JP3772508B2 - 透湿防水素材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透湿防水素材に関する。さらに詳しくは、高度な透湿性能を有するとともに、高い防水性能をも具備した透湿防水素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、透湿防水素材、特に被膜を張り合わせるラミネートタイプの素材において、被膜と布帛を接着する際、接着剤を利用した方法が行われている。
【0003】
具体的には、被膜あるいは布帛に接着剤を塗布し、被膜と布帛を圧着し、接着剤を固化させることにより両者の接着が行われているが、このような方法では透湿性が低い接着剤により被膜面が被覆されるため素材として透湿性が大きく低下してしまうことが大きな問題となっている。
【0004】
このような問題を解決すべく、接着剤の塗布形態を点状塗布にし、被膜の接着剤による被覆面積を小さくすることで、素材として透湿性の低下を抑制する方法が有効な有効な手段とされていた。
【0005】
しかし、このような方法では接着が点状になることにより透湿性の低下は抑制されるものの、被膜が点状で布帛に接着されるため、特に透湿性が高い水膨潤性を有する被膜では耐水圧が低くなること、また、点状接着であるため接着されていない被膜部分が引っ掻き、あるいは剥離に対して弱いといった新たな問題が発生している。
【0006】
これらのことから、ラミネート素材において透湿性と耐水性、および膜面強度をバランスよく発現できる素材がないのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記した現状を鑑み、透湿性、耐水性に優れると同時に優れた膜面強度を有した透湿防水素材を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の透湿防水素材は、前記した課題を解決するため、次の構成を有する。
【0009】
すなわち、繊維構造物の一面に少なくとも1層の連続した水膨潤性樹脂層が繊維構造物と全面接着して設けられてなり、該樹脂層の主成分がポリウレタン樹脂であり、該ポリウレタン樹脂を構成するイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が5以上30未満であって、さらに、該樹脂層がポリウレタンとポリグリシジルエーテルおよび/またはポリイソシアネートとの混合樹脂の反応物からなることを特徴とする透湿防水素材である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】
本発明の透湿防水素材は、繊維構造物の一面に少なくとも1層の連続した水膨潤性樹脂層が繊維構造物と全面接着して設けられてなるものである。
【0014】
本発明において、繊維構造物の一面に少なくとも1層の連続した水膨潤性樹脂層が設けられているが、この樹脂層は繊維構造物上で吸水することにより膨潤し得る被膜である。
【0015】
水膨潤性樹脂層とは、樹脂層のみを水に浸漬した場合、線膨潤率が1%以上である樹脂層であることを意味する。十分な透湿性能を発現するためには5%以上、さらに好ましくは10%以上の線膨潤率を有する樹脂層が好ましく利用できる。
【0016】
繊維構造物と全面接着して設けられているとは、従来のような点状に塗布された接着剤層により接着されているのではなく、繊維構造物を面としてとらえた場合、繊維構造物面が樹脂層面により間断無く被覆され接着されていることを意味する。すなわち、樹脂層が一層のみであっても耐水性を発現できる構造となる。連続した樹脂層であるとは、樹脂被膜が繊維構造物と接着された範囲において2次元的に連続であり、不連続で途切れた箇所が無いことをいう。
【0017】
本発明において、樹脂層は非水膨潤時において400nm以上の孔を有していないことが好ましい。すなわち、これは樹脂層自身に湿式製膜法で作製されたポリウレタン被膜のような可視光領域で不透明に見える微多孔が形成されておらず、乾燥時において400nm以上の孔穴がない状態をいう。
【0018】
樹脂層が1層の場合、その層自身が繊維構造物と全面接着した連続面であり、また、大きな孔が存在しないことから水膨潤性を有する一層の被膜のみでも高度な防水性を発現しうることができる。繊維構造物に設けられる樹脂層は1層のみでなく、2層以上の樹脂層が積層されてなるものでもよいが、そのうち1層は繊維構造物に全面接着する層(接着層)となる。
本発明において、樹脂層の主成分がポリウレタン樹脂であることが好ましい。樹脂層を繊維構造物に接着した場合の風合い、ストレッチ性に優れていること、また、膜厚の異なる被膜を積層した場合においても、膜同志の追随性が非常に優れたものとなり、膜同志の接着性も優れているためである。
【0019】
ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールを反応せしめて得られる共重合体が含まれる。
【0020】
イソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネートの単独またはこれらの混合物を用いることができる。
【0021】
例えば、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを用いることができる。また、ポリオール成分としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどを用いることができる。ポリエーテルポリオールとしてはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど、ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオールとアジピン酸、セバチン酸などの2塩基酸との反応生成物やカプロラクトンなどの開環重合物などが挙げられる。その他、エーテル/エステル系、アミド系、カーボネート系のものも適宜利用できる。
【0022】
樹脂の抗張力発現の観点からポリイソシアネートは4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、透湿性の観点からポリオールはポリエチレングリコールを主成分としたポリウレタン樹脂が好適である。
【0023】
本発明において、優れた透湿性と防水性を両立させる観点から、ポリウレタンを構成するイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が5以上30未満であることが好ましい。
【0024】
このような構成要件を具備した樹脂を用いることにより、5μmから60μmの膜厚、好ましくは10μmから40μmの膜厚の範囲において樹脂層が連続層であり、かつ、大きな孔が無くても素材での透湿性において10,000g/m2・24hr以上、耐水圧において2.0kgf/cm2以上と性能の両立が可能となるのである。
【0025】
本発明において繊維構造物と全面接着している樹脂層(接着層)の主成分がポリウレタン樹脂であり、該ポリウレタンを構成するイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が20以上30未満であることが好ましい。
【0026】
本発明では繊維構造物に設けられているすべての樹脂層は連続層であり、接着層も連続層をなし繊維構造物と全面接着されることから、接着層の透湿性は非常に高いことが好ましい。
【0027】
そのため、接着層においてはイソシアネート数に対するポリエチレングリコール数の比が20以上30未満であるポリウレタン樹脂を主成分とする樹脂を用いることが好ましく、繊維構造物と全面接着された接着層は、繊維構造物が片側に存在するため被膜の膨潤が抑えられた状態となるが、優れた透湿性を発現することが出来る。
【0028】
また、本発明において樹脂層の中で接着層がポリウレタンとポリグリシジルエーテルおよび/またはポリイソシアネートとの混合樹脂の反応物であることが好ましい。
【0029】
ポリグリシジルエーテルおよび/またはポリイソシアネートとの混合樹脂の反応物を接着層とする場合には、ポリウレタン樹脂同志の架橋剤となり被膜強度を高めると同時に、繊維構造物とも架橋構造をとることによって接着性が向上し、かつ、防水性を高めることができる。
【0030】
ここでいうポリグリシジルエーテルとはエポキシ基を2個以上もったエーテル系の化合物であり、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリストールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリセロールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテルなどを用いることができる。
【0031】
架橋後の透湿性低下を抑制するといった観点から親水性のポリグリシジルエーテルがより好適であり、グリセロール系のポリグリシジルエーテルが好ましく用いることができる。
【0032】
ポリイソシアネートとしては芳香族系ポリイソシアネートならびに脂肪族系ポリイソシアネートのいずれも利用でき、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどの2量体および3量体、トリメチルプロパン変性による3量体などを適宜用いることができる。
【0033】
接着層であることで繊維構造物に接するといった観点から、無黄色タイプである脂肪族系ポリイソシアネートがより好適であり、ヘキサメチレンジイソシアネートの2量体および3量体、トリメチルプロパン変性による3量体が好ましく利用できる。
【0034】
本発明における繊維構造物とはポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系などの合成繊維および綿、羊毛、絹などの天然繊維などの繊維からなる織物、編物、不織布などの形態をいうがこれに限るものではない。
【0035】
次に、本発明の積層素材の製造方法について説明する。
【0036】
本発明の素材は離型支持体上に1層以上の連続した樹脂層を接着層が最上層となるように積層、製膜し、繊維構造物と圧着、接着させた後、離型支持体から剥離させることによって製造される。
【0037】
本発明で用いる離型支持体とは、タフタ織物、フィルム、紙など、表面が平滑で、しかもその表面が支持上に形成させる樹脂膜に対し、親和性が低いもののことをいう。通常は、シリコーン樹脂を塗布した離型紙やフィルム、ポリプロピレンをラミネートした離型紙などを好ましく用いられる。
1層以上の連続した樹脂層を接着層が最上層となるように積層し、製膜するとは、離型支持体上に樹脂層を塗布し、製膜を行うにあたり、樹脂層が1層の場合にはその層自身が接着層と樹脂層を兼ね、樹脂層が複数積層される場合においては最後に塗布、製膜される樹脂層が接着層となるよう順次樹脂層を積層させることを意味する。
【0038】
離型支持体上へ樹脂を塗布し、製膜するには、一般的には、ナイフオーバーロールコーティング、ダイレクトロールコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティングなどのコーティング処方を用い、所望の膜厚となるように離型支持体上に塗布量を適宜設定して塗布し、温度50℃〜150℃で、0.5分〜10分間の条件で乾燥、被膜化することでできる。
【0039】
樹脂は連続層であることからナイフコーティング方式が好適であり、被膜化、製膜された樹脂層上に塗布、製膜を繰り返し行えば積層された樹脂層が製膜できる。
【0040】
被膜化の際、耐溶剤性、膜強度を向上させる目的で適宜、樹脂溶液に架橋剤としてイソシアネート化合物などを適宜併用してもよい。
【0041】
また、樹脂層を着色する場合においては、樹脂層に無機系、有機系顔料などを、表面タッチをかえる場合においては二酸化珪素系粒子などを公知の方法により適宜添加することも可能である。
【0042】
次に、前述した方法で作製した離型支持体上の最上層に設けられた接着層に繊維構造物を重ね合わせ、圧力をかけることにより接着層を介して樹脂層と繊維構造物を接着し、その後、樹脂層が接着された繊維構造物を離型支持体から剥離させる。
【0043】
圧着とは圧力をかけて押さえつけて接着することを意味し、本発明ではロール−ロール間に圧力をかけ、このロール間を離型支持体及び樹脂と重ねられた繊維構造物が通過することによって接着される。このとき、ロール間に所望の圧力をかけると同時にはロールを加熱させることで、より圧着性を高めることも可能である。
【0044】
次いで離型支持体及び樹脂層が接着された繊維構造物から離型支持体を剥離することにより本発明の透湿防水素材を得ることができる。
【0045】
剥離後、必要によりエージング、キュアーを行うことによる高架橋化、また、繊維構造物表面の撥水処理を公知の方法により適宜行うことも可能である。
【0046】
前述したとおり、樹脂層の主成分がイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が5以上30未満のポリウレタンであることが好ましい。
【0047】
具体的にはこの比が5以上30未満であるポリウレタン樹脂がジメチルホルアミドなどの極性有機溶媒とメチルエチルケトンなどの揮発性有機溶媒の混合溶媒に10重量%から60重量%溶解した樹脂液を離型支持体上に塗布し、製膜する。
【0048】
また、接着層の主成分がイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が20以上30未満のポリウレタンであることが好ましい。
【0049】
具体的にはこの比が20以上30未満であるポリウレタンがジメチルホルアミドなどの極性有機溶媒とメチルエチルケトンなどの揮発性有機溶媒の混合溶媒に10重量%から60重量%溶解した樹脂液を樹脂層の最上層に塗布し、製膜する。
【0050】
さらにまた、接着層がポリウレタンとポリグリシジルエーテルおよび/またはポリイソシアネートとの混合樹脂の反応物であることが好ましい。
【0051】
具体的にはジメチルホルアミドなどの極性有機溶媒とメチルエチルケトンなどの揮発性有機溶媒の混合溶媒に10重量%から60重量%溶解されたポリウレタン樹脂溶液にポリグリシジルエーテルあるいはポリイソシアネートを単独で、またはそれらの混合物を含んだ混合樹脂溶液を樹脂層の最上層に塗布し、製膜する。
【0052】
ポリウレタンの固形分に対するポリグリシジルエーテルの添加量は透湿性と接着性の観点から1重量%以上30重量%未満、ポリイソシアネートの添加量は3重量%以上40重量%未満であることが好ましい。
【0053】
かかる構成から本発明における作用は水膨潤性を有した高透湿性を有する連続した被膜層が繊維構造物と全面接着されることにより点状接着では得られない膜面強度が得られると同時に、膜自身の膨潤性が抑えられるため高い防水性と透湿性が両立できる素材となるのである。
【0054】
このような作用をしようすることで本発明の素材はフィッシング、登山衣などのアウトドアウェア、スキー関連ウェア、ウインドブレーカー、アスレチックウェア、ゴルフウェアレインウェア、カジュアルコートなどのほか、屋外作業着、手袋、靴などにも用いることができる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0056】
なお、本発明に用いた基布、評価方法について以下に示す。
【0057】
[基布]
(1)ナイロンタフタ
糸使い 70デニール−68フィラメント(タテ、ヨコ)
織り密度 116×88本/インチ
目付 72g/m2
(2)ポリエステルタフタ
糸使い 75デニール−72フィラメント(タテ、ヨコ)
織り密度 110×95本/インチ
目付 150g/m2
[透湿性]
JIS L 1099 酢酸カリウム法に準じて測定した。
【0058】
[耐水圧]
JIS L 1092 高水圧法に準じて測定した。
【0059】
[膜面強度1]
学振型摩擦堅牢度測定装置の摩擦部分にステンレス製ペーパーナイフを取り付け、荷重200gで膜面を1往復引っ掻いた後の耐水圧を測定した。
【0060】
[膜面強度2]
試料膜面に布製ガムテープ(ニチバン製レーヨン布テープ)を張り付け、一気に剥離する。剥離後の耐水圧を測定した。
【0061】
[実施例1]
イソシアネートが4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートでありその数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が8.4である水膨潤性ポリウレタン樹脂をジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンとの混合溶媒に溶解し、23重量%の溶液を調製した。
【0062】
離型支持体上にナイフコータを用い、クリアランス200μmで塗布し、120℃で2分間乾燥、被膜化を行った。
【0063】
イソシアネートが4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)でありその数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が25である水膨潤性ポリウレタン樹脂をジメチルホルムアミドとメチルエチルケトンとの混合溶媒に溶解し、23重量%の溶液を調製した。
【0064】
前記溶液に樹脂重量に対し20重量%となるようポリグリセロールグリシジルエーテル(エポキシ当量141)を、また樹脂重量に対し10重量%となるようヘキサメチレンジイソシアネートの3量体であるイソシアヌレート結合ヘキサメチレンジイソシアネートを添加し接着層溶液を調製した。
【0065】
本溶液を離型支持体上に製膜された先の樹脂層の上にナイフコータを用い、クリアランス200μmで塗布し、120℃で1分間乾燥、被膜化を行った。
【0066】
接着層の上にナイロンタフタを重ね、金属ロールとゴムロール間の線圧が9Kg/cm、金属ロール温度が130℃である熱ロールを通し、ナイロンタフタと樹脂層を接着した。
【0067】
接着後、離型支持体を剥離させ試料を48時間室温でエージングした。
【0068】
エージング後、160℃で2分間キュアを行い、本発明の素材を作製した。
【0069】
表1に示すように、透湿性が23,000g/m2・24hrと耐水圧が3.0kgf/cm2と高度な透湿性と防水性を具備すると同時に、引っ掻き、剥離に対しても膜面強度が高く、耐水圧低下が全くない透湿防水素材であった。
【0070】
[実施例2]
基布にポリエステル織物を使用する以外は実施例1と同じ方法で透湿防水素材を作製した。
【0071】
表1に示すように、透湿性が32,000g/m2・24hrと耐水圧が3.0kgf/cm2と高度な透湿性と防水性を具備すると同時に、引っ掻き、剥離に対しても膜面強度が高く、耐水圧低下が全くない透湿防水素材であった。
【0072】
[実施例3]
実施例1の接着層のみを用いる以外は実施例1と同じ方法で透湿防水素材を作製した。
【0073】
表1に示すように、透湿性が26,000g/m2・24hrと耐水圧が3.0kgf/cm2と高度な透湿性と防水性を具備すると同時に、引っ掻き、剥離に対しても膜面強度が高く、耐水圧低下が全くない透湿防水素材であった。
【0074】
[実施例4]
グリセロールグリシジルエーテルを添加せず、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体を樹脂重量に対し20部添加する以外は、実施例1と同じ方法で透湿防水素材を作製した。
【0075】
表1に示すように、透湿性が20,000g/m2・24hrと耐水圧が3.0kgf/cm2と高度な透湿性と防水性を具備すると同時に、引っ掻き、剥離に対しても膜面強度が高く、耐水圧低下が全くない透湿防水素材であった。
【0076】
[比較例1]
接着層による樹脂層の被覆率が40%となるよう点状に塗布した接着層で実施例1の樹脂層をラミネート接着する以外は実施例1と同じ方法で透湿防水素材を作製した。
【0077】
表1に示すように、透湿性が34,000g/m2・24hrと耐水圧が2.0kgf/cm2と高度な透湿性と防水性を具備するが、点状接着であるため、引っ掻き、膜面の剥離に対して耐性の低い素材であった。
【0078】
【表1】
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、高度な透湿性と防水性を具備すると同時に、高い膜面強度を有する透湿防水素材が得られることになり、特にラミネート素材における展開用途の拡大が可能となる。
Claims (3)
- 繊維構造物の一面に少なくとも1層の連続した水膨潤性樹脂層が繊維構造物と全面接着して設けられてなり、該樹脂層の主成分がポリウレタン樹脂であり、該ポリウレタン樹脂を構成するイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が5以上30未満であって、さらに、該樹脂層がポリウレタンとポリグリシジルエーテルおよび/またはポリイソシアネートとの混合樹脂の反応物からなることを特徴とする透湿防水素材。
- 該ポリウレタンを構成するイソシアネート数に対するポリオール中のポリエチレングリコールを構成するエチレングリコール数の比が20以上30未満であることを特徴とする請求項1に記載の透湿防水素材。
- 前記樹脂層が非水膨潤時において400nm以上の孔を有しないことを特徴とする請求項1または2に記載の透湿防水素材。
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