JP2022515539A - 熱結合性接着テープバッキング - Google Patents

Abstract

開示された熱結合性接着テープバッキングは、１つの表面に存在する感圧接着剤と、デバイスに熱結合するための反対側の表面に存在する熱可塑性ポリウレタン接着剤とを有する。熱可塑性ポリウレタン接着剤は、比較的低温で軟化及び溶融する。したがって、熱可塑性ポリウレタン接着剤の溶融が達成される一方で、感圧接着剤は定位置に留まり、熱結合の領域において押し退けられない。

Description

本開示は、熱結合性接着テープバッキング、熱結合性接着テープバッキングに熱結合されたデバイス、及びデバイスを熱結合性接着テープバッキングに熱結合する方法に関する。

露出した感圧接着剤表面は、デバイスを様々な物品に固定するために良好に機能する。例えば、医療用デバイスは、感圧接着剤を使用して、医療用デバイスを皮膚に固定することができる。デバイスと感圧接着剤との間に強力な付着を得るために、典型的には、感圧接着剤を含有するフィルム、不織材、又は布地を含有するバッキングが、デバイスの表面に固定される。多くの場合、デバイスはポリマーであり、したがって、デバイスのポリマー材料と感圧接着剤を含有するポリマー層との間で結合を得ることは困難となり得る。感圧接着フィルムをデバイスに固定するために、追加の接着剤及び接着テープを使用することができる。あるいは、プラスチック部品を融合するために熱結合が一般的に使用される。

開示される熱結合性接着テープバッキングは、感圧接着剤表面と、デバイスへの熱結合のための熱結合性表面とを有する。開示される熱結合性接着テープバッキングは、下にある感圧接着剤の接着強度も維持しながら、デバイスに十分に固定する熱結合性表面を含む。

熱が感圧接着剤中に伝達されて、熱結合性表面とデバイスとの間に結合が生じると、感圧接着剤の粘度が低下する。結合熱が高すぎる場合、感圧接着剤は、熱結合の領域で変位して、感圧接着剤が接着強度を失い得る。

開示される熱可塑性ポリウレタン接着剤は、熱結合性表面において比較的低温で軟化及び溶融する。したがって、熱可塑性ポリウレタン接着剤の溶融が達成される一方で、感圧接着剤表面は定位置に留まり、熱結合の領域において押し退けられない。

加えて、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、高表面エネルギーポリマーデバイスに結合し、該デバイスは多くの場合、硬質で耐久性があり、一般的に医療用デバイス又はウェアラブルデバイスの外部表面に使用される。これらの医療用デバイス又はウェアラブルデバイスが熱結合性接着テープバッキングに強く結合されると、熱可塑性ポリウレタン接着剤との界面で強力かつ確実な接続が行われると同時に、感圧接着剤を皮膚のような表面と接触させるために使用することができる。

一実施形態では、物品は、デバイスと、熱結合性接着テープバッキングとを含む。熱結合性接着テープバッキングは、第１主面と、第１主面とは反対側の第２主面とを含む。熱結合性接着テープバッキングは、第１主面に存在する熱可塑性ポリウレタン接着剤と、第２主面に存在する感圧接着剤とを有する。デバイスは熱可塑性ポリウレタン接着剤に熱結合される。感圧接着剤は、デバイスの下にある領域に留まっている。

一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、デバイスの熱可塑性表面に結合している。一実施形態では、デバイスの熱可塑性表面は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はこれらの組み合わせである。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は１４０℃未満の溶融温度を有する。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、１３０℃未満の軟化温度を有する。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、ポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポリカプロラクトン単位、又はこれらの組み合わせを追加的に含む。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、第１主面において連続的に広がっている。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、第１主面においてパターン状である。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、第１主面においてフィルム状である。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、粒子、繊維、布地、織布材料、又は不織材料を含む。

一実施形態では、熱結合性接着テープバッキングは、感圧接着剤に隣接し、且つ熱可塑性ポリウレタン接着剤に隣接する支持材を更に含む。一実施形態では、支持材は感圧接着剤に隣接し、且つ熱可塑性ポリウレタン接着剤中に分散されている。一実施形態では、支持材は、フィルム、布地、織物、編物、又は不織材である。

一実施形態では、感圧接着剤は、第２主表面において連続的に広がっている。一実施形態では、感圧接着剤は、第１主面においてパターン状である。一実施形態では、感圧接着剤は、第１主面においてフィルム状である。一実施形態では、バッキングは、感圧接着剤を被覆するライナーを更に含む。一実施形態では、感圧接着剤は、アクリレート接着剤又はシリコーン接着剤である。

一実施形態では、デバイスは、１２０℃超１４０℃未満の熱、約５ポンド／インチ^２の作用力、及び約５秒の時間で、熱可塑性ポリウレタン接着剤に熱結合される。

一実施形態では、感圧接着剤は、第１の皮膚粘着（stick-to-skin）剥離力及び第２の皮膚粘着剥離力を有する。第１の皮膚粘着剥離力は、ある持続時間にわたって熱及び力を第２主面に適用する前に決定され、第２の皮膚粘着剥離力は、ある持続時間にわたって熱及び力を第２主面に適用した後に決定される。一実施形態では、第２の皮膚粘着剥離力は、第１の皮膚粘着剥離力の少なくとも８５％である。一実施形態では、第２の皮膚粘着剥離力は、第１の皮膚粘着剥離力の少なくとも９０％である。

一実施形態では、物品を作製する方法は、熱結合性接着テープバッキングを準備する工程と、デバイスを熱結合性接着テープバッキングの熱可塑性ポリウレタン接着剤と接触させる工程と、デバイスの熱可塑性表面及び熱可塑性ポリウレタン接着剤の少なくとも一部分を加熱する工程と、熱可塑性ポリウレタン接着剤を軟化させて、デバイスの熱可塑性表面及び熱可塑性ポリウレタン接着剤を固定する工程と、を含む。一実施形態では、加熱要素は、熱結合性テープバッキングの第２主面に接触して、熱可塑性ポリウレタン接着剤を加熱する。一実施形態では、第２主面は剥離ライナーで被覆されていてもよく、加熱要素は剥離ライナーに接触する。一実施形態では、加熱要素は、１２０℃超１４０℃未満の熱、約５ポンド／インチ^２の作用力、及び約５秒の時間で、第２主面と接触する。

一実施形態では、物品は、熱結合性接着テープバッキングの第２表面を、皮膚などの基材に適用することによって使用される。一実施形態では、ライナーは、基材への適用の前に、熱結合性テープバッキングの第２表面から除去される。

バッキングに固定されたデバイスの側面断面図であり、熱プレスからの圧力及び熱が、デバイスの下の感圧接着剤を変位させている。

デバイスに固定された熱結合性接着テープバッキングの一実施形態の側面断面図である。

デバイスに固定された熱結合性接着テープバッキングの別の実施形態の側面断面図である。

熱結合性接着テープバッキングと接触するデバイス及び熱プレスの側面断面図である。

上記の図面は本発明の実施形態を表しているが、説明において述べるように、他の実施形態も想到される。全ての場合において、本開示は、限定ではなく代表例の提示によって、本発明を提示する。本発明の範囲及び趣旨に含まれる多数の他の修正形態及び実施形態が当業者によって考案され得ることは理解されよう。図は、縮尺通りに描かれていないことがある。

グルコース監視デバイス又はインスリンポンプなどの医療用デバイスは、薬剤の連続的モニタリング又は送達のためにヒトの皮膚に適用される。これらのデバイスは、数日間、時には数週間にわたってヒトの皮膚に安全に固定される必要がある。心拍数モニタなどのウェアラブルデバイスも、個人の健康又は運動を追跡するためにヒトの皮膚に適用され得る。モニタリングの完了後、デバイスは、下にある皮膚を損傷することなく、皮膚から除去される。したがって、医療デバイス又はウェアラブルデバイスを、数日又は数週間にわたってヒトの皮膚に直接しっかりと取り付ける必要がある場合、デバイスと皮膚との間に強力な接着剤が必要となる。

バッキングは、デバイスがバッキングの片側に強く固定される場合に使用することができ、一方で（皮膚と接触して配置される）反対側は、デバイスを数日間又は数週間保持することができると同時に取り外し可能でもある接着剤を有する。典型的には、感圧接着剤が使用される。典型的には、負荷を分散し安定性をもたらすために、感圧接着剤を含有する表面の面積はデバイスよりも大きい。

デバイスをバッキングに固定するために、流動性ホットメルト接着剤を使用することができ、又は固化したホットメルト接着剤を、熱及び圧力の適用によってデバイスに熱結合することができる。流動性ホットメルト接着剤は、デバイスをバッキングに接続するための製造方法を、より低速とし得、したがって、熱結合の方が望ましい方法となり得る。

熱結合は、典型的には、互いに接触するプラスチック表面を溶融し、一緒にブレンドするために、熱及び圧力を必要とする。場合によっては、結合を形成するために高い温度及び圧力が必要とされる。これらの高い温度及び圧力条件は、一緒に結合されている材料を損傷し得、又は材料を流動させ得る。例えば、図１は、高い温度及び圧力を使用して、バッキング１００をデバイス２００に熱結合したときに観察される問題の側面断面図を示す。高い温度及び圧力下で、デバイス２００の下にある熱結合領域４００に存在する感圧接着剤１２０は容易に押し退けられ、それにより、熱結合領域４００に存在する感圧接着剤１２０の接着強度が低下し得る。

開示された熱結合性接着テープバッキングは、感圧接着剤表面と、デバイスへの熱結合のための熱結合性表面とを有する。熱結合性表面に存在する熱可塑性ポリウレタン接着剤は、熱結合の熱及び圧力下で感圧接着剤を著しく変位させるのを回避するために十分に低い温度で軟化又は溶融する。したがって、熱可塑性ポリウレタン接着剤の軟化又は溶融が達成される一方で、感圧接着剤表面は熱結合の領域において定位置に留まっている。

加えて、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、高表面エネルギーポリマーデバイスに結合することができ、該デバイスは多くの場合、硬質で耐久性があり、一般的に医療用デバイス又はウェアラブルデバイスの外部表面に使用される。これらの医療用デバイス又はウェアラブルデバイスが熱結合性接着テープバッキングに強く結合されると、熱可塑性ポリウレタン接着剤との界面で強力かつ確実な接続が行われると同時に、感圧接着剤を皮膚のような表面との接触に使用することができる。

図２は、プラスチックデバイス２００に結合された熱結合性接着テープバッキング１００の第１の実施形態の側面断面図である。バッキング１００は、第１主面１０２と、第１主面１０２の反対側の第２主面１０４とを有する。熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、第１主面１０２にある。感圧接着剤１２０は、第２主表面１０４にある。任意に、感圧接着剤１２０に剥離ライナー１３０を適用して、使用まで感圧接着剤１２０を隠すことができる。

図２に示すように、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、バッキング１００中への熱及び圧力の適用後にデバイス２００との接着を達成し、一方で感圧接着剤１２０は、第２主面１０４において実質的に均一を維持する。感圧接着剤１２０は、実質的に変位していなかった。感圧接着剤１２０の変位は、感圧接着剤１２０の接着強度を低下する。比較的低い溶融温度又は軟化温度を有する熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、デバイスへの接着をもたらすが、感圧接着剤１２０においてはより低い熱及び圧力が必要であり、そのため感圧接着剤１２０が変位し得る。一実施形態では、図１に示すような熱結合中の感圧接着剤１２０の変位を防止するために、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、１４０℃未満の溶融温度又は１３０℃未満の軟化温度を有する。

図示のように、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、第１主面１０２の実質的に全てを被覆する。一部の実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、プラスチックデバイス２００の下にある第１主面１０２の一部分のみを被覆し得ることが理解される。

同様に、図示のように、感圧接着剤１２０は、第２主表面１０４の実質的に全てを被覆する。一部の実施形態では、感圧接着剤１２０は、第２主面１０４の一部分のみを被覆し得ることが理解される。

図３は、熱結合性多層バッキング１００の第２の実施形態の側面断面図である。この実施形態では、バッキング１００は、図２の実施形態と同様であるが、支持材１１５を追加的に含む。支持材１１５は、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０と感圧接着剤１２０との間にある。支持材１１５は、薄い可撓性バッキング１００に強度及び構造を提供することができる。一部の実施形態では、支持材１１５は、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０及び／又は感圧接着剤１２０に部分的又は全体的に貫入することができる。一部の実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、支持材１１５の表面に存在する別々の層である。一部の実施形態では、感圧接着剤１２０は、支持材１１５の表面に存在する別々の層である。

図４は、熱結合性接着テープバッキング１００と接触するデバイス２００及び熱プレス３００の側面断面図である。バッキング１００の感圧接着剤１２０が変形及び変位し得る図１に示される方法とは異なり、下にある感圧接着剤１２０は、デバイス２００を熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０に結合するために使用される熱及び圧力下で、変位しないか、又はわずかしか変位しない。

理論に束縛されるものではないが、本開示による熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、典型的にはそれ自体以外の熱可塑性基材には融着可能ではないポリカーボネート又はアクリロニトリルブタジエンスチレンなどの高エネルギー熱可塑性プラスチックに有利に結合することが確認された。この特性は、高表面エネルギー熱可塑性デバイス２００をバッキングに結合することができ、それを次に皮膚に適用することができるようにするのに、有利である。更に、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、熱が適用されたときに感圧接着剤１２０が著しく変位するのを回避するのに十分低い温度で溶融する。これは、熱及び圧力が適用されたときに、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０が熱可塑性デバイス２００の表面と結合でき、感圧接着剤１２０を変位させない点で有利である。したがって、感圧接着剤１２０は、図１に示されるように変位されたときよりも効果的に患者の皮膚に結合できる。

開示される熱結合性接着テープバッキング１００は、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０と、感圧接着剤１２０と、任意に支持材１１５と、任意に剥離ライナー１３０と、任意に追加の充填剤と、を含む。

熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、感圧接着剤の著しい流動を回避するのに十分に低い溶融温度を有する。感圧接着剤１２０は、第２主面１０４上で実質的に均一（すなわち、均一な厚さ又は均一な体積）を維持する。具体的には、感圧接着剤１２０は、熱結合の領域（すなわち、結合されたデバイス２００の下にある領域）及び熱結合の外側の隣接領域において、実質的に均一を維持する。感圧接着剤１２０は、熱結合を形成するために必要な圧力が適用されたときに、容易に変位され得る。変位とは、熱を適用した後に、熱を適用する前よりも少ない感圧接着剤１２０が表面上に存在し、そのため接着力が低減することを意味する。変位は、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０を溶融するための温度が、感圧接着剤１２０の温度を、感圧接着剤１２０を表面から流動させるのに十分な温度まで上昇させた場合に起こり得る。一実施形態では、変位が発生し始める温度は、一般に使用されるアクリレート系及びシリコーン系感圧接着剤の場合、約１４０℃である。したがって、一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、１４０℃未満の溶融温度又は１３０℃未満の軟化温度を有する。

熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、ポリエステル単位、ポリエーテル単位、ポリカプロラクトン単位、及びこれらの組み合わせを含むことができる。ポリエステル単位、ポリエーテル単位、ポリカプロラクトン単位を有する熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、高エネルギー熱可塑性デバイスとの適合性がより大きいことが確認された。好適な熱可塑性ポリウレタン接着剤の例は、Ｌｕｂｒｉｚｏｌ Ａｄｖａｎｃｅｄ Ｍａｔｅｒｉａｌｓ（Ｂｒｅｃｋｓｖｉｌｌｅ，ＯＨ）から入手可能なＬｕｂｒｉｚｏｌ（商標）Ｐｅａｒｌｂｏｎｄ １１６０Ｌ、Ｌｕｂｒｉｚｏｌ（商標）Ｐｅａｒｌｂｏｎｄ ３６０ ＥＸＰ、又はＬｕｂｒｉｚｏｌ（商標）Ｔｅｃｏｆｌｅｘ ＥＧ－８０Ａである。

熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、概ね、ポリオール又は長鎖ジオールを、ジイソシアネート及び任意による短鎖ジオール鎖延長剤（extender）と重合することによって調製される。重合の方法及び追加の添加剤は、当業者に公知である。例えば、国際公開第２０１６／１４４６７６号は、本開示に従って使用できる熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０を開示しており、その開示が参照により本明細書に組み込まれる。

有用なポリイソシアネートの例としては、４，４’－メチレンビス（フェニルイソシアネート）（ＭＤＩ）、１，６－ヘキサメチレンジイソシアネート（ＨＤＩ）、ｍ－キシレンジイソシアネート（ＸＤＩ）、フェニレン－１，４－ジイソシアネート、ナフタレン－１，５－ジイソシアネート、及びトルエンジイソシアネート（ＴＤＩ）などの芳香族ジイソシアネート、並びにイソホロンジイソシアネート（ＩＰＤＩ）、１，４－シクロヘキシルジイソシアネート（ＣＨＤＩ）、デカン－１，１０－ジイソシアネート、リジンジイソシアネート（ＬＤＩ）、１，４－ブタンジイソシアネート（ＢＤＩ）、イソホロンジイソシアネート（ＰＤＩ）、３，３’－ジメチル－４，４’－ビフェニレンジイソシアネート（ＴＯＤＩ）、１，５－ナフタレンジイソシアネート（ＮＤＩ）、及びジシクロヘキシルメタン－４，４^’－ジイソシアネート（Ｈ１２ＭＤＩ）が挙げられる。これらのジイソシアネートの異性体も有用であり得る。２つ以上のポリイソシアネートの混合物が使用されてもよい。一部の実施形態では、ポリイソシアネートはＭＤＩ及び／又はＨ１２ＭＤＩである。一部の実施形態では、ポリイソシアネートはＭＤＩから本質的になる。一部の実施形態では、ポリイソシアネートはＨ１２ＭＤＩから本質的になる。

含ジオールポリエステル中間体としては、約５００～約１０，０００、例えば、約３，０００～約６，０００ダルトン、更に例えば約４，０００～約６，０００ダルトンの数平均分子量（Ｍ_ｎ）を有する直鎖ポリエステルが挙げられる。分子量は、末端官能基のアッセイによって決定され、数平均分子量に関連する。ポリエステル中間体は、（１）１つ以上のグリコールと１つ以上のジカルボン酸若しくはジカルボン酸無水物とのエステル化反応、又は（２）エステル交換反応、すなわち、１つ以上のグリコールとジカルボン酸のエステルとの反応、によって生成されてもよい。末端ヒドロキシル基が優勢である直鎖を得るために、酸に対して１モル超の過剰のグリコールのモル比が概ね好ましい。所望のポリエステルのジカルボン酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、又はこれらの組み合わせであり得る。単独で又は混合物で使用され得る好適なジカルボン酸は、概ね、合計４～１５個の炭素原子を有し、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。無水フタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物などの上記ジカルボン酸の無水物も使用できる。所望のポリエステル中間体を形成するために反応させるグリコールは、脂肪族、芳香族、又はこれらの組み合わせであり得、合計で２～２０個、又は２～１２個の炭素原子を有する。好適な例としては、エチレングリコール、１，２－プロパンジオール、１，３－プロパンジオール、１，３－ブタンジオール、１，４－ブタンジオール、１，５－ペンタン－ジオール、１，６－ヘキサンジオール、２，２－ジメチル－１，３－プロパンジオール、１，４－シクロヘキサンジメタノール、デカ－メチレングリコール、ドデカメチレングリコール、及びこれらの混合物が挙げられる。

好適な含ジオールポリエーテル中間体としては、合計で２～１５個の炭素原子を有するジオール又はポリオールから誘導されるポリエーテルポリオールが挙げられる。一部の実施形態では、ヒドロキシル末端ポリエーテルは、２～６個の炭素原子を有するアルキレンオキシド、典型的にはエチレンオキシド若しくはプロピレンオキシド、又はこれらの混合物を含むエーテルと反応した、アルキルジオール又はグリコールである。例えば、ヒドロキシル官能性ポリエーテルは、最初にプロピレングリコールをプロピレンオキシドと反応させ、続いてエチレンオキシドと反応させることによって生成することができる。エチレンオキシドから生じる一級ヒドロキシル基は、二級ヒドロキシル基よりも反応性が高く、したがって好ましい。有用な市販のポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコールと反応したエチレンオキシドを含むポリ（エチレングリコール）、プロピレングリコールと反応したプロピレンオキシドを含むポリ（プロピレングリコール）、テトラヒドロフランと反応した水を含むポリ（テトラメチレンエチレングリコール）（これは、重合テトラヒドロフランと記載でき、一般にＰＴＭＥＧと称される）が挙げられる。

熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、フィルムとして適用されてもよく、及び／又は支持材１１５に埋め込まれてもよい。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタンは、バッキング１００の全表面積を被覆する。一部の実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、バッキング１００の一部分のみを被覆する。一部の実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、デバイス２００の下にあるバッキング１１０の一部分を被覆する。例えば、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、選択領域に適用されてもよく、又は線、別個の要素などのパターンとして適用されてもよい。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、ペレット、粒子、ストランド、又は繊維状に形成され、バッキング１１０上で使用されてもよい。例えば、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０が、従来の繊維形成技術を使用して繊維状に形成された場合、それらの熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０繊維は、それ自体が、バッキング１００で使用するための織物、編物、又は不織材に形成されてもよい。

熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０は、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０に埋め込まれた他の充填剤又は材料を任意に含むことができる。任意による追加の充填剤及び材料としては、繊維、シリカ、ウェビング材料、織物材料、吸収性粒子及び繊維、不織材料、及び金属微粒子を挙げることができる。一実施形態では、熱可塑性ポリウレタン接着剤は、１４０℃未満、１３５℃未満、１３０℃未満の温度で溶融する。

感圧接着剤１２０としては、皮膚に対して許容される接着力を提供し、皮膚での使用が許容される（例えば、接着剤は、好ましくは非刺激性及び非感作性である必要がある）任意の接着剤を挙げることができる。感圧接着剤１２０は、熱結合の後、第２主面１０４上で実質的に均一（すなわち、均一な厚さ又は均一な体積）を維持する必要がある。具体的には、感圧接着剤１２０は、熱結合の領域（すなわち、結合されたデバイス２００の下にある領域）と熱結合の外側の隣接領域との間において、実質的に均一を維持する。一実施形態では、好適な感圧接着剤１２０は、１４０℃超の温度で変位される接着剤を含む。変位とは、熱を適用した後に、熱を適用する前よりも少ない感圧接着剤が表面上に存在し、そのため接着力が低減することを意味する。変位は、熱可塑性ポリウレタン接着剤を溶融するための温度が、感圧接着剤の温度を、感圧接着剤を表面から流動させるのに十分な温度まで上昇させた場合に起こり得る。

感圧接着剤１２０の変位は、感圧接着剤１２０の皮膚への接着力の低下を引き起こし得る。剥離力は、感圧接着剤の接着力の１つの尺度である。皮膚粘着剥離力は、当該技術分野において既知の方法を使用して測定できる。一実施形態では、バッキング１００に熱が適用された後の感圧接着剤１２０の皮膚粘着剥離力は、バッキング１００に熱を適用する前の皮膚粘着剥離力を基準にして、少なくとも８５％、少なくとも９０％、又は少なくとも９５％である。

好適な接着剤は感圧性であり、ある特定の実施形態では、水分蒸発を可能にする比較的高い水蒸気透過率を有する。好適な感圧接着剤１２０としては、アクリレート系、ウレタン系、ヒドロゲル系、親水コロイド系、ブロックコポリマー系、シリコーン系のもの、ゴム系接着剤（天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴムなどを含む）、並びにこれらの接着剤の組み合わせが挙げられる。接着剤成分は、粘着付与剤、可塑剤、レオロジー調整剤、並びに例えば抗菌剤を含む活性成分を含有していてもよい。

バッキング１００に使用され得る感圧接着剤１２０は、典型的には皮膚に適用される接着剤、例えば、米国再発行特許２４，９０６号に記載されているアクリレートコポリマー、特に９７：３イソオクチルアクリレート：アクリルアミドコポリマーを含んでもよい。別の例としては、米国特許第４，７３７，４１０号（実施例３１）に記載されている７０：１５：１５イソオクチルアクリレート：エチレンオキシドアクリレート：アクリル酸ターポリマーを挙げることができる。その他の場合により有用な接着剤は、米国特許第３，３８９，８２７号、同第４，１１２，２１３号、同第４，３１０，５０９号、同第４，３２３，５５７号、及び同第５，８７６，８５５号に記載されている。米国特許第４，３１０，５０９号及び同第４，３２３，５５７号に記載のように、薬剤又は抗菌剤が接着剤に含まれることも想到される。

シリコーン接着剤もまた使用することができる。概ね、シリコーン接着剤は、皮膚への好適な接着力と同時に、皮膚からの穏やかな除去を提供できる。好適なシリコーン接着剤は、国際公開第２０１０／０５６５４１号、同第２０１０／０５６５４３号、及び同第２０１３／１７３５８８号に開示されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。

感圧接着剤１２０は、一部の実施形態では、ヒトの皮膚と同等以上の速度で水蒸気を透過させ得る。このような特徴は適切な接着剤の選択により達成できるが、高い相対水蒸気透過速度を達成する他の方法、例えば米国特許第４，５９５，００１号に記載のものなど、バッキング１００上への感圧接着剤１２０のパターンコーティングなどを使用し得ることも想到される。他の場合により好適な感圧接着剤１２０としては、例えば、米国特許第６，９９４，９０４号に記載されているものなどのブローンマイクロファイバー（ＢＭＦ）接着剤を挙げることができる。バッキング１００に使用される感圧接着剤１２０はまた、接着剤自体が、例えば、米国特許第６，８９３，６５５号に記載されている高精細繰り返し構造（microreplicated structure）などの構造を含む１つ以上の領域を含んでもよい。

その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第３，６４５，８３５号及び同第４，５９５，００１号は、接着剤コーティングされたフィルムの作製方法、及びその透過性の試験方法について記載している。好ましくは、フィルム／接着剤複合体は、ヒトの皮膚と同等以上の速度で水蒸気を透過する必要がある。好ましくは、接着剤でコーティングされたフィルムは、米国特許第４，５９５，００１号に記載の逆カップ法を使用して、少なくとも３００ｇ／ｍ^２／２４時間／３７℃／１００～１０％ＲＨ、より好ましくは少なくとも７００ｇ／ｍ^２／２４時間／３７℃／１００～１０％ＲＨ、最も好ましくは少なくとも２０００ｇ／ｍ^２／２４時間／３７℃／１００～１０％ＲＨの速度で水蒸気を透過する。

バッキング１００の異なる部分は、国際公開第２０１４／００３９５７号、発明の名称「Ｍｅｄｉｃａｌ Ｄｒｅｓｓｉｎｇ ｗｉｔｈ Ｍｕｌｔｉｐｌｅ Ａｄｈｅｓｉｖｅｓ」に開示されているものなど、皮膚と接触するための異なる接着剤を含んでもよい。例えば、１つの部分はアクリレート接着剤を含んでもよく、別の部分はシリコーン接着剤を含んでもよい。一実施形態では、縁部の分離を防止するために、外辺部に隣接するのはアクリレート接着剤であり、中央部分の近くにはシリコーン接着剤が存在する。一実施形態では、中央部分付近のデバイス又はチューブに強固に固定するためにアクリレート接着剤が存在するが、皮膚と接触する外辺部付近はシリコーン接着剤である。

任意に、図３に記載されるものなど、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０に隣接する支持材１１５が存在し得る。支持材１１５は、薄い可撓性バッキング層に強度をもたらす。支持材１１５は、バッキング層よりも剛性が高く、弾性が低い。支持材１１５は、接着剤などのコーティングであってもよく、又は別のフィルム、織布、編物、若しくは不織布などの自己支持型基材であってもよい。例えば、米国特許第５，０８８，４８３号は、支持材１１５として使用され得る補強材として永久接着剤を開示している。支持材は、２つ以上の材料で構成されてもよく、追加的に複数の層で構成されてもよい。追加の層は、ライナー、接着剤、自己支持型基材、及び布地を含んでもよい。

支持材１１５用の不織材の一例は、Ｊａｃｏｂ ＨｏｌｍからＳｏｎｔａｒａの商標で入手可能な、Ｓｏｎｔａｒａ ８０１０水流交絡ポリエステル布地などの高強度不織布である。他の好適な不織布ウェブとしては、Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｐａｐｅｒ（Ｗａｌｐｏｌｅ，Ｍａｓｓ．）の一部門であるＶｅｒａｔｅｃから入手可能な水流交絡ポリエステル布地が挙げられる。別の好適な不織布ウェブは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第５，２３０，７０１号に記載の不織布エラストマーウェブである。

接着剤の混入を防止するために接着剤の全部又は一部分を被覆する任意による剥離ライナー１３０を含むことができる。一実施形態では、接着ドレッシング材が入っているパッケージが、剥離ライナー１３０として機能し得る。好適な剥離ライナーは、クラフト紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル又はこれらの材料のうちのいずれかの複合材からできたものであり得る。一実施形態では、ライナーは、フルオロ化合物又はシリコーンなどの剥離剤で被覆されている。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第４，４７２，４８０号は、低表面エネルギーペルフルオロ化合物ライナーを記載している。一実施形態では、ライナーは、シリコーン剥離材でコーティングされた紙、ポリオレフィンフィルム、又はポリエステルフィルムである。

熱結合性接着テープバッキング１００は、ロール状又はシート状で提供され得る。次に、図４に示すように、デバイス２００を熱結合性接着剤バッキング１００に結合することができる。デバイス２００をバッキング１００に結合する方法は、デバイス２００の表面を、バッキング１００の第１主面１０２に存在する熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０と接触させる工程と、加熱要素３００を、デバイス２００に垂直なバッキング１００の第２表面と接触させる工程と、デバイス２００と接触した熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０を溶融又は軟化する工程と、加熱要素３００を除去し、それによって熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０を冷却してデバイス２００に結合させる工程と、を含み得る。別の実施形態では、デバイス２００及び加熱要素をバッキング１００と接触する順序は、逆であってもよい。加熱要素の温度は、熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０を溶融させる一方で、感圧接着剤１２０を損傷しないか、又は感圧接着剤１２０を溶融流動させない、任意の温度であってもよい。一実施形態では、加熱要素の温度は、１４０℃未満であり得る。加熱要素は、バッキング１００に適用したときに熱可塑性ポリウレタン接着剤１１０を溶融することができる任意の物体とすることができる。加熱要素は、少なくとも約１ポンド／インチ^２、５ポンド／インチ^２、１０ポンド／インチ^２、１５ポンド／インチ^２、又は更には２０ポンド／インチ^２の圧力などの圧力を、バッキング１００の第２主面１０４に適用できる。

バッキング１００に結合され得るデバイス２００は、熱可塑性樹脂、金属、布地、又はバッキング１００に結合することが望ましくなり得る他の材料を含むことができる。一実施形態では、デバイス２００は、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はこれらの組み合わせを含む。デバイス２００は、図２～４に示されるように、バッキング１００の外縁部がデバイス２００の外縁部を越えて広がるように、バッキング１００の一部分に結合することができる。これは、使用者の皮膚に適用されたときに、デバイス２００の重量を、より大きな表面積のバッキング１００に拡げて、安定性をもたらすとともに、より多くの感圧接着剤１２０領域を下にある表面に固定する点で有利となり得る。加えて、バッキング１００の外縁部は、任意によるライナー１３０を除去するためのタブとして機能することができる。別の態様では、バッキング１００の外縁部は、バッキング１００を使用者の皮膚から除去するためのタブとして機能することができる。追加的な実施形態では、バッキング１００は、デバイス２００の外縁部に広がることができる。別の実施形態では、デバイス２００の外縁部は、バッキング１００の外縁部を越えて広がっている。デバイス２００は、ウェアラブル医療デバイスであってもよい。

バッキング１００の使用方法は、感圧接着剤１２０を含む第２主面１０４を使用者の皮膚に適用する工程を含み得る。ライナー１３０がバッキング１００の第２主表面１０４上に存在する場合、ライナー１３０は、バッキング１００の第２主面１０４を使用者の皮膚に適用する前に除去される。バッキング１００は、バッキング１００の第１表面上にデバイス２００を追加的に含んでもよい。

本明細書において具体的な実施形態を示し説明したが、これらの実施形態は、本発明の原理の適用において考案され得る可能性のある多くの具体的構成を例示するものにすぎない点は理解されよう。当業者であれば、これらの原理に従い、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく、多数かつ多様な他の構成を考案することができる。本発明の範囲は、本出願に記載される構造に限定されるべきではなく、請求項の文言により述べられる構造及びそうした構造の均等物によってのみ限定されるものである。

実施例１

数種類の熱可塑性ポリウレタン（ＴＰＵ、表１に列記）を、１平方ヤード当たり１．３ｏｚのＪａｃｏｂ Ｈｏｌｍ製Ｓｏｎｔａｒａ（登録商標）８０１０ポリエステルスパンレース布地上に、１ｍｉｌのフィルムとして押出成形した。３Ｍ ４０７６医療用テープとして入手可能なシリコーンコート紙剥離ライナーテープを有する粘着アクリル感圧接着剤を、上記Ｓｏｎｔａｒａ（登録商標）ポリエステルスパンレース不織材のコーティングされていない側に適用した。

Ｓｏｎｔａｒａ（登録商標）８０１０ポリエステルスパンレース布地を３Ｍ ＣｏＴｒａｎ９７２８フィルムと接触させた状態で、３Ｍ ４０７６医療用テープの幅１インチ×長さ４インチのストリップを３Ｍ ＣｏＴｒａｎｓ ９７２８テープを覆って配置することで、３Ｍ ＣｏＴｒａｎ ９７２８フィルムの幅１インチ×長さ４インチのストリップをＡＢＳプラスチックストリップ（下記）上に配置することによって、追加のヒートシール構成体を作製した。

Ｙｏｕｎｇ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ Ｐｒｅｃｉｓｉｏｎ Ｔｈｅｒｍａｌ Ｐｒｅｓｓを用いて、３Ｍ ４０７６医療用テープのシリコーンコート紙剥離ライナーに熱プレスを適用して、実施例１、表１に記載されている構成体の幅１インチ×長さ４インチのストリップを、幅１インチ×長さ５インチのＡＢＳプラスチックのストリップにヒートシールした。熱可塑性ポリウレタンフィルム又は３Ｍ ＣｏＴｒａｎ ９７２８のいずれかは、ＡＢＳプラスチックストリップの表面と接触していた。ヒートシール条件は５ＰＳＩ、５秒であった。各試料の温度を表１に列挙する。１インチ×４インチの試料のストリップ全体を、ＡＢＳプラスチックストリップにヒートシールした。

次いで、ＡＢＳプラスチック及びテープバッキング層を９０°の角度で剥離するのに必要な力を測定することによって、ヒートシール強度を試験した。剥離試験は、Ｚｗｉｃｋ Ｚ００５で、１００ｍｍ／分の引張り速度を７３°Ｆ、相対湿度５０％で用いて実施した。剥離試験を開始するために、試料をＺｗｉｃｋ Ｚ００５試験機のジョーに挿入できるように、１インチ×４インチのストリップの短辺の１つの小さなタブを約０．５インチ引張り上げた。個々の試料の結果は、最初の２５ｍｍの引張り範囲の力測定値を捨てた後、５０ｍｍの引張り範囲にわたって力の平均を取ることによって計算した。結果は表１に見ることができ、少なくとも３回の反復の平均である。

３Ｍ ４０７６医療用テープの感圧接着剤を介したヒートシールの効果を、Ａｅｒｏｍａｔ ｐｌａｓｔｉｃｓ品番ＴＰ－ＬＤＰＥ－０１８７－１－２８９０２７０５６３２から得た３／１６”ＬＤＰＥ試験パネルからの１８０°剥離によって感圧接着剤を試験することで測定した。試料をＡＢＳプラスチックにヒートシールすると、試料が剛直になり過ぎて、ＬＤＰＥ基材への感圧接着剤接着力を試験できない。代わりに、Ｓｏｎｔａｒａ（登録商標）８０１０スパンレース布地を二次的なシリコーンコート剥離ライナー（３Ｍ ４０７６医療用テープの場合と同じ）に対してプレスし、加熱されたプレートを３Ｍ Ｃｏｍｐａｎｙから入手可能な３Ｍ ４０７６医療用テープのシリコーンコート紙剥離ライナーに適用して、幅１インチ×長さ５インチの試料をヒートシールした。したがって、感圧接着剤は、ヒートシール条件に供されたが、試料は剛直なＡＢＳプラスチックストリップに接着されなかった。

剥離試験は、まず、ヒートシール条件に供した幅１インチ×長さ５インチの３Ｍ ４０７６医療用テープをＬＤＰＥに適用し、両方向に１回、４．５ポンドローラーでロール処理することによって実施した。次いで、試料を、７３°Ｆ／５０％相対湿度、１２インチ／分、１８０°の角度で、ＬＤＰＥから引っ張った。初期の０．５インチの力測定値を捨てた後、３．５インチの引張範囲にわたる力を平均することによって、個々の試料結果を計算した。ヒートシールされた試料の条件は、５ｐｓｉ、５秒、及び表２に列挙される温度であり、ヒートシール条件に供されなかった試料と比較した。表２の結果は、１０回の反復の平均である。各ヒートシールされた試料のＬＤＰＥに対する平均接着力を、２標本Ｔ検定により、対照と比較した。０．０５超のｐ値は、平均値に統計的差異がないことに９５％の信頼度があることを示す。．０５未満のｐ値は、平均が統計的に異なることが９５％の信頼度であることを示す。

列挙された熱可塑性ポリウレタン樹脂は全て、２５９°Ｆ、５秒、及び５ＰＳＩのヒートシール条件で、少なくとも５８２ｇ／ｉｎのＡＢＳへの接着力を達成することができた。これらの条件でのヒートシールは、ヒートシールされていない試料と比較して、感圧接着剤の接着性能に影響を与えない。エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）は、ヒートシールを介して２つの材料を接合するために一般的に使用される材料である。ＣｏＴｒａｎ ９７２８（１８．５％酢酸ビニルを有するＥＶＡフィルム）フィルムを有する試料は、ＡＢＳに対してわずか３９４ｇ／ｉｎのヒートシール強度を達成するために、３００°Ｆ、５ｐｓｉ、及び５秒のヒートシール条件を必要とした。これらの条件でのヒートシールは、ヒートシールされていない対照と比較して、感圧接着剤の接着性能を約２５％低下させた。

実施例２

Ｌｕｂｒｉｚｏｌ（商標）Ｐｅａｒｌｂｏｎｄ １１６０Ｌを、１平方ヤード当たり１．３ｏｚのＪａｃｏｂ Ｈｏｌｍ製Ｓｏｎｔａｒａ（登録商標）８０１０ポリエステルスパンレース布地上に、１ｍｉｌのフィルムとして押出成形した。アクリル接着剤、熱可塑性エラストマーフィルム、シリコーン医療グレード接着剤、及びフルオロポリマーコーティングされたポリプロピレン剥離ライナーからなる両面テープ（３Ｍ Ｃｏｍｐａｎｙから入手可能な３Ｍ ２４７７Ｐ両面テープ）を、アクリル接着剤から紙ライナーを除去した状態で、アクリル接着剤をＳｏｎｔａｒａ（登録商標）８０１０ポリエステルスパンレース布地のコーティングされていない側に接着して適用した。

実施例１に記載のように、２５９°Ｆ、５ＰＳＩ、及び５秒のヒートシール条件を用いて、ＡＢＳに対するヒートシール強度を試験した。ヒートシール条件がこの構成体の感圧接着剤に与える影響を、実施例１に記載のように試験した。試験は、ＡＢＳにヒートシールされたか、又はシリコーン剥離ライナーに対して２５９°Ｆ、５秒、及び５ＰＳＩのヒートシール条件に供されたかのいずれかの試料構成体と、ヒートシールされていない同じ構成体の試料とで実施した。表の結果は、５回の反復の平均である。２標本Ｔ検定を実施して、ヒートシールされた試料のＬＤＰＥに対する平均感圧接着剤接着力を、ヒートシールされていない試料と比較した。０．０５超のＰ値は、平均値に統計的差異がないことに９５％の信頼度があることを示す。表３の試験結果を参照されたい。

Claims (33)

1. デバイスと、
   熱結合性接着テープバッキングであって、
   第１主面と、前記第１主面とは反対側の第２主面と、
   前記第１主面に存在する熱可塑性ポリウレタン接着剤と、
   前記第２主面に存在する感圧接着剤と、
   を含む、熱結合性接着テープバッキングと、
   を含む、物品であって、
   前記デバイスが、前記熱可塑性ポリウレタン接着剤に熱結合されており、
   前記感圧接着剤が、前記デバイスの下にある領域に留まっている、物品。
2. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、前記デバイスの熱可塑性表面に結合している、請求項１に記載の物品。
3. 前記熱可塑性表面が、ポリカーボネート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、又はこれらの組み合わせである、請求項２に記載の物品。
4. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、１４０℃未満の溶融温度を有する、請求項１～３のいずれか一項に記載の物品。
5. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、１３０℃未満の軟化温度を有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の物品。
6. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、ポリエーテル単位、ポリエステル単位、ポリカプロラクトン単位、又はこれらの組み合わせを追加的に含む、請求項１～５のいずれか一項に記載の物品。
7. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、前記第１主面において連続的に広がっている、請求項１～６のいずれか一項に記載の物品。
8. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、前記第１主面において不連続である、請求項１～７のいずれか一項に記載の物品。
9. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、前記第１主面においてフィルム状である、請求項１～８のいずれか一項に記載の物品。
10. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、粒子、繊維、布地、織物、又は不織材を含む、請求項１～９のいずれか一項に記載の物品。
11. 前記感圧接着剤に隣接し、且つ前記熱可塑性ポリウレタン接着剤に隣接する支持材を更に含む、請求項１～１０のいずれか一項に記載の物品。
12. 前記感圧接着剤に隣接し、且つ前記熱可塑性ポリウレタン接着剤中に分散された支持材を更に含む、請求項１～１１のいずれか一項に記載の物品。
13. 前記支持材が、フィルム、布地、織物、又は不織材である、請求項１～１２のいずれか一項に記載の物品。
14. 前記感圧接着剤が、前記第２主面において連続的に広がっている、請求項１～１３のいずれか一項に記載の物品。
15. 前記感圧接着剤が、前記第１主面においてパターン状である、請求項１～１４のいずれか一項に記載の物品。
16. 前記感圧接着剤が、前記第１主面においてフィルム状である、請求項１～１５のいずれか一項に記載の物品。
17. 前記感圧接着剤を被覆するライナーを更に含む、請求項１～１６のいずれか一項に記載の物品。
18. 前記感圧接着剤が、アクリレート接着剤又はシリコーン接着剤である、請求項１～１７のいずれか一項に記載の物品。
19. 前記デバイスが、１２０℃超１４０℃未満の熱、約５ポンド／インチ^２の作用力、及び約５秒の時間で、前記熱可塑性ポリウレタン接着剤に熱結合されている、請求項１～１８のいずれか一項に記載の物品。
20. 前記感圧接着剤が、第１の皮膚粘着剥離力及び第２の皮膚粘着剥離力を有し、
    前記第１の皮膚粘着剥離力は、ある持続時間にわたって熱及び力を前記第２主面に適用する前に決定され、前記第２の皮膚粘着剥離力は、ある持続時間にわたって熱及び力を前記第２主面に適用した後に決定され、
    前記第２の皮膚粘着剥離力が、前記第１の皮膚粘着剥離力の少なくとも８５％である、
    請求項１～１９のいずれか一項に記載の物品。
21. 前記第２の皮膚粘着剥離力が、前記第１の皮膚粘着剥離力の少なくとも９０％である、請求項２０に記載の物品。
22. 前記熱結合性接着テープバッキングの前記第２表面を患者の皮膚に適用する工程を含む、請求項１～２１のいずれか一項に記載の物品の使用方法。
23. 前記熱結合性接着テープバッキングの前記第２表面からライナーを除去する工程を更に含む、請求項２２に記載の方法。
24. 第１主面と、前記第１主面とは反対側の第２主面と、
    前記第１主面に存在する熱可塑性ポリウレタン接着剤であって、１４０℃未満の溶融温度を有する、熱可塑性ポリウレタン接着剤と、
    前記第２主面に存在する感圧接着剤と、
    を含む、熱結合性接着テープバッキング。
25. 熱可塑性ポリウレタン接着剤が１３０℃未満の軟化温度を有する、請求項２４に記載の熱結合性接着テープバッキング。
26. 前記感圧接着剤に隣接し、且つ前記熱可塑性ポリウレタン接着剤に隣接する支持材を更に含む、請求項２４又は２５に記載の熱結合性接着テープバッキング。
27. 前記感圧接着剤が、アクリレート接着剤又はシリコーン接着剤である、請求項２４～２６のいずれか一項に記載の熱結合性接着テープバッキング。
28. 前記熱可塑性ポリウレタン接着剤が、粒子、繊維、布地、織物、又は不織材を含む、請求項２４～２７のいずれか一項に記載の熱結合性接着テープバッキング。
29. 前記感圧接着剤に隣接し、且つ前記熱可塑性ポリウレタン接着剤に隣接する支持材を更に含む、請求項２４～２８のいずれか一項に記載の熱結合性接着テープバッキング。
30. 前記支持材が、フィルム、布地、織物、又は不織材である、請求項２９に記載の熱結合性接着テープバッキング。
31. 請求項１～３０のいずれか一項に記載の熱結合性接着テープバッキングにデバイスを固定する方法であって、
    前記デバイスを前記熱結合性バッキングの前記熱可塑性ポリウレタン接着剤に接触させる工程と、
    前記デバイスの前記熱可塑性表面及び前記熱可塑性ポリウレタン接着剤の少なくとも一部分を加熱する工程と、
    前記熱可塑性ポリウレタン接着剤を軟化させて、前記デバイスの前記熱可塑性表面及び前記熱可塑性ポリウレタン接着剤を固定する工程と、
    を含む、方法。
32. 加熱要素が、前記熱結合性接着テープバッキングの前記第２主面に接触して、前記熱可塑性ポリウレタン接着剤を加熱する、請求項３１に記載の方法。
33. 前記加熱要素が、１２０℃超１４０℃未満の熱、約５ポンド／インチ^２の作用力、及び約５秒の時間で、前記第２主面と接触する、請求項３２に記載の方法。

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