JP2006288690A - カイロ用粘着部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高温や高圧が加わるような過酷な条件下であっても、衣類や履物に対して優れた糊残り防止性を発揮することができるカイロ用粘着部材を提供する。
【解決手段】 カイロ用粘着部材は、基材の片面に粘着剤層を有するカイロ用粘着部材であって、粘着剤層が、ウレタン系粘着剤により形成され、且つ粘着剤層のゲル分率が、30重量%以上であることを特徴とする。ウレタン系粘着剤は熱溶融型ウレタン系粘着剤が好適であり、特にエネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤が好ましい。また、ウレタン系粘着剤はビニル基を含む反応性官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有していることが好ましい。基材における粘着剤層が形成されていない側の面は、ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面となっていることが好ましく、オレフィン系樹脂組成物により形成されたオレフィン系樹脂層の表面であってもよい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、カイロ(発熱体)を適用部位に貼付するために使用される粘着部材(粘着シートなど)に関し、より詳細には、靴下等の衣類や、靴等の履物などに貼付して用いる用途のカイロ(特に、使い捨てカイロ)に好適に使用され、高温や高圧が加わるような過酷な条件下であっても、衣類や履物などに対して優れた糊残り防止性を発揮することができるカイロ用粘着部材に関する。
現在、貼るタイプの使い捨てカイロ(貼付型発熱体)は、冬場における簡易採暖手段、夏場の冷房環境下における冷え性防止などの目的で季節を問わずに広く利用されるようになっている。このような貼るタイプの使い捨てカイロは、例えば、靴下や下着等の衣類、靴等の履物に貼付して使用されている(特許文献1〜2参照)。
一般的な使い捨てカイロの構成としては、例えば、図5に示されるような構成が挙げられる。具体的には、使い捨てカイロの構成としては、ポリエチレン等のオレフィン系多孔質フィルム(不織布との積層基材とされる場合が多い)92と、片面にヒートシール層91aを有するフィルム層91bの2層からなる多層プラスチックシート基材のフィルム層91b側の面に粘着剤層91cが形成された粘着シート91とを、ヒートシール手段を利用して袋体とし、この袋体の内部に鉄粉を主成分とする発熱体成分93が封入された構成が挙げられる。なお、粘着剤層91cは、セパレータ91dにより保護されている。
従来の使い捨てカイロにおいて、粘着剤層を構成する粘着剤としては、アクリル系粘着剤や、合成ゴム系粘着剤(例えば、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体系粘着剤等のスチレン系粘着剤など)などが一般的に使用されている。このようなアクリル系粘着剤や合成ゴム系粘着剤が用いられているカイロでは、カイロを衣類に貼り付けて使用して発熱した後に、衣類からカイロを剥がす際に、アクリル系粘着剤や合成ゴム系粘着剤による粘着剤層の粘着成分の一部が衣類に残存するという糊残りが起こり易い傾向があった。特に、靴下用カイロや、靴用カイロなどのように、高温のみならず、圧力(例えば、体重による圧力など)が加わり易い部分にカイロを貼り付けて使用した場合、糊残りが発生する場合があった。
なお、粘着テープ又はシートにおいて、アクリル系粘着剤や合成ゴム系粘着剤以外の感圧接着剤として、例えば、ウレタン系粘着剤などがある(特許文献3参照)。
特許第2775271号公報 実用新案登録第2607414号公報 特開平10−330453号公報
従って、本発明の目的は、高温や高圧が加わるような過酷な条件下であっても、衣類や履物に対して優れた糊残り防止性を発揮することができるカイロ用粘着部材を提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、良好な粘着性を有しているカイロ用粘着部材を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、衣類や履物に貼付して用いる用途のカイロに好適に使用されるカイロ用粘着部材を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、カイロ用粘着部材における粘着剤層を構成する粘着剤として、特定のウレタン系粘着剤を用いると、該カイロ用粘着部材が用いられたカイロを、靴下等の衣類や、靴等の履物などに貼り付けて用いても、カイロを発熱させて使用した後には、衣類や履物への糊残り(粘着成分の残存)をほとんど又は全く生じさせずに、カイロを衣類や履物から容易に剥がすことができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は、基材の片面に粘着剤層を有するカイロ用粘着部材であって、粘着剤層が、ウレタン系粘着剤により形成され、且つ粘着剤層のゲル分率が、30重量%以上であることを特徴とするカイロ用粘着部材を提供する。
本発明のカイロ用粘着部材において、前記ウレタン系粘着剤としては、熱溶融型ウレタン系粘着剤を好適に用いることができ、特に、エネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤が好適である。このようなウレタン系粘着剤としては、ビニル基を含む反応性官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有していることが好ましい。
また、前記粘着剤層は、ウレタン系粘着剤を基材の片面に塗布することにより形成されていることが好ましい。
本発明のカイロ用粘着部材としては、基材が2層以上で構成され且つ少なくとも一方の表面に不織布基材を有する積層基材であり、粘着剤層が前記積層基材の片面の不織布基材上に形成されていることが好ましく、基材における粘着剤層が形成されていない側の面は、ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面となっていてもよい。ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面は、オレフィン系樹脂組成物により形成されたオレフィン系樹脂層の表面であることが好ましい。
このようなカイロ用粘着部材は、衣類または履物に貼付して用いられるカイロにおける発熱体成分を封入する袋体を構成する部材としてのカイロ用粘着シートとして好適に用いることができる。
本発明のカイロ用粘着部材は、高温や高圧が加わるような過酷な条件下であっても、衣類や履物に対して優れた糊残り防止性を発揮することができる。さらに、良好な粘着性を有している。そのため、衣類や履物に貼付して用いる用途のカイロに使用されるカイロ用粘着部材として好適である。
[粘着剤層]
本発明のカイロ用粘着部材において、基材の片面に形成された粘着剤層はウレタン系粘着剤により形成されており、且つ粘着剤層のゲル分率は30重量%以上となっている。このように、カイロ用粘着部材は、粘着剤層が、ウレタン系粘着剤により形成されているとともに、30重量%以上のゲル分率を有しているので、該カイロ用粘着部材が用いられたカイロを、カイロ用粘着部材の粘着剤層を利用して衣類や履物に貼付して用いても、発熱させて使用した後、衣類や履物に糊残りを生じさせずに(粘着成分を残存させずに)、容易に衣類や履物から剥がすことができる。
ウレタン系粘着剤としては、30重量%以上のゲル分率を有する粘着剤層を形成することが可能なウレタン系粘着剤であれば特に制限されないが、熱溶融型ウレタン系粘着剤を好適に用いることができる。ウレタン系粘着剤が、熱溶融型ウレタン系粘着剤であると、溶剤を用いなくても、熱により溶融させることにより塗工することができる。すなわち、熱溶融型ウレタン系粘着剤は、溶剤が用いられていない無溶剤型ウレタン系粘着剤として利用することができる。このように、ウレタン系粘着剤として熱溶融型ウレタン系粘着剤を用いると、基材における粘着剤層を形成する面が不織布による面(不織布表面)であっても、基材表面に直接塗布して、粘着剤層を形成することができる。そのため、粘着剤層を基材に優れた密着性で密着させて形成することができ、カイロ用粘着部材の糊残り防止性をより一層高めることができる。特に、熱溶融型ウレタン系粘着剤が、基材の不織布表面への塗布時の温度(例えば、80〜200℃)において、適度な粘調さを有していると、不織布の繊維に適度に含浸させることができるため、アンカー効果等を効果的に発揮することができ、カイロ用粘着部材の糊残り防止性をさらに高めることが可能となる。熱溶融型ウレタン系粘着剤としては、例えば、140℃における粘度が、5〜200Pa・s(5000〜200000cps)[好ましくは5〜100Pa・s(5000〜100000cps)、さらに好ましくは10〜80Pa・s(10000〜80000cps)]であることが望ましい。熱溶融型ウレタン系粘着剤の粘度(140℃)は、粘度測定装置として、ブルックフィールド社製のブルックフィールド粘度計を用いて、スピンドル28番、回転数5rpmの測定条件で測定することができる。
なお、熱溶融型ウレタン系粘着剤は、加熱により溶融させて塗工する際の温度(溶融塗工温度)が、例えば、150〜200℃の場合を「ウレタン系ホットメルト粘着剤」とし、80〜150℃の場合を「ウレタン系ウォームメルト粘着剤」などとして分類することができる。
また、ウレタン系粘着剤としては、加熱により架橋等が生じて硬化する熱硬化性を有していてもよいが、エネルギー線の照射により架橋等が生じて硬化するエネルギー線硬化性を有していることが好ましい。従って、ウレタン系粘着剤としては、エネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤が好適である。このように、ウレタン系粘着剤が、エネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤であると、基材への塗布時には、熱溶融させることにより、基材に直接塗布することができ、塗布後に、エネルギー線を照射させることにより、ゲル分率を容易に30重量%以上に調整して、粘着剤層を形成することができる。そのため、エネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤を用いることにより、糊残り防止性が極めて優れた粘着剤層を容易に形成することができる。
このようなウレタン系粘着剤としては、ゲル分率が30重量%以上の粘着剤層を形成することができるウレタン系粘着剤であれば特に制限されないが、反応性官能基を有するウレタン系プレポリマー(「反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー」と称する場合がある)を含有しているウレタン系粘着剤組成物を好適に用いることができる。なお、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーは、反応性官能基を分子内に少なくとも1個有していればよい。また、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーは、反応性官能基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
具体的には、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーとしては、例えば、下記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーを好適に用いることができる。
X−R−Y (1)
(式(1)において、Rはウレタン系重合体鎖部、Xは反応性官能基を有する基、Yは反応性官能基又は封止基を有する基である。)
前記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーにおいて、Xとしての反応性官能基を有する基における反応性官能基としては、例えば、ビニル基、ビニル−アルキル基(例えば、アリル基など)、アクリロイル基、メタクリロイル基等のビニル基を含む反応性官能基(「ビニル基含有官能基」と称する場合がある)の他、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基などが挙げられる。反応性官能基としては、ビニル基含有官能基(ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基など)が好ましく、その中でもアクリロイル基、メタクリロイル基(これらを「(メタ)アクリロイル基」と総称する場合がある)が特に好適である。
なお、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーにおいて、反応性官能基(ビニル基含有官能基等)を有する基をウレタン系プレポリマー中に導入する際には、反応性官能基とともに、ウレタン系プレポリマー中のモノマー成分に対して反応性を有している基(「モノマー反応性基」と称する場合がある)を有する化合物(「ビニル基含有モノマー反応性化合物」と称する場合がある)を用いることができる。このようなビニル基含有モノマー反応性化合物において、モノマー反応性基としては、ヒドロキシル基、イソシアネート基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられ、ヒドロキシル基が好適である。なお、ビニル基含有モノマー反応性化合物は、分子内にモノマー反応性基を少なくとも1個有していればよい。また、ビニル基含有モノマー反応性化合物は、モノマー反応性基を1種のみ有していてもよく、2種以上有していてもよい。
従って、ビニル基含有モノマー反応性化合物としては、ビニル基含有官能基とともに、ヒドロキシル基を有している化合物(「ビニル基含有ヒドロキシ化合物」と称する場合がある)が好適に用いられる。このようなビニル基含有ヒドロキシ化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシメチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル;ヒドロキシメチルアリルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、3−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−ヒドロキシプロピルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテルなどが挙げられる。ビニル基含有ヒドロキシ化合物としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、特に、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好適である。
また、前記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーにおいて、Yとしての封止基を有する基における封止基は、ウレタン系重合体鎖部の末端の基(イソシアネート基など)の反応性を封止するために導入されている。このような封止基としては、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、シクロアルキルオキシ基等の炭化水素−オキシ基などが挙げられ、アルコキシ基が好適である。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、エイコシルオキシ基等の炭素数が1〜30のアルコキシ基などが挙げられる。封止基は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、封止基を有する基としてアルコキシ基を有する基をウレタン系プレポリマー中に導入する際には、モノオール類を用いることができる。このようなモノオール類としては、特に制限されず、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、イソオクタノール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール等の脂肪族1価アルコール類の他、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどのヒドロキシ基含有フェニルケトン類などが挙げられる。モノオール類としては、脂肪族1価アルコールが好ましく、特に、オクタデシルアルコールが好適である。
前記式(1)におけるYとしての反応性官能基を有する基において、反応性官能基としては、Xとしての反応性官能基を有する基における反応性官能基と同様の反応性官能基[例えば、ビニル基、ビニル−アルキル基(例えば、アリル基など)、アクリロイル基、メタクリロイル基等のビニル基含有官能基の他、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基など]を用いることができる。本発明では、Yとしては、封止基を有する基が好適である。
さらにまた、前記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーにおいて、Rとしてのウレタン系重合体鎖部は、ウレタン系重合体の残基であり、ポリイソシアネート系化合物と、イソシアネート基に対して反応性を有する基を少なくとも2個有している化合物(「イソシアネート反応性化合物」と称する場合がある)とを少なくともモノマー成分としたウレタン系重合体により構成されている。ポリイソシアネート系化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどが含まれる。ポリイソシアネート系化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
脂肪族ポリイソシアネートには、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートなどが含まれる。
また、脂環族ポリイソシアネートには、例えば、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートなどが含まれる。
芳香族ポリイソシアネートには、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4´−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4´−ジイソシアネート、2,2´−ジフェニルプロパン−4,4´−ジイソシアネート、3,3´−ジメチルジフェニルメタン−4,4´−ジイソシネート、4,4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3´−ジメトキシジフェニル−4,4´−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが含まれる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートには、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネートなどが含まれる。
また、ポリイソシアネート系化合物としては、前記例示の脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートによる二重体や三量体、反応生成物又は重合物(例えば、ジフェニルメタンジイソシアネートの二重体や三量体、トリメチロールプロパンとトリレンジイソシアネートとの反応生成物、トリメチロールプロパンとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、ポリエーテルポリイソシアネート、ポリエステルポリイソシアネートなど)なども用いることができる。
ポリイソシアネート系化合物としては、脂環族ポリイソシアネート(特に、イソホロンジイソシアネート)を好適に用いることができる。
イソシアネート反応性化合物としては、分子内に、イソシアネート基に対して反応性を有する基を少なくとも2個有している化合物であれば特に制限されない。イソシアネート基に対する反応性基としては、ヒドロキシル基、アミノ基などが挙げられる。イソシアネート基に対する反応性基は、単独であってもよく、2種以上が組み合わせられていてもよい。イソシアネート反応性化合物としては、ポリオール系化合物やポリアミン系化合物などが挙げられる。イソシアネート反応性化合物は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。従って、イソシアネート反応性化合物としては、ポリオール系化合物およびポリアミン系化合物から選ばれた1種のみを用いてもよく、ポリオール系化合物およびポリアミン系化合物から選ばれた2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、イソシアネート反応性化合物としては、ポリオール系化合物を好適に用いることができる。ポリオール系化合物としては、公知のウレタン系重合体のモノマー成分として用いられるポリオール系化合物であれば特に制限されず、例えば、多価アルコール等の低分子量タイプのポリオール系化合物であってもよく、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、ポリアクリルポリオール等の高分子量タイプのポリオール系化合物であってもよい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−トリメチレングリコール、1,4−テトラメチレンジオール、1,5−ペンタメチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサメチレンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA等のジオール類の他、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、糖アルコール類(キシリトールやソルビトールなど)などが挙げられる。
ポリエステルポリオールは、分子内に(特に、末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2個有しているポリエステル系重合体であれば特に制限されない。ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多価カルボン酸とを重縮合により重合させる方法や、環状エステル(ラクトン)を開環重合させる方法の他、これらの方法を組み合わせた方法などにより調製される。なお、ポリエステルポリオールを調製する際の重合の条件等は、公知の条件等を適宜利用することができる。多価アルコールとしては、低分子量タイプのポリオール系化合物として例示の多価アルコールや、ダイマージオールから適宜選択することができる。また、多価カルボン酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、ヘキサトリアコンタン二酸[HOOC−(CH234−COOH]、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸などから適宜選択することができる。環状エステルとしては、例えば、ε−カプロラクトンなどが挙げられる。具体的には、ポリエステルポリオールとしては、例えば、ダイマー酸と1,6−ヘキサメチレンジオールとによるポリエステルポリオール、ヘキサトリアコンタン二酸とダイマージオールとによるポリエステルポリオール、ダイマー酸とダイマージオールとによるポリエステルポリオールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、分子内に(特に、末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2個有しているポリエーテル系重合体であれば特に制限されない。ポリエーテルポリオールは、アルキレングリコールを縮合により重合させる方法や、環状エーテルを開環重合させる方法の他、これらの方法を組み合わせた方法などにより調製される。なお、ポリエーテルポリオールを調製する際の重合の条件等は、公知の条件等を適宜利用することができる。前記アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコールなどが挙げられる。具体的には、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−プロピレングリコール)共重合体等のポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、分子内に(特に、末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2個有しているポリカーボネート系重合体であれば特に制限されない。ポリカーボネートポリオールとしては、多価アルコールとホスゲンとを反応させる方法、多価アルコールとジフェニルカーボネートとをエステル交換により反応させる方法、環状炭酸エステル(エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、テトラメチレンカーボネート、ヘキサメチレンカーボネート等のアルキレンカーボネートなど)を開環重合させる方法の他、これらの方法を組み合わせた方法などにより調製される。
ポリオレフィンポリオールや、ポリアクリルポリオールは、それぞれ、分子内に(特に、末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2個有しているオレフィン系重合体や、分子内に(特に、末端に)ヒドロキシル基を少なくとも2個有しているアクリル系重合体であれば特に制限されない。なお、オレフィン系重合体やアクリル系重合体に、ヒドロキシル基を導入するために、オレフィン系重合体のモノマー主成分としてのオレフィンや、アクリル系重合体のモノマー主成分としての(メタ)アクリル酸エステルの共重合成分として、ヒドロキシル基を有するα,β−不飽和化合物[例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなど]が用いられる。
本発明では、イソシアネート反応性化合物としては、ポリエステルポリオールを好適に用いることができる。ポリエステルポリオールの数平均分子量としては、特に制限されず、例えば、5000〜1000000(好ましくは10000〜500000、さらに好ましくは100000〜300000)の範囲から選択することができる。
また、イソシアネート反応性化合物としてのポリアミン系化合物としては、公知のウレタン系重合体のモノマー成分として用いられるポリアミン系化合物であれば特に制限されず、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、芳香脂肪族ポリアミンなどが含まれる。ポリアミン系化合物は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。脂肪族ポリアミンには、例えば、1,3−トリメチレンジアミン(ジアミノプロパン)、1,4−テトラメチレンジアミン(ジアミノブタン)、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、ビスアミノプロピルエーテル、ビスアミノプロピルエタン、ビスアミノプロピルジエチレングリコール、ビスアミノプロポキシネオペンチルグリコールなどが含まれる。また、脂環族ポリアミンには、例えば、イソホロンジアミン、水素添加ジフェニルメタンジアミンなどが含まれる。芳香族ポリアミンには、例えば、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、4,4´−ジフェニルメタンジアミン、2,4´−ジフェニルメタンジアミンなどが含まれる。芳香脂肪族ポリアミンには、例えば、キシリレン−1,4−ジアミン、キシリレン−1,3−ジアミンなどが含まれる。
このように、前記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーは、ポリウレタン系重合体鎖部の一方の末端が、反応性官能基を有する基となり、他方の末端が反応性官能基を有する基または封止基を有する基となった構成を有している。このような反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーの製造方法としては、特に制限されず、例えば、特開平10−330453号公報などに記載されている方法を用いることができる。具体的には、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーは、ポリウレタン系重合体を調製後に反応性官能基や封止基を導入する方法、ポリウレタン系重合体を調製中に反応性官能基や封止基を導入する方法などにより調製することができる。
本発明では、前記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーとしては、反応性官能基としてビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマー[特に、(メタ)アクリロイル基を有するウレタン系プレポリマー]が好適である。このような反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーにおいて、主鎖又は骨格を構成しているウレタン系重合体鎖部としては、ポリイソシアネート系化合物とポリオール系化合物(特に、ポリエステルポリオール)とをモノマー成分とし且つ末端がイソシアネート基であるウレタン系重合体によるウレタン系重合体鎖部(ウレタン系重合体の残基)が好ましい。
反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーとしては、前記成分により構成されたものであれば、その数平均分子量や重量平均分子量などは特に制限されないが、特に、重量平均分子量が40000〜60000であるものを好適に用いることができる。
なお、前記式(1)で表される反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーとしては、例えば、特開平10−330453号公報などに記載されている公知の反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーを用いることができる。
このような反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー(特に、ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマー)を含有しているウレタン系粘着剤では、エネルギー線の照射により、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーを硬化させるために、光重合開始剤を用いることができる。すなわち、ウレタン系粘着剤は、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーを主体として含有しているとともに、光重合開始剤を含有していることが好ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、α−ケトール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などを用いることができる。光重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。
また、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。
さらにまた、ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジルなどが含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが含まれる。ケタール系光重合開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが含まれる。
光重合開始剤としては、α−ケトール系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤が好ましく、なかでもα−ケトール系光重合開始剤を好適に用いることができる。
光重合開始剤の使用量としては、特に制限されないが、多くなりすぎると、低分子量のポリマー(共重合体)が生成しやすくなり、一方、少なくなると、重合反応が進行しにくくなるために、例えば、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー100重量部に対して0.01〜2重量部(好ましくは0.05〜1重量部)の範囲から選択することが望ましい。
光重合開始剤の活性化に際しては、エネルギー線を利用することができる。このようなエネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。また、エネルギー線の照射エネルギーは特に制限されず、光重合開始剤を活性化させて、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー(特に、ビニル基含有官能基を有しているウレタン系プレポリマー)における反応性官能基による反応を生じさせることができればよい。
このような反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー(特に、ビニル基含有官能基を有しているウレタン系プレポリマー)を含有しているウレタン系粘着剤(「反応性ウレタン系粘着剤」と称する場合がある)は、熱溶融型ウレタン系粘着剤とすることができ、加熱させて(例えば、80〜200℃に加熱させて)溶融させることにより、塗工することが可能である。この点から、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーは、カイロ用粘着部材の粘着剤層を構成する粘着剤の粘着成分(ポリマー成分またはベースポリマー)として優れていると言える。
反応性ウレタン系粘着剤としては、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーを主体としていれば、重合開始剤、架橋剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘着付与剤、軟化剤などの各種添加剤が含有されていてもよい。
なお、反応性ウレタン系粘着剤は、硬化後の粘着剤組成物のゲル分率が30重量%以上となるように調整されていることが重要である。反応性ウレタン系粘着剤の硬化後のゲル分率は、粘着成分(反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー)の種類やその含有割合、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー中の反応性官能基含有量、光重合開始剤や架橋剤の種類やその使用量を適宜調整することにより、コントロールすることができる。
粘着剤層は、ウレタン系粘着剤により形成されており、且つ30重量%以上のゲル分率を有している。粘着剤層は、ウレタン系粘着剤の種類などに応じた適宜な方法を利用して形成することができ、ウレタン系粘着剤を基材の所定の面に塗布することにより形成されていることが好ましい。具体的には、ウレタン系粘着剤としてエネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤を用いる場合、エネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤を、加熱により熱溶融させた状態で、基材の所定の面に硬化後の厚みが所定の厚みとなるような塗布量で塗布し、その後、紫外線等のエネルギー線を、所定の照射強度及び照射時間で、照射することにより、粘着剤層を形成することができる。
粘着剤層の厚み(乾燥乃至硬化後の厚み)は、例えば、20〜200μm(好ましくは30〜100μm)程度である。粘着剤層の厚みが薄いと、充分な粘着力を得ることが困難になり、一方、厚すぎると硬化時に充分な硬化を得ることが困難になり、しかも、コストへの影響も考慮が必要である。
[基材]
カイロ用粘着部材の基材としては、特に制限されない。基材は、多孔性基材、非多孔性基材のいずれであってもよい。また、基材の層構成は特に制限されず、単層であってもよく、積層体であってもよい。基材としては、例えば、ヒートシール層、繊維による基材層(例えば、不織布基材層など)、フィルム層を有していてもよい。より具体的には、基材としては、ヒートシール層と繊維による基材層との積層体、ヒートシール層とフィルム層との積層体などが挙げられる。なお、市販されている貼るタイプのカイロ(特に、貼るタイプの使い捨てカイロ)では、発熱体成分を封入する袋体としては、通常、ポリエチレン系多孔質フィルムにナイロン製不織布(ナイロン不織布)をラミネートしたもの(例えば、日東ライフテック社製の商品名「ブレスロン」など)に、カイロ用粘着部材の基材がヒートシールされて形成されたものが用いられている。このような袋体の形成に際しては、ポリエチレン系多孔質フィルム側の面と、カイロ用粘着部材の基材の粘着剤層形成面と反対側の面とが向かい合った状態で且つ袋体となるようにヒートシールされている。従って、カイロ用粘着部材の基材としては、カイロ用粘着部材の基材の粘着剤層形成面と反対側の面には、前記ポリエチレン系多孔質フィルム等とヒートシール可能な素材による層(ヒートシール層)が形成されていることが望ましい。
一方、通気性や、発熱体成分への酸素供給性などの観点から、基材としては、多孔性基材[例えば、布又は編物製基材、織物製基材、不織布基材(不織布製基材)等の繊維による基材(特に不織布基材)]を好適に用いることができる。
従って、カイロ用粘着部材の基材としては、2層以上で構成され且つ少なくとも一方の表面に不織布基材を有する積層基材が好適である。なお、粘着剤層は、前記積層基材の片面の不織布基材上に形成することができる。この際、前記積層基材の他方の面(粘着剤層形成面と反対側の面)はヒートシール層となっていることが重要である。このような積層基材は、例えば、フィルム状のヒートシール層と、不織布基材とを、粘着剤層を介して積層させることにより形成することができる。この際、ヒートシール層が、下記に示されるように、多孔性を有している場合、粘着剤層は、メルトブローやカーテンスプレー方法等を利用して、積層基材の通気性が確保されるような形態で形成されていることが好ましい。もちろん、積層基材の通気性を確保する必要がない場合は、フィルム状のヒートシール層と、不織布基材とは、全面塗布型等の各種形態で形成された粘着剤層を介して積層させることにより、積層基材が形成されていてもよい。
具体的には、不織布基材における不織布としては、特に制限されず、例えば、ナイロン製不織布(ポリアミド製不織布)、ポリエステル製不織布、ポリオレフィン製不織布、レーヨン製不織布など公知乃至慣用の不織布(天然繊維による不織布、合成繊維による不織布など)を使用することができる。なお、不織布基材は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。なお、不織布において、繊維径、繊維長、目付などは特に制限されない。不織布は、1種の繊維のみから構成されていてもよく、複数種の繊維が組み合わせられて構成されていてもよい。
一方、ヒートシール層は、ヒートシール性を有する樹脂(ヒートシール性樹脂)を含むヒートシール性樹脂組成物により形成することができる。このようなヒートシール性樹脂としては、特に制限されないが、オレフィン系樹脂を好適に用いることができる。オレフィン系樹脂としては、少なくともオレフィン成分(エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンなど)をモノマー成分とする樹脂であれば特に制限されない。具体的には、オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン)、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体など)等のエチレン系樹脂の他、プロピレン系樹脂(ポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体など)や、ポリブテン系樹脂(ポリブテン−1など)、ポリ−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。また、オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体等のエチレン−不飽和カルボン酸共重合体;アイオノマー;エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体;エチレン−ビニルアルコール共重合体なども用いることができる。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂が好適であり、なかでも、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
なお、オレフィン系樹脂に係るエチレン−α−オレフィン共重合体において、α−オレフィンとしては、エチレン以外のα−オレフィンであれば特に制限されないが、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数が3〜10のα−オレフィン等が挙げられる。従って、エチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−(ブテン−1)共重合体などが挙げられる。また、オレフィン系樹脂に係るプロピレン−α−オレフィン共重合体におけるα−オレフィンとしては、例えば、炭素数が4〜10のα−オレフィンの中から適宜選択することができる。
ヒートシール性樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、ヒートシール性樹脂組成物としては、オレフィン系樹脂としてエチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むオレフィン系樹脂組成物が好適であり、特に、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物を好適に用いることができる。なお、エチレン−α−オレフィン共重合体を少なくとも含むオレフィン系樹脂組成物や、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物において、エチレン−α−オレフィン共重合体の含有割合としては、特に制限されず、例えば、オレフィン系樹脂全重量に対して5重量%以上(好ましくは10〜50重量%、さらに好ましくは15〜40重量%)の範囲から適宜選択することができる。
ヒートシールをより低温で行って高速加工するためには、より低融点のヒートシール性樹脂を用いることが有効であり、そのためには、例えば、メタロセン系触媒を用いて調製された低密度ポリエチレンなどが最も有効である。
なお、ヒートシール層は単層、複層のいずれの形態を有していてもよい。
このようなヒートシール層としては、通気性や、発熱体成分への酸素供給性などの観点から、多孔性を有するヒートシール層(例えば、多孔質フィルムによるヒートシール層)が好ましい。従って、ヒートシール層としては、ポリオレフィン系多孔質フィルム(特に、ポリエチレン系多孔質フィルム)によるヒートシール層が好適である。
本発明では、基材における粘着剤層が形成されていない側の面(基材の背面)は、通常、ヒートシール層の表面となっているが、ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面となっていることが好ましい。カイロ用粘着部材は、カイロを製造するまでは、通常、各カイロ用粘着部材が連続的に形成された長尺帯状の連続体がロール状に巻回された形態で供給されており、使用時に、ロール状の巻回体を巻き戻して、各カイロ用粘着部材に切断している。そのため、基材の背面が、ヒートシール性を有するとともに、粘着剤層に対する離型性を有している面となっていると、長尺帯状のカイロ用粘着部材の連続体を、粘着剤層の表面を離型性を有しているヒートシール層の表面に重ね合わせた状態で、ロール状に巻回させることができるので、粘着剤層を保護する剥離ライナーが必要でなくなり、コストの低減や、省資源化を図ることができる。
このように、基材の背面を、ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面とするためには、ヒートシール層として、粘着剤層に対して離型性を有しているヒートシール層(「離型性ヒートシール層」と称する場合がある)が用いられる。なお、ヒートシール層として、離型性ヒートシール層を用いるためには、粘着剤層との組み合わせが重要である。例えば、粘着剤層が、前述のように、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー(特に、ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマー)を含有しているウレタン系粘着剤により形成されている場合、ヒートシール層としても利用可能なオレフィン系樹脂層は、粘着剤層に対して良好な離型性を発揮することができる。すなわち、粘着剤層が反応性官能基含有ウレタン系プレポリマー(特に、ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマー)を含有しているウレタン系粘着剤により形成されている場合、オレフィン系樹脂組成物により形成されたオレフィン系樹脂層を、単なるヒートシール層ではなく、離型性ヒートシール層として利用することができる。
従って、本発明のカイロ用粘着部材では、基材の背面は、ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面である場合、オレフィン系樹脂組成物により形成されたオレフィン系樹脂層の表面であることが好ましい。このようなオレフィン系樹脂層を形成するオレフィン系樹脂組成物におけるオレフィン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、前記と同様のオレフィン系樹脂を用いることができ、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等のエチレン系樹脂が好適である。本発明では、オレフィン系樹脂組成物としては、特に、低密度ポリエチレン及び/又は線状低密度ポリエチレンと、エチレン−α−オレフィン共重合体とを含むオレフィン系樹脂組成物を好適に用いることができる。
なお、基材がフィルム層を有している場合、該フィルム層は、従来使用されているフィルム層を利用することができる。なお、フィルムに隠蔽性を付与するために、フィラー(例えば、チタン白など)を添加してもよく、具体的には、例えば、多層フィルムの中間層にフィラー(例えば、チタン白など)を添加してもよい。
さらにまた、基材の粘着剤層側の面(粘着剤層形成面)には、粘着剤との投錨性を向上させるため、下塗り剤が塗布されていてもよい。
基材の厚みは、特に制限されず、例えば、10〜500μm(好ましくは12〜200μm、さらに好ましくは15〜100μm)程度である。なお、基材には、必要に応じて、背面処理、帯電防止処理などの各種処理が施されていてもよい。
[カイロ用粘着部材]
カイロ用粘着部材は、図1で示されるように、基材と、該基材の片面に設けられた粘着剤層とを有している。図1(a)〜(d)は、本発明のカイロ用粘着部材の例を示す概略断面図である。図1(a)〜(d)において、1a、1bは、それぞれ、カイロ用粘着部材、2は基材、2aは剥離性ヒートシール層、2bは不織布基材、3a、3bは、それぞれ、粘着剤層、31は剥離ライナー(セパレータ)である。図1(a)で示されるカイロ用粘着部材1aは、基材2と、該基材2の片面に全面的に設けられた粘着剤層3aとで構成されている。図1(b)で示されるカイロ用粘着部材1bは、基材2と、該基材2の片面に部分的に設けられた粘着剤層3bとで構成されている。また、図1(c)で示されるカイロ用粘着部材1cは、図1(a)で示されるカイロ用粘着部材1aと同様の構成を有しているカイロ用粘着部材における粘着剤層3aが剥離ライナー31により保護された形態を有している。図1(d)で示されるカイロ用粘着部材1dは、図1(b)で示されるカイロ用粘着部材1bと同様の構成を有しているカイロ用粘着部材における粘着剤層3bが剥離ライナー31により保護された形態を有している。前記基材2は、剥離性ヒートシール層2aと不織布基材2bとが積層された積層基材により構成されている。なお、剥離性ヒートシール層2aはポリオレフィン系樹脂組成物により形成されたオレフィン系樹脂層であり、多孔性を有している。また、不織布基材2bはナイロン製の不織布基材である。剥離性ヒートシール層2aと、不織布基材2bとは、通気性が確保される形態で、粘着剤層を介して形成されている。一方、前記粘着剤層(3a,3b)は、反応性官能基含有ウレタン系プレポリマーを含有しているウレタン系粘着剤により形成されている。なお、前述のように、粘着剤層3aは、不織布基材2b上に全面的に形成されており、粘着剤層3bは、不織布基材2b上に、所定の間隔をあけて線状に(ストライプ状に)形成されている。従って、カイロ用粘着部材1bは、全体として、通気性を有しており、そのため、酸素透過性を有している。なお、剥離ライナー31は、公知の剥離ライナーが利用されている。
基材の片面に部分的に又は全面的に設けられた粘着剤層は、公知乃至慣用のコーティング方式を利用して基材上に形成することができる。具体的には、粘着剤のコーティング方式としては、ロールコーティング方法、ダイコーティング方法、メルトブローやカーテンスプレー方法等の適宜の塗工方式を選定可能である。
粘着剤層は、図1(a)〜(b)で示されるように、基材の片面に、全面的に形成されていてもよく、部分的に形成されていてもよい。なお、粘着剤層は、基材の通気性を確保するためには、部分的に形成されていることが好ましい。粘着剤層は、例えば、ストライプ塗工を利用してストライプ状に、ドット塗工を利用してドット状に部分的に形成されていてもよい。
なお、カイロ用粘着部材において、粘着剤層は、公知乃至慣用の剥離フィルム(セパレータ)により保護することができるが、ヒートシール層が剥離性ヒートシール層である場合、粘着剤層は、剥離性ヒートシール層と重ね合わせることにより保護することが可能である。
本発明のカイロ用粘着部材は、例えば、図2に示されるように、カイロ(特に、貼るタイプのカイロ)における発熱体成分を封入する袋体を構成する部材(カイロ用粘着シート)として利用することができる。図2は、本発明のカイロ用粘着部材が使用されたカイロの一例を示す概略断面図である。図2において、4はカイロ、5はカイロ用粘着部材、5aは粘着剤層、5bは基材、6はカイロ用袋体形成部材、7は発熱体成分を示す。図2では、カイロ4は、基材5bの片面に粘着剤層5aが部分的に形成されたカイロ用粘着部材5が、カイロ用袋体形成部材6と袋体となるようにヒートシールされ、且つ該袋体の内部には発熱体成分7が封入されている構成を有している。前記カイロ用袋体形成部材6としては、ナイロン不織布がラミネートされたポリエチレン系多孔質フィルムを用いることができる。
なお、該カイロ4を作製する方法としては、特に制限されないが、例えば、カイロ用粘着部材5と、カイロ用袋体形成部材6とを、所定の面が対向する形態で重ねて合わせて、開口部を有するように周囲をヒートシールして開口部を有する袋体(例えば、3方をヒートシールした袋体など)を作製し、該開口部を有する袋体の内部に前記開口部から発熱体成分7を投入した後、前記開口部をヒートシールすることにより、袋体に発熱体成分を封入して、カイロを作製する方法などが挙げられる。
なお、本発明のカイロ用粘着部材は、基材の背面が剥離性ヒートシール層である場合、図3で示されるように、各カイロ用粘着部材が連続的に形成された長尺帯状の連続体を、粘着剤層が基材の背面側の剥離性ヒートシール層に重ね合わせられ、ロール状に巻回された形態で供給することができる。そのため、カイロ用袋体形成部材も、各カイロ用袋体形成部材が連続的に形成された長尺帯状の連続体を用い、カイロ用粘着部材に係る長尺帯状の連続体と、カイロ用袋体形成部材に係る長尺帯状の連続体とを、所定の位置関係で重ね合わせてヒートシールした後、所定の形状となるように、各カイロに切断することにより、各カイロを作製することができる。従って、カイロ用粘着部材に係る長尺帯状の連続体としては、カイロの形状に対応した形状を有しているカイロ用粘着部材が、連続的に形成された構成を有していてもよいが、カイロの形状に対応した形状よりも大きな形状を有しているカイロ用粘着部材が、連続的に形成された構成を有していてもよい。
図3は本発明のカイロ用粘着部材が供給される形態の例を示す概略図である。図3において、11、12は、それぞれ、長尺帯状の各カイロ用粘着部材の連続体である。2、2a、2b、3a、3bは、前記に同じであり、2は基材、2aは剥離性ヒートシール層、2bは不織布基材、3a、3bは、それぞれ、粘着剤層である。図3(a)〜(b)で示される長尺帯状の各カイロ用粘着部材の連続体(11,12)は、各カイロ用粘着部材が連続的に形成された長尺帯状の連続体であり、粘着剤層(3a,3b)が、剥離性ヒートシール層2aに重ね合わせられ、ロール状に巻回された形態を有している。従って、長尺帯状の各カイロ用粘着部材の連続体(11,12)の巻回体では、粘着剤層(3a,3b)は、基材2の背面側の剥離性ヒートシール層2aの表面により保護されており、剥離ライナーが用いられていない。なお、利用時には、長尺帯状の各カイロ用粘着部材の連続体(11,12)の巻回体を巻き戻し、適宜な大きさや形状などに切断することにより、各カイロ用粘着部材を得ることができる。もちろん、巻回体から巻き戻して切断する際には、適宜な大きさに切断し、カイロの袋体を形成した後に、カイロ用袋体形成部材を形成するための部材とともに、適宜な形状に切断して用いることができる。
図3(a)〜(b)で示される長尺帯状の各カイロ用粘着部材の連続体(11,12)は、粘着剤層(3a,3b)が剥離性ヒートシール層2aに重ね合わせられた状態でロール状に巻回された形態を有しているが、長尺帯状の各カイロ用粘着部材の連続体は、図1(c)〜(d)で示されるように、粘着剤層が剥離ライナー(セパレータ)で保護された状態でロール状に巻回された形態を有していてもよい。
なお、カイロ用粘着部材は、カイロにおける発熱体成分を封入する袋体に貼付して用いることも可能である。
[カイロ]
本発明のカイロ用粘着部材が用いられたカイロ(貼るタイプのカイロ)としては、前記カイロ用粘着部材が使用されていれば、その構成は特に制限されないが、前記図2で示されるように、カイロ用粘着部材が発熱体成分を封入する袋体を構成する部材(カイロ用粘着シート)として使用された構成を有するものを好適に用いることができる。
このようなカイロとしては、粘着剤層を有しているので、衣類または履物に貼付して用いられるカイロとして用いることができる。特に、カイロ用粘着部材の粘着剤層は、ウレタン系粘着剤により形成されているとともに、ゲル分率が30重量%以上となっているので、高温や高圧が加わるような過酷な条件下であっても、カイロ用粘着部材の粘着剤層を利用して被着体にカイロを貼付して使用した後に、カイロを被着体より剥がす際には、被着体に糊残りを生じさせず(粘着成分を残存させず)に、容易に剥がすことができる。そのため、本発明のカイロ用粘着部材が用いられたカイロ(特に、使い捨てカイロ)は、特に、靴下(例えば、足の裏側に位置する靴下の外面部分)に貼付して用いられるカイロ(靴下用カイロ)や、靴(例えば、内部側の底面部分)に貼付して用いられるカイロ(靴用カイロ)として好適に用いることができる。
このような靴下用カイロや、靴用カイロは、例えば、図4で示されるような形状を有している。図4は、本発明のカイロ用粘着部材が使用されたカイロの他の例を示す概略図であり、図4(a)はカイロ用粘着部材側から見たカイロの概略平面図、図4(b)はカイロ用袋体形成部材側から見たカイロの概略平面図である。図4(a)及び(b)において、8は靴下用又は靴用カイロ、8aはカイロ用粘着部材、8a1はカイロ用粘着部材8aにおける粘着剤層、8a2はカイロ用粘着部材8aにおける基材、8bはカイロ用袋体形成部材、8cはヒートシール部である。靴下用カイロや靴用カイロは、図4で示されるように、足のつま先側の部分に対応した形状を有している。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
[基材]
カイロ用粘着シートの基材として、ナイロン系スパンボンド不織布(30g/m2)に、ポリエチレン系ヒートシール層(厚み30μm)を積層した構造の不織布複合基材(「不織布複合基材A」と称する場合がある)を用いた。
[粘着剤]
カイロ用粘着シートの粘着剤層を構成する粘着剤として、紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤(架橋又は硬化後のゲル分率が50重量%となる;ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有している紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤;共栄社化学株式会社製;「ウレタン系粘着剤A」と称する場合がある)を用いた。
[カイロ用粘着シート]
前記ウレタン系粘着剤Aを、ホットメルト粘着剤コーターにて、140℃に加熱して溶融させ、前記不織布複合基材Aの不織布側の面に、70g/m2の塗布量となるように塗工した後、粘着塗工ダイスの位置から約1m離れた位置に設置した窒素置換設備を配した紫外線照射装置にて紫外線照射を行って、硬化(架橋)させて粘着剤層(ゲル分率:50重量%)を形成し、さらに、粘着剤層上に剥離紙を貼り合わせて、ロール状に巻回させて巻き取り、カイロ用粘着シートを作製した。
(実施例2)
粘着剤として、紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤(架橋又は硬化後のゲル分率が42重量%となる;ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有している紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤;共栄社化学株式会社製)を用いて、粘着剤層(ゲル分率:42重量%)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、カイロ用粘着シートを作製した。
(実施例3)
粘着剤として、紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤(架橋又は硬化後のゲル分率が60重量%となる;ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有している紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤;共栄社化学株式会社製)を用いて、粘着剤層(ゲル分率:60重量%)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、カイロ用粘着シートを作製した。
(実施例4)
粘着剤として、紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤(架橋又は硬化後のゲル分率が75重量%となる;ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有している紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤;共栄社化学株式会社製)を用いて、粘着剤層(ゲル分率75重量%)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、カイロ用粘着シートを作製した。
(比較例1)
粘着剤として、紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤(架橋又は硬化後のゲル分率が25重量%となる;ビニル基含有官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有している紫外線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤;共栄社化学株式会社製)を用いて、粘着剤層(ゲル分率:25重量%)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、カイロ用粘着シートを作製した。
(評価)
実施例1〜4、比較例1で得られたカイロ用粘着シートについて、下記の測定方法又は評価方法により、粘着力(対ステンレス板、対標準JIS綿布)、糊残り防止性を評価した。これらの結果は、表1に示した。
(粘着力の測定方法)
カイロ用粘着シートを、幅20mm、長さ100mmに切断してサンプルを作製し、該サンプルをステンレス板または標準JIS綿布に、2kgのローラーを1往復する方法で貼付し、貼付してから30分後、引張試験機を使用して、引張速度:300mm/分、剥離角度:180°、温度:23℃、湿度:50%RHにて剥離し、その際の粘着力(N/20mm)を測定した。
(糊残り防止性の評価方法)
カイロ用粘着シートを、幅20mm、長さ100mmに切断してサンプルを作製し、該サンプルを標準JIS綿布に、2kgのローラーを1往復する方法で貼り合わせ、ヒートシール試験機にて、各温度(60℃、70℃、80℃、90℃)で、エアー圧力:4kg/cm2(3.92×105Pa)、時間:5分の条件で、加熱圧着させた後、すぐに、粘着テープを手で剥がし、その際に、標準JIS綿布表面への糊残り(粘着成分の残存)の有無を目視にて観察し、糊残りがない場合を「○」、糊残りが多少ある場合を「△」、糊残りが多数ある場合を「×」として評価した。
Figure 2006288690
なお、実施例1〜4および比較例1において用いられた粘着剤による粘着剤層のゲル分率(重量%)は、以下の(粘着剤層のゲル分率の測定方法)により求めた。
(粘着剤層のゲル分率の測定方法)
架橋後の粘着剤を約0.1g程度サンプリングし、テフロン膜(フッ素系樹脂製の膜)に包み、たこ糸で口を閉じて、ゲル分率測定用試料を調製する。この際、テフロン膜の重量(Wa)、タコ糸の重量(Wb)、全体(ゲル分率測定用試料)の重量(W1)を、それぞれ、測定しておく。従って、サンプリングした架橋後の粘着剤の重量は、[W1−(Wa+Wb)]となる。
スクリュー管(ビン)にゲル分率測定用試料を入れた後、トルエンを入れて密閉し、ゲル分率測定用試料をトルエン中に浸漬させた状態で23℃で7日間放置する。
7日間放置後、スクリュー管を開けて、トルエン中よりゲル分率測定用試料を取り出し、アルミニウム製のシャーレに載せ、130℃で2時間乾燥させ、その後、室温で30分間放置した後、浸積後のゲル分率測定用試料の重量(W2)を測定する。
そして、下記の式(a)に基づいて、ゲル分率(重量%)を算出する。
ゲル分率(重量%)=[W2−(Wa+Wb)]/[W1−(Wa+Wb)]×100
[式(a)において、W1は浸漬前のゲル分率測定用試料の重量、W2は浸積後のゲル分率測定用試料の重量、Waはテフロン膜の重量、Wbはタコ糸の重量である]
表1より、実施例に係るカイロ用粘着シートは、高温下、高圧力で加熱圧着して、綿布に貼り合わせても、加熱圧着時の温度が80℃以下では、綿布表面には糊残りが全く生じておらず、糊残り防止性が優れている。特に、粘着剤層のゲル分率が50重量%以上となる実施例1、実施例3などでは、加熱圧着時の温度が90℃という高温であっても、綿布表面には糊残りが全く生じていない。
しかも、実施例1〜3では、粘着剤層のゲル分率が適度になっているため、ステンレス板や標準JIS綿布に対する粘着性も良好であり、特に、実施例1では、粘着性が極めて優れている。
従って、実施例1〜4に係るカイロ用粘着シートのなかでも、実施例1〜3に係るカイロ用粘着シートは、総合的に見て、良好であり、特に実施例1に係るカイロ用粘着シートは、極めて優れている。
一方、比較例1に係るカイロ用粘着シートは、粘着剤層のゲル分率が30重量%未満のため、綿布表面には糊残りが生じており、糊残り防止性が低い。
図1(a)〜(d)は、本発明のカイロ用粘着部材の例を示す概略断面図である。 図2は、本発明のカイロ用粘着部材が使用されたカイロの一例を示す概略断面図である。 図3は、本発明のカイロ用粘着部材が供給される形態の例を示す概略図である。 図4は、本発明のカイロ用粘着部材が使用されたカイロの他の例を示す概略図である。 従来の一般的な使い捨てカイロの構成の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
1a カイロ用粘着部材
1b カイロ用粘着部材
2 基材
2a 剥離性ヒートシール層
2b 不織布基材
3a 粘着剤層
3b 粘着剤層
31 剥離ライナー(セパレータ)
4 カイロ
5 カイロ用粘着部材
5a 粘着剤層
5b 基材
6 カイロ用袋体形成部材
7 発熱体成分
8 靴下用又は靴用カイロ
8a カイロ用粘着部材
8a1 カイロ用粘着部材8aにおける粘着剤層
8a2 カイロ用粘着部材8aにおける基材
8b カイロ用袋体形成部材
8c ヒートシール部
91 粘着シート
91a ヒートシール層
91b フィルム層
91c 粘着剤層
91d セパレータ
92 オレフィン系多孔質フィルム
93 発熱体成分

Claims (9)

  1. 基材の片面に粘着剤層を有するカイロ用粘着部材であって、粘着剤層が、ウレタン系粘着剤により形成され、且つ粘着剤層のゲル分率が、30重量%以上であることを特徴とするカイロ用粘着部材。
  2. ウレタン系粘着剤が、熱溶融型ウレタン系粘着剤である請求項1記載のカイロ用粘着部材。
  3. ウレタン系粘着剤が、エネルギー線硬化性熱溶融型ウレタン系粘着剤である請求項2記載のカイロ用粘着部材。
  4. ウレタン系粘着剤が、ビニル基を含む反応性官能基を有するウレタン系プレポリマーを含有している請求項1〜3の何れかの項に記載のカイロ用粘着部材。
  5. 粘着剤層が、ウレタン系粘着剤を基材の片面に塗布することにより形成されている請求項1〜4の何れかの項に記載のカイロ用粘着部材。
  6. 基材が2層以上で構成され且つ少なくとも一方の表面に不織布基材を有する積層基材であり、粘着剤層が前記積層基材の片面の不織布基材上に形成されている請求項1〜5の何れかの項に記載のカイロ用粘着部材。
  7. 基材における粘着剤層が形成されていない側の面が、ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面となっている請求項6記載のカイロ用粘着部材。
  8. ヒートシール性及び粘着剤層に対する離型性を有している面が、オレフィン系樹脂組成物により形成されたオレフィン系樹脂層の表面である請求項7記載のカイロ用粘着部材。
  9. 衣類または履物に貼付して用いられるカイロにおける発熱体成分を封入する袋体を構成する部材としてのカイロ用粘着シートである請求項1〜8の何れかの項に記載のカイロ用粘着部材。
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