JP4306566B2 - 圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気ガス中に含まれる炭化水素、即ちHCを吸着するためのHC吸着触媒を機関排気通路内に配置し、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し流入する排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸蔵されたNOを放出するNO吸蔵触媒をHC吸着触媒下流の機関排気通路内に配置した内燃機関が公知である(例えば特許文献1)。この内燃機関ではリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときに発生するHCはHC吸着触媒に吸着され、このとき発生するNOはNO吸蔵触媒に吸蔵される。
ところでこのようなNO吸蔵触媒を用いたときにはNO吸蔵触媒のNO吸蔵能力が飽和する前にNO吸蔵触媒からNOを放出させる必要があり、この場合燃料の供給量を増量してNO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすればNO吸蔵触媒からNOを放出させかつ放出したNOを還元することができる。しかしながらNO吸蔵触媒からNOを放出させる毎にリーンからリッチに空燃比を大巾に変化させると燃料消費量が増大してしまう。
ところが上述のHC吸着触媒ではHC吸着触媒の温度が活性化温度付近、即ち200℃付近になると吸着されているHCの酸化反応が活発となり、その結果排気ガス中の酸素が急激に消費されるために排気ガス中の酸素濃度が急激に低下する。従ってこのときには少量の燃料を追加供給すれば排気ガスの空燃比をリッチにすることができる。そこで上述の内燃機関ではHC吸着触媒において十分な量の酸素が消費されているか否かを検出し、HC吸着触媒において十分な量の酸素が消費されているときに排気ガスの空燃比をリッチにしてNO吸蔵触媒からNOを放出させるようにしている。
特開2003−97255号公報
しかしながら例えばHC吸着触媒の温度が高くなるとHC吸着触媒の吸着容量が低下する。また、燃料はガス状であるよりも液状のほうがHC吸着触媒に吸着されやすく、にもかかわらず排気ガスの温度が高くなると排気ガス中に添加された微粒子状の燃料のうち蒸発してガス状になる燃料の割合が増大する。その結果、HC吸着触媒又は排気ガスの温度が高くなるとHC吸着触媒に吸着されうる微粒子状の燃料の量が少なくなるということになる。この場合、HC吸着触媒において十分な量の酸素を消費することができないので、NO吸蔵触媒に流入する排気ガスの空燃比をリッチにすることができず、リッチになったとしてもわずかな時間しかリッチに保持できないおそれがある。従って、上述の内燃機関ではHC吸着触媒の温度が高いときにNO吸蔵触媒から確実にNOを放出させることができず、或いはNO吸蔵触媒から確実にNOを放出させるために多量の炭化水素が必要になるという問題点がある。
上記問題点を解決するために本発明によれば、微粒子状の炭化水素を排気ガス中に添加するためのHC添加手段と、該HC添加手段下流の機関排気通路内に配置されて排気ガス中に含まれる炭化水素を吸着するHC吸着触媒と、該HC吸着触媒下流の機関排気通路内に配置されて流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOを放出するNO吸蔵触媒とを具備し、該HC吸着触媒は排気ガス中に添加された微粒子状の炭化水素を吸着保持した後に徐々に蒸発させる機能を有し、HC吸着触媒に吸着保持されうる微粒子状の炭化水素の量である微粒子状HC吸着可能量に応じ、HC吸着触媒に吸着される微粒子状の炭化水素の重質度を変更するHC重質度変更手段を更に具備している。
炭化水素の添加量を増大させることなくNO吸蔵触媒から確実にNOを放出させることができる。
図1に圧縮着火式内燃機関の全体図を示す。
図1を参照すると、1は機関本体、2は各気筒の燃焼室、3は各燃焼室2内に夫々燃料を噴射するための電子制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドを夫々示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7aの出口に連結され、コンプレッサ7aの入口はエアクリーナ8に連結される。吸気ダクト6内にはステップモータにより駆動されるスロットル弁9が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置10が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置10内に導かれ、機関冷却水によって吸入空気が冷却される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7bの入口に連結され、排気タービン7bの出口はHC吸着触媒11の入口に連結される。またHC吸着触媒11の出口は排気管13を介してNO吸蔵触媒12に連結される。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRと称す)通路15を介して互いに連結され、EGR通路15内には電子制御式EGR制御弁16が配置される。また、EGR通路15周りにはEGR通路15内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置17が配置される。図1に示される実施例では機関冷却水が冷却装置17内に導かれ、機関冷却水によってEGRガスが冷却される。一方、各燃料噴射弁3は燃料供給管18を介してコモンレール19に連結される。このコモンレール19は燃料配管19aを介し、電子制御式の吐出量可変な燃料ポンプ20の吐出口に連結され、燃料ポンプ20の吸込口は燃料タンク21に連結される。燃料タンク21内の燃料例えば軽油は燃料ポンプ20からコモンレール19内に供給され、コモンレール19内に供給された燃料は各燃料供給管18を介して燃料噴射弁3に供給される。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35および出力ポート36を具備する。HC吸着触媒11にはHC吸着触媒11の温度TCATを検出するための温度センサ39aが取付けられ、排気管13内には排気ガス中のガス状成分の空燃比を検出するための空燃比センサ39bが配置される。これら温度センサ39aおよび空燃比センサ39bの出力信号は夫々対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、NO吸蔵触媒12にはNO吸蔵触媒12の前後差圧を検出するための差圧センサ39cが取付けられており、この差圧センサ39cの出力信号は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。
アクセルペダル40にはアクセルペダル40の踏込み量Lに比例した出力電圧を発生する負荷センサ41が接続され、負荷センサ41の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。更に入力ポート35にはクランクシャフトが例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ42が接続される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁9駆動用ステップモータ、EGR制御弁16および燃料ポンプ20に接続される。
まず初めに図1に示されるNO吸蔵触媒12について説明すると、NO吸蔵触媒12は三次元網目構造のモノリス担体或いはペレット状担体上に担持されているか、又はハニカム構造をなすパティキュレートフィルタ上に担持されている。このようにNO吸蔵触媒12は種々の担体上に担持させることができるが、以下NO吸蔵触媒12をパティキュレートフィルタ上に担持した場合について説明する。
図2(A)および(B)はNO吸蔵触媒12を担持したパティキュレートフィルタ12aの構造を示している。なお、図2(A)はパティキュレートフィルタ12aの正面図を示しており、図2(B)はパティキュレートフィルタ12aの側面断面図を示している。図2(A)および(B)に示されるようにパティキュレートフィルタ12aはハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路60,61を具備する。これら排気流通路は下流端が栓62により閉塞された排気ガス流入通路60と、上流端が栓63により閉塞された排気ガス流出通路61とにより構成される。なお、図2(A)においてハッチングを付した部分は栓63を示している。従って排気ガス流入通路60および排気ガス流出通路61は薄肉の隔壁64を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス流入通路60および排気ガス流出通路61は各排気ガス流入通路60が4つの排気ガス流出通路61によって包囲され、各排気ガス流出通路61が4つの排気ガス流入通路60によって包囲されるように配置される。
パティキュレートフィルタ12aは例えばコージェライトのような多孔質材料から形成されており、従って排気ガス流入通路60内に流入した排気ガスは図2(B)において矢印で示されるように周囲の隔壁64内を通って隣接する排気ガス流出通路61内に流出する。
このようにNO吸蔵触媒12をパティキュレートフィルタ12a上に担持させた場合には、各排気ガス流入通路60および各排気ガス流出通路61の周壁面、即ち各隔壁64の両側表面上および隔壁64内の細孔内壁面上には例えばアルミナからなる触媒担体が担持されており、図3(A)および(B)はこの触媒担体45の表面部分の断面を図解的に示している。図3(A)および(B)に示されるように触媒担体45の表面上には貴金属触媒46が分散して担持されており、更に触媒担体45の表面上にはNO吸収剤47の層が形成されている。
本発明による実施例では貴金属触媒46として白金Ptが用いられており、NO吸収剤47を構成する成分としては例えばカリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つが用いられている。
機関吸気通路、燃焼室2およびNO吸蔵触媒12上流の排気通路内に供給された空気および燃料(炭化水素)の比を排気ガスの空燃比と称すると、NO吸収剤47は排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOを吸収し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸収したNOを放出するNOの吸放出作用を行う。
即ち、NO吸収剤47を構成する成分としてバリウムBaを用いた場合を例にとって説明すると、排気ガスの空燃比がリーンのとき、即ち排気ガス中の酸素濃度が高いときには排気ガス中に含まれるNOは図3(A)に示されるように白金Pt46上において酸化されてNOとなり、次いでNO吸収剤47内に吸収されて酸化バリウムBaOと結合しながら硝酸イオンNO の形でNO吸収剤47内に拡散する。このようにしてNOがNO吸収剤47内に吸収される。排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金Pt46の表面でNOが生成され、NO吸収剤47のNO吸収能力が飽和しない限りNOがNO吸収剤47内に吸収されて硝酸イオンNO が生成される。
これに対し、排気ガスの空燃比がリッチ或いは理論空燃比にされると排気ガス中の酸化濃度が低下するために反応が逆方向(NO →NO)に進み、斯くして図3(B)に示されるようにNO吸収剤47内の硝酸イオンNO がNOの形でNO吸収剤47から放出される。次いで放出されたNOは排気ガス中に含まれる未燃HC,COによって還元される。
このように排気ガスの空燃比がリーンであるとき、即ちリーン空燃比のもとで燃焼が行われているときには排気ガス中のNOがNO吸収剤47内に吸収される。しかしながらリーン空燃比のもとでの燃焼が継続して行われるとその間にNO吸収剤47のNO吸収能力が飽和してしまい、斯くしてNO吸収剤47によりNOを吸収できなくなってしまう。そこで本発明による実施例ではNO吸収剤47の吸収能力が飽和する前に排気ガスの空燃比を一時的にリッチにし、それによってNO吸収剤47からNOを放出させるようにしている。
具体的に言うと、図1に示される実施例では、図4に示されるように、圧縮上死点付近で行われる主燃料噴射Qmに加えて機関膨張行程または排気行程に燃料噴射弁3から補助燃料Qaを噴射することにより排気ガスの空燃比が一時的にリッチになるようにしている。
さて、燃料噴射弁3から補助燃料Qaを添加することによって排気ガスの空燃比をリッチにすると排気ガス中の酸素濃度が低下するためにNO吸収剤47からNOが放出され、放出されたNOが排気ガス中に含まれる未燃HC、COによって還元される。この場合、添加された燃料が液状であったとすると理論上は排気ガスの空燃比がリッチになったとしても排気ガス中の酸素濃度は低下せず、従ってNO吸収剤47からNOが放出しない。また、燃料が液状である場合にはNOの還元も行われない。即ち、NO吸収剤47からNOを放出させかつ放出されたNOを還元するにはNO吸蔵触媒12に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比をリッチにしなければならない。
上述したように図1に示される実施例では膨張行程または排気行程に燃料噴射弁3から補助燃料Qaが噴射されるようになっており、この補助燃料Qaの一部はガス状となっているがかなりの部分は液状となっている。本発明による実施例では補助燃料Qaがこのように微粒子状であっても排気ガス中の酸素濃度が低下しかつNO吸蔵触媒12に流入する燃料がガス状となるようにNO吸蔵触媒12の上流にHC吸着触媒11が配置されている。次にこのHC吸着触媒11について説明する。
HC吸着触媒11はゼオライトのような細孔構造をもつ比表面積の大きな材料から構成されており、図1に示すHC吸着触媒11の基体はゼオライトの一種であるモルデナイトからなる。図5(A)から(D)はHC吸着触媒11の表面部分の断面を図解的に示している。なお、図5(B)は図5(A)におけるB部分の拡大図を示しており、図5(C)は図5(B)と同じ断面を示しており、図5(D)は図5(C)におけるD部分の拡大図を示している。図5(B)および(C)からわかるようにHC吸着触媒11の表面は凹凸した粗い表面形状を呈しており、この粗い表面形状を有する表面上には図5(D)に示されるように多数の細孔51が形成されていると共に白金Ptからなる貴金属触媒52が分散して担持されている。
燃料噴射弁3から微粒子状の補助燃料Qaが添加されると一部の補助燃料Qaは蒸発してガス状になるがかなりの部分は微粒子の形で基体50の表面上に吸着する。図5(A)および(B)は燃料微粒子53が吸着する様子を示している。
基体50の表面上に吸着した燃料微粒子53は徐々に蒸発してガス状燃料となる。このガス状燃料は主に炭素数の多いHCからなる。この炭素数の多いHCは蒸発する際にゼオライト表面上の酸点又は貴金属触媒52上においてクラッキングされ、炭素数の少ないHCに改質される。次いでこの改質されたガス状のHCがNO吸蔵触媒12に流入する。
図6は燃料噴射弁3からの補助燃料Qaの添加量と、排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fとを示している。なお、図6において(A)はHC吸着触媒11に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを示しており、(B)はHC吸着触媒11から流出してNO吸蔵触媒12に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを示しており、(C)はNO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを示している。
図1に示される実施例ではNO吸蔵触媒12からNOを放出すべきときには各燃料噴射弁3から補助燃料Qaが順次噴射され、従って図6に示されるように補助燃料Qaが時間間隔を隔てて複数回に亘りパルス状に添加される。燃料噴射弁3から補助燃料Qaが添加されると一部の補助燃料Qaは蒸発するために排気ガス中の酸素濃度は低くなり、斯くして図6(A)に示されるようにHC吸着触媒11に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fは小さくなる。しかしながら添加された補助燃料Qaはかなりの部分が液状であるのでHC吸着触媒11に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはリッチとなるほど小さくならない。
一方、燃料噴射弁3から補助燃料Qaが添加されると燃料微粒子はHC吸着触媒11に吸着され、次いでこの燃料微粒子から燃料が徐々に蒸発して前述したようにクラッキングされ、改質される。燃料微粒子から蒸発した燃料又は改質された燃料の一部は排気ガス中に含まれる酸素と反応して酸化され、それによって排気ガス中の酸素濃度が低下する。一方、余剰の燃料、即ち余剰のHCはHC吸着触媒11から排出され、その結果HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはわずかばかりリッチとなる。
HC吸着触媒11に吸着された燃料微粒子からは燃料が徐々に蒸発し、吸着された燃料微粒子が少量となるまで、HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはわずかばかりリッチになり続ける。従って図6(B)に示されるように燃料噴射弁3からの補助燃料Qaの添加作用が完了した後にかなりの時間に亘ってHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはわずかばかりリッチになり続ける。
HC吸着触媒11から流出しNO吸蔵触媒12に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/FがリッチになるとNO吸蔵触媒12からNOが放出され、放出されたNOが未燃HC、COによって還元される。この場合、前述したようにNO吸蔵触媒12に流入する未燃HCはHC吸着触媒11において改質されており、従って放出されたNOは未燃HCによって良好に還元される。図6(C)からわかるようにNO吸蔵触媒12からのNOの放出作用と還元作用が行われている間、NO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはほぼ理論空燃比に維持される。
図7は図6に比べて燃料噴射弁3から添加される補助燃料量を減少させた場合を示している。なお、図7における(A)、(B)、(C)は図6の(A)、(B)、(C)と同じ場所における排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを示している。添加される補助燃料量を減少させると図7(A)に示されるようにHC吸着触媒11に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはさほど小さくならず、図7(B)および図7(C)に示されるようにHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/FおよびNO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fは共に小さくなるもののリーンのままである。
図7に示される場合においても補助燃料Qaが添加されたときに燃料微粒子がHC吸着触媒11に吸着する。しかしながら補助燃料Qaの添加量が少ないためにHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはリッチになることなくリーンに維持され、従ってこのときNO吸蔵触媒12からのNO放出作用は行われない。
このように添加される炭化水素の量によってNO吸蔵触媒12に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比は変化し、従ってNO吸蔵触媒12からNOを放出すべきときにはNO吸蔵触媒12に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがリッチになるような量の炭化水素を添加する必要がある。そこで本発明による実施例ではNO吸蔵触媒12からNOを放出すべく排気ガス中に微粒子状の炭化水素が添加されたときにHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになったか否かを判断する判断手段を具備しており、NO吸蔵触媒からNOを放出すべきときにこの判断手段による判断に応じてHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比をリッチにさせるのに必要な量の炭化水素を添加するようにしている。
排気ガス中のガス状成分の空燃比は排気ガス中のガス状成分から判断できるので、HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになったか否かを判断する判断手段として排気ガス中のガス状成分を検出するセンサを用いることができる。本発明による実施例では図1に示されるようにこの判断手段として空燃比センサ39bが用いられている。この空燃比センサ39bは、ジルコニアの両側に白金薄膜電極を形成し、一方の白金薄膜電極を大気にさらすと共に他方の白金薄膜電極を拡散層を介して排気ガスにさらした、一般的に使用されているセンサであって、この空燃比センサ39bは排気ガス中のガス状成分の空燃比に応じた出力信号を発生する。
図1に示す実施例ではHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比を検出しうるように空燃比センサ39bが配置されており、この空燃比センサ39bの出力信号に基づいてHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになったか否かが判断される。
なお、図1に示す実施例において空燃比センサ39bの出力信号に基づいてHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになっていないと判断されたときには、燃料噴射弁3から添加される微粒子状の補助燃料量が増量される。
一方、このように空燃比センサ39bの出力信号に基づいてHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになっていないと判断されたときには燃料噴射弁3からの補助燃料添加作用は既に完了している。従ってこのときには次にNO吸蔵触媒12からNOを放出すべきであると判断されたときに燃料噴射弁3から添加される微粒子状の補助燃料量が増量される。
ところで、冒頭で述べたように、HC吸着触媒11の温度が高くなるとHC吸着触媒11の吸着容量が低下する。また、燃料はガス状であるよりも液状のほうがHC吸着触媒11に吸着されやすく、にもかかわらず排気ガスの温度が高くなると排気ガス中に添加された微粒子状の燃料のうち蒸発してガス状になる燃料の割合が増大する。
このため、図8に示されるように、HC吸着触媒11又は排気ガスの温度が高くなると、HC吸着触媒11に吸着保持されうる微粒子状の燃料の量である微粒子状燃料吸着可能量が少なくなる。微粒子状燃料吸着可能量が少なくなると、HC吸着触媒11において十分な量の酸素を消費することができなくなるので、例えばNO吸蔵触媒12に流入する排気ガスの空燃比がリッチに保持されている時間が短くなる。
即ち、図9の実線はHC吸着触媒11又は排気ガスの温度が低い場合を示しており、図の破線はHC吸着触媒11又は排気ガスの温度が高い場合を示している。なお、図9における(A)、(B)、(C)は図の(A)、(B)、(C)と同じ場所における排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを示している。HC吸着触媒11又は排気ガスの温度が高くなると、図9(A)に示されるようにHC吸着触媒11に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはほとんど変わらないが、図9(B)に示されるようにHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがリッチに保持されている時間が短くなり、図9(C)に示されるようにNO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがほぼ理論空燃比に保持されている時間が短くなる。
一方、補助燃料Qa(図4参照)の噴射時期を遅角すると、HC吸着触媒11に吸着保持される補助燃料Qa中の例えば1分子中の炭素数が多い成分または高沸点成分の割合が高くなり、即ち補助燃料Qaの重質度が高められる。この重質度の高い燃料はHC吸着触媒11にいったん吸着されると、蒸発してガス状になるまでに時間を要するので、HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがリッチに保持されている時間を延長することができる。
そこで本発明による実施例では、HC吸着触媒11の温度が高いときには低いときに比べて、補助燃料Qaの噴射時期θaを遅角させるようにしている。図10(A)はHC吸着触媒11の温度が低いときを示しており、図10(B)はHC吸着触媒11の温度が高いときを示している。
具体的に説明すると、本発明による実施例では、補助燃料Qaの噴射時期θaが要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数として図11に示すマップの形で予めROM32内に記憶されており、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも低いときには図11のマップを用いて補助燃料Qaの噴射時期θaが算出される。これに対し、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも高いときには図11のマップから算出された噴射時期θaが遅角補正される。
この場合、許容温度T1を、図12に示されるようにHC吸着触媒11のHC吸着割合が許容値、例えば50パーセントになる温度に設定することができる。また、触媒温度TCATが高くなるにつれて噴射時期θaの遅角補正量を大きくするようにしてもよい。
従って、一般化していうと、HC吸着触媒に吸着保持されうる微粒子状の炭化水素の量である微粒子状HC吸着可能量に応じ、HC吸着触媒に吸着される微粒子状の炭化水素の重質度を変更しているということになる。
次にNO吸蔵触媒12からのNO放出制御を含む排気浄化処理全体について説明する。
本発明による実施例ではNO吸蔵触媒12に単位時間当り吸蔵されるNO量NOXAが要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数として図13(A)に示すマップの形で予めROM32内に記憶されており、このNO量NOXAを積算することによってNO吸蔵触媒12に吸蔵されたNO量ΣNOXが算出される。更に、本発明による実施例ではこのNO量ΣNOXが許容値NXに達する毎にNO吸蔵触媒12に流入する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fが一時的にリッチにされ、それによってNO吸蔵触媒12からNOが放出される。
また、HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fをリッチにするのに必要な燃料添加量は空燃比がリーンなほど増大し、排気ガス量、即ち吸入空気量が多くなるほど増大する。一方、空燃比および吸入空気量は要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数であり、従って本発明による実施例では燃料添加量AQが要求トルクTQおよび機関回転数Nの関数として図13(B)に示すマップの形で予めROM32内に記憶されている。
この燃料添加量AQは添加すべき燃料の総量を表わしており、従ってこの燃料添加量AQから各燃料噴射弁3からの補助燃料量が算出される。最終的な添加量は燃料添加量AQに補正係数Kを乗算することに算出され、空燃比センサ39bの出力信号によりHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがリッチではないと判断されたときには補正係数Kが増大せしめられ、それによって最終的な添加量が増量される。
なお、図8に示されるようにHC吸着触媒11ではHC吸着触媒11の温度に応じて吸着しうる燃料量が変化するのでこのことを考慮して補助燃料量を定める必要がある。例えばHC吸着触媒11の温度が低くなるほど吸着しうる燃料量が増大するのでHC吸着触媒11の温度が低くなるほど補助燃料量を増大することができる。
一方、排気ガス中に含まれる粒子状物質はNO吸蔵触媒12を担持しているパティキュレートフィルタ12a上に捕集され、順次酸化される。しかしながら捕集される粒子状物質の量が酸化される粒子状物質の量よりも多くなると粒子状物質がパティキュレートフィルタ12a上に次第に堆積し、この場合粒子状物質の堆積量が増大すると機関出力の低下を招いてしまう。従って粒子状物質の堆積量が増大したときには堆積した粒子状物質を除去しなければならない。この場合、空気過剰のもとでパティキュレートフィルタ12aの温度を600℃程度まで上昇させると堆積した粒子状物質が酸化され、除去される。
そこで本発明による実施例ではパティキュレートフィルタ12a上に堆積した粒子状物質の量が許容量を越えたときには排気ガスの空燃比がリーンのもとでパティキュレートフィルタ12aの温度を上昇させ、それによって堆積した粒子状物質を酸化除去するようにしている。具体的に言うと本発明による実施例では差圧センサ39cにより検出されたパティキュレートフィルタ12aの前後差圧ΔPが許容値PXを越えたときに堆積粒子状物質の量が許容量を越えたと判断され、このときパティキュレートフィルタ12aに流入する排気ガスの空燃比をリーンに維持しつつ燃料噴射弁3から補助燃料を添加してこの添加された補助燃料の酸化反応熱によりパティキュレートフィルタ12aの温度を上昇させる昇温制御が行われる。
図14は本発明による実施例の排気浄化処理ルーチンを示している。
図14を参照するとまず初めにステップ100において図13(A)に示すマップから単位時間当り吸蔵されるNO量NOXAが算出される。次いでステップ101ではこのNOXAがNO吸蔵触媒12に吸蔵されているNO量ΣNOXに加算される。次いでステップ102では吸蔵NO量ΣNOXが許容値NXを越えたか否かが判別され、ΣNOX>NXとなったときにはステップ103に進んで燃料噴射弁3からの補助燃料Qaの添加処理ルーチンが行われる。この添加処理ルーチンは図15に示されている。
次いでステップ104では差圧センサ39cによりパティキュレートフィルタ12aの前後差圧ΔPが検出される。次いでステップ105では差圧ΔPが許容値PXを越えたか否かが判別され、ΔP>PXとなったときにはステップ106に進んでパティキュレートフィルタ12aの昇温制御が行われる。
図15は、図1に示されるようにHC吸着触媒11から流出した排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを空燃比センサ39bによって検出するようにした場合における燃料添加制御を示している。
図15を参照するとまず初めにステップ200において図13(B)に示すマップから燃料添加量AQが算出される。次いでステップ201では燃料添加量AQに補正係数Kを乗算することによって最終的な燃料添加量AQ(=AQ・K)が算出される。次いでステップ202では図11のマップから補助燃料Qaの噴射時期θaが算出される。次いでステップ203ではHC吸着触媒11の温度TCATが温度センサ39aにより検出される。次いでステップ204では触媒温度TCATが許容温度T1よりも高いか否かが判別される。TCAT≦T1のときにはステップ204からステップ206にジャンプする。これに対し、TCAT>T1のときには次いでステップ205に進んで補助燃料Qaの噴射時期θaが遅角補正される。次いでステップ206に進む。ステップ206では、各燃料噴射弁3から噴射時期θaに燃料添加量AQだけ補助燃料が添加される。
次いでステップ207では燃料が添加されてから一定時間経過するまで待ち、一定時間経過したときにステップ208に進んで空燃比センサ39bの出力信号に基づきHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがリッチであるか否かが判別される。リッチであると判別されたときにはステップ211に進んでΣNOXをクリアした後に処理サイクルを完了し、リッチではないと判別されたときにはステップ209に進む。
ステップ209では補正係数Kに一定値ΔKが加算され、次いでステップ210では予め定められた待ち時間が経過するまで、即ち添加された補助燃料が消費されるまで待つ。待ち時間が経過するとステップ200を経てステップ201、ステップ202へと進み、前回よりも多量の補助燃料が添加される。
図16に本発明の別の実施例を示す。
図16に示される実施例では、排気マニホルド5にはミスト状の、即ち微粒子状の炭化水素を排気ガス中に添加するためのHC添加弁14が取付けられる。このHC添加弁14は三方弁22を介して重質HC供給管23Hかまたは軽質HC供給管23Lに選択的に連結される。重質HC供給管23Hは電子制御式のHCポンプ24Hを介して重質HCタンク25Hに連結され、軽質HC供給管23Lは電子制御式のHCポンプ24Lを介して軽質HCタンク25Lに連結される。重質HCタンク25H内には重質度の高い炭化水素即ち重質HCが収容されており、軽質HCタンク25L内には重質度の低い炭化水素即ち軽質HCが収容されている。
図16に示される実施例では、NO吸蔵触媒12からNOを放出すべきときには燃料添加弁14から炭化水素が時間間隔を隔てて複数回に亘りパルス状に添加される(図6参照)。
この場合、HC添加弁14から添加される炭化水素の種類が、微粒子状HC吸着可能量を表すHC吸着触媒11の温度TCATに応じて切り換えられる。即ち、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも低いときには、三方弁22が制御されてHC添加弁14が軽質HC供給管23Lに接続されると共に軽質HCポンプ24Lが作動され、斯くして軽質HCが添加される。これに対し、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも高いときには、三方弁22が制御されてHC添加弁14が重質HC供給管23Hに接続されると共に重質HCポンプ24Hが作動され、斯くして重質HCが添加される。
このようにすると、HC吸着触媒11の温度TCATが高いときに、HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがリッチに保持されている時間を延長することができる。
図16に示される実施例における許容温度T1は、例えば図17に実線Lで示される軽質HCの蒸留割合が許容割合例えば50パーセントになる温度に設定することができる。なお、図17に実線Hで示されるのは重質HCの蒸留割合であり、許容温度T1では重質HCはほとんど蒸発しない。
図18は図16に示される実施例における燃料添加制御を示している。図18に示すルーチンは、ステップ202から206がステップ300から303に置き換えられている点でのみ図15に示すルーチンと異なっており、従って図18に示すルーチンについてはステップ300から303についてのみ説明する。
ステップ300ではHC吸着触媒11の温度TCATが温度センサ39aにより検出される。次いでステップ301では触媒温度TCATが許容温度T1よりも高いか否かが判別される。TCAT≦T1のときにはステップ302に進み、燃料添加弁14から燃料添加量AQだけ軽質HCが添加される。次いでステップ207に進む。これに対し、TCAT>T1のときには次いでステップ303に進み、燃料添加弁14から燃料添加量AQだけ重質HCが添加される。次いでステップ207に進む。
図19に本発明の更に別の実施例を示す。
図19に示される実施例は、軽質HCポンプ24L及び軽質HCタンク25Lが省略されると共に、軽質HC供給管23Lが燃料配管19aに接続される点で、図16に示される実施例と構成を異にしている。
この場合、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも低いときには、三方弁22が制御されてHC添加弁14が軽質HC供給管23Lに接続され、斯くして燃料即ち軽油が添加される。これに対し、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも高いときには、三方弁22が制御されてHC添加弁14が重質HC供給管23Hに接続されると共に重質HCポンプ24Hが作動され、斯くして重質HCが添加される。従って、図19に示される実施例では燃料が軽質HCとして作用する。
図20に本発明の更に別の実施例を示す。
図20に示される実施例では、機関1の燃料即ち軽油を蒸留して重質成分と軽質成分とに分離する蒸留装置26が設けられる。燃料の重質成分は蒸留装置26から重質成分配管27Hを介し重質HCタンク25Hに供給され、燃料の軽質成分は蒸留装置26から軽質成分配管27Lを介し軽質HCタンク25Lに供給される。蒸留装置26には燃料タンク21内の燃料が燃料ポンプ28により供給される。図20に示される実施例はこれらの点で図16に示される実施例と構成を異にしている。
この場合、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも低いときには、三方弁22が制御されてHC添加弁14が軽質HC供給管23Lに接続されると共に軽質HCポンプ24Lが作動され、斯くして燃料の軽質成分が添加される。これに対し、HC吸着触媒11の温度TCATが許容温度T1よりも高いときには、三方弁22が制御されてHC添加弁14が重質HC供給管23Hに接続されると共に重質HCポンプ24Hが作動され、斯くして燃料の重質成分が添加される。
これまで述べてきた各実施例では、HC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比を検出しうるように配置された空燃比センサ39bの出力信号に基づいてHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになったか否かを判断している。
しかしながら、NO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比を検出しうるように配置された空燃比センサ39bの出力信号に基づいてHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになったか否かを判断することもできる。これを図1の実施例に適用した場合を示す図21を参照しながら説明する。
図21に示される実施例では、NO吸蔵触媒12の出口に連結された排気管24内に排気ガス中のガス状成分の空燃比を検出するための空燃比センサ39bが配置されている。
図6(B)および(C)に示されるようにHC吸着触媒11から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/FがわずかばかりリッチになっているときにはNO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fはほぼ理論空燃比となる。そこで図21に示す実施例ではNO吸蔵触媒12から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比を検出しうるように空燃比センサ39bが配置されており、この空燃比センサ39bにより検出された排気ガス中のガス状成分の空燃比がほぼ理論空燃比であるときにHC吸着触媒から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになっていると判断される。
図22は、図15に示されるようにNO吸蔵触媒12から流出した排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fを空燃比センサ39bによって検出するようにした場合における燃料添加制御を示している。
図22に示すルーチンにおいて図15に示すルーチンと異なるのはステップ208’のみであり、従って図22に示すルーチンについてはステップ208’のみについて説明する。
図22を参照するとこのステップ208’では空燃比センサ22の出力信号に基づきNO吸蔵触媒12から流出した排気ガス中のガス状成分の空燃比A/Fがほぼ理論空燃比であるか否かが判別される。ほぼ理論空燃比であると判別されたときにはステップ211に進み、ほぼ理論空燃比ではないと判別されたときにはステップ209に進む。
圧縮着火式内燃機関の全体図である。 パティキュレートフィルタの構造を示す図である。 NO吸蔵触媒の触媒担体の表面部分の断面図である。 主燃料噴射及び補助燃料噴射を説明するためのタイムチャートである。 HC吸着触媒の触媒担体の表面部分の断面図である。 排気ガス中のガス状成分の空燃比の変化を示す図である。 排気ガス中のガス状成分の空燃比の変化を示す図である。 燃料吸着量を示す図である。 排気ガス中のガス状成分の空燃比の変化を示す図である。 補助燃料の噴射時期の遅角補正を説明するためのタイムチャートである。 補助燃料の噴射時期θaのマップを示す図である。 HC吸着割合を示す図である。 吸蔵NO量NOXA等のマップを示す図である。 排気浄化処理を行うためのフローチャートである。 燃料添加処理を行うためのフローチャートである。 圧縮着火式内燃機関の別の実施例を示す全体図である。 燃料蒸留割合を示す図である。 図16に示される実施例の燃料添加処理を行うためのフローチャートである。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。 圧縮着火式内燃機関の更に別の実施例を示す全体図である。 図21に示される実施例の燃料添加処理を行うためのフローチャートである。
符号の説明
3 燃料噴射弁
4 吸気マニホルド
5 排気マニホルド
11 HC吸着触媒
12 NO吸蔵触媒
14 燃料添加弁
39a 温度センサ

Claims (5)

  1. 微粒子状の炭化水素を排気ガス中に添加するためのHC添加手段と、該HC添加手段下流の機関排気通路内に配置されて排気ガス中に含まれる炭化水素を吸着するHC吸着触媒と、該HC吸着触媒下流の機関排気通路内に配置されて流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中に含まれるNOを吸蔵し流入する排気ガスの空燃比が理論空燃比又はリッチになると吸蔵したNOを放出するNO吸蔵触媒とを具備し、該HC吸着触媒は排気ガス中に添加された微粒子状の炭化水素を吸着保持した後に徐々に蒸発させる機能を有し、HC吸着触媒に吸着保持されうる微粒子状の炭化水素の量である微粒子状HC吸着可能量に応じ、HC吸着触媒に吸着される微粒子状の炭化水素の重質度を変更するHC重質度変更手段を更に具備した圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記HC重質度変更手段は、微粒子状HC吸着可能量が少ないときには多いときに比べて微粒子状の炭化水素の重質度を高くする請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記HC添加手段は、筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁から機関膨張行程または排気行程に補助燃料を噴射することにより微粒子状の炭化水素を排気ガス中に添加するようにし、上記HC重質度変更手段は補助燃料の噴射時期を微粒子状HC吸着可能量に応じて変更する請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記HC添加手段が排気ガス中に軽質炭化水素か又は重質炭化水素を選択的に添加するHC添加弁を具備し、上記HC重質度変更手段はHC添加弁から添加される炭化水素の種類を微粒子状HC吸着可能量に応じて切り換える請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
  5. 更にNO吸蔵触媒からNOを放出すべく排気ガス中に微粒子状の炭化水素が添加されたときにHC吸着触媒から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比がリッチになったか否かを判断する判断手段を具備し、上記HC添加手段は、NO吸蔵触媒からNOを放出すべきときに該判断手段による判断に応じてHC吸着触媒から流出する排気ガス中のガス状成分の空燃比をリッチにさせるのに必要な量の炭化水素を添加する請求項1に記載の圧縮着火式内燃機関の排気浄化装置。
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