JPH11130666A - 皮膚貼付薬シート - Google Patents

皮膚貼付薬シート

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JPH11130666A
JPH11130666A JP29510797A JP29510797A JPH11130666A JP H11130666 A JPH11130666 A JP H11130666A JP 29510797 A JP29510797 A JP 29510797A JP 29510797 A JP29510797 A JP 29510797A JP H11130666 A JPH11130666 A JP H11130666A
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JP
Japan
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skin
film
water
skin patch
primer
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JP29510797A
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Kimihiro Fujii
公博 藤井
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塩化ビニル系樹脂フイルムを基材とし、この基
材に含水粘着剤の層が強固に接着されていて、皮膚に貼
着したとき、風合及び柔軟性にすぐれ、違和感がなく、
しかも、皮膚から剥がすときには糊残りのない皮膚貼付
薬シートを提供することにある。 【解決手段】本発明による皮膚貼付薬シートは、熱可塑
性樹脂からなるフィルム上にカチオン型アクリルエマル
ジョンからなるプライマーの層が積層され、その上に含
水粘着剤層が積層されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚貼付薬シート
に関し、詳しくは、塩化ビニル系樹脂フィルムからなる
基材フィルム上にプライマー層を介して薬剤を含む含水
粘着剤層が膏体として積層形成されてなる皮膚貼付薬シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】皮膚貼付薬シートは、皮膚刺激剤や消炎
鎮痛剤等の薬剤を含有する粘着剤、即ち、膏体を不織布
やメリヤス基材上に積層してなり、医療用途に広く用い
られている。このような皮膚貼付薬シートにおいては、
シートを皮膚に貼付した際に良好な粘着性及び弾性を有
するのみならず、剥離時に皮膚に刺激を与えず、容易に
剥離し得るように、ゲル形成剤(増粘剤、粘着剤)と保
湿剤(溶媒)を主成分とし、必要に応じて、架橋剤(ゲ
ル硬化剤)、ゲル化速度調整剤、粘度調整剤、薬剤分散
剤(界面活性剤)、増量剤(無機充填剤)等を含み、更
に、目的に応じて、種々の薬剤を含んでなる含水又は水
性粘着剤が膏体として基材上に積層されている。このよ
うな膏体は、上記諸成分の混合物が一種の固体に近い均
一相又は不均一相である二相となり、親水性ゲルの構造
をなしている。
【0003】このような従来の皮膚貼付薬シートにおい
て、上記ゲル形成剤としては、例えば、ゼラチンやカゼ
インのような天然の水溶性高分子物質や、デキストリ
ン、カルボキシメチルデンプン、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース等の半合成水溶性高分子物質、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
ビニルピロリドン等の合成水溶性高分子物質を挙げるこ
とができる。また、ポリ−N−ビニルアセトアミドも、
ゲル形成剤として用いることができる。
【0004】保湿剤は、通常、多価アルコールであり、
例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブ
チレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコ
ール等を挙げることができ、架橋剤としては、例えば、
アセトアルデヒド、グルタールアルデヒド、グリオキザ
ール、ジアルデヒドデンプン、ジメチルケトン等のアル
デヒドやケトン類、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、硝酸アルミニウム、カリミョウバン等の多価金属
塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化
カルシウム等の多価金属水酸化物、酸化亜鉛、酸化マグ
ネシウム、合成ケイ酸アルミニウム等の多価金属酸化
物、乳酸アルミニウム等の有機多価金属塩等を挙げるこ
とができる。
【0005】ゲル化速度調整剤としては、例えば、ED
TAのようなキレート剤や酒石酸、クエン酸、乳酸等の
ような有機酸を挙げることができ、薬剤分散剤として
は、例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンものパルミテート等を挙げる
ことができる。増量剤としては、例えば、カオリン、ベ
ントナイト、二酸化チタン等を挙げることができ、ま
た、粘度調整剤としては、例えば、ポリブテンやポリイ
ソブチレン等の合成重合体を挙げることができる。この
ほか、酸化チタン等の顔料を必要に応じて配合してもよ
い。
【0006】薬剤としては、既によく知られているよう
に、目的とする薬効に応じて、種々のものが用いられる
が、具体例として、例えば、サリチル酸メチル、l−メ
ントール、カンフル、ハッカ油、チモール、ジフェンヒ
ドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、ケトプロフ
ェン、インドメタシン、フルルビプロフェン、ジクロフ
ェナク、種々のエキス類等を挙げることができる。
【0007】従来、皮膚貼付薬シートにおいては、基材
として、不織布やメリヤスが多く用いられている。この
ような基材は、通気性がよく、伸びもよい利点を有する
が、反面、含水粘着剤中の水分や揮発性の薬剤の揮散が
著しく、更に、基材が伸びの方向性を有するために、皮
膚に貼着したとき、違和感が残るうえに、動作に支障を
きたす。更に、不織布やメリヤスのような基材は、通
常、厚みが200〜300μmもあるので、皮膚に貼着
した後、指や衣服の端部に引っ掛かって、容易に皮膚か
ら剥離する。
【0008】他方、一般に、皮膚貼付薬シートにおいて
は、その基材としては、種々の熱可塑性樹脂からなるフ
ィルム、なかでも、柔軟で皮膚になじみよい塩化ビニル
系樹脂からなるフィルムが好適であるが、反面、一般
に、熱可塑性樹脂からなるフィルムは、通常、親油性で
あるので、前述したような水溶性又は親水性高分子物質
を主成分とする含水粘着剤とは親和性に乏しい。その結
果、このような含水粘着剤を熱可塑性樹脂からなるフィ
ルム上に単に直接に塗布しても、上記粘着剤が基材フィ
ルムに十分に接着せず、皮膚貼付薬シートを皮膚から剥
がした場合、皮膚への糊移りが容易に生じる。
【0009】そこで、従来、熱可塑性樹脂からなる基材
シート上にプライマー層を形成し、これを介して、基材
シートに含水粘着剤を接着積層することが提案されてお
り、例えば、特開平3−35077号公報には、塩化ビ
ニル系樹脂からなる基材シート上にシリカ微粉末とメチ
ルセルロースとを配合したポリ塩化ビニルエマルジョン
やポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンからな
るプライマー層を形成することが提案されている。
【0010】このように、ポリ塩化ビニルエマルジョン
やポリ(メタ)アクリル酸エステルエマルジョンをプラ
イマーとして用いることによって、塩化ビニル系樹脂か
らなる基材シート上に含水粘着剤を強固に接着させるこ
とができるが、しかしながら、このようなプライマー
は、長期間の経過後には溶解するので、含水粘着剤が基
材フィルムから剥離する問題がある。
【0011】また、水分散性飽和ポリエステル樹脂やそ
の変性物をプライマーとして用いることも提案されてい
る。例えば、特開平8−119856号公報には、水性
媒体中で水分散性飽和ポリエステル樹脂の存在下にビニ
ル単量体を重合させて得られる水分散性変性飽和ポリエ
ステル樹脂からなるプライマーを用いることも提案され
ている。しかしながら、このように、飽和ポリエステル
樹脂を基材とするプライマーによれば、長期間の経過後
も、プライマーが溶解することはないが、依然として、
長期間の経過後には、含水粘着剤と基材フィルムとの間
の接着力が低下する。
【0012】更に、種々のポリウレタン樹脂も、プライ
マーとして有効であるとみられるが、しかし、一般に、
これらをプライマーとして用いても、基材フィルムと含
水粘着剤との間に強固な接着を得ることは困難であっ
て、水性ポリウレタン樹脂エマルジョンを用いるとき
は、比較的よい結果を得ることができるが、しかし、飽
和ポリエステル樹脂を基材とするプライマーと同様に、
長期間の経過後には、含水粘着剤と基材フィルムとの間
の接着力が低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の皮膚
貼付薬シートにおける上述した問題を解決するためにな
されたものであって、塩化ビニル系樹脂フイルムを基材
とし、その上にプライマー層を介して、含水粘着剤の層
が強固に接着されていて、皮膚に貼着したとき、風合及
び柔軟性にすぐれ、違和感がなく、しかも、皮膚から剥
がすときには糊残りのない皮膚貼付薬シートを提供する
ことを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による皮膚貼付薬
シートは、熱可塑性樹脂からなるフィルム上にカチオン
型アクリルエマルジョンからなるプライマーの層が積層
され、その上に含水粘着剤層が積層されてなることを特
徴とする。
【0015】特に、本発明によれば、上記熱可塑性樹脂
からなるフィルムは、ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複
合体からなるフィルムであるか、又は塩化ビニル樹脂か
らなるフィルムであることが好ましい。更に、本発明に
よれば、プライマーは、エポキシ硬化剤とシリカ微粉末
を含むことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明による上述したような皮膚
貼付薬シートは、熱可塑性樹脂からなるフィルム上にカ
チオン型アクリルエマルジョンからなるプライマーを塗
布し、乾燥させて、プライマー層を形成し、その上に含
水粘着剤層を積層することによって得ることができる。
【0017】本発明において、含水粘着剤は、前述した
ように、一般に、ゲル形成剤(増粘剤、粘着剤)と保湿
剤(溶媒)を主成分とし、必要に応じて、架橋剤(ゲル
硬化剤)、ゲル化速度調整剤、粘度調整剤、薬剤分散剤
(界面活性剤)、増量剤(無機充填剤)等を含み、更
に、目的に応じて、種々の薬剤を含んでなる水性の粘着
剤であって、膏体として、上記熱可塑性樹脂からなるフ
ィルム基材上に接着積層されている。
【0018】本発明による皮膚貼付薬シートにおいて
は、基材としては、熱可塑性樹脂からなるフイルムが用
いられるが、特に、ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合
体からなるフィルムか、又は塩化ビニル系樹脂からなる
フィルムが好ましく用いられる。
【0019】ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体は、
特開平1−185312号公報に記載されているよう
に、ポリウレタン生成原料を粉状ポリ塩化ビニルに含浸
させ、これをポリウレタン生成反応に付すことによって
得ることができる。
【0020】上記ポリウレタン生成原料とは、ポリイソ
シアネートとポリオールと、必要に応じて、触媒とから
なるものである。そこで、ポリ塩化ビニル−ポリウレタ
ン複合体は、上記ポリウレタン生成原料を混合し、得ら
れた液状混合物を粉状ポリ塩化ビニルに含浸させるか、
又はポリオールを粉状ポリ塩化ビニルに含浸させた後、
ポリイソシアネート(と必要に応じて触媒)を含浸させ
るかし、次いで、加熱反応させ、反応終了後、冷却する
ことによって、粉状物として得ることができる。
【0021】このようなポリ塩化ビニル−ポリウレタン
複合体の製造において、粉状ポリ塩化ビニルには、必要
に応じて、予め、カルシウム−亜鉛系安定剤、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、トリスノニルフェ
ニルホスファイト等の安定剤や滑剤ほか、着色剤等を適
宜、配合しておいてもよい。しかし、ポリ塩化ビニル−
ポリウレタン複合体を製造した後、これに、必要に応じ
て、安定剤、滑剤、着色剤等を配合してもよい。
【0022】上述したポリ塩化ビニル−ポリウレタン複
合体の製造において、ポリイソシアネートは、通常、イ
ソシアネート基(NCO)/水酸基(OH)モル比が0.
5〜2.0の範囲であるように用いられ、また、ポリオー
ルは、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、通常、1
0〜150重量部、好ましくは、20〜100重量部の
範囲で用いられる。
【0023】従って、ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複
合体は、ポリ塩化ビニルの存在下にポリイソシアネート
とポリオールとの反応によってポリウレタンを生成させ
ることによって得ることができるポリ塩化ビニルとポリ
ウレタンとの一種の混合物(ブレンド)である。このよ
うにして得られたポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体
自体、これを混練、ペレット化し、T型ダイスを取付け
た押出機にてフィルムに成形すれば、ポリ塩化ビニル−
ポリウレタン複合体フィルムを得ることができる。
【0024】本発明において、ポリ塩化ビニル−ポリウ
レタン複合体は、得られるフィルム基材が皮膚貼付薬シ
ートの基材として柔軟性と強度とを併せ有するように、
JIS A硬度(23℃)40〜90の範囲にあるのが
好ましい。このようなポリ塩化ビニル−ポリウレタン複
合体は、東ソー(株)から「ドミナス」として市販され
ており、本発明においては、かかる市販品を好適に用い
ることができる。
【0025】次に、塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビ
ニルのほか、塩化ビニルの共重合体、例えば、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合
体、塩化ビニル−プロピレン共重合体等や、これらの混
合物を含むものとするが、これらのなかでも、平均重合
度400〜2000、特に平均重合度700〜1400
のポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。
【0026】本発明においては、ポリ塩化ビニル−ポリ
ウレタン複合体は、それ自体で柔軟なフィルムに成形す
ることができ、また、そのフィルムは、肌へのなじみや
風合がよいが、必要に応じて、平均分子量1000〜8
000の高分子量可塑剤を含有していてもよい。このよ
うに、高分子量可塑剤を配合することは、得られる皮膚
貼付薬シートを皮膚に貼付したときに、フィルムに反り
や弯曲を生じないようにするのに有用である。しかし、
過多に含有させるときは、フィルム表面にブリードする
ので、可塑剤の配合量は、ポリ塩化ビニル−ポリウレタ
ン複合体100重量部当たりに0〜30重量部の範囲と
することが必要である。
【0027】上記高分子量可塑剤としては、特に、エス
テル系高分子量可塑剤が好ましく、かかる可塑剤の好ま
しい具体例として、例えば、フタル酸のポリエチレング
リコールジエステル、ポリプロピレングリコールジエス
テル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコー
ルジエステル等のようなポリアルキレングリコールジエ
ステルや、アジピン酸、セバシン酸等のような脂肪族二
塩基酸のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロ
ピレングリコールジエステル、ポリエチレングリコール
ポリプロピレングリコールジエステル等のようなポリア
ルキレングリコールジエステルを挙げることができる。
【0028】他方、塩化ビニル系樹脂は、そのフィルム
が柔軟性を有するように、通常、ポリ塩化ビニル又はそ
の共重合体100重量部について、可塑剤50〜100
重量部を含む所謂軟質フィルムであることか好ましい。
用いる可塑剤は、好ましくは、分子量が約800以上、
好ましくは1000以上のポリエステル系高分子量可塑
剤である。かかるポリエステル系高分子量可塑剤の好ま
しい具体例として、フタル酸のポリエチレングリコール
ジエステル、ポリプロピレングリコールジエステル、ポ
リエチレングリコールポリプロピレングリコールジエス
テル等のようなポリアルキレングリコールジエステル
や、アジピン酸、セバシン酸等のような脂肪族二塩基酸
のポリエチレングリコールジエステル、ポリプロピレン
グリコールジエステル、ポリエチレングリコールポリプ
ロピレングリコールジエステル等のようなポリアルキレ
ングリコールジエステルを挙げることができる。
【0029】しかしながら、本発明においては、基材と
しての樹脂フィルムは、上記に限られず、例えば、ポリ
エチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、アク
リル樹脂等も用いることができる。
【0030】本発明において、基材フイルムの厚みは、
通常、20〜200μmの範囲であり、好ましくは、5
0〜100μmの範囲である。このように、本発明によ
れば、このように薄い基材フイルムを用いるために、得
られる皮膚貼付薬シートを皮膚に貼着したとき、違和感
がなく、更に、関節部に貼着したときも、自在に延伸す
るので、動作が制限されない。勿論、指や衣服の端部に
引っ掛かるようなことがなく、不必要に皮膚から剥がれ
ない。
【0031】本発明による皮膚貼付薬シートは、上述し
たような基材フィルム上にカチオン型アクリルエマルジ
ョンからなるプライマーを塗布し、乾燥して、プライマ
ー層を形成し、その上に含水粘着剤層を積層することに
よって得ることができる。
【0032】本発明によれば、上記カチオン型アクリル
エマルジョンは、ポリエポキシ化合物を架橋剤として配
合してプライマーとし、これを基材である熱可塑性樹脂
フィルムに塗布し、乾燥させて、プライマー層を形成す
るのが好ましい。ポリエポキシ化合物の配合量は、カチ
オン型アクリルエマルジョンの固形分100重量部に対
して、通常、0.1〜25重量部の範囲であり、好ましく
は、0.2〜10重量部の範囲である。このように、ポリ
エポキシ化合物を架橋剤として用いるカチオン型アクリ
ルエマルジョンは、既に種々のものが市販されており、
本発明においては、そのような市販品、例えば、大日本
インキ化学工業(株)製ボンコートVO−8等を好適に
用いることができる。
【0033】更に、本発明によれば、プライマーは、そ
の上に形成される含水粘着剤に強固に接着するために、
シリカ微粉末を上記カチオン型アクリルエマルジョンの
固形分100重量部について、0〜250重量部、特
に、10〜100重量部の範囲で含むことが好ましい。
【0034】本発明においては、このプライマー層は乾
燥厚みが0.2〜20μm、好ましくは、0.5〜10μ
m、特に好ましくは、1〜5μmの範囲である。プライ
マー層の厚みが余りに薄いときは、目的とする強固な接
着力を得ることができず、他方、余りに厚いときは、プ
ライマー層が硬く、得られる皮膚貼付薬シートに必要と
される柔軟性を損なうので好ましくない。
【0035】このようにして、熱可塑性樹脂フィルム上
にプライマー層を形成した後、このプライマー層の上に
薬剤を含有する含水粘着剤の層を設けることによって、
この含水粘着剤層が基材である樹脂フィルムに強固に接
着された皮膚貼付薬シートを得ることができる。上記粘
着剤層の厚みは、通常、0.05〜0.20mmの範囲が好
ましい。粘着剤層の厚みが0.05mmよりも薄いとき
は、皮膚への接着力が弱く、実用に耐えない。しかし、
0.20mmを越えるときは、粘着剤層の凝集力が低下
し、皮膚から剥がしたときに、皮膚に糊残りが生じるこ
とがあるので、好ましくない。
【0036】粘着剤層におけるこのような薬剤の割合
は、薬剤にもより、また、何ら限定されるものではない
が、通常、1〜25重量%、好ましくは、5〜20重量
%の範囲である。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明の皮膚貼付薬シー
トによれば、熱可塑性樹脂フィルム、好ましくは、ポリ
塩化ビニル−ポリウレタン複合体からなるフィルム上に
カチオン型アクリルエマルジョンを含むプライマーの層
が積層され、その上に含水粘着剤層が積層されてなるも
のである。
【0038】従って、このような貼付薬シートによれ
ば、基材である樹脂フィルムに含水粘着剤が強固に接着
されているので、皮膚に貼着した後、これを剥がすとき
にも、糊残りがなく、しかも、長期間の経過後にあって
も、含水粘着剤が基材から剥離することがない。
【0039】更に、本発明の皮膚貼付薬シートによれ
ば、従来の不織布やメリヤス基材を用いる皮膚貼付薬シ
ートと異なり、好ましくは、ポリ塩化ビニル−ポリウレ
タン複合体又は塩化ビニル樹脂からなる薄くて柔軟なフ
ィルムを基材として用いるので、皮膚へのなじみがよ
く、違和感がない。また、粘着剤層に含まれる水分や薬
剤の揮散を抑制することができ、かくして、薬剤の経時
残存率の高い皮膚貼付薬シートを得ることができる。
【0040】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。以下において、含水粘着剤は、 ポリ−N−ビニルアセトアミド 13 重量部 プロピレングリコール 40 重量部 乳酸アルミニウム 1 重量部 酸化チタン 4 重量部 ソルビタンモノオレート 1 重量部 酒石酸 0.4重量部 l−メントール(薬剤) 5 重量部 に合計重量100重量部となるように水を加え、均一に
混練して、これを含水粘着剤(即ち、膏体)として、基
材フィルム上に表1に示すプライマーを介して塗布し
て、皮膚貼付薬シートを調製した。
【0041】実施例1 ポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体(ショアー硬度6
5のドミナスK−650F)をカレンダー加工にて厚み
0.07mmのフィルムとし、その表面にカチオン型アク
リルエマルジョン(大日本インキ化学工業(株)製ボン
コートVO−8、固形分40重量%)250重量部(固
形分100重量部)に架橋剤としてポリエポキシ化合物
(大日本インキ化学工業(株)製CR−5L)5重量部
を配合したものを塗布、乾燥させて、プライマー層を形
成した。次いで、このプライマー層の上に上記薬剤を含
む含水粘着剤を塗布し、常温で1週間ゲル化させて、皮
膚貼付薬シートを得た。
【0042】このようにして得られる皮膚貼付薬シート
において、薬剤の効果については、既に十分知られてい
るので、ここでは、このようにして、皮膚貼付薬シート
を調製する過程において、プライマーと基材であるポリ
塩化ビニル−ポリウレタン複合体フィルムとの接着力と
含水粘着剤と基材フィルム(プライマー)との間の経時
の接着力を評価した。更に、得られた皮膚貼付薬シート
について、これを皮膚に貼着したときの糊残りの有無を
調べた。結果を表1に示す。
【0043】プライマー−基材間の接着力 基材上のプライマー層に粘着テープを圧着した後、これ
を素早く引き剥がしたときの粘着テープへのプライマー
層の付着の有無を目視と手触りとによって判定した。粘
着テープへのプライマー層の付着のないときを○とし、
粘着テープへのプライマー層の付着のあったときを×と
した。
【0044】含水粘着剤と基材(プライマー)との間の
経時の接着力 前述したようにして皮膚貼付薬シートを調製した後、更
に、室温にて1か月間放置したときの含水粘着剤のタッ
ク(粘着力)を測定した。含水粘着剤のタックが100
g/インチ以上であるときを含水粘着剤と基材フィルム
との間の接着が強固であるので、これを○とし、タック
が100g/インチよりも小さいとき、含水粘着剤が一
部、基材フィルムから剥離することがあるので、これを
△とし、含水粘着剤が基材フィルムから容易に剥離する
ときを×とした。
【0045】糊残り 予めアルコールにて拭いた肌の上に5cm×5cmに打
ち抜いた皮膚貼付薬シートを貼り、手で数回擦った後に
剥がして、肌への糊残りを評価した。○は糊残りがな
い、△は一部、糊残りがある、特に、シートの端部にお
いて糊残りがある(5%以下)、×は糊の5%以上が肌
に残るを意味する。
【0046】実施例2及び比較例1〜6 実施例1と同じポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体フ
ィルムの表面に、実施例1と同様にして、表1に示すプ
ライマーを塗布、乾燥させて、プライマー層を形成し
た。次いで、このプライマー層の上に前記薬剤を含む含
水粘着剤を塗布し、常温で1週間ゲル化させて、皮膚貼
付薬シートを得た。
【0047】このようにして、皮膚貼付薬シートを調製
する過程において、実施例1と同様にして、プライマー
と基材であるポリ塩化ビニル−ポリウレタン複合体フィ
ルムとの接着力と含水粘着剤と基材フィルム(プライマ
ー)との間の経時の接着力を評価した。更に、得られた
皮膚貼付薬シートについて、これを皮膚に貼着したとき
の糊残りの有無を調べた。結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1において、プライマーとして用いた材
料は次のとおりである。 1)大日本インキ化学工業(株)製ボンコートVO−8 2)大日本インキ化学工業(株)製CR−5L 3)富士デヴィソン化学(株)製サイロイド244 4)日本ゼオン(株)製ゼオン151 5)中央理化工業(株)製リカボンドES−28 6)信越化学(株)製メトロース 7)高松油脂(株)製ペスレジンA−123D 8)大日本インキ化学工業(株)製クリスボンNY−6
34LV 9)大日本インキ化学工業(株)製クリスボン3863
−H 10)三洋化成工業(株)製ユープレンUXA−300
4 11)旭電化工業(株)製アデカボンタイターHUX−
260

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂からなるフィルム基材上にカ
    チオン型アクリルエマルジョンからなるプライマーの層
    が積層され、その上に含水粘着剤層が積層されてなるこ
    とを特徴とする皮膚貼付薬シート。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂からなるフィルムがポリ塩化
    ビニル−ポリウレタン複合体からなるフィルムである請
    求項1に記載の皮膚貼付薬シート。
  3. 【請求項3】熱可塑性樹脂からなるフィルムが塩化ビニ
    ル樹脂からなるフィルムである請求項1に記載の皮膚貼
    付薬シート。
  4. 【請求項4】プライマーがポリエポキシ化合物とシリカ
    微粉末を含むカチオン型アクリルエマルジョンからなる
    請求項1に記載の皮膚貼付薬シート。
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