JP6235538B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関で発生した動力によって走行する車両には、内燃機関の排気を浄化する排気浄化装置が搭載される。排気浄化装置は、排気管に設けた触媒を利用して排気を浄化するものが主流となっている。触媒は、その温度が適切な温度に達していない間は十分な排気浄化性能を発揮することができない。そこで近年では、内燃機関の始動直後における排気の浄化性能を向上する様々な技術が提案されている。
例えば特許文献1には、始動時における内燃機関の排気の浄化に適した特性を有するNOx触媒が示されている。このNOx触媒は、ゼオライトと、このゼオライトに担持されたパラジウムと、を有することを特徴としている。特許文献1に示されたNOx触媒によれば、内燃機関の始動直後のような低温条件では排気中のNOxを吸着しておき、その後暖機によってNOx触媒の温度が上昇するに伴い、吸着しておいたNOxを還元浄化できる。
特願2014−51628号
特許文献1に示すNOx触媒は、特に始動直後の低温条件でのNOxの排出を抑制するために用いられるため、始動から暫くした後の排気浄化を担う三元触媒と組み合わせて用いられる場合が多い。しかしながらこのようにNOx触媒と三元触媒とを組み合わせた排気浄化装置において、各々の機能が十分に発揮されるように、これら2つの触媒をどのような位置に設けるべきかについては十分に検討されていない。また、排気還流装置や過給機等の排気を利用する装置を設けた場合に、これら装置に対し上記2つの触媒をどのような位置に設けるべきかについても十分に検討されていない。
本発明は、各々の機能が十分に発揮されるように適した位置に三元触媒及びNOx触媒が配置された内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気浄化装置(例えば、後述の排気浄化装置2)は、内燃機関の排気通路(例えば、後述の排気管13)に設けられた三元触媒(例えば、後述の上流触媒コンバータ61)と、前記排気通路に設けられかつゼオライトからなる担体及び当該担体に担持されたPdを有するNOx触媒(例えば、後述の下流触媒コンバータ62)と、前記排気通路を流れる排気の一部を取り出し前記内燃機関の吸気通路に還流する排気還流装置(例えば、後述の排気還流装置3)と、を備え、前記NOx触媒は、前記三元触媒より下流側でありかつ前記排気還流装置の排気取り出し部より下流側に設けられることを特徴とする。
(2)この場合、前記排気通路には、排気のエネルギーを利用して吸気を加圧する過給機(例えば、後述の過給機8)が設けられ、前記排気取り出し部及び前記NOx触媒は、前記排気通路のうち前記過給機のタービン(例えば、後述のタービンホイール81)よりも下流側に設けられることが好ましい。
(3)この場合、前記三元触媒は、前記排気通路のうち前記タービンよりも上流側に設けられることが好ましい。
(1)本発明では、ゼオライトからなる担体及びこの担体に担持されたPdを有するNOx触媒を、排気通路のうち三元触媒より下流側に設ける。このNOx触媒は、低温時にNOxを吸着し、吸着したNOxを高温時に脱離する特性を有する。このため本発明によれば、例えば始動直後のような三元触媒が活性化する前におけるNOxをNOx触媒に吸着させることができるので、このNOxが排気浄化装置の外へ排出されるのを防止できる。
ところでこのNOx触媒のNOx吸着性能は、その温度によって変化する。より具体的には、NOx触媒は、内燃機関の始動直後等における低温時には高いNOx吸着性能を発揮するが、このNOx吸着性能は温度の上昇につれて徐々に低下する特性がある(例えば、後述の図2や図4等参照)。本発明では、NOx触媒を三元触媒よりも下流側に設けることにより、内燃機関を始動した後におけるNOx触媒の温度上昇を上流側の三元触媒よりも緩やかにできる。また本発明では、NOx触媒を排気還流装置の排気取り出し部より下流側に設けることにより、NOx触媒に流入する排気量を低減できるので、排気が流れることによるNOx触媒の温度上昇をさらに緩やかにできる。またこのようにNOx触媒の温度上昇を緩やかにすることにより、例えば内燃機関の始動を開始した後、三元触媒が活性化するよりも前に、NOx触媒の温度がそのNOx吸着性能が無くなるまで上昇してしまい、排気浄化装置全体でのNOx浄化性能が一時的に低下するのを防止できる。
またNOx触媒のNOx吸着性能は、NOx触媒に吸着されているNOxの量によっても変化する。より具体的には、NOx触媒のNOx吸着効率は、NOx触媒に吸着されているNOxの量が増えるほど低下する特性がある(例えば、後述の図2や図5等参照)。本発明では、NOx触媒を排気還流装置の排気取り出し部より下流側に設けることにより、NOx触媒に流入する排気量を低減できるので、NOx触媒におけるNOx吸着量の上昇を緩やかにできる。このようにNOx触媒のNOx吸着量の上昇も緩やかにすることにより、例えば内燃機関の始動を開始した後、三元触媒が活性化するよりも前に、NOx吸着量がそのNOx吸着性能が無くなるまで上昇してしまい、排気浄化装置全体でのNOx浄化性能が一時的に低下するのを防止できる。
(2)本発明では、排気還流装置の排気取り出し部及びNOx触媒を、過給機のタービンよりも下流側に設ける。すなわち、排気還流装置として所謂低圧型の排気還流装置を用いる。これにより、タービンの下流側の排気温度がさらに低下するので、NOx触媒の温度上昇をさらに緩やかにできる。
(3)本発明では、三元触媒をタービンより上流側に設ける。これにより、内燃機関の始動を開始した後、三元触媒が活性化されるまでにかかる時間を短くできる。したがって、三元触媒が活性化するよりも前に、NOx触媒のNOx吸着性能が低下してしまい、排気浄化装置全体でのNOx浄化性能が一時的に低下するのを防止できる。
本発明の一実施形態に係るエンジン及びその排気浄化装置の構成を示す図である。 NOx触媒におけるNOxの吸着、脱離挙動を示す図である。 NOx触媒におけるNOxの吸着量と脱離量とを比較する図である。 NOx触媒におけるNOx吸着率と、NOx触媒の温度やNOx吸着量との関係を示す図である。 NOx触媒の温度を所定の温度で固定したときにおけるNOx吸着率のNOx吸着量との関係を示す図である。 始動時NOx浄化処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 上記実施形態の排気浄化装置の効果を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関(以下、「エンジン」という)1及びその排気を浄化する排気浄化装置2の構成を示す図である。
エンジン1には、吸気が流れる吸気管12と、排気が流れる排気管13と、排気管13内の排気の一部を取り出し、これをEGRガスとして吸気管12に還流する排気還流装置3と、触媒の機能を利用して排気を浄化する触媒浄化装置6と、排気の運動エネルギーを利用して吸気を加圧する過給機8と、エンジン1、排気還流装置3、及び過給機8を制御する電子制御ユニット(以下、「ECU」という)5と、が設けられている。
エンジン1は、燃焼空燃比をストイキよりもリーンとする所謂リーン燃焼を基本としたもの、より具体的にはディーゼルエンジンやリーンバーンガソリンエンジンなどである。エンジン1には、各シリンダに燃料を噴射する燃料噴射弁17が設けられている。この燃料噴射弁17を駆動するアクチュエータは、ECU5に電磁的に接続されている。ECU5は、図示しない燃料噴射制御の下で燃料噴射弁17からの燃料噴射量や燃料噴射時期を決定し、これが実現されるように燃料噴射弁17を駆動する。
過給機8は、排気管13に設けられたタービンホイール81と、吸気管12に設けられたコンプレッサホイール82と、これらタービンホイール81とコンプレッサホイール82とを連結するシャフト83と、を備える。タービンホイール81は、エンジン1から排出された排気が吹き付けられることで回転駆動する。コンプレッサホイール82は、タービンホイール81により回転駆動され、エンジン1の吸気を加圧し吸気管12内へ圧送する。
排気還流装置3は、排気管13と吸気管12とを連通するEGR管31と、EGR管31を通流する排気の量を調整するEGRバルブ32と、を備える。この排気還流装置3は、EGR管31と排気管13とが接続する部分、すなわち排気の取り出し部をタービンホイール81よりも下流側とし、EGR管31と吸気管12とが接続する部分、すなわち排気の戻し部をコンプレッサホイール82よりも上流側とする、所謂低圧型の排気還流装置である。
EGRバルブ32は、EGR管31内で開閉可能に設けられた電磁弁であり、アクチュエータ33を介してECU5に接続されている。EGRバルブ32の開度は、図示しないバッテリからアクチュエータ33に供給される駆動電流をECU5で調整することによって制御される。ECU5は、エンジン1の運転状態に応じて目標EGR率及びこの目標EGR率に応じたEGRバルブ32の開度を決定し、この開度が実現されるように駆動電流のデューティ比を決定する。このEGRバルブ32の制御の詳細については説明を省略する。
触媒浄化装置6は、それぞれ排気管13に設けられた上流触媒コンバータ61、下流触媒コンバータ62及び排気温度センサ63を含んで構成される。
上流触媒コンバータ61は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材に三元触媒を担持して構成される。三元触媒では、ストイキ空燃比の排気の下においては、三元浄化反応、すなわちHC及びCOの酸化反応とNOxの還元反応とが同時に進行する。また三元触媒では、リーン空燃比の排気の下においては、HC及びCOの酸化反応が進行する。エンジン1の始動開始後、できるだけ速やかに三元触媒が活性化されるように、上流触媒コンバータ61は、排気管13のうちタービンホイール81より上流側に設けられる。
下流触媒コンバータ62は、排気管11のうち上流触媒コンバータ61より下流側に設けられる。下流触媒コンバータ62は、フロースルー型のハニカム構造体を基材として、この基材にNOx触媒を担持して構成される。NOx触媒は、ゼオライトからなる担体と、この担体に担持されたPdと、を含んで構成される。このNOx触媒は、例えばエンジン1の始動直後の比較的低温の条件下(より具体的には、例えば上流触媒コンバータ61の三元触媒が活性温度に達する前)において、三元触媒で浄化しきれなかったNOxを吸着し、還元浄化する機能を有する。下流触媒コンバータ62は、以下で詳細に説明するNOx触媒の特性を考慮して、排気管13のうち上流触媒コンバータ61、タービンホイール81、及び排気還流装置3の排気取り出し部よりも下流側に設けられる。
上記NOx触媒のゼオライトは、ストイキ又はリッチ空燃比の排気の下において、排気中に含まれるHCを低温条件下でその骨格中の細孔内に取り込んで吸着し、吸着したHCを高温条件下で脱離する特性を有する。HCの脱離が開始されるHC脱離温度は、後述するPdからNOxが脱離し始めるNOx脱離温度とほぼ等しい。
ゼオライトとしては、ZSM−5、フェリエライト、モルデナイト、Y型ゼオライト、ベータ型ゼオライト、CHA型ゼオライトが挙げられる。本実施形態では、これらのうち何れかを単独で用いてもよいし、複数を併用してもよい。このようなゼオライトにPdを担持させることにより、優れたNOx吸着性能が発現する。
ここで、通常、ゼオライトは、NOとして供給されたNOxをその細孔内に吸着する特性を有する。そのため、主として排気中のNOxを構成するNOをNOに変換するためには、排気をリーンにし、高酸素濃度かつ高温雰囲気下にし、さらにPt等の活性種が必要となる。これに対して、本実施形態のNOx触媒は、担体のゼオライトにPdを担持させることで、低温条件下で排気の空燃比がストイキ又はリッチのときにおいても優れたNOx吸着性能を発揮する。その理由は次の通りである。
すなわち、NOx触媒では、Pdは、ゼオライトを構成するAl、Si及びOのうち、酸点であるAlの近傍に配置される。そのため、Pdは、Alとの相互作用によって電子状態が変化し、2価のPd2+として存在する。この2価のPd2+は、従来のゼオライトのNOx吸着とは異なり、NOを酸化してNOとするまでもなくNOをそのまま吸着する特性を有する。これにより、NOx触媒は、低温条件下で排気の空燃比がストイキ又はリッチのときにおいても、優れたNOx吸着性能が得られるようになっている。
NOx触媒全体に対するPdの含有量は、0.01〜10質量%であることが好ましい。Pdの含有量がこの範囲内であれば、優れたNOx吸着性能が得られる。より好ましい含有量は、0.1〜3質量%である。
またNOx触媒としては、上述のようにゼオライトからなる担体にPdを担持したものに限らない。上記Pdに加えて、Fe、Ce、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素をゼオライトに共担持させてもよい。すなわち、Pdの間に、Ce、Pr、Sr、Ba、La、Ga、In及びMnからなる群より選択される少なくとも1種の添加元素が介在することで、2価のPd2+が0価のPdに還元されるのが抑制されるとともに、Pdの移動及び凝集が抑制されるため、Pdの分散性の悪化が抑制される。したがって、このようなNOx触媒によれば、優れたNOx吸着性能が維持され、低酸素濃度雰囲気における耐熱性が向上する。
図2は、上記NOx触媒におけるNOxの吸着、脱離挙動を示す図である。この図2は、下記に示すような組成のモデルガスをNOx触媒に供給し、NOx触媒を酸素過剰雰囲気(酸素過剰率λ=2)に維持しながら、NOx触媒に流入するガスのNOx濃度及びNOx触媒の温度を変化させた場合における、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度を示す。図2中、横軸は時間(秒)であり、右縦軸はNOx触媒の温度[℃]であり、左縦軸はNOx濃度[ppm]である。
モデルガスは、COを1000ppmで一定とし、Oを0.1%で一定とし、NOを所定の態様で変化させるとともに、Nをバランスガスとすることで全体の酸素過剰率λ=2とした。ここで、NOx触媒に流入するモデルガスのNOx濃度は、図2において破線で示すように、モデルガスの供給開始から約200秒を経過するまでの間では0より大きな所定値とし、これ以降は0とした。またNOx触媒の温度は、図2において一点鎖線で示すようにモデルガスの供給開始から約1200秒を経過するまでの間では約50℃で一定とし、約1200秒を経過した後は約500℃に達するまで徐々に上昇させた。なお約400〜1000秒までの間ではNOx濃度やNOx触媒の温度等にほとんど変化がないため、図2ではこれらの間の図示を省略する。
図2に示すように、NOx触媒が50℃の低温の状態で且つNOxを含むモデルガスをNOx触媒に供給し始めてから約200秒経過するまでの間では、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度(実線)はNOx触媒に流入するガスのNOx濃度(破線)よりも低い。特に、モデルガスの供給を開始した直後(0〜100秒程度)においては、NOx触媒から流出する排気中のNOx濃度はほぼ0ppmである。これは、NOx触媒に流入するガス中に含まれるNOx(NO)のほぼ全てがNOx触媒に吸着されていることを意味する。この結果から、下流触媒コンバータのNOx触媒は、上流触媒コンバータの三元触媒が活性に達する前の50℃の低温条件下においてNOx(NO)を効率良く吸着可能であることが分かる。
モデルガスの供給を開始してから約200秒が経過するまでの間において、NOx触媒から流出するガス中のNOx濃度は徐々に上昇し、NOx触媒に流入するガスのNOx濃度とほぼ同等になる(図2中の200秒付近を参照)。これは、NOx触媒で吸着できるNOxの量には限界があり、またNOx触媒に吸着されているNOx量がこの限界量に近付くにつれてNOxが吸着しにくくなる(NOx吸着率の低下)ことを意味する。すなわち、約200秒が経過した時点では、NOx触媒にはほぼ限界量に近い量のNOxが吸着されている。また、図2中の領域Tadの面積は、NOx触媒が吸着したNOxの総量(すなわち、NOx吸着量)を表している。
約200秒が経過した時点でモデルガスのNOx濃度を0ppmまで低下させると、これに応じてNOx触媒から流出するガスのNOx濃度も直ちに0ppmまで低下する。またこれ以降、図2に示すように、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度は、ほぼ0ppmである。すなわちNOx触媒は、0〜200秒の間にNOx触媒に吸着したNOxを、酸素過剰雰囲気下において保持し続ける機能を有する。
またNOx濃度を0ppmまで低下させた後、約1200〜2500秒までの間でほぼ一定の速度でNOx触媒の温度を上昇させる。この際、NOx触媒から流出するガスのNOx濃度は、図2に示すように約1800秒において0ppmから増加し始め、約2300秒において再び0ppmに戻る。なお、NOx触媒の温度は、約1800秒においては約250℃であり、約2300秒においては約450℃である。これは、NOx触媒に吸着されていたNOxは、NOx触媒の温度が約250℃を超えてから450℃を超えるまでの間に脱離したことを意味する。以下では、このようにNOx触媒に吸着されていたNOxの脱離が開始する温度(図2の例では、約250℃)をNOxの脱離温度という。なおこの際、NOx触媒から脱離するNOxは、ほぼ全てNOであり、NOやNOはほとんど観測されなかった。また図2中の領域Tdesの面積は、NOx触媒から脱離したNOxの総量(すなわち、NOx脱離量)を表している。
図3は、NOx触媒におけるNOxの吸着量と脱離量とを比較する図である。図3において、NOx吸着量及びNOx脱離量はそれぞれ所定の空気過剰率のモデルガスを用いて図2と同様の手順に従ってNOx濃度及び温度を変化させる試験を行うことによって取得した。図3の左側は酸素過剰率λ=2のガスを用いて取得した結果であり、図3の右側は酸素過剰率λ=0.9のガスを用いて取得した結果である。
図3の左側に示すように、酸素過剰雰囲気(λ=2)のモデルガスの下では、NOx脱離量はNOx吸着量とほぼ等しい。すなわち酸素過剰雰囲気では、低温時にNOx触媒に吸着されたNOxは、約500℃まで昇温するとほぼ全てがそのまま脱離する。
一方、図3の右側に示すように、λ=0.9のモデルガスの下では、NOx吸着量はλ=2の場合とほぼ同じであるにもかかわらず、NOx脱離量はこのNOx吸着量よりも大幅に減少する。すなわち還元雰囲気では、低温時にNOx触媒に吸着されたNOxは、約500℃まで昇温する過程でほぼ全てが脱離するとともにNに還元浄化する。これはすなわち、NOx触媒は、λが1以下の適正な空燃比の排気の下では、排気中に含まれるHC及びCOや、上述のようにゼオライトに吸着されていたHCを還元剤として、脱離したNOxを還元浄化する機能があることを意味する。
図4は、NOx触媒におけるNOx吸着率と、NOx触媒の温度やNOx吸着量との関係を示す図である。NOx吸着率は、NOx触媒に流入するNOxの総量のうちNOx触媒に吸着されるNOxの量の割合で定義される。またNOx吸着量は、NOxに吸着されているNOxの量で定義される。図4に示すように、NOx吸着率は、NOx触媒の温度が高くなるほど低下する特性があり、所定のNOx脱離温度を超えると0になる。
図5は、NOx触媒の温度を所定の温度で固定したときにおけるNOx吸着率とNOx吸着量との関係を示す図である。図5に示すように、NOx触媒に吸着されているNOxの量が増加するほど新たなNOxが吸着されにくくなるため、NOx吸着率は、NOx吸着量が増加するほど低くなる。このため、NOx触媒におけるNOx吸着率を高く維持するためには、NOx吸着量はできるだけ少なく維持する方が好ましい。またNOx触媒において吸着できるNOxの量には限界があり、NOx吸着量がこの最大値を超えると新たなNOxを吸着することができなくなる。
図1に戻り、排気温度センサ63は、排気管13のうち下流触媒コンバータ62より下流側に設けられる。この排気温度センサ63は、下流触媒コンバータ62から流出する排気の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU5に送信する。上流触媒コンバータ61の三元触媒の温度や、下流触媒コンバータ62のNOx触媒の温度は、例えば、排気温度センサ63の出力に基づいて、ECU5における演算によって推定される。
ECU5は、センサの検出信号をA/D変換するI/Oインターフェース、後述の図6等に示すフローチャートに沿った処理を実行するCPU、この処理の下で決定した態様で各種デバイスを駆動する駆動回路、及び各種データを記憶するRAMやROM等で構成されるマイクロコンピュータである。
図6は、始動直後のエンジンから排出されるNOxを浄化する始動時NOx浄化処理の具体的な手順を示すフローチャートである。図6の始動時NOx浄化処理は、始動直後のエンジンの排気中に含まれるNOxを一旦NOx触媒に吸着しておき、その後所定のタイミングでNOxパージ制御を実行することにより、吸着しておいたNOxをNOx触媒上で還元浄化する。図6の処理は、エンジンを始動させたり停止させたりするイグニッションスイッチ(図示せず)がオンにされたことに応じて、ECUにおいて所定の制御周期の下で繰り返し実行される。
S1では、ECUは、パージ制御完了フラグが1であるか否かを判定する。このパージ制御完了フラグは、エンジンを始動してから1回目のNOxパージ制御が完了したことを示すフラグである。この完了フラグは、エンジンの始動直後には0にセットされ、後述のS8において、所定時間にわたってNOxパージ制御が実行されたことに応じて1にセットされる。ECUは、S1の判定がNOである場合にはS3に移り、YESである場合には図6の処理を直ちに終了する。
S3では、ECUは、排気温度センサの出力に基づいて、NOx触媒の温度(以下では単に「触媒温度」という)を算出し、S4に移る。S4では、ECUは、S3で取得した触媒温度がNOx触媒の脱離温度より高いか否か、すなわちエンジンの始動直後に吸着したNOxがNOx触媒から脱離する時期であるか否かを判定する。
S4の判定がYESである場合、ECUは、S5に移り、始動時に吸着したNOxが脱離する時期に合わせて、NOx触媒に流入する排気の空燃比をストイキ又はリッチに制御するNOxパージ制御を実行し、S7に移る。ここでNOx触媒に流入する排気の空燃比は、例えばアフター噴射を行うことによってエンジンの燃焼室における空燃比をストイキ又はリッチにしたり、ポスト噴射を行い排気管内へ未燃燃料を供給したりすることによってストイキ又はリッチに制御される。これにより、NOx触媒から脱離するNOxは、このNOx触媒上で還元浄化される。
S7では、ECUは、上記S5のパージ制御を実行した時間を計測するパージタイマの値が0であるか否かを判定する。このパージタイマの値は、エンジンの始動直後は0より大きな所定の初期値に設定され、最小値を0として後述のS9の処理において制御周期ごとに経過時間分だけ減算される。したがって、パージタイマの値が0である状態とは、エンジンを始動してから、その初期値に相当する時間にわたってパージ制御が実行されたことを意味する。S7の判定がYESである場合、ECUは、S8に移り、パージ制御完了フラグの値を1にし、図6の処理を終了する。
S7の判定がNOである場合、ECUは、S9に移り、パージタイマの値を更新し、図6の処理を終了する。より具体的には、パージタイマの前回値から、図6の制御周期に相当する時間を減算することによってパージタイマの値を更新する。
図7は、以上のような本実施形態の排気浄化装置の効果を説明するための図である。図7には、上段から順に、エンジンの始動開始直後の所定期間における三元触媒の温度、NOx触媒の温度、NOx触媒のNOx吸着量、及びNOx触媒のNOx吸着率の変化を模式的に示す図である。図7において実線は、図1の本実施形態の排気浄化装置の結果を示し、破線は、図1の本実施形態の排気浄化装置からNOx触媒の位置を変更した比較例の排気浄化装置の結果を示す。なおこの比較例では、NOx触媒を、三元触媒とタービンとの間に設けた。
先ず、比較例と本実施形態の排気浄化装置とでは、三元触媒を設ける位置は同じである。したがって、図7の最上段に示すように、エンジン始動開始直後における三元触媒の温度は、比較例及び本実施形態の排気浄化装置ともにほぼ等しい速度で上昇し、時刻tactにおいて三元触媒が所定の活性化温度に達する。
また、比較例と本実施形態の排気浄化装置とでは、NOx触媒を設ける位置が異なる。より具体的には、比較例ではNOx触媒をタービン及び低圧EGR装置の排気取り出し部よりも上流側に設けるのに対し、本実施形態の排気浄化装置ではNOx触媒をこれらよりも下流側に設ける。このため本実施形態の排気浄化装置では、NOx触媒に流入する排気の量は比較例よりも少なくなるので、その分だけNOx触媒の温度上昇を緩やかにできる(図7の上から2段目参照)。図2〜図5等を参照して説明したように、NOx触媒の吸着率は、約50℃近傍をピークとして、温度が上昇するにつれて徐々に低下する。このため、図7の最下段に示すように、比較例では、NOx触媒の温度が速やかに高くなってしまい、結果として三元触媒が活性化するよりも前にNOx吸着率が大きく低下する場合がある。これに対し本実施形態の排気浄化装置では、NOx触媒の温度上昇を緩やかにすることにより、三元触媒が活性化する時点でも十分なNOx吸着率を維持できる。
また本実施形態の排気浄化装置では、上述のようにNOx触媒に流入する排気の量を少なくすることにより、その分だけNOx触媒に流入するNOxの量も減らすことができるので、NOx触媒におけるNOx吸着量の上昇も緩やかにできる(図7の下から2段目参照)。図2〜図5等を参照して説明したように、NOx触媒の吸着率は、NOx吸着量が増えるほど低下する。このため、図7の最下段に示すように、比較例では、NOx吸着量が速やかに高くなってしまい、結果として三元触媒が活性化するよりも前にNOx吸着率が大きく低下する場合がある。これに対し本実施形態の排気浄化装置では、NOx吸着量の上昇を緩やかにすることにより、三元触媒が活性化する時点でも十分なNOx吸着率を維持できる。
以上をまとめると、本実施形態の排気浄化装置では、NOx触媒を低圧EGR装置の排気取り出し部よりもさらに下流に設けることで、エンジンの始動開始直後におけるNOx触媒の温度及びNOx触媒のNOx吸着量の上昇を両方とも緩やかにできるので、三元触媒が活性化する時点でも十分なNOx吸着率を維持できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限らない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
1…エンジン(内燃機関)
13…排気管(排気通路)
3…排気還流装置
6…排気浄化装置
61…上流触媒コンバータ
62…下流触媒コンバータ
8…過給機
81…タービンホイール

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた上流触媒コンバータと、
    前記排気通路に設けられた下流触媒コンバータと
    前記排気通路を流れる排気の一部を取り出し前記内燃機関の吸気通路に還流する排気還流装置と、を備える内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記上流触媒コンバータは、三元触媒と、当該三元触媒が担持された基材と、を備え、
    前記下流触媒コンバータは、ゼオライトからなる担体及び当該担体に担持されたPdを有するNOx触媒と、当該NOx触媒が担持された基材と、を備え、
    前記排気通路には、排気のエネルギーを利用して吸気を加圧する過給機が設けられ、
    前記下流触媒コンバータは、前記上流触媒コンバータより下流側でありかつ前記排気還流装置の排気取り出し部より下流側に設けられ、
    前記排気取り出し部及び前記下流触媒コンバータは、前記排気通路のうち前記過給機のタービンよりも下流側に設けられ、
    前記上流触媒コンバータは、前記排気通路のうち前記タービンよりも上流側に設けられ、
    前記NOx触媒におけるPdの含有量は当該NOx触媒全体に対し0.01質量%から10質量%の範囲内であり、
    前記NOx触媒では、Pdはゼオライトとの相互作用によってPd2+として存在することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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