JP2003097255A - エンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法 - Google Patents

エンジンの排気浄化装置及び排気浄化方法

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JP2003097255A JP2001297083A JP2001297083A JP2003097255A JP 2003097255 A JP2003097255 A JP 2003097255A JP 2001297083 A JP2001297083 A JP 2001297083A JP 2001297083 A JP2001297083 A JP 2001297083A JP 2003097255 A JP2003097255 A JP 2003097255A
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃費性能の低下等の不具合を招くことなく、
NOxトラップ触媒を用いてNOxを有効に浄化するこ
とができる排気浄化装置を提供する。 【解決手段】 エンジン1の排気通路6には、ゼオライ
ト系のHC吸着触媒を用いた第1排気浄化装置12と、
NOxトラップ触媒を用いた第2排気浄化装置13とが
介設されている。そして、NOxトラップ触媒のNOx
トラップ量が閾値を超えたときには、HC吸着触媒に吸
着されているHCの燃焼によって排ガス中のO濃度が
低下している状態で、NOxトラップ触媒からNOxを
放出させるために燃料噴射量が増量され、排ガス中のO
濃度が低減されるとともに、NOx還元用のHCが増
量される。かくして、燃費性能の低下等の不具合を招く
ことなく、NOxトラップ触媒でNOxを有効に浄化す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの排気浄
化装置及び排気浄化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンの燃焼室から排気通路
に排出される排ガスには、NOx(窒素酸化物)、HC
(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、PM(大気浮遊物
質)等の大気汚染物質が含まれているので、これらの大
気汚染物質を浄化するため、排気通路には排気浄化触媒
を用いた排気浄化装置が設けられる。そして、かかる排
気浄化触媒を用いて、NOxは還元により浄化され、H
C、CO及びPMは酸化により浄化される。なお、NO
xは還元により浄化される関係上、その浄化にはNOx
から酸素を奪う還元剤が不可欠であるが、自動車用エン
ジンでは、排ガス中のHCが還元剤として利用される。
【0003】そして、NOxは、排ガス中のO濃度が
低いときに還元剤を利用してNに還元され、浄化され
る。しかしながら、従来の普通の排気浄化触媒(例え
ば、三元触媒)では、排ガス中のO濃度が高いときに
はNOxを還元するのが困難である。そこで、近年、排
ガス中のO濃度が高いときにNOxを吸収する一方、
排ガス中のO濃度が低くなったときにNOxを放出す
るNOx吸収材を用いたNOxトラップ触媒が普及しつ
つある。
【0004】かかるNOxトラップ触媒は、通常の運転
時、すなわち排ガス中のO濃度が比較的高くNOxを
還元するのが困難なときにはNOx吸収材にNOxを吸
収させ、NOxの大気中への放出を防止する。そして、
NOx吸収材のNOx吸収量が飽和状態に達したとき
に、例えば膨張行程噴射を行うなどして排ガス中のO
濃度を低下させるとともにHC濃度を高め、NOx吸収
材にNOxを放出させ、この放出されたNOxを排ガス
中の還元剤を利用してNに還元するようにしている
(例えば、特開平11−050894号公報参照)。な
お、特開平11−050894号公報に開示された排気
浄化装置では、NOxトラップ触媒の上流に酸化触媒を
配置し、NOxトラップ触媒の熱劣化を抑制しつつ排気
空燃比をリッチにして、NOx吸収材から放出されたN
Oxを還元するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開平11−050894号公報に開示されているNO
xトラップ触媒を用いた従来の排気浄化装置では、NO
x吸収材からNOxを放出させる際、排ガス中のO
度を低下させ、ないしはHC濃度を高めるために膨張行
程で余分な燃料を噴射しなければならないので、燃費性
能が低下するといった問題がある。また、膨張行程で噴
射された燃料によって煤が発生するといった問題もあ
る。なお、NOx吸収材からNOxを放出させる際に、
膨張行程噴射ではなく、点火時期の遅角あるいは排気系
への燃料噴射などを行うことによっても排ガス中のO
濃度を低下させることができるが、これらの場合でも、
燃費性能の低下ないしは煤の発生が起こる。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するため
になされたものであって、燃費性能の低下あるいは煤の
発生などといった不具合を招くことなく、NOxトラッ
プ触媒を用いてNOxを有効に浄化することができるエ
ンジンの排気浄化装置ないしは排気浄化方法を提供する
ことを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかるエンジンの排気浄化装置は、
(i)排ガス中のO濃度が高いとき(例えば、3%以
上)に、すなわちO過剰雰囲気で、NOxを吸収し、
この後排ガス中のO濃度が低下したとき(例えば、1
%以下)に、吸収したNOxを放出するNOx吸収材
と、(ii)NOx吸収材の上流で排ガスに還元剤(HC
等)を供給する主還元剤供給手段とを備えたエンジンの
排気浄化装置において、(iii)NOx吸収材の上流に
配置され、所定の着脱反転温度以下では排ガス中のHC
を吸着する一方着脱反転温度を超えると吸着しているH
Cを放出するHC吸着材と触媒金属とを含有するHC吸
着触媒を備えていて、(iv)主還元剤供給手段が、少な
くともNOx吸収材にNOxが吸収され、かつHC吸着
触媒にHCが吸着されている状態で、HC吸着触媒に吸
着されているHCの燃焼によって排ガス中のO濃度が
低下したときに、NOx吸収材からNOxを放出させる
べく還元剤(HC等)を増量するようになっていること
を特徴とするものである。
【0008】ここで、主還元剤供給手段は、例えば、膨
張行程噴射、点火時期の遅角、空燃比のリッチ化、排気
系への燃料噴射等により、排ガスに還元剤(HC等)を
供給する。また、NOx吸収材は、貴金属等の触媒金属
を含有していてもよい。この排気浄化装置では、HC吸
着触媒に吸着されているHCが燃焼して排ガス中のO
濃度が大きく低下したときに、NOx吸収材からNOx
を放出させ、ひいては還元させるために主還元剤供給手
段によって還元剤が増量される。したがって、HCの燃
焼により排ガス中のO濃度が低下した分だけ、排ガス
中のO濃度を低下させ、ないしは還元剤濃度を高める
ための還元剤の増量を抑制することができる。このた
め、燃費性能の低下あるいは煤の発生を抑制ないしは防
止しつつ、NOxを有効に浄化することができる。
【0009】上記エンジンの排気浄化装置においては、
主還元剤供給手段が、HC吸着触媒の上流で排ガスに還
元剤(HC等)を供給するようになっていて、HC吸着
触媒の温度が、該HC吸着触媒(HC吸着材)に吸着さ
れているHCが燃焼するような所定の吸着HC燃焼温度
範囲内にあるときに、排ガス中の還元剤を増量状態から
減量させる副還元剤供給手段を備えているのが好まし
い。なお、主還元剤供給手段が副還元剤供給手段を兼ね
るようにしてもよい。この場合、排ガス中の還元剤を増
量状態から減量状態に早急に切り替えることにより、H
C吸着触媒に吸着されているHCを急激に燃焼させるこ
とができ、排ガス中のO濃度を大幅に低下させること
ができる。
【0010】上記エンジンの排気浄化装置において、副
還元剤供給手段は、HC吸着触媒の触媒金属による酸化
触媒性能が所定度合い以下であり、かつHC吸着触媒の
温度が吸着HC燃焼温度範囲内にあるとき(すなわち、
HC吸着触媒のHC浄化率が所定値となる温度(ライト
オフ)より低い所定温度範囲のとき)に、還元剤を増量
させ、その後減量させるようになっているのが好まし
い。この還元剤の増量ないしは減量は、NOx吸収量が
多いとき、又は触媒温度が上昇して吸着HC燃焼温度範
囲を移行する毎に行われる。この場合も、排ガス中の還
元剤を増量状態から減量状態に早急に切り替えることに
より、HC吸着触媒に吸着されているHCを急激に燃焼
させることができ、排ガス中のO濃度を大幅に低下さ
せることができる。
【0011】上記エンジンの排気浄化装置において、主
還元剤供給手段は、副還元剤供給手段による還元剤の上
記減量の開始から所定期間経過後(すなわち、排ガス中
のO 濃度が低下したとき)に、NOx吸収材に吸収さ
れたNOxを放出させるべく還元剤を増量するようにな
っているのが好ましい。この場合、排ガス中のO濃度
の低下時に限って還元剤の増量が行われるので、燃費性
能の低下をより有効に抑制ないしは防止することができ
る。
【0012】上記エンジンの排気浄化装置において、H
C吸着触媒の吸着HC燃焼温度範囲を判定する燃焼温度
判定手段を備えているのが好ましい。吸着HC燃焼温度
範囲は、HC吸着触媒の劣化に伴って高温側に移行す
る。このため、HC吸着触媒のモニタシステムにより、
あるいは該エンジンを搭載した車両の走行距離等によ
り、HC吸着触媒の劣化状況を判定し、これに基づいて
吸着HC燃焼温度範囲を把握するのが好ましい。このよ
うにすれば、吸着HC燃焼温度範囲を的確に検出して、
還元剤の増減を実行することができるので、還元剤の消
費量をより有効に抑制することができる。
【0013】上記エンジンの排気浄化装置においては、
NOx吸収材に吸収されているNOx量を推定するNO
x量推定手段を備えていて、副還元剤供給手段(ないし
は主還元剤供給手段)が、NOx量の推定値が所定量以
上のときに還元剤の供給を実行するようになっているの
が好ましい。このようにすれば、NOx吸収材のNOx
吸収量が大きいときにのみ、NOxを放出するための還
元剤の増量を実行することができるので、還元剤の消費
量をさらに有効に抑制することができる。
【0014】上記エンジンの排気浄化装置においては、
HC吸着触媒の触媒金属がPtであり、HC吸着材がゼ
オライトであるのが好ましい。この場合、Ptはゼオラ
イト(サポート材)に担持される。すなわち、ゼオライ
トはサポート材として機能する。
【0015】本発明にかかるエンジンの排気浄化方法
は、(i)排ガス中のO濃度が高いときにNOxを吸
収しこの後吸収したNOxを排ガス中のO濃度が低下
したときに放出するNOx吸収材と、NOx吸収材の上
流で排ガスに還元剤を供給する主還元剤供給手段と、N
Ox吸収材の上流に配置され所定の着脱反転温度以下で
は排ガス中のHCを吸着する一方着脱反転温度を超える
と吸着しているHCを放出するHC吸着材と触媒金属と
を含有するHC吸着触媒とを用いて排ガスを浄化するよ
うにしたエンジンの排気浄化方法であって、(ii)少な
くともNOx吸収材にNOxが吸収され、かつHC吸着
触媒にHCが吸着されている状態で、HC吸着触媒に吸
着されているHCの燃焼によって排ガス中のO濃度が
低下したときに、NOx吸収材からNOxを放出させる
べく、還元剤を増量するようにしたことを特徴とするも
のである。
【0016】この排気浄化方法によれば、上記排気浄化
装置の場合と同様に、HCの燃焼により排ガス中のO
濃度低下した分だけ、排ガス中のO濃度を低下させ、
ないしは還元剤濃度を高めるための還元剤の増量を抑制
することができ、燃費性能の低下あるいは煤の発生を抑
制ないしは防止しつつ、NOxを有効に浄化することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。図1に示すように、自動車用の多気筒デ
ィーゼルエンジン1(以下、「エンジン1」という。)
の各気筒(1つのみ図示)おいては、吸気行程で吸気通
路2から燃焼室3内に燃料燃焼用のエアが吸入される。
この燃焼室3内のエアは、圧縮行程でピストン4によっ
て圧縮され、高温・高圧状態となる。そして、圧縮行程
上死点付近ないし膨張行程で、燃料噴射弁5から燃焼室
3内の高温・高圧のエア中に燃料(軽油等)が噴射さ
れ、この燃料は自己着火して燃焼する。なお、後で説明
するように、燃料噴射は基本噴射(メイン噴射)とポス
ト噴射とに2分割して行われる。燃料の燃焼によって生
じた燃焼ガスすなわち排ガスは、排気行程で排気通路6
に排出される。このような行程が繰り返されてピストン
4が往復運動し、このピストン4の往復運動はクランク
軸7の回転運動に変換される。
【0018】燃料噴射弁5は噴射口が燃焼室3に臨むよ
うに配置され、燃焼室3内に直接燃料を噴射する。ここ
で、燃料噴射弁5は燃料供給通路8に接続されている。
燃料供給通路8には、クランク軸7によって駆動される
高圧燃料ポンプ9と、各気筒に燃料を分配する燃料分配
器10とが介設されている。高圧燃料ポンプ9は、燃料
供給通路8内の燃料圧が所定値以上に保持されるように
作動する。
【0019】吸気通路2には、該吸気通路2から燃焼室
3へのエアの流れを調整する調整弁11(開閉弁)が設
けられている。また、図示していないが、吸気通路2に
は、エアの流れ方向にみて、上流側から順に、エア中の
ダスト等を除去するエアクリーナと、エア流量を検出す
るエアフローセンサとが設けられている。なお、エンジ
ン1には、エンジン水温(エンジン温度)を検出する水
温センサ19が設けられている。
【0020】排気通路6には、排ガス中のHC、CO、
NOx等を浄化するために、排ガス流れ方向にみて上流
側から順に、第1排気浄化装置12(触媒コンバータ)
と第2排気浄化装置13(触媒コンバータ)とが介設さ
れている。第1排気浄化装置12には、その触媒温度を
検出する触媒温度センサ14が付設されている。そし
て、第1排気浄化装置12(触媒)の上流には、排気通
路6内の排ガス中のO濃度を検出する上流側Oセン
サ15(リニアOセンサ)が設けられている。また、
第1排気浄化装置12の下流(第2排気浄化装置13の
上流)にも、排気通路6内の排ガス中のO濃度を検出
する下流側Oセンサ16(リニアOセンサ)が設け
られている。
【0021】第1排気浄化装置12には、酸化性能を有
し、主として排ガス中のHC及びCOを酸化して浄化す
るHC吸着触媒が用いられている。このHC吸着触媒に
おいては、触媒金属がサポート材であるゼオライトに担
持されている。そして、触媒金属担持ゼオライトは、コ
ージェライト製ハニカム担体の表面にコートされる。ま
た、サポート材であるゼオライトは、HC吸着材として
機能し、所定温度範囲(着脱反転温度範囲)以下では排
ガス中のHCを吸着する一方、該所定温度範囲を超える
と吸着しているHCを放出する。
【0022】具体的には、HC吸着触媒のサポート材
(母材)には、多孔性のMFI(ゼオライト)が用いら
れている。そして、このMFIは、触媒金属としてPt
(白金)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)等を
担持している。なお、HC吸着触媒のサポート材とし
て、MFIに代えて、多孔性のβ型ゼオライト、あるい
は多孔性のY型ゼオライトを用いてもよい。MFI、β
ゼオライト、Y型ゼオライト等のゼオライトは、いずれ
も、所定温度(例えば、200〜240℃)以下ではH
Cを吸着(トラップ)する一方、該所定温度を超えると
このHCを放出するといった性質を有している。
【0023】また、第2排気浄化装置13には、還元性
能を有し、主として排ガス中のNOxを還元して浄化す
るNOxトラップ触媒が用いられている。このNOxト
ラップ触媒は、触媒金属と、排ガス中のO濃度が高い
ときにNOxを吸収しこの後排ガス中のO濃度が低下
したときに、吸収したNOxを放出するNOx吸収材と
を含有している。
【0024】具体的には、NOxトラップ触媒は、触媒
成分であるPtと、NOx吸収材であるBaと、サポー
ト材であるAlとを含んでいる。ここで、Baは
排ガス中のO濃度が比較的低いとき(リーン)は、排
ガス中のNOx(NO、NO )を吸収する。なお、B
aは、Ba(NOの形態でNOxを吸収すること
が多い。他方、Baは、排ガス中のO濃度が高いとき
(リッチ)は、吸収しているNOxを、排気ガス中にN
OあるいはNOの形態で放出する。そして、このとき
Ptは、排ガス中のHCを還元剤として利用し、NOx
をNに還元する。なお、Baは、その温度(触媒温
度)がおおむね200℃未満ではNOxをよく吸収する
が、200℃以上となると、吸収しているNOxを放出
する傾向が強くなる。なお、NOxトラップ触媒は、N
Oxトラップ性能が活性状態のときにHC吸着触媒がH
Cを脱離する温度域となるようにHC触媒と近接して配
置されるか、あるいは低温活性に優れるNOxトラップ
材と高温でHCを脱離するHC吸着材とが使用される。
【0025】また、エンジン1には、排気通路6内の排
気ガスの一部をEGRガスとして吸気通路2に還流させ
るEGR通路17が設けられている。このEGR通路1
7には、EGRガス流量を制御するEGR制御弁18が
介設されている。これにより、排気通路6内の排気ガス
の一部を、EGR制御弁18により流量調節しながら吸
気通路2に還流させることができる。したがって、燃焼
室3にはエンジン外部から導入されるエア(新気)と、
EGR制御弁18を経由するEGRガス(排気ガス)と
が吸入される。
【0026】さらに、エンジン1には、燃料制御等の各
種エンジン制御を行うとともに、第1排気浄化装置12
(HC吸着触媒)のモニタ制御を行い、かつ第2排気浄
化装置13(NOxトラップ触媒)のNOxトラップ制
御を行うコントロールユニット20が設けられている。
このコントロールユニット20は、特許請求の範囲に記
載された第1還元剤供給手段、第2還元剤供給手段、H
C燃焼温度判定手段等を含むエンジン1の総合的な制御
装置であって、各種制御情報に基づいて、後で説明する
モニタ制御、燃料制御(NOxトラップ制御を含む)等
の各種制御を行うようになっている。以下、図2〜図8
に示すフローチャートを参照しつつ、コントロールユニ
ット20によって実行されるモニタ制御及び燃料制御
(NOxトラップ制御を含む)の具体的な制御手法を説
明する。
【0027】まず、図2〜図3に示すフローチャートを
参照しつつ、HC吸着触媒のモニタ制御の制御手法を説
明する。このモニタ制御では、第1排気浄化装置12内
のHC吸着触媒の吸着HC燃焼温度(範囲)が判定され
る。吸着HC燃焼温度範囲は、HC吸着触媒の劣化に伴
って高温側に移行する。そこで、HC吸着触媒の劣化状
況に応じて、吸着HC燃焼温度範囲を正確に判定するよ
うにしている。
【0028】このモニタ制御では、ステップS1で、触
媒温度センサ14によって検出される第1排気浄化装置
12内のHC吸着触媒の温度Tcat(以下、単に「触媒温
度Tcat」という。)、上流側Oセンサ15によって検
出される上流側O濃度Oxup(n)、下流側Oセンサ16
によって検出される下流側O濃度Oxdn(n)等の各種制御
情報(データ)が入力される。
【0029】次に、ステップS2で、触媒温度Tcatが、
第1触媒温度Tcat10より高くかつ第2触媒温度Tcat20
より低い(Tcat10<Tcat<Tcat20)か否かが判定され
る。図9(b)に示すように、フレッシュ触媒(全く劣
化していないHC吸着触媒)は、触媒温度Tcatが活性化
開始温度(例えば、200℃)より低いときには不活性
状態にあり、HC浄化率はほぼ0であるが、触媒温度Tc
atが活性化開始温度以上になると触媒温度Tcatの上昇に
伴って触媒活性ないしはHC浄化率が上昇する。そし
て、HC吸着触媒は、触媒温度Tcatが活性化完了温度
(例えば、220℃)以上になると完全に活性状態とな
り、HC浄化率はほぼ100%となる。なお、HC浄化
率が所定値(例えば、50%)に達するライトオフ温度
は、活性化開始温度と活性化完了温度の間となる(例え
ば、210℃)。
【0030】そして、HC吸着触媒が劣化すると、その
劣化度が大きくなるほど、活性化開始温度、活性化完了
温度及びライトオフ温度が高くなる。例えば、完全に劣
化したHC吸着触媒では、活性化開始温度、活性化完了
温度及びライトオフ温度は、フレッシュ触媒に比べて数
10℃(例えば、40℃)高くなる。なお、劣化触媒で
は、触媒温度が活性化完了温度以上となっても、HC浄
化率は100%には達しない。ここで、第1触媒温度Tc
at10は、フレッシュ触媒のライトオフ温度よりやや低い
温度に設定され、第2触媒温度Tcat20は、ほぼ完全に
劣化したHC吸着触媒のライトオフ温度、あるいはこれ
よりやや高い温度に設定される。
【0031】ステップS2で、Tcat10<Tcat<Tcat20
であると判定された場合は(YES)、ステップS3〜
S14で、O濃度変化量差ΔOxが所定の閾値ΔOxav
を超える場合の触媒温度Tcat(n)を記憶するといったデ
ータ処理が行われる。まず、ステップS3〜S6では、
モニタ制御開始後に第1基準時間t10が経過するまで
の期間(HC濃度が高濃度状態にある期間)における上
流側O濃度平均値Oxupavと下流側O濃度平均値Ox
dnavとが算出される。
【0032】図9(a)に示すように、モニタ制御が行
われているときには、HC添加制御信号が所定の周期で
オン・オフされ、これに伴って触媒上流のHC濃度は、
高濃度状態と低濃度状態とを所定の周期で交代させる。
ここで、HC添加制御信号がオンとなりHC吸着触媒上
流のHC濃度が高濃度状態となる時間幅をτ(例え
ば、0.5〜5s)とし、HC添加制御信号がオフとな
り触媒上流のHC濃度が低濃度状態となる時間幅をτ
(例えば、0.5〜5s)とすれば、第1基準時間t
10は、時間幅τに対応する。なお、後で説明する第
2基準時間t20は、時間幅(τ+τ)に対応す
る。
【0033】具体的には、ステップS3で、モニタ制御
開始後の経過時間tが第1基準時間t10未満であるか
否かが判定され、第1基準時間t10未満であれば(Y
ES)、第1基準時間t10に達するまでステップS4
で繰り返し上流側O濃度Oxup(n)と下流側O濃度Ox
dn(n)とが記憶される。
【0034】そして、ステップS5で、経過時間tが第
1基準時間t10に達したか否かが判定され、第1基準
時間t10に達していれば(YES)、ステップS6
で、期間(0〜t10)すなわちHC濃度が高濃度状態
である期間における上流側O濃度平均値Oxupavと下
流側O濃度平均値Oxdnavとが算出される(平均
化)。
【0035】次に、ステップS7〜S10では、第1基
準時間t10が経過した後、第2基準時間t20が経過
するまでの期間(HC濃度が低濃度状態にある期間)に
おける上流側O濃度平均値Oxupavと下流側O濃度
平均値Oxdnavとが算出される。具体的には、ステップ
S7で、モニタ制御開始後の経過時間tが第1基準時間
10を超えかつ第2基準時間t20未満である(t
10<t<t20)か否かが判定され、t10<t<t
20であれば(YES)、第2基準時間t20に達する
までステップS8で繰り返し上流側O濃度Oxup(n)と
下流側O濃度Oxdn(n)とが記憶される。
【0036】そして、ステップS9で、経過時間tが第
2基準時間t20に達したか否かが判定され、第2基準
時間t20に達していれば(YES)、ステップS10
で、期間(t10〜t20)すなわちHC濃度が低濃度
状態である期間における上流側O濃度平均値Oxupav
と下流側O濃度平均値Oxdnavとが算出される(平均
化)。
【0037】次に、ステップS11で、次の式1、式2
により、HC濃度が低濃度状態であるときの上流側O
濃度平均値Oxupavと高濃度状態であるときの上流側O
濃度平均値Oxupavとの差ΔOxup(以下、「上流側O
濃度差ΔOxup」という。)と、HC濃度が低濃度状態
であるときの下流側O濃度平均値Oxdnavと高濃度状
態であるときの下流側O濃度平均値Oxdnavとの差Δ
Oxdn(以下、「下流側O濃度差ΔOxdn」という)とが
算出される。 ΔOxup←Oxupav− Oxupav…………………………………式1 ΔOxdn←Oxdnav− Oxdnav…………………………………式2
【0038】続いて、ステップS12で、次の式3によ
り、上流側O濃度差ΔOxupと下流側O濃度差ΔOxdn
とに基づいて、O濃度変化量差ΔOxが算出される。 ΔOx←ΔOxup−ΔOxdn…………………………………………式3
【0039】そして、ステップS13で、O濃度変化
量差ΔOxが所定の閾値ΔOxavを超えているか否かが判
定され、超えていれば(YES)、ステップS14で今
回の触媒温度Tcat(n)が記憶される。なお、O濃度変
化量差ΔOxが閾値ΔOxav以下であれば、ステップS1
4をスキップして、ステップS1に復帰する。このよう
に、ステップS2〜S14では、Tcat10〜Tcat20
範囲内で、O 濃度変化量差ΔOxが閾値ΔOxavを超え
る場合の触媒温度Tcat(n)が記憶され続ける。
【0040】ところで、前記ステップS2で、触媒温度
Tcatが、第1触媒温度Tcat10以下であるか、又は第2触
媒温度Tcat20以上であると判定された場合は(N
O)、ステップS15〜S18で、HC吸着触媒の劣化
度合いに応じた吸着HC燃焼温度が判定ないし設定され
る。具体的には、ステップS15でO濃度変化量差Δ
Oxがリセットされた後、ステップS16で、前回はTcat
10<Tcat<Tcat20であったか否かが判定される。そし
て、前回Tcat10<Tcat<Tcat20であった場合は(YE
S)、ステップS17〜S18で、吸着HC燃焼温度が
判定ないし設定される。なお、前回Tcat10<Tcat<Tcat
20でなかった場合は(NO)、ステップS1に復帰す
る。
【0041】ステップS17では、前記のステップS1
4で記憶された各触媒温度Tcat(n)が読み出される。続
いて、ステップS18で、これらの触媒温度Tcat(n)の
中から最小値が選択され、この最小値が吸着HC燃焼温
度Tcat(n)min(以下、「HC燃焼温度Tcat(n)min」とい
う。)とされる。これにより、今回のモニタ制御は終了
する。つまり、この判定は、1回の走行で1回だけ行わ
れる。HC吸着触媒はさほど急速に劣化することはない
からである。
【0042】HC吸着触媒においては、触媒温度Tcatが
HC燃焼温度Tcat(n)minないしはその近傍範囲より低い
ときには、ゼオライト(HC吸着材)はHCを吸着す
る。この後、触媒温度Tcatが上昇して、HC燃焼温度Tc
at(n)min近傍の吸着HC燃焼温度範囲内に入っていると
きに、排ガス中のHC濃度が急低下すると、触媒金属で
あるPtの周囲に吸着されていたHCは着火して急激に
燃焼する。そして、この着火により生成された熱によ
り、Ptから離れた部位でゼオライトに吸着されている
HCが着火(延焼)し、燃焼する。なお、単に触媒温度
Tcatの上昇によりHCが着火することもありうる。この
ようなHCの燃焼により、排ガス中のOが急激に消費
され、排ガス中のO濃度は急激にかつ大幅に低下す
る。そして、後記のNOxトラップ制御(燃料制御)に
おいては、このようなHCの燃焼により排ガス中のO
濃度が急低下したときに、NOxトラップ触媒からNO
xを放出させて還元するようにしている。
【0043】図10(a)〜(c)に、それぞれ、図9
(b)に示す浄化特性をもつフレッシュ触媒について、
触媒上流のHC濃度を図9(a)に示すようなパターン
で増減させた場合における、160℃付近、200℃付
近及び240℃付近での上流側O濃度Oxup及び下流側
濃度Oxdnの時間に対する変化特性を示す。なお、図
10(a)〜(c)は、上流側O濃度と下流側O
度とについて、O濃度が低い状態を基準としてそろえ
て相対比較したものである(図11(a)〜(c)も同
様)。つまり、ライトオフ時や活性時には、HC吸着触
媒が活性化しているため、上流側O濃度に対する下流
側O濃度の平均O濃度の絶対値は平均的に減少して
いるので、これを是正してΔOxの判断が容易となるよ
うにデータに加工処理を施している。
【0044】図9(b)から明らかなとおり、このフレ
ッシュ触媒は、160℃付近では不活性状態であり、2
00℃付近ではほぼライトオフ状態であり、240℃付
近では完全な活性状態である。また、図10(a)〜
(c)から明らかなとおり、このフレッシュ触媒では、
そのライトオフ温度付近(200℃付近)、すなわち吸
着HC燃焼温度範囲では、O濃度変化量差ΔOx(=Δ
Oxup−ΔOxdn)が非常に大きくなっている。これは、H
C吸着触媒のサポート材であるゼオライトに吸着されて
いたHCが急激に燃焼したことを示している。
【0045】また、図11(a)〜(c)に、それぞ
れ、図9(b)に示す浄化特性をもつ劣化触媒につい
て、触媒上流のHC濃度を図9(a)に示すようなパタ
ーンで増減させた場合における、200℃付近、240
℃付近及び280℃付近での上流側O濃度Oxup及び下
流側O濃度Oxdnの時間に対する変化特性を示す。図9
(b)から明らかなとおり、この劣化触媒は、200℃
付近では不活性状態にあり、240℃付近ではほぼライ
トオフ状態にあり、280℃付近では完全な活性状態に
ある。また、図11(a)〜(c)から明らかなとお
り、この劣化触媒では、そのライトオフ温度付近(24
0℃付近)では、O濃度変化量差ΔOx(=ΔOxup−Δ
Oxdn)が非常に大きくなっている。これは、HC吸着触
媒のサポート材であるゼオライトに吸着されていたHC
が急激に燃焼したことを示している。
【0046】このように、HC吸着触媒においては、そ
の劣化度合いにかかわらず、そのライトオフ温度付近、
すなわち吸着HC燃焼温度範囲では、HC吸着触媒のサ
ポート材であるゼオライトに吸着されていたHCが急激
に燃焼し、その結果排ガス中のO濃度が急激にかつ大
幅に低下する。
【0047】図12(a)、(b)に、HC吸着触媒上
流のHC濃度を所定の周期で繰り返し増減させた場合に
おける、上流側O濃度及び下流側O濃度の変化特性
を示す。なお、図12(a)、(b)、(d)は、上流
側及び下流側のO濃度を、それぞれ、HC増量時の値
を基準としてそろえて、相対比較したものである。ここ
で、図12(a)はライトオフ時のものであり、図12
(b)は活性時のものである。また、図12(c)に、
HC吸着触媒上流のHC濃度を所定の周期で繰り返し増
減させつつ触媒温度を上昇させた場合における、O
度変化量差ΔOxの時間に対する変化特性を示す。
【0048】図12(a)〜(c)から明らかなとお
り、HC吸着触媒では、O濃度変化量差ΔOxは、その
ライトオフ温度付近で最も大きくなっている。つまり、
ゼオライトに吸着されていたHCが急激に燃焼してい
る。なお、これより低温側及び高温側では、いずれもO
濃度変化量差ΔOxは小さくなっている。このように、
濃度変化量差ΔOxがライトオフ温度付近で最大とな
るのは、必ずしも明らかではないが、およそ次の理由に
よるものと考えられる。すなわちライトオフ時には、触
媒金属(Pt)は完全には活性化しておらず、HC増量
時にゼオライト上に一時的に取り込まれたHCが燃焼せ
ずにたまる。この後HCカットによりO濃度が増加す
ることにより、たまったHCが一気にOと反応する。
このたまったHCが燃焼する分だけ多くOが反応して
減少する。これに対して、活性時は、触媒金属も完全に
活性化しており、HC増量時にゼオライト上にたまるH
Cも少ないので、上流側と下流側とでO濃度に大きな
差はなくなるものと考えられる。
【0049】図12(d)に、ライトオフ時においてH
C吸着触媒上流のHC濃度を低濃度状態から高濃度状態
に変化させた後、高濃度状態を継続した場合における、
上流側O濃度及び下流側O濃度の変化特性の相対比
較を示す。図12(d)から明らかなとおり、O濃度
を高濃度状態にした直後からしばらくは下流側O濃度
は大きく低下している。これは、O濃度を高濃度状態
にした直後は、HC吸着触媒の表面に付着していたHC
の放出により急激な燃焼が起こるからである。しかしな
がら、この後、時間の経過に伴って下流側O濃度は上
昇し、最終的には上流側O濃度と下流側O濃度の差
はほとんでなくなる。これは、HC吸着触媒に付着して
いたHCが次第になくなり、O消費量が減少するから
である。
【0050】以下、図4〜図8に示すフローチャートを
参照しつつ、燃料制御(NOxトラップ制御を含む)の
制御手法を説明する。この燃料制御では、まずステップ
S21で、触媒温度センサ14によって検出される触媒
温度Tcat、上流側Oセンサ15によって検出される上
流側O濃度Oxup(n)、下流側Oセンサ16によって検
出される下流側O濃度Oxdn(n)、水温センサ19によっ
て検出されるエンジン水温Tw等の各種制御情報(デー
タ)が入力される。
【0051】次に、ステップS22で、アクセル開度
(負荷)とエンジン回転数とに応じて、燃料の基本噴射
量Qmb(メイン噴射量)と基本噴射時期Imb(メイン噴射
時期)とが演算(セット)される。続いて、ステップS
23で、燃料のポスト噴射量Qpbとポスト噴射時期Ipbと
が演算(セット)される。燃料の基本噴射とポスト噴射
とは、0.05〜1.0msの休止間隔でもって実行され
る。ポスト噴射は、高負荷・高回転時におけるスモーク
の発生を低減するためのフォローアップ噴射として行わ
れ、あるいはNOx還元触媒に対してNOx還元用のH
Cを供給するために行われる。なお、燃料を多段噴射し
てもよく、またポスト噴射を行わない(1段噴射)よう
にしてもよい。
【0052】そして、ステップS24で、第2排気浄化
触媒13内のNOxトラップ触媒(NOx吸収材)のN
Oxトラップ量NOが推定(検出)される。続いて、ステ
ップS25で、推定されたNOxトラップ量NOが所定の
閾値NOを超えているか否かが判定される。ここで、NO
≦NOであれば(NO)、後記のステップS44以下の
各ステップが実行される。
【0053】他方、ステップS25で、NO>NOである
と判定された場合は(YES)、ステップS26で、触
媒温度Tcatが、HC燃焼温度Tcat(n)minから所定値ΔTc
atを引いた値を超え、かつHC燃焼温度Tcat(n)minに
所定値ΔTcatを加えた値未満であるか否かが判定され
る。つまり、触媒温度Tcatが、HC燃焼温度Tcat(n)min
をはさむ所定の温度範囲内、すなわち吸着HC燃焼温度
範囲内に入っているか否かが判定される。もし、触媒温
度Tcatが吸着HC燃焼温度範囲内に入っていれば、以下
の各ステップで、NOxトラップ触媒に吸収されている
NOxが放出され、還元される。なお、NOxトラップ
量NOにかかわりなく、触媒温度Tcatが吸着HC燃焼温度
範囲内に入っているときには必ずNOx放出を行うよう
にしてもよい。この場合、例えば、触媒温度Tcatが上昇
する場合にだけ、NOx放出を行うようにしてもよい。
また、(Tcat<Tcat(n)min+ΔTcat)であれば、所定
期間毎にNOx放出を行うようにしてもよい。
【0054】ここで、(Tcat(n)min−ΔTcat<Tcat<
Tcat(n)min+ΔTcat)であれば(YES)、さらにス
テップS27で、前回は、Tcatが(Tcat(n)min−ΔTcat
)以下であったか否かが判定される。つまり、触媒温
度Tcatが上昇して、今回初めて吸着HC燃焼温度範囲内
に入ったか否かが判定される。ここで、(Tcat(n)min−
ΔTcat≧Tcat)であれば(YES)、触媒温度Tcatは
今回初めて吸着HC燃焼温度範囲内に入ったことになる
ので、ステップS28で昇温フラグFに1がセットさ
れ、後記のステップS29が実行される。この昇温フラ
グFは、触媒温度Tcatが上昇して吸着HC燃焼温度範
囲内に入ったときに1がセットされる一方、吸着HC燃
焼温度範囲から離脱したときに0にリセットされるフラ
グである。
【0055】ステップS27で、前回は(Tcat>Tcat
(n)min−ΔTcat)であると判定された場合は(N
O)、ステップS30で昇温フラグFが1であるか否
かが判定され、昇温フラグFが1であれば(YE
S)、ステップS28をスキップして、後記のステップ
S29が実行される。他方、昇温フラグFが1でなけ
れば(NO)、後記のステップS44以下の各ステップ
が実行される
【0056】前記のステップS26で、(Tcat(n)min−
ΔTcat≧Tcat)又は(Tcat≧Tcat(n)min+ΔTcat
であると判定された場合は(NO)、触媒温度Tcatが吸
着HC燃焼温度範囲から離脱しているので、ステップS
31で昇温フラグFが0にリセットされた後、後記の
ステップS44以下の各ステップが実行される。
【0057】ステップS29では、カウンタTupが1だ
けインクリメントされる。カウンタTupは、O濃度を
低減するためにHCを増量すべき時間を設定ないしはカ
ウントするためのカウンタである。つまり、カウンタTu
pがインクリメントを繰り返して設定値Tup10を超える
までHCの増量が継続される。続いて、ステップS32
で、カウンタTupが設定値Tup10を超えているか否かが
判定される。ここで設定値Tup10は、例えば0.5〜1
0秒に設定される(図13参照)。
【0058】ステップS32でTup≦Tup10であると判
定された場合は(NO)、ステップS34で、HCを増
量するために、ポスト噴射増量値Qpprに設定値α’がセ
ットされ、又は基本噴射時期遅角値Imprに設定値γ’が
セットされる(両方セットしてもよい)。なお、ポスト
噴射増量値Qppr又は基本噴射時期遅角値Imprを用いるの
ではなく、基本噴射増量値Qmprに設定値β’をセット
し、又はポスト噴射時期遅角値Ipprに設定値δ’をセッ
トしてもよい。これにより、HC吸着触媒上流の排ガス
中のHC濃度が高濃度状態にセットされる。この後、後
記のステップS59〜S61で燃料噴射が実行される。
【0059】ステップS32でTup>Tup10であると判
定された場合は(YES)、HCを増量すべき期間を経
過しているので、ステップS33で、HCを減量するた
め、ポスト噴射増量値Qpprに0がセットされ、又は基本
噴射時期遅角値Imprに0がセットされる。なお、ポスト
噴射増量値Qppr又は基本噴射時期遅角値Imprを用いるの
ではなく、基本噴射増量値Qmpr又はポスト噴射時期遅角
値Ipprを用いる場合は、これらに0がセットされる。
【0060】このようにして、ステップS33でHCの
増量が停止された(HCが減量された)後、ステップS
35〜S43で、O濃度変化量差ΔOxが設定値ΔOx
を超えている状態、すなわち第1排気浄化装置12(H
C吸着触媒)下流における排ガス中のO濃度が大きく
低下している状態で、NOxトラップ触媒(NOx吸収
材)にNOxを放出させるためのHC増量が行われる。
【0061】具体的には、まずステップS35で、O
濃度変化量差ΔOxが設定値ΔOxを超えているか否かが
判定される。そして、ΔOx>ΔOxであれば(YE
S)、NOxを放出させるためのHCの増量が開始され
る。この場合、まずステップS36で、タイマカウンタ
NOが1だけインクリメントされる。このタイマカウ
ンタTNOは、NOxを放出させるためのHC増量を行
う期間を設定ないしはカウントするカウンタである(図
13参照)。なお、NOxを放出させるためのHCの増
量を、ΔOx>ΔOxとなったときに開始するのではな
く、ステップS33でHCの増量が停止された後一定時
間経過後に開始するようにしてもよい。
【0062】ここでは、基本的には、タイマカウンタT
NOが設定値TNO0を超えるまで、NOxを放出させ
るためのHC増量を行うようにしている。ただし、後で
説明するように、タイマカウンタTNOのカウント値が
設定値TNO0を超えていない場合でも、ΔOx≦ΔOx
となったときには、NOxの放出は完了していないのに
もかかわらず、NOxを放出させるためのHCの増量は
一旦完了させられる。なお、設定値TNO0は、例えば
0.5〜5秒に設定される。
【0063】次に、ステップS37で、タイマカウンタ
NOのカウント値が設定値TNO を超えているか否
かが判定される。ここで、TNO≦TNO0であれば
(NO)、ステップS40で、空気過剰率λがほぼ1と
なるように、基本噴射量Qmbが所定値Qmλだけ増量さ
れ、又はポスト噴射量Qpbが所定値Qpλだけ増量され
る。なお、基本噴射量Qmbの増量に代えて、あるいはこ
れとともに基本噴射時期Imbを遅角させてもよい。これ
により、排ガス中のO濃度が大幅に低下し、また還元
剤であるHCの濃度が高くなり、NOxトラップ触媒
(NOx吸収材)からNOxが放出される。なお、この
とき、触媒温度も上昇する。放出されたNOxは、NO
xトラップ触媒の触媒金属によって、HC(還元剤)を
利用してNに還元される。この後、ステップS59〜
S61で燃料噴射が実行される。
【0064】他方、ステップS37で、TNO>T
NO0であると判定された場合は(NO)、NOxトラ
ップ触媒のNOx放出ないしは浄化が完了しているの
で、ステップS38でNOxトラップ量NOが0にリセッ
トされ、続いてステップS39で昇温フラグFが0に
リセットされる。この後、ステップS59〜S61で燃
料噴射が実行される。
【0065】ところで、前記のステップS35で、ΔOx
≦ΔOxであると判定された場合は(NO)、ステップ
S41で、タイマカウンタTNOがカウント中であるか
否かが判定される。ここで、タイマカウンタTNOがカ
ウント中であれば(YES)、ステップS42で、この
時点におけるタイマカウンタTNOのカウント値に基づ
いて、NOxトラップ量NOがリセットされ、続いてステ
ップS43でカウンタTupがリセットされる。この場
合、NOxの放出は不完全な状態で一旦完了させられる
ことになるので、NOxトラップ量NOを0にリセットす
ることは適切ではない。そこで、タイマカウンタTNO
のカウント値に応じてNOxトラップ量NOを0より大き
い値にリセットするようにしている。なお、このリセッ
ト値は、タイマカウンタTNOのカウント値が大きいと
きほど小さくなるように設定される。この後、後記のス
テップS59〜S61で、燃料噴射が実行される。
【0066】図13に、前記のようにNOxトラップ触
媒のNOx放出が行われる際の、昇温フラグF、ポス
ト噴射増量値Qppr、基本噴射時期遅角値Impr、O濃度
変化量差ΔOx及び所定値Qmλ(Qpλ)の、時間に対する
変化特性を示す。なお、図13においては、時刻t
HCが増量された後、時刻tでこのHCの増量が停止
され(減量され)、時刻tでNOxトラップ触媒から
NOxを放出させるためのHCの増量が開始され、時刻
でNOxを放出させるためのHCの増量が完了して
いる。
【0067】ところで、前記のステップS25でNO≦NO
0であると判定された場合(NO)、ステップS26で
(Tcat(n)min−ΔTcat≧Tcat)もしくは(Tcat≧Tcat
(n)min+ΔTcat)であると判定された場合(NO)、
又はステップS30で昇温フラグFが1でないと判定
された場合(NO)は、ステップS44〜S68が実行
される。
【0068】ステップS44では、ポスト噴射増量値Qp
prに0がセットされ、又は基本噴射時期遅角値Imprに0
がセットされる。なお、ポスト噴射増量値Qppr又は基本
噴射時期遅角値Imprを用いるのではなく、基本噴射増量
値Qmpr又はポスト噴射時期遅角値Ipprを用いる場合は、
これらに0がセットされる。続いて、ステップS45
で、カウンタTupとタイマカウンタTNOとが、0にリセッ
トされる。
【0069】次に、ステップS46で、モニタ制御(ラ
イトオフモニタ)が終了したか否かが判定される。モニ
タ制御が終了していなければ(NO)、ステップS47
で、触媒温度Tcatが、第1触媒温度Tcat10より高くかつ
第2触媒温度Tcat20より低い(Tcat10<Tcat<Tca
t20)か否かが判定される。そして、Tcat10<Tcat<Tc
at20であれば(YES)、モニタ制御を補助するため
の燃料制御(以下、「モニタ補助燃料制御」という。)
が行われる。つまり、今回の走行(エンジン1の運転)
において、モニタ制御がまだ終了しておらず、かつモニ
タ制御においてステップS1〜S14が繰り返し実行さ
れているときにのみ、モニタ補助燃料制御が行われる。
その他の場合は、ステップS59〜S61で、普通の燃
料噴射が行われる。
【0070】モニタ補助燃料制御が行われる場合は、ま
ず、ステップS48で、前回は触媒温度Tcatが第1触媒
温度Tcat10以下であったか否かが判定される。前回Tcat
≦Tcat10であった場合(YES)、すなわち前回はモニ
タ補助燃料制御がまだ行われていなかった場合は、ステ
ップS49でフラグFcatinに1がセットされた後、ステ
ップS51〜S61でモニタ補助燃料制御が実行され
る。フラグFcatinは、モニタ補助燃料制御が行われてい
るときに1がセットされるフラグである。
【0071】ステップS48で前回Tcat>Tcat10であっ
た場合は(NO)、ステップS50でフラグFcatinが1
であるか否かが判定される。そして、フラグFcatinが1
であれば(YES)、ステップS51〜S61でモニタ
補助燃料制御が実行される。なお、フラグFcatinが1で
なければ(NO)、ステップS62が実行される。
【0072】モニタ補助燃料制御が行われる場合は、ま
ず、ステップS51とステップS52とで、それぞれ、
アクセル開度変化量Δαが所定値Δα01を超えている
か否かと、アクセル開度αが所定値α01を超えている
か否かとが判定される。ここで、Δα≦Δα01であり
かつα≦α01であれば(ステップS51、S52とも
NO)、すなわち定常状態(非加速状態)でありかつ中
・低負荷状態である場合は、触媒の温度上昇速度が小さ
いので、ステップS53で、ポスト噴射量Qpbが所定値Q
pcqだけ増量され、又は基本噴射時期Imbが所定値Imcqだ
け遅角させられ、排ガスないし触媒の温度上昇が促進さ
れる。この場合、所定値Qpcqは、排ガス中のO濃度が
低下するよう好ましく設定される。
【0073】ここで、ポスト噴射量Qpb又は基本噴射時
期Imbを変更するのではなく、基本噴射量Qmbを所定値Qm
cqだけ増量し、又は排ガス温度が上昇する方向にポスト
噴射時期Ipbを所定値Ipcqだけ遅角又は進角させても
よい(IpbがATDC15°CAより進角していれば遅角さ
せ、ATDC15°CAより遅角していれば進角させる。)。
この場合、所定値Qmcqは、排ガス中のO濃度が低下す
るよう好ましく設定される。また、ポスト噴射がフォロ
ーアップ噴射であれば、基本噴射時期Imbの遅角に合わ
せてポスト噴射時期Ipbも遅角される。なお、EGR量
を増加させ、あるいは調整弁11(スロットル弁)を開
弁して触媒温度上昇を促進してもよい。
【0074】他方、ステップS51でΔα>Δα01
あると判定された場合(YES)、又はステップS52
でα>α01であると判定された場合(YES)、すな
わち加速状態又は高負荷状態である場合は、排気ガス温
度ないし触媒温度は自然に上昇するので、ステップS5
3をスキップする。
【0075】次に、ステップS54でモニタ制御開始後
の経過時間tのカウント値が1だけインクリメントされ
る(t←t+1)。続いて、ステップS55で、経過時
間tが第1基準時間t10を超えているか否かが判定さ
れる。経過時間tが第1基準時間t10を超えていなけ
れば(NO)、ステップS58で、HC吸着触媒上流の
排ガス中のHC濃度を高めるためにポスト噴射増量値Qp
obdに設定値αがセットされ、又は基本噴射時期遅角値I
mobdに設定値γがセットされる(両方セットしてもよ
い)。なお、ポスト噴射増量値Qpobd又は基本噴射時期
遅角値Imobdを用いるのではなく、基本噴射増量値Qmobd
に設定値βをセットし、又はポスト噴射時期遅角値Ipob
dに設定値δをセットしてもよい。これにより、HC吸
着触媒上流の排ガス中のHC濃度が高濃度状態にセット
される。
【0076】ステップS55で、経過時間tが第1基準
時間t10を超えていると判定された場合は(YE
S)、ステップS56で、経過時間tが第2基準時間t
20であるか否かが判定される。経過時間tが第2基準
時間t20でなければ(NO)、ステップS59で、H
C吸着触媒上流の排ガス中のHC濃度を低濃度状態にす
るため、ポスト噴射増量値Qpobdに0がセットされ、又
は基本噴射時期遅角値Imobdに0がセットされる。な
お、ポスト噴射増量値Qpobd又は基本噴射時期遅角値Imo
bdを用いるのではなく、基本噴射増量値Qmobd又はポス
ト噴射時期遅角値Ipobdを用いる場合は、これらに0が
セットされる。また、ステップS56で、t=t20
あると判定された場合は(YES)、ステップS57で
経過時間tが0にリセットされる(t←0)。
【0077】次に、ステップS60で、次の式4〜式7
により、最終基本噴射量Qmt、最終基本噴射時期Imt、最
終ポスト噴射量Qpt及び最終ポスト噴射時期Iptが設定さ
れる。この後、ステップS61で、最終基本噴射量Qmt
及び最終基本噴射時期Imtで基本噴射が実行され、最終
ポスト噴射量Qpt及び最終ポスト噴射時期Iptでポスト噴
射が実行される。 Qmt←Qmb+Qmobd+Qmpr……………………………………式4 Qpt←Qpb+Qpobd+Qppr ………………………………………式5 Imt←Imb+Imobd+Impr…………………………………………式6 Ipt←Ipb+Ipobd+Ippr……………………………………………式7
【0078】ところで、前記のステップS50で、フラ
グFcatinが1でないと判定された場合は(NO)、ステ
ップS62で、前回は触媒温度Tcatが第2触媒温度Tcat
20以上であったか否かが判定される。前回Tcat≧Tcat
20であった場合(YES)、すなわち触媒温度Tcatが
前回以前に第2基準温度Tcat20以上となった後、今回
再び第2基準温度Tcat20未満となっている場合は、ス
テップS63でフラグFcatdeに1がセットされた後、ス
テップS65〜S67で排ガス温度ないしは触媒温度が
低下するよう、燃料噴射量又は燃料噴射時期が補正され
る。フラグFcatdeは、かかる補正が行われているときに
1がセットされるフラグである。
【0079】ステップS62で、前回Tcat<Tcat20
あったと判定された場合は(NO)、ステップS64
で、フラグFcatdeが1であるか否かが判定される。そし
て、フラグFcatdeが1であれば(YES)、ステップS
65〜S67で、排ガス温度ないしは触媒温度が低下す
るよう、燃料噴射量又は燃料噴射時期が補正される。
【0080】排ガス温度ないし触媒温度が低下するよ
う、燃料噴射量又は燃料噴射時期が補正される場合は、
まず、ステップS65とステップS66とで、それぞ
れ、アクセル開度変化量Δαが所定値Δα02(負の
値)より小さいか否かと、アクセル開度αが所定値α
02より小さいか否かとが判定される。ここで、Δα≧
Δα でありかつα≧α02であれば(ステップS6
5、S66ともNO)、すなわち非減速状態でありかつ
中・高負荷状態である場合は、触媒の温度低下速度が小
さいので、ステップS67でポスト噴射量Qpbが所定値Q
pcq’だけ減量され、又は基本噴射時期Imbが所定値Imc
q’だけ進角させられ、触媒の温度低下が促進される。
この後、前記のステップS54〜S61が実行され、燃
料噴射が実行される。
【0081】ここで、ポスト噴射量Qpb又は基本噴射時
期Imbを変更するのではなく、基本噴射量Qmbを所定値Qm
cq’だけ減量し、又は排気ガス温度が低下する方向にポ
スト噴射時期Ipbを所定値Ipcq’だけ遅角又は進角さ
せてもよい。なお、2次エアを供給又は増加させて、触
媒温度の低下を促進してもよい。
【0082】また、ステップS65でΔα<Δα02
あると判定された場合(YES)、又はステップS66
でα<α02であると判定された場合(YES)、すな
わち減速状態又は低負荷状態である場合は、排気ガス温
度ないし触媒温度は自然に低下するので、ステップS6
7をスキップする。この後、前記のステップS54〜S
61が実行され、燃料噴射が実行される。なお、前記の
ステップS64で、フラグFcatdeが1でないと判定され
た場合は(NO)、ステップS68でフラグFcatinが0
にリセットされ、ステップS65〜S67をスキップす
る。この後、前記のステップS54〜S61が実行さ
れ、燃料噴射が実行される。
【0083】なお、上記実施の形態では、NOxトラッ
プ量NOが所定の閾値NOを超えているか否かと、触媒温
度Tcatが(Tcat(n)min−ΔTcat1)から(Tcat(n)min
+ΔTcat)までの範囲内に入っているか否かとを判定
した後、HC吸着触媒にHCを吸着させるようにしてい
るが、このようにせず、次のようにしてもよい。
【0084】すなわち、触媒温度Tcatが、HCを吸着す
る温度又はHCを吸着する温度域となってから、ポスト
噴射を行わない通常の燃焼により供給されるHCの吸着
量を推定し、この推定値が所定量以上であって、O
度の低減が十分実行できると判断される場合は、前記期
間Tup10におけるHCの供給を行わないようにしても
よい。また、このようなHCの推定量が上記所定量に満
たない場合は、その不足量だけHCを供給できるよう、
上記期間Tup10を設定してもよい。さらには、触媒温
度Tcatが、HCを吸着する温度域に低下した直後から所
定期間、ポスト噴射によりHC吸着触媒にHCを吸着さ
せるようにしてもよい。
【0085】以上、本発明によれば、燃費性能の低下あ
るいは煤の発生などといった不具合を招くことなく、N
Oxトラップ触媒を用いてNOxを有効に浄化すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる排気浄化装置を備えたディー
ゼルエンジンのシステム構成図である。
【図2】 第1排気浄化装置(HC吸着触媒)のモニタ
制御の制御手法を示すフローチャートである。
【図3】 第1排気浄化装置(HC吸着触媒)のモニタ
制御の制御手法を示すフローチャートである。
【図4】 燃料制御及びNOxトラップ制御の制御手法
を示すフローチャートである。
【図5】 燃料制御及びNOxトラップ制御の制御手法
を示すフローチャートである。
【図6】 燃料制御及びNOxトラップ制御の制御手法
を示すフローチャートである。
【図7】 燃料制御及びNOxトラップ制御の制御手法
を示すフローチャートである。
【図8】 燃料制御及びNOxトラップ制御の制御手法
を示すフローチャートである。
【図9】 (a)はHC吸着触媒上流のHC濃度の、時
間に対する変化特性を示すグラフであり、(b)はフレ
ッシュなHC吸着触媒及び劣化したHC吸着触媒のHC
浄化率の、触媒温度に対する変化特性を示す図である。
【図10】 (a)〜(c)は、それぞれ、フレッシュ
なHC吸着触媒を用いた場合における、不活性状態、ラ
イトオフ状態及び活性状態での、上流側O濃度及び下
流側O濃度の、時間に対する変化特性を示すグラフで
ある。
【図11】 (a)〜(c)は、それぞれ、劣化したH
C吸着触媒を用いた場合における、不活性状態、ライト
オフ状態及び活性状態での、上流側O濃度及び下流側
濃度の、時間に対する変化特性を示すグラフであ
る。
【図12】 (a)〜(b)はそれぞれHC吸着触媒を
用いた場合におけるライトオフ状態及び活性状態での、
上流側O濃度及び下流側O濃度の、時間に対する変
化特性を示すグラフであり、(c)はHC吸着触媒にお
けるO濃度変化量差ΔOxの時間に対する変化特性を示
すグラフであり、(d)はHC濃度を繰り返し増減させ
ない場合における、ライトオフ状態での上流側O濃度
及び下流側O濃度の、時間に対する変化特性を示すグ
ラフである。
【図13】 NOxトラップ触媒のNOx放出が行われ
る際の、フラグF、ポスト噴射増量値Qppr、基本噴射
時期遅角値Impr、O濃度変化量差ΔOx及び所定値Qmλ
(Qpλ)の、時間に対する変化特性を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…エンジン(ディーゼルエンジン)、2…吸気通路、
3…燃焼室、4…ピストン、5…燃料噴射弁、6…排気
通路、7…クランク軸、8…燃料供給通路、9…高圧燃
料ポンプ、10…燃料分配器、11…調整弁、12…第
1排気浄化装置、13…第2排気浄化装置、14…触媒
温度センサ、15…上流側Oセンサ、16…下流側O
センサ、17…EGR通路、18…EGR制御弁、1
9…水温センサ、20…コントロールユニット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/24 F01N 3/24 R 3/28 301C 3/28 301 3/36 B 3/36 F02D 41/04 380Z F02D 41/04 380 41/38 B 41/38 45/00 312R 45/00 312 B01D 53/36 101A 103B 101B Fターム(参考) 3G084 AA01 AA03 BA13 BA15 BA20 DA00 DA02 EB12 FA07 FA13 FA17 FA20 FA27 FA28 FA29 FA33 3G091 AA02 AA11 AA18 AA28 AB02 AB06 AB09 AB10 BA00 BA14 BA15 CA26 CB02 EA05 EA07 EA08 EA16 EA18 EA33 EA34 GB03Y GB05W GB06W GB07W GB09X GB17X HA36 HA37 3G301 HA02 HA04 HA06 HA13 JA00 JA02 MA11 MA19 MA23 MA27 NA06 NA08 PA01Z PB03A PB03Z PB05A PB05Z PD04Z PD12Z PE01Z PE08Z PF03Z 4D048 AA06 AA18 AB07 AC10 BA11X BA15X BA30X BA31X BA33X CC32 CC46 CC61 CD08 DA01 DA02 DA06 DA10 DA13 DA20 EA04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガス中のO濃度が高いときにNOx
    を吸収し、この後排ガス中のO濃度が低下したとき
    に、吸収したNOxを放出するNOx吸収材と、 NOx吸収材の上流で排ガスに還元剤を供給する主還元
    剤供給手段とを備えたエンジンの排気浄化装置におい
    て、 NOx吸収材の上流に配置され、所定の着脱反転温度以
    下では排ガス中のHCを吸着する一方着脱反転温度を超
    えると吸着しているHCを放出するHC吸着材と触媒金
    属とを含有するHC吸着触媒を備えていて、 主還元剤供給手段が、少なくともNOx吸収材にNOx
    が吸収され、かつHC吸着触媒にHCが吸着されている
    状態で、HC吸着触媒に吸着されているHCの燃焼によ
    って排ガス中のO濃度が低下したときに、NOx吸収
    材からNOxを放出させるべく還元剤を増量するように
    なっていることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 主還元剤供給手段が、HC吸着触媒の上
    流で排ガスに還元剤を供給するようになっていて、 HC吸着触媒の温度が、該HC吸着触媒に吸着されてい
    るHCが燃焼するような所定の吸着HC燃焼温度範囲内
    にあるときに、排ガス中の還元剤を増量状態から減量さ
    せる副還元剤供給手段を備えていることを特徴とする請
    求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 副還元剤供給手段は、HC吸着触媒の触
    媒金属による酸化触媒性能が所定度合い以下であり、か
    つHC吸着触媒の温度が吸着HC燃焼温度範囲内にある
    ときに還元剤を増量させ、その後減量させるようになっ
    ていることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの排
    気浄化装置。
  4. 【請求項4】 主還元剤供給手段は、副還元剤供給手段
    による還元剤の上記減量の開始から所定期間経過後に、
    NOx吸収材に吸収されたNOxを放出させるべく還元
    剤を増量するようになっていることを特徴とする請求項
    3に記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 HC吸着触媒の吸着HC燃焼温度範囲を
    判定する燃焼温度判定手段を備えていることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれか1つに記載のエンジンの排気
    浄化装置。
  6. 【請求項6】 NOx吸収材に吸収されているNOx量
    を推定するNOx量推定手段を備えていて、 副還元剤供給手段が、NOx量の推定値が所定量以上の
    ときに、還元剤の供給を実行するようになっていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のエン
    ジンの排気浄化装置。
  7. 【請求項7】 HC吸着触媒の触媒金属がPtであり、
    HC吸着材がゼオライトであることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれか1つに記載のエンジンの排気浄化装
    置。
  8. 【請求項8】 排ガス中のO濃度が高いときにNOx
    を吸収しこの後吸収したNOxをO濃度が低下したと
    きに放出するNOx吸収材と、NOx吸収材の上流で排
    ガスに還元剤を供給する主還元剤供給手段と、NOx吸
    収材の上流に配置され所定の着脱反転温度以下では排ガ
    ス中のHCを吸着する一方着脱反転温度を超えると吸着
    しているHCを放出するHC吸着材と触媒金属とを含有
    するHC吸着触媒とを用いて排ガスを浄化するようにし
    たエンジンの排気浄化方法であって、 少なくともNOx吸収材にNOxが吸収され、かつHC
    吸着触媒にHCが吸着されている状態で、HC吸着触媒
    に吸着されているHCの燃焼によってO濃度が低下し
    たときに、NOx吸収材からNOxを放出させるべく、
    還元剤を増量するようにしたことを特徴とするエンジン
    の排気浄化方法。
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