JP2010242674A - 触媒の劣化判定装置 - Google Patents

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潤 飯田
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康次郎 堤
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裕史 原
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Abstract

【課題】劣化の判定に伴う触媒の熱劣化及び燃料の消費を最小限に止めることができる触媒の劣化判定装置を提供すること。
【解決手段】触媒劣化判定装置は、先ず、当量比KACT1,KACT2に基づいて酸素貯蔵能OSCを算出し(S14)、この酸素貯蔵能OSCに基づいてNOx浄化触媒が正常な状態であるか否かを判定する(S15)。ここで、NOx浄化触媒が正常な状態でないと判定された場合には、判定用硫黄分除去制御(S23)を期間TSPURLにわたって実行した後、次の処理サイクルで酸素貯蔵能OSCを算出し(S14)、この酸素貯蔵能OSCに基づいてNOx浄化触媒が正常な状態であるか否かを再び判定する(S15)。この判定用硫黄分除去制御(S23)と判定(S15)を繰り返し、制限回数UPLIMにわたってNOx浄化触媒が正常な状態でないと判定された場合には、劣化フラグF_CATNGを「1」にセットする(S19)。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の排気を浄化する触媒の劣化判定装置に関する。
従来の触媒の劣化判定装置として、例えば特許文献1に開示されたものが知られている。この劣化判定装置では、NOx浄化触媒の劣化の判定が以下のようにして行われる。まず、必要還元剤量とNOx浄化触媒によるNOx捕捉量との比に応じて、NOx浄化触媒によるNOxの浄化率を算出する。この必要還元剤量は、NOx浄化触媒よりも下流側の排気通路内の空燃比に基づいて算出され、NOx捕捉量は、吸入吸気量と内燃機関の回転数および負荷に応じて算出される。算出した浄化率が第1所定値未満のときには、この浄化率の低下の原因が、NOx浄化触媒の劣化ではなく、燃料に含まれていた硫黄分が蓄積したことによるNOx浄化触媒の被毒である可能性があるため、それを確認すべく、NOx浄化触媒の被毒を除去するための被毒除去制御を実行する。この被毒除去制御は、NOx浄化触媒の温度を所定温度以上に昇温させた後、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に制御し、硫黄分を還元することによって行われる。その後、浄化率を再度、算出し、この浄化率が第2所定値以上のときには、浄化率が低下していた原因がNOx浄化触媒の被毒であるとして、NOx浄化触媒は正常と判定する。
特開2002−195089号公報
以上のように、従来の劣化判定装置では、NOx浄化触媒の浄化率が低下しているときに、その原因を確認するために被毒除去制御が実行される。このため、特に、燃料が硫黄分を多く含む高サルファ燃料を用いた場合には、NOx浄化触媒は被毒しやすいことで浄化率が低下しやすいので、空燃比をリッチ側に制御する被毒除去制御を頻繁に実行しなければならなくなる。その結果、NOx浄化触媒の熱劣化が進行しやすく、また、より多くの燃料が消費されることで燃費が悪化してしまう。
本発明は上述した点を考慮してなされたものであり、劣化の判定に伴う触媒の熱劣化及び燃料の消費を最小限に止めることができる触媒の劣化判定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、内燃機関(3)の排気通路(5)に設けられ、当該内燃機関の排気を浄化する触媒(7)の劣化判定装置(1)であって、前記触媒の浄化能力に相関のある浄化能力パラメータを検出し、当該浄化能力パラメータの検出値(KACT1,KACT2,OSC)に基づいて前記触媒が正常な状態であるか否かを判定する第1判定手段(2,12,13)と、前記触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にする硫黄分除去制御を所定の期間にわたって実行した後に前記浄化能力パラメータを検出し、当該浄化能力パラメータの検出値に基づいて前記触媒が正常な状態であるか否かを判定する第2判定手段(2,12,13,6)と、前記第1判定手段により前記触媒は正常な状態ではないと判定され、さらに前記第2判定手段により複数回(UPLIM)にわたって前記触媒は正常な状態ではないと判定された場合に、前記触媒は劣化した状態であると判定する触媒劣化判定手段(2)と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の触媒の劣化判定装置において、前記触媒の被毒の度合いを示す被毒パラメータ(S_QSOx)が所定の閾値(QSREF)に達したことに応じて、前記硫黄分除去制御を所定期間(TSPUR)にわたって実行する硫黄分除去制御実行手段(2,6)をさらに備える。前記第2判定手段は、前記硫黄分除去制御実行手段よりも短い期間(TSPURL)で前記硫黄分除去制御を実行する。
請求項1に記載の発明によれば、第1判定手段は、触媒の浄化能力パラメータを検出し、この検出値に基づいて、触媒が正常な状態であるか否かを判定する。第2判定手段は、硫黄分除去制御が所定の期間にわたって実行した後に、上記浄化能力パラメータを検出し、この検出値に基づいて、触媒が正常な状態であるか否かを判定する。また、この発明によれば、第1判定手段により触媒が正常な状態でないと判定され、さらに第2判定手段による硫黄分除去制御の実行及び浄化能力パラメータに基づく判定を複数回にわたって繰り返し、この第2判定手段により触媒が正常な状態でないと判定され続けた場合に、触媒は劣化した状態であると判定される。
すなわち、第1判定手段により触媒が正常な状態でないと判定された原因が、例えば触媒の軽微な被毒であった場合には、第2判定手段により硫黄分除去制御の実行及び浄化能力パラメータに基づく判定を繰り返す間に、触媒の被毒が徐々に回復し、正常な状態であると判定される場合がある。したがって、このように硫黄分除去制御の実行と浄化能力パラメータに基づく判定とを複数回にわたって実行することにより、1回の硫黄分除去制御の実行により触媒にかかる負担を必要最小限に止めることができる。これにより、触媒の劣化の判定に伴う触媒の熱劣化及び燃料の消費を最小限に止めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、硫黄分除去制御実行手段は、触媒の被毒の度合いを示す被毒パラメータが所定の閾値に達したことに応じて硫黄分除去制御を所定期間にわたって実行し、触媒に蓄積された硫黄分を除去する。これに対して、第2判定手段は、この硫黄分除去制御実行手段よりも短い期間で硫黄分除去制御を実行する。これにより、触媒の劣化の判定に伴う触媒の熱劣化及び燃料の消費を、さらに少なくすることができる。
本発明の一実施形態に係る触媒の劣化判定装置、及びこれを適用したエンジンの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係る通常被毒除去制御処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係るNOx浄化触媒の劣化判定処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る酸素貯蔵能OSCの概念を模式的に示す図である。 上記実施形態に係るリッチスパイク制御処理の手順を示すフローチャートである。 上記実施形態に係る劣化判定処理の具体的な動作例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る触媒の劣化判定装置1、及びこれを適用した内燃機関3の構成を示す模式図である。この内燃機関(以下、「エンジン」という)3は、リーンバーン運転方式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、図示しない車両に搭載される。
エンジン3のシリンダヘッド31には、吸気管4及び排気管5が接続されるとともに、燃料噴射弁(以下、「インジェクタ」という)6が、燃焼室32に臨むように取り付けられている。
このインジェクタ6は、燃焼室32の天壁中央部に配置されており、燃料タンク(図示せず)の燃料を燃焼室32に噴射する。インジェクタ6からの燃料噴射量QINJは、後述するECU2によって設定される。また、このインジェクタ6の開弁時間は、設定された燃料噴射量QINJが得られるように、ECU2からの駆動信号により制御される。
排気管5には、エンジン3の排気を浄化する触媒としてのNOx浄化触媒7が設けられている。NOx浄化触媒7は、流入する排気の酸素濃度が高い酸化雰囲気のときに、排気中のNOxを捕捉(より具体的には、吸着又は吸蔵)する。一方、排気中のHCやCOが多く、排気の酸素濃度が低い還元雰囲気のときに、NOx浄化触媒7は、排気中の還元剤(例えば、未燃燃料)により、捕捉したNOxを還元することによって、排気を浄化する。
このNOx浄化触媒7としては、例えば、アルミナ(Al)、セリア(CeO)、及びセリウムと希土類の複合酸化物(以下、「セリア系複合酸化物」という)の担体に担持された、触媒として作用する白金(Pt)と、NOx吸着能力を有するセリアもしくはセリア系複合酸化物などを備えるものが用いられる。
ECU2には、上流側LAFセンサ12、下流側LAFセンサ13、及び触媒温度センサ14が接続されている。
上流側LAFセンサ12及び下流側LAFセンサ13は、それぞれ、排気管5のうちNOx浄化触媒7の上流側及び下流側の排気の酸素濃度(空燃比)を検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。これらLAFセンサ12,13は、例えばジルコニアを含んで構成され、エンジン3に供給される混合気の空燃比がリッチ領域からリーン領域までの広範囲な領域において、排気の空燃比を検出する。触媒温度センサ14は、NOx浄化触媒7の温度TCATを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。
また、ECU2では、演算の便宜上、これらLAFセンサ12,13により検出された空燃比を、それぞれ当量比KACT1,KACT2に変換したものが用いられる。これら当量比KACT1,KACT2は、空気過剰率λの逆数、すなわち、理論空燃比のときに値1.0となるように空燃比(A/F)の逆数に理論空燃比を乗算したものを表す。また以下では、LAFセンサ12の検出値に基づいて算出された当量比を、第1当量比KACT1とし、LAFセンサ13の検出値に基づいて算出された当量比を、第2当量比KACT2とする。
この他、ECU2には、クランク角センサ10、エアフローセンサ11、アクセル開度センサ15、及びイグニッションスイッチ16が接続されている。
クランク角センサ10は、クランクシャフト33の回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に送信する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば30°)ごとに送信される。エアフローセンサ11は、エンジン3に吸入される吸入空気量GAIRを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。アクセル開度センサ15は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)APを検出し、検出値に略比例した信号をECU2に送信する。イグニッションスイッチ16は、図示しない車両の運転席に設けられ、車両の起動又は停止を指令する信号をECU2に送信する。
ここで、エンジン3の回転数(以下、「エンジン回転数」という)NEは、クランク角センサ10から送信されたCRK信号に基づいて、ECU2により算出される。また、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NE及びアクセル開度APに応じ、所定のマップ(図示せず)を検索することによって、ECU2により算出される。
ECU2は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換するなどの機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU2は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果などを記憶する記憶回路と、エンジン1のインジェクタ6などに制御信号を出力する出力回路と、を備える。以上のようなハードウェア構成により、ECU2には、以下に示す通常被毒除去制御処理(後述の図2参照)、劣化判定処理(後述の図3参照)、及びリッチスパイク制御(後述の図5参照)などの各種処理を実行するモジュールが構成される。
図2は、通常被毒除去制御処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この通常被毒除去制御処理では、NOx浄化触媒におけるSOxの蓄積量を逐次積算しておき、このSOxの蓄積量が所定の閾値を上回ったことに応じて蓄積されたSOxを還元する通常被毒除去制御を実行する。この処理は、ECUにおいて所定の時間ごとに実行される。
ステップS1では、SOx蓄積量S_QSOxを算出する。このSOx蓄積量S_QSOxは、NOx浄化触媒に蓄積されているSOx量に相当する。このSOx蓄積量S_QSOxは、今回の処理サイクルにエンジンから排出されたSOx量を算出し、算出した今回のSOx量を、前回までのSOx蓄積量S_QSOxに加算することにより算出される。なお、処理サイクルごとにエンジンから排出されるSOx量は、例えば、エンジン回転数NE及び要求トルクPMCMDに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。
ステップS2では、高サルファ燃料フラグF_SHが「1」であるか否かを判別する。この高サルファ燃料フラグF_SHは、後述するように、使用中の燃料が硫黄分を多く含む高サルファ燃料と判定されたときに「1」にセットされるものである(後述の図3のステップS26参照)。
ステップS2の判別結果がNOである場合、すなわち燃料が高サルファ燃料ではない通常燃料の場合には、ステップS3に移り、閾値QSREFを通常燃料用の所定値QSSに設定した後、ステップS5に移る。ステップS2の判別結果がYESである場合、すなわち燃料が高サルファ燃料である場合には、ステップS4に移り、閾値QSREFを高サルファ燃料用の所定値QSHに設定した後、ステップS5に移る。ここで、高サルファ燃料用の所定値QSHは、通常燃料用の所定値QSSよりも小さな値に設定されている。
ステップS5では、SOx蓄積量S_QSOxが閾値QSREF以上であるか否かを判別する。ステップS5の判別結果がNOのときには、NOx浄化触媒に蓄積されているSOx量が少なく、NOx浄化触媒は被毒していないと判定し、これを除去するための通常被毒除去制御を実行しないものとする。このため、ステップS6に移り、通常被毒除去フラグF_SPURを「0」にセットし、この処理を終了する。ステップS5の判別結果がYESの場合には、NOx浄化触媒に蓄積されているSOx量が多く、NOx浄化触媒は被毒していると判定し、これを除去するための通常被毒除去制御を実行する。このため、ステップS7に移り、通常被毒除去フラグF_SPURを「1」にセットし、この処理を終了する。
この通常被毒除去フラグF_SPURは、通常被毒除去制御の実行を指令するためのフラグである。この通常被毒除去制御は、NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にすることにより、NOx浄化触媒に蓄積したSOxを還元し、この硫黄分を除去する制御である。より具体的には、この通常被毒除去制御は、触媒温度TCATを所定温度以上の目標温度になるように制御した後、燃焼室に供給する燃料噴射量を増大させることにより、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の目標空燃比になるように制御し、排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えることによって行われる。このような通常被毒除去制御を所定の実行期間TSPURにわたって実行することにより、NOx浄化触媒に蓄積していたSOxが還元され、硫黄分が除去される。また、この通常被毒除去制御の終了時には、通常被毒除去フラグF_SPURは「0」にリセットされ、SOx蓄積量S_QSOxは値0にリセットされる。
図3は、NOx浄化触媒の劣化判定処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この劣化判定処理では、NOx浄化触媒の浄化性能に相関のある当量比KACT1,KACT2に基づいて後述の酸素貯蔵能OSCを検出し、この酸素貯蔵能OSCに基づいてNOx浄化触媒の劣化を判定する。この処理は、ECUにおいて所定の時間ごとに実行される。
ステップS11では、被毒判定期間中フラグF_SPURLが前回の処理サイクルと今回の処理サイクルとの間で「1」から「0」に変化したか否かを判別する。この被毒判定期間中フラグF_SPURLは、判定用被毒除去制御(後述のステップS23参照)の実行に関連して設定されたフラグであり、ステップS22において「1」にセットされ、ステップS25及びステップS28において「0」にリセットされる。以下、詳述するように、この劣化判定処理では、NOx浄化触媒の劣化判定に付随して、上述の通常被毒除去制御とは異なる判定用被毒除去制御を、1回又は複数回にわたって実行する。この被毒判定期間中フラグF_SPURLは、判定用被毒除去制御を1回又は複数回にわたって実行する期間(以下、「被毒判定期間」という)を示すフラグである。
ステップS11における判別結果がYESであり、被毒判定期間中フラグF_SPURLが「1」から「0」に変化しているとき、すなわち、上記被毒判定期間の終了直後のときには、後述のステップS29に移る。そして、ステップS29では、後述の燃料消費量S_QIN、高サルファ燃料フラグF_SH、及び判定実行回数カウンタN_SPを、全て「0」にリセットした後、この処理を終了する。ステップS11における判別結果がNOであり、被毒判定期間の終了直後でないときには、ステップS12に移る。
ステップS12では、高サルファ燃料フラグF_SHが「1」であるか否かを判別する。ステップS12の判別結果がYESであり、燃料が高サルファ燃料である場合には、後述のステップS30に移る。ステップS12の判別結果がNOであり、燃料が高サルファ燃料でなく通常燃料のときには、ステップS13に移る。
ステップS13では、リッチスパイクフラグF_RICHが「1」であるか否かを判別する。このリッチスパイクフラグF_RICHは、NOx浄化触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側からリッチ側へ変化させ、排気を還元雰囲気にするリッチスパイクの実行中に「1」にセットされるフラグである。なお、このリッチスパイクの実行に係るリッチスパイク制御の詳細な手順については、後に図5を参照して詳述する。ステップS13における判別結果がNOであり、リッチスパイクの実行中でない場合には、この処理を終了する。ステップS13における判別結果がYESであり、リッチスパイクの実行中である場合には、ステップS14に移る。
ステップS14では、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCを算出する。この酸素貯蔵能OSCは、NOx浄化触媒の酸素の貯蔵能力を表すものであり、NOx浄化触媒の浄化能力に相関がある。より具体的には、NOx浄化触媒の劣化が進むほど酸素を貯蔵する能力が低下することから、酸素貯蔵能OSCは、NOx浄化触媒の劣化を表すパラメータとして用いられる。
図4は、酸素貯蔵能OSCの概念を模式的に示す図である。より具体的には、図4は、NOx浄化触媒に流入する排気の空燃比を理論空燃比よりもリーン側からリッチ側へ変化させた場合、すなわちリッチスパイクを実行した際における当量比KACT1,KACT2の時間変化を示す図である。
図4に示すように、リッチスパイクを実行すると、NOx浄化触媒の上流側の空燃比を示す第1当量比KACT1は、リーン側の所定値Aからリッチ側の所定値Bへステップ状に変化する。これに対して、NOx浄化触媒の下流側の空燃比を示す第2当量比KACT2は、リーン側の所定値Aから上記所定値Bよりも小さな所定値Cの近傍にステップ状に変化した後、第1当量比KACT1と略等しい値に収束する。
リッチスパイクを実行した際におけるこのような第2当量比KACT2の振る舞いは、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能によるものである。つまり、NOx浄化触媒に流入する排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に変化させることより、NOx浄化触媒に貯蔵されていた酸素が放出される。これにより、NOx浄化触媒の下流側の空燃比は、上流側の空燃比よりもリーンになる。したがって、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCは、直感的には、第1当量比KACT1と第2当量比KACT2との間の、図4中ハッチングで示す領域の面積に概ね比例した値となる。このようなNOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCの算出方法は、本出願人が特願2008−154586号公報ですでに提案したものと同様であるので、以下、その算出方法を簡単に説明する。
先ず、排気が還元雰囲気になった後にNOx浄化触媒に流入した還元剤の総量を、第1還元剤量積算値SUMKACT1として算出する。また、NOx浄化触媒を通過した排気が還元雰囲気に変化した後にNOx浄化触媒をスリップした還元剤の総量を、第2還元剤量積算値SUMKACT2として算出する。さらに、第1当量比KACT1が定常状態に達した後に上流側LAFセンサで検出されたNOx浄化触媒の上流側における排気中の酸素濃度に基づいて、第1当量比平均値AVEKACT1を算出する。同様に、第2当量比KACT2が定常状態に達した後に下流側LAFセンサで検出されたNOx浄化触媒の下流側における排気中の酸素濃度に基づいて、第2当量比平均値AVEKACT2を算出する。そして、第1及び第2還元剤量積算値SUMKACT1,2と第1及び第2当量比平均値AVEKACT1,2を用い、下記式(1)に従って、酸素貯蔵能OSCを算出する。
OSC=(SUMKACT1/AVEKACT1)
−(SUMKACT2/AVEKACT2) …(1)
図3に戻って、ステップS15では、酸素貯蔵能OSCが所定の判定値OSCJUDよりも大きいか否かを判別する。すなわち、このステップS15では、NOx浄化触媒が十分な酸素貯蔵能OSCを有した正常な状態であるか否かを判定する。この判別結果がNOの場合、すなわちNOx浄化触媒が、十分な酸素貯蔵能OSCを有さず正常な状態でないと判定された場合には、ステップS18に移る。
ステップS18では、燃料消費量S_QINが所定の第1閾値IREF1(例えば、10L)よりも大きいか否かを判別する。この燃料消費量S_QINは、上述の被毒判定期間が終了した以降に燃焼室に供給された燃料の総量であり、前回の燃料消費量S_QINに、燃料噴射量QINJを加算することによって算出される。
このステップS18の判別結果がNOの場合には、NOx浄化触媒は、燃料消費量S_QINが少ないにもかかわらず酸素貯蔵能OSCが低下した状態であると判定されることから、酸素貯蔵能OSCの低下の原因がNOx浄化触媒の被毒によるものではないとして、ステップS19に移る。そして、ステップS19では、NOx浄化触媒が劣化した状態であることを示す劣化フラグF_CATNGを「1」にセットした後、この処理を終了する。
一方、ステップS18の判別結果がYESであり、燃料消費量S_QINが比較的多い場合には、ステップS20に移る。そして、ステップS20では、NOx浄化触媒が劣化していると仮判定し、そのことを表すために仮劣化フラグF_CATNGVを「1」にセットし、ステップS21に移る。
ステップS21では、判定実行回数カウンタN_SPが、所定の正の整数である制限回数UPLIM以上であるか否かを判別する。この判定実行回数カウンタN_SPは、後述のステップS23において実行される判定用被毒除去制御が実行された回数を計数するものである。また、この制限回数UPLIMは、具体的には例えば「4」に設定される。なお、この判定実行回数カウンタN_SPは、ステップS11において被毒判定期間が終了した直後であると判定された後、ステップS29において、「0」にリセットされる。このステップS21における判別がNOであり、判定用被毒除去制御を実行した回数が制限回数UPLIMより少ない場合には、ステップS22に移る。
ステップS22では、被毒判定期間中であることを示す被毒判定期間中フラグF_SPURLを「1」にセットし、ステップS23に移る。
ステップS23では、判定用被毒除去制御を実行し、ステップS24に移る。この判定用被毒除去制御は、上述の通常被毒除去制御と同様に、触媒温度TCATを所定温度以上の目標温度になるように制御した後、燃焼室に供給する燃料噴射量を増大させることにより、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側の目標空燃比になるように制御し、排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えることによって行われる。また、この判定被毒除去制御は、上述の通常被毒除去制御を実行する期間TSPURよりも短い期間TSPURLで実行される。
また、この判定被毒除去制御の終了時には、この判定被毒除去制御の実行に伴ってNOx浄化触媒から還元されたSOx量を算出し、算出したSOx量をSOx蓄積量S_QSOxから減算する。なお、判定被毒除去制御の実行に伴って還元されるSOx量は、例えば実行期間TSPURL、及び判定実行回数カウンタN_SPなどに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。
ステップS24では、判定用被毒除去制御を実行したことに応じて、判定実行回数カウンタN_SPに「1」を加算し、この処理を終了する。
一方、上述のステップS21における判別結果がYESの場合、すなわち、判定用被毒除去制御を複数回(制限回数UPLIM)にわたって実行したにもかかわらず、ステップS15においてNOx浄化触媒が正常な状態ではないと判定された場合(NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCが判定値OSCJUD以上の正常な状態まで回復しなかった場合)には、酸素貯蔵能OSCの低下の原因がNOx浄化触媒の被毒によるものではないと判定し、ステップS25に移る。
ステップS25では、被毒判定期間中フラグF_SPURLを「0」に戻した後に、ステップS19に移り、NOx浄化触媒が劣化した状態であることを示す劣化フラグF_CATNGを「1」にセットする。すなわち、NOx浄化触媒が劣化した状態であると判定し、この処理を終了する。
一方、上述のステップS15における判別結果がYESの場合、すなわち、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCが判定値OSCJUDより大きい場合には、ステップS32に移る。
ステップS32では、被毒判定期間中フラグF_SPURLが「1」であるか否かを判別する。このステップS32の判別結果がYESの場合、すなわち、1回又は複数回にわたって判定用被毒除去制御を実行した後、ステップS15においてNOx浄化触媒が正常な状態であると判定された場合には、ステップS28に移る。そして、ステップS28では、被毒判定期間が終了したとして、被毒判定期間中フラグF_SPURLを「0」にリセットし、この処理を終了する。また、ステップS32の判別結果がNOの場合には、ステップS16に移る。
ステップS16では、仮劣化フラグF_CATNGVが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESの場合、すなわち、以前の処理サイクルにおいて、酸素貯蔵能OSCが判定値OSCJUD以下であると判定され(ステップS15)、仮劣化フラグF_CATNGVに「1」がセットされ(ステップS20)、さらに判定用被毒除去制御が実行された(ステップS23)後に、酸素貯蔵能OSCが判定値OSCJUDよりも大きいと判定された場合には、ステップS26に移る。
ステップS26では、低下していた酸素貯蔵能OSCが、判定用被毒除去制御の実行によって回復しているため、低下の原因がNOx浄化触媒の被毒によるものであるとして、燃料が高サルファ燃料であると判定し、そのことを表すために、高サルファ燃料フラグF_SHを「1」にセットし、ステップS27に移る。ステップS27では、仮劣化フラグF_CATNGVを「0」にリセットし、この処理を終了する。
一方ステップS16における判別結果がNOの場合には、ステップS17に移る。そして、ステップS17では、劣化フラグF_CATNGを「0」にセットした後、この処理を終了する。
ステップS30では、燃料噴射量S_QINが第1閾値IREF1よりも大きいか否かを判別する。このステップS30における判別結果がYESであり、S_QIN>IREF1である場合には、ステップS31に移る。このステップS31では、燃料噴射量S_QINが第1閾値IREF1よりも大きな所定の第2閾値IREF2(例えば50L)よりも大きいか否かを判別する。このステップS31における判別結果がNOである場合、すなわち、IREF1<S_QIN≦IREF2である場合いは、NOx浄化触媒の劣化判定を行うことなく、この処理を直ちに終了する。このように、IREF1<S_QIN≦IREF2のときには、NOx浄化触媒の劣化判定が禁止される。
また、ステップS31の判別結果がYESであり、S_QIN>IREF2のときには、給油が行われ、燃料タンク内の燃料が消費されたとして、判定用被毒除去制御を実行すべくステップS21に移る。これにより、判定用被毒除去制御の終了後、高サルファ燃料フラグF_SHがリセットされ、ステップS12における判別結果がNOになることで、NOx浄化触媒の劣化判定が再開される。
なお、上述した劣化判定処理において、例えば仮劣化フラグF_CATNGVが「1」にセットされた状態でイグニッションスイッチがOFFになり、エンジンの運転が停止された場合には、その時点で設定されていたフラグ類や燃料消費量S_QINなどの値がEEPROMに記憶され、次回の運転サイクルでは、これら値を初期値として用い、劣化判定処理が引き続き行われる。
図5は、リッチスパイク制御処理の手順を示すフローチャートである。
以下、詳細に説明するように、この処理では、NOx浄化触媒に捕捉されたNOxの量を推定し、この推定値が所定量を超えたことに応じてNOx浄化触媒に捕捉されたNOxを還元するべく、リッチスパイクを実行する。この処理は、ECUにより所定の時間ごとに実行される。
ステップS41では、NOx捕捉量S_QNOxを算出する。
このNOx捕捉量S_QNOxは、NOx浄化触媒に捕捉されているNOx量に相当する。このNOx捕捉量S_QNOxは、今回の処理サイクルにエンジンから排出されたNOx量を算出し、算出した今回のNOx量を、前回までのNOx捕捉量S_QNOxに加算することにより算出される。なお、処理サイクルごとにエンジンから排出されるNOx量は、例えば、エンジン回転数NE及び要求トルクPMCMDに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することにより算出される。
ステップS42では、高サルファ燃料フラグF_SHが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がNOである場合には、ステップS43に移り、閾値QNREFを通常燃料用の所定値QNSに設定した後、ステップS45に移る。
この判別結果がYESである場合には、ステップS44に移り、閾値QNREFを高サルファ燃料用の所定値QNHに設定した後、ステップS45に移る。
ここで、高サルファ燃料用の所定値QNHは、通常燃料用の所定値QNSよりも小さな値に設定されている。
ステップS45では、NOx捕捉量S_QNOxが閾値QNREF以上であるか否かを判別する。
この判別結果がNOである場合には、NOx浄化触媒に捕捉されているNOxの量が少なく、この捕捉されたNOxを還元するためのリッチスパイクを実行する必要がないと判定する。このため、ステップS46に移り、リッチスパイクフラグF_RICHを「0」にセットし、この処理を終了する。
この判別結果がYESの場合には、NOx浄化触媒に捕捉されているNOxの量が多く、この捕捉されたNOxを還元するためにリッチスパイクを実行する必要があると判定する。このため、ステップS47に移り、リッチスパイクフラグF_RICHを「1」にセットし、この処理を終了する。
このリッチスパイクフラグF_RICHは、リッチスパイク制御の実行を指令するためのフラグである。また、このリッチスパイク制御は、燃焼室に供給する燃料噴射量を増大させることにより、空燃比を理論空燃比よりもリッチ側に制御し、排気を酸化雰囲気から還元雰囲気に切り換えることによって行われる。これにより、NOx浄化触媒に捕捉されていたNOxは還元されるとともに無害な状態で大気中に放出される。また、このリッチスパイクは、NOx浄化触媒に捕捉されたNOxの大部分が還元されるように、所定期間にわたって実行される。また、このリッチスパイク制御の終了時には、リッチスパイクフラグF_RICHは「0」にリセットされ、またNOx捕捉量S_QNOxは値0にリセットされる。
図6は、劣化判定処理の具体的な動作例を示すタイムチャートである。
この図6に示す動作例では、NOx浄化触媒が正常で、かつ燃料が高サルファ燃料であった場合における劣化判定処理の動作例を示す。
この状態からエンジンの運転が進むと、高サルファ燃料中の硫黄分がNOx浄化触媒に蓄積することによって、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCが徐々に低下する。また、時刻t2では、NOx浄化触媒におけるSOx蓄積量S_QSOxが閾値QSREFに達したと判定された(図2のステップS5参照)ことに応じて、通常被毒除去制御が期間TSPURにわたって実行される。これにより、NOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCが回復する。また、NOx浄化触媒におけるNOx捕捉量S_QNOxが閾値QNREFに達したと判定された(図5のステップS45参照)ことに応じて、リッチスパイクが実行されるとともに、その実行中には、酸素貯蔵能OSCに基づくNOx浄化触媒の劣化判定が行われる。
酸素貯蔵能OSCが徐々に低下し、時刻t3において判定値OSCJUD以下になるまでは、図3のステップS15の判別結果がYESになることで、NOx浄化触媒は正常と判定され、劣化フラグF_CATNGには「0」がセットされる(図3のステップS17参照)。一方、時刻t3以降において、NOx浄化触媒の劣化判定が行われると、上記ステップS15の判別結果がNOになる。また、この時刻t3以降では、燃料消費量S_QINが第1閾値IREF1を超えているため、ステップS18の判別結果がYESになり、それに応じて仮劣化フラグF_CATNGVが「1」にセットされ(図3のステップS20参照)、時刻t4において1回目の判定被毒除去制御が実行される(ステップS23参照)。上述のように、この判定被毒除去制御の実行期間TSPURLは、通常被毒除去制御の実行期間TSPURよりも短い。また、この1回目の判定被毒除去制御が実行されるに伴って、被毒判定期間中フラグF_SPURLが「1」にセットされ(図3のステップS22参照)、さらに判定実行回数カウンタN_SPに「1」が加算される(図3のステップS24参照)。
時刻t4において1回目の判定被毒除去制御が実行されることにより、酸素貯蔵能OSCがやや回復するものの、この時点では判定値OSCJUD以下である。このため、図3のステップS15の判別結果がNOになり、時刻t5において2回目の判定被毒除去制御が実行され、これにより酸素貯蔵能OSCが判定値OSCJUDより大きくなる。したがって、その後は、ステップS15の判別結果がYESになる。また、被毒判定期間中フラグF_SPURLが「1」にセットされていることから、ステップS32の判別結果がYESになり、被毒判定期間が終了したと判定され、時刻t6において被毒判定期間中フラグF_SPURLが「0」にリセットされる(図3のステップS28参照)。また、被毒判定期間の終了時には、燃料消費量S_QINが「0」にリセットされる(図3のステップ29参照)。
その後、仮劣化フラグF_CATNGVが「1」にセットされていることから、ステップS16の判別結果がYESになる。その結果、燃料が高サルファ燃料と判定され、高サルファ燃料フラグF_SHが「1」にセットされ(図3のステップS26参照)、仮劣化フラグF_CATNGVが「0」にリセットされる(図3のステップS27参照)。
また、燃料が高サルファ燃料と判定されると、ステップS12の判別結果がYESになり、その後の動作は燃料消費量S_QINに応じて定まる。すなわち、燃料消費量S_QINが時刻t7において第1閾値IREF1を超えるまでは、ステップS30の判別結果がNOになることで、ステップS13以降において、NOx浄化触媒の劣化判定が行われる。
また、燃料消費量S_QINが第1閾値IREF1を超えた後、時刻t8において第2閾値IREF2を超えるまでは、ステップS31の判別結果がNOになることで、NOx浄化触媒の劣化判定が禁止される。
時刻t8において燃料消費量S_QINが第2閾値IREF2を超えると、判定用被毒除去制御が再び実行される(図3のステップS23参照)。この判定用被毒除去制御を複数回にわたって実行することにより、酸素貯蔵能OSCが次第に回復するとともに、その終了時には燃料消費量S_QIN及び高サルファ燃料フラグF_SHがそれぞれ「0」にリセットされる(図3のステップS29参照)。
その後は、ステップS12の判別結果がNOになることで、ステップS13以降の処理が実行されることにより、NOx浄化触媒の劣化判定が再開される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、先ず、ステップS15においてNOx浄化触媒が正常な状態でないと判定され、その後、ステップS23における判定用被毒除去制御の実行及びステップS15における判定を制限回数UPLIMにわたって繰り返し、NOx浄化触媒が正常な状態でないと判定され続けた場合に、ステップS19においてNOx浄化触媒は劣化した状態であると判定される。
すなわち、最初にNOx浄化触媒が正常な状態でないと判定された原因が、例えばNOx浄化触媒の軽微な被毒であった場合には、その後の判定用被毒除去制御の実行及び酸素貯蔵能OSCに基づく判定を繰り返す間に、NOx浄化触媒の被毒が徐々に回復し、NOx浄化触媒が正常な状態であると判定される場合がある。したがって、このように判定用被毒除去制御の実行と酸素貯蔵能OSCに基づく判定とを複数回にわたって実行することにより、1回の判定用被毒除去制御の実行によりNOx浄化触媒にかかる負担を必要最小限に止めることができる。これにより、NOx浄化触媒の劣化の判定に伴う触媒の熱劣化及び燃料の消費を最小限に止めることができる。
本実施形態によれば、図2に示す通常被毒除去制御処理では、NOx浄化触媒の被毒の度合いを示すSOx蓄積量S_QSOxが所定の閾値QSREFに達したことに応じて通常硫黄被毒除去制御を所定期間TSPURにわたって実行し、NOx浄化触媒に蓄積された硫黄分を除去する。これに対して、図3に示す劣化判定処理では、この通常被毒除去制御の実行期間TSPURよりも短い期間TSPURLで判定用被毒除去制御を実行する。これにより、NOx浄化触媒の劣化の判定に伴うNOx浄化触媒の熱劣化及び燃料の消費を、さらに少なくすることができる。
本実施形態では、ECU2、及びLAFセンサ12,13が第1判定手段を構成し、ECU2、LAFセンサ12,13、及びインジェクタ6が第2判定手段を構成し、ECU2が触媒劣化判定手段を構成し、ECU2、及びインジェクタ6が硫黄分除去制御実行手段を構成する。より具体的には、被毒判定期間中フラグF_SPURLが「0」にセットされた状態における図3のステップS14及びステップS15の実行に係る手段が第1判定手段を構成する。また、図3のステップS23の実行に係る手段、並びに、被毒判定期間中フラグF_SPURLが「1」にセットされた状態における図3のステップS14及びステップS15の実行に係る手段が第2判定手段を構成する。また、図3のステップS17及びステップS19の実行に係る手段が触媒劣化判定手段を構成し、図2の通常被毒除去制御の実行に係る手段が硫黄分除去制御実行手段を構成する。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態の劣化判定処理では、NOx浄化触媒の浄化能力に相関のあるパラメータとしてNOx浄化触媒の上流側及び下流側の排気の空燃比(当量比)を検出し、これら当量比KACT1,KACT2に基づいてNOx浄化触媒の酸素貯蔵能OSCを算出し、この酸素貯蔵能OSCに応じてNOx浄化触媒の劣化を判定したが、これに限らず適当な他のパラメータを用いてもよい。
具体的には、例えば、NOx浄化触媒の浄化能力に相関のあるパラメータとしてNOx浄化触媒の上流側及び下流側の排気のNOx濃度を検出し、これら検出値に基づいてNOx浄化触媒の劣化を判定してもよい。このようなNOx浄化触媒の上流側及び下流側の排気のNOx濃度に基づいてNOx浄化触媒の劣化を判定する手法は、本出願人により特願2008−201476号公報ですでに提案されているので、以下、その手法を簡単に説明する。
この手法では、NOx浄化触媒の上流側の排気のNOx濃度を検出する上流側NOxセンサと、NOx浄化触媒の下流側の排気のNOx濃度を検出する下流側NOxセンサを用いる。先ず、NOx浄化触媒に流入する排気を酸化雰囲気になるように制御し、このときにおける上流側NOxセンサの検出値に基づいて、NOx浄化触媒に流入したNOx量の積算値をNOx供給量として算出する。またこのとき同時に、下流側NOxセンサの検出値に基づいて、NOx浄化触媒を通り抜けたNOx量の積算値をNOxスリップ量として算出する。ここで、NOx供給量が所定の閾値を超えたときにおけるNOxスリップ量と所定の判定値とを比較することにより、NOx浄化触媒の劣化を判定する。
また、上記実施形態では、判定用被毒除去制御と通常被毒除去制御との間ではその実行期間TSPURL,TSPURの長さのみが異なるとしたが、これに限らない。この他、例えば、判定用被毒除去制御の実行時における目標温度を通常被毒除去制御の実行時における目標温度よりも低く設定してもよい。これにより、劣化判定処理の実行時においてNOx浄化触媒にかかる負担をさらに軽減することができる。
また、例えば、判定用被毒除去制御の実行時における目標空燃比を通常被毒除去制御の実行時における目標空燃比よりもリッチ側に設定し、排気の還元度合いを高くするようにしてもよい。これにより、比較的短い実行期間であっても、NOx浄化触媒に蓄積したSOxを効率的に還元することができる。したがって、劣化判定処理の実行時においてNOx浄化触媒にかかる負担を軽減しながら、その判定精度を向上することができる。
例えば、上記実施形態では、上流側LAFセンサを設け、この上流側LAFセンサの検出値に基づいて、第1当量比KACT1を算出したが、これに限らない。第1当量比KACT1は、上流側LAFセンサを用いずに、例えば、燃料噴射量QINJ及び吸入空気量GAIRに応じて、所定のマップ(図示せず)を検索することによって算出してもよい。
また、上記実施形態では、劣化を判定する触媒としてNOx浄化触媒を用いた例を示したが、本発明は、これに限るものではない。上述のようなNOx浄化触媒に限らず、排気が酸化雰囲気のときに排気中のNOxを捕捉し、捕捉したNOxを還元雰囲気のときに還元するとともに排気を浄化するタイプの触媒であれば、三元触媒などの他の触媒であってもよい。
また、上記実施形態では、リッチスパイクを、燃焼室に供給する燃料量を増大させることで行い、これにより、NOx浄化触媒に流入する排気を還元雰囲気にしたが、リッチスパイクの具体的な手法はこれに限らない。この他、例えば、排気管のうちNOx浄化触媒よりも上流側に直接、燃料を供給することにより、排気を還元雰囲気にしてもよい。また、この場合、燃料の代わりに、尿素などの還元剤を用いてもよい。
また、上記実施形態では、高サルファ燃料と判定された燃料が消費されたか否かの判定を燃料消費量S_QINに基づいて行っているが、判定の手法はこれに限らない。例えば、燃料タンクの給油口を開閉するフィラーキャップ(いずれも図示せず)の着脱状態を検出するフィラーキャップスイッチ17を設け(図1参照)、その検出信号に基づいてフィラーキャップの着脱が確認されたときに、給油が行われたと判定して、高サルファ燃料が消費されたと判定してもよい。あるいは、燃料タンク内の燃料量を検出する燃料レベルセンサ18を設け(図1参照)、エンジンの再始動前後において燃料レベルセンサ18で検出された燃料量の差が所定値以上のときに、給油が行われたと判定して、高サルファ燃料が消費されたと判定してもよい。
また、上記実施形態では、燃料が高サルファ燃料のときに、NOx浄化触媒の劣化判定を許容又は禁止するかを判定するための閾値(図3のステップ30参照)と、NOx浄化触媒が劣化していると仮判定するか否かを判定するための閾値(図3のステップS18参照)を、同じ第1閾値IREF1に設定したが、これに限らず、互いに異なる値に設定してもよい。
また、上記実施形態では、NOx浄化触媒の劣化の判定を、高サルファ燃料と判定された後に燃料消費量S_QINが第1閾値IREF1に達したときに禁止しているが、これに限らない。例えば、燃料が高サルファ燃料と判定された場合には、その直後にNOx浄化触媒の判定を禁止してもよい。
また、上記実施形態では、本発明を車両に搭載されたリーンバーンエンジン又はディーゼルエンジンに適用した例を示したが、本発明は、これに限らない。本発明は、例えば、車両用以外のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に配置した船外機などのような船舶推進機用エンジンにも適用可能である。
1…劣化判定装置
2…ECU(第1判定手段、第2判定手段、触媒劣化判定手段、硫黄分除去制御実行手段)
3…エンジン(内燃機関)
5…排気管(排気通路)
6…インジェクタ(第2判定手段、硫黄分除去制御実行手段)
7…NOx浄化触媒(触媒)
12…上流側LAFセンサ(第1判定手段、第2判定手段)
13…下流側LAFセンサ(第1判定手段、第2判定手段)

Claims (2)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、当該内燃機関の排気を浄化する触媒の劣化判定装置であって、
    前記触媒の浄化能力に相関のある浄化能力パラメータを検出し、当該浄化能力パラメータの検出値に基づいて前記触媒が正常な状態であるか否かを判定する第1判定手段と、
    前記触媒に流入する排気を還元雰囲気かつ所定の温度以上にする硫黄分除去制御を所定の期間にわたって実行した後に前記浄化能力パラメータを検出し、当該浄化能力パラメータの検出値に基づいて前記触媒が正常な状態であるか否かを判定する第2判定手段と、
    前記第1判定手段により前記触媒は正常な状態ではないと判定され、さらに前記第2判定手段により複数回にわたって前記触媒は正常な状態ではないと判定された場合に、前記触媒は劣化した状態であると判定する触媒劣化判定手段と、を備えることを特徴とする触媒の劣化判定装置。
  2. 前記触媒の被毒の度合いを示す被毒パラメータが所定の閾値に達したことに応じて、前記硫黄分除去制御を所定期間にわたって実行する硫黄分除去制御実行手段をさらに備え、
    前記第2判定手段は、前記硫黄分除去制御実行手段よりも短い期間で前記硫黄分除去制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の触媒の劣化判定装置。
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