JP5083810B2 - 偏光板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、保護フィルムが接着されてなる偏光板、およびその製造方法に関する。
偏光板は通常、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面又は両面に、接着剤層を介して、透明樹脂フィルム、たとえば、トリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系の保護フィルムを積層した構成となっている。これを、必要により他の光学フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わせ、液晶表示装置の構成部品とする。
液晶表示装置は、その用途が拡大するにつれて、様々な環境で使用されるようになり、それを構成する部品には高い耐環境性が要求されている。たとえば、携帯電話に代表されるモバイル用途の液晶表示装置では、湿熱下での使用も可能であることが要望され、そこに使用される偏光板についても、高い耐湿熱耐久性が要求されている。しかしながら、従来の構成の偏光板では、特に湿熱環境下に長時間晒されると、偏光性能が低下しやすく、また、偏光フィルムと酢酸セルロース系樹脂フィルムの界面が剥離しやすくなるという問題があった。
このような問題に対し、偏光板の保護フィルムとしてシクロオレフィン系樹脂を用いることが提案されている。偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムとを接着するための接着剤に関してはこれまでに多くの研究がなされ、様々な種類の接着剤が提案されてきた。たとえば、特許文献1には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムとの接着に用いる接着剤として、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液とを混合したドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤などが例示されている。しかし、これらの接着剤は有機溶剤を含有しており、環境上や作業者の健康上の問題がある。また、このような有機溶剤を含有する接着剤を、従来の有機溶剤を用いない偏光板製造設備に適用しようとすると、防爆設備の新設など、設備改造の煩雑さを伴う。
水性接着剤に関しても多くの提案がなされており、たとえば特許文献2および3には、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の主剤とポリイソシアネート系硬化剤とを含有する水性接着剤を用いることが開示されている。しかしながら、通常のポリイソシアネート化合物は、水に均一に分散させることは困難であるとともに、媒体となる水や主剤との反応性が高いため、ポットライフが短く、取り扱いが容易でない。
特許文献4および5には、分子内にイオン性基等を導入し、水に分散可能としたポリイソシアネート化合物やブロックイソシアネート化合物を硬化剤とする水系接着剤を用いることが開示されている。かかるポリイソシアネート化合物を用いることにより、水分散性および水等との反応性は改善され得る。しかし、保護フィルム、特にシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着性および耐水性の面では改善の余地があった。
また、特許文献6には、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物とを含む水系接着剤を介して、シクロオレフィン系樹脂フィルムを積層することが記載されている。このようなウレタン樹脂を含む水系接着剤を用いてポリビニルアルコール系偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムを積層した場合、乾燥後7日間程度の養生を施すことにより、高い接着力を示すようになるが、7日間程度の養生を必要とすることから、生産性の面で課題が残っていた。
一方、近年、偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを有し、他面に酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムを有する偏光板が多く用いられるようになってきており、従来同様、偏光フィルムと酢酸セルロース系樹脂フィルムとを密着性よく接着できる技術が求められている。
特開平6−51117号公報 特開2000−321430号公報 特開2000−321432号公報 特開2001−305345号公報 特開2004−37841号公報 特開2005−70140号公報
本発明の目的は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面または両面に、シクロオレフィン系樹脂、酢酸セルロース系樹脂等からなる保護フィルムが積層されてなる偏光板において、偏光フィルムと保護フィルムとの接着性に優れ、耐水性に優れる偏光板およびその製造方法を提供することである。
本発明者らは、かかる目的のもとで研究を行なった結果、ポリビニルアルコール系偏光フィルムにシクロオレフィン系樹脂および/または酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムを積層するにあたり、特定の水溶性樹脂と水分散性ポリイソシアネート硬化剤とを含む接着剤を用いることにより、接着性および耐水性に優れる偏光板が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のとおりである。
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの少なくとも片面に接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、該接着剤層は、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂と水分散性ポリイソシアネート硬化剤とを含む水性接着剤より形成される偏光板を提供する。
上記水分散性ポリイソシアネート硬化剤は、1分子内に少なくとも2個のイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネート化合物および、親水性基と疎水性基とを含有する分散剤を含む組成物で構成される。
上記水性接着剤は、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対し、水分散性ポリイソシアネート硬化剤を5〜150質量部含有することが好ましい。
本発明の偏光板は、偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが積層され、他面には酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムが積層された構成とすることができる。あるいは、偏光フィルムの両面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが積層されていてもよい。
また、本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂および上記の水分散性ポリイソシアネート硬化剤を含む水性接着剤を介して、保護フィルムを積層する偏光板の製造方法を提供する。保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂または酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムであることが好ましい。
本発明によれば、従来の接着剤を用いた場合に比べて、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと保護フィルムとの接着性に優れ、耐水性に優れた偏光板を提供することができる。また、本発明に係る接着剤は、従来と比較して低粘度であり、高濃度化が可能であるため、接着後の乾燥時間を短縮することができる。これにより、生産性を向上させることができる。また、高い接着能力を有していることから、接着後の養生時間を短縮することができ、この点においても本発明の製造方法は生産性が高い。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面または両面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを積層することにより製造される。ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムは、具体的には、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向されたものである。本発明においては、上記偏光フィルムの少なくとも片面に積層される保護フィルムとして、シクロオレフィン系樹脂フィルム、酢酸セルロース系樹脂などを採用し、かつ当該保護フィルムと偏光フィルムとを接着する接着剤として、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂および水分散性ポリイソシアネート硬化剤を含む水性接着剤を採用する。
<偏光フィルム>
偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、たとえば、不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度、好ましくは98モル%以上である。ポリビニルアルコール系樹脂はさらに変性されていてもよく、たとえば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度、好ましくは1,500〜5,000程度である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、たとえば、10μm〜150μm程度である。
偏光フィルムは通常、上記したようなポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、およびこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て、製造される。
一軸延伸は、染色の前に行なってもよいし、染色と同時に行なってもよいし、染色の後に行なってもよい。一軸延伸を染色の後で行なう場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行なってもよいし、ホウ酸処理中に行なってもよい。もちろん、これらの複数の段階で一軸延伸を行なうことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行なうなどの乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行なう湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色するには、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬すればよい。二色性色素としては、ヨウ素、二色性染料などが用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色方法としては、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100質量部に対し0.01〜1質量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100質量部に対し0.5〜20質量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
二色性色素として二色性染料を用いる場合、染色方法としては、通常、水溶性二色性染料を含む染料水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬する方法が採用される。この染料水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100質量部に対し1×10-4〜10質量部程度、好ましくは1×10-3〜1質量部程度である。染料水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度であり、また、染料水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行なわれる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100質量部に対し、通常2〜15質量部程度、好ましくは5〜12質量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、ホウ酸含有水溶液は、ヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100質量部に対し、通常0.1〜15質量部程度、好ましくは5〜12質量部程度である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常60〜1,200秒程度、好ましくは150〜600秒程度、さらに好ましくは200〜400秒程度である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、たとえば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行なわれる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度であり、浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、通常、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行なわれる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒程度である。
以上のようにして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色およびホウ酸処理が施されて、偏光フィルムが得られる。偏光フィルムの厚みは、5〜40μm程度とすることができる。本発明では、この偏光フィルムの少なくとも片面に、シクロオレフィン系樹脂フィルム、酢酸セルロース系樹脂フィルムなどの保護フィルムが接着剤層を介して積層され、偏光板とされる。
<保護フィルム>
本発明の偏光板は、偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを積層してなる。保護フィルムとしては、シクロオレフィン系樹脂フィルム、酢酸セルロース系樹脂フィルムなどが好ましく用いられる。本発明の偏光板は、好ましくは偏光フィルムの片面または両面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが積層されてなる。片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが積層される場合、好ましくは、他面に酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムが積層される。
シクロオレフィン系樹脂とは、たとえば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性樹脂である。具体的には、シクロオレフィン系樹脂として、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマー等のシクロオレフィンの開環重合体、2種以上のシクロオレフィンをモノマーユニットとする開環共重合体、およびこれらの水素添加物、ならびにシクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体などを挙げることができる。また、これらの重合体に極性基が導入されているものも有効である。
シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体とする場合、鎖状オレフィンの例としては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体において、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットは50モル%以下とすることができ、たとえば、15〜50モル%程度であってもよい。特に、シクロオレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体とする場合、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットは、このように比較的少ない量とすることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度である。
本発明において、シクロオレフィン系樹脂は市販のものを好適に用いることができる。市販の熱可塑性シクロオレフィン系樹脂の例としては、ドイツのTicona社から販売されている「Topas」、JSR(株)から販売されている「アートン」、日本ゼオン(株)から販売されている「ゼオノア(ZEONOR)」や「ゼオネックス(ZEONEX)」、三井化学(株)から販売されている「アペル」などを挙げることができる。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとするのであるが、製膜には、溶剤キャスト法、溶融押出法など公知の方法が適宜用いられる。製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、たとえば、積水化学工業(株)から販売されている「エスシーナ」および「SCA40」、(株)オプテスから販売されている「ゼオノアフィルム」などがある。
保護フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると、強度が低下し、加工性に劣るものとなる。一方、厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなるなどの問題が生じる。そこで、保護フィルム、特にシクロオレフィン系樹脂フィルムの適当な厚みは、たとえば5〜200μm程度であり、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。
酢酸セルロース系樹脂フィルムを保護フィルムとする場合、酢酸セルロース系樹脂フィルムとしては、従来公知のものを使用することができ、たとえば、トリアセチルセルロースフィルムやジアセチルセルロースフィルムなどを挙げることができる。トリアセチルセルロースフィルムには、富士写真フィルム(株)から販売されている「フジタック TD80」、「フジタック TD80UF」および「フジタック TD80UZ」、コニカミノルタオプト(株)から販売されている「KC8UX2M」および「KC8UY」などがある。酢酸セルロース系保護フィルムの厚みは、たとえば20〜200μm程度とすることができる。
保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂フィルム、酢酸セルロース系樹脂フィルム以外の樹脂フィルムであってもよい。保護フィルムの他の例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂からなるフィルム、ポリカーボネート系樹脂からなるフィルムなど、光学的な透明性に優れたフィルムを挙げることができる。
なお、上記保護フィルムにおいて、偏光フィルムに貼着する面と反対側の面には、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理などの表面処理が施されていてもよい。また、液晶性化合物やその高分子量化合物などからなるコート層が形成されていてもよい。これらの表面処理層やコート層は、偏光フィルムの両面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを貼合する場合は、その一方のフィルムの表面に施すことができ、また偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを貼合し、他の片面にそれ以外の樹脂からなる保護フィルムを貼合する場合は、いずれの保護フィルムの表面に施すこともできる。
<接着剤層>
本発明において、偏光フィルムと保護フィルムとは、接着剤層を介して貼合され、該接着剤層は、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂と水分散性ポリイソシアネート硬化剤とを含む水性接着剤より形成される。本発明で用いる水性接着剤は、広い範囲の保護フィルムに対して良好な接着性を示し、特に、保護フィルムがシクロオレフィン系樹脂フィルムまたは酢酸セルロース系樹脂フィルムである場合における、保護フィルムと偏光フィルムとの接着性に優れている。したがって、本発明によれば、片面にシクロオレフィン系樹脂フィルム、他面に酢酸セルロース系樹脂フィルムを有する、両面において接着性の良好な偏光板を、同一の接着剤を用いて形成することができる。偏光フィルムの両面に保護フィルムを積層する場合、施工のしやすさを考慮すると、両面とも同じ接着剤を用いることが好ましいことから、本発明はこの点においても有利である。また、本発明で用いる水性接着剤は、接着能力に優れることから、接着後の養生時間を短縮することができる。なお、本発明においては、いずれか一方の面に、上記本発明に係る水性接着剤が用いられていればよく、他方の面に使用する接着剤は、これとは異なる接着剤であってもよい。
また、本発明に係る偏光板は、上記水性接着剤を用いているため耐水性に優れる。すなわち、高湿度条件等の水分と接触する条件下においても、偏光フィルムと保護フィルムとの間の良好な接着性を維持する。したがって、本発明の偏光板は、高い耐湿性が要求されるデバイス等にも好適に適用することができる。
水性接着剤に含有される水溶性樹脂は、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂である。アニオン変性されていないポリビニルアルコールを用いても上記した効果を得ることができない。アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂としては、たとえば、部分ケン化アニオン変性ポリビニルアルコールや完全ケン化アニオン変性ポリビニルアルコールのほか、塗工性を向上させるための高粘度アニオン変性ポリビニルアルコールや低粘度アニオン変性ポリビニルアルコール、または変性度を変えた高アニオン変性ポリビニルアルコールや低アニオン変性ポリビニルアルコールなど、アニオン変性を付与された各種ポリビニルアルコール系樹脂ならば、何れも用いることが可能である。適当なアニオン変性ポリビニルアルコール系樹脂の市販品としては、(株)クラレから販売されているアニオン変性部分ケン化ポリビニルアルコールである「KL−506」および「KL−318」(いずれも商品名)などがある。
本発明においては、上記アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂の硬化剤として、水分散性ポリイソシアネート硬化剤を用いる。一般に、硬化剤として、アニオン変性ポリビニルアルコールとの反応性が高いものほど、反応後の架橋密度が高くなるため、良好な耐水性を示すようになる。しかし、硬化剤の反応性が高すぎると、塗工液中で反応が起こりやすくなってしまう。すなわち、硬化剤が溶媒と反応して失活するために耐水性が上がらない、あるいは接着剤中でアニオン変性ポリビニルアルコールと反応して、接着剤の粘度が急激に上昇するために良好な接着剤層が得られないなどの不具合を生じやすい。耐水性が良好な接着層を形成するためには、接着剤中での硬化剤の安定性を確保したうえで、水分除去時の反応性をなるべく高くすることが重要である。
水分散性ポリイソシアネート硬化剤を用いることにより、接着剤の安定性を確保したうえで溶媒除去時におけるアニオン変性ポリビニルアルコールに対する反応性を高め、良好な耐水性を示す接着剤層を得ることができる。また、本発明に係るアニオン変性ポリビニルアルコールと水分散性ポリイソシアネート硬化剤とを含有する水性接着剤は、従来と比較して低粘度であり、高濃度化が可能であるため、接着後の乾燥時間を短縮することができる。これにより、生産性を向上させることができる。さらに、水分散性ポリイソシアネート硬化剤を用いることにより、通常のイソシアネートに比べポットライフが長く、安定な接着剤を得ることができる。
ここで、水分散性ポリイソシアネート硬化剤とは、1分子内に少なくとも2個のイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネート化合物を含有するものであって、水やアルコールに対する反応性の高いイソシアネート基を有していながら、水中や樹脂水溶液中で安定に存在し得るものである。本発明における水分散性ポリイソシアネート硬化剤は、上記ポリイソシアネート化合物および、親水性基と疎水性基とを含有する分散剤を含む組成物である。通常、ポリイソシアネート化合物は疎水性であるが、このような親水性基と疎水性基とを含有する分散剤を用いた組成物においては、水中に分散させたときに、親水性部位が最外殻層(シェル)となり、疎水性部位が内殻層(コア)となったミセル形状をとり、ポリイソシアネート化合物がそのミセル構造のコア内部に取り込まれた構造を採る。したがって、ポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基と、水、アルコールまたはアニオン変性ポリビニルアルコールとの反応を防ぐことができるとともに、水性接着剤の安定性が高く、かつ、溶媒を除去した段階でミセル構造が壊れるために、速やかにイソシアネート基とアニオン変性ポリビニルアルコールとの反応が進行して、接着性が高く、耐水性に優れた接着剤層が形成される。
上記のような水分散性ポリイソシアネート硬化剤組成物自体は公知であり、たとえば特開2002−194045号公報、特開2002−194237号公報に記載されている。本発明においても、かかる文献に記載の組成物を好適に用いることができる。適当な水分散性ポリイソシアネート硬化剤の市販品としては、大日本インキ化学工業(株)から販売されている「バーノック(登録商標)DNW−5000」(商品名)があり、この商品は、DIC Technical Review、No.8(2002年)、p.66−67に紹介されている。
水性接着剤中のアニオン変性ポリビニルアルコール樹脂と水分散性ポリイソシアネート硬化剤の割合は、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対して、水分散性ポリイソシアネート硬化剤が5〜150質量部程度とすることができ、この範囲内において、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂の種類や水分散性ポリイソシアネート硬化剤の種類などに応じて適宜に調整される。アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対する水分散性ポリイソシアネート硬化剤の量は、好ましくは10〜120質量部程度であり、より好ましくは20〜100質量部程度である。また、水性接着剤は、その固形分濃度が4質量%以下となるようにするのが好ましい。
偏光板の製造にあたり、上記水性接着剤を塗工する際の塗工方式は特に制限されるものでなく、ダイレクト・グラビア法、リバース・グラビア法、ダイコート法、カンマコート法、バーコート法など、公知の各種コーティング法を用いることができる。
また、接着性を上げるために、偏光フィルムおよび/または保護フィルムの接着表面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
偏光フィルムと保護フィルムとを貼合した後は、乾燥処理が施される。乾燥処理は、たとえば、熱風を吹き付けることにより行なわれるが、そのときの温度は、40〜100℃程度、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は、20〜1,200秒程度である。乾燥後はさらに、室温またはそれよりやや高い温度、たとえば、20〜50℃程度の温度で養生することが好ましい。養生時間は、特に制限されず、たとえば12〜600時間程度とすることができるが、本発明においては、養生時間が12〜72時間程度と比較的短くても、偏光フィルムと保護フィルムとの間の高い接着力を得ることができる。乾燥後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上、また、好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。接着剤層の厚みが5μmより厚くなると、偏光板の外観不良となりやすい。
本発明の偏光板において、保護フィルムの表面には、粘着剤を介して光学機能性フィルムを貼着してもよい。光学機能性フィルムとしては、たとえば、基材表面に液晶性化合物が塗付され、配向されている光学補償フィルム、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止処理付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能を併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。基材表面に液晶化合物が塗付され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、富士写真フィルム(株)から販売されている「WVフィルム」、新日本石油(株)から販売されている「NHフィルム」や「NRフィルム」(いずれも商品名)などがある。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光分離フィルムに相当する市販品としては、3M社(日本では住友スリーエム(株))から販売されている「DBEF」(商品名)などがある。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品として、JSR(株)から販売されている「アートン」、積水化学工業(株)から販売されている「エスシーナ」、(株)オプテスから販売されている「ゼオノアフィルム」(いずれも商品名)などがある。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ないかぎり質量基準である。
<実施例1>
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の質量比が0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の質量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き、26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。
次に、水100部に、アニオン変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製の「クラレポバール KL318」(ケン化度85.0〜90.0モル%、4%水溶液の場合の温度20℃における粘度20〜30mPa・sec)0.5部と、水分散性ポリイソシアネート硬化剤(大日本インキ化学工業(株)製の「バーノック(登録商標) DNW−5000」(固形分濃度80%のジエチレングリコールジメチルエーテル溶液)0.125部とを加えて混合し、接着剤とした。
偏光フィルムに貼合する保護フィルムを、片面はコロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂からなる厚さ100μmの「ゼオノアフィルム」((株)オプテス製)、他方の片面は表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースからなる厚さ80μmのフィルム(富士写真フィルム(株)製の「フジタック」フィルム)とし(以下、これらのフィルムをそれぞれ、ノルボルネン樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルムと称する)、それぞれ上記の接着剤を介して貼合後、80℃で5分間乾燥して、偏光板を得た。そして、養生を行なわないまま、この偏光板の各フィルム間にカッターの刃を入れて、偏光フィルムと保護フィルムの剥離を試みたが(カッター試験)、カッターの刃はフィルム間に入らなかった。さらに、常温で1日放置して養生した後、60℃の温水に4時間浸漬し(耐水性試験)、耐水性を評価した結果、優れた耐水性を示した。また、常温で1日放置して養生した偏光板について、カッター試験を行なったところ、カッターの刃はフィルム間に入らなかった。
<実施例2>
アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂「KL318」の量を1.0部、水分散性ポリイソシアネート硬化剤「バーノック(登録商標) DNW−5000」の量を0.25部としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、同様の評価を行なったところ、接着性・耐水性に関し、実施例1と同等の結果が得られた。
<実施例3>
アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂「KL318」の量を1.8部、水分散性ポリイソシアネート硬化剤「バーノック(登録商標) DNW−5000」の量を0.45部としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、同様の評価を行なったところ、接着性・耐水性に関し、実施例1と同等の結果が得られた。
<実施例4>
アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂「KL318」の量を1.0部、水分散性ポリイソシアネート硬化剤「バーノック(登録商標) DNW−5000」の量を0.5部としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、同様の評価を行なったところ、接着性・耐水性に関し、実施例1と同等の結果が得られた。
<実施例5>
アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂「KL318」の量を1.0部、水分散性ポリイソシアネート硬化剤「バーノック(登録商標) DNW−5000」の量を1.0部としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、同様の評価を行なったところ、接着性・耐水性に関し、実施例1と同等の結果が得られた。
<比較例1>
アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂「KL318」に代えて、アニオン変性されていない部分ケン化ポリビニルアルコールである「クラレポバール PVA−403」((株)クラレ製、ケン化度78.5〜81.5モル%)3.0部を用い、水分散性ポリイソシアネート硬化剤「バーノック(登録商標) DNW−5000」の量を3.0部としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製し、同様の評価を行なったところ、カッター試験において、いずれの保護フィルムも剥離した。また耐水性試験では接着剤層が溶解されてしまい、全く接着性が得られなかった。
<比較例2>
水分散性ポリイソシアネート硬化剤「バーノック(登録商標) DNW−5000」に代えて、水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(住友化学(株)製の「スミレーズレジン 650」(固形分濃度30%の水溶液)1.5部を用いたこと以外は、比較例1と同様にして偏光板を作製し、同様の評価を行なった。その結果、ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムと偏光フィルムとの接着性が若干低かった。また、耐水性についても、上記実施例1〜5と比較して劣っていた。
上記評価結果および接着剤組成を表1にまとめた。
Figure 0005083810
なお、接着性試験(カッター試験)および耐水性試験(温水浸漬試験)の試験方法および評価基準は次のとおりである。
(1)接着性試験(カッター試験)
乾燥直後(養生なし)および養生1日後の偏光板について、偏光板の各フィルム間(偏光フィルムとノルボルネン樹脂フィルムとの間および、偏光フィルムとトリアセチルセルロースフィルムとの間)にカッターの刃を入れ、刃を押し進めたときの刃の入り方を、以下の基準で評価した。
A:カッターの刃がフィルム間に入らない。
B:カッターの刃を押し進めたときに、刃がフィルム間に4〜5mm入ったところで止まる。
C:カッターの刃がフィルム間に無理なく入る。
(2)耐水性試験(温水浸漬試験)
常温で1日放置することにより養生した偏光板について、次に示す方法により耐水性を評価した。すなわち、偏光板の吸収軸(延伸方向)を長辺として5cm×2cmの短冊状に偏光板をカットしてサンプルを作製し、長辺方向の寸法を正確に測定した。ここで、サンプルは、偏光フィルムに吸着されたヨウ素に起因して、全面にわたって均一に特有の色を呈している。次に、図1(A)に示すように、当該サンプルの一短辺側を、把持部5で把持し、長手方向の8割ほどを60℃の水槽に浸漬し、4時間保持した。その後、サンプルを水槽から取り出し、水分を拭取った。温水浸漬により、偏光板の偏光フィルムは収縮する。この偏光フィルムの収縮程度を、サンプル短辺の中央における、サンプルの端(保護フィルムの端)から収縮した偏光フィルムの端までの距離を測定することにより評価し、収縮長さとした。図1(B)は、温水浸漬後のサンプルの状態を模式的に示す平面図である。図1(B)に示されるように、温水浸漬により、偏光板の真中に位置する偏光フィルムが縮むことにより、保護フィルム間に偏光フィルムが存在しない領域2が形成される。また、温水浸漬によって、温水に接する偏光フィルムの周縁部からヨウ素が溶出し、偏光板周縁部に色が抜けた部分3が生じる(図1(B)参照)。この色抜け程度を、サンプル短辺の中央における、偏光フィルムの端から偏光板特有の色が残っている領域1までの距離を測定することにより評価し、ヨウ素抜け長さとした。また、上記収縮長さとヨウ素抜け長さとの合計を総侵食長さXとした。すなわち、総侵食長さXとは、サンプル短辺の中央における、サンプルの端(保護フィルムの端)から偏光板特有の色が残っている領域1までの距離である。収縮長さ、ヨウ素抜け長さおよび総侵食長さXが小さいほど、水存在下における接着性(耐水性)が高いと判断することができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
耐水性試験における、温水浸漬前後のサンプルの状態を模式的に示す平面図である。

Claims (6)

  1. ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの少なくとも片面に接着剤層を介して保護フィルムが積層されてなる偏光板であって、
    前記接着剤層は、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂ならびに、1分子内に少なくとも2個のイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネート化合物および親水性基と疎水性基とを含有する分散剤を含む組成物である水分散性ポリイソシアネート硬化剤を含む水性接着剤より形成される偏光板。
  2. 前記水性接着剤は、前記アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂100質量部に対し、前記水分散性ポリイソシアネート硬化剤を5〜150質量部含有する請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが積層され、他面には酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムが積層されている請求項1または2に記載の偏光板。
  4. 前記偏光フィルムの両面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが積層されている請求項1または2に記載の偏光板。
  5. ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、アニオン変性ポリビニルアルコール樹脂ならびに、1分子内に少なくとも2個のイソシアネート基(−NCO)を有するポリイソシアネート化合物および親水性基と疎水性基とを含有する分散剤を含む組成物である水分散性ポリイソシアネート硬化剤を含む水性接着剤を介して、保護フィルムを積層する偏光板の製造方法。
  6. 前記保護フィルムは、シクロオレフィン系樹脂または酢酸セルロース系樹脂からなる保護フィルムである請求項に記載の偏光板の製造方法。
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