JP5324295B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関の排気系にNOx(窒素酸化物)浄化触媒を設けることにより、排気中のNOxを吸収して、NOxの排出量を低減する技術は、従来から知られている。一方、内燃機関から排出される排気中には、NOxの他、燃料やエンジンオイル中の硫黄成分が含まれている。このような排気中の硫黄成分がNOx浄化触媒に捕捉されると、NOx浄化触媒の浄化性能が低下してしまう。
そこで、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分を脱離させる硫黄成分脱離制御が適宜実行される。この硫黄成分脱離制御では、NOx浄化触媒の温度を所定の脱離温度まで昇温するとともに、このNOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気にすることにより、捕捉された硫黄成分を脱離する(特許文献1参照)。従来では、このような硫黄成分脱離制御を所定の実行時間にわたって実行することにより、NOx浄化触媒を再生する。
特開2003−307143号公報
しかしながら、硫黄成分脱離制御を実行することによりNOx浄化触媒から脱離した硫黄成分は、直ちにNOx浄化触媒の下流側から放出されるわけではない。つまり、一旦は脱離したものの、再びNOx浄化触媒に捕捉されてしまうものもある。上述の特許文献1に示されたものなどの従来の排気浄化システムでは、このような硫黄成分の放出遅れに関しては考慮されていない。このため従来では、実際には硫黄成分が残留しているにも関わらず、硫黄成分脱離制御を早めに完了してしまう傾向があり、結果としてNOx浄化触媒を再生しきれず、十分な浄化性能を確保できなくなってしまう虞がある。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、NOx浄化触媒から一旦脱離した硫黄成分の再捕捉による影響を考慮し、適切な時期に脱離制御を終了することにより、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持できる内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(3)の排気通路(5)に設けられ、酸化雰囲気の下で排気中のNOxを捕捉し、還元雰囲気の下で捕捉したNOxを浄化するNOx浄化触媒(7)を備える内燃機関の排気浄化システム(1)を提供する。前記排気浄化システムは、前記NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にする脱離制御を、所定の時期に実行する再生実行手段(2,6)と、前記脱離制御の実行時におけるNOx浄化触媒の硫黄成分の放出量を決定し、当該放出量の積算値に応じて脱離制御を終了させる再生終了手段(2)と、を備える。前記再生終了手段は、一旦脱離した硫黄成分が再び捕捉されることによる前記NOx浄化触媒における硫黄成分の放出遅れに関するディレイパラメータ(DEL)を設定するディレイパラメータ設定手段(2)と、当該ディレイパラメータ及び前記内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx浄化触媒の硫黄成分の放出量を決定する放出量決定手段(2)と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記再生終了手段は、前記内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量(ΔS_SUB)を算出する脱離量算出手段(2)をさらに備え、前記ディレイパラメータは、前記脱離量の積算値(QSSUM)に対する閾値である。前記放出量決定手段は、前記脱離量の積算値が前記閾値に達するまでは値0近傍の所定値を放出量として決定し、前記脱離量の積算値が前記閾値に達してからは前記脱離量を放出量として決定する。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の内燃機関の排気浄化システムにおいて、前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量(S_QSOx)が多いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定する。
請求項1に記載の発明によれば、再生実行手段は、脱離制御を所定の時期に実行し、再生終了手段は、上記脱離制御の実行時における硫黄成分の放出量を決定し、この放出量の積算値に応じて脱離制御を終了させる。ここで、再生終了手段は、一旦脱離した硫黄成分が再び捕捉されることによる硫黄成分の放出遅れに関するディレイパラメータを設定し、そしてこのディレイパラメータ及び内燃機関の運転状態に基づいて硫黄成分の放出量を決定する。本発明によれば、このような脱離制御の実行時における硫黄成分の放出遅れを考慮して放出量を決定することにより、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量を精度良く推定することができる。これにより、適切な時期に脱離制御を終了させることができるので、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持することができる。
請求項2に記載の発明によれば、内燃機関の運転状態に基づいてNOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量を算出する。そしてこの脱離量の積算値が、上記放出遅れに関して設定されたディレイパラメータに達するまでは値0近傍の所定値を放出量として決定し、ディレイパラメータに達した後は算出された脱離量を放出量として決定する。このように、脱離制御の実行開始時には、脱離量の積算値がディレイパラメータに達するまでは、放出量を上記所定値に抑制することにより、脱離制御の実行開始時における硫黄成分の放出遅れの特性を、簡易な構成で再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
請求項3に記載の発明によれば、ディレイパラメータは、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど小さな値に設定される。すなわち、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど、上記脱離制御の実行開始時に、放出量を所定値に抑制する期間が短くなる。
ところで、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分が多い場合には、その下流側にも多くの硫黄成分が捕捉されているため、脱離制御を開始することで比較的速やかに硫黄成分の放出が開始する。すなわち、放出遅れは短い。これに対して、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分が少ない場合には、その下流側に捕捉されている硫黄成分の量は少ないため、脱離制御を開始してから硫黄成分の有意な量の放出が始まるまでに比較的長い時間がかかる。すなわち、放出遅れは長い。本発明によれば、上述のようにディレイパラメータを設定することにより、このような硫黄成分の放出遅れの特性をも再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
本発明の一実施形態に係る触媒の劣化判定装置、及びこれを適用したエンジンの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係る再生開始処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る再生終了処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るNOx浄化触媒から下流側へ放出される硫黄成分の量の時間変化を模式的に示す図である。 上記実施形態に係るディレイパラメータを設定するためのマップの例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の排気浄化システム1、及びこれを適用した内燃機関3の構成を示す模式図である。この内燃機関(以下、「エンジン」という)3は、リーンバーン運転方式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、図示しない車両に搭載される。
エンジン3のシリンダヘッド31には、吸気管4及び排気管5が接続されるとともに、燃料噴射弁(以下、「インジェクタ」という)6が、燃焼室32に臨むように取り付けられている。
このインジェクタ6は、燃焼室32の天壁中央部に配置されており、燃料タンク(図示せず)の燃料を燃焼室32に噴射する。インジェクタ6からの燃料噴射量QINJは、後述するECU2によって設定される。また、このインジェクタ6の開弁時間は、設定された燃料噴射量QINJが得られるように、ECU2からの駆動信号により制御される。
排気管5には、エンジン3の排気を浄化する触媒としてのNOx浄化触媒7が設けられている。NOx浄化触媒7は、流入する排気の酸素濃度が高い酸化雰囲気のときに、排気中のNOxを捕捉(より具体的には、吸着又は吸蔵)する。一方、排気中のHCやCOが多く、排気の酸素濃度が低い還元雰囲気のときに、NOx浄化触媒7は、排気中の還元剤(例えば、未燃燃料)により、捕捉したNOxを還元することによって、排気を浄化する。
このNOx浄化触媒7としては、例えば、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、及びセリウムと希土類の複合酸化物(以下、「セリア系複合酸化物」という)の担体に担持された、触媒として作用する白金(Pt)と、NOx吸着能力を有するセリアもしくはセリア系複合酸化物などを備えるものが用いられる。
ECU2には、LAFセンサ12、及び触媒温度センサ14が接続されている。LAFセンサ12は、排気管5のうちNOx浄化触媒7の上流側の排気の酸素濃度(空燃比)を検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。このLAFセンサ12は、例えばジルコニアを含んで構成され、エンジン3に供給される混合気の空燃比がリッチ領域からリーン領域までの広範囲な領域において、排気の空燃比を検出する。触媒温度センサ14は、NOx浄化触媒7の温度TCATを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。
この他、ECU2には、クランク角センサ10、エアフローセンサ11、アクセル開度センサ15、及びイグニッションスイッチ16が接続されている。
クランク角センサ10は、クランクシャフト33の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。エアフローセンサ11は、エンジン3に吸入される吸入空気量GAIRを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。アクセル開度センサ15は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)APを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。イグニッションスイッチ16は、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU2に送信する。
ここで、エンジン3の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角センサ10から送信されたCRK信号に基づいて、ECU2により算出される。また、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU2により算出される。
ECU2は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU2は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶回路と、エンジン3のインジェクタ6などに制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU2には、以下に示すNOx浄化触媒の再生開始処理(後述の図2参照)や、その再生終了処理(後述の図3参照)などの各種処理を実行するモジュールが構成される。
図2は、NOx浄化触媒の再生開始処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この再生開始処理では、NOx浄化触媒の硫黄成分の蓄積量を算出し、この蓄積量が所定値に達したことに応じて硫黄成分脱離制御の実行を開始する。この再生開始処理は、ECUにおいて所定の時間ごとに実行される。
ステップS1では、脱離制御実行フラグF_SPURが「1」であるか否かを判別する。この脱離制御実行フラグF_SPURは、後に詳述する硫黄成分脱離制御の実行を指令するフラグである。ステップS1の判別結果がYESであり硫黄成分脱離制御を実行している最中である場合には、この再生開始処理を直ちに終了する。ステップS1の判別結果がNOであり硫黄成分脱離制御を実行していない場合には、ステップS2に移る。
ステップS2では、NOx浄化触媒における硫黄成分の捕捉量ΔS_ADDを算出し、ステップS3に移る。この捕捉量ΔS_ADDは、今回の処理サイクルにおいてNOx浄化触媒に捕捉された排気中の硫黄成分の量に相当し、通常は正の値となる。なお、この捕捉量ΔS_ADDは、例えばエンジン回転数NE及び燃料噴射量QINJなどのエンジンの運転状態を示すパラメータに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。
ステップS3では、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxを算出し、ステップS4に移る。この蓄積量S_QSOxは、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分の量に相当するものであり、NOx浄化触媒により硫黄成分が捕捉されると上昇し、逆にNOx浄化触媒から硫黄成分が放出されると減少する。この蓄積量S_QSOxは、下記式(1)に示すように、前回までの蓄積量S_QSOxに、捕捉量ΔS_ADDを加算することにより算出される。
S_QSOx←S_QSOx+ΔS_ADD (1)
ステップS4では、蓄積量S_QSOxが、硫黄成分脱離制御の実行の開始を判定するために設定された開始判定値QSREF_STARTを超えたか否かを判別する。ステップS4の判別結果がNOの場合には、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分の量が少なく、まだNOx浄化触媒を再生する必要がないと判断し、この再生開始処理を終了する。一方、ステップS4の判別結果がYESの場合には、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分の量が多くNOx浄化触媒を再生する必要があると判断し、ステップS5に移る。そして、ステップS5では、硫黄成分脱離制御を実行するために、脱離制御実行フラグF_SPURを「1」にセットし、この再生開始処理を終了する。
この脱離制御実行フラグF_SPURは、硫黄成分脱離制御の実行を指令するためのフラグである。すなわち、この硫黄成分脱離制御は、この脱離制御実行フラグF_SPURを「0」から「1」にセットすることにより開始し、その後「1」から「0」にリセットすることにより終了する。この硫黄成分脱離制御は、NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の脱離温度以上にすることにより、NOx浄化触媒に蓄積した硫黄成分を還元し、これを除去する制御である。より具体的には、この硫黄成分脱離制御は、触媒温度TCATを所定の脱離温度以上の目標温度になるように制御した後、燃焼室に供給する燃料噴射量を増大させることにより、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の目標空燃比になるように制御し、排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えることによって行われる。
図3は、NOx浄化触媒の再生終了処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この再生終了処理では、硫黄成分脱離制御の実行時におけるNOx浄化触媒の硫黄成分の放出量を決定し、この放出量に応じて上記蓄積量S_QSOxを更新するともに、この蓄積量S_QSOxが所定値を下回ったことに応じて硫黄成分脱離制御を終了させる。この再生終了処理は、ECUにおいて所定の時間ごとに実行される。
図4は、硫黄成分除去制御の実行中においてNOx浄化触媒から下流側へ放出される硫黄成分の量(以下、「放出量」という)の時間変化を模式的に示す図である。
図4に示すように、時刻t0において硫黄成分脱離制御を開始した直後は、硫黄成分の放出量は非常に小さく、時刻t1付近において硫黄成分の有意な量の放出が開始する。このような硫黄成分脱離制御の開始直後における放出遅れの特性は、脱離した硫黄成分の再捕捉によるものと考えられる。つまり、この硫黄成分の放出遅れは、硫黄成分脱離制御を開始することで実際にNOx浄化触媒の上流側において硫黄成分が脱離し始めるものの、実際にはNOx浄化触媒の下流端から放出されるまでに至ることなく、NOx浄化触媒の下流側において再び捕捉されてしまうことによるものと考えられる。本実施形態の再生終了処理では、このようなNOx浄化触媒における硫黄成分の放出遅れの特性を考慮することにより、硫黄成分脱離制御を実行する時間が必要最小限になるようなタイミングで硫黄成分脱離制御を終了させる。以下、このような概念に基づく再生終了処理の具体的な手順について説明する。
図3に戻って、ステップS11では、脱離制御実行フラグF_SPURが「1」であるか否かを判別する。ステップS11の判別結果がNOであり硫黄成分脱離制御を実行していない場合には、この再生終了処理を直ちに終了する。ステップS11の判別結果がYESであり硫黄成分脱離制御を実行している最中である場合には、ステップS12に移る。
ステップS12では、脱離制御実行フラグF_SPURが前回の処理サイクルと今回の処理サイクルとの間で「0」から「1」に変わったか否かを判別する。ステップS12の判別結果がYESであり、脱離制御実行フラグF_SPURが「0」から「1」に変化しているとき、すなわち、硫黄成分脱離制御の実行直後のときには、この再生終了処理における初期設定(ステップS13、S14)を行うべく、ステップS13に移る。一方、ステップS12の判別結果がNOであり、硫黄成分脱離制御の実行直後でない場合には、これら初期設定を行わずにステップS15に移る。
ステップS13では、ディレイパラメータDELを設定し、ステップS14に移る。このディレイパラメータDELは、後述の脱離量積算値QSSUMに対する閾値であり、基本的には正の値に設定される。また、このディレイパラメータDELは、硫黄成分脱離制御の実行開始時における蓄積量S_QSOxに応じて、図5に示すようなマップを検索することにより設定される。図5に示すように、ディレイパラメータDELは、硫黄成分脱離制御の実行開始時における蓄積量S_QSOxが多いほど小さな値に設定される。
ステップS14では、脱離量積算値QSSUMを値0にリセットし、ステップS15に移る。この脱離量積算値QSSUMは、硫黄成分脱離制御の実行を開始してから、NOx浄化触媒において脱離した硫黄成分の脱離量の積算値に相当する。
ステップS15では、NOx浄化触媒における硫黄成分の脱離量ΔS_SUBを算出し、ステップS16に移る。この脱離量ΔS_SUBは、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分のうち今回の処理サイクルにおいて脱離した硫黄成分の量に相当し、通常は正の値が算出される。この脱離量ΔS_SUBは、エンジン回転数NE、吸入空気量GAIR、及び燃料噴射量QINJなどのエンジンの運転状態を示すパラメータや、触媒温度TCAT、並びに硫黄成分の蓄積量S_QSOxなどに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。なお、この脱離量ΔS_SUBは、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分のうち脱離したものの量に相当するものであり、NOx浄化触媒からその下流側へ放出された硫黄成分の量に相当するものではない。つまり、この脱離量ΔS_SUBには、一旦脱離したものの、NOx浄化触媒から放出されずに再び捕捉された硫黄成分の量も含まれる。
ステップS16では、NOx浄化触媒における硫黄成分の脱離量積算値QSSUMを算出し、ステップS17に移る。この脱離量積算値QSSUMは、NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分のうち、NOx浄化触媒から脱離した硫黄成分の、硫黄成分脱離制御開始時から本ステップ実行時までの総量に相当する。具体的には、この脱離量積算値QSSUMは、下記式(2)に示すように、前回までの脱離量積算値QSSUMに、脱離量ΔS_SUBを加算することにより算出される。
QSSUM←QSSUM+ΔS_SUB (2)
ステップS17では、脱離量積算値QSSUMが設定されたディレイパラメータDEL以上であるか否かを判別する。
ステップS17の判別結果がYESの場合、すなわち、脱離量積算値QSSUMがディレイパラメータDEL以上である場合には、ステップS18に移り、脱離量ΔS_SUBに基づいて蓄積量S_QSOxを更新した後、ステップS19に移る。具体的には、下記式(3)に示すように、算出された脱離量ΔS_SUBを今回の処理サイクルにおけるNOx浄化触媒の硫黄成分の放出量として決定し、この放出量ΔS_SUBを前回の蓄積量S_QSOxから減算することにより、今回の蓄積量S_QSOxを算出する。
S_QSOx←S_QSOx−ΔS_SUB (3)
これに対して、ステップS17の判別結果がNOの場合、すなわち、脱離量積算値QSSUMがディレイパラメータDELより小さい場合には、硫黄成分脱離制御を開始してから上述の放出遅れに相当するディレイ時間が経過しておらず未だNOx浄化触媒から硫黄成分が放出されていないと判断し、NOx浄化触媒の硫黄成分の放出量を値0として決定する。したがってこの場合には、蓄積量S_QSOxを更新することなくステップS19に移る。
つまり、このディレイパラメータDELと脱離量積算値QSSUMは、硫黄成分脱離制御の開始時において上述の放出遅れにより生じるディレイ時間が経過するのを計時するカウンタとして機能する。これにより、硫黄成分脱離制御を開始してからディレイ時間が経過するまで(脱離量積算値QSSUMがディレイパラメータDELに達するまで)は、NOx浄化触媒の硫黄成分の放出量は値0に決定され、ディレイ時間が経過してから(脱離量積算値QSSUMがディレイパラメータDELに達した後)は、エンジンの運転状態などに基づいて算出された脱離量ΔS_SUBがNOx浄化触媒の硫黄成分の放出量として決定される。
ステップS19では、蓄積量S_QSOxが所定の終了判定値QSREF_ENDを下回ったか否かを判別する。この終了判定値QSREF_ENDは、硫黄成分脱離制御の終了を判定するために設定された閾値であり、上述の開始判定値QSREF_STARTよりも小さな値に設定される。
ステップS19の判別結果がYESであり、蓄積量S_QSOxが終了判定値QSREF_ENDを下回るまでNOx浄化触媒が再生された場合には、硫黄成分脱離制御を終了するべくステップS20に移る。そして、ステップS20では、脱離制御実行フラグF_SPURを「1」から「0」にリセットした後、再生終了処理を終了する。
これに対して、ステップS19の判別結果がNOであり、蓄積量S_QSOxが終了判定値QSREF_END以上である場合には、硫黄成分脱離制御を継続するべく、脱離制御実行フラグF_SPURを「0」にセットしたまま再生終了処理を終了する。
本実施形態によれば、再生終了処理では、一旦脱離した硫黄成分が再び捕捉されることによる硫黄成分の放出遅れに関するディレイパラメータDELを設定する。そしてこのディレイパラメータDELと、エンジンの運転状態に基づいて算出された硫黄成分の脱離量ΔS_SUBとに基づいて、NOx浄化触媒における硫黄成分の放出量を決定する。本実施形態によれば、このような硫黄成分脱離制御の実行時における硫黄成分の放出遅れを考慮して放出量を決定することにより、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxを精度良く推定することができる。これにより、適切な時期に硫黄成分脱離制御を終了させることができるので、NOx浄化触媒の浄化性能を高く維持することができる。
また、本実施形態によれば、エンジンの運転状態に基づいてNOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量ΔS_SUBを算出する。そしてこの脱離量ΔS_SUBの積算値QSSUMが、上記放出遅れに関して設定されたディレイパラメータDELに達するまでは値0を放出量として決定し、ディレイパラメータDELに達した後は算出された脱離量ΔS_SUBを放出量として決定する。このように、硫黄成分脱離制御の実行開始時には、脱離量ΔS_SUBの積算値QSSUMがディレイパラメータDELに達するまでは、放出量を値0に抑制することにより、硫黄成分脱離制御の実行開始時における放出遅れの特性を、簡易な構成で再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量S_QSOxをさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
ところで、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分が多い場合には、その下流側にも多くの硫黄成分が捕捉されているため、脱離制御を開始することで比較的速やかに硫黄成分の放出が開始する。すなわち、放出遅れは短い。これに対して、NOx浄化触媒に捕捉されている硫黄成分が少ない場合には、その下流側に捕捉されている硫黄成分の量は少ないため、脱離制御を開始してから硫黄成分の有意な量の放出が始まるまでに比較的長い時間がかかる。すなわち、放出遅れは長い。
本実施形態によれば、硫黄成分脱離制御の実行開始時における蓄積量S_QSOxが多くなるほどディレイパラメータDELを小さな値に設定することにより、このような硫黄成分の放出遅れの特性をも再現することができる。したがって、NOx浄化触媒における硫黄成分の蓄積量をさらに精度良く推定し、結果としてNOx浄化触媒の浄化性能をさらに高く維持できる。
本実施形態では、ECU2及びインジェクタ6が再生実行手段を構成し、ECU2が再生終了手段、ディレイパラメータ設定手段、放出量決定手段、脱離量算出手段を構成する。より具体的には、図2の再生開始処理の実行に係る手段が再生実行手段を構成し、図3の再生終了処理の実行に係る手段が再生終了手段を構成する。また、図3のステップS13の実行に係る手段がディレイパラメータ設定手段を構成し、図3のステップS17,S18の実行に係る手段が放出量決定手段を構成し、図3のステップS15の実行に係る手段が脱離量算出手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態の再生終了処理では、処理サイクルごとに蓄積量S_QSOxから放出量(値0又は脱離量ΔS_SUB)を減算することにより、放出量及びその積算値を明確に算出することはしなかったが、これに限らない。実質的には同じことであるが、処理サイクルごとの放出量とその積算値を明確に算出し、この放出量の積算値が所定の閾値を上回ったことに応じて脱離制御実行フラグF_SPURを「1」から「0」にリセットし、硫黄成分脱離制御を終了してもよい。
また、上記実施形態の再生終了処理では、脱離量積算値QSSUMがディレイパラメータDELに達するまでは、放出量を値0として蓄積量S_QSOxを算出したが、これに限らない。脱離量積算値QSSUMがディレイパラメータDELに達するまでの間における放出量は、値0の近傍に設定された所定値であってもよい。
また、上記実施形態では、本発明を車両に搭載されたリーンバーンエンジン又はディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明は、これに限らない。本発明は、例えば、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。
1…排気浄化システム
2…ECU(再生実行手段、再生終了手段、ディレイパラメータ設定手段、放出量決定手段、脱離量算出手段)
3…エンジン(内燃機関)
5…排気管(排気通路)
6…インジェクタ(再生実行手段)
7…NOx浄化触媒

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、酸化雰囲気の下で排気中のNOxを捕捉し、還元雰囲気の下で捕捉したNOxを浄化するNOx浄化触媒を備える内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にする脱離制御を、所定の時期に実行する再生実行手段と、
    前記脱離制御の実行時におけるNOx浄化触媒から下流側へ放出される硫黄成分の放出量を決定し、当該放出量の積算値に応じて脱離制御を終了させる再生終了手段と、を備え、
    前記再生終了手段は、
    一旦脱離した硫黄成分が再び捕捉されることによる前記NOx浄化触媒における硫黄成分の放出遅れに関するディレイパラメータを設定するディレイパラメータ設定手段と、
    当該ディレイパラメータ及び前記内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx浄化触媒の硫黄成分の放出量を決定する放出量決定手段と、
    前記内燃機関の運転状態に基づいて前記NOx浄化触媒の硫黄成分の脱離量を算出する脱離量算出手段と、を備え、
    前記ディレイパラメータは、前記脱離量の積算値に対する閾値であり、
    前記脱離量算出手段で算出される前記脱離制御開始直後における前記脱離量には、前記NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分のうち一旦脱離したものの前記NOx浄化触媒から放出されずに再び捕捉された硫黄成分の量が含まれ、
    前記放出量決定手段は、前記脱離量の積算値が前記閾値に達するまでは値0近傍の所定値を放出量として決定し、前記脱離量の積算値が前記閾値に達してからは前記脱離量を放出量として決定することを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記ディレイパラメータ設定手段は、前記NOx浄化触媒に捕捉された硫黄成分の量が多いほど、前記ディレイパラメータを小さな値に設定することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の排気浄化システム。

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