JP2006299900A - 圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 NOx吸蔵触媒からNOxを良好に放出させる。
【解決手段】 内燃機関の排気通路内に下流側に向けて順に燃料添加弁12と、HC吸着酸化触媒42と、NOx吸蔵触媒43を配置する。HC吸着酸化触媒42を迂回する排気バイパス管44が設けられる。通常バイパス制御弁46は閉弁しており、排気ガスはHC吸着酸化触媒42を通ってNOx吸蔵触媒43に流入する。NOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきときにはHC吸着酸化触媒42内における空間速度を低下させるためにバイパス制御弁46が開弁せしめられる。
【選択図】 図2

Description

本発明は圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気ガス中に含まれるNOxを浄化するために流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOxを吸蔵し流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸蔵されたNOxを放出するNOx吸蔵触媒を機関排気通路内に配置した内燃機関が公知である。この内燃機関ではリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに発生するNOxがNOx吸蔵触媒に吸蔵される。
ところでこのようなNOx吸蔵触媒を用いたときにはNOx吸蔵触媒のNOx吸蔵能力が飽和する前にNOx吸蔵触媒からNOxを放出させる必要があり、この場合NOx吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすればNOx吸蔵触媒からNOxを放出させかつ放出したNOxを還元することができる。そこで従来の内燃機関ではNOx吸蔵触媒からNOxを放出するために燃焼室内における空燃比をリッチにするか、又はNOx吸蔵触媒上流の機関排気通路内に燃料を供給してNOx吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。
ところでNOx吸蔵触媒から良好にNOxを放出させるには十分にガス化したリッチ空燃比の排気ガスをNOx吸蔵触媒に流入させなければならない。この場合、燃焼室内における空燃比をリッチにすると十分にガス化したリッチ空燃比の排気ガスがNOx吸蔵触媒に流入するのでNOx吸蔵触媒から良好にNOxを放出させることができる。しかしながら燃焼室内において混合気をリッチにすると多量の煤が発生するという問題があり、また膨張行程や排気行程中に追加燃料を噴射することによって燃焼室から排出される排気ガスの空燃比をリッチにすると噴射燃料がシリンダボア内壁面上に付着するという、いわゆるボアフラッシングを生ずる。
これに対し、NOx吸蔵触媒上流の機関排気通路内に燃料を噴射するようにした場合には上述のように煤が発生したり、或いはボアフラッシングを生じたりすることはなくなる。しかしながらNOx吸蔵触媒上流の機関排気通路内に燃料を噴射するようにした場合には噴射した燃料が十分にガス化せず、斯くしてNOx吸蔵触媒からNOxを良好に放出させることができないという問題がある。
一方、NOx吸蔵触媒上流の機関排気通路内に排気ガス中に含まれる炭化水素、即ちHCを吸着するためのHC吸着触媒を配置した内燃機関が公知である(特許文献1参照)。この内燃機関ではリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに発生するHCはHC吸着触媒に吸着され、このとき発生するNOxはNOx吸蔵触媒に吸蔵される。
ところでこの内燃機関では、HC吸着触媒の温度が活性化温度付近、即ち200℃付近になると吸着されているHCの酸化反応が活発となり、その結果排気ガス中の酸素が急激に消費されるために排気ガス中の酸素濃度が急激に低下する。従ってこのときには少量の燃料を追加供給すれば排気ガスの空燃比をリッチにすることができる。そこでこの内燃機関ではHC吸着触媒において十分な量の酸素が消費されているか否かを検出し、HC吸着触媒において十分な量の酸素が消費されているときに排気ガスの空燃比をリッチにしてNOx吸蔵触媒からNOxを放出させるようにしている。
特開2003−97255号公報
しかしながらこの内燃機関では燃焼室内における空燃比をリッチにするようにしており、機関排気通路内に燃料を噴射するようにしてはいないために上述したような問題を生ずる。また、この内燃機関ではHC吸着触媒の温度が活性化温度付近になる時期、即ちHC吸着触媒において十分な量の酸素が消費される時期は限られているので、NOx吸蔵触媒からのNOx放出作用からみて必要な時期にHC吸着触媒の温度が活性化温度にならず、斯くしてNOx吸蔵触媒からNOxを放出することが必要となったときにNOx吸蔵触媒からNOxを放出することができないという問題がある。
本発明の目的は、NOx吸蔵触媒からNOxを放出すべきときにNOx吸蔵触媒上流の機関排気通路内に燃料を供給するようにした場合であってもNOx吸蔵触媒からNOxを良好に放出しうるようにした圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、微粒子状の燃料を排気ガス中に添加するための燃料添加手段と、燃料添加手段下流の機関排気通路内に配置されて排気ガス中に含まれる炭化水素を吸着しかつ酸化するHC吸着酸化触媒と、HC吸着酸化触媒下流の機関排気通路内に配置されて流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOxを吸蔵し流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOxを放出するNOx吸蔵触媒とを具備し、NOx吸蔵触媒からNOxを放出すべきときには微粒子状の燃料を燃料添加手段から添加して添加した微粒子状の燃料をHC吸着酸化触媒に送り込むことによりNOx吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすると共に、このときHC吸着酸化触媒における排気ガス流に対する空間速度が予め定められた許容空間速度以下となるように制御されており、更にこのとき燃料添加手段から添加する微粒子状燃料の添加量はHC吸着酸化触媒に流入する排気ガスの空燃比がNOx吸蔵触媒に流入するリッチ時の空燃比よりも小さなリッチ空燃比となる量に設定されており、添加された微粒子状燃料はHC吸着酸化触媒に吸着された後に吸着した燃料の大部分がHC吸着酸化触媒内で酸化されてHC吸着酸化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチにされる時間よりも長い時間に亘ってNOx吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。
NOx吸蔵触媒からNOxを放出すべきときにNOx吸蔵触媒からNOxを良好に放出しうる。
図1に圧縮着火式内燃機関の全体図を示す。
図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内に夫々燃料を噴射するための電子制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドを夫々示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結され、コンプレッサ7aの入口はエアクリーナ8に連結される。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁9が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置10が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置10内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結され、排気タービン7bの出口は排気管11に連結される。排気マニホルド5にはミスト状の、即ち微粒子状の燃料を排気ガス中に添加するための燃料添加弁12が取付けられる。本発明による実施例ではこの燃料は軽油からなる。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路13を介して互いに連結され、EGR通路13内には電子制御式EGR制御弁14が配置される。また、EGR通路13周りにはEGR通路13内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置15が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置15内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管16を介してコモンレール17に連結される。このコモンレール17内へは電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ18から燃料が供給され、コモンレール17内に供給された燃料は各燃料供給管16を介して燃料噴射弁3に供給される。
電子制御ユニット20はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス21によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)22、RAM(ランダムアクセスメモリ)23、CPU(マイクロプロセッサ)24、入力ポート25および出力ポート26を具備する。図1に示されるようにアクセルペダル30にはアクセルペダル30の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ31が接続され、負荷センサ31の出力電圧は対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。更に入力ポート25にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ32が接続される。一方、出力ポート26は対応する駆動回路28を介して燃料噴射弁3、スロットル弁9駆動用ステップモータ、燃料添加弁12、EGR制御弁14および燃料ポンプ18に接続される。
図1に示されるように排気管11には排気ガス中の有害成分、特にNOxを浄化するための後処理装置40が取付けられる。図2はこの後処理装置40の拡大図を示している。図2を参照すると、排気管11には主排気管41が連結され、この主排気管41内にHC吸着酸化触媒42が配置される。更にこのHC吸着酸化触媒42下流の主排気管41内にはNOx吸蔵触媒43が配置される。また、主排気管41にはHC吸着酸化触媒42を迂回する、即ちHC吸着酸化触媒42上流の主排気管41内と、HC吸着酸化触媒42の下流でNOx吸蔵触媒43上流の主排気管41内とを連結する排気バイパス管44が取付けられる。
排気バイパス管44内には排気制御弁装置45が配置される。図2に示される実施例ではこの排気制御弁装置45は排気バイパス管44内に配置されたバイパス制御弁46と、このバイパス制御弁46を駆動するためのアクチュエータ47からなり、このアクチュエータ47は図1に示される駆動回路28を介して出力ポート26に接続される。
図2に示されるようにHC吸着酸化触媒42にはHC吸着酸化触媒42の温度の検出するための温度センサ48が取付けられ、この温度センサ48の出力信号は図1に示される対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。また、NOx吸蔵触媒43にはNOx吸蔵触媒43の前後差圧を検出するための差圧センサ49が取付けられており、この差圧センサ49の出力信号は対応するAD変換器27を介して入力ポート25に入力される。
図2においてバイパス制御弁46が閉弁しているときには全ての排気ガスは主排気管41内に形成される主通路内、即ちHC吸着酸化触媒42内を流通せしめられる。これに対し、バイパス制御弁46が開弁すると排気ガスは主通路内に加え、排気バイパス管44内に形成されたバイパス通路内も流通せしめられる。即ち、このとき排気ガスは主通路内とバイパス通路内の双方を流通することになる。
まず初めに図1および図2に示されるNOx吸蔵触媒43について説明すると、このNOx吸蔵触媒43は三次元網目構造のモノリス担体或いはペレット状担体上に担持されているか、又はハニカム構造をなすパティキュレートフィルタ上に担持されている。このようにNOx吸蔵触媒43は種々の担体上に担持させることができるが、以下NOx吸蔵触媒43をパティキュレートフィルタ上に担持した場合について説明する。
図3(A)および(B)はNOx吸蔵触媒43を担持したパティキュレートフィルタ43aの構造を示している。なお、図3(A)はパティキュレートフィルタ43aの正面図を示しており、図3(B)はパティキュレートフィルタ43aの側面断面図を示している。図3(A)および(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ43aはハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路60,61を具備する。これら排気流通路は下流端が栓62により閉塞された排気ガス流入通路60と、上流端が栓63により閉塞された排気ガス流出通路61とにより構成される。なお、図3(A)においてハッチングを付した部分は栓63を示している。従って排気ガス流入通路60および排気ガス流出通路61は薄肉の隔壁64を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス流入通路60および排気ガス流出通路61は各排気ガス流入通路60が4つの排気ガス流出通路61によって包囲され、各排気ガス流出通路61が4つの排気ガス流入通路60によって包囲されるように配置される。
パティキュレートフィルタ43aは例えばコージライトのような多孔質材料から形成されており、従って排気ガス流入通路60内に流入した排気ガスは図3(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁64内を通って隣接する排気ガス流出通路61内に流出する。
このようにNOx吸蔵触媒43をパティキュレートフィルタ43a上に担持させた場合には、各排気ガス流入通路60および各排気ガス流出通路61の周壁面、即ち各隔壁64の両側表面上および隔壁64内の細孔内壁面上には例えばアルミナからなる触媒担体が担持されており、図4(A)および(B)はこの触媒担体70の表面部分の断面を図解的に示している。図4(A)および(B)に示されるように触媒担体70の表面上には貴金属触媒71が分散して担持されており、更に触媒担体70の表面上にはNOx吸収剤72の層が形成されている。
本発明による実施例では貴金属触媒71として白金Ptが用いられており、NOx吸収剤72を構成する成分としては例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
機関吸気通路、燃焼室2およびNOx吸蔵触媒43上流の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比と称すると、NOx吸収剤72は排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOxを放出するNOxの吸放出作用を行う。
即ち、NOx吸収剤72を構成する成分としてバリウムBaを用いた場合を例にとって説明すると、排気ガスの空燃比がリーンのとき、即ち排気ガス中の酸素濃度が高いときには排気ガス中に含まれるNOは図4(A)に示されるように白金Pt71上において酸化されてNO2となり、次いでNOx吸収剤72内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO3 -の形でNOx吸収剤72内に拡散する。このようにしてNOxがNOx吸収剤72内に吸収される。排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Pt71の表面でNO2が生成され、NOx吸収剤72のNOx吸収能力が飽和しない限りNO2がNOx吸収剤72内に吸収されて硝酸イオンNO3 -が生成される。
これに対し、排気ガスの空燃比がリッチ或いは理論空燃比にされると排気ガス中の酸化濃度が低下するために反応が逆方向(NO3 -→NO2)に進み、斯くして図4(B)に示されるようにNOx吸収剤72内の硝酸イオンNO3 -がNO2の形でNOx吸収剤72から放出される。次いで放出されたNOxは排気ガス中に含まれる未燃HC,COによって還元される。
このように排気ガスの空燃比がリーンであるとき、即ちリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときには排気ガス中のNOxがNOx吸収剤72内に吸収される。しかしながらリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われるとその間にNOx吸収剤72のNOx吸収能力が飽和してしまい、斯くしてNOx吸収剤72によりNOxを吸収できなくなってしまう。そこで本発明による実施例ではNOx吸収剤72の吸収能力が飽和する前に燃料添加弁12から燃料を添加することによって排気ガスの空燃比を一時的にリッチにし、それによってNOx吸収剤72からNOxを放出させるようにしている。
さて、上述したように燃料添加弁12から燃料を添加することによって排気ガスの空燃比をリッチにするとNOx吸収剤12からNOxが放出され、放出されたNOxが排気ガス中に含まれる未燃HC,COによって還元される。この場合、添加された燃料が液状であったとすると理論上は排気ガスの空燃比がリッチになったとしてもNOx吸収剤72からNOxが放出しない。また、燃料が液状である場合にはNOxの還元も行われない。即ち、NOx吸収剤72からNOxを放出させかつ放出されたNOxを還元するにはNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比をリッチにしなければならない。
本発明による実施例では燃料添加弁12から添加される燃料は微粒子状であり、一部の燃料はガス状となっているが大部分は液状となっている。そこで本発明による実施例ではNOx吸収剤72からNOxを放出すべきときには燃料添加弁12から添加された燃料を含む排気ガスをHC吸着酸化触媒42に導びき、それによって添加された燃料の大部分が液状であったとしてもNOx吸蔵触媒43に流入する燃料がガス状となるようにしている。次にこのHC吸着酸化触媒42について説明する。
図5はHC吸着酸化触媒42の側面断面図を示している。図5に示されるようにHC吸着酸化触媒42はハニカム構造をなしており、真直ぐに延びる複数個の排気ガス流通路73を具備する。このHC吸着酸化触媒42はゼオライトのような細孔構造をもつ比表面積の大きな材料から構成されており、図5に示すHC吸着酸化触媒73の基体はゼオライトの一種であるモルデナイトからなる。図6(A)から(D)はHC吸着酸化触媒42の基体74の表面部分の断面を図解的に示している。なお、図6(B)は図6(A)におけるB部分の拡大図を示しており、図6(C)は図6(B)と同じ断面を示しており、図6(D)は図6(C)におけるD部分の拡大図を示している。図6(B)および(C)からわかるようにHC吸着酸化触媒42の表面は凹凸した粗い表面形状を呈しており、この粗い表面形状を有する表面上には図6(D)に示されるように多数の細孔75が形成されていると共に白金Ptからなる貴金属触媒76が分散して担持されている。
燃料添加弁12から微粒子状の燃料が添加されると一部の燃料は蒸発してガス状になるが大部分は微粒子の形で基体74の表面上に吸着する。図6(A)および(B)は燃料微粒子77が吸着する様子を示している。このように液状の形で燃料が吸着するときの燃料吸着割合はガス状燃料の吸着割合に比べてかなり高くなる。なお、HC吸着酸化触媒42が吸着しうる微粒子状燃料の吸着量は図7(A)に示されるようにHC吸着酸化触媒42の温度が低くなるほど増大する。また、HC吸着酸化触媒42における排気ガス流に対する空間速度(=排気ガスの容積速度/HC吸着酸化触媒床の容積)が速くなると、即ち排気ガスの流速が速くなると燃料添加弁12から添加された燃料のうち、ガス化するものの量およびNOx吸着酸化触媒42内の排気流通路73内を素通りする微粒子状燃料の量が増大する。従ってHC吸着酸化触媒42が吸着しうる微粒子状燃料の吸着量は図7(B)に示されるように空間速度が速くなるほど減少する。
次いで図6(C),(D)に示されるように基体50の表面上に吸着した燃料微粒子77は徐々に蒸発してガス状燃料となる。このガス状燃料は主に炭素数の多いHCからなる。この炭素数の多いHCは蒸発する際にゼオライト表面上の酸点又は貴金属触媒76上においてクラッキングされ、炭素数の少ないHCに改質される。この改質されたガス状のHCはただちに排気ガス中の酸素と反応して酸化せしめられる。このようにして基体74の表面上に吸着した燃料微粒子77の大部分は排気ガス中の酸素と反応するので排気ガス中に含まれるほとんど全ての酸素は消費される。その結果、排気ガス中の酸素濃度が低下し、NOx吸蔵触媒43からNOxが放出される。
一方、このとき排気ガス中にはガス状のHCが残存しており、排気ガスの空燃比はリッチになっている。このガス状のHCはNOx吸蔵触媒43内に流入し、このガス状のHCによってNOx吸蔵触媒43から放出されたNOxが還元される。
図8は機関低速低負荷運転時における燃料添加弁12からの燃料の添加量と、排気ガスの空燃比A/Fとを示している。なお、図8において(A)はHC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比A/Fを示しており、(B)はHC吸着酸化触媒42から流出してNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比A/Fを示しており、(C)はNOx吸蔵触媒43から流出する排気ガスの空燃比A/Fを示している。
本発明による実施例ではNOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきときには図8に示されるように複数回の連続パルスからなる駆動信号が燃料添加弁12に供給され、このとき実際にはこれら連続パルスが供給されている間、燃料が連続的に添加され続ける。燃料添加弁12から燃料が供給されている間、HC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比は図8(A)に示されるように5以下のかなりリッチな空燃比となる。
一方、燃料添加弁12から燃料が添加されると燃料微粒子はHC吸着酸化触媒42に吸着され、次いでこの燃料微粒子から燃料が徐々に蒸発して前述したようにクラッキングされ、改質される。燃料微粒子から蒸発した燃料又は改質された燃料の一部は排気ガス中に含まれる酸素と反応して酸化され、それによって排気ガス中の酸素濃度が低下する。一方、余剰の燃料、即ち余剰のHCがHC吸着酸化触媒42から排出され、その結果HC吸着酸化触媒42から流出する排気ガスの空燃比A/Fはわずかばかりリッチとなる。即ち、HC吸着酸化触媒42に吸着された燃料微粒子からは燃料が徐々に蒸発し、吸着された燃料微粒子が少量となるまで、HC吸着酸化触媒42から流出する排気ガスの空燃比A/Fはわずかばかりリッチになり続ける。従って図8(B)に示されるように燃料添加弁12からの燃料の添加作用が完了した後にかなりの時間に亘ってHC吸着酸化触媒42から流出する排気ガスの空燃比A/Fはわずかばかりリッチになり続ける。
HC吸着酸化触媒42から流出しNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比A/FがリッチになるとNOx吸蔵触媒43からNOxが放出され、放出されたNOxが未燃HC,COによって還元される。この場合、前述したようにNOx吸蔵触媒43に流入する未燃HCはHC吸着酸化触媒42において改質されており、従って放出されたNOxは未燃HCによって良好に還元される。図8(C)からわかるようにNOx吸蔵触媒43からのNOxの放出作用と還元作用が行われている間、NOx吸蔵触媒43から流出する排気ガスの空燃比A/Fはほぼ理論空燃比に維持される。
このように本発明ではNOx吸蔵触媒43からNOxを放出させるためにNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするときには微粒子状の燃料が燃料添加弁12から添加されると共にこのときの微粒子状燃料の添加量はHC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比がNOx吸蔵触媒43に流入するリッチ時の空燃比よりも小さな、図8に示す例では半分以下のリッチ空燃比となる量に設定されている。
一方、このとき添加された微粒子状燃料はHC吸着酸化触媒42に吸着された後に吸着した燃料の大部分がHC吸着酸化触媒42内で酸化され、HC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比がリッチにされる時間よりも長い時間、図8に示す例では数倍の時間に亘ってNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比がリッチとなる。
このように本発明では燃料添加弁12から添加された微粒子状燃料を一旦HC吸着酸化触媒42内に吸着保持し、次いで吸着保持された微粒子状燃料をHC吸着酸化触媒42から少しずつ蒸発させることによって長い時間に亘りNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。この場合、NOx吸蔵触媒43からできる限り多量のNOxを放出させるにはNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比がリッチにされる時間を長くすればよく、そのためにはHC吸着酸化触媒42に吸着保持される燃料量をできる限り増大することが必要となる。
一例を挙げると、例えば機関低速低負荷運転時に1秒間当り吸入空気量が10(g)となる圧縮着火式内燃機関において、燃料添加弁12から400msec程度、微粒子状燃料を噴射するとNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比は2秒程度に亘って14.0程度のリッチ空撚比になり、このときNOx吸蔵触媒43からNOxが良好に放出されることが判明している。このとき燃料添加弁12のすぐ下流における排気ガスの空燃比、即ちHC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比は4.4程度のリッチ空燃比となる。
もう少し詳しく説明すると、この圧縮着火式内燃機関では機関低速低負荷運転時には空燃比A/Fが30程度であり、従ってA/F=10(g/sec)/F=30であるので燃料噴射量はF=1/3(g/sec)となる。一方、14のリッチ空燃比を生成するにはA/F=10(g/sec)/F=14であるので5/7(g/sec)の燃料が必要となる。従って14のリッチ空燃比を生成するのに燃料添加弁12から添加すべき追加の燃料量は5/7(g/sec)−1/3(g/sec)=8/21(g/sec)となり、2秒間に亘って14のリッチ空燃比を生成するには燃料添加弁12から16/21(g)の燃料を添加しなければならない。この燃料を400msecでもって添加するとそのとき排気ガスの空燃比はほぼ4.4となる。
このようにこの内燃機関において機関低速低負荷運転時に14のリッチ空燃比を2秒間に亘って生成しようとすると燃料添加弁12から16/21(g)の燃料を供給しなければならない。この場合、この燃料量をより短い時間、例えば100msecで供給しようとすると燃料添加弁12の噴射圧を高くしなければならない。ところが燃料添加弁12の噴射圧を高めると噴射時の燃料の微粒子が促進されるためにガス化する燃料量が増大し、斯くしてHC吸着酸化触媒42に吸着される燃料量が減少する。このようにHC吸着酸化触媒42への吸着燃料量が減少すると空燃比がリッチとなる時間が短かくなる。これに対し、16/21(g)の燃料を供給するに当って単位時間当りの供給量を少なくすると、例えば燃料添加弁12からの燃料添加時間を1000msecにするとHC吸着酸化触媒42からの単位時間当りの燃料蒸発量が少なくなり、排気ガスの空燃比がリッチになりずらくなる。図9はこのことを示している。
即ち、図9は燃料添加弁12からの燃料添加時間τ(msec)を変えたときの、HC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比A/F、HC吸着酸化触媒42から流出した排気ガスの温度上昇量ΔT、NOx吸蔵触媒43から排出される排出HC量G、およびNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスのリッチ時間Trを示している。
上述したように燃料添加弁12からの燃料添加時間を短かくするとHC吸着酸化触媒42への吸着燃料量が減少する。その結果、HC吸着酸化触媒42からの燃料の蒸発量が少なくなるためにHCの酸化作用は弱まり、温度上昇量ΔTが低下すると共にリッチ時間が短かくなる。またこのとき、燃料添加弁12から供給される燃料のうちで排気ガス流により持ち去られる燃料量が増大するので排出HC量Gが増大する。
一方、燃料添加弁12からの燃料添加時間を長くすると上述したようにHC吸着酸化触媒42への単位時間当りの吸着燃料量が減少する。その結果、HC吸着酸化触媒42からの燃料の蒸発量が少なくなるためにHCの酸化作用は弱まり、温度上昇量ΔTが低下すると共にリッチ時間が短かくなる。一方、NOx吸蔵触媒43からのNOx放出作用が完了した後もHC吸着酸化触媒42からHCが蒸発し続けるので排出HC量Gが増大する。
燃料添加弁12から燃料を添加したときに添加した燃料が大気中に排出されるとこの燃料は全く無駄となり、従って添加した燃料の大気中への排出量、即ち排出HC量Gは許容値Go以下に抑制する必要がある。排出HC量Gが許容値Go以下であるということは別の見方をするとHCが酸化反応をして酸素を十分に消費していることを意味しており、従って排出HC量Gが許容値Go以下であるということは温度上昇量ΔTが予め定められた設定値ΔTo以上であるということに対応している。
即ち、燃料添加弁12から燃料を添加する際には排出HC量Gが許容値Go以下となり、温度上昇量ΔTが設定値ΔTo以上となるように添加燃料の添加時間τを定めることが必要であり、従って本発明による実施例では添加燃料の添加時間τがほぼ100(msec)からほぼ700(msec)の間に設定されている。これを空燃比A/Fで表すと添加時間τが100(msec)のときの空燃比A/Fはほぼ1であり、添加時間τが700(msec)のときの空燃比A/Fはほぼ7であるので本発明による実施例では機関低速低負荷運転時においてNOx吸蔵触媒43からNOxを放出させるために燃料添加弁12から添加される微粒子状燃料の添加量はHC吸着酸化触媒42に流入する排気ガスの空燃比がほぼ1からほぼ7となる量に設定されていることになる。
図10は機関高速高負荷運転時における図8と同じ場所における空燃比を示している。機関高速高負荷運転時には機関低速低負荷運転時に比べてHC吸着酸化触媒42の温度が高くなり、HC吸着酸化触媒42における排気ガス流に対する空間速度が高くなるので図7(A),(B)からわかるようにHC吸着酸化触媒42が吸着しうる燃料量がかなり減少する。従って図10と図8とを比較するとわかるように燃料添加弁12から添加される燃料量は機関高速高負荷運転時には機関低速低負荷運転時に比べて小さくされる。
なお、図10に示されるように機関高速高負荷運転時には空燃比がほぼ20程度であるので添加される燃料が減少せしめられても排気ガスの空燃比をリッチにすることができる。しかしながら排気ガスの空燃比をリッチにすることのできる時間は機関低速低負荷運転時に比べてかなり短かくなる。
図11(A)はNOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきときに燃料添加弁12から添加される燃料量AQを表わしており、添加される燃料量はAQ1,AQ2,AQ3,AQ4,AQ5,AQ6の順で次第に少なくなる。なお、図11(A)において縦軸TQは出力トルクを、横軸Nは機関回転数を表しており、従って添加すべき燃料量AQは出力トルクTQが増大するほど、即ちHC吸着酸化触媒42の温度が高くなるほど少なくなり、機関回転数Nが高くなるほど、即ち排気ガスの流量が増大するほど少なくなる。この添加すべき燃料量AQは図11(B)に示すようなマップの形で予めROM22内に記憶されている。
次に図12および図13を参照しつつNOx放出制御について説明する。
図12(A)は機関低速低負荷運転時においてNOx吸蔵触媒43に吸蔵されたNOx量ΣNOXの変化と、NOx放出のために排気ガスの空燃比A/Fをリッチにするタイミングを示しており、図12(B)は機関高速高負荷運転時においてNOx吸蔵触媒43に吸蔵されたNOx量ΣNOXの変化と、NOx放出のために排気ガスの空燃比A/Fをリッチにするタイミングを示している。
機関から単位時間当りに排出されるNOx量は機関の運転状態に応じて変化し、従って単位時間当りにNOx吸蔵触媒43内に吸蔵されるNOx量も機関の運転状態に応じて変化する。本発明による実施例ではNOx吸蔵触媒43に単位時間当り吸蔵されるNOx量NOXAが要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数として図13(A)に示すマップの形で予めROM22内に記憶されており、このNOx量NOXAを積算することによってNOx吸蔵触媒43に吸蔵されたNOx量ΣNOXが算出される。
一方、図12(A),(B)においてMAXはNOx吸蔵触媒43が吸蔵しうる最大NOx吸蔵量を表しており、NXはNOx吸蔵触媒43に吸蔵させることのできるNOx量の許容値を表している。従って図12(A),(B)に示されるようにNOx量ΣNOXが許容値NXに達するとNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比A/Fが一時的にリッチにされ、それによってNOx吸蔵触媒43からNOxが放出される。
前述したように機関低速低負荷運転時にはHC吸着酸化触媒42が吸着しうる燃料量が増大するので燃料添加弁12からの燃料添加量が増大される。このように燃料添加量が増大されるとNOx吸蔵触媒43から多量のNOxを放出させることができる。即ち、この場合にはNOx吸蔵触媒43に多量のNOxが吸蔵された場合でも吸蔵された全NOxを放出することができるので図12(A)に示されるように許容値NXは高い値、図12(A)に示される実施例では最大NOx吸蔵量よりもわずかばかり低い値とされる。
これに対し機関高速高負荷運転時にはHC吸着酸化触媒42の燃料吸着量が減少するので前述したように燃料添加弁12からの燃料添加量が減少せしめられる。このように燃料添加量が減少せしめられるとNOx吸蔵触媒43からは少量のNOxしか放出させることができない。即ち、この場合にはNOx吸蔵触媒43に少量のNOxが吸蔵されたら吸蔵されたNOxを放出しなければならないので図12(B)に示されるように許容値NXはかなり低い値、図12(B)に示される例では図12(A)に示す機関低速低負荷運転時における許容値NXの1/3以下の値になっている。
図13(B)は機関の運転状態に応じて定められている許容値NXを示しており、図13(B)において許容値NXはNX1,NX2,NX3,NX4,NX5,NX6の順で次第に小さくなる。なお、図13(B)において縦軸TQは機関の出力トルクを示しており、横軸Nは機関回転数を示している。従って図13(B)から許容値NXは出力トルクTQが高くなるほど、即ち機関負荷が高くなるほど低くなり、機関回転数Nが高くなるほど低くなることがわかる。なお、図13(B)に示される許容値NXは図13(C)に示すようなマップの形で予めROM22内に記憶されている。
このように機関負荷が高くなるほど、或いは機関回転数が高くなるほど許容値NXが低くなるのでNOx吸蔵触媒43からNOxを放出させるために燃料添加弁12から微粒子状燃料が添加される頻度は機関負荷が高くなるほど、或いは機関回転数Nが高くなるほど高くなる。即ち、図12(A),(B)に示されているように機関高速高負荷運転時には機関低速低負荷運転時に比べて微粒子状燃料が添加される頻度はかなり高くなる。
一方、排気ガス中に含まれる粒子状物質はNOx吸蔵触媒43を担持しているパティキュレートフィルタ43a上に捕集され、順次酸化される。しかしながら捕集される粒子状物質の量が酸化される粒子状物質の量よりも多くなると粒子状物質がパティキュレートフィルタ43a上に次第に堆積し、この場合粒子状物質の堆積量が増大すると機関出力の低下を招いてしまう。従って粒子状物質の堆積量が増大したときには堆積した粒子状物質を除去しなければならない。この場合、空気過剰のもとでパティキュレートフィルタ43aの温度を600℃程度まで上昇させると堆積した粒子状物質が酸化され、除去される。
そこで本発明による実施例ではパティキュレートフィルタ43a上に堆積した粒子状物質の量が許容量を越えたときには排気ガスの空燃比がリーンのもとでパティキュレートフィルタ43aの温度を上昇させ、それによって堆積した粒子状物質を酸化除去するようにしている。具体的に言うと本発明による実施例では差圧センサ49により検出されたパティキュレートフィルタ43aの前後差圧ΔPが許容値PXを越えたときに堆積粒子状物質の量が許容量を越えたと判断され、このときパティキュレートフィルタ43aに流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持しつつ燃料添加弁12から燃料を添加してこの添加された燃料の酸化反応熱によりパティキュレートフィルタ43aの温度を上昇させる昇温制御が行われる。
図14は排気浄化処理ルーチンを示している。
図14を参照するとまず初めにステップ100において図13(A)に示すマップから単位時間当り吸蔵されるNOx量NOXAが算出される。次いでステップ101ではこのNOXAがNOx吸蔵触媒43に吸蔵されているNOx量ΣNOXに加算される。次いでステップ102では図13(C)に示すマップから許容値NXが算出される。次いでステップ103では吸蔵NOx量ΣNOXが許容値NXを越えたか否かが判別され、ΣNOX>NXとなったときにはステップ104に進んでNOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきことを示すNOx放出フラグがセットされる。次いでステップ105に進んでNOxの浄化処理が行われる。次いでステップ106では差圧センサ49によりパティキュレートフィルタ43aの前後差圧ΔPが検出される。次いでステップ107では差圧ΔPが許容値PXを越えたか否かが判別され、ΔP>PXとなったときにはステップ108に進んでパティキュレートフィルタ43aの昇温制御が行われる。
さて、前述したようにHC吸着酸化触媒42における排気ガス流に対する空間速度SV(以下、単に空間速度SVと称する)が高くなるとHC吸着酸化触媒42が吸着しうる微粒子状燃料の吸着量が減少する。吸着量が減少すると蒸発するHCの量が減少し、斯くして酸化されるHCの量が減少する。酸化されるHCの量が減少するとNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比がリッチにならなくなる。
即ち、空間速度SVが高くなるとNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比がリッチにならなくなり、このときNOx吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするためにはHC吸着酸化触媒42における空間速度SVを低下させる必要がある。そこで本発明ではNOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきときにはHC吸着酸化触媒42における空間速度SVを低下させ、それにより酸化させるHCの量を増大させてNOx
吸蔵触媒43に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするようにしている。
なお、機関回転数Nが高くなるほど単位時間当り排出される排気ガス量が増大するのでHC吸着酸化触媒42内を流れる排気ガスの容積速度は大きくなり、機関負荷Lが高くなるほど単位時間当り排出される排気ガス量が増大するのでHC吸着酸化触媒42内を流れる排気ガスの容積速度は大きくなる。即ち、空間速度SVは機関回転数Nおよび機関負荷Lの関数となる。本発明による実施例では許容しうる最大の空間速度SV0が図15に示されるように機関回転数Nと機関負荷Lの関数として予め定められており、NOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきときにはHC吸着酸化触媒42における空間速度SVがこの予め定められた許容空間速度SV0以下に制御される。
さて、図2に示される実施例ではバイパス制御弁46は通常閉弁せしめられている。ところがこのようにバイパス制御弁46が閉弁せしめられていると、全ての排気ガスがHC吸着酸化触媒42内を流通するので機関回転数Nが高くなったとき、或いは機関負荷Lが高くなったときに空間速度SVが予め定められた許容空間速度SV0を越えてしまうことになる。
そこで本発明による実施例では図16(A)に示されるように燃料添加弁12から微粒子状燃料の添加作用が行われていない通常運転時にはバイパス制御弁46は閉弁状態に保持されており、空燃比をリッチにすべく燃料添加弁12から微粒子状燃料が添加されるときにHC吸着酸化触媒42における空間速度SVが予め定められた許容空間速度SV0を越えているときにはバイパス制御弁46が開弁せしめられる。バイパス制御弁46が開弁せしめられるとHC吸着酸化触媒42における空間速度SVが低下し、予め定められた許容空間速度SV0以下となる。
一方、図16(B)に示される実施例ではHC吸着酸化触媒42における空間速度SVが予め定められた許容空間速度SV0よりも低いときにはバイパス制御弁46は閉弁状態に保持されており、空間速度SVが予め定められた許容空間速度SV0を越えるとバイパス制御弁46が開弁せしめられる。従ってこの実施例でも空燃比をリッチにすべく燃料添加弁12から微粒子状燃料が添加されるときにはHC吸着酸化触媒42における空間速度SVは予め定められた許容空間速度SV0以下となっている。
なお、図2に示されるように主排気管61内に形成された主通路はHC吸着酸化触媒42に向けてまっすぐに延びており、排気バイパス管44内に形成されたバイパス通路はHC吸着酸化触媒42の上流において主通路から横方向に分岐されており、バイパス通路の分岐点上流の排気ガスの通路内に微粒子状燃料が添加される。従ってNOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべきときにバイパス制御弁64が開弁していても燃料添加弁12から添加された微粒子状の燃料は慣性によってHC吸着酸化触媒42内に流入することになる。
図17は図16(A)に示される実施例を実行するために図14のステップ105において行われるNOx浄化処理ルーチンを示している。
図17を参照するとまず初めにステップ200においてNOx放出フラグがセットされているか否かが判別される。NOx放出フラグがセットされているときにはステップ201に進んでHC吸着酸化触媒42における空間速度SVが予め定められた許容空間速度SV0よりも高いか否かが判別される。
SV>SV0のときにはステップ202に進んでバイパス制御弁46が開弁せしめられる。次いでステップ203に進む。これに対し、SV≦SV0のときにはステップ203にジャンプする。従ってこのときにはバイパス制御弁46は閉弁状態に保持されている。
ステップ203では図11(B)に示すマップから添加すべき燃料量AQが算出され、次いでステップ204ではマップから算出された量AQの燃料、即ち軽油が燃料添加弁12から添加される。次いでステップ205ではNOx放出フラグがリセットされる。
図18に別の実施例を示す。この実施例では主排気管41内に形成される排気ガスの通路が第1通路50aと第2通路50bとに分岐され、これら第1通路50aおよび第2通路50bはNOx吸蔵触媒43の上流側で合流せしめられる。また、この実施例ではHC吸着酸化触媒が第1通路50a内に配置された第1のHC吸着酸化触媒42aと、第2通路50b内に配置された第2のHC吸着酸化触媒42bからなる。これら第1のHC吸着酸化触媒42aおよび第2のHC吸着酸化触媒42bには夫々温度センサ48a,48bが取付けられる。
主排気管41には第1通路50a内を流れる排気ガス流および第2通路50b内を流れる排気ガス流を制御するための排気制御弁装置45が取付けられる。この排気制御弁装置45は第1通路50a内に配置されかつアクチュエータ47aによって駆動される排気制御弁46aと、第2通路50b内に配置されかつアクチュエータ47bによって排気制御弁46aとは独立して駆動される排気制御弁46bとを具備する。
ところで前述したようにHC吸着酸化触媒は温度上昇するとHC吸着量が減少し、空燃比をリッチにするのが困難となる。従ってこの実施例では図19に示されるように第1のHC吸着酸化触媒42aの温度Tc1が許容温度Toを越えたときには排気制御弁46aを閉弁すると共に排気制御弁46bを開弁し、即ち第1通路50aが遮断されると共に第2通路50bが開通せしめられ、第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc2が許容温度Toを越えたときには排気制御弁46bを閉弁すると共に排気制御弁46aを開弁し、即ち第2通路50bが遮断されると共に第1通路50aが開通せしめられる。
一方、この実施例においても図16(A),(B)に示される実施例と同様に、第1のHC吸着酸化触媒42aにおける排気ガス流に対する空間速度SV1を予め定められた許容空間速度SV0以下にすべきときには第1のHC吸着酸化触媒42a内を流れる排気ガス量が減少せしめられ、第2のHC吸着酸化触媒42bにおける排気ガス流に対する空間速度SV2を予め定められた許容空間速度SV0以下にすべきときには第2のHC吸着酸化触媒42b内を流れる排気ガス量が減少せしめられる。
具体的に言うと、この実施例では図19に示されるように例えば排気制御弁46aが開弁していて第1通路50a内に排気ガスが流入しているときにNOx吸蔵触媒43からNOxを放出すべく空燃比がリッチにされ、このとき第1のHC吸着酸化触媒42aにおける空間速度SV1が予め定められた許容空間速度SV0を越えている場合には第2通路50bの排気制御弁46bも開弁せしめられる。
即ち、この実施例では排気制御弁装置45によって通常は第1通路50a又は第2通路50bの一方が遮断されており、第1の吸着酸化触媒42a又は第2の吸着酸化触媒42bにおける空間速度SV1,SV2を予め定められた許容空間速度SV0以下にすべきときには第1通路50aおよび第2通路50bが共に開通せしめられる。また、この実施例では燃料添加弁12から微粒子状燃料の添加作用が行われたときには第1通路50aおよび第2通路50bが共に開通せしめられており、従って微粒子状燃料は第1通路50aおよび第2通路50bの双方に送り込まれる。このとき図19に示されるように第1のHC吸着酸化触媒42aにおける空間速度SV1および第2のHC吸着酸化触媒42bにおける空間速度SV2は共に予め定められた許容空間速度SV0よりも低くなる。
図20はこの実施例を実行するために図14のステップ105において行われるNOx浄化処理ルーチンを示している。
図20を参照するとまず初めにステップ210において排気制御弁46aが開弁しているか否か、即ち第1通路50aが開通しているか否かが判別される。第1通路50aが開通しているときにはステップ211に進んで第1のHC吸着酸化触媒42aの温度Tc1が許容温度Toを越えたか否かが判別される。Tc1≦Toのときにはステップ213に進む。これに対し、Tc1>Toであると判断されたときにはステップ212に進んで排気ガスの通路が第1通路50aから第2通路50bに切換えられ、次いでステップ221に進む。
一方、ステップ210において第1通路50aが開通していないと判断されたとき、即ち第2通路50bが開通しているときにはステップ219に進んで第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc2が許容温度Toを越えたか否かが判別される。Tc2≦Toのときにはステップ221に進む。これに対し、Tc2>Toであると判断されたときにはステップ220に進んで排気ガスの通路が第2通路50bから第1通路50aに切換えられ、次いでステップ213に進む。
従ってステップ213に進むのは排気ガスが第1通路50a内に送り込まれているときであり、ステップ221に進むのは排気ガスが第2通路50b内に送り込まれているときである。ステップ213ではNOx放出フラグがセットされているか否かが判別される。NOx放出フラグがセットされていないときには処理サイクルを完了する。これに対し、NOx放出フラグがセットされているときにはステップ214に進んで第1のHC吸着酸化触媒42aにおける空間速度SV1が予め定められた許容空間速度SV0よりも高いか否かが判別される。SV1≦SV0のときにはステップ216にジャンプする。これに対し、SV1>SV0であるときにはステップ215に進んで第2通路50b内の排気制御弁46bが開弁せしめられる。即ち、第1通路50aと第2通路50bの双方が開通せしめられる。次いでステップ216に進む。
ステップ216では図11(B)に示すマップから添加すべき燃料量AQが算出され、次いでステップ217ではマップから算出された量AQの燃料、即ち軽油が燃料添加弁12から添加される。次いでステップ218ではNOx放出フラグがリセットされる。
一方、ステップ221ではNOx放出フラグがセットされているか否かが判別される。NOx放出フラグがセットされていないときには処理サイクルを完了する。これに対し、NOx放出フラグがセットされているときにはステップ222に進んで第2のHC吸着酸化触媒42bにおける空間速度SV2が予め定められた許容空間速度SV0よりも高いか否かが判別される。SV2≦SV0のときにはステップ216にジャンプする。これに対し、SV2>SV0であるときにはステップ215に進んで第1通路50a内の排気制御弁46aが開弁せしめられる。即ち、第1通路50aと第2通路50bの双方が開通せしめられる。
図21に更に別の実施例を示す。この実施例でも主排気管41内に形成される排気ガスの通路が第1通路50aと第2通路50bとに分岐され、HC吸着酸化触媒が第1通路50a内に配置された第1のHC吸着酸化触媒42aと、第2通路50b内に配置された第2のHC吸着酸化触媒42bからなる。更に、これら第1のHC吸着酸化触媒42aおよび第2のHC吸着酸化触媒42bには夫々温度センサ48a,48bが取付けられる。
また、この実施例においても主排気管41には第1通路50a内を流れる排気ガス流および第2通路50b内を流れる排気ガス流を制御するための排気制御弁装置45が取付けられる。この排気制御弁装置45は第1通路50a内に配置されかつアクチュエータ47aによって駆動される排気制御弁46aと、第2通路50b内に配置されかつアクチュエータ47bによって排気制御弁46aとは独立して駆動される排気制御弁46bとを具備する。
一方、この実施例ではNOx吸蔵触媒が第1通路50a内に配置された第1のNOx吸蔵触媒43aと、第2通路50b内に配置された第2のNOx吸蔵触媒43bからなる。更に、この実施例では排気マニホルド5に取付けられた燃料添加弁12に代えて、第1のHC吸着酸化触媒42a上流の第1通路50a内および第2のHC吸着酸化触媒42b上流の第2通路50b内に夫々燃料添加弁12a,12bが配置されており、これら燃料添加弁12a,12bのいずれか一方又は双方から微粒子状燃料が添加される。
図22に示されるようにこの実施例においても図19に示される実施例と同様に、第1のHC吸着酸化触媒42aの温度Tc1が許容温度Toを越えたときには排気制御弁46aを閉弁すると共に排気制御弁46bを開弁し、即ち第1通路50aが遮断されると共に第2通路50bが開通せしめられ、第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc2が許容温度Toを越えたときには排気制御弁46bを閉弁すると共に排気制御弁46aを開弁し、即ち第2通路50bが遮断されると共に第1通路50aが開通せしめられる。
更にこの実施例では図19に示される実施例と同様に、第1のHC吸着酸化触媒42aにおける排気ガス流に対する空間速度SV1を予め定められた許容空間速度SV0以下にすべきときには第1のHC吸着酸化触媒42a内を流れる排気ガス量が減少せしめられ、第2のHC吸着酸化触媒42bにおける排気ガス流に対する空間速度SV2を予め定められた許容空間速度SV0以下にすべきときには第2のHC吸着酸化触媒42b内を流れる排気ガス量が減少せしめられる。
この実施例において図18から図20に示される実施例と異なるところは二つある。第1の差異は、この実施例では第1のNOx吸蔵触媒43aに吸蔵されるNOx量および第2のNOx吸蔵触媒43bに吸蔵されるNOx量が個別に算出されており、第1のNOx吸蔵触媒43aからNOxを放出すべきときには第1のNOx吸蔵触媒43aに吸蔵されているNOxを放出させるのに必要な量の燃料が対応する燃料添加弁12aから添加され、第2のNOx吸蔵触媒43bからNOxを放出すべきときには第2のNOx吸蔵触媒43bに吸蔵されているNOxを放出させるのに必要な量の燃料が対応する燃料添加弁12bから添加され、第1のNOx吸蔵触媒43aおよび第2のNOx吸蔵触媒43bの双方からNOxを放出すべきときには第1のNOx吸蔵触媒43aおよび第2のNOx吸蔵触媒43bに夫々吸蔵されているNOxを放出させるのに必要な量の燃料が対応する燃料添加弁12a,12bから夫々添加されることにある。
具体的に言うと、本発明による実施例ではいずれかのNOx吸蔵触媒43a,43bに吸蔵されているNOx量が許容値を越えたときにNOx放出フラグがセットされる。例えば第2通路50bのみが開通しているときにNOx放出フラグがセットされたとするとこのとき第2のHC吸着酸化触媒42bにおける空間速度SV2が予め定められた許容空間速度SV0よりも低ければ第2のNOx吸蔵触媒43aに吸蔵されているNOx量に応じた量の燃料が燃料添加弁12bから添加され、従ってこのときには図22に示されるように第2通路50b内における空燃比のみがリッチとなる。
一方、第1通路50aのみが開通しているときにNOx放出フラグがセットされたとするとこのとき第1のHC吸着酸化触媒42aにおける空間速度SV1が予め定められた許容空間速度SV0よりも高ければ第2通路50bも開通せしめられて各NOx吸蔵触媒43a,43bに夫々吸蔵されているNOx量に応じた量の燃料が各燃料添加弁12a,12bから夫々添加され、従ってこのときには図22に示されるように第1通路50aおよび第2通路50b内における空燃比が共にリッチとなる。
図18から図20に示される実施例との第2の差異は、図22に示されるようにNOxを放出すべきNOx放出指令が出されたときに排気ガスが流通している方のHC吸着酸化触媒42a,42b、図22に示す例では第1のHC吸着酸化触媒42aにおける空間速度SV1が予め定められた許容空間速度SV0を越えているときには第1通路50aおよび第2通路50bが共に開通せしめられ、第1通路50aおよび第2通路50bが共に開通せしめられた後に第1のHC吸着酸化触媒42aの温度Tc1および第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc2が予め定められた許容温度To以下となったときに各燃料添加弁12a,12bから微粒子状燃料が添加される。
即ち、この実施例では微粒子状燃料をHC吸着酸化触媒42a,42bに十分に吸着させ酸化させるためにHC吸着酸化触媒42a,42bにおける空間速度SV1,SV2が予め定められた許容空間速度SV0よりも低く、かつHC吸着酸化触媒42a,42bの温度Tc1,Tc2が許容温度Toよりも低い状態のときに燃料添加弁12a,12bから微粒子状燃料を添加するようにしている。このことは第1流路50a又は第2流路50bのいずれか一方に排気ガスを流通させた状態でいずれか一方のNOx吸蔵触媒43a,43bからNOxを放出させるようにした場合についても同じである。
図23はこの実施例を実行するために図14のステップ105において行われるNOx浄化処理ルーチンを示している。
図23を参照するとまず初めにステップ230において排気制御弁46aが開弁しているか否か、即ち第1通路50aが開通しているか否かが判別される。第1通路50aが開通しているときにはステップ231に進んで第1のHC吸着酸化触媒42aの温度Tc1が許容温度Toを越えたか否かが判別される。Tc1≦Toのときにはステップ233に進む。これに対し、Tc1>Toであると判断されたときにはステップ232に進んで排気ガスの通路が第1通路50aから第2通路50bに切換えられ、次いでステップ245に進む。
一方、ステップ230において第1通路50aが開通していないと判断されたとき、即ち第2通路50bが開通しているときにはステップ243に進んで第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc2が許容温度Toを越えたか否かが判別される。Tc2≦Toのときにはステップ245に進む。これに対し、Tc2>Toであると判断されたときにはステップ244に進んで排気ガスの通路が第2通路50bから第1通路50aに切換えられ、次いでステップ233に進む。
従ってステップ233に進むのは排気ガスが第1通路50a内に送り込まれているときであり、ステップ245に進むのは排気ガスが第2通路50b内に送り込まれているときである。ステップ233ではNOx放出フラグがセットされているか否かが判別される。NOx放出フラグがセットされていないときには処理サイクルを完了する。これに対し、NOx放出フラグがセットされているときにはステップ234に進んで第1のHC吸着酸化触媒42aにおける空間速度SV1が予め定められた許容空間速度SV0よりも高いか否かが判別される。SV1≦SV0のときにはステップ235に進む。
ステップ235では第1のHC吸着酸化触媒42aの温度Tc1が許容温度To以下になったか否かが判別される。Tc1<Toのときにはステップ236に進む。これに対し、Tc1≧ToのときにはTc1<Toになるまで待った後にステップ236に進む。ステップ236では第1のNOx吸蔵触媒43aに吸蔵されているNOxを放出させるのに必要な量の添加すべき燃料量AQが算出され、次いでステップ237では算出された量AQの燃料、即ち軽油が燃料添加弁12aから添加される。次いでステップ238ではNOx放出フラグがリセットされる。
一方、ステップ234においてSV1>SV0であると判断されたときにはステップ239に進んで第2通路50b内の排気制御弁46bが開弁せしめられる。即ち、第1通路50aと第2通路50bの双方が開通せしめられる。次いでステップ240に進む。ステップ240では第1のHC吸着酸化触媒42aおよび第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc1,Tc2が許容温度To以下になったか否かが判別される。Tc1,Tc2<Toのときにはステップ241に進む。これに対し、Tc1,Tc2≧ToのときにはTc1,Tc2<Toになるまで待った後にステップ241に進む。ステップ241では各NOx吸蔵触媒43a,43bに吸蔵されているNOxを放出させるのに必要な量の添加すべき燃料量AQが算出され、次いでステップ242では算出された量AQの燃料、即ち軽油が各燃料添加弁12a,12bから添加される。次いでステップ238ではNOx放出フラグがリセットされる。
一方、ステップ245ではNOx放出フラグがセットされているか否かが判別される。NOx放出フラグがセットされていないときには処理サイクルを完了する。これに対し、NOx放出フラグがセットされているときにはステップ246に進んで第2のHC吸着酸化触媒42bにおける空間速度SV2が予め定められた許容空間速度SV0よりも高いか否かが判別される。SV2≦SV0のときにはステップ247に進む。
ステップ247では第2のHC吸着酸化触媒42bの温度Tc2が許容温度To以下になったか否かが判別される。Tc2<Toのときにはステップ248に進む。これに対し、Tc2≧ToのときにはTc2<Toになるまで待った後にステップ248に進む。ステップ248では第2のNOx吸蔵触媒43bに吸蔵されているNOxを放出させるのに必要な量の添加すべき燃料量AQが算出され、次いでステップ249では算出された量AQの燃料、即ち軽油が燃料添加弁12bから添加される。次いでステップ238ではNOx放出フラグがリセットされる。
一方、ステップ246においてSV2>SV0であると判断されたときにはステップ239に進んで第1通路50a内の排気制御弁46aが開弁せしめられる。即ち、第1通路50aと第2通路50bの双方が開通せしめられる。次いでステップ240に進む。
圧縮着火式内燃機関の全体図である。 図1に示される後処理装置の拡大図である。 パティキュレートフィルタの構造を示す図である。 NOx吸蔵触媒の触媒担体の表面部分の断面図である。 HC吸着酸化触媒の側面断面図である。 HC吸着酸化触媒の触媒担体の表面部分の断面図である。 燃料吸着量を示す図である。 排気ガスの空燃比の変化を示す図である。 燃料添加時間と排気ガスの空燃比A/F、温度上昇量ΔT、排出HC量Gおよびリッチ時間との関係を示す図である。 排気ガスの空燃比の変化を示す図である。 燃料添加量を示す図である。 NOx放出制御を示す図である。 吸蔵NOx量NOXAのマップ等を示す図である。 排気浄化処理を行うためのフローチャートである。 許容空間速度SV0を示す図である。 NOx浄化処理方法を説明するための図である。 図16に示されるNOx浄化処理方法を実行するためのフローチャートである。 別のタイプの後処理装置を示す図である。 NOx浄化処理方法を説明するための図である。 図20に示されるNOx浄化処理方法を実行するためのフローチャートである。 更に別のタイプの後処理装置を示す図である。 NOx浄化処理方法を説明するための図である。 図22に示されるNOx浄化処理方法を実行するためのフローチャートである。 図22に示されるNOx浄化処理方法を実行するためのフローチャートである。
符号の説明
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
11 排気管
12 燃料添加弁
42 HC吸着酸化触媒
43 NOx吸蔵触媒
45 排気制御弁装置

Claims (13)

  1. 微粒子状の燃料を排気ガス中に添加するための燃料添加手段と、該燃料添加手段下流の機関排気通路内に配置されて排気ガス中に含まれる炭化水素を吸着しかつ酸化するHC吸着酸化触媒と、該HC吸着酸化触媒下流の機関排気通路内に配置されて流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOxを吸蔵し流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOxを放出するNOx吸蔵触媒とを具備し、NOx吸蔵触媒からNOxを放出すべきときには微粒子状の燃料を上記燃料添加手段から添加して添加した微粒子状の燃料を上記HC吸着酸化触媒に送り込むことによりNOx吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすると共に、このときHC吸着酸化触媒における排気ガス流に対する空間速度が予め定められた許容空間速度以下となるように制御されており、更にこのとき上記燃料添加手段から添加する微粒子状燃料の添加量はHC吸着酸化触媒に流入する排気ガスの空燃比がNOx吸蔵触媒に流入するリッチ時の空燃比よりも小さなリッチ空燃比となる量に設定されており、添加された微粒子状燃料はHC吸着酸化触媒に吸着された後に吸着した燃料の大部分がHC吸着酸化触媒内で酸化されてHC吸着酸化触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチにされる時間よりも長い時間に亘ってNOx吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにするようにした圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  2. 機関低速低負荷運転時においてNOx吸蔵触媒からNOxを放出させるために上記燃料添加手段から添加される微粒子状燃料の添加量はHC吸着酸化触媒に流入する排気ガスの空燃比がほぼ1からほぼ7となる量に設定されている請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  3. NOx吸蔵触媒が排気ガス中に含まれる粒子状物質を捕獲して酸化させるためのパティキュレートフィルタ上に担持されている請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  4. HC吸着酸化触媒内を流れる排気ガス量を減少させることによって上記空間速度が予め定められた許容空間速度以下とされる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  5. 排気ガスの通路がHC吸着酸化触媒内に向かう主通路と、HC吸着酸化触媒を迂回するバイパス通路からなり、該バイパス通路内にバイパス制御弁が配置され、該バイパス制御弁を開弁することによってHC吸着酸化触媒内を流れる排気ガス量が減少せしめられる請求項4に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  6. 上記主通路がHC吸着酸化触媒に向けてかまっすぐに延びており、上記バイパス通路はHC吸着酸化触媒の上流において主通路から横方向に分岐されており、バイパス通路の分岐点上流の排気ガスの通路内に微粒子状燃料が添加される請求項5に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  7. 燃料添加手段により微粒子状燃料の添加作用が行われていない通常運転時にはバイパス制御弁は閉弁状態に保持されており、燃料添加手段により微粒子状燃料が添加するときに上記空間速度が予め定められた許容空間速度を越えているときにはバイパス制御弁が開弁せしめられる請求項5に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  8. 上記空間速度が予め定められた許容空間速度よりも低いときにはバイパス制御弁は閉弁状態に保持されており、該空間速度が予め定められた許容空間速度を越えるとバイパス制御弁が開弁せしめられる請求項5に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  9. 排気ガスの通路が第1通路と第2通路からなり、HC吸着酸化触媒が該第1通路内に配置された第1のHC吸着酸化触媒と、該第2通路内に配置された第2のHC吸着酸化触媒からなり、第1通路内を流れる排気ガス流および第2通路内を流れる排気ガス流を制御する排気制御弁装置を具備しており、第1のHC吸着酸化触媒における排気ガス流に対する空間速度を予め定められた許容空間速度以下にすべきときには第1のHC吸着酸化触媒内を流れる排気ガス量を減少させ、第2のHC吸着酸化触媒における排気ガス流に対する空間速度を予め定められた許容空間速度以下にすべきときには第2のHC吸着酸化触媒内を流れる排気ガス量を減少させる請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  10. 上記排気制御弁装置によって通常は第1通路又は第2通路の一方が遮断されており、第1の吸着酸化触媒又は第2の吸着酸化触媒における空間速度を予め定められた許容空間速度以下にすべきときには第1通路および第2通路が共に開通せしめられる請求項9に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  11. 燃料添加手段により微粒子状燃料の添加作用が行われたときに第1通路および第2通路が共に開通せしめられる請求項10に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  12. NOx吸蔵触媒からNOxを放出すべきときに第1のHC吸着酸化触媒又は第2のHC吸着酸化触媒における空間速度が予め定められた許容空間速度を越えているときには第1通路および第2通路が共に開通せしめられ、第1通路および第2通路が共に開通せしめられた後に第1のHC吸着酸化触媒の温度および第2のHC吸着酸化触媒の温度が予め定められた許容温度以下となったときに燃料添加手段により微粒子状燃料が添加される請求項10に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  13. 第2通路が遮断されているときに第1のHC吸着酸化触媒の温度が予め定められた許容温度を越えたときには第1通路が遮断されると共に第2通路が開通せしめられ、第1通路が遮断されているときに第2のHC吸着酸化触媒の温度が予め定められた許容温度を越えたときには第2通路が遮断されると共に第1通路が開通せしめられる請求項10に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
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