JPH08119857A - 皮膚貼付薬シート及びその製造方法 - Google Patents

皮膚貼付薬シート及びその製造方法

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JPH08119857A
JPH08119857A JP25856694A JP25856694A JPH08119857A JP H08119857 A JPH08119857 A JP H08119857A JP 25856694 A JP25856694 A JP 25856694A JP 25856694 A JP25856694 A JP 25856694A JP H08119857 A JPH08119857 A JP H08119857A
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JP
Japan
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resin
film
vinyl chloride
styrene
skin
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JP25856694A
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English (en)
Inventor
Kimihiro Fujii
公博 藤井
Jinichi Takagi
仁一 高木
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TAKAMATSU YUSHI KK
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
TAKAMATSU YUSHI KK
Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】薄く、柔軟で皮膚によく追随し、違和感なく、
快適に用いることができ、しかも、薬剤の基材シートへ
の移行がなく、長期にわたって安定して快適に用いるこ
とができる皮膚貼付薬シート。 【構成】塩化ビニル系樹脂からなるフイルム上に、ポリ
エステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂及びウレタン
樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、アミ
ノ樹脂、及びポリイソシアネート化合物から形成される
架橋樹脂を含む被膜を介して、薬剤を含有するスチレン
−ジエン−スチレンブロック共重合体からなる粘着剤層
が形成されている皮膚貼付薬シートとその製造方法。 【効果】塩化ビニル系樹脂フィルムと粘着剤層との間に
集積されたプライマーが、可塑剤および粘着剤の他層へ
の移動を防止するバリヤーとして作用すると同時に、塩
化ビニル系樹脂フィルムと粘着剤層との間の接着を強固
なものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は皮膚貼付薬シート、即
ち、プラスターに関し、詳しくは、薄く、柔軟で皮膚に
よく追随し、違和感なく、快適に用いることができ、し
かも、薬剤の基材シートへの移行がなく、長期にわたつ
て安定して快適に用いることができる皮膚貼付薬シート
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、皮膚刺激剤や消炎鎮痛剤
等の薬剤を含有する粘着剤を基材シート上に積層してな
る粘着性皮膚貼付薬シートが医療用途に広く用いられて
いる。このような皮膚貼付薬シートにおいては、例え
ば、特開昭54−138124号公報に記載されている
ように、皮膚貼付薬シートを皮膚に貼付した際に良好な
粘着性、皮膚への適合性及適度の弾性を有するのみなら
ず、剥離時に皮膚に刺激を与えず、容易に剥離し得ると
ころから、粘着剤としてはジエン系共重合体、特に、ジ
エン系ブロツク共重合体が好適であることが知られてい
る。
【0003】一方、上記のような皮膚貼付薬シートにお
いては、その基材シートとしては、柔軟で皮膚になじみ
よい塩化ビニル系樹脂からなるフイルムが好適である
が、反面、塩化ビニル系樹脂フイルムは、粘着剤として
の上記したジエン系ブロツク共重合体との親和性に乏し
く、特に、皮膚貼付薬シートにおいては、粘着剤として
のジエン系ブロツク共重合体が薬剤と共に可塑剤として
の高級脂肪酸や流動パラフイン等を含有するために、塩
化ビニル系樹脂フイルムとの親和性が一層乏しい。その
結果、ジエン系ブロツク共重合体からなる粘着剤を塩化
ビニル系樹脂フイルム上に単に直接に塗布して貼付薬と
した場合、粘着剤の塩化ビニル系樹脂フイルムに対する
接着性に劣る問題がある。
【0004】更に、塩化ビニル系樹脂を基材シートとす
る皮膚貼付薬シートにおいては、薬剤が拡散浸透性の強
いものであるときは、薬剤が基材シートにも浸透拡散
し、基材シートを膨潤劣化させたり、場合によつては、
所期の治療効果を損なうことがある。
【0005】そこで、特開平1−249719号公報に
記載されているように、塩化ビニル樹脂フイルムに薬剤
や化学品に対するバリヤー性にすぐれるポリエチレンテ
レフタレートからなるフイルムを接着積層し、そのポリ
エチレンテレフタレートからなるフイルム上にジエン系
ブロツク共重合体からなる粘着剤を積層してなる皮膚貼
付薬シートが提案されている。
【0006】しかし、このような皮膚貼付薬シートによ
れば、ポリエチレンテレフタレートからなるフイルムが
伸びに劣るために、皮膚に貼着した場合に、いわば突つ
張つた感覚があり、違和感がある。用いるポリエチレン
テレフタレートフイルムを薄くすれば、貼着した際の違
和感をある程度は除くことができるが、しかし、薄くす
ればする程、フイルムにピンホールが生じやすく、ま
た、塩化ビニル樹脂フイルムへの接着等も困難となる。
かかる観点からは、用いるポリエチレンテレフタレート
フイルムの厚さは、通常、3μmが限度であり、従つ
て、皮膚に貼着した場合に上記違和感が残らざるを得な
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した問
題を解決するためになされたものであつて、塩化ビニル
樹脂フイルムにプライマー処理を施し、架橋樹脂を含む
被膜をバリヤー層として形成させ、かくして、塩化ビニ
ル樹脂フイルムに含まれる可塑剤が粘着剤層に移行し、
また、粘着剤が塩化ビニル樹脂フイルムに移行して、フ
イルム物性を損なうことを効果的に防止しつつ、塩化ビ
ニル系樹脂フイルムのジエン系ブロツク共重合体に対す
る親和性を高めて、その強固な接着を可能とし、更に、
基材シートが薄く、柔軟であるので、皮膚に貼着した場
合に、皮膚によく追随し、違和感がない皮膚貼付薬シー
トとその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による皮膚貼付薬
シートは、塩化ビニル系樹脂からなるフイルム上に、
(a) ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂及び
ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹
脂、(b) アミノ樹脂、及び(c) ポリイソシアネート化合
物から形成される架橋樹脂を含む被膜を介して、薬剤を
含有するスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重合体
からなる粘着剤層が形成されていることを特徴とする。
【0009】かかる皮膚貼付薬シートは、本発明に従つ
て、塩化ビニル系樹脂からなるフイルム上に、(a) ポリ
エステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂及びウレタン
樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂、(b)
アミノ樹脂、及び(c) ポリイソシアネート化合物を含む
プライマーを塗布し、加熱乾燥させて、架橋樹脂を含む
被膜を形成させた後、その上に薬剤を含有するスチレン
−ジエン−スチレンブロツク共重合体からなる粘着剤層
を積層形成することによつて得ることができる。
【0010】本発明において、塩化ビニル系樹脂とは、
ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルの共重合体、例え
ば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エ
チレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩
化ビニル−ポリウレタン共重合体等や、これらの混合物
を含むものとし、本発明においては、このような塩化ビ
ニル系樹脂からなるフイルムが基材シートとして用いら
れる。特に、本発明においては、これらのなかでも、平
均重合度400〜2000、特に平均重合度700〜1
400のポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。
【0011】上記塩化ビニル系樹脂は、そのフイルムが
柔軟性を有するように、通常、ポリ塩化ビニル又はその
共重合体100重量部について、可塑剤50〜100重
量部を含む所謂軟質フイルムであることが好ましい。用
いる可塑剤は、好ましくは、分子量が約800以上、好
ましくは1000以上のポリエステル系高分子量可塑剤
である。かかるポリエステル系高分子量可塑剤の好まし
い具体例として、フタル酸のポリエチレングリコールジ
エステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポリ
エチレングリコールポリプロピレングリコールジエステ
ル等のようなポリアルキレングリコールジエステルや、
アジピン酸、セバシン酸等のような脂肪族二塩基酸のポ
リエチレングリコールジエステル、ポリプロピレングリ
コールジエステル、ポリエチレングリコールポリプロピ
レングリコールジエステル等のようなポリアルキレング
リコールジエステルを挙げることができる。
【0012】更に、本発明において、上記塩化ビニル系
樹脂フイルムの厚みは、通常、20〜200μmの範囲
であり、好ましくは、50〜150μmの範囲である。
このように、本発明によれば、基材として薄く、柔軟な
フイルムを用いるために、得られる皮膚貼付薬シートを
皮膚に貼着したとき、違和感がなく、更に、関節部に貼
着したときも、自在に延伸するので、動作が制限されな
い。勿論、指や衣服の端部に引つ掛かるようなことがな
く、不必要に皮膚から剥がれない。
【0013】本発明による皮膚貼付薬シートは、上述し
たような塩化ビニル系樹脂からなるフイルム上に、(a)
飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂及び
ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹
脂、(b) アミノ樹脂、及び(c) ポリイソシアネート化合
物を含むプライマーを塗布し、加熱し、乾燥させて、架
橋樹脂を含む樹脂被膜を形成させた後、その上に薬剤を
含有するスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重合体
からなる粘着剤層を積層形成することによつて得ること
ができる。
【0014】上記プライマーのための熱可塑性樹脂は、
アミノ樹脂やポリイソシアネート化合物と反応して、架
橋構造を形成するように、飽和ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン樹脂及びウレタン樹脂から選ばれる少なくとも
1種であり、特に、本発明においては、飽和ポリエステ
ル樹脂が好ましい。
【0015】飽和ポリエステル樹脂は、数平均分子量が
3000〜45000、好ましくは、8000〜250
00の範囲ものが好ましい。数平均分子量が3000よ
りも小さい飽和ポリエステル樹脂を用いるときは、得ら
れるプライマーが基材である塩化ビニル系樹脂からなる
フイルムに対して接着性が悪く、また、粘着剤層中の薬
剤や基材塩化ビニル系樹脂フイルム中の可塑剤に対する
バリヤー性も悪くなる。しかし、数平均分子量が450
00を越えるときは、プライマーの調製において、溶剤
に対する溶解性が悪く、プライマーの調製に困難を生じ
るほか、分子中の水酸基やカルボキシル基の量が相対的
に少なくなるので、基材フイルム上に塗布し、加熱乾燥
させて、架橋樹脂を含む被膜をバリヤー層として形成す
る際に、樹脂の架橋密度が小さくなり、所期のバリヤー
性を確保することが困難となる。
【0016】上記プライマーのためのアミノ樹脂として
は、メラミン樹脂、尿素樹脂等を含み、特に、メチロー
ルメラミン樹脂やメチロール尿素樹脂が好ましい。この
ようなアミノ樹脂の具体例として、例えば、モノメチロ
ールメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロ
ールメラミン、メチル化メチロールメラミン、エチル化
メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、イ
ソプロピル化メチロールメラミン、ヘキサメトキシメチ
ロールメラミン等のメチロールメラミン樹脂やエーテル
化メチロールメラミン樹脂、例えば、モノメチロール尿
素、ジメチロール尿素、メチル化メチロール尿素、エチ
ル化メチロール尿素、ブチル化メチロール尿素等のメチ
ロール尿素樹脂やエーテル化メチロール尿素樹脂、例え
ば、メチル化メチロール尿素メラミン、エチル化メチロ
ール尿素メラミン、ブチル化メチロール尿素メラミン等
のエーテル化尿素メラミン共重合樹脂等を挙げることが
できる。これらアミノ樹脂は、単独にて、又は2種以上
の混合物として用いられる。
【0017】上記プライマーのためのポリイソシアネー
ト化合物としては、例えば、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニ
レンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラ
メチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、その水添物、リ
ジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シ
クロヘキサンジイソシアネート、4,4'−ジシクロヘキシ
ルメタンジイソシアネート、3,3'−ジメチル−4,4'−ビ
フェニレンジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'
−ビフェニレンジイソシアネート、3,3'−ジクロロ−4,
4'−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレン
ジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイ
ソシアネート等のジイソシアネート化合物、トリフェニ
ルメタントリイソシアネート、トリアリルイソシアヌレ
ート等のトリイソシアネート化合物、その他、TDIや
HMDIのアダクト体や上記ポリイソシアネート化合物
のブロツク化物等を挙げることができる。
【0018】本発明によれば、上記熱可塑性樹脂、メチ
ロールアミノ樹脂及びポリイソシアネート化合物を含む
プライマーにおいて、前記熱可塑性樹脂100重量部に
対して、メチロールアミノ樹脂5〜100重量部、好ま
しくは、10〜50重量部と、ポリイソシアネート化合
物0.5〜30重量部、好ましくは、1〜10重量部の範
囲で用いられる。特に、好ましいプライマーは、前記熱
可塑性樹脂100重量部に対して、メチロールアミノ樹
脂15〜30重量部、ポリイソシアネート化合物3〜1
5重量部の範囲で用いられる。
【0019】プライマーにおいて、熱可塑性樹脂100
重量部に対して、メチロールアミノ樹脂が5重量部より
も少ないときは、プライマーが薬剤、粘着剤、可塑剤等
に対して十分なバリヤー性をもたず、他方、100重量
部を越えるときは、樹脂被膜を形成後も、未反応のメチ
ロールアミノ樹脂が残存し、皮膚貼付薬として好ましく
ない。
【0020】また、プライマーにおいて、熱可塑性樹脂
100重量部に対して、ポリイソシアネート化合物が0.
5重量部よりも少ないときは、メチロールアミノ樹脂を
十分に架橋させることができず、その結果として、形成
されるプライマー層が薬剤、粘着剤、可塑剤等に対して
十分なバリヤー性をもたず、他方、30重量部を越える
ときは、未反応物が残存し、皮膚貼付薬として好ましく
ない。
【0021】更に、本発明において用いるプライマー
は、酸触媒を含む。この酸触媒としては、通常、スルホ
ン酸等の強酸が好ましく用いられるが、必要に応じて、
リン酸、リン酸エステル、有機弱酸等も用いることがで
きる。強酸触媒の場合、その使用量は、特に、限定され
るものではないが、通常、熱可塑性樹脂100重量部に
対して、0.5〜5重量部の範囲である。
【0022】本発明において用いる上記プライマーは、
通常、固形分濃度20〜40%程度の溶剤型として用い
られる。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトンや
トルエンが好ましく用いられるが、これらに限定される
ものではない。また、必要に応じて、熱可塑性樹脂、メ
チロールアミノ樹脂及びポリイソシアネート化合物を水
分散性とすることによつて、プライマーを水分散性とす
ることもできる。
【0023】本発明においては、プライマーは、より低
温にて、所期のプライマー層を形成させることができる
ように、従来より知られているメチロールアミノ樹脂の
ための硬化触媒を含んでいてもよい。
【0024】本発明による皮膚貼付薬シートは、前記塩
化ビニル系樹脂フイルムの上にこのようなプライマーを
塗布し、100℃以上の温度に加熱して、乾燥させて、
架橋樹脂を含む樹脂被膜を形成させ、その上に所要の薬
剤を含有するスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重
合体からなる粘着剤を、例えば、溶融塗布し、前記架橋
樹脂を含む樹脂被膜の上に積層接着させることによつて
得ることができる。
【0025】本発明において、上記架橋樹脂を含む樹脂
被膜の厚さは、通常、0.1〜20μm、好ましくは、0.
2〜10μmの範囲である。前述したように、塩化ビニ
ル系樹脂フイルムにポリエチレンテレフタレートフイル
ムをラミネートして、基材シートとする場合は、ポリエ
チレンテレフタレートフイルムの厚さは、通常、約3μ
mが限度であるが、本発明によれば、プライマーの固形
分を調節する等によつて、加熱乾燥後の架橋樹脂被膜の
厚さを容易に約3μm以下、例えば、約1μm程度にも
薄くすることもでき、従つて、皮膚貼付薬シートを従来
に比べて非常に薄く、且つ、柔軟にすることができる。
【0026】本発明において粘着剤を構成するスチレン
−ジエン−スチレンブロツク共重合体としては、具体例
として、スチレン−ブタジエン−スチレンブロツク共重
合体及びスチレン−イソプレン−スチレンブロツク共重
合体を挙げることができる。これらスチレン−ジエン−
スチレンブロツク共重合体は、粘着剤として単独又は混
合物として用いられてもよく、又はこれらブロツク共重
合体と共に可塑剤、粘着付与樹脂、充填剤、老化防止剤
等を含有する組成物として用いられてもよい。
【0027】かかるスチレン−ジエン−スチレンブロツ
ク共重合体は、例えば、前記した特開昭54−1381
24号公報に詳細に記載されているように既に知られて
いる。Aをスチレンからなるガラス状或いは硬質の非弾
性熱可塑性重合体のブロツクとし、Bをブタジエン又は
イソプレンのような共役ジエンの弾性重合体のブロツク
とするとき、A−B−Aの構造を有するブロツク共重合
体であつて、ブロツクAが全重合体重量の10〜50重
量%を占める。このようなスチレン−ブタジエン−スチ
レンブロツク共重合体はカリフレツクスTR−110
1、TR−1102等として、また、スチレン−イソプ
レン−スチレンブロツク共重合体はカリフレツクスTR
−1107(いずれもシエル化学(株)製)として市販
されており、入手することができる。
【0028】
【発明の効果】以上のように、本発明の粘着性皮膚貼付
薬シートによれば、軟質の薄い塩化ビニル系樹脂フイル
ムを基材シートとし、その上に飽和ポリエステル樹脂、
ポリエステルウレタン樹脂及びウレタン樹脂から選ばれ
る少なくとも1種の熱可塑性樹脂、メチロールアミノ樹
脂及びポリイソシアネート化合物を含むプライマーを塗
布し、乾燥させて、架橋樹脂を含む樹脂被膜を形成させ
た後、その上に薬剤を含有するスチレン−ジエン−スチ
レンブロツク共重合体からなる粘着剤層を積層形成して
なるものである。
【0029】かかる皮膚貼付薬シートによれば、上記プ
ライマーから形成される架橋樹脂を含む樹脂被膜によつ
て、塩化ビニル系樹脂フイルムと薬剤を含有する上記粘
着剤層との間に強固な接着を得ることができるのみなら
ず、上記架橋樹脂被膜が薬剤や粘着剤や可塑剤の拡散透
過に対して効果的なバリヤー層として機能するので、薬
剤が拡散浸透性の強い場合であつても、薬剤が塩化ビニ
ル系樹脂フイルムに拡散浸透することがなく、また、可
塑剤の粘着剤層への拡散透過も阻止されるうえに、全体
が薄く、柔軟であるので、皮膚貼付薬シートとして不可
欠である風合、滑らかさ、皮膚の追随性等にすぐれ、違
和感なく、快適に用いることができる。
【0030】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0031】参考例1 飽和ポリエステル樹脂溶液(ペスレジンS−140、固
形分30%、高松油脂(株)製)、メチロールメラミン
樹脂(サイメル303、三井サイアナミッド(株)製ヘ
キサメトキシメチロールメラミン)、ポリイソシアネー
ト化合物(固形分75%)及び触媒溶液(固形分40
%)を表1に示す処方にて用いてメチルエチルケトンに
溶解させて、固形分濃度35重量%のプライマーを調製
した。
【0032】実施例1〜3 ポリ塩化ビニル100重量部にポリエステル可塑剤60
重量部を配合してなる厚さ70μmの軟質塩化ビニル樹
脂フイルム上に上記プライマーを乾燥厚さ10μmにな
るようにグラビア塗工し、これを150℃で1分間加熱
乾燥させて、架橋樹脂を含む樹脂被膜を形成させた。
【0033】直径60mm、深さ18mmのシャーレにl−
メントール1gを置き、プライマーからの樹脂被膜側を
内側に向けて上記フイルムによつてシャーレの開口部を
覆った後、フイルムの周縁をシャーレの外壁にテープに
てシールしてシャーレを密封した。シャーレの壁の上端
に沿つてスペーサを置き、その上からシャーレを蓋し、
更に、その蓋をテープにてシャーレの外壁にシールし
た。
【0034】温度23℃で所定期間放置した後、シャー
レを開封し、フイルムをシャーレから取りはずした。こ
のフイルムを小片に裁断し、ジクロロメタン中に所定期
間浸漬した後、そのジクロロメタン中のl−メントール
をガスクロマトグラフイーにて定量して、フイルムの単
位重量当りのl−メントールの吸着乃至吸収量を求め
た。
【0035】また、上記と同じ軟質塩化ビニル樹脂フイ
ルム上に参考例1のプライマーを乾燥厚さ10μmにな
るようにグラビア塗工し、これを150℃で1分間加熱
乾燥させて、架橋樹脂を含む樹脂被膜を形成させた。こ
の架橋樹脂の被膜上に薬剤を含有するスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロツク共重合体からなる粘着剤を溶融
塗布し、粘着剤層を形成して、皮膚貼付薬シートを得
た。
【0036】この皮膚貼付薬シートにおいては、上記被
膜が有効なバリヤー層として機能する結果、塩化ビニル
樹脂フイルムに含まれる可塑剤が粘着剤層に移行するこ
とがなく、また、薬剤や粘着剤が塩化ビニル樹脂フイル
ムに移行することがないので、基材シートとしての塩化
ビニル樹脂フイルムは、長期にわたつて、当初の物性を
保持しており、ポリ塩化ビニルフイルムと粘着剤との間
の接着力は、長期にわたつて、強く且つほぼ一定であつ
た。
【0037】皮膚貼付薬シートの接着性を具体的に調べ
るために、相対湿度60%、温度60℃で1か月放置し
た後、ベークライト密着力試験を行なった。即ち、適宜
の試験片をベークライト板上に置き、2kg荷重で2往復
して圧着し、30分間放置した後、180°ピーリング
剥離した。併せて、可塑剤及び粘着剤の移行も調べた。
結果を表1に示す。
【0038】以上のように、本発明による皮膚貼付薬シ
ートによれば、ポリ塩化ビニルフイルムと粘着剤との間
の接着力は、長期にわたつて、強く且つほぼ一定であ
り、しかも、基材シートが薄く、柔軟であるので、皮膚
に貼着した場合に、皮膚によく追随し、違和感なく、快
適に用いることができる。
【0039】比較例1及び2 参考例1と同様にして、表1に示す処方にてプライマー
を調製した。このプライマーを用いて、実施例と同様の
実験を行なった。結果を表1に示すように、いずれも、
薬剤の塩化ビニル樹脂フイルムに移行する傾向が強い。
【0040】比較例3 プライマーを用いることなく、実施例と同じフイルムを
そのまま、実験に用いた。結果を表1に示すように、上
記180°ピーリング剥離試験において、接着力の低下
が著しく、且つ、ベークライト板への糊残りの著しいこ
とが認められた。
【0041】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂からなるフイルム上に、 (a) 飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂
    及びウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑
    性樹脂、 (b) アミノ樹脂、及び (c) ポリイソシアネート化合物 から形成される架橋樹脂を含む被膜を介して、薬剤を含
    有するスチレン−ジエン−スチレンブロツク共重合体か
    らなる粘着剤層が形成されていることを特徴とする皮膚
    貼付薬シート。
  2. 【請求項2】塩化ビニル系樹脂からなるフイルム上に、 (a) 飽和ポリエステル樹脂、ポリエステルウレタン樹脂
    及びウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑
    性樹脂、 (b) アミノ樹脂、及び (c) ポリイソシアネート化合物 を含むプライマーを塗布し、加熱乾燥させて、架橋樹脂
    を含む被膜を形成させた後、その上に薬剤を含有するス
    チレン−ジエン−スチレンブロツク共重合体からなる粘
    着剤層を積層形成することを特徴とする皮膚貼付薬シー
    トの製造方法。
JP25856694A 1994-10-24 1994-10-24 皮膚貼付薬シート及びその製造方法 Pending JPH08119857A (ja)

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