JP6165200B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関で発生した動力によって走行する車両には、内燃機関の排気を浄化する排気浄化装置が搭載される。排気浄化装置は、排気管に設けた触媒を利用して排気を浄化するものが主流となっている。触媒は、その温度が適切な温度に達していない間は十分な排気浄化性能を発揮することができない。そこで近年では、内燃機関の始動直後における排気の浄化性能を向上する様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1には、始動時における内燃機関の排気の浄化に適した特性を有するNOx触媒が示されている。このNOx触媒は、ゼオライトと、このゼオライトに担持されたパラジウムと、を有することを特徴としている。特許文献1に示されたNOx触媒によれば、内燃機関の始動直後のような低温条件では排気中のNOxを吸着しておき、その後NOx触媒が暖機されるに伴い、吸着しておいたNOxを還元浄化できる。
また例えば特許文献2には、排気中のNOxを吸着する機能を有するNOx触媒を排気通路に設け、このNOx触媒におけるNOx吸着量を推定するとともに、NOx吸着量が所定値以上になった場合には昇温制御を実行することにより、それまでに吸着したNOxを脱離させる技術が示されている。
NOx触媒で吸着できるNOxの量には限界があることから、特許文献2に示すように適切なタイミングで昇温制御を実行し、NOxを脱離させることにより、NOx触媒の吸着性能を維持することができる。
特願2014−51628号 特開2009−257231号公報
ところで特許文献1に示すゼオライト及びパラジウムを有するNOx触媒は、排気中のNOxだけでなく、HCをも吸着する特性がある。HCが吸着すると、NOx触媒におけるNOx吸着性能にも影響が及ぶと考えられるが、従来ではこの点について十分に検討されていない。このため、上記特許文献2のように、NOx吸着量に応じて昇温制御を実行するタイミングを決定するだけでは、NOx触媒によるNOx浄化性能が十分に生かされているとは言い難い。
本発明は、始動直後の内燃機関から排出されるNOxを吸着するNOx触媒を用いてNOxを浄化するものであって、NOx触媒におけるHC吸着量に応じた適切な態様でNOxを浄化できる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の内燃機関の排気浄化装置(例えば、後述の排気浄化装置2)は、ゼオライトからなる担体及び当該担体に担持されたPdを有するNOx触媒(例えば、後述の下流触媒コンバータ32)を内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気通路(例えば、後述の排気管11)に設け、当該NOx触媒によって排気中のNOxを浄化するものであって、前記NOx触媒におけるHC吸着量を推定するHC吸着量推定手段(例えば、後述の図6のS15の処理の実行に係る手段、排気温度センサ33、空燃比センサ34、及びECU6等)と、前記推定されたHC吸着量が所定値を超えたことに応じて前記NOx触媒の温度を上昇させることにより、当該NOx触媒に吸着したHCを脱離するHC脱離手段(例えば、後述の図6のS17の処理の実行に係る手段、及びECU6等)と、を備える。
(2)この場合、前記HC吸着量推定手段は、前記NOx触媒に流入する排気の空燃比及び前記NOx触媒の温度のうち少なくとも1つを用いることによって前記HC吸着量を推定することが好ましい。
(1)本発明では、ゼオライトからなる担体及びこの担体に担持されたPdを有するNOx触媒を排気通路に設ける。このNOx触媒は、低温時にNOxを吸着し、吸着したNOxを高温時に脱離する特性を有する。このため本発明によれば、例えば始動直後の内燃機関から排出されるNOxをNOx触媒に吸着させることができるので、このNOxが排気浄化装置の外へ排出されるのを防止できる。
ところでこのNOx触媒は、上記のようにNOxを吸着する機能の他、排気中のHCを吸着する機能も有する。このため、未浄化のHCが排気浄化装置の外へ排出されるのを抑制される。しかしながら、NOx触媒のNOx吸着性能は、HC吸着量が多くなるほど低下する特性がある(例えば、後述の図4参照)。そこで本発明では、NOx触媒におけるHC吸着量を推定し、これが所定値を超えたことに応じてNOx触媒の温度を上昇させることによってNOx触媒に吸着したHCを脱離する。これにより、NOx触媒におけるHC吸着量が所定値を超えてしまうのを防止できるので、NOx触媒のNOx吸着性能を高く維持することができる。なお、NOx触媒の温度を上昇させると、HCとともにNOxも脱離することとなるが、NOx触媒から脱離するNOxはHCを還元剤として還元浄化される。したがって、NOx触媒から脱離したHCがそのまま排気浄化装置の外に排出するのを抑制できる。
(2)NOx触媒に流入する排気の空燃比が低くなると、NOx触媒に流入し吸着するHCの量は増加する。また、NOx触媒の温度が高くなると、NOx触媒において直接酸化するHCの量は増加する。以上のように、本発明では、以上のようにNOx触媒におけるHC吸着量と相関のある排気の空燃比やNOx触媒の温度のうち少なくとも1つを用いることにより、HC吸着量を精度良く推定でき、結果として適切なタイミングでNOx触媒からHCを脱離させることができる。また適切なタイミングでHCを脱離させることにより、NOx触媒のNOx吸着性能の低下とNOx触媒の熱劣化とを抑制できる。
本発明の一実施形態に係るエンジン及びその排気浄化装置の構成を示す図である。 NOx触媒におけるNOxの吸着、脱離挙動を示す図である。 NOx触媒におけるNOxの吸着量と脱離量とを比較する図である。 NOx触媒におけるNOxの吸着量とCの吸着量との関係を示す図である。 始動直後のエンジンから排出されるNOxを浄化する始動時NOx浄化処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 NOx触媒に吸着されたHCを所定のタイミングで脱離するHC脱離制御の具体的な手順を示すフローチャートである。 排気空燃比に応じてHC流入量を決定するマップの一例である。 触媒温度に応じてHC浄化率を決定するマップの一例である。 触媒温度及びHC吸着量に応じてHC吸着効率を決定するマップの一例である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気を浄化する排気浄化装置2の構成を示す図である。
エンジン1は、燃焼空燃比をストイキよりもリーンとする所謂リーン燃焼を基本としたもの、より具体的にはディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンなどである。エンジン1には、各シリンダに燃料を噴射する燃料噴射弁17が設けられている。この燃料噴射弁17を駆動するアクチュエータは、ECU6に電磁的に接続されている。ECU6は、図示しない燃料噴射制御の下で燃料噴射弁17からの燃料噴射量や燃料噴射時期を決定し、これが実現されるように燃料噴射弁17を駆動する。
触媒浄化装置3は、それぞれ排気管11に設けられた上流触媒コンバータ31、下流触媒コンバータ32、排気温度センサ33及び空燃比センサ34を含んで構成される。
上流触媒コンバータ31は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材に三元触媒を担持して構成される。三元触媒では、ストイキ空燃比の排気の下においては、三元浄化反応、すなわちHC及びCOの酸化反応とNOxの還元反応とが同時に進行する。また三元触媒では、リーン空燃比の排気の下においては、HC及びCOの酸化反応が進行する。
下流触媒コンバータ32は、排気管11のうち上流触媒コンバータ31より下流側に設けられる。下流触媒コンバータ32は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材にNOx触媒を担持して構成される。NOx触媒は、ゼオライトからなる担体と、この担体に担持されたPdと、を含んで構成される。このNOx触媒は、例えばエンジン1の始動直後の比較的低温の条件下(より具体的には、例えば上流触媒コンバータ31の三元触媒が活性温度に達する前)において、三元触媒で浄化しきれなかったNOxを吸着し、還元浄化する機能を有する。
上記NOx触媒のゼオライトは、ストイキ又はリッチ空燃比の排気の下において、排気中に含まれるHCを低温条件下でその骨格中の細孔内に取り込んで吸着し、吸着したHCを高温条件下で脱離する特性を有する。HCの脱離が開始されるHC脱離温度は、後述するPdからNOxが脱離し始めるNOx脱離温度とほぼ等しい。
ゼオライトとしては、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、CHA型ゼオライトが挙げられる。本実施形態では、これらのうち何れかを単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。このようなゼオライトにPdを担持させることにより、優れたNOx吸着性能が発現する。
ここで、通常、ゼオライトは、NOとして供給されたNOxをその細孔内に吸着する特性を有する。そのため、主として排気中のNOxを構成するNOをNOに変換するためには、排気をリーンにし、高酸素濃度かつ高温雰囲気下にし、さらにPt等の活性種が必要となる。これに対して、本実施形態のNOx触媒は、担体のゼオライトにPdを担持させることで、低温条件下で排気の空燃比がストイキ又はリッチのときにおいても優れたNOx吸着性能を発揮する。その理由は次の通りである。
すなわち、NOx触媒では、Pdは、ゼオライトを構成するAl、Si及びOのうち、酸点であるAlの近傍に配置される。そのため、Pdは、Alとの相互作用によって電子状態が変化し、2価のPd2+として存在する。この2価のPd2+は、従来のゼオライトのNOx吸着とは異なり、NOを酸化してNOとするまでもなくNOをそのまま吸着する特性を有する。これにより、NOx触媒は、低温条件下で排気の空燃比がストイキ又はリッチのときにおいても、優れたNOx吸着性能が得られるようになっている。
NOx触媒全体に対するPdの含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましい。Pdの含有量がこの範囲内であれば、優れたNOx吸着性能が得られる。より好ましい含有量は、0.1〜3質量%である。
またNOx触媒としては、上述のようにゼオライトからなる担体にPdを担持したものに限らない。上記Pdに加えて、Fe、Ce、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素をゼオライトに共担持させてもよい。すなわち、Pdの間に、Ce、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素が介在することで、2価のPd2+が0価のPdに還元されるのが抑制されるとともに、Pdの移動及び凝集が抑制されるため、Pdの分散性の悪化が抑制される。したがって、このようなNOx触媒によれば、優れたNOx吸着性能が維持され、低酸素濃度雰囲気における耐熱性が向上する。
図2は、上記NOx触媒におけるNOxの吸着、脱離挙動を示す図である。この図2は、下記に示すような組成のモデルガスをNOx触媒に供給し、NOx触媒を酸素過剰雰囲気(酸素過剰率λ=2)に維持しながら、NOx触媒に流入するガスのNOx濃度及びNOx触媒の温度を変化させた場合における、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度を示す。図2中、横軸は時間(秒)であり、右縦軸はNOx触媒の温度[℃]であり、左縦軸はNOx濃度[ppm]である。
モデルガスは、COを1000ppmで一定とし、Oを0.1%で一定とし、NOを所定の態様で変化させるとともに、Nをバランスガスとすることで全体の酸素過剰率λ=2とした。ここで、NOx触媒に流入するモデルガスのNOx濃度は、図2において破線で示すように、モデルガスの供給開始から約200秒を経過するまでの間では0より大きな所定値とし、これ以降は0とした。またNOx触媒の温度は、図2において一点鎖線で示すようにモデルガスの供給開始から約1200秒を経過するまでの間では約50℃で一定とし、約1200秒を経過した後は約500℃に達するまで徐々に上昇させた。なお約400〜1000秒までの間ではNOx濃度やNOx触媒の温度等にほとんど変化がないため、図2ではこれらの間の図示を省略する。
図2に示すように、NOx触媒が50℃の低温の状態でかつNOxを含むモデルガスをNOx触媒に供給し始めてから約200秒経過するまでの間では、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度(実線)はNOx触媒に流入するガスのNOx濃度(破線)よりも低い。特に、モデルガスの供給を開始した直後(0〜100秒程度)においては、NOx触媒から流出する排気中のNOx濃度はほぼ0ppmである。これは、NOx触媒に流入するガス中に含まれるNOx(NO)のほぼ全てがNOx触媒に吸着されていることを意味する。この結果から、下流触媒コンバータのNOx触媒は、上流触媒コンバータの三元触媒が活性に達する前の50℃の低温条件下においてNOx(NO)を効率良く吸着可能であることが分かる。
モデルガスの供給を開始してから約200秒が経過するまでの間において、NOx触媒から流出するガス中のNOx濃度は徐々に上昇し、NOx触媒に流入するガスのNOx濃度とほぼ同等になる(図2中の200秒付近を参照)。これは、NOx触媒で吸着できるNOxの量には限界があり、またNOx触媒に吸着されているNOx量がこの限界量に近付くにつれてNOxが吸着しにくくなる(NOx吸着率の低下)ことを意味する。すなわち、約200秒が経過した時点では、NOx触媒にはほぼ限界量に近い量のNOxが吸着されている。また、図2中の領域Tadの面積は、NOx触媒が吸着したNOxの総量(すなわち、NOx吸着量)を表している。
約200秒が経過した時点でモデルガスのNOx濃度を0ppmまで低下させると、これに応じてNOx触媒から流出するガスのNOx濃度も直ちに0ppmまで低下する。またこれ以降、図2に示すように、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度は、ほぼ0ppmである。すなわちNOx触媒は、0〜200秒の間にNOx触媒に吸着したNOxを、酸素過剰雰囲気下において保持し続ける機能を有する。
またNOx濃度を0ppmまで低下させた後、約1200〜2500秒までの間でほぼ一定の速度でNOx触媒の温度を上昇させる。この際、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度は、図2に示すように約1800秒において0ppmから増加し始め、約2300秒において再び0ppmに戻る。なお、NOx触媒の温度は、約1800秒においては約250℃であり、約2300秒においては約450℃である。これは、NOx触媒に吸着されていたNOxは、NOx触媒の温度が約250℃を超えてから450℃を超えるまでの間に脱離したことを意味する。以下では、このようにNOx触媒に吸着されていたNOxの脱離が開始する温度(図2の例では、約250℃)をNOxの脱離温度という。なおこの際、NOx触媒から脱離するNOxは、ほぼ全てNOであり、NOやNOはほとんど観測されなかった。また図2中の領域Tdesの面積は、NOx触媒から脱離したNOxの総量(すなわち、NOx脱離量)を表している。
図3は、NOx触媒におけるNOxの吸着量と脱離量とを比較する図である。図3において、NOx吸着量及びNOx脱離量はそれぞれ所定の空気過剰率のモデルガスを用いて図2と同様の手順に従ってNOx濃度及び温度を変化させる試験を行うことによって取得した。図3の左側は酸素過剰率λ=2のガスを用いて取得した結果であり、図3の右側は酸素過剰率λ=0.9のガスを用いて取得した結果である。
図3の左側に示すように、酸素過剰雰囲気(λ=2)のモデルガスの下では、NOx脱離量はNOx吸着量とほぼ等しい。すなわち酸素過剰雰囲気では、低温時にNOx触媒に吸着されたNOxは、約500℃まで昇温するとほぼ全てがそのまま脱離する。
一方、図3の右側に示すように、λ=0.9のモデルガスの下では、NOx吸着量はλ=2の場合とほぼ同じであるにもかかわらず、NOx脱離量はこのNOx吸着量よりも大幅に減少する。すなわち還元雰囲気では、低温時にNOx触媒に吸着されたNOxは、約500℃まで昇温する過程でほぼ全てが脱離するとともにNに還元浄化する。これはすなわち、NOx触媒は、λが1以下の適正な空燃比の排気の下では、排気中に含まれるHC及びCOや、上述のようにゼオライトに吸着されていたHCを還元剤として、脱離したNOxを還元浄化する機能があることを意味する。
図4は、NOx触媒におけるNOxの吸着量[g/L]と、C(以下単に「HC」という)の吸着量[g/L]との関係を示す図である。すなわち、NOx触媒にHCが吸着された場合に、このHCがNOxの吸着に及ぼす影響の大きさを示す図である。図4に示すように、NOx触媒によって吸着できるNOxの総量は、HC吸着量が増加する程少なくなる。これは、NOx触媒にHCが吸着されていると、これによってNOxの吸着が妨害されるためであると考えられる。従って、NOx触媒のNOx吸着性能をできるだけ高く維持するためには、NOx触媒におけるHC吸着量は過剰に多くならないように適切に管理されることが好ましい。
図1に戻り、排気温度センサ33は、排気管11のうち下流触媒コンバータ32より下流側に設けられる。この排気温度センサ33は、下流触媒コンバータ32から流出する排気の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。上流触媒コンバータ31の三元触媒の温度や下流触媒コンバータ32のNOx触媒の温度等は、例えば、排気温度センサ33の出力に基づいて、ECU6における演算によって推定される。
空燃比センサ34は、排気管11のうち上流触媒コンバータ31と下流触媒コンバータ32との間に設けられる。空燃比センサ34は、下流触媒コンバータ32に流入する排気の空燃比(排気中の酸素に対する燃料成分(HC,CO等)の比)を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。なおこの空燃比センサ34としては、例えば、リッチな領域からリーンな領域までの間でリニアな出力特性を有するものが用いられる。
ECU6は、センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、後述の図5や図6等に示すフローチャートに沿った処理を実行するCPU、この処理の下で決定した態様で各種デバイスを駆動する駆動回路、及び各種データを記憶するRAMやROM等で構成されるマイクロコンピュータである。
図5は、始動直後のエンジンから排出されるNOxを浄化する始動時NOx浄化処理の具体的な手順を示すフローチャートである。図5の始動時NOx浄化処理は、始動直後のエンジンの排気中に含まれるNOxを一旦NOx触媒に吸着しておき、その後所定のタイミングでNOxパージ制御を実行することにより、吸着しておいたNOxをNOx触媒上で還元浄化する。図5の処理は、エンジンを始動させたり停止させたりするイグニッションスイッチ(図示せず)がオンにされたことに応じて、ECUにおいて所定の制御周期の下で繰り返し実行される。
S1では、ECUは、パージ制御完了フラグが1であるか否かを判定する。このパージ制御完了フラグは、エンジンを始動してから1回目のNOxパージ制御が完了したことを示すフラグである。この完了フラグは、エンジンの始動直後には0にセットされ、後述のS8において、所定時間にわたってNOxパージ制御が実行されたことに応じて1にセットされる。ECUは、S1の判定がNOである場合にはS3に移り、YESである場合には図5の処理を直ちに終了する。
S3では、ECUは、排気温度センサの出力に基づいて、NOx触媒の温度(以下では単に「触媒温度」という)を算出し、S4に移る。S4では、ECUは、S3で取得した触媒温度がNOx触媒の脱離温度より高いか否か、すなわちエンジンの始動直後に吸着したNOxがNOx触媒から脱離する時期であるか否かを判定する。
S4の判定がYESである場合、ECUは、S5に移り、始動時に吸着したNOxが脱離する時期に合わせて、NOx触媒に流入する排気の空燃比をストイキ又はリッチに制御するNOxパージ制御を実行し、S7に移る。ここでNOx触媒に流入する排気の空燃比は、例えばアフター噴射を行うことによってエンジンの燃焼室における空燃比をストイキ又はリッチにしたり、ポスト噴射を行い排気管内へ未燃燃料を供給したりすることによってストイキ又はリッチに制御される。これにより、NOx触媒から脱離するNOxは、このNOx触媒上で還元浄化される。
S7では、ECUは、上記S5のパージ制御を実行した時間を計測するパージタイマの値が0であるか否かを判定する。このパージタイマの値は、エンジンの始動直後は0より大きな所定の初期値に設定され、最小値を0として後述のS9の処理において制御周期ごとに経過時間分だけ減算される。したがって、パージタイマの値が0である状態とは、エンジンを始動してから、その初期値に相当する時間にわたってパージ制御が実行されたことを意味する。S7の判定がYESである場合、ECUは、S8に移り、パージ制御完了フラグの値を1にし、図5の処理を終了する。
S7の判定がNOである場合、ECUは、S9に移り、パージタイマの値を更新し、図5の処理を終了する。より具体的には、パージタイマの前回値から、図5の制御周期に相当する時間を減算することによってパージタイマの値を更新する。
図6は、NOx触媒に吸着されたHCを所定のタイミングで脱離するHC脱離制御の具体的な手順を示すフローチャートである。図6のHC脱離制御は、エンジンを始動させたり停止させたりするイグニッションスイッチ(図示せず)がオンにされたことに応じて、ECUにおいて所定の制御周期の下で繰り返し実行される。
上述の図5の始動時NOx浄化処理では、図2及び図3等を参照して説明したNOx触媒の低温での特性を生かしてエンジンの始動直後に排出されるNOxを浄化する。この図5の始動時NOx浄化処理によってエンジンの始動直後のNOxを効率的に浄化するためには、NOx触媒は、そのNOx浄化性能が高く維持されている必要がある。また、図4を参照して説明したように、NOx触媒にHCが吸着されていると、これに応じてNOx吸着性能も低下してしまう。図6のHC脱離制御では、NOx触媒のNOx浄化性能が高く維持されるように、NOx触媒におけるHC吸着量の推定値を算出し、この推定値に応じて適切なタイミングでNOx触媒に吸着されていたHCを脱離する。以下、HC脱離制御の具体的な手順について説明する。
始めにS11では、ECUは、NOx触媒におけるHC流入量HCinを取得し、S12に移る。ここでHC流入量HCinとは、具体的には前回から今回までの制御周期の間にNOx触媒に流入したHCの量に相当する。このHC流入量HCinは、例えば、NOx触媒に流入する排気の空燃比に応じて変化する空燃比センサの出力信号を用いて、図7に例示するようなマップを検索することによって算出される。図7に示すように、HC流入量HCinは排気空燃比がリッチ側に変化するほど増加する。
S12では、ECUは、NOx触媒におけるHC浄化率ηHCを算出し、S13に移る。ここでHC浄化率ηHCとは、具体的にはNOx触媒に流入するHCのうち、NOx触媒において酸化されることによって浄化されるものの割合をいう。すなわち、NOx触媒において吸着することによって浄化される分は含まない。このHC浄化率ηHCは、例えば、NOx触媒の温度を用いて、図8に例示するようなマップを検索することによって算出される。図8に示すように、NOx触媒の温度が高くなるほどHC浄化率ηHCも高くなる。
S13では、ECUは、NOx触媒におけるHC吸着効率ηHCadを算出し、S14に移る。ここでHC吸着効率ηHCadとは、具体的にはNOx触媒において酸化浄化されなかったHCのうち、NOx触媒の下流側へ排出されることなくNOx触媒に吸着するものの割合をいう。このHC吸着効率ηHCadは、例えば、NOx触媒の温度及びHC吸着量の推定値ΣHCを用いて、図9に例示するようなマップを検索することによって算出される。図9に示すように、NOx吸着効率は、NOx触媒の温度が低くなるほど高くなり、HC吸着量が増加するほど低くなる。
S14では、ECUは、NOx触媒におけるHCの新規吸着量ΔHCを算出し、S15に移る。この新規吸着量ΔHCとは、前回から今回までの制御周期の間にNOx触媒に新たに吸着したHCの量に相当する。この新規吸着量ΔHCは、例えば、上記ステップで取得したHC流入量ΔHC、HC浄化率ηHC、及びHC吸着効率ηHCadを用いて、下記式によって算出される。
ΔHC=HCin×(1−ηHC)×ηHCad
S15では、ECUは、HC吸着量の推定値ΣHCの前回値に新規吸着量ΔHCを加算することによって推定値ΣHCを更新し、S16に移る。S16では、ECUは、推定値ΣHCが所定の上限値より小さいか否かを判定する。ECUは、S16の判定がYESである場合には、現時点ではNOx触媒に吸着したHCを除去せずとも十分なNOx浄化性能が確保されていると判断し、この処理を直ちに終了する。また、S16の判定がNOである場合には、NOx触媒に吸着したHCを除去するのに適した時期に達したと判断し、S17に移る。
S17では、ECUは、NOx触媒の温度をHC脱離温度まで強制的に上昇させる昇温制御を所定時間にわたって実行し、NOx触媒に吸着されていたHCを脱離除去し、S18に移る。この昇温制御は、例えば、通常の運転状態におけるエンジンの燃焼パラメータに対して、ポスト噴射、アフター噴射、及びメイン噴射等の噴射タイミングを遅角化し、排気の温度を上昇させることによって実現される。なお、上述のようにNOx触媒からHCが脱離する温度は、NOxが脱離する温度とほぼ等しい。したがって、S17においてNOx触媒の温度をHCが脱離する温度まで昇温すると、脱離したHCはNOx触媒においてNOxの還元に消費されるため、そのままNOx触媒の下流側へ排出されることもない。S18では、ECUは、NOx触媒に吸着されていたHCを脱離除去したことに伴い、HC吸着量の推定値ΣHCを0にリセットし、この処理を終了する。
以上のような本実施形態の排気浄化装置2によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態の排気浄化装置2では、ゼオライトからなる担体及びこの担体に担持されたPdを有するNOx触媒を排気管11に設ける。これにより、例えば始動直後のエンジンから排出されるNOxをNOx触媒に吸着させることができるので、このNOxが排気浄化装置2の外へ排出されるのを防止できる。またNOx触媒は、上記のようにNOxを吸着する機能の他、排気中のHCを吸着する機能も有する。このため、未浄化のHCが排気浄化装置の外へ排出されるのを抑制される。しかしながら、図4等を参照して説明したようにNOx触媒のNOx吸着性能は、HC吸着量が多くなるほど低下する特性がある。そこで排気浄化装置2では、NOx触媒におけるHC吸着量を推定し、これが所定の上限値を超えたことに応じてNOx触媒の温度を上昇させることによってNOx触媒に吸着したHCを脱離する。これにより、NOx触媒におけるHC吸着量が上限値を超えてしまうのを防止できるので、NOx触媒のNOx吸着性能を高く維持することができる。なお、NOx触媒の温度を上昇させると、HCとともにNOxも脱離することとなるが、NOx触媒から脱離するNOxはHCを還元剤として還元浄化される。したがって、NOx触媒から脱離したHCがそのまま排気浄化装置の外に排出するのを抑制できる。
(2)本実施形態の排気浄化装置2では、NOx触媒におけるHC吸着量と相関のある排気の空燃比やNOx触媒の温度のうち少なくとも1つを用いることにより、HC吸着量を精度良く推定でき、結果として適切なタイミングでNOx触媒からHCを脱離させることができる。また適切なタイミングでHCを脱離させることにより、NOx触媒のNOx吸着性能の低下とNOx触媒の熱劣化とを抑制できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
1…エンジン(内燃機関)
11…排気通路(排気管)
2…排気浄化装置
32…下流触媒コンバータ(NOx触媒)
33…排気温度センサ(HC吸着量推定手段)
34…空燃比センサ(HC吸着量推定手段)
6…ECU(HC吸着量推定手段、HC脱離手段)

Claims (2)

  1. ゼオライトからなる担体及び当該担体に担持されたPdを有するNOx触媒を内燃機関の排気通路に設け、当該NOx触媒によって排気中のNOxを浄化する内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記NOx触媒におけるHC吸着量を所定の周期毎に前記NOx触媒に吸着されるHCの新規吸着量を積算することで推定するHC吸着量推定手段と、
    前記推定されたHC吸着量が所定値を超えたことに応じて前記NOx触媒の温度を上昇させることにより、当該NOx触媒に吸着したHCを脱離するHC脱離手段と、を備え
    前記HC吸着量推定手段は、前記周期の間における前記NOx触媒へのHC流入量と、前記NOx触媒に流入するHCのうち当該NOx触媒で浄化されるものの割合であるHC浄化率と、前記NOx触媒で浄化されなかったHCのうち当該NOx触媒に吸着されるものの割合であるHC吸着効率と、を用いることによって前記新規吸着量を算出し、
    前記HC吸着量推定手段は、前記NOx触媒の温度が低くなるほど前記HC吸着効率を高くすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記HC吸着量推定手段は、前記HC吸着量が多くなるほど前記HC吸着効率を低くすることによって前記HC吸着量を推定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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