JP4357918B2 - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
自動車等の排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化するための技術として、流入する排気ガスの空燃比がリーンのとき(排気ガスの酸素濃度が高いとき)には排気ガス中のNOxを保持し、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチのとき(酸素濃度が低いとき。以下、「ストイキ・リッチ」と称す)には保持しているNOxを離脱させ、このとき排気ガス中に含まれる還元剤でNOxを還元させるNOx保持剤が知られている。
一方、上記排気ガス中にはSOx等の硫黄成分も含まれており、NOx保持剤は、NOxの保持メカニズムと同様なメカニズムで、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のSOxを保持し、流入する排気ガスの空燃比がストイキ・リッチであって且つNOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上になったときには保持しているSOxを離脱させる。
NOx保持剤のSOx保持量とNOx保持量とは互いに関係しており、SOx保持量が多くなるとNOx保持剤が保持可能なNOxの量が減少し、NOx保持剤の排気浄化性能が低下する(硫黄被毒)。したがって、SOx保持量が多くなったときには、NOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにすると共にNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上にして、NOx保持剤に保持されているSOxを離脱させる硫黄被毒回復制御が行われる。
ただし、一般に、ディーゼル内燃機関では、内燃機関から排出される排気ガスの空燃比が極めて高いため、NOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにするためには、NOx保持剤の上流側に配置された燃料添加装置によって多量の燃料を排気ガスに添加しなければならない。このため、従来では、硫黄被毒回復制御を機関運転状態が低回転にあるときに実行することによって、NOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにする際の燃料添加装置からの燃料の添加量を少なく抑えるようにしている。
このように硫黄被毒回復制御が行われる排気浄化装置が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の排気浄化装置では、機関運転状態がアイドル運転または減速運転を行っているときに硫黄被毒回復制御を実行している。また、特許文献1に記載の排気浄化装置では、硫黄被毒回復制御の実行中にアイドル運転状態が長時間継続することでNOx保持剤の上流側の排気管に炭化水素(HC)が多量に付着してしまうのを防止するために、硫黄被毒回復制御中にアイドル運転の継続時間が所定時間以上になると燃料添加装置から排気管内への燃料添加を禁止している。
特開2002−38932号公報 特開平6−88518号公報 特開2003−129830号公報
ところで、硫黄被毒回復制御は、内燃機関から排出される排気ガスの温度を高くすることと、NOx保持剤の上流側に設けられた燃料添加装置から燃料を添加してNOx保持剤で燃焼させることとによって行われる。ところが、特許文献1に記載の排気浄化装置のようにアイドル運転中に硫黄被毒再生制御を実行すると、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に維持するのが困難である。すなわち、アイドル運転中には無負荷状態であるため内燃機関から排出される排気ガスの温度を高く維持するのが困難である。また、燃料添加装置から燃料を添加しても、その多くが排気管に付着して燃焼せずに残ってしまい、NOx保持剤を昇温させることが困難であり、例え添加した燃料がNOx保持剤に到達したとしてもその多くはNOx保持剤の下流側部分において燃焼するため、NOx保持剤に温度分布ができ、部分的にしか硫黄成分の離脱が行われない。したがって、アイドル運転中に硫黄被毒回復制御を実行しても、NOx保持剤に保持された硫黄成分を効果的に離脱させることができない。
一方、アイドル運転中には硫黄被毒回復制御を実行しないこととすると、硫黄被毒回復制御を行うことによる燃費悪化が大きくなってしまう。すなわち、通常運転時における低温のNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上にまで昇温するには多量の燃料が必要であるため、このような昇温回数は少ない方が好ましい。ところが、アイドル運転中には硫黄被毒回復制御を実行しないとした場合には、硫黄被毒回復制御の実行中にアイドル運転が行われると、まだNOx保持剤に硫黄成分が多量に保持されている状態であっても硫黄被毒回復制御が中止されてしまうため、次回の硫黄被毒回復制御までの期間が短くなり、よって上述したようなNOx保持剤の昇温回数が多くなってしまい、よって大幅な燃費悪化を招いてしまう。
そこで、本発明の目的は、燃費悪化を抑制しつつNOx保持剤に保持された硫黄成分を効果的に除去することができる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明では、機関排気通路上に配置されると共に排気ガス中のNOxを浄化するNOx保持剤であって、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであって該NOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上の場合には保持している硫黄成分を離脱させるNOx保持剤と、該NOx保持剤に保持されている硫黄成分保持量を推定する硫黄保持量推定手段とを具備し、上記硫黄保持量推定手段によって推定された硫黄成分保持量が所定保持量以上となった時には、上記NOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすると共に該NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に昇温して維持するように制御する硫黄被毒回復制御を実行し、上記硫黄被毒回復制御実行中にアイドル運転が行われた場合には該硫黄被毒回復制御が中止される内燃機関の排気浄化装置において、上記硫黄被毒回復制御の中止は、アイドル運転が開始されてから所定遅延時間経過後に実行され、上記硫黄被毒回復制御の中止を実行してからNOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をリーンにしつつ上記NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度以上に維持する温度維持制御を実行し、該温度維持制御実行中にアイドル運転からアイドル運転以外の運転に変更された場合には再び硫黄被毒回復制御が実行される
上述したように、アイドル運転が行われるとNOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度よりも低い温度にまで低下する。しかしながら、NOx保持剤に蓄えられた余熱により、アイドル運転が開始されてから或る程度の期間はNOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上に維持される。第1の発明によれば、硫黄被毒回復制御実行中にアイドル運転が開始されても、アイドル運転が開始されてから上記或る程度の期間に相当する所定遅延時間が経過するまで硫黄被毒回復制御が継続されるため、硫黄被毒回復制御が可能な限り長く行われ、より多くの硫黄成分を離脱させることができる。すなわち、NOx保持剤の温度を一旦硫黄離脱開始温度以上に昇温してからアイドル運転が開始された場合に、アイドル運転が開始されたことにより硫黄被毒回復制御を中止するまでにNOx保持剤からの硫黄成分離脱量を多くすることができる。したがって、硫黄被毒回復制御の実行回数、すなわち硫黄離脱開始温度への昇温回数を少なくすることができ、NOx保持剤からの硫黄成分の離脱を効率的に行うことができる。
なお、上述した「所定遅延時間」は、例えば、硫黄被毒回復制御実行中にアイドル運転が開始されてからNOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度未満に低下するまでにかかる時間であり、予め定められた値であってもよいし、硫黄被毒回復制御実行中にアイドル運転が開始されたときのNOx保持剤の温度またはアイドル運転中のNOx保持剤の温度に応じて変わる値であってもよい。また、本明細書では、「アイドル運転」という用語は、機関負荷がほぼ零の状態であって、内燃機関によって発生する駆動力がその内燃機関を搭載した車両を駆動するのに用いられていない運転状態を意味する。
また、の発明によれば、機関の運転がアイドル運転からアイドル運転以外の運転(以下、「非アイドル運転」と称す)に変更された場合、NOx保持剤の温度が既に硫黄離脱開始温度近傍の温度以上となっているため、速やかにNOx保持剤から硫黄成分を離脱させることができる。
ところで、第の発明と異なり、アイドル運転を行っている状態でNOx保持剤の温度を高温に維持せず且つ非アイドル運転が開始されたときに再び硫黄被毒回復制御を実行するようにした場合、例えば内燃機関を搭載した車両が市街地走行をしていること等によりアイドル運転と非アイドル運転とが短い時間間隔で繰り返されていると、非アイドル運転が開始されてもNOx保持剤の温度が低下していてNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に昇温するのに時間がかかってしまう。さらに、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に昇温した直後、すなわち実際にNOx保持剤から硫黄成分がほとんど離脱されないうちに再びアイドル運転が開始されてしまうと、結果的に硫黄成分をほとんど離脱させることができない上にNOx保持剤を昇温させるために燃料を消費してしまうといった事態が生じることがある。これに対して、第の発明によれば、機関の運転がアイドル運転から非アイドル運転に変更されると速やかにNOx保持剤から硫黄成分の離脱が開始されるため、上述したような場合であっても十分にNOx保持剤から硫黄成分を離脱させることができる。
なお、例えば、機関負荷が高くてNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすることが困難である場合、NOx保持剤から硫黄成分を離脱させることが困難であるため、このような場合には硫黄被毒回復制御としてNOx保持剤を硫黄離脱開始温度以上に維持することのみが行われる。
の発明では、第の発明において、上記温度維持制御は、該温度維持制御実行中にアイドル運転からアイドル運転以外の運転へ変更されない場合には、硫黄被毒回復制御の中止を実行してから所定待機時間経過後に中止される。
上述したように、硫黄被毒回復制御および温度維持制御が実行されていないときの低温のNOx保持剤を硫黄離脱開始温度にまで上昇させるには、多量の燃料が必要となる。そして、NOx保持剤に硫黄成分が保持されたまま残っている状態で硫黄被毒回復制御を中止すると、上述したようなNOx保持剤の昇温が次に行われるまでの間隔が短くなってしまうため、結果として燃費の悪化を招いてしまう。したがって第の発明のように、硫黄被毒回復制御が中止されてからもNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度以上に維持し、機関の運転がアイドル運転から非アイドル運転へと変更された場合に再び硫黄被毒回復制御を実行することにより、NOx保持剤の昇温の回数を低減させることができ、よって燃費の悪化を抑制することができる。
ただし、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度以上に維持するためにも燃料が消費されるため、温度維持制御の実行時間が長いと、すなわちNOx保持剤から硫黄成分が離脱しないのにNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度以上に維持する時間が長いと燃費の悪化を招く。
ここで、第の発明によれば、温度維持制御の実行時間は所定待機時間に限られるため、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度以上に維持するのに消費される燃料量を少なく抑えつつ、NOx保持剤の昇温の回数をできるだけ減らすことができる。
なお、上記「所定待機時間」は、NOx保持剤の昇温回数が低減せしめられることによる燃費悪化の抑制と、NOx保持剤を高温で維持することによる燃費悪化とのバランスを考慮して、燃費の悪化が最も抑制されるように定められる期間である。
の発明では、第1又は第2の発明において、上記硫黄被毒回復制御は、燃焼室から排出された排気ガスの一部を再び燃焼室に吸入させることと、上記NOx保持剤の上流側の排気通路上に配置された還元剤添加装置から排気ガス中に還元剤を添加することとによって行われる。
の発明によれば、還元剤添加装置から排気ガス中へ還元剤(例えば燃料)が添加されるため、内燃機関から排出される排気ガスの温度が低いと炭化水素(HC)が排気通路内に付着する。
しかしながら、第の発明と第1の発明とを組み合わせることにより、アイドル運転が行われることによって内燃機関から排出される排気ガスの温度が低い期間は所定遅延時間で終了するため、排気通路内へのHCの付着も少なく抑えられる。
の発明では、第1〜第のいずれか1項の発明において、上記温度維持制御は、圧縮上死点近傍で行われる主噴射を該温度維持制御を実行していない時よりも遅角させると共に該主噴射の前に主噴射よりも少量の補助的な噴射を行うこと、主噴射の後に主噴射よりも少量の補助的な噴射を行うこと、上記NOx保持剤の上流側の排気通路上に配置された還元剤添加装置から排気ガス中に還元剤を添加することとの少なくともいずれか一つによって行われる。
の発明によれば、主噴射の遅角および補助的な噴射が行われることにより、内燃機関から排出される排気ガスの温度が上昇せしめられる。このため、アイドル運転が行われて内燃機関から排出される排気ガスの温度が低くなることよって排気通路内に付着した還元剤を、温度維持制御を実行することにより燃焼させて除去することができる。
本発明によれば、アイドル運転が開始されてから所定遅延時間に亘って硫黄被毒回復制御が継続されるため、硫黄被毒回復制御が可能な限り長く行われる。この結果、硫黄被毒回復制御の実行回数、すなわち硫黄離脱開始温度への昇温回数を少なくすることができ、よって燃費悪化を抑制しつつNOx保持剤に保持された硫黄成分を効果的に除去することができる。
以下、図面を参照して本発明の粒子状物質除去方法を説明する。図1は本発明の粒子状物質除去方法が用いられるディーゼル型の圧縮自着火式内燃機関を示す。なお本発明は火花点火式内燃機関にも適用可能である。
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。
吸気ダクト13内にはステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、さらに吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1に示した内燃機関では冷却装置18内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水により吸入空気が冷却される。一方、排気ポート10は排気マニホルド19および排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口は排気管22を介して後述するNOx保持触媒23を内蔵したケーシング24に連結される。
排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、EGR)通路25を介して互いに連結され、EGR通路25内には電気制御式EGR制御弁26が配置される。またEGR通路25周りにはEGR通路25内を流れるEGRガスを冷却するためのEGR冷却装置27が配置される。図1に示した内燃機関ではEGR冷却装置27内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水によりEGRガスが冷却される。
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール28に連結される。このコモンレール28内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ29から燃料が供給され、コモンレール28内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール28にはコモンレール28内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ30が取り付けられ、燃料圧センサ30の出力信号に基づいてコモンレール28内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ29の吐出量が制御される。
電子制御ユニット40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41により互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。燃料圧センサ30の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。
アクセルペダル49にはアクセルペダル49の踏込量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ50が接続され、負荷センサ50の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。さらに、入力ポート45には、クランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ51が接続される。出力ポート46は、対応する駆動回路48を介して、燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁26、および、燃料ポンプ29に接続される。また、排気管22にはNOx保持触媒23に流入する排気ガス中に還元剤を添加する還元剤添加装置52が設けられ、出力ポート46は、対応する駆動回路48を介して還元剤添加装置52にも接続される。なお、還元剤添加装置52は、本実施形態では排気ガス中に還元剤として燃料を添加するため、以下燃料添加装置と称す。
上述したNOx保持触媒23は、後述するNOx保持剤を担持している。NOx保持剤は、後述するメカニズムで、NOx保持触媒23に流入する排気ガス(以下、「NOx保持剤への流入排気ガス」として説明する)の空燃比(NOx保持触媒23上流側の排気通路、燃焼室5および吸気通路に供給された空気と燃料との比率)がリーンのときには流入排気ガス中のNOxを保持すると共に、NOx保持剤への流入排気ガスがほぼ理論空燃比またはリッチ(以下、「ストイキ・リッチ」と称す)のときには保持しているNOxを離脱させる。離脱せしめられたNOxは、排気ガス中のHC、CO等の還元剤と反応して還元され、浄化される。
本実施形態で用いられるディーゼル型内燃機関では、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比(燃焼室5および吸気通路に供給された空気と燃料との比率)は基本的にリーンであるため、通常はNOx保持剤に排気ガス中のNOxが保持される。ところが、NOx保持剤が保持可能なNOx量は決まっており、NOx保持剤のNOx保持量が多くなるとNOx保持剤はそれ以上NOxを保持することができなくなるため、NOx保持剤のNOx保持量が一定量以上となったときにはNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにするリッチ制御が行われる。
また、NOx保持剤は、後述するメカニズムで、NOx保持剤への流入排気ガスの空燃比がリーンのときには流入排気ガス中の硫黄成分(例えばSOx)を保持すると共に、流入排気ガスがストイキ・リッチであって、NOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度(例えば600℃)以上であるときには、保持している硫黄成分を離脱させる。そして、NOx保持剤に保持されている硫黄成分の量(以下、「硫黄成分保持量」と称す)が多くなると、NOx保持剤が保持可能なNOx量が減少し、NOx保持剤のNOx浄化性能が低下せしめられる(硫黄被毒)。
したがって、内燃機関の排気浄化装置の多くは、NOx保持剤の硫黄成分保持量が予め定められた限界量以上となったときには、NOx保持剤に保持されている硫黄成分を離脱させる硫黄被毒回復制御が実行される。硫黄被毒回復制御では、NOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上となり且つNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比がストイキ・リッチとなるように制御される。硫黄被毒回復制御は、基本的にNOx保持剤の硫黄成分保持量がほぼ零となるまで継続して行われ、これによりNOx保持剤のNOx浄化能力が比較的高い状態で維持される。
本実施形態においては、硫黄被毒回復制御として、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上にまで昇温する昇温処理と、既に硫黄離脱開始温度以上にまで昇温されたNOx保持剤の温度をそのまま硫黄離脱開始温度以上に維持しつつNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにしようとする高温リッチ処理とが行われる。したがって、硫黄被毒回復制御開始時にはまず昇温処理が行われ、昇温処理によってNOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上にまで昇温されてから、高温リッチ処理が行われ、この高温リッチ処理中にNOx保持剤に保持されている硫黄成分が離脱せしめられる。
具体的には、昇温処理では、機関の燃焼がいわゆるリタード燃焼とされる。リタード燃焼とは、圧縮上死点近傍で行われる燃料噴射弁6からの主噴射を通常制御(すなわち、硫黄被毒回復制御や後述するPM除去制御等の制御を行っていない通常時に行われる制御)時よりも遅角させて行われる燃焼である。これにより、燃焼によって得られた熱エネルギのうちピストンへの仕事へ変換されるエネルギが低減されるため、燃焼室から排出される排気ガスの昇温が図られる。また、この場合、主噴射を遅角することにより燃焼が不安定になるのを防止するため、該主噴射の前に少量の補助的な噴射(以下、「パイロット噴射」と称す)が行われる。さらに、メイン噴射終了直後、または比較的短いクランク角度間隔(例えばメイン噴射終了後15°CA以内)経過時に開始される噴射(以下、「アフター噴射」と称す)も同時に行われる。アフター噴射による燃焼においても、リタード燃焼と同様な理由で燃焼室から排出される排気ガスの昇温が図られる。したがって、本実施形態では昇温処理としてリタード燃焼と、パイロット噴射と、アフター噴射とが行われる。
一方、高温リッチ処理では、機関の燃焼がいわゆるEGR燃焼とされると共に、燃料添加装置52からNOx保持剤に流入する排気ガスに燃料が添加される。EGR燃焼とは、燃焼室から排出された排気ガスの一部であるEGRガスを再び燃焼室に吸入させて行われる燃焼であって、そのEGR率(EGRガス量/(EGRガス量+吸入空気量)が比較的高い燃焼をいう。一般に、ディーゼル型内燃機関では、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比はほとんどリーンであり、またそのリーン度合も高い(以下、「強リーン」と称す)。一方、上述したようにEGR燃焼を行っているときでも排気ガスの空燃比はリーンであるが、EGR燃焼においては燃焼室5への吸入空気量が少なく抑えられるため、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比のリーン度合は低く抑えられる(例えば、排気ガスの空燃比18〜25。以下、「弱リーン」と称す)。また、多くの排気ガスが再び燃焼室5に戻されるため、NOx保持剤に到達する排気ガスは少ない。このため、燃料添加装置から排気ガス中に添加する燃料の量が少量であってもNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにすることができる。
さらに、EGR燃焼では燃焼室5内への吸入空気よりも温度の高いEGRガスが多く吸入せしめられるため、機関本体1から排出される排気ガスの温度はEGR燃焼を行っていないときよりも高い。また、このように温度の高い排気ガスに燃料添加装置52から燃料が添加されるため、添加された燃料は、排気ガスがNOx保持剤に流入するまでにおよびNOx保持剤において燃焼し、排気ガスの温度およびNOx保持剤の温度を上昇させる。したがって、機関の燃焼をEGR燃焼とし且つ燃料添加装置52から燃料を添加することで、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に維持することができる。
このように、高温リッチ処理では、機関の燃焼をEGR燃焼とし且つ燃料添加装置から燃料を添加することで、NOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにすると共にNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に維持するようにしている。
なお、EGR燃焼には低温燃焼と高EGR燃焼とがある。ここで、低温燃焼および高EGR燃焼について簡単に説明する。一般に、ディーゼル型内燃機関では、燃料噴射時期を一定として燃焼室5に流入する混合気中に占めるEGRガスの割合(以下、「EGR率」と称す)が高くなると、それに伴ってスモークの発生量が増加するが、或るスモークの発生量のピークを超えると逆にスモークの発生量が減少する。低温燃焼は、このスモークの発生量のピークを超えるような高いEGR率でEGRガスを燃焼室5に吸入させて行う燃焼をいい、高EGR燃焼は、このスモークの発生量のピークを超えない範囲内で比較的高いEGR率でEGRガスを燃焼室に吸入させて行う燃焼をいう。
本明細書においては、単にこれら低温燃焼と高EGR燃焼とをまとめてEGR燃焼として説明するが、本実施形態ではEGR燃焼中にはこれら低温燃焼と高EGR燃焼とが状況に応じて使い分けられている。
また、低温燃焼および高EGR燃焼を含むEGR燃焼は、機関負荷が高いとき、燃料噴射量が多いとき、または内燃機関に対する要求トルクが大きいときには実行が困難となる。これは、燃焼時における燃料および周囲のガスの温度が高くなるためである。したがって、このようなときにはNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにすることが困難である。そこで、本実施形態の硫黄被毒回復制御では、このようなときに高温リッチ処理を行わず、通常制御と同様なEGR率のかなり低いまたはほぼ零の燃焼を行うと共に燃料添加装置から燃料を添加してNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に維持することとしている。すなわち、硫黄被毒回復制御では、基本的にNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにすると共に該NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に昇温して維持するように制御するが、機関負荷が高いときには空燃比をストイキ・リッチにすることが困難であるため、NOx保持剤の温度の昇温および維持のみ実行している。ただし、以下の説明では、上述したようなときにも高温リッチ処理が行われるものとして説明する。
ところが、内燃機関がアイドル運転(機関負荷がほぼ零の状態であって、内燃機関によって発生する駆動力がその内燃機関を搭載した車両を駆動するのに用いられていない運転状態)を行っている場合、各サイクルにおいて各燃焼室5内に噴射される燃料が少ないため、上述したEGR燃焼を行っても機関本体1から排出される排気ガスの温度はさほど高くならない。さらに、機関本体1から排出される排気ガスの温度が低いことにより、燃料添加装置52から添加される燃料も燃焼しにくく、よって燃料添加が行われた排気ガスの温度も上昇しにくい。このように、アイドル運転が行われているときには、上述したような高温リッチ処理を行ってもNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に維持することが困難である。
NOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上に維持できないと、NOx保持剤に保持されている硫黄成分を離脱させることができない。このため、アイドル運転が行われているときに高温リッチ処理を継続的に行うと、硫黄成分を離脱させることができないにも関わらず燃料添加装置52から燃料が添加されることとなってしまい、燃費の悪化を招く。
そこで、本発明では、硫黄被毒回復制御(特に、高温リッチ処理)中にアイドル運転が開始された場合には、アイドル運転が開始されたときから所定遅延時間経過後に高温リッチ処理を中止する。これにより、NOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度よりも低くなった場合に燃料添加装置52から排気ガスへの燃料の添加が中止され、燃費の悪化が抑制される。
ここで、NOx保持剤に蓄えられた余熱により、アイドル運転が開始されても或る程度の期間はNOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上に維持される。したがって、この期間は内燃機関がアイドル運転状態にあってもNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにしさえすればNOx保持剤から硫黄成分を離脱させることができる。上述したように本実施形態では、アイドル運転が開始されたときから所定遅延時間の間は高温リッチ処理が継続される。この様子を、図2に示す。図2は、制御モード、燃料添加装置52からの燃料添加量Qf、機関本体1から排出される排気ガスの温度(以下、「排気温」と称す)Tgas、NOx保持剤の温度Tcat、燃料添加装置とNOx保持剤との間の排気管の部分(以下、「排気管部分」と称す)における燃料付着量Qhc、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比AFeg、およびNOx保持剤(NOx保持触媒23)への流入排気ガスの空燃比AFcatのタイムチャートである。
図2では、時刻t0において機関の運転がアイドル運転以外の運転(以下、「非アイドル運転」と称す)からアイドル運転へと変更される。時刻t0よりも前においては、高温リッチ処置が行われている。よって、機関本体1ではEGR燃焼が行われているため機関本体1から排出される排気ガスの空燃比AFegは弱リーンとなっている。また、時刻t0以前においてはアイドル運転が行われていないため排気温Tgasは高い。さらに、燃料添加装置52から燃料が添加され、NOx保持剤への流入排気ガスの空燃比AFcatがストイキ・リッチとされると共に、排気温Tgasが高いことおよび添加された燃料が燃焼することとによりNOx保持剤の温度Tcatも高温で維持される。ただし、図2から分かるように、燃料添加装置52からの燃料添加量Qfは時間に対して一定ではなく、燃料を添加する期間と添加しない期間とが繰り返されており、これに伴ってNOx保持剤への流入排気ガスの空燃比AFegもストイキ・リッチとなっている期間とリーンとなっている期間とを繰り返している。これは、NOx保持剤への流入排気ガスの空燃比が連続的にストイキ・リッチとなるように連続的に燃料を添加すると、NOx保持剤が過度な高温となり、NOx保持剤(NOx保持触媒)の溶損や劣化を招くため、流入排気ガスの空燃比を連続的にストイキ・リッチにしないようにしたものである。
時刻t0以降は、アイドル運転が行われるため、EGR燃焼を行っていると機関本体1から排出される排気ガスの温度Tgasは低くなる。これに伴ってNOx保持剤の温度Tcatも徐々に低下する。しかしながら、時刻t0においてNOx保持剤に蓄積されている熱により、NOx保持剤の温度は時刻t1となるまでNOx離脱開始温度以上に維持される。
そこで、本実施形態では、内燃機関がアイドル運転を開始しても時刻t1となるまで高温リッチ処理が継続される。したがって、時刻t1となるまでEGR燃焼が継続し、よって機関本体1から排出される排気ガスの空燃比AFegも弱リーンのまま維持される。さらに、NOx保持剤への流入排気ガスの空燃比がストイキ・リッチとなるような燃料添加装置からの燃料の添加も行われる。したがって、時刻t0から時刻t1の間にはNOx保持剤に保持されている硫黄成分が離脱せしめられる。
時刻t1は、NOx保持触媒23の温度を検出する温度センサによって検出された温度が硫黄離脱開始温度よりも低い温度となったときであってもよいし、時刻t0から予め定められた時間(例えば30秒)が経過したとき、または時刻t0から時刻t0におけるNOx保持剤の温度に基づいてマップ等から算出される時間が経過したときであってもよい。
このように、アイドル運転が開始されてから所定遅延時間(時刻t0から時刻t1までの時間)に亘って高温リッチ処理を続けることにより、機関本体1から排出される排気ガスの温度が低下してからもNOx保持剤に保持されている硫黄成分を離脱させることができる。すなわち、硫黄被毒回復制御を開始してNOx保持剤の温度を離脱開始温度以上にまで昇温してから、アイドル運転が行われることにより硫黄被毒回復制御を中止するまでの硫黄成分の離脱量を多くすることができる。したがって本発明によれば、硫黄成分の離脱を効率的に行うことができ、燃費の悪化を抑制することができる。
ところで、排気温Tgasが低いと、燃料添加装置52から排気ガス中に添加された燃料が排気管部分(排気管のうち燃料添加装置とNOx保持剤との間の部分)内でほとんど酸化・燃焼されずに排気管部分の内面に付着してしまう。このように排気管部分の内面に付着した燃料が何らかの要因(例えば、機関負荷の上昇によって排気管部分内を高温の排気ガスが流れること等)により一気に脱離し、浄化されずに大気中へ放出されると、白煙が排出されることになる。
ここで、本実施形態では、排気温Tgasが低くなっている状態で燃料添加装置52から排気ガス中に燃料が添加される期間は上記所定遅延時間(時刻t0から時刻t1の間の時間)に限られるため、排気管部分の内面に燃料が付着するのを少なく抑制することができる。すなわち、図2に示したように排気管部分への燃料付着量Qhcが少ない状態で高温リッチ処理が中止せしめられる。このため、その後高温の排気ガスが排気管部分を流れること等が起こったとしても、これら燃料はNOx保持剤で浄化されるため白煙となって大気中に放出されることが抑制される。
本実施形態では、時刻t0から所定遅延時間が経過する前に機関の運転がアイドル運転から非アイドル運転へと変更された場合には、そのまま高温リッチ処理が継続される。機関の運転が非アイドル運転に戻れば、高温リッチ処理を継続することで、排気温Tgasは再び上昇せしめられ、これに伴ってNOx保持剤の温度も硫黄離脱開始温度以上に維持されるため、NOx保持剤から硫黄成分を離脱させることができる。
一方、アイドル運転が開始されてから所定遅延時間が経過して時刻t1となってもアイドル運転が継続されている場合には、時刻t1から温度維持制御が実行される。温度維持制御は、時刻t1において硫黄離脱開始温度近傍の温度となっているNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度またはその温度以上(以下、「硫黄離脱開始温度近傍以上」と称す)に維持する制御である。具体的には、上述した硫黄被毒回復制御の昇温処理と同様に、リタード燃焼と、パイロット噴射と、アフター噴射とが行われる。ただし、硫黄被毒回復制御の昇温処理とは異なり温度維持制御はアイドル運転中に行われるため上記燃焼および噴射のみではNOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に維持できない可能性もあるため、NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍以上に保持するように上記燃焼および噴射に加えて燃料添加装置から燃料の添加が行われる。この様子を、図2を参照して説明する。なお、図2の時刻t1以降の破線は時刻t1以降に温度維持制御を行わず高温リッチ処理を行った場合の各パラメータの推移を示している。
時刻t1になると、EGR燃焼が中止され、リタード燃焼、パイロット噴射およびアフター噴射が行われるため、機関本体1から排出される排気ガスの空燃比AFegは強リーンとなり、また、排気温Tgasも上昇する。燃料添加装置52からは高温リッチ処理とは異なる時間間隔で排気ガス中に燃料が添加され、この様子が燃料添加量Qfに示されている。このように、温度維持制御中においては、排気温Tgasが高いことおよび燃料添加装置52から燃料が添加されることとによってNOx保持剤の温度Tcatは硫黄離脱開始温度近傍以上に維持される。
そして、この温度維持制御中に機関の運転がアイドル運転から非アイドル運転へと変更された場合には、すぐに温度維持制御から硫黄被毒回復制御(特に、高温リッチ処理)へと制御が変更される。このとき、NOx保持剤の温度は硫黄離脱開始温度近傍以上の温度となっているため、硫黄被毒回復制御を開始したのとほぼ同時にNOx保持剤から硫黄成分を離脱させることができる。
また、温度維持制御中には排気温Tgasが高温となり排気管部分を通る排気ガスの温度も高温となる。このため、温度維持制御の直前に実行されるアイドル運転時の高温リッチ処理において排気管部分の内面に付着してしまう少量の燃料を、排気管部分の内面から脱離させることができる。すなわち、図2に示したように温度維持制御を実行することにより排気管部分の燃料付着量Qhcをほぼ零にすることができる。そして脱離した燃料は高温のNOx保持剤に流入し、このNOx保持剤において酸化・除去される。
ここで、例えば時刻t1で高温リッチ処理を中止せずにそのまま続行した場合、図2に破線で示したように排気温Tgasは低いままであり、よって排気管部分への燃料付着量Qhcは時間と共に増大する。こうして排気管部分への燃料付着量Qhcが多くなると、その後高温の排気ガスが排気管部分を流れたときに排気管部分の内面に付着していた燃料が一気に脱離するため、NOx保持剤で燃料を浄化しきれず、大気中に白煙が放出されてしまうこととなる。しかし、本実施形態では、排気管部分への燃料付着量Qhcがこのように多量になることはなく、よって排気管部分に付着していた燃料が白煙となって大気中に排出されてしまうことが抑制される。
ところで、上述したように、通常制御が行われている場合における低温のNOx保持剤を硫黄離脱開始温度にまで上昇させるには、多量の燃料が必要となる。そして、NOx保持剤に硫黄成分が保持されたまま残っている状態で硫黄被毒回復制御を中止すると、上述したようなNOx保持剤の昇温が次に行われるまでの間隔が短くなってしまうため、結果として燃費の悪化を招いてしまう。一方、アイドル運転中に温度維持制御を実行してNOx保持剤の温度を維持し、非アイドル運転に変更されたときに再び硫黄被毒回復制御を実行すると、NOx保持剤の昇温の回数を減らすことができ、よって燃費の悪化を抑制することができる。
ところが、機関運転状態がアイドル運転状態で長時間維持される場合も考えられる。このような場合に温度維持制御をそのまま長時間実行していると、NOx保持剤からは硫黄成分が離脱せしめられないにも関わらずNOx保持剤を長時間に亘って硫黄離脱開始温度近傍以上に維持していることとなる。しかしながら、このような温度維持制御においては、パイロット噴射やアフター噴射を行っており且つ燃料添加装置52から排気ガス中へ燃料を添加しているため、これら噴射や燃料添加を行わない場合に比べて燃料消費量が多い。したがって、温度維持制御を長時間に亘って実行すると燃費が悪化する。
そこで、本実施形態では、アイドル運転が時刻t2まで継続された場合、すなわち温度維持制御の実行を開始してから所定待機時間に亘ってアイドル運転が継続された場合には、温度維持制御を中止する。ここで、所定待機時間は、温度維持制御による燃費悪化の抑制と温度維持制御が長時間に亘って実行されることによる燃費の悪化とのバランスが最適となり、燃費悪化を最も抑制できる時間とされる。この所定待機時間は、予め定められた値(例えば4分)であってもよいし、大気温やNOx保持剤の硫黄成分保持量に応じて変わる値であってもよい。
なお、温度維持制御の中止後には通常制御が行われる。ここで、通常制御とは、上述したリタード燃焼、パイロット噴射およびアフター噴射を行わず、またEGRガスを燃焼室内に吸入させるとしてもEGR燃焼におけるEGR率よりも小さいEGR率で吸入させる通常燃焼を行い、さらに燃料添加装置から排気ガスへの燃料の添加を行わない制御をいう。
図3は上述した本実施形態における硫黄被毒回復に関するルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。
図3を参照すると、まずステップ101では硫黄被毒回復フラグXSがセットされているか否かが判定される。この硫黄被毒回復フラグXSは硫黄被毒回復制御を実行すべきときにセットされ(XS=1)、それ以外はセットされない(XS=0)フラグである。硫黄被毒回復フラグXSがセットされていないと判定されたときにはステップ102へと進み、NOx保持剤の硫黄成分保持量QSが上限値QSHよりも多いか否かが判定される。ここで、NOx保持剤の硫黄成分保持量QSは、前回硫黄被毒回復制御が完了してから燃料噴射弁6および燃料添加装置52によって噴射および添加された燃料の総量に基づいてECU(硫黄成分保持量推定手段)40において推定される。NOx保持剤の硫黄成分保持量QSが上限値QSH以下であると判定されたときには、ステップ103へと進み、通常制御が実行される。一方、ステップ102において、NOx保持剤の硫黄成分保持量QSが上限値QSHよりも多いと判定されたときには、ステップ104へと進み、硫黄被毒回復フラグがセットされる(XS=1)。
ステップ101において、硫黄被毒回復フラグXSがセットされていると判定されたときにはステップ105へと進む。ステップ105では、機関運転状態がアイドル運転状態にあるか否かが判定される。ステップ105において、機関運転状態がアイドル運転状態にないと判定された場合には、ステップ106へと進み、カウンタCが零にセットされる。カウンタCは、アイドル運転状態が継続している時間を表す時間カウンタである。次いでステップ107では、硫黄被毒回復制御が実行される。ステップ108では、NOx保持剤の硫黄成分保持量QSがほぼ零となったか否かが判定される。ステップ108において硫黄成分保持量QSがほぼ零となっていないと判定された場合にはルーチンが終了せしめられる。一方、ステップ108において、NOx保持剤の硫黄成分保持量QSがほぼ零となっていると判定された場合には、硫黄被毒回復フラグXSがリセットされる。
ステップ105において、機関運転状態がアイドル運転状態にあると判定された場合にはステップ110へと進む。ステップ110では、アイドル運転状態が継続している時間を表すカウンタCが1だけインクリメントされる(C=C+1)。次いで、ステップ111において、カウンタCが上述した所定遅延時間(時刻t0から時刻t1に相当する時間)を表す設定値C1よりも小さいか否かが判定される。カウンタC1が設定値C1よりも小さいと判定された場合にはステップ112へと進み、硫黄被毒回復制御が実行される。
一方、ステップ111において、カウンタCが設定値C1以上であると判定された場合にはステップ113へと進む。ステップ113では、カウンタCが上述した所定遅延時間と所定待機時間とを加算した時間(時刻t0から時刻t2に相当する時間)を表す設定値C2よりも小さいか否かが判定される。カウンタCが設定C2よりも小さいと判定された場合にはステップ114へと進み、上述した温度維持制御が実行される。一方、ステップ113において、カウンタCが設定値C2以上であると判定された場合にはステップ115へと進み、カウンタCが零にリセットされる。次いでステップ116では、硫黄被毒回復フラグXSがリセットされる(XS=0)。
次に、図4を参照して本発明の他の実施形態について説明する。図4に示した構成は基本的には図1に示した構成と同様であり、図1に示した構成と共通する部分については説明を省略する。なお、図4において図1の構成と同一または類似の構成要素については同一の参照番号を付している。
図4を参照すると、本実施形態においては、冷却装置18の下流側に吸気ダクト13内を流れる吸入空気の温度および圧力を検出するための吸気温センサ61と吸気圧センサ62とが設けられている。また、排気タービン21の出口と燃料添加装置52との間には排気管22内を流れる排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ63が設けられている。さらに、本実施形態では、ケーシング24内に上流側からNOx保持触媒64、NOx保持剤を担持したパティキュレートフィルタ(以下、「フィルタ」と称す)65、酸化触媒66が内蔵されており、これらが排気浄化器67を構成している。ケーシング24におけるNOx保持触媒64とフィルタ65との間には排気浄化器67の温度を検出するための温度センサ68が設けられている。
排気タービン21の出口とケーシング24との間にはさらに排気ブレーキ等に利用される排気絞り弁69が設けられている。図4に示した構成では、排気絞り弁69が燃料添加装置52の下流側に配置されているが、排気絞り弁69は排気タービン21の出口とケーシング24との間であればどこに配置してもよい。
また、ケーシング24の上下流、すなわち排気浄化器67の上下流の差圧を検出するための差圧センサ70も設けられている。この差圧センサ70により排気浄化器における圧力損失を得ることができる。さらに、ケーシング24の下流には排気浄化器から流出する排気ガスの温度および空燃比をそれぞれ検出するための温度センサ71および空燃比センサ72が設けられている。
上記の各センサの出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力されている。また、排気絞り弁69は対応する駆動回路48を介して出力ポート46と接続されている。
ここで、フィルタ65について説明する。フィルタ65はコージェライトのような多孔質材料から形成された隔壁を有しており、フィルタ65に流入する排気ガスにこの隔壁を通過させることにより、排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕集する。これにより、粒子状物質の大気への放出が防止される。また、フィルタ65の隔壁上には上述したNOx保持剤が担持されており、よってNOxの保持・離脱および還元・浄化作用を合わせ持つ。
このようなフィルタ65においては、通常、フィルタ65に捕集された粒子状物質は連続的に燃焼され除去される。ところが、フィルタ65の連続除去能力を超えてしまう程にフィルタ65に流入する排気ガス中の粒子状物質の量が多い場合には、フィルタ65の表面上に粒子状物質が堆積してしまう。このように、粒子状物質が堆積してしまうと、排気ガスがフィルタ65を通過しにくくなり、フィルタ65に起因する排気ガスの圧力損失が大きくなってしまう。このため、フィルタ65を粒子状物質が燃焼し始める温度(以下、「PM燃焼開始温度」と称す)以上に昇温して、フィルタ65の表面上に堆積した粒子状物質を強制的に燃焼させて除去する粒子状物質の除去制御(以下、「PM除去制御」と称す)を実行する必要がある。
PM除去制御においては、フィルタ65の昇温は上述した硫黄被毒回復制御の昇温処理と同様に行われる。すなわち、機関の燃焼をリタード燃焼にすると共に、主噴射の前後にパイロット噴射およびアフター噴射を行うことによって行われる。さらに、PM除去制御においては、これらに加えて燃料添加装置52から排気ガス中に燃料を加えてもよい。
なお、本実施形態では、NOx保持触媒64およびフィルタ65を有する排気浄化器67に対してPM除去制御および硫黄被毒回復制御を実行しなければならないが、これら制御はどちらも排気浄化器67の昇温が必要であり、昇温させる温度はいずれの制御においてもほぼ同様な温度である(すなわち、硫黄離脱開始温度とPM燃焼開始温度とは同様な温度である)。したがって、これら制御をいずれかの制御が必要な場合に連続して行うと、それぞれの制御を各制御が必要な場合毎に行うよりもこれら制御の実行回数を減らすことができ、よって燃費を低減させることができる。
そこで、本実施形態では、排気浄化器67(NOx保持触媒64およびフィルタ65)の硫黄成分保持量が多くなった場合または排気浄化器67(フィルタ65)への粒子状物質の堆積量が多くなった場合に、PM除去制御と硫黄被毒回復制御とを連続して行う。なお、粒子状物質が堆積している状態で硫黄被毒回復制御を実行すると、排気浄化器67の温度を最適に調整しつつ、排気浄化器67への流入排気ガスの空燃比をストイキ・リッチにするのが困難であるため、PM除去制御実行後に硫黄被毒回復制御を実行する。
図5および図6は上述した本実施形態における硫黄被毒回復に関するルーチンを示している。このルーチンは予め定められた設定時間毎の割り込みによって実行される。なお、図5において、ステップ143〜ステップ154は、図3のステップ105〜ステップ116と同様であるため説明を省略する。ただし、本実施形態においては、硫黄被毒回復制御が実行される際にはPM除去制御によって既に排気浄化器67の温度が高くなっているため、硫黄被毒回復制御として高温リッチ処理のみが行われる。
図5および図6を参照すると、まずステップ131では硫黄被毒回復フラグXSがセットされているか否かが判定される。硫黄被毒回復フラグXSがセットされていないと判定されたときにはステップ132へと進む。ステップ132では、PM除去フラグXPMがセットされているか否かが判定される。このPM除去フラグXPMはPM除去制御を実行すべきときにセットされ(XPM=1)、それ以外はセットされない(XPM=0)フラグである。PM除去フラグXPMがセットされていない(XPM=0)と判定されたときにはステップ133へと進み、排気浄化器67のフィルタ65への粒子状物質堆積量QPMが上限量QPMHよりも多いか否かが判定される。なお、フィルタ65への粒子状物質の堆積量は、差圧センサ70の出力に基づいて推定される。粒子状物質堆積量QPMが上限値QPMH以下である(QPM≦QPMH)と判定されたときにはステップ134へと進み、図3のステップ102と同様に硫黄成分保持量QSが上限量QSHよりも多いか否かが判定される。硫黄成分保持量QSが上限値QSH以下である(QS≦QSH)と判定されたときにはステップ135へと進み、硫黄被毒回復制御およびPM除去制御が実行されていないときに行われる通常制御が行われる。
一方、ステップ133において粒子状物質堆積量QPMが上限値QPMHよりも多い(QPM>QPMH)と判定されたときまたはステップ134において硫黄成分保持量QSが上限量QSHよりも多い(QS>QSH)と判定されたときにはステップ136へと進み、PM除去フラグXPMがセットされる。
PM除去フラグXPMがセットされたときにはステップ132からステップ137へと進み、PM除去制御が実行される。続くステップ138では粒子状物質堆積量QPMがほぼ零になったか否かが判定される。粒子状物質堆積量QPMが零となっていない(QPM>0)と判定されたときにはルーチンが終了せしめられる。一方、粒子状物質堆積量QPMがほぼ零となった(QPM≒0)と判定されたステップ139へと進み、PM除去フラグXPMがリセットされる(XPM=0)。続くステップ140では硫黄被毒回復フラグXSがセットされる(XS=1)。続くステップ141では硫黄成分保持量QSが許容量QSAよりも少ないか否かが判別される。硫黄成分保持量QSが許容量QSA以上である(QS≧QSA)と判定されたときには硫黄被毒回復フラグXSをセットしたまま(XS=1)ルーチンが終了せしめられる。これに対し、硫黄成分保持量QSが許容量QSAよりも少ない(QS<QSA)と判定されたときにはステップ142へと進み、硫黄被毒回復フラグXSをリセットした後に(XS=0)ルーチンが終了せしめられる。
最後に、本発明のNOx保持剤による排気ガスの浄化メカニズム、特に排気ガス中のNOxの保持・離脱および還元浄化作用について図7を参照して説明する。このNOxの保持・離脱および還元浄化作用のメカニズムについて白金(Pt)およびバリウム(Ba)を担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。なお、図7(A)および(B)はNOx保持剤の隔壁の表面上および隔壁の細孔表面上に形成された担体層の表面の拡大図を模式的に表している。
流入する排気ガスの空燃比がかなりリーンになると排気ガス中の酸素濃度が大幅に増大し、図7(A)に示されるようにこれら酸素がO2 -またはO2-の形で白金の表面に付着する。一方、流入する排気ガス中のNOは白金の表面上でO2 -またはO2-と反応し、NO2となる(2NO+O2→2NO2)。次いで生成されたNO2の一部は白金上で更に酸化されつつNOx保持剤内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら、図7(A)に示されるように硝酸イオン(NO3 -)の形でNOx保持剤内に拡散する。このようにしてNOxがNOx保持剤に保持される。
流入する排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金の表面でNO2が生成され、NOx保持剤のNOx保持能力が飽和しない限りNO2がNOx保持剤に保持されて硝酸イオン(NO3 -)が生成される。これに対して排気ガス中の酸素濃度が低下してNO2の生成量が低下すると反応が逆方向(NO3 -→NO2)に進み、斯くしてNOx保持剤内の硝酸イオン(NO3 -)がNO2の形でNOx保持剤から放出される。すなわち、流入する排気ガス中の酸素濃度が低下するとNOx保持剤からNOxが離脱せしめられることになる。流入する排気ガスのリーンの度合が低くなれば排気ガス中の酸素濃度が低下し、したがって流入する排気ガスのリーンの度合を低くすればNOx保持剤からNOxが離脱せしめられることになる。
一方、この時流入する排気ガスの空燃比を小さくすると、HC、COは白金上のO2 -またはO2-と反応して酸化せしめられる。また、流入する排気ガスの空燃比を小さくすると排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するためにNOx保持剤からNO2が離脱され、このNO2は図7(B)に示されるように未燃HC、COと反応して還元浄化せしめられる。このようにして白金の表面上にNO2が存在しなくなるとNOx保持剤から次から次へとNO2が離脱される。したがって流入する排気ガスの空燃比を小さくし、且つ還元剤が存在する状態にすると短時間のうちにNOx保持剤からNOxが離脱されて還元浄化されることになる。
次にNOx保持剤の硫黄被毒のメカニズムについて説明する。排気ガス中にSOx成分が含まれていると、NOx保持剤は上述のNOxの保持と同じメカニズムで排気ガス中のSOxを保持する。すなわち、排気ガスの空燃比がリーンの時、排気ガス中のSOx(例えばSO2)は白金(Pt)上で酸化されてSO3 -、SO4 -となり、酸化バリウム(BaO)と結合してBaSO4を形成する。BaSO4は比較的安定であり、また、結晶が粗大化しやすいため一旦生成されると分解放出されにくい。このため、NOx保持剤中のBaSO4の生成量が増大するとNOxの保持に関与できるBaOの量が減少してしまいNOx保持能力が低下してしまう。
この硫黄被毒を解消するためには、NOx保持剤中に生成されたBaSO4を高温で分解するとともに、これにより生成されるSO3 -、SO4 -の硫酸イオンをストイキ・リッチ雰囲気下で還元し、気体状のSO2に転換してNOx保持剤から放出させる必要がある。したがって硫黄被毒再生を行うためには、NOx保持剤を高温且つリッチ雰囲気の状態にすることが必要とされる。
なお、本明細書において、NOx保持剤から硫黄成分を離脱させるときに、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチ(ストイキ・リッチ)であると説明したが、実際には流入する排気ガスの酸素濃度が所定の酸素濃度よりも低くなることによって硫黄成分が離脱し易くなる。したがって、上述した実施形態における「排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにする」という説明は「流入する排気ガスの酸素濃度を所定の酸素濃度以下にする」ことをも意味する。よって、燃料添加装置からは、酸素濃度を低下させることができ且つNOx保持剤から離脱したNOxを還元することができれば如何なる還元剤を排気ガス中に添加してもよい。
また、本明細書において「保持」という用語は「吸収」および「吸着」の両方の意味を含むものとして用いる。したがって、「NOx保持剤」は、「NOx吸収剤」および「NOx吸着剤」の両方を含み前者はNOxを硝酸塩等の形で蓄積し、後者はNO2等の形で吸着する。また、NOx保持剤からの「離脱」という用語についても、「吸収」に対応する「放出」の他、「吸着」に対応する「脱離」の意味も含むものとして用いる。
本発明の排気浄化装置を有する内燃機関全体を示す図である。 排気浄化装置に関する各種パラメータのタイムチャートである。 本発明の第二実施形態の硫黄被毒回復に関するルーチンを示す図である。 本発明の第二実施形態の排気浄化装置を有する内燃機関全体を示す図である。 本発明の第二実施形態の硫黄被毒回復に関するルーチンの一部を示す図である。 本発明の第二実施形態の硫黄被毒回復に関するルーチンの一部を示す図である。 NOxの保持・離脱および還元・浄化作用を説明するための図である。
符号の説明
1…機関本体
5…燃焼室
6…燃料噴射弁
23…NOx保持触媒
25…EGR通路
40…ECU
52…還元剤添加装置

Claims (4)

  1. 機関排気通路上に配置されると共に排気ガス中のNOxを浄化するNOx保持剤であって、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであって該NOx保持剤の温度が硫黄離脱開始温度以上の場合には保持している硫黄成分を離脱させるNOx保持剤と、該NOx保持剤に保持されている硫黄成分保持量を推定する硫黄保持量推定手段とを具備し、上記硫黄保持量推定手段によって推定された硫黄成分保持量が所定保持量以上となった時には、上記NOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすると共に該NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度以上に昇温して維持するように制御する硫黄被毒回復制御を実行し、上記硫黄被毒回復制御実行中にアイドル運転が行われた場合には該硫黄被毒回復制御が中止される内燃機関の排気浄化装置において、
    上記硫黄被毒回復制御の中止は、アイドル運転が開始されてから所定遅延時間経過後に実行され
    上記硫黄被毒回復制御の中止を実行してからNOx保持剤に流入する排気ガスの空燃比をリーンにしつつ上記NOx保持剤の温度を硫黄離脱開始温度近傍の温度以上に維持する温度維持制御を実行し、該温度維持制御実行中にアイドル運転からアイドル運転以外の運転に変更された場合には再び硫黄被毒回復制御が実行される内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記温度維持制御は、該温度維持制御実行中にアイドル運転からアイドル運転以外の運転へ変更されない場合には、硫黄被毒回復制御の中止を実行してから所定待機時間経過後に中止される請求項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記硫黄被毒回復制御は、燃焼室から排出された排気ガスの一部を再び燃焼室に吸入させることと、上記NOx保持剤の上流側の排気通路上に配置された還元剤添加装置から排気ガス中に還元剤を添加することとによって行われる請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記温度維持制御は、圧縮上死点近傍で行われる主噴射を該温度維持制御を実行していない時よりも遅角させると共に該主噴射の前に主噴射よりも少量の補助的な噴射を行うこと、主噴射の後に主噴射よりも少量の補助的な噴射を行うこと、上記NOx保持剤の上流側の排気通路上に配置された還元剤添加装置から排気ガス中に還元剤を添加することとの少なくともいずれか一つによって行われる請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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