JP3508516B2 - ディーゼルエンジンの排気浄化装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの排気浄化装置

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JP3508516B2
JP3508516B2 JP31812897A JP31812897A JP3508516B2 JP 3508516 B2 JP3508516 B2 JP 3508516B2 JP 31812897 A JP31812897 A JP 31812897A JP 31812897 A JP31812897 A JP 31812897A JP 3508516 B2 JP3508516 B2 JP 3508516B2
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  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はディーゼルエンジ
ンの排気浄化装置、特に排気通路に設けたNOx還元触
媒(以下、単にNOx触媒という)に対して、排気中の
未燃HCを還元剤として供給するようにしたものに関す
る。
【0002】
【従来の技術】NOx触媒を排気通路に装着し、このN
Ox触媒によりNOxを還元浄化しようとする場合、還
元剤としてのHCを必要とするのであるが、一般的にデ
ィーゼルエンジンにおいてはNOx排出量に対してHC
排出量が比較的少ない(一般的にHC/NOxの比は1
以下のレベル)ため、コモンレール式の燃料噴射装置を
用いて、主噴射とは別に各気筒の膨張行程もしくは排気
行程で小量の燃料を後噴射し、この小量の燃料をHCの
状態のままNOx触媒に導くようにしたものが各種提案
されている(特開平6−117225号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、NOx触媒
の還元効率を高めるためには排気中のHCを増加させて
HC/NOx比を最低でも2以上とする必要があるもの
の、各気筒で後噴射してこの比を2以上とするのに必要
な燃料量は1回の主噴射で噴射する燃料のわずか2〜4
% に過ぎない。また、NOx触媒が活性化し始める温
度は通常約250℃ 以上であり、このときの過給機付
きディーゼルエンジンの主噴射の量は4気筒エンジンの
場合でたとえば約12.5mm3/st・cyl程度であり、最
大噴射量は70mm3/st・cyl程度になる。したがって、
必要な後噴射の量は1回当たり最小0.25〜0.5mm
3程度と非常に微量なものとなってしまい、精度良く燃
料噴射できる最小量が1〜2mm3/st・cyl程度であるコ
モンレール式燃料噴射装置を用いたのでは、一回当たり
0.25〜0.5mm3の後噴射を実行させることができ
ない。
【0004】このため、常に一定のパターンでエンジン
の1気筒にのみ後噴射を行ったり、全気筒を対象にする
場合には常に一定のパターンで所定サイクルおきに後噴
射を行うことで、1回当たりの後噴射量をコモンレール
式燃料噴射装置の最小噴射限界量以上にするようにした
ものがある(特開昭9−112251号公報参照)。
【0005】しかしながら、このもののように常に一定
のパターンで1気筒にのみ後噴射を行ったり、常に一定
のパターンで所定サイクルおきに後噴射を実行するので
は排気中のHCに濃淡ができるため、NOxの還元浄化
が連続して行えず、NOxの浄化効率が悪くなる。
【0006】そこで本発明は、1気筒当たりの後噴射量
が小さくなるほど後噴射の実施気筒数が少なくなる噴射
パターンであって、かつ後噴射によりNOx触媒へと供
給されるHCが平均化して流れるように後噴射実施サイ
クルが選択される噴射パターンを決定することにより、
後噴射燃料の供給を正確に行いつつ、排気中に生じるH
Cの濃淡を抑制しNOxの還元浄化を安定して行うこと
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、各気筒に
燃料を噴射供給する装置を備え、燃料の主噴射後の膨張
または排気行程で前記燃料供給装置により後噴射を行
い、この後噴射による未燃HCを、排気通路に設けたN
Ox触媒への還元剤として供給するようにしたディーゼ
ルエンジンの排気浄化装置において、全気筒かつ全サイ
クルで後噴射を実行する場合に1気筒当たりに必要な後
噴射量Qaft0を算出する手段と、この1気筒当たり
に必要な後噴射量Qaft0が小さくなるほど後噴射の
実施気筒数が少なくなる噴射パターンであって、かつ後
噴射によりNOx触媒へと供給される未燃HCが平均化
して流れるように後噴射実施サイクルが選択される噴射
パターンを決定する手段と、この噴射パターンに基づい
て後噴射実施気筒の必要噴射量Qaft2を算出する手
段と、この必要噴射量Qaft2を後噴射実施気筒に供
給する手段とを設けた。
【0008】第2の発明は、各気筒に燃料を噴射供給す
る装置を備え、燃料の主噴射後の膨張または排気行程で
前記燃料供給装置により後噴射を行い、この後噴射によ
る未燃HCを、排気通路に設けたNOx触媒への還元剤
として供給するようにしたディーゼルエンジンの排気浄
化装置において、全気筒かつ全サイクルで後噴射を実行
する場合に1気筒当たりに必要な後噴射量Qaft0を
算出する手段と、この1気筒当たりに必要な後噴射量Q
aft0が小さくなるほど、連続する所定サイクル当た
りの後噴射実施サイクル数が少なくなる噴射パターンで
あって、かつ後噴射によりNOx触媒へと供給される未
燃HCが平均化して流れるように後噴射実施サイクルが
選択される噴射パターンを決定する手段と、この噴射パ
ターンに基づいて後噴射実施気筒の必要噴射量Qaft
2を算出する手段と、この必要噴射量Qaft2を後噴
射実施気筒に供給する手段とを設けた。
【0009】第3の発明では、第1または第2の発明に
おいてNOx触媒の上流にHC吸着剤を設け、低排気温
度時にこの吸着剤に吸着させておいたHCを脱離させて
NOx触媒へ供給できるあいだ後噴射を停止する。
【0010】第4の発明では、第3の発明において低排
気温度時に吸着剤にHCを吸着させるあいだ1気筒当た
りに必要な前記後噴射量Qaft0を増量補正する。
【0011】第5の発明では、第1から第4までのいず
れか一つの発明において1気筒当たりに必要な前記後噴
射量Qaft0を主噴射量Qmainに応じて算出す
る。
【0012】第6の発明では、第5の発明において1気
筒当たりに必要な前記後噴射量Qaft0を水温補正す
る。
【0013】第7の発明では、第1から第6までのいず
れか一つの発明において前記燃料供給装置がコモンレー
ル式燃料噴射装置である。
【0014】第8の発明では、第1から第7までのいず
れか一つの発明において前記NOx触媒がゼオライト系
触媒である。
【0015】第9の発明は、各気筒に燃料を噴射供給す
る装置を備え、燃料の主噴射後の膨張または排気行程で
前記燃料供給装置により後噴射を行い、この後噴射によ
る未燃HCを、排気通路に設けたNOx触媒への還元剤
として供給するようにしたディーゼルエンジンの排気浄
化装置において、排気温度が上昇するほど後噴射を実施
する気筒数を増加させる。
【0016】第10の発明は、各気筒に燃料を噴射供給
する装置を備え、燃料の主噴射後の膨張または排気行程
で前記燃料供給装置により後噴射を行い、この後噴射に
よる未燃HCを、排気通路に設けたNOx触媒への還元
剤として供給するようにしたディーゼルエンジンの排気
浄化装置において、排気温度が上昇するほど後噴射のサ
イクル間隔を短縮させる。
【0017】第11の発明では、第9または第10の発
明において後噴射を実施する気筒での燃料量が、予め設
定された後噴射の最小量以上となるように後噴射実施気
筒数または連続する所定サイクル当たりの後噴射実施サ
イクル数を可変制御する。
【0018】第12の発明では、第9から第11までの
いずれか一つの発明において前記排気温度を主噴射量Q
mainから推定する。
【0019】第13の発明では、第9から第12までの
いずれか一つの発明においてNOx触媒の上流にHC吸
着剤を設け、低排気温度時にこの吸着剤に吸着させてお
いたHCを脱離させてNOx触媒へ供給できるあいだ後
噴射を停止する。
【0020】第14の発明では、第13の発明において
低排気温度時に吸着剤にHCを吸着させるあいだ後噴射
量を増量補正する。
【0021】
【発明の効果】第1の発明によれば1気筒当たりに必要
な後噴射量が小さくなるほど後噴射の実行気筒数を少な
くし、また第2の発明によれば1気筒当たりに必要な後
噴射量が小さくなるほど、連続する所定サイクル当たり
の後噴射実施サイクル数を少なくしているので、後噴射
燃料量を過不足なく正確に供給できる(燃料を節約しな
がら効果的にNOxの浄化が行える)ほか、後噴射によ
りNOx触媒へと供給されるHCができるだけ平均化し
て流れるように、第1と第2の各発明によれば後噴射を
実施するサイクルを選んでいることから、従来のように
常に一定のパターンで1気筒にのみ後噴射を行ったり、
常に一定のパターンで所定サイクルおきに後噴射を実行
する場合にくらべて、排気中に生じるHCの濃淡を抑制
してNOxの還元浄化を安定して行える結果、従来より
もNOxの浄化効率が向上する。
【0022】第3と第13の各発明では、低排気温度時
に吸着剤に吸着させておいた未燃HCをNOx還元剤と
して利用できるので、燃料の節約効果がさらに向上す
る。また、低排気温度時に吸着剤に吸着させておいたH
CをNOx還元剤として利用する期間内においては、吸
着剤からの脱離HCが平均化してNOx触媒に供給され
るので、HCの濃淡をさらに抑制でき、これによってN
Ox浄化率が一段と向上する。
【0023】エンジン始動直後等ではエンジンの圧縮温
度が低いため未燃HCが多く排出される。つまり、冷却
水温が低いときには1気筒当たりに必要な後噴射量を少
なくしても還元剤としてのHCが十分確保できることか
ら、第6の発明によれば燃料をさらに節約できる。
【0024】第4と第14の各発明では、低排気温度時
に吸着剤にHCを吸着させるあいだも、NOx触媒への
HC供給量が不足することがない。
【0025】第8の発明によれば、HC吸着効果の高い
ゼオライト系触媒を併用していることで、HCの濃淡抑
制効果がさらに高まる。
【0026】エンジンの特性として排気温度が上昇する
と、NOx触媒温度が上昇する結果、HCのNOx触媒
への吸着量(HC保持効果)が少なくなり、排気中のH
Cの濃淡を平均化し難くなるのであるが、第9の発明に
より排気温度が上昇するほど後噴射を実施する気筒数を
増加させることで、また第10の発明により排気温度が
上昇するほど後噴射のサイクル間隔を短縮させること
で、排気中のHCの濃淡が少なくなり、NOx触媒上に
おけるHC濃淡が平均化される結果、NOx浄化率を向
上できる。
【0027】第11の発明では、エンジンの運転条件が
変化した場合でも常に燃料供給装置の最小噴射限界量以
上で後噴射を実施できるため、過剰な燃料の消費を行う
ことなくNOx触媒への適正なHC供給が行え、効率よ
くNOxの浄化が行える。
【0028】
【発明の実施の形態】図1において、1はディーゼルエ
ンジンの本体で、排気通路2にNOx触媒3を備える。
NOx触媒3としてCu、Pd、Pt等の金属でイオン
交換したCu−ゼオライト系、Pd−ゼオライト系ある
いはPt−ゼオライト系の触媒が各種提案されており、
またゼオライトとしてZSM−5、β、USY型が知ら
れているので、これらを用いることが望ましい。それら
を複合したものを用いてもよい。
【0029】エンジンにはまた公知のコモンレール式の
燃料噴射装置10を備える。
【0030】これを図2により概説すると(詳細は特開
昭9−112251号公報参照)、この燃料噴射装置1
0は、主に燃料タンク11、燃料供給通路12、サプラ
イポンプ14、コモンレール(蓄圧室)16、気筒毎に
設けられる燃料噴射弁17からなり、サプライポンプ1
4により加圧された燃料は燃料供給通路15を介してコ
モンレール16にいったん蓄えられたあと、コモンレー
ル16の高圧燃料が気筒数分の燃料噴射弁17に分配さ
れる。
【0031】燃料噴射弁17は、針弁18、ノズル室1
9、ノズル室19への燃料供給通路20、リテーナ2
1、油圧ピストン22、針弁18を閉弁方向(図で下
方)に付勢するリターンスプリング23、油圧ピストン
22への燃料供給通路24、この通路24に介装される
三方弁(電磁弁)25などからなり、バルブボディ内の
通路20と24が連通して油圧ピストン22上部とノズ
ル室19にともに高圧燃料が導かれる三方弁25のOF
F時(ポートAとBが連通、ポートBとCが遮断)に
は、油圧ピストン22の受圧面積が針弁18の受圧面積
より大きいことから、針弁18が着座状態にあるが、三
方弁25がON状態(ポートAとBが遮断、ポートBと
Cが連通)になると、油圧ピストン22上部の燃料が戻
し通路28を介して燃料タンク11に戻され、油圧ピス
トン22に作用する燃料圧力が低下する。これによって
針弁18が上昇して噴射弁先端の噴孔より燃料が噴射さ
れる。三方弁25をふたたびOFF状態に戻せば、油圧
ピストン22に蓄圧室16の高圧燃料が導びかれて燃料
噴射が終了する。つまり、三方弁25のON時間により
燃料噴射量が調整され、蓄圧室16の圧力が同じであれ
ば、ON時間が長くなるほど燃料噴射量が多くなる。2
6は逆止弁、27はオリフィスである。
【0032】この燃料噴射装置10にはさらに、コモン
レール圧力を制御するため、サプライポンプ14から吐
出された燃料を戻す通路13に圧力制御弁31を備え
る。この圧力制御弁31はコントロールユニット41か
らのデューティ信号に応じて通路13の流路面積を変え
るためのもので、コモンレール16への燃料吐出量を調
整することによりコモンレール圧力を制御する。コモン
レール16の燃料圧力によっても燃料噴射量は変化し、
三方弁25のON時間が同じであれば、コモンレール1
6の燃料圧力が高くなるほど燃料噴射量が多くなる。
【0033】コモンレール圧力PCR1を検出するセン
サ32、NOx触媒3の入口温度T1を検出するセンサ
37からの信号が、アクセル開度センサ33(アクセル
ペダルの踏み込み量に比例した出力Lを発生)33、ク
ランク角センサ34(エンジン回転数とクランク角度を
検出)、クランク角センサ35(気筒判別を行う)、水
温センサ36とともに入力される電子制御ユニット41
では、エンジン回転数とアクセル開度に応じて主噴射の
目標燃料噴射量とコモンレール16の目標圧力を演算
し、圧力センサ32により検出されるコモンレール圧力
がこの目標圧力と一致するように圧力制御弁31を介し
てコモンレール16の燃料圧力をフィードバック制御す
る。また、演算した主噴射の目標燃料噴射量に対応して
三方弁25のON時間を制御するほか、主噴射とは別に
各気筒の膨張行程もしくは排気行程で後噴射を行って未
燃HCをNOx触媒3に供給する。
【0034】さて、NOx触媒の還元効率を高めるため
には排気中のHCを増加させてHC/NOx比を最低で
も2以上とする必要があり、各気筒で後噴射してこの比
を2以上とするのに必要な燃料量は1回の主噴射で噴射
する燃料のわずか2〜4 %に過ぎず、例として主噴射
の量が約12.5mm3/st・cyl程度(最大噴射量は70m
m3/st・cyl程度)のときの過給機付き4気筒ディーゼル
エンジンで考えると、必要な後噴射の量は1回当たり
0.25〜0.5mm3程度と非常に微量なものとなり、
精度良く燃料噴射できる最小量が1〜2mm3/st・cyl程
度であるコモンレール式燃料噴射装置を用いたのでは、
一回当たり0.25〜0.5mm3の後噴射を実行させる
ことができない。
【0035】このため、常に一定のパターンでエンジン
の1気筒にのみ後噴射を行ったり、、全気筒を対象にし
て常に一定のパターンで所定サイクルおきに後噴射を行
うことで1回当たりの後噴射量をコモンレール式燃料噴
射装置の最小噴射限界量以上にするようにしたものがあ
るが、常に一定のパターンで1気筒にのみ後噴射を行っ
たり、常に一定のパターンで所定サイクルおきに後噴射
を実行するのでは排気中のHCに濃淡ができるため、N
Oxの還元浄化が連続して行えず、NOxの浄化効率が
悪くなる。
【0036】これに対処するため本発明の第1実施形態
では、全気筒かつ全サイクルで後噴射を実行する場合に
1気筒当たりに必要な後噴射量が小さくなるほど後噴射
の実施気筒数が少なくなる噴射パターンであって、かつ
後噴射によりNOx触媒へと供給されるHCが平均化し
て流れるように後噴射実施サイクルが選択される噴射パ
ターンを決定する。
【0037】電子制御ユニット41で行われるこの制御
を図3〜図6のフローチャートに基づいて説明すると、
図3は燃料噴射制御のメインルーチン、図4、図5、図
6はメインルーチンの一部の詳細を示すサブルーチンで
ある。
【0038】まずメインルーチンを示す図3において、
ステップ100ではコモンレール圧力PCR1、エンジン
回転数Ne、気筒判別信号Cyl、エンジン負荷L、冷
却水温TwおよびNOx触媒3の入口温度T1を読み込
み、ステップ200、300、400においてコモンレール圧力
制御、エンジンの出力制御のための主噴射制御、NOx
触媒3に対して還元剤としてのHCを供給するための後
噴射制御をそれぞれ実行する。
【0039】図4のサブルーチンはコモンレール圧力制
御を行うためのものである。
【0040】ステップ201、202では、エンジン回転数N
eとエンジン負荷Lから所定のマップを検索してコモン
レール16の目標基準圧力PCR0とこのコモンレール
基準圧力PCR0を得るための圧力制御弁31用基準デ
ューティ比Duty0とを求める。これらのマップはエ
ンジン回転数Neとエンジン負荷Lをパラメータとして
電子制御ユニット41のROMに予め記憶しているもの
である。後述するマップやテーブルについてもすべて電
子制御ユニット41のROMに予め記憶しているもので
あり、この点についての説明は省略する。
【0041】ステップ203では、目標基準圧力PCR0
と実際のコモンレール圧力PCR1との差の絶対値を求
め、これを目標基準圧力PCR0に対して予め設定され
た許容圧力差ΔPCR0と比較する。 | PCR0−P
CR1 | が許容範囲内であればステップ206に進んで
基準デューティ比Duty0を開弁デューティ比Dut
yとすることによって同じデューティ比を維持し、ステ
ップ207においてこのデューティ比Dutyからデュー
ティ信号を作って圧力制御弁31を駆動する。
【0042】一方、 | PCR0−PCR1 | が許容
範囲内にない場合は、ステップ203よりステップ204に進
み、PCR0−PCR1(=ΔP)に対応して予め設定
されているROMのテーブルを検索してデューティ比の
補正係数KDutyを求める。たとえば、ΔPがマイナ
ス(PCR0よりもPCR1が大きい)の場合はKDu
tyが1よりも小さい値に、この逆にΔPがプラスの
(PCR0よりもPCR1が小さい)場合はKDuty
が1よりも大きい値になる。具体的には圧力制御弁31
の特性に合わせてデューティ比補正係数KDutyのテ
ーブルデータを設定する。
【0043】ステップ205では基準デューティ比Dut
y0をこの補正係数KDutyにより補正した値を開弁
デューティ比Dutyとした後、ステップ207の操作を
実行する。
【0044】図5のサブルーチンは主噴射制御を行うた
めのものである。
【0045】ステップ301ではエンジン回転数Neとエ
ンジン負荷Lから所定のマップを検索して主噴射量Qm
ainを求め、この主噴射量Qmainとコモンレール
圧力PCR1とからステップ302において所定のマップ
を検索して主噴射期間Mperiodを求める。
【0046】ここで、主噴射期間Mperiodはms
ecの単位で設定され、図6に示したように主噴射量Q
mainが同じならコモンレール圧力PCR1が高いほ
ど主噴射期間Mperiodが短くなり、コモンレール
圧力PCR1が同じなら主噴射量Qmainが多いほど
主噴射期間Mperiodが長くなる。
【0047】ステップ303ではエンジン回転数Neとエ
ンジン負荷Lから所定のマップを検索して主噴射開始時
期Mstartを求める。ステップ304では主噴射量Q
mainが供給されるように噴射開始時期Mstart
よりMperiodの期間、主噴射すべき気筒の燃料噴
射弁17を、2つのクランク角センサ34、35の信号
に基づいて開弁駆動する。
【0048】図7のサブルーチンは後噴射制御を実行す
るためのものである。
【0049】まずステップ401では、NOx触媒の入口
温度T1と所定値T0を比較する。所定値T0は、NO
x触媒3が活性化してNOxの還元が行える温度の最低
値(およそ250 ℃) で、NOx触媒の入口温度T1
が所定値T0以下の場合にはHCを供給してもNOxを
浄化できないためステップ412に進んで後噴射の実行を
停止する。
【0050】NOx触媒の入口温度T1が所定値T0よ
りも高い場合にはステップ402に進み、冷却水温Twと
所定値Tw0を比較する。冷却水温Twが所定値Tw0
以下である場合は後噴射を実行しなくても排気中にHC
が十分に存在すると判断し、ステップ412に進んで後噴
射を実行しない。たとえば、エンジン始動直後等ではエ
ンジンの圧縮温度が低いため未燃HCが多く排出される
(このときの温度は冷却水温で約30 ℃ 以下であ
る)。
【0051】冷却水温Twが所定値Tw0を超えている
ときはステップ403以降に進んで後噴射を実行する。
【0052】まずステップ403では後噴射量比率Kaf
t(すなわち主噴射量Qmainに対する噴射比率)を
エンジン回転数Neとエンジン負荷Lに応じて予め設定
されたマップから検索する。
【0053】この後噴射比率Kaftは簡単には主噴射
に対して一定であってもよい。しかし、通常はエンジン
の負荷と回転数が高くなるほど排気中のHC濃度が低く
なるため、エンジンの負荷と回転数が低い条件では比率
を小さくし、逆にエンジンの負荷と回転数が高い条件で
は比率を高く設定するのが望ましい。いずれにしても後
噴射量比率KaftはエンジンのHC排出特性に応じて
設定する。
【0054】ステップ404ではこの後噴射量比率Kaf
tとQmain(図5のステップ301ですでに得てい
る)とを用いて Qaft0=Qmain×Kaft の式により、全気筒かつ全サイクルで後噴射を実行する
場合に1気筒当たりに必要な後噴射量Qaft0を算出
する。たとえば、Qmainを15mm3/st・cyl、Ka
ftを4 % としたとき、Qaft0は0.6mm3/st・
cylである。
【0055】ステップ405では1気筒当たりに必要な後
噴射量Qaft0の水温補正係数KTwをROMのテー
ブルを検索することにより求める。前述したように、エ
ンジン始動直後等ではエンジンの圧縮温度が低いため未
燃HCが多く排出される。したがって、冷却水温が低い
ときには後噴射量を少なくしても還元剤としてのHCが
十分確保できる。このため、水温補正係数KTwは、た
とえば図8に示すように冷却水温Twが高くなると1に
近づくように設定(たとえば冷却水温60 ℃以上は1
に、60 ℃ よりも小さくなるのに比例して小さく設
定)する。
【0056】ステップ406では1気筒当たりに必要な後
噴射量Qaft0をこの水温補正係数KTwで補正した
値を改めて1気筒当たりに必要な後噴射量Qaft1と
し、水温補正して求めたこの1気筒当たりに必要な後噴
射量Qaft1に基づいて、ステップ407において、第
1の後噴射パターンをROMのテーブルから決定する。
【0057】ここで、第1の後噴射パターンの詳細を図
9に、また図9における5つの各パターンA−0〜A−
4により後噴射を実施するサイクルを図10に示すと、
次のようになる。なお、簡単のため4気筒4サイクルエ
ンジンで考え、点火順序は1−3−4−2である。
【0058】A−0 : Qaft1が2.0mm3/st・cy
l以上の場合の噴射パターンで、図10(A)に示すよ
うに全ての気筒でサイクル毎に後噴射を実施する。
【0059】A−1 : Qaft1が1.5〜2.0mm
3/st・cylの場合の噴射パターンで、図10(B)に示
すように4つの気筒のうち3つの気筒(1、3、4番気
筒)でサイクル毎に後噴射を実施する。
【0060】A−2 : Qaft1が1.0〜1.5mm
3/st・cylの場合の噴射パターンで、図10(C)に示
すように4つの気筒のうち2つの気筒(1、4番気筒)
でサイクル毎に後噴射を実施する。
【0061】A−3 : Qaft1が0.5〜1.0mm
3/st・cylの場合の噴射パターンで、図10(D)に示
すように4つの気筒のうち1つの気筒(1番気筒)でサ
イクル毎に後噴射を実施する。
【0062】A−4 : Qaft1が0.5mm3/st・cy
l以下の場合の噴射パターンで、図10(E)に示すよ
うに4つの気筒のうち1つの気筒(1番気筒)でかつ1
サイクルおきに(1サイクルと3サイクルで)後噴射を
実施する。
【0063】このように、1気筒当たりに必要な後噴射
量Qaft1が小さくなるほど後噴射の実施気筒数を4
→3→2→1と少なくしているのは、噴射実施気筒の後
噴射必要量Qaft2(後述する)をコモンレール式燃
料噴射装置の最小噴射限界量以上にするためである。ま
た、後噴射を実施するサイクルを図10に示すように選
んだ(A−0〜A−3のパターンではサイクル毎とし、
A−4のパターンでは1サイクルおきとした)のは、後
噴射によりNOx触媒へと供給されるHCができるだけ
平均化して流れるようにしたものである。
【0064】なお、図10に示したA−1からA−4ま
での各パターンについては後噴射実施気筒が他の気筒で
あってもよい。要は実施気筒数が合っていればよい。
【0065】図11には第2の噴射パターン(全気筒で
後噴射を実施する場合の噴射パターン)を示すと、これ
は次のようなものである。
【0066】B−0 : Qaft1が2.0mm3/st・cy
l以上の場合の噴射パターンで、全てのサイクルで後噴
射を実施する(噴射パターンA−0と同一)。
【0067】B−1 : Qaft1が1.5〜2.0mm
3/st・cylの場合の噴射パターンで、連続4サイクルの
うち3サイクルで後噴射を実施する。
【0068】B−2 : Qaft1が1.0〜1.5mm
3/st・cylの場合の噴射パターンで、連続4サイクルの
うち2サイクルでかつ1サイクルおきに後噴射を実施す
る。
【0069】B−3 : Qaft1が0.5〜1.0mm
3/st・cylの場合の噴射パターンで、連続4サイクルの
うち1サイクルで後噴射を実施する。
【0070】B−4 : Qaft1が0.5mm3/st・cy
l以下の場合の噴射パターンで、連続8サイクルのうち
1サイクルで後噴射を実施する。
【0071】このように、1気筒当たりに必要な後噴射
量Qaft1が小さくなるほど、連続する12サイクル
当たりの後噴射実施サイクル数を12→9→6→3→2
と少なくしているのは、第1の噴射パターンと同じに、
噴射実施気筒の後噴射必要量Qaft2(後述する)を
コモンレール式燃料噴射装置の最小噴射限界量以上にす
るためである。また、後噴射を実施するサイクルを図1
1に示すように選んだ(特にB−2のパターンで1サイ
クルおきとした)のも、第1の噴射パターンと同じに、
後噴射によりNOx触媒へと供給されるHCができるだ
け平均化して流れるようにしたものである。
【0072】なお、図11に示したB−1からB−4ま
での各パターンについても、第1の噴射パターンと同
様、後噴射を実施するサイクルが他のサイクルであって
もよい。要は後噴射実施サイクル数が合っていればよ
い。
【0073】図7のステップ408に戻り、1気筒当たり
に必要な後噴射量Qaft1から前述した第1または第
2の噴射パターンで後噴射を実施する気筒の後噴射必要
量Qaft2を下記の計算によって求める。なお、Qa
ft2 に対してQaft1は平均量の意味合いにな
る。
【0074】〔1〕 第1の噴射パターンの場合 A−0 : Qaft2=Qaft1×1 (平均量と必要量は同じ)。
【0075】A−1 : Qaft2=Qaft1×4/
3 (平均量1.7mm3/st・cyl→必要量2.3mm3/st・cy
l) A−2 : Qaft2=Qaft1×2 (平均量1.2mm3/st・cyl→必要量2.4mm3/st・cy
l) A−3 : Qaft2=Qaft1×4 (平均量0.7mm3/st・cyl→必要量2.8mm3/st・cy
l) A−4 : Qaf2t=Qaft1×8 (平均量0.3mm3/st・cyl→必要量2.4mm3/st・cy
l) 〔2〕 第2の噴射パターンの場合 B−0 : Qaft2=Qaft1×1 (平均量と必要量は同じ) B−1 : Qaft2=Qaft1×4/3 (平均量1.7mm3/st・cyl→必要量2.3mm3/st・cy
l) B−2 : Qaft2=Qaft1×2 (平均量1.2mm3/st・cyl→必要量2.4mm3/st・cy
l) B−3 : Qaft2=Qaft1×4 (平均量0.7mm3/st・cyl→必要量2.8mm3/st・cy
l) B−4 : Qaft2=Qaft1×8 (平均量0.3mm3/st・cyl→必要量2.4mm3/st・cy
l) このようにして、後噴射実施気筒の必要噴射量Qaft
2を計算によって求めたとき、上記第1の噴射パター
ン、第2の噴射パターンのいずれの場合にも(つまりA
−0〜A−4、B−0〜B−4のいずれのパターンの場
合にも)、Qaft2がコモンレール式燃料噴射装置の
最小噴射限界量(1〜2mm3/st・cyl)を超えている。
【0076】ステップ409、410、411は主噴射制御を示
す図5のステップ302、303、304と同様である。すなわ
ち、後噴射実施気筒の必要噴射量Qaft2とコモンレ
ール圧力PCR1とからステップ409において所定のマ
ップを検索して後噴射期間Aperiodを求める。こ
の場合、後噴射期間Aperiodのマップデータは、
主噴射期間Mperiodのマップデータと同一でよい
(図6参照)。ステップ410では、エンジン回転数Ne
とエンジン負荷Lから所定のマップを検索して後噴射開
始時期Astartを求める。ステップ411では後噴射
量Qaft2が供給されるように噴射開始時期Asta
rtよりAperiodの期間、後噴射すべき気筒の燃
料噴射弁17を、2つのクランク角センサ34、35の
信号に基づいて開弁駆動する。
【0077】このようにして、第1実施形態では、第1
の噴射パターンによれば1気筒当たりに必要な後噴射量
Qaft1が小さくなるほど後噴射の実施気筒数を少な
く、また第2の噴射パターンによれば1気筒当たりに必
要な後噴射量Qaft1が小さくなるほど、連続する所
定サイクル当たりの後噴射実施サイクル数を少なくして
いることから、後噴射実施気筒の必要噴射量Qaft2
を、コモンレール式燃料噴射装置が精度良く燃料噴射で
きる最小量(1〜2mm3/st・cyl程度)以上に保つこと
ができ、これによって後噴射燃料量を過不足なく正確に
供給できる(燃料を節約しながら効果的にNOxの浄化
が行える)ほか、後噴射によりNOx触媒へと供給され
るHCができるだけ平均化して流れるように、第1の噴
射パターンによれば後噴射を実施するサイクルを図10
に示すように選び、また第2の噴射パターンによれば後
噴射を実施するサイクルを図11に示すように選んだこ
とから、従来のように常に一定のパターンで1気筒にの
み後噴射を行ったり、常に一定のパターンで所定サイク
ルおきに後噴射を実行する場合にくらべて、排気中に生
じるHCの濃淡を抑制してNOxの還元浄化を安定して
行える結果、従来よりもNOxの浄化効率が向上する
(HCの濃淡抑制効果はHC吸着効果の高いゼオライト
系触媒を併用していることでさらに高まる)。
【0078】図12、図13、図14は第2実施形態
で、第1実施形態の図1、図3、図7にそれぞれ対応す
る。なお、図12において図1と同一部分には同一番号
を、また図13、図14において図3、図7と同一部分
には同一ステップ番号を付けており、同一部分の説明は
省略する。
【0079】この実施形態は、図12に示したようにN
Ox触媒3の上流にHC吸着剤51を設けているものに
対して適用したものである。なお、上記のHC吸着剤5
1としては、NOx触媒3と同様、ゼオライト系の吸着
剤が提案されており、ゼオライトとしてZSM−5、
β、USY型がよく知られているので、これらを用いる
ことが望ましい。また、それらを複合したものを用いて
もよい。
【0080】第1実施形態と相違する部分を主に説明す
ると、図14(図13のステップ400のサブルーチン)
において、ステップ501ではセンサ52(図12参照)
により検出されるHC吸着剤51の入口温度T2とHC
脱離温度Tdes(おおよそ250 ℃ 程度)とを比較
する。
【0081】ここで、吸着剤51のHC通過率Kthroug
hは図15に示すように温度が高くなるほど高くなり、
HC脱離温度Tdes以上で1となる(ほぼ全てのHC
が吸着剤51に吸着されずに通過する)。したがって、
吸着剤入口温度T2がHC脱離温度Tdes以下の場合
は、後噴射によるHCの一部が吸着剤51に吸着されて
しまい、NOx触媒3への供給HCが不足することにな
るので、ステップ502に進み、このHCの不足を補うた
め1気筒当たりに必要な後噴射量Qaft1をHC通過
率Kthroughで割った値を改めて1気筒当たりに必要な
後噴射量Qaft1とすることで、Qaft1を増量補
正する。その後は第1実施形態と同様に、ステップ407
以降の操作を行う。なお、HC通過率Kthroughは吸着
剤入口温度T2から図15を内容とするテーブルを検索
することで求めればよい。
【0082】一方、吸着剤入口温度T2がHC脱離温度
Tdesを超えている場合は、ステップ501より503に進
み、タイマ値TimeAと所定値Time1(たとえば
10sec程度)を比較する。
【0083】ここで、タイマ値TimeAはHC吸着剤
51がHC脱離温度Tdes以下の温度条件を連続した
時間を計測したものである。したがって、T2 > Td
esかつTimeA ≦ Time1が成立する場合と
は、HC吸着剤51がHC脱離温度Tdes以下の温度
条件で連続してTime1の時間が保持される前に温度
上昇して吸着剤入口温度T2がHC脱離温度Tdesを
超えた場合である。この場合は、吸着剤51に吸着され
ているHC量が少ないためHC脱離温度Tdes以上で
あっても脱離するHC量が少ないと判断し、ステップ40
7以降に進んで後噴射を実行する。
【0084】これに対して、T2 > TdesかつTi
meA > Time1である場合とは、HC吸着剤51
がHC脱離温度Tdes以下の温度条件で連続してTi
me1以上の時間が保持されることにより、吸着剤51
に十分な量のHCが吸着された後に温度上昇して吸着剤
入口温度T2がHC脱離温度Tdesを超えた場合であ
る。また、吸着剤51より脱離するHC量がNOx触媒
3でのNOx還元浄化に十分な量となるように吸着剤5
1の吸着容量を定めている。ただし、吸着剤51からの
HCの脱離は長くは続かない。
【0085】したがって、T2 > TdesかつTim
eA > Time1である場合は、ステップ503よりス
テップ504に進んでタイマ値TimeBと所定値Tim
e2(たとえば5sec程度)を比較する。ここで、タ
イマ値TimeBは吸着剤入口温度T2がHC脱離温度
Tdes以上になってからの経過時間を計測したもの、
所定値Time2は吸着剤51からのHCの脱離終了を
定める時間である。
【0086】タイマ値TimeBが所定値Time2に
達していない場合は、吸着剤51から脱離したHC量で
NOx触媒3によるNOx還元が十分行えると判断し、
ステップ504よりステップ412に進み、後噴射を実行しな
い。タイマ値TimeBが所定値Time2に達した後
は、吸着剤51から脱離するHCがなく、後噴射を実行
しないとNOx触媒3でのNOx還元浄化が十分に行え
ないため、ステップ504よりステップ407以降に進み、後
噴射を実行する。
【0087】このように第2実施形態では、NOx触媒
3の上流にHC吸着剤51を設け、吸着剤51の温度状
態を監視しながら後噴射制御を実行するようにしたた
め、低排気温度時に吸着剤51に吸着させておいたHC
を、NOx触媒3がNOx還元活性温度以上になったと
きに利用できるので、その間は後噴射を行う必要がな
く、これによって燃料の節約効果がさらに向上する。
【0088】また、低排気温度時に吸着剤51に吸着さ
せておいたHCをNOx還元剤として利用する期間にお
いては、脱離HCが平均化してNOx触媒3に供給され
るので、HCの濃淡をさらに抑制でき、これによってN
Ox浄化率が一段と向上する。
【0089】実施形態では、コモンレール式燃料噴射装
置を用いた場合で説明したが、これに限定されるもので
ない。たとえばユニットインジェクタを用いる場合にも
適用可能である(この場合にはQaft2をユニットイ
ンジェクタの最小噴射限界量以上にする必要がある)。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】コモンレール式燃料噴射装置のシステム図であ
る。
【図3】燃料噴射のメインルーチンを説明するためのフ
ローチャートである。
【図4】コモンレール圧力の制御ルーチンを説明するた
めのフローチャートである。
【図5】主噴射制御ルーチンを説明するためのフローチ
ャートである。
【図6】主噴射と後噴射の燃料噴射期間の特性図であ
る。
【図7】後噴射制御ルーチンを説明するためのフローチ
ャートである。
【図8】水温補正係数の特性図である。
【図9】Qaft1の噴射量区分に対するA−0〜A−
4の各パターンを示した表図である。
【図10】5つの各パターンA−0〜A−4により後噴
射を実行するサイクルを示す特性図である。
【図11】第2の噴射パターンを示す特性図である。
【図12】第2実施形態の制御システム図である。
【図13】第2実施形態の燃料噴射のメインルーチンを
説明するためのフローチャートである。
【図14】第2実施形態の後噴射制御ルーチンを説明す
るためのフローチャートである。
【図15】第2実施形態のHC通過率の特性図である。
【符号の説明】
1 エンジン本体 10 コモンレール式燃料噴射装置 16 コモンレール 17 燃料噴射弁 41 電子制御ユニット
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/40 F01N 3/08 F01N 3/24

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各気筒に燃料を噴射供給する装置を備え、
    燃料の主噴射後の膨張または排気行程で前記燃料供給装
    置により後噴射を行い、この後噴射による未燃HCを、
    排気通路に設けたNOx触媒への還元剤として供給する
    ようにしたディーゼルエンジンの排気浄化装置におい
    て、 全気筒かつ全サイクルで後噴射を実行する場合に1気筒
    当たりに必要な後噴射量を算出する手段と、 この1気筒当たりに必要な後噴射量が小さくなるほど後
    噴射の実施気筒数が少なくなる噴射パターンであって、
    かつ後噴射によりNOx触媒へと供給される未燃HCが
    平均化して流れるように後噴射実施サイクルが選択され
    る噴射パターンを決定する手段と、 この噴射パターンに基づいて後噴射実施気筒の必要噴射
    量を算出する手段と、 この必要噴射量を後噴射実施気筒に供給する手段とを設
    けたことを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装
    置。
  2. 【請求項2】各気筒に燃料を噴射供給する装置を備え、
    燃料の主噴射後の膨張または排気行程で前記燃料供給装
    置により後噴射を行い、この後噴射による未燃HCを、
    排気通路に設けたNOx触媒への還元剤として供給する
    ようにしたディーゼルエンジンの排気浄化装置におい
    て、 全気筒かつ全サイクルで後噴射を実行する場合に1気筒
    当たりに必要な後噴射量を算出する手段と、 この1気筒当たりに必要な後噴射量が小さくなるほど、
    連続する所定サイクル当たりの後噴射実施サイクル数が
    少なくなる噴射パターンであって、かつ後噴射によりN
    Ox触媒へと供給される未燃HCが平均化して流れるよ
    うに後噴射実施サイクルが選択される噴射パターンを決
    定する手段と、 この噴射パターンに基づいて後噴射実施気筒の必要噴射
    量を算出する手段と、 この必要噴射量を後噴射実施気筒に供給する手段とを設
    けたことを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装
    置。
  3. 【請求項3】NOx触媒の上流にHC吸着剤を設け、低
    排気温度時にこの吸着剤に吸着させておいたHCを脱離
    させてNOx触媒へ供給できるあいだ後噴射を停止する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のディーゼル
    エンジンの排気浄化装置。
  4. 【請求項4】低排気温度時に吸着剤にHCを吸着させる
    あいだ1気筒当たりに必要な前記後噴射量を増量補正す
    ることを特徴とする請求項3に記載のディーゼルエンジ
    ンの排気浄化装置。
  5. 【請求項5】1気筒当たりに必要な前記後噴射量を主噴
    射量に応じて算出することを特徴とする請求項1から4
    までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの排気
    浄化装置。
  6. 【請求項6】1気筒当たりに必要な前記後噴射量を水温
    補正することを特徴とする請求項5に記載のディーゼル
    エンジンの排気浄化装置。
  7. 【請求項7】前記燃料供給装置はコモンレール式燃料噴
    射装置であることを特徴とする請求項1から6までのい
    ずれか一つに記載のディーゼルエンジンの排気浄化装
    置。
  8. 【請求項8】前記NOx触媒はゼオライト系触媒である
    ことを特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに
    記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  9. 【請求項9】各気筒に燃料を噴射供給する装置を備え、
    燃料の主噴射後の膨張または排気行程で前記燃料供給装
    置により後噴射を行い、この後噴射による未燃HCを、
    排気通路に設けたNOx触媒への還元剤として供給する
    ようにしたディーゼルエンジンの排気浄化装置におい
    て、 排気温度が上昇するほど後噴射を実施する気筒数を増加
    させることを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化
    装置。
  10. 【請求項10】各気筒に燃料を噴射供給する装置を備
    え、燃料の主噴射後の膨張または排気行程で前記燃料供
    給装置により後噴射を行い、この後噴射による未燃HC
    を、排気通路に設けたNOx触媒への還元剤として供給
    するようにしたディーゼルエンジンの排気浄化装置にお
    いて、 排気温度が上昇するほど後噴射のサイクル間隔を短縮さ
    せることを特徴とするディーゼルエンジンの排気浄化装
    置。
  11. 【請求項11】後噴射を実施する気筒での燃料量が、予
    め設定された後噴射の最小量以上となるように後噴射実
    施気筒数または連続する所定サイクル当たりの後噴射実
    施サイクル数を可変制御することを特徴とする請求項9
    または10に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装
    置。
  12. 【請求項12】前記排気温度を主噴射量から推定するこ
    とを特徴とする請求項9から11までのいずれか一つに
    記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  13. 【請求項13】NOx触媒の上流にHC吸着剤を設け、
    低排気温度時にこの吸着剤に吸着させておいたHCを脱
    離させてNOx触媒へ供給できるあいだ後噴射を停止す
    ることを特徴とする請求項9から12までのいずれか一
    つに記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
  14. 【請求項14】低排気温度時に吸着剤にHCを吸着させ
    るあいだ後噴射量を増量補正することを特徴とする請求
    項13に記載のディーゼルエンジンの排気浄化装置。
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