JP4827369B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、シクロオレフィン系樹脂フィルムを接着して、偏光板を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏光板は通常、二色性色素が吸着配向したポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面又は両面に、接着剤層を介して、透明樹脂フィルム、例えば、トリアセチルセルロースに代表される酢酸セルロース系の保護フィルムを積層した構成となっている。これを、必要により他の光学フィルムを介して、液晶セルに粘着剤で貼り合わせ、液晶表示装置の構成部品となる。
【0003】
液晶表示装置は、その用途が拡大するにつれて、様々な環境で使用されるようになり、それを構成する部品には高い耐環境性が要求されている。例えば、携帯電話に代表されるモバイル用途の液晶表示装置では、湿熱下での使用も可能であることが要望され、そこに使用される偏光板についても、高い耐湿熱耐久性が要求されている。しかしながら、従来の構成の偏光板では、特に湿熱環境下に長時間晒されると、偏光性能が低下しやすく、また、偏光フィルムと酢酸セルロース系フィルムの界面が剥離しやすくなるという問題があった。
【0004】
このような問題に対し、偏光板の保護フィルムとして熱可塑性シクロオレフィン系樹脂を用いることが提案されている。例えば、特開平 5-212828 号公報(特許文献1)には、ポリビニルアルコール系シートの少なくとも片面に、アクリル系粘着剤を介して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂シートを積層し、加熱圧着して偏光板とすることが記載されている。特開平 6-51117号公報(特許文献2)には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムを積層して偏光板とすることが記載されており、そのために用いる接着剤として、ポリウレタン系樹脂溶液とポリイソシアネート樹脂溶液とを混合したドライラミネート用接着剤、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤などが例示されている。また、特開 2000-321430号公報(特許文献3)には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの少なくとも片面に、ポリビニルアルコール系接着剤と2液タイプ接着剤の混合物である接着剤層を介して、環状オレフィン系樹脂からなる保護膜を積層し、偏光板とすることが記載されている。さらに、特開 2000-321432号公報(特許文献4)には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂からなる保護フィルムとを、ポリウレタン系接着剤により接着して、偏光板とすることが記載されている。
【0005】
しかしながら、アクリル系などの粘着剤(感圧接着剤とも呼ばれる)では、それ自体の厚みが10〜50μm と、ある程度厚くならざるを得なかった。また、ドライラミネート用接着剤や、スチレンブタジエンゴム系接着剤、エポキシ系二液硬化型接着剤等は、有機溶剤を含有しており、環境上や作業者の健康上の問題があった。さらに、このような有機溶剤を含有する接着剤を、従来の有機溶剤を用いない偏光板製造設備に適用しようとすると、防爆設備の新設など、設備改造の煩雑さを伴った。さらにまた、一般に知られるポリビニルアルコール系やウレタン系、アクリル系、酢酸ビニル系などの接着剤を用いて、ポリビニルアルコール系偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムを接着した場合、両フィルムの組合せにより、接着性が必ずしも十分とはいえなかった。
【0006】
一方、従来からのトリアセチルセルロースなどを保護フィルムとすることを主に意図し、それとポリビニルアルコール系偏光フィルとの接着についても、各種提案がなされている。例えば、特開平 8-101307 号公報(特許文献5)には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムと支持体(保護フィルム)とが、ポリエステルポリオールと脂肪族多価イソシアネートとからなる接着剤を介して積層された偏光板が記載されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−212828号公報
【特許文献2】
特開平6−51117号公報
【特許文献3】
特開2000−321430号公報
【特許文献4】
特開2000−321432号公報
【特許文献5】
特開平8−101307号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムにシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを積層して偏光板とするにあたり、適切な接着剤を用いて、両者の接着力を高めることにある。本発明のもう一つの目的は、実質的に有機溶剤を含まない水系の接着剤を用いて、ポリビニルアルコール系偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとが強固に接着した偏光板を製造することにある。
【0009】
本発明者らは、かかる目的のもとで鋭意研究を行った結果、ポリビニルアルコール系偏光フィルムにシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを積層するにあたり、接着剤として、特定の成分を配合した混合物を用いることにより、偏光フィルムと保護フィルムの接着性に優れた偏光板が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によれば、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、固形分濃度が10〜70重量%で粘度が500mPa・sec以下であるポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水分散液と、そのウレタン樹脂の固形分100重量部に対してグリシジルオキシ基を有する化合物5〜30重量部を含む水系接着剤を介して、シクロオレフィン系樹脂フィルムを積層することにより、偏光板を製造する方法が提供される。
【0011】
ここで、シクロオレフィン系樹脂フィルムは、偏光フィルムの片面に配置することもできるし、偏光フィルムの両面に配置することもできる。偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂フィルムを積層した場合、他方の面には、シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂からなる保護フィルム、例えば、酢酸セルロース系フィルムを積層することができる。
【0012】
また、上記の水系接着剤は、実質的に有機溶剤を含まない形で用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの片面又は両面に、接着剤層を介して透明保護フィルムを積層することにより製造される。ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムは、具体的には、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素が吸着配向したものである。そして本発明では、上記偏光フィルムの少なくとも片面に積層される保護フィルムとして、シクロオレフィン系樹脂フィルムを採用し、かつ接着剤層として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を採用する。
【0014】
偏光フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合される他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。またポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度、好ましくは1,500〜5,000程度である。
【0015】
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は特に限定されるものでなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの膜厚は特に限定されないが、例えば、10μm 〜150μm 程度である。
【0016】
偏光フィルムは通常、このようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、及びこのホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程を経て、製造される。
【0017】
一軸延伸は、染色の前に行ってもよいし、染色と同時に行ってもよいし、染色の後に行ってもよい。一軸延伸を染色の後で行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。もちろん、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、大気中で延伸を行うなどの乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
【0018】
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色するには、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬すればよい。二色性色素として具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
【0019】
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は通常、ヨウ素及びヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は通常、水100重量部あたり 0.01〜1重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は通常、水100重量部あたり 0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
【0020】
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度、好ましくは1×10-3〜1重量部程度であり、また例えば、1×10-2重量部程度以下であってもよい。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
【0021】
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行われる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有するのが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常 0.1〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常 60〜1,200秒程度、好ましくは150〜600秒程度、さらに好ましくは200〜400秒程度である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
【0022】
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行われる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度であり、浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。水洗後は乾燥処理が施されて、偏光フィルムが得られる。乾燥処理は通常、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行われる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度であり、好ましくは120〜600秒程度である。
【0023】
こうして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、及びホウ酸処理を施して、偏光フィルムが得られる。この偏光フィルムの厚みは、5〜40μm 程度である。本発明では、この偏光フィルムの少なくとも片面に、シクロオレフィン系樹脂フィルムが接着剤層を介して積層され、偏光板とされる。
【0024】
シクロオレフィン系樹脂とは、例えば、ノルボルネンや多環ノルボルネン系モノマーのような、環状オレフィン(シクロオレフィン)からなるモノマーのユニットを有する熱可塑性の樹脂である。このシクロオレフィン系樹脂は、上記シクロオレフィンの開環重合体や2種以上のシクロオレフィンを用いた開環共重合体の水素添加物であることができるほか、シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との付加共重合体であってもよい。また、極性基が導入されているものも有効である。
【0025】
シクロオレフィンと鎖状オレフィンやビニル基を有する芳香族化合物との共重合体とする場合、鎖状オレフィンの例としては、エチレンやプロピレンなどが挙げられ、またビニル基を有する芳香族化合物の例としては、スチレン、α−メチルスチレン、核アルキル置換スチレンなどが挙げられる。このような共重合体においては、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットが50モル%以下、例えば、15〜50モル%程度であってもよい。特に、シクロオレフィンと鎖状オレフィンとビニル基を有する芳香族化合物との三元共重合体とする場合、シクロオレフィンからなるモノマーのユニットは、このように比較的少ない量であることができる。かかる三元共重合体において、鎖状オレフィンからなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度、ビニル基を有する芳香族化合物からなるモノマーのユニットは、通常5〜80モル%程度である。
【0026】
市販の熱可塑性シクロオレフィン系樹脂としては、例えば、ドイツの Ticona 社から販売されている“Topas ”、ジェイエスアール(株)から販売されている“アートン”、日本ゼオン(株)から販売されている“ゼオノア(ZEONOR)”や“ゼオネックス(ZEONEX)”、三井化学(株)から販売されている“アペル”などがある。このようなシクロオレフィン系樹脂を製膜してフィルムとすることになるが、製膜には、溶剤キャスト法、溶融押出法など、公知の方法が適宜用いられる。製膜されたシクロオレフィン系樹脂フィルムも市販されており、例えば、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”及び
“SCA40 ”、(株)オプテスから販売されている“ゼオノアフィルム”などがある。
【0027】
保護フィルムの厚みは薄い方が好ましいが、薄すぎると、強度が低下し、加工性に劣るものとなり、一方で厚すぎると、透明性が低下したり、偏光板の重量が大きくなるなどの問題が生じる。そこで、保護フィルム、特にシクロオレフィン系樹脂フィルムの適当な厚みは、例えば5〜200μm 程度であり、好ましくは10〜150μm 、より好ましくは20〜100μm である。
【0028】
かかるシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムは、偏光フィルムの片面に貼合されてもよいし、両面に貼合されてもよい。偏光フィルムの両面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを貼合する場合、2枚の保護フィルムは同種のものであってもよいし、異なる種類のものであってもよい。偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを貼合する場合、その反対面には、シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂からなる保護フィルムを貼合することができる。シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂からなる適当な保護フィルムの例として、従来から偏光板の保護フィルムに広く用いられている酢酸セルロース系樹脂フィルムが挙げられる。酢酸セルロース系樹脂フィルムは、例えば、トリアセチルセルロースフィルムやジアセチルセルロースフィルムなどであることができる。トリアセチルセルロースフィルムには、富士写真フィルム(株)から販売されている“フジタック TD80 ”、“フジタック TD80UF ”及び“フジタック TD80UZ ”、コニカ(株)から販売されている“KC8UX2M ”及び“KC8UY ”などがある。酢酸セルロース系保護フィルムの厚みは、20〜200μm 程度である。また、シクロオレフィン系樹脂以外の樹脂からなる保護フィルムの他の例として、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂からなるフィルム、ポリカーボネート系樹脂からなるフィルムなど、光学的な透明性に優れたフィルムも挙げることができる。
【0029】
なお、上記保護フィルムにおいて、偏光フィルムに貼着する面と反対側の面には、防眩処理、ハードコート処理、帯電防止処理、反射防止処理などの表面処理が施されていてもよい。また、液晶性化合物やその高分子量化合物などがからなるコート層が形成されていてもよい。これらの表面処理やコート層は、偏光フィルムの両面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを貼合する場合は、その一方のフィルムの表面に施すことができ、また偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを貼合し、他の片面にそれ以外の樹脂からなる保護フィルムを貼合する場合は、いずれの保護フィルムの表面に施すこともできる。
【0030】
本発明においては、上で説明したようなポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの少なくとも片面に、接着剤層を介して、以上説明したようなシクロオレフィン系樹脂のフィルムを積層し、偏光板とする。シクロオレフィン系樹脂フィルムを偏光フィルムの片面に積層し、他の片面にはシクロオレフィン系樹脂以外の樹脂からなる保護フィルムを積層することもできる。ここで用いる接着剤、特にシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着に用いる接着剤は、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物とする。偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系樹脂以外の樹脂からなる保護フィルムを積層する場合、そのための接着剤は、必ずしもここで規定するものに限定されないが、施工のしやすさなどから、一般には両面とも同じ接着剤を用いるのが有利である。
【0031】
ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなることから、水系の接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂それ自体は公知であり、例えば特開平 7-97504号公報に、フェノール系樹脂を水性媒体中に分散させるための高分子分散剤の例として記載されている。このようなポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、例えば、以下の方法で製造することができる。
【0032】
(1)親水性基含有化合物(A)、ポリエステルポリオール(B)及びポリイソシアネート(C)を反応させて得られた親水性基含有ポリウレタン樹脂を水中に乳化して、アイオノマー樹脂を得る方法;
(2)親水性基含有化合物(A)、ポリエステルポリオール(B)及びポリイソシアネート(C)を反応させて親水性基が導入された末端イソシアナト基含有ウレタンポリマーを水に分散させ、ポリアミンと反応させて、アイオノマー樹脂を得る方法など。
【0033】
上記の親水性基含有化合物(A)としては、例えば、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、スルホコハク酸、スルファニル酸、2,4−ジアミノトルエンスルホン酸のようなスルホン酸基含有化合物、2,2−ジメチロールプロピオン酸,ジヒドロキシマレイン酸,3,4−ジアミノ安息香酸のようなカルボン酸基含有化合物、ポリマー中に少なくとも1個の活性水素を有するポリオキシエチレングリコール又はポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体グリコールなどが挙げられる。
【0034】
上記のポリエステルポリオール(B)は、グリコール成分と酸成分との脱水縮合反応によって得られるポリエステルのほか、ε−カプロラクトンのような環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステル、又はこれらの共重合ポリエステルであることができる。ポリエステルポリオールに用いるグリコール成分には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量 300〜6,000)、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−ヘキシル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加体などがある。また酸成分には、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p′−ジカルボン酸、及びこれらジカルボン酸の無水物やエステル形成性誘導体、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体などがある。
【0035】
なお、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、上記のポリエステルポリオールに加えて、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の高分子量ポリオール成分や低分子量の活性水素含有化合物を併用したものであってもよい。高分子量ポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオールなどが挙げられる。また低分子量の活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンの如きポリヒドロキシ化合物、エチレンジアミン、ピペラジンの如きジアミン化合物などが挙げられる。なかでも、低分子量の活性水素含有化合物を併用することは、好ましい形態である。
【0036】
前記のポリイソシアネート(C)は、分子内にイソシアナト基を少なくとも2個有する化合物であって、具体的には例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどが挙げられる。
【0037】
これら親水性基含有化合物(A)、ポリエステルポリオール(B)及びポリイソシアネート(C)の反応は、無溶剤下で行うこともできるが、有機溶剤中で行ってもさしつかえない。得られた樹脂は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのような不揮発性塩基、トリエチルアミンやジメチルエタノールアミンのようなアミン類、又はアンモニアで中和し、そこに水を添加することにより、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水性分散液が得られる。
【0038】
ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、反応に有機溶剤を用いるなどして有機溶剤を含有する状態で得られる場合には、その有機溶剤を蒸留などにより除去して用いる。このウレタン樹脂はアイオノマー型のため、水中で極めて微細でかつ安定なコロイドが形成でき、有機溶剤を含まない水系接着剤となる。
【0039】
ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂は、重量平均分子量が 5,000以上であることが好ましく、さらに好ましくは重量平均分子量が10,000以上300,000以下である。その重量平均分子量が 5,000以下では、接着層の強度が充分に得られず、また 300,000より高いと、それを水分散液としたときの粘度が高くなり、取り扱いにくくなる。
【0040】
本発明では、かかるポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂が水中に分散した状態で、水系接着剤とされる。この水系接着剤の粘度は、2,000mPa・sec 以下、さらには1,000mPa・sec 以下であるのが取り扱い上好ましい。粘度が低いほど接着剤の塗布が行いやすく、また、得られた偏光板の外観も良好なものとなることから、500mPa・sec以下であるのが一層好ましい。この水系接着剤におけるポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の固形分濃度は、粘度と接着強度の観点から、10〜70重量%の範囲、とりわけ20〜50重量%の範囲が好ましい。
【0041】
ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水分散液にはさらに、ポリエチレングリコールやポリオキシエチレンなど、また界面活性剤などが添加されていてもよい。さらには、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール系樹脂などの水溶性樹脂が添加されていてもよい。
【0042】
本発明で用いるのに好適な市販のポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂として、例えば、大日本インキ化学工業(株)から販売されている“ハイドラン AP-20”、“ハイドラン APX-101H ”などが挙げられる。
【0043】
本発明では、以上説明したようなポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂に加えて、グリシジルオキシ基を有する化合物を含有する水系接着剤を用いる。かかるグリシジルオキシ基を有する化合物を併用することにより、偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂フィルムとの接着性が向上する。ここでいうグリシジルオキシ基とは、次式で示される基であり、純化学的には2,3−エポキシプロポキシ基とでも呼ぶべきものである。
【0044】
【0045】
上記のグリシジルオキシ基は、特にエーテル結合しているものが好ましい。グリシジルオキシ基を有する化合物は、分子中に少なくとも2個のグリシジルオキシ基を有することが好ましく、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリセリンジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。グリシジルオキシ基を有する化合物の分子量は、重量平均分子量で 5,000以下であるのが好ましい。グリシジルオキシ基を有する化合物の市販品には、例えば、大日本インキ化学工業(株)から販売されている“CR-5L ”などがある。
【0046】
ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物の混合比は、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の固形分100重量部に対して、グリシジルオキシ基を有する化合物が5〜30重量部の範囲となるように選択する。グリシジルオキシ基を有する化合物の比率をあまり下げると、充分な接着強度が得られず、またその比率があまり大きいと、接着剤の粘度が高くなって、取り扱いにくくなる。
【0047】
以上のように本発明では、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物とを含有する水系接着剤を用いることに大きな特徴がある。この水系接着剤は、実質的に有機溶剤を用いる必要がないことから、環境上や作業者の健康上の障害を起こすおそれがないとともに、グリシジルオキシ基を有する化合物を併用したことで、高い接着力が得られる。
【0048】
偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムを接着剤で接着する方法、また偏光フィルムの片面にシクロオレフィン系以外の樹脂からなる保護フィルムを積層する場合に両者を接着する方法は、通常一般に知られているものでよく、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、偏光フィルム及び/又は保護フィルムの接着面に接着剤を塗布し、両者を重ね合わせる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物である偏光フィルム又は保護フィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、又は両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤を塗布した後、偏光フィルムと保護フィルムをニップロールなどにより挟んで、貼り合わせる。
【0049】
また、密着性を上げるため、偏光フィルム及び/又は保護フィルムの接着表面に、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
【0050】
偏光フィルムと保護フィルムを積層した後は、乾燥処理が施される。乾燥処理は、例えば、熱風を吹き付けることにより行われるが、そのときの温度は、40〜100℃程度、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は、 20〜1,200秒程度である。乾燥後はさらに、室温又はそれよりやや高い温度、例えば20〜50℃程度の温度で12〜600時間程度養生してやるのが好ましい。乾燥後の接着層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは 0.01〜1μmである。接着層の厚みが5μmより厚くなると、偏光板の外観不良となりやすい。
【0051】
本発明の偏光板において、保護フィルムの表面には、粘着剤を介して光学機能性フィルムを貼着してもよい。光学機能性フィルムとしては、例えば、基材表面に液晶性化合物が塗付され、配向されている光学補償フィルム、ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルム、ポリカーボネート系樹脂からなる位相差フィルム、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルム、表面に凹凸形状を有する防眩機能付きフィルム、表面反射防止処理付きフィルム、表面に反射機能を有する反射フィルム、反射機能と透過機能を併せ持つ半透過反射フィルムなどが挙げられる。基材表面に液晶性化合物が塗付され、配向されている光学補償フィルムに相当する市販品としては、富士写真フィルム(株)から販売されている“WVフィルム”、新日本石油(株)から販売されている“NHフィルム”や“NRフィルム”(いずれも商品名)などがある。ある種の偏光光を透過し、それと逆の性質を示す偏光光を反射する反射型偏光フィルムに相当する市販品としては、 Minnesota Mining and Manufacturing 社(3M社)(日本では住友スリーエム(株))から販売されている“DBEF”(商品名)などがある。また、環状ポリオレフィン系樹脂からなる位相差フィルムに相当する市販品として、ジェイエスアール(株)から販売されている“アートン”、積水化学工業(株)から販売されている“エスシーナ”、(株)オプテスから販売されている“ゼオノアフィルム”(いずれも商品名)などがある。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
【0053】
実施例1
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μm のポリビニルアルコールフィルムを、乾式で約5倍に一軸延伸し、さらに緊張状態を保ったまま、60℃の純水に1分間浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が 0.05/5/100の水溶液に28℃で60秒間浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が8.5/8.5/100の水溶液に72℃で300秒間浸漬した。引き続き26℃の純水で20秒間洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。
【0054】
別途、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水性エマルジョン(大日本インキ化学工業(株)製の“ハイドラン AP-20”、固形分濃度30%、粘度30mPa・sec)100部に、多官能グリシジルエーテルである大日本インキ化学工業(株)製の“CR-5L ”を3部加えて、接着剤とした。先に得られた偏光フィルムの両面に、コロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂からなる厚さ40μm の保護フィルム((株)オプテス製の“ゼオノアフィルム”)を、上記接着剤を介して貼合し、80℃で7分間乾燥して、偏光板を得た。その後、室温にて1週間養生した。この偏光板の表面に、フィルム法線方向に対して斜め45°の角度で透過軸方向にカッターの刃を入れて、偏光フィルムとこの保護フィルムの剥離を試みたが、全く剥離しなかった。
【0055】
実施例2
偏光フィルムに貼合する保護膜を、片面はコロナ処理が施されたノルボルネン系樹脂からなる厚さ100μm の“ゼオノアフィルム”、他の片面は表面ケン化処理が施されたトリアセチルセルロースからなる厚さ80μm のフィルム(富士写真フィルム(株)製の“フジタック”フィルム)とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板について実施例1と同様に剥離試験を試みたが、両面とも全く剥離しなかった。
【0056】
比較例1
接着剤に多官能グリシジルエーテル“CR-5L ”を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板は、保護フィルムが容易に剥がれてしまうものであった。
【0057】
比較例2
ポリエステル系樹脂からなる水性ポリウレタン接着剤の主剤(東洋モートン(株)製の“EL-436A”)100部とポリイソシアネート系硬化剤(東洋モートン(株)製の“EL-436B”)3部を混合して接着剤とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板は、保護フィルムが剥がれやすいものであった。
【0058】
比較例3
水性ポリウレタン接着剤の主剤(ノガワケミカル(株)製の“ダイアボンド DW901H ”)100部とポリイソシアネート系硬化剤(ノガワケミカル(株)製の“HA5A”)3部を混合して接着剤とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板は、保護フィルムが剥がれやすいものであった。
【0059】
比較例4
水100部に、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール((株)クラレ製の“クラレポバール KL318”)3部と水溶性ポリアミドエポキシ樹脂(住友化学工業(株)製の“スミレーズレジン 650”(固形分30%の水溶液) 1.5部を添加して接着剤とした以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板は、保護フィルムが剥がれやすいものであった。
【0060】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の接着剤を用いた場合に比べて、ポリビニルアルコール系偏光フィルムとシクロオレフィン系樹脂からなる保護フィルムとの接着性に優れた偏光板が製造できる。また、この偏光板の製造に際しては、有機溶剤を使う必要がないことから、環境面や安全衛生面で優れるとともに、従来からの透明保護フィルム/偏光フィルムからなる偏光板と同じ設備で製造することができ、大きな設備投資をする必要もない。
Claims (4)
- ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、固形分濃度が10〜70重量%で粘度が500mPa・sec以下であるポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂の水分散液と、該ウレタン樹脂の固形分100重量部に対してグリシジルオキシ基を有する化合物5〜30重量部を含む水系接着剤を介して、シクロオレフィン系樹脂フィルムを積層することを特徴とする偏光板の製造方法(ただし、偏光フィルムの一方の面に、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有してなる保護フィルムを積層する場合を除く)。
- 偏光フィルムの片面に上記のシクロオレフィン系樹脂フィルムを積層し、他面には酢酸セルロース系フィルムを積層する請求項1に記載の偏光板の製造方法。
- 偏光フィルムの両面にシクロオレフィン系樹脂フィルムを積層する請求項1に記載の偏光板の製造方法。
- 水系接着剤は、実質的に有機溶剤を含まない請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
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