JP2010242688A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄成分の脱離が開始する際における反応遅れを考慮して、適切な時期に脱離制御を終了することにより、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持できる内燃機関の排気浄化システムを提供すること。
【解決手段】再生終了処理では、硫黄成分脱離制御の実行時におけるNOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量ΔS_SUBを算出し、脱離量ΔS_SUBの積算値に応じて硫黄成分脱離制御を終了させる(S19〜S21)。さらに、硫黄成分脱離制御の開始後の所定の時点から、排気中の還元剤と硫黄成分とが反応し脱離が開始するまでの反応遅れに関するディレイパラメータDELを設定し(S14)、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達するまでは、脱離量ΔS_SUBを値0にし(S18)、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達した後は、エンジンの運転状態などに基づいて脱離量ΔS_SUBを決定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関の排気系にNOx(窒素酸化物)浄化触媒を設けることにより、排気中のNOxを吸収して、NOxの排出量を低減する技術は、従来から知られている。一方、内燃機関から排出される排気中には、NOxの他、燃料やエンジンオイル中の硫黄成分が含まれている。このような排気中の硫黄成分がNOx浄化触媒に捕捉されると、NOx浄化触媒の浄化性能が低下してしまう。
そこで、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分を脱離させる硫黄成分脱離制御が適宜実行される。この硫黄成分脱離制御では、NOx浄化触媒の温度を所定の脱離温度まで昇温するとともに、このNOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気にすることにより、捕捉された硫黄成分を脱離する(特許文献1参照)。従来では、このような硫黄成分脱離制御を所定の実行時間にわたって実行することにより、NOx浄化触媒を再生する。
特開2003−307143号公報
しかしながら、硫黄成分脱離制御を開始することにより、NOx浄化触媒の温度及び排気の空燃比を硫黄成分が脱離する状態に制御したとしても、直ちにNOx浄化触媒の脱離が開始するわけではない。実際には、硫黄成分が脱離する状態になってから、所定の無駄時間を経た後に脱離が開始する。上述の特許文献1に示されたものなどの従来の排気浄化システムでは、このような脱離が開始するまでの反応遅れについては考慮されていない。このため従来では、実際には硫黄成分が残留しているにも関わらず、硫黄成分脱離制御を早めに完了してしまう傾向があり、結果としてNOx浄化触媒を再生しきれず、十分な浄化性能を確保できなくなってしまう虞がある。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、硫黄成分の脱離が開始する際における反応遅れを考慮して、適切な時期に脱離制御を終了することにより、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持できる内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(3)の排気通路(5)に設けられ、酸化雰囲気の下で排気中のNOxを捕捉し、還元雰囲気の下で捕捉したNOxを浄化するNOx浄化触媒(7)を備える内燃機関の排気浄化システム(1)であって、前記NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にする脱離制御を、所定の時期に実行する再生実行手段(2,6)と、前記脱離制御の実行時におけるNOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量(ΔS_SUB)を算出し、当該脱離量の積算値に応じて脱離制御を終了させる再生終了手段(2)と、を備える。前記再生終了手段は、前記脱離制御開始後の所定の時点から、排気中の還元剤と硫黄成分とが反応し脱離が開始するまでの反応遅れに関するディレイパラメータ(DEL)を設定するディレイパラメータ設定手段(2)と、当該ディレイパラメータ及び前記内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量(ΔS_SUB)を決定する脱離量決定手段(2)と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記再生終了手段は、前記脱離制御開始後において硫黄成分が脱離する所定の条件が満たされた時点から経過したディレイ時間(TIMER)を計時するディレイ時間計時手段(2)をさらに備え、前記ディレイパラメータは、前記ディレイ時間に対する閾値であり、前記脱離量決定手段は、前記ディレイ時間が前記閾値に達するまでは値0近傍の所定値を脱離量として決定し、前記ディレイ時間が前記閾値に達した後は前記内燃機関の運転状態に応じて算出された値を脱離量として決定する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定する。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど、前記ディレイパラメータを大きな値に設定する。
請求項5に記載の発明は、請求項2から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒の温度が高いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定する。
請求項6に記載の発明は、請求項2から5の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定する。
請求項1に記載の発明によれば、再生実行手段は、脱離制御を所定の時期に実行し、再生終了手段は、上記脱離制御の実行時における硫黄成分の脱離量を算出し、この脱離量の積算値に応じて脱離制御を終了させる。ここで、再生終了手段は、脱離制御開始後の所定の時点から、排気中の還元剤と硫黄成分とが反応し脱離が開始するまでの反応遅れに関するディレイパラメータを設定し、そしてこのディレイパラメータ及び内燃機関の運転状態に基づいて硫黄成分の脱離量を決定する。本発明によれば、このような脱離制御の実行時における還元剤と硫黄成分との反応遅れを考慮して脱離量を決定することにより、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量を精度良く推定することができる。これにより、適切な時期に脱離制御を終了させることができるので、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、脱離制御開始後において硫黄成分が脱離する所定の条件が満たされた時点から経過したディレイ時間を計時し、このディレイ時間がディレイパラメータに達するまでは値0近傍の所定値を脱離量として決定し、ディレイ時間がディレイパラメータに達した後は内燃機関の運転状態に応じて算出された値を脱離量として決定する。このように、脱離制御の実行開始時には、ディレイ時間がディレイパラメータに達するまでは脱離量を上記所定値に抑制することにより、還元剤と硫黄成分の反応遅れの特性を、簡易な構成で再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
請求項3に記載の発明によれば、ディレイパラメータは、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど小さな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど、上記脱離制御の実行開始時に、脱離量を所定値に抑制する期間が短くなる。ところで、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分が多くなると、捕捉された硫黄成分と還元剤との反応遅れにより発生する無駄時間は短くなる傾向がある。これに対して、本発明によれば上述のようにディレイパラメータを設定することにより、このような反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
請求項4に記載の発明によれば、ディレイパラメータは、NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど大きな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど、上記脱離制御の実行開始時に、脱離量を所定値に抑制する期間が長くなる。ところで、NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいと、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分と還元剤との反応遅れにより発生する無駄時間は長くなる傾向がある。これに対して本発明では、上述のようにディレイパラメータを設定することにより、このような反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
請求項5に記載の発明によれば、ディレイパラメータは、NOx浄化触媒の温度が高いほど小さな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒の温度が高いほど、上記脱離制御の実行開始時に、脱離量を所定値に抑制する期間が短くなる。ところで、NOx浄化触媒の温度が高くなると、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分と還元剤との反応遅れにより発生する無駄時間は短くなる傾向がある。これに対して本発明では、上述のようにディレイパラメータを設定することにより、このような反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
請求項6に記載の発明によれば、ディレイパラメータは、NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高いほど小さな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高いほど、上記脱離制御の実行開始時に、脱離量を所定値に抑制する期間が短くなる。ところで、NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高くなると、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分と還元剤との反応遅れにより発生する無駄時間は短くなる傾向がある。これに対して本発明では、上述のようにディレイパラメータを設定することにより、このような反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
本発明の一実施形態に係る触媒の劣化判定装置、及びこれを適用したエンジンの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係る再生開始処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る再生終了処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る硫黄成分脱離制御を実行した際における第1空気過剰率、硫黄成分の脱離速度の挙動を示す図である。 上記実施形態に係るディレイパラメータを設定する処理の具体的な手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る第1補正係数を設定するためのマップを示す図である。 上記実施形態に係る第2補正係数を設定するためのマップを示す図である。 上記実施形態に係る酸素貯蔵能の概念を模式的に示す図である。 上記実施形態に係る第3補正係数を設定するためのマップを示す図である。 上記実施形態に係る第4補正係数を設定するためのマップを示す図である。 上記実施形態に係るディレイタイマを更新する手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の排気浄化システム1、及びこれを適用した内燃機関3の構成を示す模式図である。この内燃機関(以下、「エンジン」という)3は、リーンバーン運転方式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、図示しない車両に搭載される。
エンジン3のシリンダヘッド31には、吸気管4及び排気管5が接続されるとともに、燃料噴射弁(以下、「インジェクタ」という)6が、燃焼室32に臨むように取り付けられている。
このインジェクタ6は、燃焼室32の天壁中央部に配置されており、燃料タンク(図示せず)の燃料を燃焼室32に噴射する。インジェクタ6からの燃料噴射量QINJは、後述するECU2によって設定される。また、このインジェクタ6の開弁時間は、設定された燃料噴射量QINJが得られるように、ECU2からの駆動信号により制御される。
排気管5には、エンジン3の排気を浄化する触媒としてのNOx浄化触媒7が設けられている。NOx浄化触媒7は、流入する排気の酸素濃度が高い酸化雰囲気のときに、排気中のNOxを捕捉(より具体的には、吸着又は吸蔵)する。一方、排気中のHCやCOが多く、排気の酸素濃度が低い還元雰囲気のときに、NOx浄化触媒7は、排気中の還元剤(例えば、未燃燃料)により、捕捉したNOxを還元することによって、排気を浄化する。
このNOx浄化触媒7としては、例えば、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、及びセリウムと希土類の複合酸化物(以下、「セリア系複合酸化物」という)の担体に担持された、触媒として作用する白金(Pt)と、NOx吸着能力を有するセリアもしくはセリア系複合酸化物などを備えるものが用いられる。
ECU2には、上流側LAFセンサ12、下流側LAFセンサ13、及び触媒温度センサ14が接続されている。
上流側LAFセンサ12及び下流側LAFセンサ13は、それぞれ、排気管5のうちNOx浄化触媒7の上流側及び下流側の排気の酸素濃度(空燃比)を検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。これらLAFセンサ12,13は、例えばジルコニアを含んで構成され、エンジン3に供給される混合気の空燃比がリッチ領域からリーン領域までの広範囲な領域において、排気の空燃比を検出する。触媒温度センサ14は、NOx浄化触媒7の温度TCATを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。
また、ECU2では、演算の便宜上、これらLAFセンサ12,13により検出された空燃比を、それぞれ空気過剰率λ1,λ2に変換したものが用いられる。これら空気過剰率λ1,λ2は、理論空燃比のときに値1.0となるように空燃比(A/F)を理論空燃比で除算したものを表す。また以下では、LAFセンサ12の検出値に基づいて算出された空気過剰率を、第1空気過剰率λ1とし、LAFセンサ13の検出値に基づいて算出された空気過剰率を、第2空気過剰率λ2とする。
この他、ECU2には、クランク角センサ10、エアフローセンサ11、アクセル開度センサ15、及びイグニッションスイッチ16が接続されている。
クランク角センサ10は、クランクシャフト33の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。エアフローセンサ11は、エンジン3に吸入される吸入空気量GAIRを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。アクセル開度センサ15は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)APを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。イグニッションスイッチ16は、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU2に送信する。
ここで、エンジン3の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角センサ10から送信されたCRK信号に基づいて、ECU2により算出される。また、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU2により算出される。
ECU2は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU2は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶回路と、エンジン3のインジェクタ6などに制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU2には、以下に示すNOx浄化触媒の再生開始処理(後述の図2参照)や、その再生終了処理(後述の図3参照)などの各種処理を実行するモジュールが構成される。
図2は、NOx浄化触媒の再生開始処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この再生開始処理では、NOx浄化触媒の硫黄成分の蓄積量を算出し、この蓄積量が所定値に達したことに応じて硫黄成分脱離制御の実行を開始する。この再生開始処理は、ECUにおいて所定の時間ごとに実行される。
ステップS1では、脱離制御実行フラグF_SPURが「1」であるか否かを判別する。この脱離制御実行フラグF_SPURは、後に詳述する硫黄成分脱離制御の実行を指令するフラグである。ステップS1の判別結果がYESであり硫黄成分脱離制御を実行している最中である場合には、この再生開始処理を直ちに終了する。ステップS1の判別結果がNOであり硫黄成分脱離制御を実行していない場合には、ステップS2に移る。
ステップS2では、NOx浄化触媒における硫黄成分の捕捉量ΔS_ADDを算出し、ステップS3に移る。この捕捉量ΔS_ADDは、今回の処理サイクルにおいてNOx浄化触媒に捕捉された排気中の硫黄成分の量に相当し、通常は正の値となる。なお、この捕捉量ΔS_ADDは、例えばエンジン回転数NE及び燃料噴射量QINJなどのエンジンの運転状態を示すパラメータに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。
ステップS3では、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxを算出し、ステップS4に移る。この蓄積量S_QSOxは、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分の量に相当するものであり、NOx浄化触媒により硫黄成分が捕捉されると上昇し、逆にNOx浄化触媒から硫黄成分が脱離されると減少する。この蓄積量S_QSOxは、下記式(1)に示すように、前回までの蓄積量S_QSOxに、捕捉量ΔS_ADDを加算することにより算出される。
S_QSOx←S_QSOx+ΔS_ADD (1)
ステップS4では、蓄積量S_QSOxが、硫黄成分脱離制御の実行の開始を判定するために設定された開始判定値QSREF_STARTを超えたか否かを判別する。ステップS4の判別結果がNOの場合には、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分の量が少なく、まだNOx浄化触媒を再生する必要がないと判断し、この再生開始処理を終了する。一方、ステップS4の判別結果がYESの場合には、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分の量が多くNOx浄化触媒を再生する必要があると判断し、ステップS5に移る。そして、ステップS5では、硫黄成分脱離制御を実行するために、脱離制御実行フラグF_SPURを「1」にセットし、この再生開始処理を終了する。
この脱離制御実行フラグF_SPURは、硫黄成分脱離制御の実行を指令するためのフラグである。すなわち、この硫黄成分脱離制御は、この脱離制御実行フラグF_SPURを「0」から「1」にセットすることにより開始し、その後「1」から「0」にリセットすることにより終了する。この硫黄成分脱離制御は、NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の脱離温度以上にすることにより、NOx浄化触媒に蓄積した硫黄成分を還元し、これを除去する制御である。より具体的には、この硫黄成分脱離制御は、触媒温度TCATを所定の脱離温度以上の目標温度になるように制御した後、燃焼室に供給する燃料噴射量を増大させることにより、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の目標空燃比になるように制御し、排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えることによって行われる。
図3は、NOx浄化触媒の再生終了処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この再生終了処理では、硫黄成分脱離制御の実行開始後におけるNOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量を決定し、この脱離量に応じて上記蓄積量S_QSOxを更新するともに、この蓄積量S_QSOxが所定値を下回ったことに応じて硫黄成分脱離制御を終了させる。この再生終了処理は、ECUにおいて所定の時間ごとに実行される。
図4は、硫黄成分脱離制御を実行した際における第1空気過剰率λ1、硫黄成分(SO2)の脱離速度の挙動を示す図である。図4に示す例では、時刻t0において脱離制御実行フラグF_SPURを「0」から「1」にセットし、その後、時刻t2において「1」から「0」に戻した例を示す。すなわち、時刻t0からt2までに亘って硫黄成分脱離制御を実行した例を示す。
図4に示すように、時刻t0において硫黄成分脱離制御を開始すると、この制御の開始の直後には第1空気過剰率λ1がリーン側からリッチ側へ移行する。つまり、時刻t0の直後には、NOx浄化触媒に流入する排気が還元雰囲気になり、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分が脱離する状態になる。これに対して、硫黄成分の脱離速度は、硫黄成分が脱離し始める状態になった時刻t0直後から所定の時間が経過した時刻t1において急激に大きくなり、硫黄成分の脱離が開始する。すなわち、硫黄成分脱離制御の実行を開始した後、硫黄成分が脱離し始める条件となった時刻t0近傍から、実際に脱離が開始する時刻t1近傍までの間には、排気中の還元剤とNOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分との反応遅れによって無駄時間が発生する。
本実施形態の再生終了処理では、このような還元剤と硫黄成分の反応遅れの特性を考慮することにより、硫黄成分脱離制御を実行する時間が必要最小限になるようなタイミングで硫黄成分脱離制御を終了させる。以下、このような概念に基づく再生終了処理の具体的な手順について説明する。
図3に戻って、ステップS11では、脱離制御実行フラグF_SPURが「1」であるか否かを判別する。ステップS11の判別結果がNOであり硫黄成分脱離制御を実行していない場合には、この再生終了処理を直ちに終了する。ステップS11の判別結果がYESであり硫黄成分脱離制御を実行している最中である場合には、ステップS12に移る。
ステップS12では、脱離制御実行フラグF_SPURが前回の処理サイクルと今回の処理サイクルとの間で「0」から「1」に変わったか否かを判別する。ステップS12の判別結果がYESであり、脱離制御実行フラグF_SPURが「0」から「1」に変化しているとき、すなわち、硫黄成分脱離制御の実行直後のときには、この再生終了処理における初期設定を行うべく、ステップS13に移る。一方、ステップS12の判別結果がNOであり、硫黄成分脱離制御の実行直後でない場合には、これら初期設定を行わずにステップS14に移る。
ステップS13では、後述のディレイタイマTIMERを「0」にリセットし、ステップS14に移る。
ステップS14では、ディレイパラメータDELを設定し、ステップS15に移る。このディレイパラメータDELは、後述のディレイ時間を計時するディレイタイマTIMERに対する閾値であり、基本的には正の値に設定される。なお、後に詳述するように、このディレイパラメータDELは、上述の反応遅れにより生じる無駄時間に相当する。
図5は、ディレイパラメータDELを設定する処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
ステップS31では、ディレイパラメータのベース値DEL_BASEを決定し、ステップS32に移る。このベース値DEL_BASEには、予め設定された値が用いられる。
ステップS32では、ベース値DEL_BASEに対する第1補正係数C_QSOxを算出し、ステップS33に移る。この第1補正係数C_QSOxは、ディレイパラメータDELがNOx浄化触媒の蓄積量S_QSOxに応じて最適な値となるように、ベース値DEL_BASEを補正する係数であり、蓄積量S_QSOxに応じて図6に示すようなマップを検索することにより決定される。本実施形態では、蓄積量S_QSOxが多いほど第1補正係数C_QSOxを小さな値に設定する。
ステップS33では、ベース値DEL_BASEに対する第2補正係数C_OSCを算出し、ステップS34に移る。この第2補正係数C_OSCは、ディレイパラメータDELがNOx浄化触媒の劣化の度合いに応じて最適な値となるように、ベース値DEL_BASEを補正する係数である。
本実施形態では、NOx浄化触媒の劣化の度合いを示すパラメータとして、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCを用いる。この酸素貯蔵能OSCは、NOx浄化触媒の酸素の貯蔵能力を表すものであり、NOx浄化触媒の浄化能力に相関がある。より具体的には、NOx浄化触媒の劣化が進むほど酸素を貯蔵する能力が低下することから、酸素貯蔵能OSCは、NOx浄化触媒の劣化を表すパラメータとして用いられる。
図8は、酸素貯蔵能OSCの概念を模式的に示す図である。より具体的には、図8は、NOx浄化触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側からリッチ側へ変化させた場合における空気過剰率λ1,λ2の時間変化を示す図である。
図8に示すように、排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側からリッチ側へ変化させると、NOx浄化触媒の上流側の空燃比を示す第1空気過剰率λ1は、リーン側の所定値Aからリッチ側の所定値Bへステップ状に変化する。これに対して、NOx浄化触媒の下流側の空燃比を示す第2空気過剰率λ2は、リーン側の所定値から上記所定値Bよりも大きな所定値Cの近傍にステップ状に変化した後、第1空気過剰率λ1と略等しい値に収束する。
このようにして排気の空燃比を変化させた際における第2空気過剰率λ2の振る舞いは、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能によるものである。つまり、NOx浄化触媒に流入する排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に変化させることにより、NOx浄化触媒に貯蔵されていた酸素が放出される。これにより、NOx浄化触媒の下流側の空燃比は、上流側の空燃比よりもリーンになる。したがって、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCは、直感的には、第1空気過剰率λ1と第2空気過剰率λ2との間の、図8中ハッチングで示す領域の面積に概ね比例した値となる。このようなNOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCの算出方法は、本出願人が特願2008−154586号公報ですでに提案したものと同様であるので、その詳細な説明を省略する。
ステップS33では、以上のような概念に基づいて算出された酸素貯蔵能OSCに応じて図7に示すようなマップを検索することにより、第2補正係数C_OSCを決定する。本実施形態では、酸素貯蔵能OSCが小さいほど、すなわちNOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど第2補正係数C_OSCを小さな値に設定する。
ステップS34では、ベース値DEL_BASEに対する第3補正係数C_TCATを算出し、ステップS35に移る。この第3補正係数C_TCATは、ディレイパラメータDELがNOx浄化触媒の温度TCATに応じて最適な値となるように、ベース値DEL_BASEを補正する係数であり、触媒温度TCATに応じて図9に示すようなマップを検索することにより決定される。本実施形態では、触媒温度TCATが高いほど第3補正係数C_TCATを小さな値に設定する。
ステップS35では、ベース値DEL_BASEに対する第4補正係数C_LAMBDAを算出し、ステップS36に移る。この第4補正係数C_LAMBDAは、ディレイパラメータDELが第1空気過剰率λ1に応じて最適な値となるように、ベース値DEL_BASEを補正する係数であり、第1空気過剰率λ1に応じて図10に示すようなマップを検索することにより決定される。本実施形態では、第1空気過剰率λ1が小さくなるほど、すなわちNOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高くなるほど第4補正係数C_LAMBDAを小さな値に設定する。
ステップS36では、下記式(2)に示すように、ベース値DEL_BASEに第1〜第4補正係数を乗算することにより、ディレイパラメータDELを算出し、この処理を終了する。
DEL=DEL_BASE×C_QSOx×C_OSC
×C_TCAT×C_LAMBDA (2)
図3に戻って、ステップS15では、ディレイタイマTIMERを更新し、ステップS16に移る。このディレイタイマTIMERは、硫黄成分脱離制御の開始後において、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分が脱離する所定の条件が満たされた時点から経過したディレイ時間に相当するものであり、図11に示す手順により更新される。
図11は、ディレイタイマTIMERを更新する手順を示すフローチャートである。
ステップS41では、第1空気過剰率λ1が所定の閾値λ1_TH以下であるか否かを判別する。ステップS41における判別結果がYESである場合、すなわち第1空気過剰率λ1が閾値λ1_TH以下である場合には、硫黄成分を脱離させる程度の還元剤濃度を有する排気がNOx浄化触媒に流入した状態であると判断し、ステップS43に移る。ステップS41における判別結果がNOである場合、すなわち第1空気過剰率λ1が閾値λ1_THより大きい場合には、ステップS42に移る。
ステップS42では、第2空気過剰率λ2が所定の閾値λ2_TH以下であるか否かを判別する。ステップS42における判別結果がYESである場合、すなわち第2空気過剰率λ2が閾値λ2_TH以下である場合には、硫黄成分を脱離させる程度の還元剤濃度を有する排気がNOx浄化触媒に流入した状態であると判断し、ステップS43に移る。ステップS42における判別結果がNOである場合、すなわち第2空気過剰率λ2が閾値λ2_THより大きい場合には、ステップS45に移る。
ステップS43では、触媒温度TCATが所定の閾値TCAT_TH以上であるか否かを判別する。ステップS43における判別結果がYESである場合、すなわち触媒温度TCATが閾値TCAT_TH以上である場合には、硫黄成分を脱離させる程度の触媒温度に達した状態であると判断し、ステップS44に移る。ステップS43における判別結果がNOである場合、すなわち触媒温度TCATが閾値TCAT_THより低い場合には、ステップS45に移る。
ステップS44では、硫黄成分が脱離する条件が満たされていると判断された、すなわち、第1空気過剰率λ1及び第2空気過剰率λ2の少なくとも何れかが、それぞれの閾値λ1_TH,λ2_THより小さく、かつ、触媒温度TCATがその閾値TCAT_TH以上であると判断されたことに応じて、ディレイタイマTIMERを更新する。より具体的には、下記式(3)に示すように、ディレイタイマTIMERの前回値に「1」を加算することにより、ディレイタイマTIMERを更新し、この処理を終了する。
TIMER←TIMER+1 (3)
一方、ステップS44では、上記硫黄成分が脱離する条件が満たされていないと判断されたことに応じて、ディレイタイマTIMERを「0」にリセットし、この処理を終了する。
図3に戻って、ステップS16では、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDEL以上であるか否かを判別する。
ステップS16の判別結果がYESの場合、すなわち、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDEL以上である場合には、ステップS17に移り、脱離量ΔS_SUBを算出し、ステップS19に移る。脱離量ΔS_SUBは、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分のうち今回の処理サイクルにおいて脱離した硫黄成分の量に相当し、通常は正の値が算出される。この脱離量ΔS_SUBは、エンジン回転数NE、吸入空気量GAIR、及び燃料噴射量QINJなどのエンジンの運転状態を示すパラメータや、触媒温度TCAT、並びに硫黄成分の蓄積量S_QSOxなどに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。
これに対して、ステップS16の判別結果がNOの場合、すなわち、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELより小さい場合には、還元剤と硫黄成分の反応遅れにより未だNOx浄化触媒から硫黄成分が脱離していないと判断し、ステップS18に移る。そして、ステップS18では、NOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量ΔS_SUBを値0として決定し、ステップS19に移る。
つまり、このディレイパラメータDELとディレイタイマTIMERは、硫黄成分脱離制御の開始後、還元剤と硫黄成分との反応遅れにより生じる無駄時間(図4参照)が経過するのを計時するカウンタとして機能する。これにより、硫黄成分脱離制御の開始後、硫黄成分が脱離する条件になった時点から無駄時間が経過するまで(ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達するまで)は、NOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量ΔS_SUBは値0に決定され、無駄時間が経過した後(ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達した後)は、脱離量ΔS_SUBはエンジンの運転状態などに応じて算出された値が用いられる。
ステップS19では、決定した脱離量ΔS_SUBに基づいて蓄積量S_QSOxを更新し、ステップS20に移る。具体的には、下記式(4)に示すように、決定した脱離量ΔS_SUBを前回の蓄積量S_QSOxから減算することにより、今回の蓄積量S_QSOxを算出する。
S_QSOx←S_QSOx−ΔS_SUB (4)
ステップS20では、蓄積量S_QSOxが所定の終了判定値QSREF_ENDを下回ったか否かを判別する。この終了判定値QSREF_ENDは、硫黄成分脱離制御の終了を判定するために設定された閾値であり、上述の終了判定値QSREF_STARTよりも小さな値に設定される。
ステップS20の判別結果がYESであり、蓄積量S_QSOxが終了判定値QSREF_ENDを下回るまでNOx浄化触媒が再生された場合には、硫黄成分脱離制御を終了するべくステップS21に移る。そして、ステップS21では、脱離制御実行フラグF_SPURを「1」から「0」にリセットした後、再生終了処理を終了する。
これに対して、ステップS20の判別結果がNOであり、蓄積量S_QSOxが終了判定値QSREF_END以上である場合には、硫黄成分脱離制御を継続するべく、脱離制御実行フラグF_SPURを「0」にセットしたまま再生終了処理を終了する。
本実施形態によれば、再生終了処理では、硫黄成分脱離制御の開始後の所定の時点から、排気中の還元剤と硫黄成分とが反応し脱離が開始するまでの反応遅れにより発生する無駄時間に相当するディレイパラメータDELを設定し、そしてこのディレイパラメータDEL及びエンジンの運転状態に基づいて硫黄成分の脱離量ΔS_SUBを決定する。本実施形態によれば、このような硫黄成分脱離制御の実行開始時における還元剤と硫黄成分との反応遅れを考慮して脱離量ΔS_SUBを決定することにより、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxを精度良く推定することができる。これにより、適切な時期に硫黄成分脱離制御を終了させることができるので、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持することができる。
また、本実施形態によれば、硫黄成分脱離制御の開始後において、硫黄成分が脱離する所定の条件が満たされた時点から経過したディレイ時間をディレイタイマTIMERで計時し、このディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達するまでは値0を脱離量ΔS_SUBとして決定し、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達した後はエンジンの運転状態に応じて算出された値を脱離量ΔS_SUBとして決定する。このように、硫黄成分脱離制御の実行開始時には、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達するまでは脱離量ΔS_SUBを値0に抑制することにより、還元剤と硫黄成分の反応遅れの特性を、簡易な構成で再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxをさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
また、本実施形態によれば、ディレイパラメータDELは、蓄積量S_QSOxが大きいほど小さな値に設定される。すなわち、蓄積量S_QSOxが大きいほど、硫黄成分脱離制御の実行開始時に、脱離量ΔS_SUBを値0に抑制する期間が短くなる。これにより、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分が多くなると上記無駄時間は短くなるといった反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxをさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
また、本実施形態によれば、ディレイパラメータDELは、NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど大きな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど、硫黄成分脱離制御の実行開始時に、脱離量ΔS_SUBを値0に抑制する期間が長くなる。これにより、NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいと上記無駄時間は長くなるといった反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxをさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
また、本実施形態によれば、ディレイパラメータDELは、触媒温度TCATが高いほど小さな値に設定される。すなわち、触媒温度TCATが高いほど、硫黄成分脱離制御の実行開始時に、脱離量ΔS_SUBを値0に抑制する期間が短くなる。これにより、触媒温度TCATが高くなると上記無駄時間は短くなるといった反応遅れの特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxをさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
また、本実施形態によれば、ディレイパラメータDELは、第1空気過剰率λ1が小さいほど大きな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高いほど、硫黄成分脱離制御の実行開始時に、脱離量ΔS_SUBを値0に抑制する期間が短くなる。これにより、NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高くなると上記無駄時間は短くなるといった特性を適切に再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxをさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
本実施形態では、ECU2及びインジェクタ6が再生実行手段を構成し、ECU2が再生終了手段、ディレイパラメータ設定手段、脱離量決定手段、ディレイ時間計時手段、を構成する。より具体的には、図2の再生開始処理の実行に係る手段が再生実行手段を構成し、図3の再生終了処理の実行に係る手段が再生終了手段を構成する。また、図3のステップS14の実行に係る手段がディレイパラメータ設定手段を構成し、図3のステップS16〜S18の実行に係る手段が脱離量決定手段を構成し、図3のステップS15の実行に係る手段がディレイ時間計時手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態の再生終了処理では、処理サイクルごとに蓄積量S_QSOxから脱離量ΔS_SUBを減算することにより、脱離量ΔS_SUBの積算値を明確に算出することはしなかったが、これに限らない。実質的には同じことであるが、処理サイクルごとの脱離量ΔS_SUBの積算値を明確に算出し、この積算値が所定の閾値を上回ったことに応じて脱離制御実行フラグF_SPURを「1」から「0」にリセットし、硫黄成分脱離制御を終了してもよい。
また、上記実施形態の再生終了処理では、硫黄成分が脱離する条件として、第1空気過剰率λ1及び第2空気過剰率λ2の少なくとも何れかが、それぞれの閾値λ1_TH,λ2_THより小さく、かつ、触媒温度TCATがその閾値TCAT_TH以上であることを設定し、この条件が満たされた場合にのみステップS44においてディレイタイマTIMERを更新したが、硫黄成分が脱離する条件は、これに限るものではない。
また、上記実施形態の再生終了処理では、NOx浄化触媒の状態に応じて適切なディレイパラメータDELを設定できるように、処理サイクルごとにディレイパラメータDELを設定したが、これに限らない。例えば、硫黄成分脱離制御の実行直後のみ、すなわち脱離制御実行フラグF_SPURが「0」から「1」になった直後にのみディレイパラメータDELを設定してもよい。
また、上記実施形態の再生終了処理では、ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達するまでは、脱離量ΔS_SUBを値0にしたが、これに限らない。ディレイタイマTIMERがディレイパラメータDELに達するまでの間における脱離量ΔS_SUBは、値0の近傍に設定された所定値であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明を車両に搭載されたリーンバーンエンジン又はディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明は、これに限らない。本発明は、例えば、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。
1…排気浄化システム
2…ECU(再生実行手段、再生終了手段、ディレイパラメータ設定手段、脱離量決定手段、ディレイ時間計時手段)
3…エンジン(内燃機関)
5…排気管(排気通路)
6…インジェクタ(再生実行手段)
7…NOx浄化触媒

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化雰囲気の下で排気中のNOxを捕捉し、還元雰囲気の下で捕捉したNOxを浄化するNOx浄化触媒を備える内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にする脱離制御を、所定の時期に実行する再生実行手段と、
    前記脱離制御の実行時におけるNOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量を算出し、当該脱離量の積算値に応じて脱離制御を終了させる再生終了手段と、を備え、
    前記再生終了手段は、
    前記脱離制御開始後の所定の時点から、排気中の還元剤と硫黄成分とが反応し脱離が開始するまでの反応遅れに関するディレイパラメータを設定するディレイパラメータ設定手段と、
    当該ディレイパラメータ及び前記内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量を決定する脱離量決定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記再生終了手段は、前記脱離制御開始後において硫黄成分が脱離する所定の条件が満たされた時点から経過したディレイ時間を計時するディレイ時間計時手段をさらに備え、
    前記ディレイパラメータは、前記ディレイ時間に対する閾値であり、
    前記脱離量決定手段は、前記ディレイ時間が前記閾値に達するまでは値0近傍の所定値を脱離量として決定し、前記ディレイ時間が前記閾値に達した後は前記内燃機関の運転状態に応じて算出された値を脱離量として決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒の劣化度合いが大きいほど、前記ディレイパラメータを大きな値に設定することを特徴とする請求項2又は3に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒の温度が高いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定することを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
  6. 前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒に流入する排気の還元剤濃度が高いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定することを特徴とする請求項2から5の何れかに記載の内燃機関の排気浄化システム。
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