被着体に対する密着性を、ポリオールとイソシアネート化合物の反応によって生成するウレタンポリマーによって発揮させ、更に、ポリオールの少なくとも一部が、ポリマーエマルジョンのポリマー中に存在することから、初期接着性も向上し得るものと考えられる。
【0019】
更に、ポリオールとイソシアネート化合物の両者は、ウレタン樹脂の生成に伴ない消費されるので、本発明は、環境面及び人体への影響の面から優れた接着剤組成物を与えることができる。
尚、本発明では、可塑剤として機能し得るポリオールが、そのまま接着剤組成部の硬化物中に残留することはなく、硬化剤と反応して高分子量化するので、単に可塑剤を用いた場合と異なり、硬化物の耐熱性を維持することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明において「主剤」とは、ポリマーエマルジョン及び特定のポリオールを含有するエマルジョン状態の主剤をいい、本発明が目的とする接着剤組成物を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
【0021】
本発明において、「ポリマーエマルジョン」とは、通常ポリマーエマルジョンとされるものであって、乳化重合、強制乳化等により、溶媒中に高分子量化したポリマー粒子が安定に存在するものであり、本発明が目的とする接着剤組成物を得ることができるものであれば、特に、制限されるものではない。
【0022】
本発明において、「ポリマーエマルジョン」は、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン、合成ゴム系エマルジョン及びアクリル樹脂系エマルジョンから選ばれる少なくとも一種のエマルジョンであるのが好ましい。
【0023】
「エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン」として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョン及びエチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョンから成る群から選択される少なくとも一種のエマルジョンを例示できる。
【0024】
「合成ゴム系エマルジョン」として、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、ポリブタジエンエマルジョン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体エマルジョン、ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体エマルジョン、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジン共重合体エマルジョン、ポリクロロプレンエマルジョン及びポリイソプレンエマルジョンから成る群から選択される少なくとも一種のエマルジョンを例示できる。
【0025】
「アクリル樹脂系エマルジョン」として、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、及び官能性メタクリル酸エステルから選択される少なくとも一種の単量体が重合したアクリル系樹脂のエマルジョン、並びに当該少なくとも一種の単量体とスチレンが共重合したアクリル系樹脂のエマルジョンから選択される少なくとも一種のエマルジョンを例示できる。
【0026】
従って、「アクリル樹脂系エマルジョン」には、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、官能性メタクリル酸エステルから選択される少なくとも一種の単量体が(共)重合したアクリル樹脂のエマルジョンに加え、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、アクリルアミド、官能性メタクリル酸エステルから選択される少なくとも一種の単量体とスチレンが共重合した、アクリル−スチレン共重合体のエマルジョンが含まれる。
【0027】
「アクリル酸エステル」として、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル及びアクリル酸オクタデシルを例示できる。
「メタクリル酸エステル」として、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル及びメタクリル酸オクタデシルを例示できる。
「官能性メタクリル酸エステル」として、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸t−ブチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸グリシジルを例示できる。
更に、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸t−ブチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸グリシジル等の「官能性アクリル酸エステル」も使用できる。
【0028】
「ポリマーエマルジョン」として、市販品を使用することができ、例えば、以下のものを例示することができる:
エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンとして、電気化学工業社製のデンカEVAテックス#81(商品名)(固形分濃度56重量%、pH4.5〜6.0);及び
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスとして、日本ゼオン社製のニポールLX426(商品名)(固形分濃度50重量%、pH8.5)。
「ポリマーエマルジョン」は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0029】
「ポリオール」とは、イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000であり、本発明が目的とする接着剤組成物を得ることができるものである限り、特に制限されるものではない。但し、ポリビニルアルコール及び変性ポリビニルアルコールは除く。
【0030】
「ポリオール」は、主剤に含まれるポリマーエマルジョンと混合してもエマルジョン状態を維持し得るものであるのがより好ましい。
更に、「ポリオール」は、主剤に含まれるポリマーエマルジョンのポリマーにその少なくとも一部が混入(混在又は混合)するものが特に好ましい。
【0031】
「ポリオール」として、例えば、ポリエステルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール、ポリオール型キシレン樹脂、ポリブタジエン系ポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、及びひまし油誘導体から選ばれる少なくとも一種を例示できる。
【0032】
「ポリエステルポリオール」として、具体的には、例えば、
アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸及びアゼライン酸等のジカルボン酸類と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン及びグリセリン等のポリオール化合物とから得られるポリエステルポリオール類;並びに
ポリカプロラクトンポリオール及びポリβ−メチル−σ−バレロラクトン等のポリラクトン系ポリエステルポリオール類を例示できる。
【0033】
「ポリオレフィン系ポリオール」として、例えば、ポリヒドロキシポリマーを例示できる。
「ポリオール型キシレン樹脂」として、例えば、キシレン樹脂のポリオール変性品を例示できる。
「ポリブタジエン系ポリオール」として、例えば、ポリブタジエン骨格(1,2付加体及び1,4付加体)を有するホモポリマーから成るポリオール、及びブタジエン、スチレン及びアクリロニトリル等が重合したポリブタジエン系コポリマーから成るポリオール、並びにそれらの水添物を例示できる。
「ポリエーテルポリオール」として、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アミノ変性ポリプロピレングリコール及びエステル変性ポリプロピレングリコールを例示できる。
「アクリルポリオール」として、例えば、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)等のアクリルモノマーをアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン等と共重合することによって得られるアクリルポリオール、ポリアクリル酸エステルポリオール及びポリメタクリル酸エステルポリオールを例示できる。
「ひまし油誘導体」として、例えば、精製ひまし油、脱水ひまし油、重合脱水ひまし油及びひまし油ポリオールを例示できる。
【0034】
また「ポリオール」のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、400〜8000である。
本発明において、「重量平均分子量(Mw)」とは、GPCを用いて測定され、単分散分子量ポリスチレンで換算された重量平均分子量をいう。より具体的には、下記のGPC装置及び測定方法を用いて測定された値をいい、本発明者は後述する実施例及び比較例においても、下記の装置及び測定方法を用いた。
【0035】
GPC装置は、ウォーターズ(Waters)社製の600Eを用い、検出器として、RI(Waters410)及びUV(Waters486、220nm)を用いた。GPCカラムとして、ウォーターズ(Waters)社製のウルトラスタイロジェル100Å(分子量50〜1500用)1本及びウルトラスタイロジェル500Å(分子量1000〜10000用)1本の計2本を用いた。試料をテトラヒドロフランに溶解して、流速を0.5ml/min、カラム温度を40℃にて流し、標準物質としての単分散分子量のポリスチレン(分子量1300、3000及び10000)を使用した検量線を用いて分子量の換算を行い、Mwを求めた。
【0036】
ポリエステルポリオールは、重量平均分子量が500〜6000であるのが好ましく、ポリオレフィン系ポリオールは、重量平均分子量が500〜6000であるのが好ましく、ポリオール型キシレン樹脂は、重量平均分子量が400〜2000であるのが好ましく、ポリブタジエン系ポリオールは、重量平均分子量が1000〜6000であるのが好ましく、ポリエーテルポリオールは、重量平均分子量が400〜8000であるのが好ましく、アクリルポリオールは、重量平均分子量が500〜6000であるのが好ましく、ひまし油誘導体は、重量平均分子量が500〜6000であるのが好ましい。
【0037】
ポリエステルポリオールは、重量平均分子量が500〜3000であるのがより好ましく、ポリオレフィン系ポリオールは、重量平均分子量が500〜3000であるのがより好ましく、ポリオール型キシレン樹脂は、重量平均分子量が400〜1000であるのがより好ましく、ポリブタジエン系ポリオールは、重量平均分子量が1000〜3000であるのがより好ましく、ポリエーテルポリオールは、重量平均分子量が400〜4000であるのがより好ましく、アクリルポリオールは、重量平均分子量が500〜3000であるのがより好ましく、ひまし油誘導体は、重量平均分子量が1000〜3000であるのがより好ましい。
【0038】
ポリエステルポリオールは、重量平均分子量が1000〜2000であるのが特に好ましく、ポリオレフィン系ポリオールは、重量平均分子量が1000〜2000であるのが特に好ましく、ポリオール型キシレン樹脂は、重量平均分子量が500〜750であるのが特に好ましく、ポリブタジエン系ポリオールは、重量平均分子量が1000〜2000であるのが特に好ましく、ポリエーテルポリオールは、重量平均分子量が1000〜4000であるのが特に好ましく、アクリルポリオールは、重量平均分子量が1000〜2000であるのが特に好ましく、ひまし油誘導体は、重量平均分子量が1000〜2000であるのが特に好ましい。
【0039】
ポリエステルポリオールは、重量平均分子量が500未満の場合、ポリオレフィン系ポリオールは、重量平均分子量が500未満の場合、ポリオール型キシレン樹脂は、重量平均分子量が400未満の場合、ポリブタジエン系ポリオールは、重量平均分子量が1000未満の場合、ポリエーテルポリオールは、重量平均分子量が400未満の場合、アクリルポリオールは、重量平均分子量が500未満の場合、ひまし油誘導体は、重量平均分子量が500未満の場合、得られる接着剤組成物の接着性能(密着性、耐熱性及び耐温水性)が不十分となり得る。
【0040】
ポリエステルポリオールは、重量平均分子量が6000を超える場合、ポリオレフィン系ポリオールは、重量平均分子量が6000を超える場合、ポリオール型キシレン樹脂は、重量平均分子量が2000を超える場合、ポリブタジエン系ポリオールは、重量平均分子量が6000を超える場合、ポリエーテルポリオールは、重量平均分子量が8000を超える場合、アクリルポリオールは、重量平均分子量が6000を超える場合、ひまし油誘導体は、重量平均分子量が6000を超える場合、ポリオールがポリマーエマルジョンに対して十分な可塑化効果を発揮することができないこともあり、また主剤に混合した際にポリマーエマルジョンのエマルジョン状態を破壊することもあり得る。従って、ポリオールとポリマーエマルジョンとを安定に混合することが困難となり得る。
【0041】
「ポリオール」として、市販品を使用することができ、例えば、以下のものを例示することができる:
ポリエステルポリオールとして、大日本インキ化学工業社製のポリライトODX2376(商品名)(水酸基価107〜118mgKOH/g、重量平均分子量1000);
ポリエーテル系ポリオールとして、三井武田ケミカル社製のポリプロピレングリコールであるアクトコール4000(商品名)(重量平均分子量4000);ポリオール型キシレン樹脂として、三菱ガス化学社製のニカノールK100(商品名)(水酸基価110mgKOH/g、重量平均分子量500);及び
ポリエーテルポリオールとして、大日本インキ化学工業社製のポリブチレングリコールであるハイプロックスBG2000(商品名)(水酸基価56mgKOH/g、重量平均分子量2000)。
「ポリオール」は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0042】
上述のポリマーエマルジョンは、上述のポリオールと適宜組み合わせて使用される。ポリマーエマルジョンとポリオールとの好ましい組み合わせを以下に例示する。
【0043】
ポリマーエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン及び/又は合成ゴム系エマルジョンであり、ポリオールは、重量平均分子量が500〜6000のポリエステルポリオールであるのが好ましい。
ポリマーエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョンであり、ポリオールは重量平均分子量が400〜2000のポリオール型キシレン樹脂であるのが好ましい。
ポリマーエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョンであり、ポリオールは、重量平均分子量が400〜8000のポリエーテルポリオールであるのが好ましい。
【0044】
ポリマーエマルジョンとポリオールの重量比(ポリマーエマルジョン/ポリオール)は、100/0.1〜100/50であるのが好ましく、100/0.1〜100/40であるのがより好ましく、100/1〜100/30であるのが特に好ましい。尚、本明細書において、ポリマーエマルジョンとポリオールの「重量」とは、ともに溶媒(媒体)を除く部分(以下「固形分」ともいう)の重量をいう。
【0045】
本発明において「硬化剤」とは、「ポリイソシアネート化合物」を含む硬化剤であって、本発明の目的とする接着剤組成物を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
【0046】
本発明において「ポリイソシアネート化合物」とは、分子内にイソシアネート基を少なくとも二つ有する有機化合物のことであって、ポリオールと反応する硬化剤としての機能を発揮するものであり、本発明が目的とする接着剤組成物を得ることができる限り、特に制限されるものではない。
【0047】
「ポリイソシアネート化合物」として、例えば、以下の化合物を例示できる:1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;
2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−イソシアネート、1,5’−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;
リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−イソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチロールプロパンと2,4−トルイレンジイソシアネートとのアダクト体、トリメチロールプロパンと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとのアダクト体等のトリイソシアネート化合物;
上述の脂肪族及び芳香族ジイソシアネート化合物および上述のトリイソシアネート化合物の多量体であるポリイソシアネート化合物;
上述のポリイソシアネート化合物と、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリストール等の多価アルコールとを反応させて得られる変性ポリイソシアネート化合物;並びに
上述のポリイソシアネート化合物にポリエチレングリコール等のノニオン性の親水基を導入した水分散性変性ポリイソシアネート化合物。
【0048】
これらのポリイソシアネート化合物は、市販品を使用することができ、例えば、水分散性変性ポリイソシアネート化合物として、日本エヌエスシー社製のヨドゾールYL2(商品名)(固形分100重量%)を例示できる。
これらのポリイソシアネート化合物は単独で又は組み合わせて用いることができるが、水分散性変性ポリイソシアネート化合物が「硬化剤」に含まれるポリイソシアネート化合物として好適に用いられる。
「水分散性変性ポリイソシアネート化合物」とは、ポリエチレングリコール等のノニオン性の親水基を導入したポリイソシアネート化合物をいい、例えば、上述の日本エヌエスシー社製のヨドゾールYL2(商品名)、住化バイエルウレタン社製のSBU−イソシアネート0772(商品名)、日本ポリウレタン工業社製のアクアネート100、アクアネート110、アクアネート200、アクアネート210(商品名)を例示できる。
【0049】
本発明において、接着剤組成物の主剤と硬化剤との混合割合は、主剤の固形分100重量部あたり、硬化剤の固形分が0.5〜30重量部であるのが好ましく、硬化剤の固形分が3〜30重量部であるのがより好ましく、硬化剤の固形分が5〜20重量部であるのが特に好ましい。
【0050】
尚、本発明において「固形分」とは、上述したように、溶媒(媒体)を除く部分をいう。従って、「固形分」と記載しているが、「固形分」とは、常温常圧において、必ずしも固体状態であることを意味するものではなく、液体状態、液体と固体の混合物の状態等の状態をも含む。
【0051】
主剤の固形分100重量部あたり、硬化剤の固形分が0.5重量部未満である場合、架橋構造の形成による接着性能(密着性、耐熱性及び耐温水性)向上が不十分と成り得る。逆に主剤の固形分100重量部あたり、硬化剤の固形分が30重量部を超える場合、主剤と硬化剤とを混合した後の可使時間(ポットライフ)が短くなり、作業性が低下し得る。
【0052】
また、本発明において、接着剤組成物の「ポリオール」の水酸基の数と硬化剤の「ポリイソシアネート化合物」のイソシアネート基の数の比(水酸基の数/イソシアネート基の数)は、1以下であるのが好ましい。
【0053】
接着剤組成物の「ポリオール」の水酸基の数と硬化剤の「イソシアネート化合物」のイソシアネート基の数の比(水酸基の数/イソシアネート基の数)が、1より大きい場合、接着剤組成物の接着性能(密着性、耐熱性及び耐温水性)が低下したり、ポリオールが硬化物中に残留するという問題が生じ得る。
【0054】
本発明に係る接着剤組成物は、主剤及び/又は硬化剤に、必要に応じて充填剤、増量剤、粘着性付与剤、カップリング剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、防錆剤及び消泡剤等の各種添加剤を含んでもよい。これらの添加剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0055】
充填剤及び増量剤は、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものを例示できる:
重質炭酸カルシウム、コロイド軽質炭酸カルシウム、表面処理微粉炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム;
タルク、クレー、雲母粉末、珪砂等のシリカ系充填剤;
炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム等の無機系材料;
木粉、小麦粉、澱粉等の有機系材料。
これらの充填剤及び増量剤は単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0056】
粘着性付与剤は、特に限定されるものではないが、例えば、以下のものを例示することができる:
重合ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂等のロジン系樹脂;
テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂;
クマロンインデン樹脂、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂等の石油系樹脂;
フェノール樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂等。
これらの粘着性付与剤は単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0057】
カップリング剤は、特に限定されるものではないが、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等を例示することができる。
これらのカップリング剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0058】
本発明に係る接着剤組成物は、水系の接着剤組成物であって、エマルジョン状態の主剤と硬化剤を組み合わせて成る二液型(又は二成分型)の接着剤組成物であるが(硬化剤が常温常圧で液体でない場合、例えば、固体の場合又は液体と固体の混合物である場合等、本明細書では「二成分型」の接着剤組成物ともいう)、使用する際に、主剤と硬化剤を適宜混合して使用する。混合することによって硬化が始まる。本発明に係る接着剤組成物の製造から使用するまでの時間が短い場合、主剤と硬化剤を混合して一液型接着剤組成物とした後、硬化するまでの間に、使用することができる。
【0059】
本発明に係る接着剤組成物は、水系の接着剤組成物であり、溶媒(又は媒体)として、水性媒体が用いられる。「水性媒体」とは、一般的な水、例えば蒸留水、イオン交換水及び純水等をいう。水性媒体は、必要に応じて有機溶媒を含んで良いが、その有機溶媒の種類及び量は、本発明が目的とする接着剤組成物の性質に与える影響(例えば、環境問題への影響)が、許容できる範囲に限られる。
本明細書において「エマルジョン状態」とは、その形態が水性媒体に樹脂が分散(又は懸濁)している組成物をいうが、樹脂の少なくとも一部が水性媒体に溶解していてもよい。
【0060】
本発明の接着剤組成物は、主剤と硬化剤を混合した後、基材等に塗布して使用する。本発明に係る接着剤組成物を、塗布するための装置は、用途及び作業性等を考慮して適宜選択すれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、ロールスプレッダ(ロールコーター)、フローコーター、ナイフコーター、スプレー塗布機、櫛目ゴテ、刷毛等の各種塗布装置を例示することができる。
【0061】
本発明に係る接着剤組成物は、主に「化粧材料」等の建材用(例えば、建築部材用や家具部材用)として好適に用いることができるが、用途がそれらに限定されるものではなく、ポリマーエマルジョンを含む主剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物が通常用いることができる用途、例えば、木工用、紙加工用、繊維加工用、一般用等として用いることができる。
【0062】
「化粧材料」は、本発明に係る接着剤組成物を用いて、「基材」の表面に「化粧シート」をラミネートすることによって製造することができる。
「基材」は、特に限定されるものではないが、例えば、「基材」として、以下のものを例示できる:
ラワン合板等の合板、中繊維板(MDF)、パーティクルボード、無垢材、木質繊維板等の木質系材料;並びに
セメントボード、石膏ボード、軽量気泡コンクリート(ALC)等の無機系材料。
【0063】
「化粧シート」は、特に限定されるものではないが、「化粧シート」として、例えば、以下のものを例示できる:
硬質もしくは半硬質の塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂等のプラスチック材料シート;
木材をシート状に加工した突板;並びに
各種化粧印刷の施された化粧紙。
【0064】
「化粧材料」を製造する際、接着剤組成物は、基材側に塗布しても良いし、化粧シート側に塗布しても良い。得られた「化粧材料」は、本発明の接着剤組成物を用いて製造されるので、優れた接着性、耐熱性、耐温水性等を示す。
【0065】
従って、本発明は、ポリマーエマルジョンを含む主剤に、イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000であるポリオールを加えることによって、エマルジョン状態の主剤を得る工程、及び
ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤を準備する工程、
から成る上述の二液型(又は二成分型)の接着剤組成物を製造する方法を提供する。
【0066】
更に、本発明は、ポリマーエマルジョンを含む主剤に、イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000であるポリオールを加えることによって、エマルジョン状態の主剤を得る工程、
ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤を準備する工程、及び
主剤と硬化剤を混合する工程
から成る上述の一液型(又は一成分型)の接着剤組成物を製造する方法を提供しする。
【0067】
尚、主剤と硬化剤を混合する方法は、通常、接着剤組成物の主剤と硬化剤を混合するために使用されている方法であって、本発明に係る接着剤組成物を得ることができる混合方法であれば、特に制限されるものではない。
【0068】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例の記載において、特に記載がない限り、上述した溶媒を含まない部分(「固形分」ともいう)を重量部及び重量%の基準としている。
【0069】
実施例及び比較例の接着剤組成物を製造するために用いた材料を、以下に纏めて示す。
ポリマーエマルジョンとして、下記(a1)及び(a2)を使用した:
(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルジョン(電気化学工業社製のデンカEVAテックス#81(商品名)、固形分濃度56重量%、pH4.5〜6.0);及び
(a2)スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製のニポールLX426(商品名)、固形分濃度50重量%、pH8.5)。
イソシアネート化合物として、下記(b1)を使用した:
(b1)水分散性のイソシアネート系化合物(日本エヌエスシー社製のヨドゾールYL2(商品名)、固形分100重量%)。
【0070】
ポリオールとして、下記(c1)〜(c4)を使用した:
(c1)ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業社製のポリライトODX2376(商品名)、水酸基価107〜118mgKOH/g、重量平均分子量1000);
(c2);ポリエーテル系ポリオール(三井武田ケミカル社製のポリプロピレングリコールであるアクトコール4000(商品名)、重量平均分子量4000)
(c3)ポリオール型キシレン樹脂(三菱ガス化学社製のニカノールK100(商品名)、水酸基価110mgKOH/g、重量平均分子量500);及び
(c4)ポリエーテルポリオール(大日本インキ化学工業社製のポリブチレングリコールであるハイプロックスBG2000(商品名)、水酸基価56mgKOH/g、重量平均分子量2000)。
【0071】
その他の材料として、下記(x1)〜(x3)を使用した:
(x1)ポリビニルアルコール(信越化学工業社製の信越ポバールPA−33GP(商品名)、純分94重量%以上、ケン化度88モル%、重量平均分子量300000)の10重量%水溶液;
(x2)アニオン性ウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業社製のハイドランHW375(商品名)、固形分濃度38重量%、pH7.5〜8.8);及び
(x3)トルエン。
【0072】
尚、(c1)〜(c4)のポリオール及び(x1)ポリビニルアルコールの重量平均分子量は、上述した通りのGPC装置及び測定方法を用いて測定された、ポリスチレン換算重量平均分子量である。
【0073】
実施例1
ポリマーエマルジョンとして、(a1)エチレン−酢酸ビニル共重合体のエマルジョン(電気化学工業社製のデンカEVAテックス#81(商品名)、固形分濃度56重量%、pH4.5〜6.0)を、ポリオールとして、(c1)ポリエステルポリオール(大日本インキ化学工業社製のポリライトODX2376(商品名)、水酸基価107〜118mgKOH/g、重量平均分子量1000)を、表1に示した配合比率で撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として、(b1)水分散性のイソシアネート系化合物(日本エヌエスシー社製のヨドゾールYL2(商品名)、固形分100重量%)を用いた。主剤と硬化剤を、表1に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0074】
実施例2
ポリマーエマルジョンとして、(a2)スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(日本ゼオン社製のニポールLX426(商品名)、固形分濃度50重量%、pH8.5)を、ポリオールとして、上述の(c1)ポリライトODX2376(商品名)を、表1に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として、(b1)ヨドゾールYL2(商品名)を用いた。主剤と硬化剤を、表1に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0075】
実施例3
ポリマーエマルジョンとして、上述の(a1)デンカEVAテックス#81を、ポリオールとして(c2)ポリエーテル系ポリオールであるポリプロピレングリコール(三井武田ケミカル社製のアクトコール4000(商品名)、重量平均分子量4000)をそれぞれ用い表1に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表1に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0076】
実施例4
ポリマーエマルジョンとして(a1)デンカEVAテックス#81を、ポリオールとして(c3)ポリオール型キシレン樹脂(三菱ガス化学社製のニカノールK100(商品名)、水酸基価110mgKOH/g、重量平均分子量500)をそれぞれ用い表1に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表1に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0077】
実施例5
ポリマーエマルジョンとして(a1)デンカEVAテックス#81を、ポリオールとして(c4)ポリエーテルポリオール(大日本インキ化学工業社製のポリブチレングリコールであるハイプロックスBG2000(商品名)、水酸基価56mgKOH/g、重量平均分子量2000)をそれぞれ用い表1に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表1に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0078】
比較例1
主剤として、(a1)デンカEVAテックス#81を、硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表2に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0079】
比較例2
主剤として、(a2)ニポールLX426を、硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表2に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0080】
比較例3
ポリマーエマルジョンとして(a1)デンカEVAテックス#81を、その他の材料として(x1)ポリビニルアルコール(信越化学工業社製の信越ポバールPA−33GP(商品名)、純分94重量%以上、ケン化度88モル%、重量平均分子量300000)の10重量%水溶液を用い表2に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表2に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0081】
比較例4
ポリマーエマルジョンとして(a1)デンカEVAテックス#81を用い、これにトリエチルアミンを添加してpHを8.0に調整後、(x2)アニオン性ウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業社製のハイドランHW375(商品名)、固形分濃度38重量%、pH7.5〜8.8)をそれぞれ用い表2に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として、(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表2に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0082】
比較例5
ポリマーエマルジョンとして(a1)デンカEVAテックス#81を、有機溶剤として(x3)トルエンを用い、表2に示した配合比率により混合した。更に、トリエチルアミンを添加してpHを8.0に調整後、(x2)アニオン性ウレタン樹脂エマルジョン(大日本インキ化学工業社製のハイドランHW375(商品名)、固形分濃度38重量%、pH7.5〜8.8)を用い表2に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表2に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0083】
比較例6
ポリマーエマルジョンとして(a1)デンカEVAテックス#81を、有機溶剤として(x3)トルエンを用い、表2に示した配合比率により撹拌混合して主剤を得た。硬化剤として(b1)ヨドゾールYL2を用いた。主剤と硬化剤を、表2に示した配合比率で攪拌混合して得た接着剤組成物を評価に供した。
【0084】
接着剤組成物の評価
接着剤組成物の環境問題等への対応
接着剤組成物が有機溶剤であるトルエンを含まない場合を○とし、有機溶剤であるトルエンを含む場合を×とした。
【0085】
試験体Aの作製
ポリ塩化ビニル製化粧シートの裏面に上述の接着剤組成物を、接着剤組成物の塗布量が、固形分で約50g/m2となるように均一に塗布し、中繊維板(MDF)にゴムローラーを用いて貼り合せた後、常温にて3日間養生して試験体Aを得た。
【0086】
密着性(常態剥離)
密着性の評価は、下記のように常態剥離を評価することによって行った。常温にて3日間養生後の試験体Aについて、ポリ塩化ビニル製化粧シートをMDFから強制的に剥離して、剥離後の状態を目視により観察した。MDFの破壊を生じた場合を密着性は○、ポリ塩化ビニル製化粧シートとMDFとの界面で剥離した場合を密着性は×とした。MDFとポリ塩化ビニル製化粧シートの間の密着力が十分であれば、両者間の界面での剥離は観察されず、MDFの破壊が観察されるからである。
【0087】
密着性(低温剥離)
密着性の評価は、下記のように低温剥離を評価することによっても行った。常温にて3日間養生後の試験体Aを0℃雰囲気下にて24時間保管した後、引き続き0℃にて、ポリ塩化ビニル製化粧シートをMDFから強制的に剥離して、剥離後の状態を目視により観察した。密着性(常態剥離)と同様に結果を評価した。
【0088】
試験体Bの作製
ポリオレフィン製化粧シートの裏面に上述の接着剤組成物を、接着剤組成物の塗布量が、固形分で約50g/m2となるように均一に塗布し、MDFにゴムローラーを用いて貼り合せた後、常温にて3日間養生して試験体Bを得た。
【0089】
耐熱性(耐熱クリープ試験)
耐熱性の評価は、下記のように耐熱クリープ試験を行うことによって評価した。試験体Bを幅25mm、長さ150mmの大きさに切断した後、50mmのポリオレフィン製化粧シートを試験体Bから剥離した。剥離したポリオレフィン製化粧シートを、試験体Bに対して90°の方向に伸ばし、ポリオレフィン製化粧シートに500gの静荷重をかけて、60℃の雰囲気中にて1時間保管した後、ポリオレフィン製化粧シートが、試験体Bから更に剥離した長さを、mm単位で測定して評価した。剥離した長さが短いほど優れており、0.0mmであるのが特に優れている。
【0090】
耐温水性(2類浸漬剥離)
耐温水性の評価は、下記のように2類浸漬剥離を評価することによって行った。 試験体Bから一辺が75mmである正方形を4片切り出し、70℃の温水中に2時間浸漬後、60℃にて3時間乾燥した。一つの試料について、剥離しない部分の長さが、いずれの辺においても(四辺ともに)50mm以上である場合を○とし、いずれか一つの辺でも、剥離しない部分の長さが50mm未満の場合を×とした。
【0091】
初期接着性(接着性)
ポリオレフィン製化粧シートの裏面に上述の接着剤組成物を、接着剤組成物の塗布量が、固形分で約50g/m2となるように均一に塗布し、40℃にて10秒乾燥した後、MDFにゴムローラーを用いて貼り合せた。その直後のポリオレフィン製化粧シートとMDFの密着状態を目視により観察した。ポリオレフィン製化粧シートがMDFから浮き上がることなく接着されている場合を○、ポリオレフィン製化粧シートがMDFから浮き上がっていることが観察された場合を×とした。
【0092】
【表1】
a)単位は、mmである。
【0093】
【表2】
a)単位は、mmである。
【0094】
表1から明らかなように、実施例1〜5の接着剤組成物は、環境問題、密着性(常温剥離)、密着性(低温剥離)、耐熱性、耐温水性及び初期接着性の評価について良好な結果が得られた。実施例1〜5の接着剤組成物は、有機溶剤又は可塑剤を含んでおらず、主剤がポリマーエマルジョンと特定のポリオールを含んで成り、ポリオールがポリマーエマルジョンと共存しており、好ましくはポリオールがポリマー内に混入しているので、主剤にイソシアネート化合物を含む硬化剤を混合すると、このポリオールがイソシアネート化合物と反応してウレタン樹脂が生成し、このウレタン樹脂の生成によって、接着剤組成物の性能が向上するものと考えられる。
【0095】
これに対し、比較例1〜6の接着剤組成物は、上述の評価について不十分な結果を得た。
比較例1及び2は、ポリオールが添加されていないので、密着性(低温剥離)及び初期接着性等が不十分であった。
比較例3は、ポリビニルアルコールが添加されてはいるものであるが、このポリビニルアルコールは、重量平均分子量が300000であるから、本願発明に係る「ポリオール」には該当せず、化粧シートに対する密着性、耐温水性、初期接着性等が不十分であった。
【0096】
比較例4及び5は、主剤と硬化剤を混合することによってウレタン樹脂が生成するものではなく、ウレタン樹脂エマルジョンを初めからエチレン−酢酸ビニルエマルジョンに混合したものである。従って、比較例4では化粧シートに対して密着性(低温剥離)、耐熱性、初期接着性が不十分であり、比較例5では耐熱性が不十分であるとともに、トルエンを使用しているので、環境問題も不十分であった。
尚、比較例6は、有機溶剤であるトルエンを使用しているので、環境問題及び耐熱性に不十分であった。
【0097】
【発明の効果】
本発明に係る接着剤組成物は、イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有するポリオールを含むポリマーエマルジョンから構成されるエマルジョン状態の主剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物であって、
上記ポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜8000であるので、
環境問題や人体への影響等について考慮され、かつ、従来の接着剤組成物と比較して、種々の基材に対して、貯蔵安定性、接着性、密着性、耐熱性、耐温水性及び乾燥性から選択される少なくとも一種の特性が向上された接着剤組成物を提供することができる。
Claims (5)
- イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有するポリオールを含むポリマーエマルジョンから構成されるエマルジョン状態の主剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物であって、
上記ポリマーエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョン及び/又は合成ゴム系エマルジョンであり、
上記ポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が500〜6000のポリエステルポリオールであることを特徴とする接着剤組成物。 - イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有するポリオールを含むポリマーエマルジョンから構成されるエマルジョン状態の主剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物であって、
上記ポリマーエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョンであり、
上記ポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が400〜2000のポリオール型キシレン樹脂であることを特徴とする接着剤組成物。 - イソシアネート基と反応し得る水酸基を二個以上有するポリオールを含むポリマーエマルジョンから構成されるエマルジョン状態の主剤、及びポリイソシアネート化合物を含む硬化剤から成る接着剤組成物であって、
上記ポリマーエマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョンであり、
上記ポリオールは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)が1000〜4000のポリエーテルポリオールであることを特徴とする接着剤組成物。 - エチレン−酢酸ビニル共重合体系エマルジョンは、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体エマルジョン、及びエチレン−酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルジョンから成る群から選択される少なくとも一種のエマルジョンであり、
合成ゴム系エマルジョンは、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、ポリブタジエンエマルジョン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体エマルジョン、ブタジエン−メチルメタクリレート共重合体エマルジョン、ブタジエン−スチレン−ビニルピリジン共重合体エマルジョン、ポリクロロプレンエマルジョン、及びポリイソプレンエマルジョンから成る群から選択される少なくとも一種のエマルジョンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の接着剤組成物。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物を用いて、基材の表面に化粧シートをラミネートすることによって製造される化粧材料。
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